(訳者注) 先日、子グマとたわむれていた姿が大きく報道された金正日元国防委員長の息子さんですが、その北朝鮮では着々と文章レベルでの国防の改訂も進められているようです。
新しい北朝鮮の憲法では、序文で自らが「核保有国」であることを明記し、また、憲法全体に「金正日」の名前を入れ込んだ大幅な改訂を行いました。

▲ 動物園を視察中の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記。子グマとたわむれつつも、その1ヶ月前には、「核保有国」を明記した憲法に改訂した北朝鮮の三代目。
この「核保有国」明記のニュース自体は日本でも多く報道されているようです。
下は、産経ニュースのものです。
北朝鮮、憲法に「核保有国」明記 強硬路線鮮明に
MSN産経ニュース 2012年5月30日
朝鮮通信は30日、北朝鮮が4月の憲法修正で、同国を「核保有国」と明記したと報じた。昨年12月に急死した金正日総書記の業績として強調されており、金正恩第1書記を中心とした新体制も核保有を最大の外交カードとした強硬路線を継続することがあらためて鮮明になった。
最近、同国が運営するウェブサイト「ネナラ(わが国)」に全文が掲載された。
この「ネナラ」という北朝鮮の国営ウェブサイトには、日本語版もあるのです。
・Naenara 日本語版
ところが、この中のどこを探しても、そんな表現は見つからない。
そこで、オリジナルである韓国語版を見ましたら、その記載がありました。どうやら、今のところ、「核保有国」と明記した憲法を掲載しているのは、オリジナルの韓国語版だけのようです。

▲ ネナラに掲載された新社会主義憲法の序文。
今回は、その全文を翻訳してご紹介しますが、核保有の下りに関しては、このようになっています。下線の部分です。
金正日同志は、世界の社会主義制度の崩壊と帝国主義連合勢力による悪辣な反共和国圧殺攻勢の中で先軍政治に金日成同志の崇高な遺産である社会主義の獲得物である栄誉を深く守護し、わが祖国を不敗の政治思想強国、核保有国、無敵の軍事大国に転換させ、剛性国家建設への輝かしい道を開いてくださったのだ。
具体的には、日本語版の北朝鮮憲法 序文には、北朝鮮の初代総書記であった金日成(キム・イルソン)の偉業を称える文章までしか掲載されていなくて、昨年亡くなった金正日(キム・ジョンイル)元国防委員長の名前はふれられていませんが、先月改訂された新しい北朝鮮憲法では、新たに憲法の序文に、金正日総書記の名前が加わっています。
たとえば、憲法の序文だけをみても、旧憲法と新憲法を比べると、次のように違っています。
ちなみに、「太字」の部分は、こちらでしたわけではなく、もともとのオリジナルでそうなっているものです。すべてにおいて、金日成と金正日の両名の名前は太字で示されています。
旧憲法 前文
朝鮮民主主義人民共和国は、偉大な領袖金日成同志の思想と指導を具現したチュチェの社会主義祖国である。
新憲法 前文
朝鮮民主主義人民共和国は、偉大な領袖金日成同志と偉大な指導者金正日同志の思想と指導を具現したチュチェの社会主義祖国である。
この序文に何度も出てくる「チュチェ」という言葉は、「主体」と書き、北朝鮮の社会主義の根本理念となっている思想で、下の3つの理念からなります。
1. 根本原理 (人間は世界と自分の運命の主人/主体である)
2. 人間の本質的特性 (人間は自主性と創造性と意識性を持った社会的存在)
3. 社会的運動の固有な合法則性
と、北朝鮮では規定されています。
それでは、ここから北朝鮮の憲法の序文全文です
以下のすべての名前の部分の「太字」も、オリジナルのままです。
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2018年05月11日更新




















