<< 1  2 

2011年02月28日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




複合的な火山噴火の可能性と自分の中の「神性と悪夢」



いろいろなことが起きすぎていて、頭の中で整理するのが難しいです。


3月4日のアメリカ連邦政府の閉鎖は回避されるか?

世界的には、アメリカ政府の閉鎖危機という話題は大きそうです。
これは日本語メディアでもすでに報道されています。

連邦政府機関が閉鎖の危機、予算めぐる対立で (CNN 2011.02.22)より。

議会で今年度予算案をめぐる与野党の対立が続き、連邦政府機関が一時的に閉鎖される可能性が出てきた。ホワイトハウスでは閉鎖を回避するための議論が続いている。


とはいえ、何となく一大事に見える「アメリカ連邦政府の閉鎖」というイベントも、前回は 1995年にあったというものらしく(連邦政府の閉鎖が何度も繰り返される?)、また、閉鎖された場合も、どのようなるかは予測できるものらしいです。
基本的には直前に回避されると思われますが・・・。

ちなみに、前回 1995年の時の連邦政府の閉鎖の際は1995年のデジャブによりますと、

1995年の出来事で忘れてはならないことは、ドル/円レ−トで円がドルに対して最高値を更新し、4月に東京外為市場で79円台が示されたことでしょう。年初には100円を付けていたレ−トが4月には80円を割った。20円以上ものドル安円高であった。


ということらしいですので、 FX などをされている方はお気をつけて下さい。売り買いどちらの立場でも短期間での 10円20円変動の地獄に付き合っていては、アルマゲドンの前に命が尽きてしまいます。投資のことはすでにわからないですが。


あと、アメリカでは、群発地震が続いていたアーカンソー州でついにマグニチュード 4.7 の地震が発生しています。

arkansas-02-27.png

USGSより。左の数値から「マグニチュード」、「発生した日付と時間」、「緯度と経度」、「震源の深さ(km)」となっています。震源の深さはかなり浅いです。


このアーカンソー州というのは、昨年の大晦日に「空から鳥が一斉に落ちてきた」あたりの場所で、2011年の動物大量死の話題の口火を切った場所です。「ニューマドリッド断層地震帯が活発化している?」という懸念の記事をご紹介したことがあります。

米国アーカンソーの鳥と魚の大量死をめぐるブログより(1)ニューマドリッド断層地震帯 (2011年01月05日)



(参考資料) ニューマドリッド地震帯

ニューマドリッド地震帯は、アメリカ合衆国中西部にある地震帯で、イリノイ州、ミズーリ州、アーカンソー州、ケンタッキー州、テネシー州、ミシシッピ州の6つの州にまたがる活断層帯である。ニューマドリッド断層ともいう。約300年から500年間隔で大地震を引き起こすと考えられており、近年発生した地震では1811年から1812年の冬季に連続して発生したニューマドリッド地震である。



さて、そういうアメリカ政府とかアメリカの地震のこともあるのですが、今回は火山の話題です。

これまで、

・アイスランドの火山の噴火
・イエローストーンの噴火
・北朝鮮の白頭山の噴火


などを何度か取り上げたことがありますが、今回はアイスランドで「新しい群発地震」が起きていることと、「白頭山の噴火情報の混乱」についてです。

ふたつまとめてですので、多少長くなるかもしれないです。
続きを読む



  


In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





翻訳記事ではないですが、個人的に大変に興奮するニュースのひとつがありましたので、いろいろと長くなりそうですが、その周辺について書かせていただきます。

米国の投稿サイトを見ていましたら、Full Color Night Vision Developed by Japanese Researchers (日本人研究者によってフルカラーの暗視装置が開発される)という英語記事がありました。

「なんだろう」と読み進めていて、最後まで読み終えたところにソースリンクが書かれてあり、それは日本語のページなのでした。
というわけで、こちらのページです。

暗視カラー撮像技術を開発
独立行政法人 産業技術総合研究所 2011年02月08日
--

これは一言で書くと、「暗闇中にある被写体のカラー動画像の撮像に成功」というもので、リンク先の記事をお読みになっていただくのがいいかと思いますが、冒頭部はこうあります。

この技術は、独自に開発した高感度赤外線撮像技術と高速画像処理技術を用いることによって、暗闇でも被写体のカラー動画像をリアルタイムで撮像することができる技術である。この技術を応用することによって、視認性の高いセキュリティーカメラを提供することが可能となり、より安全な社会の実現に貢献するものと期待される。


night-1.jpg


防犯上などの目的で作られたということが書かれてありますが、その開発の目的や用途は私にはどうでもよく、では、なぜこのニュースにそんなに興奮したかというと、もう 2008年くらいから連綿と個人的に続いている「2つのこと」が交差した場所にある報道だからです。

その2つのこととは、

・日本人科学者による発見(あるいは発明)

そして、

・「見る」という行為の真実

の2つです。

これだけ書くとわかりにくいと思いますので、書いてみたいと思います。
どちらも、人間の進化やあるいは「真実の人間の体内器官の役割」を求めることと関係しています。


人間自身の体内の「見る」行為の進化の可能性は?

今回のことは、特に「見る」ということと関係しています。

これまで、松果体などのことについて書いたことがありましたが、今、私たちは「見る」という行為について、非常に狭い範囲で考えている面はあります。その狭い範囲とは、すなわち「目で(だけ)見る」と考えていることです。

目から光を受けて、それを受容体で受けて脳が認識することで、光と色を「感じる」のが見るという行為とされていますが、これだと、人間は「真っ暗な中では見えない」という宿命と共に生きていくことになります。

しかし、「本当の本来の人間の体の仕組」はそうなのだろうかという疑問です。

あとでリンクいたしますが、光を松果体で見ているメキシコの魚の存在などがある一方で、そして、あらゆる地球上の生き物には「横のつながり的な組織的系統」がある。つまり、「生き物は基本的に似ている」と。

この「生き物は基本的に似ている」ということに関しては、ハエの眼球の動きの働きと哺乳類の眼球の働きを比較した研究データがどこかにあるのですが、ネットではなく自分の持っている本ですので、見つかれば掲載いたします。今は曖昧な記憶だけです。


いずれにしても、そういうことがあり、松果体で光を見ている生命はメキシコの魚だけではないはずです。多くの地上の大型生物は視覚(目で見る)に頼って生きていますが、特に、人間に関しては「いくつかの機能を使っていないだけではないか」という話が、中世の学問やオカルトから延々と続いているようです。

それらの難しい話は関係なく、今、ここに、産業技術総合研究所は「闇夜でクリアに見える技術」を開発しており、少なくとも技術ではできている。ということは、「宇宙の物理の仕組み自体は本来は暗黒でも見える可能性がある」ということなのではないか、などと思った次第です。

night-scope1.jpg

▲ 真っ暗の中で撮影した写真。「真っ暗闇でハイチーズ」とかもできそう(そんなための技術じゃないやい)。


この「光のない場所にあるものが普通に見える(撮影できる)」概念や具体的な仕組のようなもので、人体の構造の中に隠された機能がどこかにあれば、人間はいわゆる「光」だけに頼らなくて「見て」生きていくことができる。

もちろん、かなり遠い未来の話にしても、姿形は同じままで「新しい人間」というものは、遠い未来には存在「していてほしい」し、それには松果体や脳下垂体、あるいは今は軽んじられている脾臓や盲腸といったすべての器官までもが完全に機能する人間が存在してほしいと考えています。

というわけで、上の「2つのこと」をひとつずつご説明させていてただきます。



日本人科学者たちが見つけていること

私は 2008年の11月くらいに突然、自分で変化を感じて(基本的には何も変わっていない気もするんですが)、その頃から感銘を受けるニュースの種類というものに変化が生じました。

