前記事:アメリカを侵略している南京虫は DDT にも耐えられるスーパー南京虫(前編)
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Invasion of “Super Bed Bugs” in America
EARTHFILES 2010.10.02
インタビュー:ヴァージニア工科大学 ディニ・ミラー昆虫学博士
都市害虫コントロールの専門家。
「南京虫が拡大しており、また、激しくなっていっている理由のひとつが、殺虫剤に対して南京虫に耐性がついていることです。彼らの多くには殺虫剤をほとんど体内に通さない体の表面の外皮があり、残留物等を摂取することがないのです。害虫駆除の専門家である我々は、殺虫剤で殺せるものはすべて殺しているわけで、そこで生き残ったものは殺虫剤での影響は受けにくい。」
Q:今回の問題はDDTを禁じたためではないかという人たちもいますが。
「思い起こしてほしいのですが、 DDT を1950年代に使用開始してから、たった8年で、南京虫は DDT に対しての耐性を高めたという歴史があります。 DDT の後には、マラチオン(有機リン・有機硫黄系殺虫剤の一種)を使い始めました。それからというものは、昆虫対策のために専門家が使おうと試みたすべての化学薬品に対して、南京虫たちは耐性をつけていったのです。その頃、米国では、南京虫だけではなく、ハエなど他の虫たちも DDT に対しての耐性をつけていました。」
「すでに耐性を持った虫たちに対して、私たち米国人がやったことというと、DDT の使用量を増やしたということでした。多くの人々が DDT の粉末を、家具だろうと、家族だろうと、どこにでも誰にでも散布し始めたのです。寝室では、枕にもマットレスにも DDT を散布しました。我々は、南京虫が DDT に耐性を進化させ続けていることを知らなかったのです。そして、さらなる耐性が発生しました。現在、私たちがコントロールしようとしている非常にタフな南京虫たちがそれらなのです。」
Q:この南京虫の問題が特にこの10年で爆発的に拡大したのはどうしてだとお考えになりますか?
「それは・・・たとえば、生態系の中では、生物はエサが増えると増加します。そして、南京虫の場合はエサが人間となるわけで・・・エサが増えたということです。つまり、(米国に)人が増えたことが理由だと思います。」
Q:これはいわゆる「スーパー南京虫」の話と理解してよろしいのですか?
「はい。」
Q:彼らに食物を供給するのは人間だけですか?
「唯一ではありません。しかし、人間は長い間、南京虫の主要な食糧源でした。もともと、南京虫の祖先は洞穴などに住んでおり、コウモリをエサにしていました。そして、洞穴に人間がやって来た時以来、南京虫は人間を食料源として生き始めました。人間はいろいろな場所に移動することができます。そうして、人間は世界中に南京虫を運びました。南京虫は人間の他には、鳥をエサにできます。」
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