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2012年06月30日



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「バチカンの歴史と真実のすべて」にアクセスできる唯一の人物がアクセスコードを持ったまま失踪



batican.jpg






 



映画みたいな話ってあるもんなんだなあと思います。

バチカン(ローマ法王庁)のことを日々報道する機関というのはキリスト教系を除けば、一般紙ではイタリアのメディアくらいしかないのですが、そのイタリアの新聞ラ・レプブリカの報道の内容が他の国でも報道されていて、それを読んで「映画みたい」と思った次第ですが、それがどういう内容かというと、まず前提として、

バチカンは世界で最高峰のセキュリティレベルを誇るコンピュータシステムを持ち、その中にありとあらゆるバチカンに関わるデータを保存している。

ということがあります。

バチカンのコンピュータシステムのセキュリティの高さは、アメリカの国防総省などよりレベルが高いといわれるほどで、そのセキュリティを破るのは、世界中のハッカーたちの「目標」のひとつですが今までそのような人物はいませんでした。・・・あるひとりを除いて

そのひとりとは、三十代の若きハッカーでした。
名前も国籍も性別もわかりませんが、ここでは「彼」としておきます。


彼は、歴史上で(多分)唯一、バチカンのセキュリティ・システムを破り、バチカンのコンピュータ・システムに侵入することに成功したのでした。


それがいつかは明らかにされていません。


つまり、その人物は「バチカンの極秘情報データにもアクセスした」ということになり、これらの情報にふれるのはバチカン内部のごく上層部の一部以外の人間では、歴史上で初めてのことだったと思われます。

つまり、民間人が、キリスト教の真実の歴史から現在のバチカンの現実のすべての情報を入手したという、とんでもない事件が起きたのでした。


これが起きたのはいつかというと「それはわからない」のです。
そして、その人物は誰かというと・・・「それもわからない」のです。


どうしてその情報が外部に流出しなかったかというと・・・。


これがバチカンのすごいところですが、バチカンは大きな犯罪捜査網を持っており、それはネットワーク犯罪にも対応しています。なので、「犯人」が誰かはわりと早く判明したのです。

怒りのバチカンは重大な罰を彼に・・・と思いきや・・・なんと、バチカンはそのままそのハッカーをバチカンのコンピューターセキュリティのチーフエンジニアとして雇ったのです。

多分、そのせいで、その「ネタ」は流出しないで現在に至っているようです。


そのハッカーが盗み出したデータは、それはもう、巨人の原監督のネタどころではない「世界を揺るがす超特大ネタ」である可能性もあるわけです。もしかしたら、「キリスト教がこの世から消えるほど」のことがらも含まれているかも知れません。

ほんの少しでも、流出してはいけない。
そのためにバチカンはそのハッカーを「身内にした」のでした。

ところが、イタリアの新聞報道によりますと、


その元ハッカーが失踪した


らしいのです。

このことは、こちらのイタリア紙の報道では、バチカンの上層部(枢機卿)の人が直接述べていますので、ある程度信頼性は高いと思われます。


tarci.jpg

▲ 報道機関に元ハッカーの失踪について語ったバチカンのタルシーショ・ベルトネ枢機卿。


元ハッカーの彼は、「莫大な情報」へのアクセスコードを持ったままだと思われます。

さて・・・・・・。
さてさてさて。

どうなりますかね。

というわけで、そのことが書かれてある新聞記事をご紹介します。
イタリアの記事を短くまとめたロシアのニュースサイトのものをご紹介します。

ちなみに、下の記事にはありませんが、イタリアの新聞によれば、このハッカーは、元 CIA という経歴もあるようですので、米国人である可能性もあります。






 


Ватикан тайна исчезнувшего хакера

Ino Pressa 2012.06.14


バチカンの極秘情報を持つ元ハッカーが謎の失踪。彼は法王のすべての秘密の鍵を持つ


イタリアの新聞「ラ・レプブリカ」の報道によると、バチカン(ローマ法王庁)のコンピュータシステムのチーフプログラマーとしていたエンジニアが失踪したことが判明した。

「ラ・レプブリカ」によれば、その人物は、バチカンの内部コンピュータにアクセスするためのすべてのコード、アクセス権(アクセスするためのバスワードなど)を所有しているという。つまり、バチカンの秘密内部文書のすべてに接触することのできる人物なのだ。

その人物の名前はこれまで一切公表されず、バチカン内部で働いている人たちもその名を知らないという。


わかっていることは、現在36歳の元ハッカーということだけだ。

彼の名前は知らなくても、バチカンの人々は彼の「業績」について知っている。その元ハッカーは以前、バチカンのコンピュータ・ネットワークのセキュリティシステムを突破して侵入したことがあったのだ。

バチカンの調査で、不正アクセスがその元ハッカーの仕業であることは、かなり早い段階から分かっていたが、バチカンは彼を処罰するのではなく、彼を「バチカンに雇った」のだった。

しかも、バチカンのファイヤーウォール(コンピュータセキュリティの名称)のプログラムを作る責任者として。


ちなみに、米国のコンピュータ専門家たちによれば、現在のパチカンのコンピュータシステムのセキュリティは、米国のインテリジェンス機関(諜報、国防など)のシステムのセキュリティのレベルよりもはるかに高いという。