その上で、この3年の間ほどの間で私がもっとも衝撃を受けた三大ニュースというのが、すべて「日本人による発見と発明」でした。それは次の3つです。それぞれニュースサイトや当事サイトなどのリンク先を貼っていますので、ご存じのないニュースがありましたらぜひお読みください。



2008年-2010年の個人的三大ニュース(順不同)

生命の起源が宇宙から飛来したことを裏付ける根拠を観測
国立天文台(日英豪米の共同研究グループ) 2010年04月06日発表

古代銀河ヒミコの発見
大内正己(米国カーネギー研究所) 2009年5月10日発表

植物や藻類の中で葉緑素が緑色になる反応のしくみを解明
栗栖源嗣(大阪大学・蛋白質研究所と名古屋大学・生命農学研究科などの共同研究) 2010年04月18日発表




並べてみると何だか地味な三大ニュースですが(苦笑)、国立天文台の観測結果は、「地球の生命すべてが宇宙から来た物質で構成されている」ことをほぼ証明し、大内正己さんのヒミコは宇宙のビッグバンの事実上の否定に繋がりかねないもので、大阪大学の葉緑素の研究発表は、「太陽の光を失った時に生命が生きる方法」を裸子植物(マツやソテツなど)が教えてくれていることを示します。


himiko_s.jpg

▲ 古代銀河ヒミコ。129億光年のところにあるこの巨大な天体はビッグバン理論では説明がほぼできません。他にも、同じようなビッグバン理論では説明のつかない巨大な古代銀河がたくさん発見されています。ビッグバンという言葉も最近では科学者の間ではあまり使われなくなってきた感があります。そのうち自然消滅すると思われます。


国立天文台の「生命の起源」に関しては、「そうも考えられる」ということではなく、地球の生命が宇宙から来たという「以外」には考えられない観測結果となっていて、地球の生命が宇宙から来たことは断定できると思います。

下の文章は報道記事からの抜粋ですが、「断定できる根拠」はこの部分

アミノ酸は互いに鏡像の関係にあり、L型(左型)とD型(右型)に分類されている。地球上の生命を構成するたんぱく質はアミノ酸から構成されているが、ほとんどが左型になっており、生命の起源と関わりがあるのではないかと考えられてきた。

に由来します。

ここでは「ほとんどが左型になっており」と書かれていますが、実質的には全部です。理由はわからないのですが、地球の人類や他の生命も、ことごとく「左型のアミノ酸」というもので構成されているらしいのです(自然に発生させれば右と左は均等にできる)。そのあたりの観測との一致に関しては、いろいろと難しい記述も続くのですが、衝撃的な報道記事でした。

このことに関しても、今後、私たちの共通の認識として、生命は宇宙からやって来たという認識にスムーズに移項していくと思います。

科学は最終的には人間を裏切らないと私は信じたいですが、その希望を見出すニュースの多くを、私は日本人研究者による「一見地味な」研究に見ることができるのです。

他にもいろいろとあります。

上に書いたメキシコの魚の松果体の働きを発見したのも日本人でした。

Blind Fish Sees With the Pineal Gland(英語)
ヨシザワ マサト(米国メリーランド大学) 2008年7月

mexico-fish.jpg

▲ そのメキシコの魚。目は退化して持たない。


下は以前書いた記事からの抜粋です。




(参考記事) ペアである自分(2)より。

これは、彼ら眼を持たない魚が、視覚で光を見ているわけではないけれど、彼らが見ているものは決して夢や想像だけではなく、「光」という現実を見ていることを示します。


pine-foton.jpg

▲ 人間の松果体の位置。


松果体というのは二つの大脳の間あたりに位置する器官ですが、医学的な意味では、メラトニンというホルモンを作り出すことに関与していること以外の役割はほとんど不明です。ただ、思想ベースでは古くから語られてきたようで、Wikipedia にこうあります(抜粋)。

デカルトはこの世界には物質と精神という根本的に異なる二つの実体があるとし、その両者が松果体を通じて相互作用するとした。デカルトは松果体の研究に時間を費やし、そこを「魂のありか」と呼んだ。

松果体は眠っている器官であり、目覚めるとテレパシーが使えるようになると信じる人もいる。ニューエイジ運動の初期の指導者であるアリス・ベイリーのような作家は、精神的な世界観において「松果体の目」を重要な要素としている。






このメキシコの魚たちも、目は使っていないとはいえ、実際には松果体で「光」を見ているということになり、「やはり光は重要なんだ、光だ、光だ」と幼き我々は叫ぶわけですが(誰だよ)、しかし、そこに立ちはだかったのが、上の3番目のニュースの大阪大学の栗栖教授たちの研究「植物や藻類の中で葉緑素が緑色になる反応のしくみを解明」なんです。

裸子植物、つまり、マツやスギやソテツたちの仲間。
あれらは光も要らないのです。

ついに、「光を否定した生命」が出てきた。

論文は下のようなものです。
これは論文そのものではなく、プレスリリースから。

ダイズを暗いところで芽生えさせると緑にならないで黄色い"もやし"になってしまいます。これはダイズなどの植物では、緑色のもとになる葉緑素を作るための最終段階ではたらく酵素が光を使ってはたらくためです。これに対して、クロマツやドイツトウヒなどの裸子植物の芽生えは暗いところでも葉緑素を作り緑色になることができます。また、多くの藻類やラン藻、光合成細菌も暗所でも緑になる能力をもっています。


「お前たちは光もなしで光合成をやっちゃうのかよ・・・」と私は驚き、興奮しました。
うちには観葉植物としてのソテツもあるのですが、そのソテツと向かい合って、酒を飲んだりしたものでした(キチガ・・)。

ちなみに、ソテツはソテツ(生きた化石)によりますと、

 > ソテツの化石は古生代のペルム紀初期の約2億8000万年前にさかのぼることができます。

と、非常に歴史のある生命のひとつです。
3億年の地球の歴史の中にはかなり苛酷な時代もあったと思われます。

低温、高温、そして超巨大火山の噴火などでの日照不足や、大洪水、大干ばつ、いろいろとあったでしょうが、ソテツは生き残っています。

滅んでいった恐竜や、あらゆる小型生物、大型生物そして、やはり生き残れなかった大多数の植物を横目に生き残り、今では観葉植物店で売っていたり、あるいは、たとえば私の部屋にあったりします。

今もこれを書きながら、「ソテツよ・・・お前のことを書いている」と話かけたりしていますが(キ・・・まあいいや)、人類あたりと比べると大変な歴史を持つ生命のひとつであることは確かです。

sotetu3-2.jpg

▲ ソテツ。うちのはデカいです。


「先人の知恵」というような言葉がありますが、マツやソテツが生き残ることができた方法を体得すれば、他の生命も追随できる可能性はあると考えます。

どうしてこんなに植物のことにこだわっているかというと、「人間が植物を目指すことは理想的なことかもしれない」という考えを知ってからのことです。



「原植物」を目指す人類

昔、ブログに西洋オカルトの中心的思想のひとつである「薔薇十字」の修行をしている方がコメントを書かれていたことがあり、その人が書いていたコメントを転載させていただきたいと思います。

私は中世のオカルトの知識がゼロですので、私自身が理解しているかというと、それはわからないですが、概念として興味深く、今でも好きなもののひとつです。

ここから転載です。
改行だけさせていただいています。




部屋とウイルスと私 コメント欄より。
--

シュタイナーが言う体内における光合成の件、これは明らかにオカルトに聞こえますが、薔薇十字の伝統に生きる者は本気でこれを実践します。狂気の沙汰と言われようと、呼吸による身体内の炭素の把握はぼくらの最重要の関心事です。

これは呼吸の行とよばれます。

ぼくら薔薇十字の徒は人間の本来のバランスを取り戻そうとします。呼吸の行というのは人間である自分と植物との共生の問題です。人間は生きているだけで大気中に二酸化炭素をばら撒きます。そして「どれだけ二酸化炭素を排出しないか」という冗談みたいなことが、ぼくら薔薇十字の修行者にとっては真面目な課題です。