その特別に高度なセキュリティシステムを作成したのも彼だと思われる。

今や失踪したその元ハッカーは、「世界で唯一、バチカンのコンピュータ・ネットワークに自由自在にアクセスできる人物」となっている状態だと思われる。

彼がなぜ失踪したのかはわかっていない。





(訳者注) そういえば、5月の話ですが、英国のデイリーメールで「キリスト教の存在を脅かすとイランが主張する本が発見される」というものがありました。

Seized from smugglers, the leather-bound 'gospel' which Iran claims will bring down Christianity and shake world politics


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▲ トルコで発見されたとされる動物の皮に記された福音書。バルバナという人による本物の福音書である模様。


その記事の内容は、大まかには、

・動物の皮に書かれたその本のテキストはイエスの弟子のひとりバルナバによる本物の福音書であると考えられる。

・この本の内容から、イランは、キリストは磔(はりつけ)にされなかったと主張している。

・この本は2000年にトルコで見つかったが、バチカンがその現物を見たいと申し出ている。


というものでした。

これはつまり、イエスの弟子のひとりである人による福音書のひとつを、現在のバチカンは読んでいないということになりそうです。

ちなみに、このバルナバという人は以下のような人のようです。

Wikipedia より。


バルナバ

バルナバは新約聖書の『使徒行伝』に登場する初期キリスト教会のメンバー。正教会・非カルケドン派・カトリック教会・聖公会・ルーテル教会で聖人とされているほか、正教会では七十門徒に数えられている。

『使徒行伝』によれば、バルナバ(慰めの子の意味)と呼ばれていたこの人物は本名をヨセフといい、レビ族の出身で、キプロス島生まれのユダヤ人であった。



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▲ バルナバ像。


これだけだとどんな人だかあまりわからないですが、とにかく新訳聖書に出てくる人のよう。

それにしても、バチカンは、少しずつですけど、「詰んでいっている」という印象を受けます。

実際の命ではなく、文字通り、キリスト教の存在としての命です。

バチカンは最近、「宇宙人を神にして凌ごう」としていたフシがあるのですが、その「バチカンの神様エイリアン計画」は間に合わないかもしれないですね。そのあたりは、下の「バチカンの希望の砦は「宇宙人という神」の登場」という記事のあたりにもありますが、他にも数年前から数多く、その意志が見え隠れしていました。

でも、キリスト教の真実の歴史って、ちょっと知りたい気はします。



  

2012年06月27日



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『避難しなかった福島の人たちも放射線の悪影響はほぼ受けていないと思われる』: マサチューセッツ工科大学生物工学部ベビン・エンゲルワード准教授


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▲ マサチューセッツ工科大学の MITニュース。見出しは「長期間にわたる放射線の被曝に関しての新しい見解」という意味。






 


米国のマサチューセッツ工科大学に関しては、科学系の「テクノロジーレビュー」というブログサイトの記事をたまに引用させていただくことがあります。

最近では、

消えていく私の中の「宇宙人」と、消えていく「母なる太陽」
 In Deep 2012年06月17日

で、 SETI と呼ばれる「地球外知的生命体探査」で、実は地球の探査では、これまで「エイリアンのシグナルを一切掴んでいない」ことが明らかとなった記事などを紹介したことがあります。これは、最新設備により、探査の範囲を数十億光年先まで拡げた結果でもあり、わりと衝撃的なものではあります。

また、昨年ですが、

「地球は隠された月を持つ」という MIT の発表
 In Deep 2011年12月23日

というような「地球は月を複数持っている」ということが報告されたり、といった、わりと刺激的な報告が多かったりします。

しかし、今回のマサチューセッツ工科大学の発表は、「 MIT ニュース」という、さらに公的な発表ニュアンスを持つ場所で発表されたものです。

どんな発表かというと、タイトルに書いた通りですが、もっとわかりやすく書きますと、

福島の原発事故レベルでの放射線ではどれだけ長期間、その放射線を浴びても生体遺伝子( DNA )は損傷を受けない可能性が高い

というものです。

この「生体」というのはネズミですので、「ネズミと人間は違う」と言われれば、それまでですが、今回のマサチューセッツ工科大学の実験は、

自然放射能の400倍にあたる放射線を複数のネズミに5週間にわたり照射した

という、ある意味で過激なものです。


実験のネズミたちには気の毒なことをした・・・と書きたいところですが、そうでもないのです

何しろ、ネズミたちは「 DNA にまったく何の損傷も受けなかった」のですから。
というか、良くも悪くも何の変化もなかったのです。

ちなみに、「DNA が損傷を受ける」という意味は、マサチューセッツ大学のベビン・エンゲルワード博士によればふたつの意味があり、


・ DNAの基礎物質(ヌクレオチド)の構造が変化してしまうこと

・ DNAの「2重らせん構造」が壊れてしまうこと


のふたつを言うらしいです。


dan-two.jpg

上の図が DNAの「2重らせん構造」ですが、実際には「普通に暮らしていて」も、 DNA は、自然放射能から日々、損傷を受けていて、通常でも一日に1個の細胞内で1万回の損傷を受けているとされています。そして、その損傷は多くは、「DNA の修復機能」で修復されるのです。それでも修復できない場合に「完全な損傷」ということになります。