古神道の大国隆正という人の『本学挙要』という本の中に人と稲が逆さに並べて描かれている図があります。これはフトマニの区象といって、人間は逆さまになった植物であり、互いに共生しているという旨を説明するものです。西洋でも東洋でも霊学ではこれは一般的な認識です。

薔薇十字でもおなじです。

植物というのは、体内に緑色の血が流れ、太陽に向かって真っすぐに成長する地上の存在としてはピュアなあり方のお手本みたいなものです。

ゲーテには「原植物」という理想的な植物の概念があります。つまりあれが人間として目指すべき理想であり、最高の元型です。鉱物の中にも例えば水晶のように炭素が純化された存在として理想的な存在たちが居ます。植物や鉱物というのは本来の意味において頭上の天体運動の鏡像みたいなものです。薔薇十字の理想は、赤い血の情熱を保ちつつ植物のように上へと向かうことです。そして太陽に向かうことです。これが重要な点です。

天体のなかで西洋神秘学でロゴス(言語)と呼ばれるものの象徴が「太陽」です。

でも現在の宇宙で頭上に輝く太陽が人間にとっての「言語」の象徴に過ぎないとすれば、物理的に把握されるただの象徴である太陽より、植物のほうが先に創造されるというのは自然ですよね?

その前に「言語」は既に存在している、というより、むしろこの宇宙の原初には「言語」が先にあったのですから。それ自体は植物の誕生よりずっと昔だというわけです。「言語」という表現がいけませんね。ロゴスとは「秩序」のことです。

人間によって認識される物理的な宇宙が誕生したのは、つい最近のことです。

それを観察する科学が人間中心であるのは当然といえば、当然かも知れません。ロジックによって把握する対象として宇宙が存在を開始したのは、ロジックを駆使するようになった人間の大脳の誕生と密接に関わりがあります。人間はそれ以前に存在していた "見えない" ロジックの宇宙を "見える" ロジックとして観察することが出来るようになりました。

これは物理的な脳が誕生したおかげです。人間のロジックは宇宙のそれの模倣に過ぎませんが、でもこの模倣を可能にする大脳という精密な器官を作り上げるために、宇宙はとてつもない長い時間と労力を費やして来ました。だからある意味、科学的な認識手法というのはこの宇宙の最大の成果であると言えます。

それ以前の宇宙は、光があっても太陽がないようなものでした。内的な光で認識されただけです。

しかし実際、太陽が出現し、またこれによって眼という器官が形成され、そして脳が作り出されました。人類がこの能力をどう利用したかは別として、人間における理知的な行為を可能にする完成された脳神経系は、どう見積もっても神の最高傑作であるに違いありません。

そして人間に与えられたこの認識力の限り、ロゴスの象徴である太陽のなかに根源的な神性を知ることこそ、霊的な伝統のいずれの系譜においても追求されてきた共通の課題でした。

気の遠くなるような昔から過去の賢人たちはそのために気の遠くなるような努力によってその道を準備して来ました。宗教とは、そのようなものの大成です。

太陽へと向かう植物のようにしかも自由への衝動を内に担いながら上へと成長しようとする、地上では類をみない神聖な存在として人間存在が語られ、そしてその正しい道が古今東西どの流派に限るとなく実践されて来ました、、、、、と、このようなことを信じる、信じないは別として、いずれにせよこれが宇宙と人間の歴史に対する薔薇十字の伝統の解釈です。





転載ここまで。


まあ、難しいことに関してはともかく、私は「人間はいずれにしても進化するのだろう」とは思っています。

それがどういう方向性かというのはわかりません。
ただ、上で3つあげた日本人による研究と発表というものが、それぞれひとつずつダイレクトに「人類の進化と関係している」ように思えたのでした。

進化といえば、ヤスの備忘録のヤスさんが訳されて配布しているウェブボットの最新刊のクリフ・ハイのエッセイは感動的なものでした。

そこにはこう書かれてあります。

私は「アセンション」ということがあるとすれば、なにものにも影響されない魂の自由を獲得することだと思う。それは、欲望にもイデオロギーにもドグマにも影響されない魂の真の自由のことである。


そして、最後にこうあります。

インドの著名な修行者、J・クリシュナムルティ師は「あなたがどうすれば魂が自由になるのか私に答えを求めるのは間違っている。あなたは私の言っていることをまったく聞いていない」と言っていた。まさにその通りなのだ。


と。
この最後の「どうすれば魂が自由になるのか私に答えを求めるのは間違っている」の意味は、クリフ・ハイがどういう意味で引用したかはわからないですが、私自身はこれを読んで、彼とは違う意味なのかもしれないですが、「ああ、そうなんだよなあ」と思いました。

すなわち、「自分のことを人にきくのは間違っている」、そして、「最終的には自分と自分だけの問題」だと感じました。

今、「ペアである自分」は書いていないですが、このことを言いたい部分もあるのだと思います。

つまり、「自分のことは自分に問いて、そして自分で答える」ということです。

これに関して「偉い人が言うことは聞いてもいいのでは?」ということを感じる方もいらっしゃるかと思いますが、それも違うように思います。どうしてかというと、「偉い」という絶対基準がこの世には存在しないからです。人の価値観が多様化していろいろとありますから、「偉い」と思う基準も人によってバラバラだからです。

なので、キリストでもお釈迦様でも聖徳太子でも、どんな偉そうな人が出てきて「こうしなさい」と言っても、単なる世間話として聞けばいいのだと思います。

「聞く耳を持たない」という日本語がありますが、大事なことに思います。なぜなら、自分と自分なら「思うだけでいい」ので、聞く必要はないからです。


長くなってしまいましたが、光と人間の生命の問題は、何年後か、あるいは何千年後か、何百億年後にはきっと解決しているのだと信じたいです。
タグ:松果体



  

2011年02月24日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





00-SS_worst_inflation_hungary_sweeper.jpg

▲ 史上最悪の1京3,600兆パーセントのインフレに見舞われた 1946年のハンガリーで「ゴミより価値がなくなった」紙幣を集めて捨てている。この時の紙幣の額面は、 100,000,000,000,000,000,000 (1万京)だった。
--

(訳者注) 先日、米国CNBCがサイトで、「歴代の最悪のハイパーインフレの状態」という資料特集を突然組み、他にはそういう関係の記事が載せられていたわけではないので、米国の BBS 等で「もしかしてハイパーインフレが近いのか?」みたいな憶測のやりとりが交わされていました。

近いのかどうかはわからないですが、内容的に意外と面白かったので、記事の輪郭をご紹介したいと思います。


あと、ジンバブエでハイパーインフレが発生していた時に、現地に海外青年協力隊員として赴いていた方が、現地の物価の変動(マゾエというジンバブエで一般的なジュースの価格)をブログで綴っていたことがありました。日本円でいえば、100円程度のものが1年くらいで3億円くらいまでに跳ねあがる光景は圧巻です。

その海外青年協力隊員の方の記事はブログ自体が今は存在しませんが、これは国家としての記録とは別の「店頭での物価の実際の例」として貴重なものかとも思いますので、こちらに掲載します。


それにしても、ジンバブエは多少知っていましたが、最終的に「パン一個が 35億円」というのはやはりすごい感じがします。また、1946年のハンガリーの13,600,000,000,000,000パーセントのインフレ率とか(1000兆の上の桁)、 1994年のユーゴスラビアのハイパーインフレの物価の上昇が「5,000兆(5,000,000,000,000)パーセントだった」というのもすごいですね。ユーゴスラビアのハイパーインフレは、ほんの 17年くらい前のことです。