そして、今回の実験では上の

・ DNAの基礎物質(ヌクレオチド)の構造が変化
・ DNAの「2重らせん構造」が壊れてしまう

の「どちらも起きない」ことが確認されました。


大事なのは、「残った損傷が少し」だったのではなく、

まったくなかった。

ということです。
完全に修復の範囲内であったわけで、つまり、「自然環境にいるのと同じ」だったといえます。

影響ゼロ。

完全に「無影響」だったようです。


この記事は、今朝の Yahoo! ニュースにも、ほぼ完全な翻訳として掲載されていました。

長期間にわたる放射線被曝についての新しい見解 =MITの研究が示した低線量被曝のDNAへの少ないリスク
 Yahoo! ニュース 2012.06.27


私のほうは、原文を少し短めにして、また難しい言い回し等を易しくするなど、オリジナルで翻訳いたしましたので、そちらを掲載いたします。上の Yahoo! ニュースの記事のほうがきちんとした翻訳だと思いますので、完全版をお読みになりたい方は上の記事をどうぞ。

また、 In Deep の過去の放射能関係の記事は、記事下にリンクしておきます。


ちなみに、放射線の話題を取り上げるたびに私が言いたいことは以下の1点であり、私や世の中の主義や主張とは関係ないことを強く言っておきたいと思います(私に主義はないですが)。

それは、

「事故後から福島原発周辺にいる方々は放射線によっての体への被害はほぼ受けていないと思われますので、安心して下さい

ということだけです。
(放射線以外の放射性の残留物等はまた別かもしれませんが)

下の記事に出てくるマサチューセッツ工科大学の生物工学を専門とするエンゲルワード教授という人は、福島のことにも言及していて、こう言っています。

「事故後に避難しなかった福島の方々も DNA の損傷はほぼないことが予測されます」。


そのまま安心して暮らしてくださればそれでいいのだと思います。

では、ここからです。






 

A new look at prolonged radiation exposure
マサチューセッツ工科大学 MIT News (米国) 2012.05.15

長期間にわたる放射線の被曝に関しての新しい見解


MIT-2012-1.jpg


米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の科学者たちによる新しい研究は、アメリカ政府が原子力事故の際に規定した人々の退避や避難についての指針が、あまりにも古い考え方にとらわれているのではないかという示唆を提示した。

学術専門誌「エンビロンメンタル・ヘルス・パースペクティブ (Environmental Health Perspective) 」誌に発表された研究発表によると、複数のネズミに5週間にわたっておこなわれた「自然放射線の400倍の放射線」の照射実験で、そのネズミたちの DNA の損傷は観察されなかったのだ。

発表をおこなったのは、ベビン・エンゲルワード博士とジャクリーン・ヤンチ博士のふたりだ。


現在のアメリカの規制では、自然放射線の8倍のレベルの放射線が検知された場合は、そこに住む人は避難しなければならないことになっているが、今回の研究では、それらの移動にかかる経済的、精神的なコストはほとんど無意味なものになる可能性があるという。

マサチューセッツ工科大学の工学部で原子力科学を専門とするジャクリーン・ヤンチ博士は、

「その(アメリカ政府の決めた自然放射線の8倍という)数値が危険な水準であることを示すデータは存在しません」

と言う。

そして、「今回の論文が示しているのは、平均的な自然放射線との比較で400倍もの放射線であっても、遺伝子の損傷を検出できなかったということです。原子力発電所の事故や核爆弾が爆発した際、そこから避難するか、あるいは、そこにいても大丈夫なのかということを考える場合に、その区域にいる多くの人々の行動に、この研究は大きな影響を与える可能性があります」。


長期にわたる低線量の被曝の影響を測定した研究は現在に至るまで非常に少ない。今回の研究は自然放射線の400倍の水準という低い放射線量での遺伝子の損傷を測定した最初の研究になる。


マサチューセッツ工科大学で生物工学を専門とするエンゲルワード准教授は、以下のように語る。

「これまでの放射能の研究のほとんどは、対象に一回だけ短時間のあいだ放射能を浴びせるものでした。しかし、この方法の実験では、長期の被爆の条件下とはまったく異なる生物学的な結果となってしまうのです」

と述べる。



どの程度の量の放射線だと、生態に影響を与えるのか?

宇宙放射線や自然の環境の中にある放射性物質から自然放射線は発生する。これらの発生源は平均して1年分の1人当たりで、0.3センチグレイとなる。


ヤンチ博士は、

「低線量の放射線の被曝は自然なことであり、むしろ、生物にとって必要なことであるという主張をする人もいるほどです。問題は、どのくらいの量を越えると、私たちの健康に悪影響を与えるのかということです」

とは語る。

これに関しては、これまでの研究で、今回の研究の総被曝量10.5センチグレイの放射線が、一度にその量が照射された場合に DNA が損傷した例があった。

そして、今回の研究実験では、放射性ヨウ素を発生源にとして、実に5週間の期間にわたり分散してネズミに照射したのだ。

この研究での放射性ヨウ素から発した放射線は、日本の(震災で)損傷した福島原発から拡散する放射線と似た状況となった。

照射開始から5週間経過した後で、研究者たちは、現在利用できる設備の中で最も精度の高い検査技術を利用して、数種類の DNA の損傷を調べた。

こうした場合の DNA の損傷の型は主に2種類に分けられる。
ひとつは DNA の基礎物質(ヌクレオチド)の構造が変化してしまうこと、もうひとつは DNA の「2重らせん構造」が壊れてしまうことだ。

そして、今回の研究実験では、ネズミにどちらにおいても重要な変化は認められなかった。

DNA の損傷は、自然放射線のレベルでも通常に起こるもので、少なめに見積もってもひとつの細胞に1日あたりおよそ1万回生じている。

DNA が損傷しても、大半は細胞内にある DNA の修復システムの回復力によって修復される。研究者たちは、今回の研究での放射線量では細胞1個につき、1日あたり最大で更に 12倍程度に損傷が生じたと推測しているが、それらはすべてが修復されたと見られる。