歴史上での最悪のハイパーインフレーション時の状況

The Worst Hyperinflation Situations of All Time
CNBC 2011.02.14

0-SS_worst_inflation_cover.jpg

あなたは「一杯のコーヒーを飲むために山のような紙幣を抱えて持っていかなければならない日常」を考えたことがあるだろうか。

それが現実となるのがハイパーインフレーションだ。一夜にして貨幣価値が大きく変化し、ときに、紙幣に何の価値もなくなってしまう。最近、アメリカ国内でもこのハイパーインフレに関する話題はしばしば目にするようになった。悪化する米国の財政とドルの価値の低下からの懸念だ。

2008年に、ジョンズ・ホプキンス大学 のスティーブ・ハンケ教授と、米国ケイトー財団の上級分析官が、ジンバブエでのハイパーインフレーションと、歴史上の「制御不能」なハイパーインフレとの比較を行う研究を行った。


・1944年10月 ギリシャ

・最高時のインフレ率: 13,800パーセント
・物価は 4.3日ごとに倍に上昇


1-SS_worst_inflation_greece_currency.jpg


このギリシャのハイパーインフレは、歴代で5番目にひどいものだ。1944年のギリシャでは、物価は 4.3日ごとに倍にはね上がった。ギリシャのハイパーインフレが数字上で始まったのは、第二次大戦中、ドイツに国土を占領された1943年10月だった。

ギリシャのハイパーインフレの主要な要因は第二次大戦で、この際の国の負債とマネーサブライの過多によるものだった。



・1923年10月 ドイツ

・最高時のインフレ率: 29,500パーセント
・物価は 3.7日ごとに倍に上昇


2-german.jpg


ドイツのワイマール共和国は、その最後の年に最悪のハイパーインフレーションに悩まされた。1923年10月にはインフレ率が 29,500パーセントに達し、物価は 3.7日ごとに倍になった。

1914年の第一次世界大戦勃発を受けてマルクの金兌換が停止されて以降、ドイツではパピエルマルクという紙幣が使われたが、マルクの価値は低下していき、1922年から1923年のハイパーインフレの間、その価値は暴落した。



・1994年01月 ユーゴスラビア

・最高時のインフレ率: 313,000,000パーセント (3億1300万%)
・物価は 1.4日ごとに倍に上昇


3-SS_worst_inflation_yugoslavia_currency.jpg


1993年から1995年にユーゴスラビアの通貨ディナールで発生したハイパーインフレーションも極端なハイパーインフレのひとつだ。

もっともインフレ率が高かった 1994年01月には、物価は 34時間毎に倍になり、インフレ率は 3億1300万パーセントに達した。インフレの期間中に、物価は 5,000兆パーセント(5,000,000,000,000 %)上昇した。

多くのユーゴスラビアの企業はディナールを拒否し、政府は新紙幣を発行。
通算で5回の通貨切り上げを行った。



・2008年11月 ジンバブエ

・最高時のインフレ率: 79,600,000,000パーセント (790億6000万%)
・物価は 24.7時間ごとに倍に上昇


4-SS_worst_inflation_zimbabwe_currency.jpg


最近の最悪のハイパーインフレの例として、2008年11月に インフレ率が 790億パーセントに達したジンバブエがある。

ジンバブエ政府は、ハイパーインフレに関しての公式報告を最悪の状態の際に停止したが、標準的な経済理論からインフレ率が計算された。

物価はほぼ24時間ごとに倍になり、最終的には 200万ドル(当時で2億円)のパンひとつが、一晩で 3,500万ドル(35億円)にまで上がった。



・1946年 ハンガリー

・最高時のインフレ率: 13,600,000,000,000,000パーセント (1京3,600兆%)
・物価は 15.6時間ごとに倍に上昇


5-SS_worst_inflation_hungary_currency.jpg


歴史上で最悪のハイパーインフレは、 1946年の前半、ハンガリーで発生した。

ハンガリーの旧通貨の単位はペンゲーといったが、その年に半ばに発行された紙幣の額面は、 100,000,000,000,000,000,000 (1万京)ペンゲーだった。ハンガリーのハイパーインフレーション中には、物価は 15.6時間ごとに倍となり、インフレ率は、1京3,600兆パーセントに達した。一日あたりのインフレ率は 195パーセントだった。

最終的にペンゲーは通貨切り上げの後、通貨の交代となったが、この時には「ハンガリーの国すべてにある紙幣の合計の価値の見積もりが 1米ドルの 1000分の1と等しかった」と計算された。
続きを読む



  

2011年02月22日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




メモのようなものなので、理由も書かずに羅列していることをお許し下さい。

メモ1

Walk in the Spirit さんの クライストチャーチのチャーチ崩壊が示すこと ?より。

wljb8.jpg

上半分がない!?
で、この写真を見て、

ヨメさん:
「これは復活の証となるのよ」

俺:
「クライストチャーチと言う名の町で、そこのシンボルの聖堂が崩壊した。これはある意味預言的だね。偶然にしてはできすぎている。


思うに、これは、
既存の”キリスト教”の崩壊の予表じゃねーか?




メモ2 五芒星とその周辺

過去記事の 災害現場の空に浮かび上がる「欠けた五芒星」と、完全に廃虚と化したコロンビアの町
より。





・五芒星を国旗に持つ国

エチオピア





・そして、日本ですが、五芒星を市章にする町。

長崎(長崎市旗)

Nagasaki_City.gif



原爆で崩壊した長崎のチャーチ

800px-UrakamiTenshudoJan1946.jpg

▲ 1946年1月の原爆投下で破壊された浦上天主堂(1946年1月7日撮影)

タグ:チャーチ



  


In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





昨年末以来、主に女子学生が「集団で異常な状態に陥る」という報道をいくつかご紹介していて、報道のタイトルこそ様々ですが、これまでの集団発作の状態はとてもよく似ています。


・女子生徒たちが同時に突然、奇妙な行動に走る。
・状態は、痙攣、目玉が回転する、卒倒、異常な怪力、謎の言語など。
・地元の名門校かミッション系の学校で発生する。



などでした。

--
(参考:最近記事にした集団発作の記事)

トリニダード・トバゴの学校で奇妙な集団発作が発生。地区がパニックに(2010年11月17日)
ジャマイカの著名高校で生徒が次々と悪魔に取り憑かれたという報道 (2011年02月02日)

--


散発する集団発作事件に私がすこし不安に思う曖昧な要因

どうして私がこういう集団発作的な現象に興味を持ったり、あるいはその拡大に懸念を感じているかということを一応書いておきます。理論的な話じゃないですので、娯楽としてどうぞ。

こういう「理由がわからない精神面での異常が集団で起きる場合」として、社会的な要因を含めていろいろな原因は考えられるにしても、非常に個人的な感想として私が持つ要因のひとつとして、

太陽活動との関連
・磁場の変化


というようなことは関係あるのかもなあとは思います。

太陽活動は拡大傾向が続いており、フレアも太陽風も次第に大きくなっていますが、数値に表れるもの(わかっている太陽からの物質)だけではないようなもので変化している存在の可能性もあるのかもしれません。

「磁場の変化」というのは、最近のポールシフトなどとも関係していることですが、どうしてそんなものが関係するのかというと、具体的に関係性が書けるものではないですが、たとえば、昨年来、鳥が「相次いで空から落ちたり」しています。

鳥はクリプトクロムという物質で磁場を「見て」いるようで、そして、最近、鳥が「量子もつれ」で磁場を見ている可能性を示唆する研究が発表されています。

難しい記事で(最近左脳が死んでいる私には)よく理解できないですが、以下の記事があります。

鳥は量子もつれで磁場を見る」:数学モデルで検証
 Wired Vision 2011.02.03

よくはわからないにしても、鳥にしろ甲殻類などの虫などの生き物でも、物質や分子への影響で磁場を感じている。

というか、同じような物質が様々な動植物の中に存在するようです。

arabidopsis-thaliana.jpg

▲ アブラナ科の植物シロイヌナズナのクリプトクロム。


上に「磁場の変化と人間の精神の関係」の可能性のことを書いたのは、「あらゆる生物においての、この生体システムが磁場の変化で崩れることはないのだろうか」という懸念というか心配を感じてのことです。


つまり、影響を受けるのは鳥だけではないのではないかと。


日本もかもしれないですが、世界は今ちょっと異常な高揚にあります。

高揚というより「なんかおかしい」。犯罪も暴動も何かおかしい。


「磁場の変化」と「太陽活動の影響」が人に何か作用するのでは? というのは何の根拠もない推定ですが、つまり、世界中で同じような「地球的集団ヒステリー」が出現したりはしないのかなあと。

そんなことになるわけはないでしょうが。

長くなりましたが、本記事はベトナムの報道からです。

Sponsored Link







Mass hysteria strikes students in central Vietnam
Thanh Nien News (ベトナム) 2011.02.18

ベトナム中央部の学校で大規模な集団ヒステリーが発生

histerya-vietnam.jpg

▲ 不可解な発作で搬送される女生徒。ソンターン校ではここ2ヶ月、毎日ほぼ同じ時間に、謎の症状で生徒たちが倒れる現象が連日続いている。


フーイエン省の中央部にある学校で、この2ヶ月の間、不可解な集団発作が続いている。医者は生徒たちが集団での心因性障害にかかったのではないかと見ている。

タイホー地区にある、ソンターン校(日本でいう小学校から高校まである合同学校)の生徒、チャウロ・ロト君かによると、この現象は最初は少数の生徒たちの間に見られるようになり、そのうち拡大していったと言う。

症例は、すべて、7年生と8年生、そして、11年生の生徒たちのクラスで起きた。

地方ニュースサイトの VnExpress の報道によると、これは1月17日から始まり、毎日、主に午後1時になると発生し、その数は 12人から多い時では、40人に達したという。

学校側ではクラスの移動を行い、希望する生徒には自宅待機も許可した。
しかし、それらの努力にも関わらず、集団発作は起き続けている。

両親たちにも面談したが、健康面や情緒面で問題を訴える親はおらず、日常においては、生徒たちの行動に問題が見られるということはなかった。

学校側の説明によると、発作になると、生徒たちはすべてが呼吸困難、極度の疲労、そして痙攣に陥って、卒倒してしまうという。そして、倒れる前に大声で何事かを叫ぶ。

地区の保健局のグエン・ハン博士は、生徒たちは集団ヒステリーに陥って苦しんでいるようだと地元紙に語った。多くはマッサージの後に回復した。米国での医学的な研究によると、集団ヒステリーは、身体的なストレスからも、精神的なストレスからもどちらの要因でも起こり得るという。

この集団ヒストリーは、ダナンなどのいくつかの町でも発生し始めており、拡大傾向にある。それらの地区での発作は最初の集団発作が起きた時に比べると、より短い間隔で発生しているようだという。

各学校側は、より多く運動を取り入れることや、生徒たちがリラックスできる環境を詰まるよう努力している。ハン博士は、学校がプロの心理学者たちに相談することを薦めている。
続きを読む
タグ:精神の均衡



  

2011年02月20日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





先日の記事「太陽活動と地震・噴火の活動に関しての2つの考え方」で「日本の地震に関しての興味深い資料」として記した記事がこれです。少し日時が開いてしまいました。

オリジナルでは図などが別添となっていたりしていますので、改行と図の位置等編集していますが、文章の内容自体はそのままです。

内容の大まかな要点は、

・2004年のスマトラ地震は、それまでのプレート境界型地震での考え方からは、超巨大地震は起き得ない場所であった。

・これによりすべての地域で大地震の可能性についての再考を検討する必要が生じている。

・日本地域においては、西南日本から琉球にかけての地域を震源域とする超巨大地震の可能性がその中に含まれる。

・その領域の過去の地質から見ると、巨大な隆起は過去数千年に4度発生しており、これがマグニチュード9クラスの地震だった可能性がある。

・そのイベントの平均間隔は大雑把ながら2000年程度。前回は約 1700 年前にマグニチュード9クラスの地震が、西南日本から琉球にかけての地域を震源域として起きた可能性がある。


というよう感じだと思います。
周期があるなら、起きてもおかしないという話ですが、根拠的にはまだ曖昧な部分が多いという感じです。

これは「そういう恐ろしい可能性がある」という考え方を提示したいというよりは、「従来から言われている地震予知が部分的に無効になる(かもしれない)」ことと、あとは、スマトラの地震や四川の地震など、そこで巨大地震が起きる可能性は言われていなかった地震の例などを見ても、「大きな地震はどこでもいつでも起こる可能性がある」ということを再認識してもいいのかなと思って掲載してみました。怖さを感じたならごめんなさい。



東海から琉球にかけての超巨大地震の可能性
名古屋大学大学院環境学研究科 古本宗充

2004 年のスマトラ・アンダマン地震は、震源付近のみならずインド洋の対岸にも大きな災害をもたらした。

そのモーメントマグニチュードは Mw=9.3 と推定され、1960 年代のチリ地震やアラスカ地震と並ぶ規模の地震である。このような大きな地震がスマトラからアンダマンにかけて発生した事は、これまで の地震学の常識を覆した。

・第1図

z-1.gif


従来、第1図で描かれているように、沈み込み帯におけるプレート境界型地震の最大規模は、沈み込むプレートの相対速度と年齢で決まると考えられてきた。そしてこれらのパラメータで最大規模が決まるとするならば、Mw が 9 を越えるような地震(以下超巨大地震と呼ぶ)がスマトラ付近で発生するとは想定されないというのが従来の常識であった。

さらにアンダマン海域は拡大軸を持つ海盆であり、こうした面からもこの沈み込み帯背後に大きな逆断層運動を引き起こす応力蓄積をすることはないと考えられてきた。

しかし、スマトラ・アンダマン地震が発生した事で、こうした見方の変更が余儀なくされ、すべての地域でその可能性を検討する必要が生じたと考えられる。つまりどの沈み込み帯でも同様の超巨大地震が発生するのであるが、その間隔が非常に長いためにこれまで気づかれていなかった可能性が出てきた。

日本付近で言えば、ここで取り上げる西南日本から琉球にかけての地域はもちろん、東北日本弧や千島弧、場合によっては伊豆――小笠原弧ですら対象とするべきであると考える。

最も強調したい点は、この「すべての地域で超巨大地震の可能性を検討する必要がある」ということにつきるが、ここでは今後研究が必要であるという議論を補強する目的で、第2図に描かれたような西南日本から琉球にかけての地域を震源域とする超巨大地震の可能性を検討する。

・第2図

z-2.gif


この領域で注目すべきは、この付近のテクトニックセッティングが、スマトラ島からアンダマン諸島にかけてのテクトニックセッティングと非常に似ているという事である。

比較的速度が遅い斜め沈み込みが起きている沈み込み帯であり、島中部に大きな横ずれ断層が発達している、そして領域の半分ほどは拡大軸を持つ背弧海盆をもっていることなどである。もちろん、こうした類似性が即同様の超巨大地震を引き起こすことの証拠ではないが、従来の観点では超巨大地震を起こしにくい地域の特徴と考えられてきた事は注意する必要がある。

今考えている領域のほぼ中央部の、四国室戸岬では多くの海岸段丘が発達している。これらは、南海地震などの巨大地震(約 100 年)よりも間隔が一桁長い、大きな変動によって形成されたと推定されている。同様の隆起地形は奄美諸島の喜界島でも明瞭に見る事ができる。中田等 編者注/中田高、高橋達郎、木庭元晴の各氏) は化石の年代決定から段丘を形成した地殻の隆起年代を決定している。それによれば、隆起は過去数千年に4度発生している。
平均的間隔は2千年程度になる。