今回の研究は5週間で終わったが、エンゲルワード博士たちは、それより長い実験期間でも同じ結果になると考えている。

「この実験で学んだのは、そもそも400倍のレベルの放射線ではそれほど細胞は損傷しないということ。そして、生物はすぐれた DNA の修復システムを持っているということです。私の推測では、(5週間以上の)長期間ずっと400倍の放射線を浴びせ続けても、その DNA にさほど重大な損傷を与えないと思います」。


米国マクマスター大学の医療物理学と応用放射線学が専門のダグ・ボレア教授は、以下のように言う。


「現況では、すべての放射線が人体に悪いものと信じられています。放射線はわずかの量でも体内に蓄積され、ガンなどのリスクが増えるかのように人々に信じられていますが、しかし、そしてそれは真実ではないという証拠が現在築き上げられているのです」。


しかし研究者らは、放射線の避難基準を見直すには、さらに多くの研究が必要と述べる。

エンゲルワード教授は、日本での原発での対応についてこのように付け加えた。

「震災後の日本では、10万人もの住民を避難させたにも関わらず、日本政府はもっと多くの人を避難させなかったことについて批判されました。しかし、私たちの研究から見ると、避難をしなかった福島の人々においても、過度の DNA の損傷はないことが予測できます。これは、私たちの実験室で最近開発された技術でテストできることです」。





翻訳はここまでです。

ちなみに、この世の中には、

つらいことを多くしていく生き方



ラクなことを多くしていく生き方

というのがあります。

そして、現在のシステムを真面目に生きていると、実は、小学校くらいから前者の(つらい)人生を送るように成長していくようにシステムは作られています。

「苦労」とか「努力」とか、あるいは「夢」というような単語を否定的な単語だと考える方は少ないのではないでしょうか。でも、現実にはこれらの言葉は 2000年くらい前に「作られた概念」であり、もともとの人間の生き方にはなかったものだと言われています。

夢という概念も?

と思われる方もいらっしゃるかもしれないですが、そうなんです。

もちろん、ここでいう夢とは、眠っている時に見るほうではなくて、目標だとか将来だとか、そういうほうの「夢」です。

「瞬間を生きる」という人間本来の存在の仕方を否定する方法として、編み出されたのが「夢」という概念だと今の私は思っています。「瞬間」というのは、言い方を変えれば、多次元宇宙と同義語ですが、そんな難しいことは別としても、「一瞬一瞬、人は違う考えと感情の中に生きている」という考え方でいいと思います。


でも、「夢」を持ったほうがいいとみんな感じているのなら、それでいいのだと思います。ただし、その「夢」がかなわなかった時の「存在しない夢」を必ず持ち合わせていないと、「実現してほしくなかった現実だけ」が残ります。そして、この世の中は不幸だらけになってしまいます。

そして、現実の世の中にはその実例がなんと多いこと!


個人個人の頭の中にある世界は「無数」であることを本人が誰でも一番よく知っているのに、その中から、「むりやり、ひとつの夢」を抽出することには無理があることも、実はみんな知っています。

だから、「夢をひとつに絞る」というのは本来は無理なんです。

とはいえ、話が脱線してしまいましたので、ここまでにしておきます。



  

2012年06月26日



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▲ 昨日のスペースウェザーの記事「ELECTRIC-BLUE CLOUDS」より6月24日にスコットランドで観測された夜光雲。以前なら高緯度でしか見られなかった夜光雲が、今では各地で見られていて、米国でも、コロラド州、ヴァージニア州、カンザス州、それと南部であるユタ州でも観測されていることが説明されています。






 


(訳者注) タイトルでは「謎の」としたのですが、これまでも通常に観測されていて、名称もある「夜光雲」(やこううん)というものに関しての記事です。

夜光雲は Wikipedia では、


夜光雲

中間圏にできる特殊な雲で、日の出前や日没後に観測される気象現象である。通常の雲が地上〜10km付近にできるのに対し、夜光雲は地上約75〜85 kmの中間圏界面付近にできる。高度の高い位置に発生するため、太陽が地平線付近にあるとき下から日が当たり、青白く輝いて見える。



と説明されます。

「中間圏」というのは下の図で黄色で囲んだあたり。

chuucan.jpg


普通の雲は、そのずーっと下の高度10キロメートル以下で発生するものがほとんどです。夜光雲の発生する場所はほとんど空気もなく、どちらかというと、宇宙空間ですので、「雲」というよりは宇宙現象に近いものかもしれません。

以前、

『日曜日にパパと宇宙を目指しました』: 手作りオモチャで宇宙から地球を撮影した親子の記録
 In Deep 2011年11月24日

という、風船にカメラをつけて宇宙に飛ばして宇宙から地球を撮影することに成功した親子の話をご紹介したことがありますが、その時はその風船は最大で 30キロメートル付近の上空にまでのぼったのですが、その写真が下のものです。