さらに、御前崎でも同程度の間隔で大きな隆起があったと推定されている。
これらの変動が超巨大地震に伴った可能性はないであろうか。

第3図に示されているの は、喜界島と御前崎で観察される隆起イベントの推定年代の対応である。

・第3図

z-3.gif


ただし特に御前崎のイベント 年代はおおざっぱな幅しか与えられていないので、この図はかなり大まかなものである。年代推定誤差や範囲を考慮した領域は、両年代が同時である事を示す直線に掛かっている。

もしこれらが「同時」で ある事を示しているならば、少なくとも御前崎から喜界島にかけての、距離 1000km を越える、領域を大きく変位させるような Mw =9クラスのイベントが起きた事を意味する。

大雑把であるが、平均して約 1700 年の間隔で発生しているとすれば、図に示したような傾向を説明できる。ただし年代データの精度はこうした議論には不十分であり、今後の研究が是非とも必要である。なお、この図から読み取れるように、もしこのような超巨大地震が起きているとすると、その最終イベントの発生時期が、おおよそ 1700 年前という可能性がある。

さらに、もしこのような超巨大地震が起きたとすれば、沈み込み帯付近の応力や地震活動度を大きく変化させた可能性がある。

・第4図

z-4-1.gif


第4図に示したのは、南海・東海地域で発生したとされる巨大地震の発生間隔の時間変化である。j-1 番目の巨大地震から j 番目までの巨大地震までの間隔(南海と東海セグメント が別々に破壊した場合には、早いほうの発生年を使用)を、j 番目の巨大地震の発生年にプロットしてある。

図で明らかなように、年代が進むにつれて間隔が短くなっている様に見える。

もちろんこの図は、単に古いデータほど欠測しやすいことを示しているだけかも知れない。しかしながら、間隔が徐々に短くなっている可能性も否定できず、超巨大地震の1サイクル間の現象である可能性もある。

上で述べたのは、いずれも不確かなデータを利用したものであり、超巨大地震の存在の積極的な証拠ではない。しかしながら始めに述べたように、作業仮説として東海から琉球にかけての超巨大地震の発生を考えることは必要である。

タグ:超巨大地震



  

2011年02月17日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





先日、太陽がXクラスのフレアを放出したことを記事にしました。

サイクル24で最初の「Xクラス」の太陽フレア (2011年02月15日)

今後2年くらいは、頻繁に発生すると思われ、それそのものを記事にしていくことも少なくなると思われます。そして、NASA の推測が正しいのなら、今後、2013年くらいまでは我々は、今まであまり経験しなかったほどの強い太陽活動と共に生活していくことになるのだと思われます。

そして、最近になって、このブログでも増えている記事が、火山の噴火に関するものです。イエローストーンなどの超ビッグクラスから、白頭山やセントヘレンズ、アイスランドのお歴々などでいろいろな(すでに公式レベルの)報道も出ています。

イエローストーンに関しては、日本や米国では控えめな報道も、中国報道では野放図の感もあって、1月27日のチャイナネット日本語版では「巨大火山が近く噴火か 米3分の2に被害及ぶ恐れ」と断定口調で書かれていて、何だかアセりました(苦笑)。

ys-2.jpg

▲ 最近ではイエローストーンが噴火した時の想像図や動画をいたるところで見ることができます。


今回は、地震や火山の噴火と「太陽活動」の関係についての資料のようなものです。「太陽フレア」(あるいは強い太陽活動全般)と地震、あるいは火山の噴火に関してはいろいろな意見があります。

代表的な意見のひとつとしては、

・太陽フレアが地震や火山の噴火を誘発する

というものです。

この意見の代表として、アメリカの米国地球物理学連合が 2007年に発表した論文がありますのでこちらの要約をご紹介します。これは NASA が管理運営している「宇宙物理学関係文献情報検索システム」(SAO)にあります。簡単に書くと、「マグニチュード 4以上の 682件の地震と太陽フレアの相関関係を調べた」ところ、「結論は出ないものの何らかの関係はありそうだ」というようなものです。

そして、もうひとつの意見。

もしかすると、これは上の「太陽と地震の影響」について反対する意見となるものかもしれませんが、私自身はどちらかというと、こちらの意見を考えていました。というか好きです。

なので、こちらからご紹介します。


[資料1 宇宙線と地震や噴火の関係]

これは、2年か3年前くらいに、ローカル局(多分、東京ローカルのMXTV)のテレビの深夜番組か何かが YouTube にアップされていることを教えてもらって見たもので、非常に簡単にいうと、

・地震や噴火は宇宙線がトリガーとなっている

というものです。
これを主張していたのは、ヘンな人ではなく、東京工業大学・大学院教授の丸山茂徳さんという人です。

その時の放送から抜粋した動画がありますので、それを貼っておきます。




ここでは、大まかには、以下のようなことを言っていると思います。

・地震を起こすトリガー(発生に至るシステムではなく、あくまで引き金)となるのは宇宙線。地震の起きるシステムは今まで語られていた「力学的」なものではなく、化学的(ケミカル)な反応現象。

・今年(2008年)の初頭から宇宙線がかつてないほどの量、降っており、今後しばらくは火山活動がやばい。

・太陽の黒点活動と宇宙線には活動の相関関係がある(ただし、今までとは逆の相関。つまり、太陽活動が弱いほうが宇宙線の放射が多くなるので影響を受ける)


3つめのは、これはちょっとわかりにくいかもしれないのですが、私が考える分には、要するに、

1 太陽活動が強い → 太陽風(磁気)や太陽光線が多く、遮られる宇宙線がある(かもしれない)

2 太陽活動弱い → 太陽風(磁気)や太陽光線が少ないので、宇宙線は地球にたくさん届く


というようなことではないかと。

つまり、宇宙線が地震や噴火のトリガーとなっているのなら、太陽活動が弱い時のほうが地震や噴火は多くなるということになります。

しかし、この「太陽活動が弱い時のほうが地震や噴火は多くなる」ということに関しては何ともいえない部分があります。

というのも、「地震そのものがこの100年で増えている」というようなデータはあるからです。下のグラフは、Modern Survival Blog に昨年あったものです。

グラフは、それぞれ、左から

・1900年からの年平均の地震数
・2000年から2009年までの10年間の年平均地震数
・2010年の地震の数

となっています。

マグニチュード 5から 5.9の地震

a-2010-earthquakes-magnitude-5.jpg


マグニチュード 6から 6.9の地震

b-2010-earthquakes-magnitude-6.jpg


マグニチュード 7から 7.9の地震

c-2010-earthquakes-magnitude-7.jpg


となっていて、データ数が多く比較しやすい「マグニチュード 5から 5.9の地震」などを見ると、やはり「地震は増えている」と考えるのが妥当なのではないかと思います。

そんなわけで、まあ、正直、宇宙線と地震や噴火のトリガーの関連の話は、私は大好きな話のひとつですが、それをデータに当てはめると、今ひとつわかりづらいという部分はありそうです。

長くなってきましたので、もうひとつのほうにうつります。
続きを読む



  

2011年02月13日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





「光の十字架」と書くと何だかよくわからないかもしれないですが、ご覧になればおわかりとかと思います、ひとつは、アースチェンジメディアのメールマガジンに載っていた「イタリアの空に現れた巨大な光る落下物」で、もうひとつは、スペースウェザーに載っていた太陽からのプラズマ噴出の様子なんですが、何となく一コマずつ静止して見ていましたら、見事に十字架が現れていることに気付きました。

それと、最近、海外 BBS で話題となっているという「エジプト騒乱の中で現れた騎士の亡霊(?)」のニュース画像などを。

それにしても、風邪が長引いているんですが、周囲もそんな感じの人が多いです。
軽いんですけど、軽いだけに逆に不毛な感じもいたしますので、皆さんお気をつけ下さい。
今回は翻訳というより、写真と動画中心のご紹介です。

--
[十字架1] 太陽のプラズマが描いた巨大な十字

DODGING PLASMA BULLETS (スペースウェザー 2011.02.11)より。


NASA の太陽動画を静止させて一コマずつ見ているような私のようなヒマな人間は世界にもあまりいないと思うので、わりと世界に先駆けて(笑)見つけたかもしれません。

文字にするより、動画を見れば一目瞭然だと思います。

現在は見えていない黒点 1147と1149が混じり合ったあたりから発生した巨大なプラズマの噴出です。3秒の動画ですが、1秒見ればわかります。




見た瞬間に「あ、プラズマがなんか描いた」と思って、0.1秒ずつ静止させてみると、こんな感じになっていました。

sun-plasma-2011-02-11.jpg


(追加)こちらは、上の動画の放出の部分をスローモーションにしたものです。



最後のほうには輪のような光の輪郭も見えます。

きれいですよね。

私は太陽のプラズマやフレアがこういうシェイプを描いたのを見たことがありませんので、今回見つけたのは「ええもん見せてもらった」という感じはあります。光の反射の問題なのですかね。しかし、スローで見てみると「放射物自体に形がある」というようにも見えます。発生理由は、私にはまったくわかりませんが、見えたままのものをご紹介しました。


今、実は太陽は結構ヤバい時

ところで、その太陽なんですが、今、地球に向かっているところにとんでもない大きさの「コロナホール」というものが開いているんです。コロナホールは太陽風というものと関係があって、地球の磁場の問題ともリンクする話となるかもしれません。
これが2日ほど前のもの。今もそれほど状況は変わっていないと思います。

corona-hole.png

矢印のところに上下ふたつ開いていて、特に下のほうのは今、地球に向いているんですね。

NICT (宇宙天気情報)の 2月13日の更新分には、

この後は、南極から伸びているコロナホールの影響がどの程度見られるかです。
特に及ばなければ、このまま低速で推移しそうです。
やって来たとしてもそれほど強くはなく、400km/秒台中盤から500km/秒に届くくらいでしょう。



とあり、さほど心配いらないようですが。

ただ、この大きさがねえ。

昨年の 12月13日に、「太陽黒点磁気スマイルと現在の太陽神トナティウ」というのを書いたことがあります。

そのちょっと前に、は太陽がこんな



顔みたくなったのが面白くて紹介した時に、メールで「アステカ神話の太陽神トナティウと似ている」と教えていただいたことが印象に残っています。


tonatiuh2.jpg

▲ アステカ神話の太陽神トナティウ。太陽神というより、アステカでは「現在の太陽そのもの」としていたようです。わりと凶暴な性格。


今回のコロナホールもこういう「太陽に開く黒い穴」としてはわりと珍しい大きさだと思いますので、これからの太陽の形を気にしてみたいと思います。本来は心配するのは、形より、コロナホールによる太陽風の影響なんでしょうが。





[十字架2] イタリアの空の光る物体

これはアースチェンジメディアのメールマガジンに載っていたもので、無料のしか読んでないので、詳細はわからないですが、目撃された地元では「変化の兆しだ」とか「聖なる兆しだ」とか大騒ぎになっているとかいないとか。
要するに火球なんですが、形が印象的だったので、騒ぎになっているらしい。

これです。

italy-cross.jpg

まあ、十字ってわけでもないかもしれないですが、上の太陽の話との掛け合わせで、十字ということにしておきましょう。


こちらが動画です。




最後に爆発するような感じの閃光と共に消えています。
正体は不明です。

そういえば、十字を描きながら移動する物体といえば、昨年2月に、太陽系の中で観測されたものがあります。
火星と木星の軌道の間にある小惑星帯を横切る謎のXの形をしたもの」です。Xというかヒトデみたいな形ですが、ちょっと角度を変えれば十字に見えないこともない。

025793_big.jpg

▲ NASA が毎日更新する「今日の1枚」的な宇宙写真サイト Astronomy Picture of the Day の2010年02月03日の今日の1枚。NASA は「小惑星の衝突」としています。

・・・というか、この飛行体は今見ると、1月に(この周辺の狭い世界で)ちょっとした話題となった「コロンビアの「欠けた五芒星」」と似てますね。



そっくりかも。

いろいろなところで、いろいろなことが起きていますね。

Sponsored Link







続きを読む



  

2011年02月11日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





00137231a9a50ebd73d307.jpg

北京市衛生局が公表した「新型インフルエンザ(H1N1)の死亡率が2%に達していることを示していることに懸念を抱いた市民への質問に、当局が「死亡率はそんなに高くないし、爆発的流行の徴候もない」と述べたという記事です。

このニュースを紹介したのは「ちょっとしたこわさ」が文章の中に散りばめられていたからです。

私がこのニュースの中でもっとも怖かったのは、2%という数値ではなく(高いにしろ低いにしろ、いい加減であることは確かだと思いますので)、北京市の衛生局副主任が、市民を安心させるために言ったのだと思う、この言葉です。

「感染状況は昨年よりはるかに低い」

という言葉。

これを読んで、「ああ、これは1920年のスペイン風邪の時と似ている」と漠然と思ったのでした。
2年くらい前だったか、資料として記したことがあるスペイン風邪の記事からの「日本での」感染状況のデータの抜粋です。

1918年の第一回目の流行では、日本国民の約半分(人口 5500万人のうちの 2100万人)が新型インフルエンザに感染しました。


東京都健康安全研究センター年報の日本におけるスペインかぜの精密分析より

流行期間は1918年から1920年

死亡者数

流行期間は2年間で2回あり、それぞれの患者数と死亡者数(当時の日本の人口は約5500万人)。

1回目の流行(1918年8月から1919年7月)
患者数21,168,398名,死亡者数257,363名,対患者死亡率1.22%
(およそで患者数2100万人、死亡者数25万人)

2回目の流行(1919年8月から1920年7月)
患者数2,412,097名,死亡者数127,666名,対患者死亡率5.29%
(およそで患者数240万人、死亡者数12万人)

2回目の流行で死亡率が飛躍的にアップしていますが、「流行性感冒」というところからの引き合いでは「患者數ハ前流行ニ比シ約其ノ十分ノ一ニ過キサルモ其病性ハ遙ニ猛烈ニシテ」という記述があり、つまり「患者数は少なかったけれど、症状がはるかに重くなっていた」ということらしいです。




スペイン風邪の時は「次の年に毒性が大幅にアップして」戻ってきています。
ただ、感染者数は大幅に減っており、これは(推定では)前年に感染した人(症状が軽く済んだ等などの人)が免疫をつけたためだと思われます。

あと、こわいというか何というか、記事の

 > 昨年、北京市は約170万人に新型インフルエンザワクチンを接種した。

にも、いろいろと思うところはあります。
現在、北京では感染が拡大局面。
ワクチンの効果は・・・。

ただ、ワクチンに関しての効果は賛否いろいろありますので、ふれるつもりはありません。


上のクレアの記事は参考資料として記事の下に全文抜粋しておきます。

現時点では、新型はそんなに心配することではないと思うのですが(それもわからないですが)、先日、「エジプトの混乱でもっとも恐れること : H5N1患者の拡大の中での100万人集会 (2011年02月03日)」というもので記事にしました鳥インフルエンザ(H5N1)も決して遠い将来のことではないと考えていますので、複合でパンデミックが発生したら、ちょっと厄介かなと。

あ!  そういえば、1918年から1920年のスペイン風邪の大流行の時に、記録で残っている中では、ほぼ唯一、スペイン風邪による死者を出さなかった療養所があったんですよ。

いつだったか、書いたような、書こうとしてヤメたような・・・あやふやなんですが、それはコーンフレークで有名な米国の19世紀の医学博士のケロッグ博士(ウィキペディア)のサナトリウムです。彼のサナトリウムは、感染者多数の中で、死者を一名も出さなかったはずです。薬や対象治療をいっさい行わず、「ひたすら汗と便を出し続ける」療法でした。