19feet.jpg


上空 30キロでこの状態ですので、高層 70キロとか80キロとかは「ほぼ完全な宇宙空間」だということがおわかりだと思います。

夜光雲というのはそういう場所で発生する現象なんです。

上の Wikipedia では夜光雲の発生原因などについてもふれていますが、実際には、今でも確実な発生原因は特定されていないです。

しかし、タイトルの「謎」とはその発生原因のことではないのです。

現在の最大の謎は、

・以前に比べて異常に頻繁に、かつ広範囲で発生している。

・高度が下がってきている。

・輝きが増してきている。


の3点です。

つまり「状態が変化してきている」ということが謎といえるようです。

今回の記事は、米国のユニバース・トゥディに「国際宇宙ステーションから撮影された夜光雲」の記事があり、それをご紹介します。


ところで、この夜光雲とは違うのかもしれないですが、「高層大気圏でのみ観測される雲」として有名なものに「銀雲」というものがあります。高層大気圏というより、「宇宙空間からのみ観測できる雲」ということなんですが、この銀雲は、昔から宇宙飛行士たちの間では「地上の自然災害と関係あるのでは」と言われてきていたものです。



ロシアの宇宙飛行士たちが確信した「銀雲」と地球上の災害の関連


かつてロシア(旧ソ連)には、宇宙ステーション「ミール」というものがありましたが、その宇宙ステーション・ミールで 1994年から 1995年にかけて、実に 438日におよぶ長期のスペース・ミッションをおこなったロシアのワレリー・ポリャコフという宇宙飛行士がいます。

このポリャコフさんには 1999年に記した『地球を離れた2年間』という名著の誉れの高い著作があるのですが、そこに「銀雲」についての記述があります。

ipolleri.jpg

▲ 宇宙ステーション・ミールで長期のミッションをおこなったワレリー・ポリャコフ飛行士。


銀雲(silvery clouds)というページに、その部分が書き出されていますので、一部抜粋します。



ワレリー・ポリャコフ『地球を離れた2年間』より。

それからもうひとつ忘れられない現象がある。それは"銀色の雲"のことで、地上で起きる災害と関連があると言われている。

それは不思議な雲だ。銀色の雲という、まことにロマンチックの名前は、地表が円形になる地平線上の60キロメートルから70キロメートルの上空にしか現れないところからきている。(中略)

その後、仕事の忙しさもあってこのエピソードは忘れられていた。ところがその晩、地上との定期無線交信のときに、アルメニアで大地震があり、膨大な数の犠牲者が出て、街は壊滅状態だという連絡があった。(中略)

2回目のフライトの際には、ロケットが打ち上げられ、安定飛行状態にはいるやいなや、巨大な銀色の雲を目にし、不吉な感情に襲われた。(中略)

管制センターとの無線交信によって、アメリカ合衆国のロサンジェルス市か、あるいはその近郊地域に大型の地震が発生し、大きな被害が出ているというニュースが伝えられた。



そして、地上に戻った後に、他の飛行士や、ロシアの学者たちとの話の中で、この銀色の雲が災害と結びついているのではないかという考えを強くしたというようなことなのですが、まあ、どうしてこのことを書いたかというと、夜光雲の出る高度と大体同じなんです。高層 70キロ程度の場所にできる。

silver.jpg

▲ 宇宙空間で撮影された「銀雲」の映像。



銀雲と夜光雲が同じものかどうかはわからないですが、宇宙空間からのみ観測できたような雲が今では地上からどこでも観測できるようになっているという変化が現在存在しているということは確かなことかもしれません。

そういう変化が「謎」だというのが今回のタイトルの「謎」の由来です。

ところで、上の『地球を離れた2年間』は新書としては見当たらないようで、Amazon では下の通り、古本として何冊かあっただけでした。




この本、レビューを読まれるとおわかりかと思いますが、宇宙飛行士が「好き放題に喋る」という意味ではこの世で唯一のものかもしれません。宇宙飛行士の数では現在ではアメリカのほうが多いですが、語る内容に規制がかかるせいか「立派な話ばかり」で、アメリカの宇宙飛行士からはあまり面白い話は出ないです。


たとえば、過去記事ですが、ロシアの宇宙飛行から出た話として、

ロシアの宇宙飛行士たちが見た「地球の軌道上の7人の巨大な天使」
 In Deep 2011年06月22日

みたいなエピソードもあります。

これは 1982年に旧ソ連が打ち上げた宇宙ステーション「サリュート7号」に乗っていた6人の乗組員たちが、天使のような形のシルエットの光を宇宙空間で目撃したという話です。

ふと見ると上の記事はほぼ1年前ですね。

そんなわけで、ここから夜光雲の記事です。
米国の「ユニヴァース・トゥディ」より。






 


Mysterious Noctilucent Clouds as Seen from the International Space Station
Universe Today 2012.06.25


ミステリアスな夜光雲が国際宇宙ステーションから観測される


noctilucent-clouds-iss.jpg


ナイト・シャイニングと呼ばれたり、あるいは、夜光雲と呼ばれるミステリアスな現象は見るぶんにはとても美しい自然現象だ。この夜光雲は、国際宇宙ステーションの宇宙飛行士たちからは地上から見るものとは違った見応えのある光景となる。

古来から夜光雲はその存在自体、珍しいものといわれていたが、最近になって、それらの光る雲の輝きは明るさを増していて、また、以前よりも頻繁に観測されるようになっている。

その高度も以前より低くなってきており、その明るさのため、今では日中でさえ観測できることもあるほどだ。

下の写真は 2012年 6月 5日に、国際宇宙ステーションから撮影されたものだ。
白い円弧のような輝きが夜光雲だ。

nasa-clouds.jpg


西アジアの上空で撮影された。

夜光雲の発生の原因については、これまでいろいろな議論がされてきた。

流星の塵、地球の温暖化、ロケットの排気などが原因としてあげられたこともあるが、最近の研究では、大気の気体組成や温度の変化が、夜光雲が明るくなってきている原因であることを示唆している。