もし書いたのが見つかったらアップしてみますね。
サイトカイン・ストーム(インフルエンザ治療で致死に至りやすい)なんかを考えると、ケロッグ博士の「治療しない」という治療法は興味深い療法です。




flu-china.png
中広網 2011年02月10日

北京当局は新型インフルエンザの死亡率が2%に達したことを否定し、大規模な流行にはならないと語った

2月9日、北京の衛生局は、インフルエンザに関しての数値を公表した。

今年の初めから、H1N1 新型インフルエンザの症例が 195例報告されており、このうち、4例が死亡したと発表した。

これを見た報道陣から質問が出た。

「この当局公表の数値を見る限りでは、北京での新型インフルエンザ死亡率は2%に近いのではないか?」と。

この点については、北京の伝染病管理局はこのように答えた。

「この患者の数値には、市の統計管理方法により、B型インフルエンザなどの患者で、新型インフルエンザの特定ができない場合が含まれており、実際の新型インフルエンザの患者数は195人よりかなり多いと思われる。なので、死亡率は2%より低くなるはずだ」。


死亡率の2%は「数え間違い」

北京市の衛生局が発表した2月8日のデータでは、今年の始めからの H1N1 の新型インフルエンザの確定診断が下された患者数を 195とし、そのうちの4名が亡くなったと報告している。

死亡したすべての患者は春節(中国の旧正月)の期間中に死亡した。

このデータを見て、恐怖を感じる読者の方もいるかもしれない。
何しろ、200人のうち4人が亡くなったというのは、「死亡率2%」という非常に高い致死率を示しているように見えるからだ。

「新型インフルエンザのパンデミックの新しいラウンドが始まるのではないのか」と思われる方もいるかもしれない。


これに関しては、北京市の衛生当局の副主任が、計算の表示上の問題を正式に述べており、現在のインフルエンザの統計の取り方では正確な死亡率を計算することはできないという。

新型と旧型のそれぞれのインフルエンザの症状と風邪などでの診断が混同する中で、今回の数値はひとつの小さな例に過ぎないという。

正確な死亡率は現時点では計算できないというが、しかし、インフルエンザの流行状況は昨年よりはるかに低いという。


新型インフルエンザの大規模な流行は考えられない

衛生当局は、「今年の北京市での新型の流行のメインは、 H1N1 と共に H3N2 がベースだが、市でインフルエンザの症状を訴える患者の数は、1月中旬以降、春節を契機に跳ね上がっている」と述べる。

患者の遺伝子配列から新型インフルエンザウイルスが確認されているが、ウイルスの突然変異はまだ発見されていない。

昨年、北京市は約170万人に新型インフルエンザワクチンを接種した。



続きを読む



  

2011年02月09日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





地質学者たちがアイスランドで2番目に大きな火山「バールダンブンガ」の噴火の可能性を発表。

(訳者注) アイスランドはさすがに火山国で、私などは昨年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火で、はじめて「アイスランドに火山があるんだねえ」などと言っていたのですが、それからすぐに「歴史上の記録に見るカトラ火山、ラキ火山の噴火のヤバさ」などを知ることになり、そればかり気にしていたのですが、今回、アイスランドの地質学者と、アイスランド気象庁から共に警告が出されたのは全然違う火山でした。

その名はバールダンブンガ(Bárdarbunga)火山。カタカナの当て字は適当ですので、便宜上だとお考え下さい。

さて、その警告が出されているバールダンブンガ火山の位置ですが、このような感じになります。

iceland-volcano-2011.png


このあたりは、バトナ氷河という名前の広大な氷河地帯のようです。

実は昨年の4月頃にも、このバールダンブンガ火山では群発地震が急に増加し、「噴火するのでは?」というようなことが言われていました。英語ですが、 Iceland’s Bárdarbunga May Be Erupting (feww 2010.04.20) などに記事があります。


ところで、上の記事の中に面白い図があり、それを改めて見ていて、興味深いことに気付きました。
この図です。日本語はこちらで入れたものです。

iceland-on-mid-atlantic-ridge.png


上のアイスランドの火山の図と合わせて見ていただきたいのですが、今回、噴火するかもしれないというバールダンブンガ火山から、昨年噴火したエイヤフィヤトラヨークトルまでの間には「噴火が懸念されている」たくさんの火山が並んでいます。
ラキ火山、カトラ火山など。

上の図を見ますと、それらはすべて「大西洋中央海嶺」という海嶺に沿って位置しているようです。この大西洋中央海嶺はも北米プレートとユーラシアプレートを隔てているもので、つまり、「地球の表面がバラバラになる時は、ここも離れていく」と思うのですが、その離れていくボイントにこれらのすべての火山があるというのは興味深いです。
また、この大西洋中央海嶺は一昨年、「深さ10キロメートル地震」が相次いだ海嶺でもあるのですが、これに関しては、話がそれますので、ふれないことにします。

火山の噴火そのものにも懸念はありますが、地球表面全体の先行きとも絡んで、経緯を見ていたいと思うところです。

ちなみに、今回の記事によりますと、このバールダンブンガ火山というのはアイスランドで二番目の規模の火山で、1447年の噴火では、「地球の過去1万年の歴史の中で最大の溶岩流を発生させた」のだそうで、規模も大きいようです。

それでは、記事はここからです。





Icelandic volcano 'set to erupt'
テレグラフ(英国) 2011.02.09

アイスランドの火山が噴火の段階に入った

アイスランドの科学者たちはアイスランドの「もうひとつ」の火山の噴火を警告している。もし、それが噴火して噴煙を上げた場合、昨年のイベント(エイヤフィヤトラヨークトルの噴火)が小さな出来事に見えるだろうと言う。

volcano_1821537c.jpg

・溶岩と火山灰を噴き出すアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山。


地質学者たちは、アイスランドで2番目に大きな火山の周辺で群発地震が増加していることを確認し、新たな噴火への大きな懸念を表明した。


アイスランド大学の地球物理学者、ポール・エイナルソン教授によると、現在、バールダンブンガ(Bárdarbunga)火山の周辺の地域で、火山活動が増加しており、そして、これは「懸念するに十分にな理由に当たる」と教授は言う。

教授はアイスランドの国立テレビ番組で、この地域には地震計測装置の設置数が少なく、そのために、地質変化の正確な状況を把握することが難しいという。

しかし、教授は、火山地帯の北東部で記録された震動の記録を見る限り、「懸念する多くの理由がある」と述べ、また、この記録は近年でもっとも強いもので、「間違いなく、溶岩が上昇している」と語った。

また、教授は、計測でカバーできる範囲が狭く、地質の動きの正確な位置と深さを把握することができないと不満も述べた。


「アイスランド全土を見てみても、この(バールダンブンガ火山)の地帯が、国でもっとも活発な活動地域といえる」と、教授はテレビ局に言った。

「溶岩の規模がゆっくりと成長していることは間違いない。この数日での地震活動はそれを示唆している」。


「我々は、より正確な観測数値を知りたいと思っている。しかし、この地域はアイスランド中央部にあり、周辺は広く氷河で覆われているために地震の深さを正確に計測することが難しいのだ」と、火山観測者のジョン・フリマン氏は自身のブログに書いている。


アイスランド気象庁は、2月6日に、バトナ氷河(Vatnajökul)の北東部での火山噴火の危険性が増大していることを警告した。


「噴火するかしないかは時間の経過を見るしかないのだろうが・・・」と、フリマン氏は言う

記録に残るバールダンブンガ火山の最後の噴火は 1910年だったが、火山学者たちが、この火山が近年の最大の噴火を起こしたのは、1477年だと確信している。その時には、周辺に大量の火山灰と岩石を振りまいたとされている。

そして、その 1477年の噴火の際には、過去 10,000年間の間の地球上で最大規模の溶岩流を発生させたとしている。

この火山は、アイスランドで二番目に大きな火山で、昨年、アイスランドで噴火し、空の便を混乱させたエイヤフィヤトラヨークトルなどは、このバールダンブンガ火山に比べると、はるかに規模が小さい。
続きを読む