  

2012年06月22日



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20世紀初頭に初めて黒点理論を提唱した旧ソ連のチジェフスキー博士の理論に「宇宙線の存在」を重ね合わせてみる試み

Alexander_Chizhevsky  Александр Леонидович Чижевский

▲ アレクサンドル・チジェフスキー博士( Александр Леонидович Чижевский / 1897年2月7日- 1964年12月20日)。 Russian cosmism より。






 


宇宙関係のサイト「メッセージ・トゥ・イーグル」を見ていると、アレクサンドル・チジェフスキー ( Alexander Chizhevsky )という名が出ていて、久しぶりにこの名前を目にしました。

この人は 1897年に生まれて 1964年に亡くなったロシア(あるいは旧ソビエト)の科学者で、世界で最初に「黒点と人間の精神活動」についての相関関係をまとめた人です。チジェフスキー博士のことを初めて知ったのは、3年くらい前のヤスの備忘録の記事でしたが、その後、自分でも興味を持って、調べていた時期がありました。


最初にそのチェゼフスキー博士についてご紹介しておこうと思います。日本語での通常のプロフィールはほとんどないようですので、英語とロシア語での Wikipedia を要約しておきます。


アレクサンドル・チジェフスキー

旧ソビエト連邦の国際的な科学者。

太陽が生物に与える影響に関しての学問「ヘリオバイオロジー ( heliobiology ) 」を設立。また、生物学的実体上の大気のイオン化の影響に関しての研究「エアロ・イオン化」 ( aero-ionization ) もおこなった。

また、博士がおこなった、コスモバイオロジー(宇宙生物学 / cosmo-biology)、生体リズム( biological rhythms )、そして、ヘマトロジー(血液学 / hematology)などについての研究も現在では注目に値すると言われる。

そして、最近になって最も注目されている博士の研究として、11年周期の太陽活動と地球の環境変化の関係、そして、太陽活動と人間の活動の関係の研究である。



とあります。

チジェフスキー博士の研究で、最初に出てくるのが学問の分野としての「ヘリオバイオロジー」というものなのですが、これは直訳すると「太陽生物学」という意味になると思うのですが、調べると、現在の公式な学問のジャンルには存在しないようで、チジェフスキー博士のこの分野の学問は途切れてしまったようです。

その後に続く「生物学的実体上の大気のイオン化の影響」というのは自分で訳していて意味がよくわからないのですが、何となく魅力的な妖しい響きを感じる部分はあります。

そして、その後のコスモバイオロジー(宇宙生物学)生体リズムヘマトロジー(血液学)は、それぞれ現在にまで続いており、特に宇宙生物学は、 NASA を始めとする宇宙探査の研究施設での「最大級の学問」といっていいと思います。


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▲ 生体リズムでよく使われる図の一例。





▲ 過去記事「最近のカオスな太陽データから考えるいろいろなこと」より、チジェフスキー博士が1920年代にまとめた「太陽黒点と戦争や社会暴動の推移の変化の一致」を現したグラフ。下の太い線のほうが太陽の黒点数で、上の細い線は世界で起きた軍事と政治暴動の数。オリジナルの論文は、こちらにあります。




宇宙と人間の関係を追求した20世紀初頭のロシア宇宙主義


そして、今回、調べている中で初めて知ったのですが、このチジェフスキー博士は、「ロシア宇宙主義」という一派の代表的な学者だったようです。

ロシア宇宙主義の簡単な説明は、日本語の Wikipedia にもあります。


ロシア宇宙主義

20世紀初頭のロシアで発生した宇宙を中心とした哲学的・文化的運動である。
ロシア宇宙論とも呼ばれるが、いわゆる宇宙論とは直接の関係はない。

ロシア宇宙主義は自然哲学を基盤として宗教と倫理学の要素を組み入れたもので、宇宙と人間の起源・進化・未来の歴史と哲学を扱う。西洋と東洋の哲学的伝統の要素を組み合わせ、さらにそこにロシア正教の要素も組み入れている。

ロシア宇宙主義の多くの考え方は後にトランスヒューマニズムへと発展した。



ここにでてきた「トランスヒューマニズム」という聞き慣れない言葉は以下の説明のようです。


トランスヒューマニズム

超人間主義などと訳される。新しい科学技術を用い、人間の身体と認知能力を進化させ、人間の状況を前例の無い形で向上させようという思想である。

また、トランスヒューマニズムは人間の機能拡張やその他将来の科学技術の開発・使用により、将来起こりうることを研究する学問でもある。



ここに至って、「ははあ・・・ロシアだなあ」と、先月の過去記事を思い出しました。

5月の連休くらいに、

ロシア軍の最終兵器: 通常の人間を超人にするサイコジェネレーターや細胞の電極に作用する周波数兵器
 In Deep 2012年05月04日

というものをご紹介したことがあります。

そこで取り上げたロシアの記事には、このようにありました。


4月12日のロシア新聞では、超心理学専門家アレクセイ・サヴィン中将の「作戦第 10003号」に関する秘密情報について書かれており、これは普通の人間が超人になれる未来兵士のコンセプトがあったとされている。



というもので、このあたり、上のトランスヒューマニズムの「新しい科学技術を用い、人間の身体と認知能力を進化させ、人間の状況を前例の無い形で向上させようとする試み」というあたりを彷彿させます。

トランスヒューマニズムは戦争のための学問ではない」と思われるかと思いますが、歴史上の多くの学問もそうでした。戦争兵器のために研究されていたものではないものでも、「ある人にとっては兵器に転用できるように見える」、あるいは「兵器に転用したいと思う」ということです。

核兵器なんてのはその最たるものかもしれません。あるいは、現代ではさらにそれを上回る「兵器として研究されたわけではない」様々な科学が兵器に転用されています。

まあ、どんな有用な科学でも「使う人次第」というのは本当にその通りで、このあたりは今後も含めて何とも言えないです。


さて、話が逸れましたが、このような「ロシア宇宙主義」というところから始まった中で生まれたチジェフスキー博士の「太陽黒点理論や、あるいは、「宇宙と人間の関係」を見つめ直す試みですが、最近の In Deep の記事では、この「太陽活動と人間の精神関係」というものに関して、そこに「宇宙線と人間の精神」というものの関係を見ざるを得ないという形となってきています。


太陽活動と人間の関係に「宇宙線の量」も加えて考えてみる


過去記事で、何度かふれていますが、太陽活動と地球に到達する宇宙線の量には「逆」の関係があります。

すなわち、

・太陽活動が「弱い」時期 → 宇宙線が「多く」地球に到達する

・太陽活動が「強い」時期 → 宇宙線の地球への到達量は「少ない」 


という関係です。

これは、太陽からの磁場などで宇宙線が遮られたりするということがあるためで、「太陽(活動)は宇宙線の地球への到達量をコントロールしている」ということが言えるようにも思います。

さて、先日、

私たち人類も他のあらゆる生命たちも「宇宙線にコントロールされている可能性」を感じて
 In Deep 2012年06月13日

という記事を書いたのですが、ここで、「宇宙空間の宇宙線は、生物の DNA に対して、地球で受ける宇宙線の影響とは違う影響を与える可能性があるのかもしれない」と私の個人的な推定を書いて上で、この50年間のうちで、

・宇宙線の観測数値が最も高かった(つまり太陽活動が最も弱かった)1965年


と、

・宇宙線の観測数値が最も低かった(つまり太陽活動が最も強かった)1992年


を比べてみたりしてみました。

内容的には主観もあるので繰り返しは触れないですが、そのそれぞれの時期で、地球の人類の性質というのか、気質が全体として違うもののようになっていることがなんとなくわかるようなが気がしたのです。

そして、さらに大事なことがあるのですが、その後に書いた記事、

消えていく私の中の「宇宙人」と、消えていく「母なる太陽」
 In Deep 2012年06月17日

などに書いたことなのですが、「太陽は地球の衛星(月)かもしれない(概念としてですが)」ということがあります。

つまり、地球にとって、「太陽という存在が地球のツールとして存在している可能性」を想定すると、宇宙線を太陽がコントロールしていることは納得もいくのです。


そういう前提があるということで、さらに「宇宙線が多い時と少ない時を太陽活動周期ごとに見てみる」ことにしました。下のグラフは、上記の過去記事に載せたものですが、下の図をさらに詳しく見てみるという感じです。




とはいっても、地球での宇宙線の観測は 1960年代からのものですので、やはりこの 50年くらいの間ということになり、決して長い期間のデータとは言えないですが、そのことを見ていきたいと思います。

すでに、ずいぶんと長くなりましたので、ここでいったん切ります。

次回に宇宙線と太陽黒点のデータと、最初に書きました「」メッセージ・トゥ・イーグル」のアレクサンドル・チジェフスキー博士のことが出ていた記事の翻訳を書こうと思います。


ところで、チジェフスキー博士は少なくとも、ロシアでは一種の「英雄」と言える部分はありそうで、その証としては、「ロシア連邦の記念硬貨」の肖像となっていることです。


RR5110-0017R.gif

▲ チジェフスキー博士がデザインされた 1997年のロシア連邦の記念硬貨。


西洋社会では忘れられた「科学」ですが、地元のロシアではわりと継続的に信奉を集めている学者さんといえるように思います。



  

2012年06月20日



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本題は、数日前に北京の上空に現れた「雲」のニュースのご紹介なんですが、前振りが長くなってしまったことに気づきましたので、先にその「北京の雲」の写真を載せておきます。

beijing-1.jpg

▲ 6月14日に北京上空に出た「雲」。この雲は、核爆発と同じような感じで拡がり、そして消えていったと報道にはあります。






 



というわけなんですが、「雲」絡みで今朝ちょっといいものを見たので、先に少し書いておきます。



台風明けの夜明けの空に


今朝起きてベランダに出てみると、やや風は強いもののすでに晴れていました。どうやら眠っている間に台風は去っていったようです。

家のベランダは真正面に小さく富士山が見えるのですが、ふと見ると、左上に巨大なレンズ雲が浮かんでいることに気づきました。

まあ、富士山の方向というだけで、実際に富士山の上にあるものというわけではないでしょうが、富士山とレンズ雲の組み合わせというのは、富士山の近くからだとわりと見られるもののようですが、このあたり(埼玉県の所沢と狭山の間あたり)からだと珍しいですので写真に撮りました。下の風景です。右下に「富士山」と書いた上にあるのが富士山。

fuji-2012-06-20.jpg


富士山というのは、その頂上にレンズ雲がかかりやすい山のようで、インターネットで検索するとたくさん写真があります。「富士山 レンズ雲」などのキーワードで検索されるとたくさん見られると思います。

山頂にレンズ雲がかかると、下のような幻想的な光景もよく見られるようです。


fuji-103.jpg

富士山のページより 2003年1月26日の山中湖畔からの富士山。


レンズ雲は日本では富士山が有名となるようですが、アメリカでは、カリフォルニア州にシャスタ山という山があり、ここが巨大なレンズ雲が頻繁に発生することで有名です。


shasta-02.jpg

▲ シャスタ山のレンズ雲。


このシャスタ山というのは、世界七大聖山というもののひとつだそうで、地下都市があるなどの伝説やオカルト・ストーリーがたくさんある場所のようです。



世界七大聖山の光景を支える宇宙線(雲)と太陽(夕陽)


ちなみに、世界七大聖山とは以下のことを言うのだそう。


・シャスタ山 (米国)
・富士山 (日本)
・マチュピチュ (ペルー)
・シナイ山 (エジプト)
・チョモランマ / 英名エベレスト (ネパール)
・キリマンジャロ (タンザニア)
・セドナ (米国)


とのことです。

・・・・・セドナ?

セドナってのは聞いたことがないです。

調べてみると、米国のアリゾナ州にある場所だそうで、 Wikipedia には下のようにあります。


セドナ (アリゾナ州)

Bell_Rock.JPG

1876年に白人が初めて入植。

古くからネイティブ・アメリカンの聖地とされ、近年ではボルテックスと呼ばれるパワースポットが点在する"癒しの町"として人気があり、年間に約400万人の観光客が訪れる観光地・保養地となっている。



という感じで、ネイティブアメリカンの聖地だそうです。

しかし、上の Wikipedia の写真を見ても、特に聖なる山という感じはしなく、どうも釈然としなかったので、セドナの写真を見続けていましたら、わかりました。

ここも「雲」なんです。

セドナも、富士山やシャスタ山同様、「雲の力」で神秘感が漂うようです。
特に、雲と夕焼けの組み合わせはものすごい。

下の写真は、こちらのページにあったセドナの夕陽の光景です。

sedona-sunset-colorful.jpg


そして、実は、これらの雲を作り出しているのは、「宇宙線」なんです。このことは、ほぼ確定していて、CERN などの研究はかなり進んでいることを過去記事でご紹介したことがあります。


「宇宙線が雲を作るメカニズム」の一部を欧州原子核研究機構 CERN が解明
 In Deep 2011年08月26日


なので、セドナやシャスタ山の光景などを見ていますと、宇宙線(雲)と太陽の組み合わせが、視覚として私たち人類に神秘体験(あるいは、夢やロマン)を与えてくれていることを感じます。


聖山といえば、1970年代の映画にアレハンドロ・ホドロフスキーという人が監督した『ホーリー・マウンテン』(聖なる山)というメキシコ映画化があります。私は好きで、今でもビデオを持っています。

この映画には、公開国によりいろいろなデザインのポスターがありましたが、下のようなものもありました。

holly_mountain_poster.gif


ポスターの後ろにあるのが聖なる山で、真ん中の黒い人が映画の主人公で、その心臓は燃えていて中に目玉があります。

そして、周囲で燃えているのは「お札」です。

これらはすべて映画に出てくるシーンでもあります。




▲ 映画「ホーリー・マウンテン」より。この映画の中の社会で作られているすべてのキリスト像が「自分をモデルにして作られていた」ことがわかり絶叫する主人公の青年。この後、この青年は一体のキリスト像と共に聖なる山を目指します。


というわけで、本題がわからなくなってきましたが、本当は今日は、昨日海外メディアで一斉に報道されていた「中国の雲」のニュースをご紹介しようと思ったのでした。

報道では「キノコ雲」と紹介されていましたが、何となく「終末感が強い雲」でしたので、タイトルで「終末雲」としてみました。


中国人は世界で一番「この世の終わり」を信じている国民ですので、この雲を見て、多くの人々がいろいろ感じたようです。この「中国人は世界で一番この世の終わりを信じている」というのは過去記事にそのデータがあります。

「この世の終わり」に関して米国の調査会社が21カ国で行った国際調査のデータ
 In Deep 2012年05月03日



▲ 上記 In Deep 記事に掲載したアメリカの調査会社イプソス社のデータ。


「終わる」と思っている人たちの上に「終わりそうな雰囲気のもの」が出るというようなことなんでしょうか。

それではここからです。
本文自体は短いです。






 

Awesome mushroom storm cloud dominates skyline over Beijing and sparks fresh 'end-of-the-world' fears
Daily Mail (英国) 2012.06.18


壮絶なキノコ雲が北京の空を支配し、『この世の終わり』的な恐怖が人々の間に伝わった


この時に「核戦争が起きた」と言われても、私たち素人には一瞬それがウソだとは気づかないかもしれない。

それほど、壮絶な形状のキノコ雲が中国の首都・北京の上空に出現したのだ。

幸いなことに、これは核戦争ではなく、単なる自然現象だった。



beijing-2.jpg

▲ 6月14日に現れたこの雲を北京の住民たちは困惑した表情で眺めた。


しかし、核戦争ではなくとも、これが「アルマゲドンのシグナルなのでは」と考える中国人もいたという。さらに、時間の経過と共に、雲の中には落雷の光の閃光が走り、終末的な感覚をもたらした。


beijing-3.jpg

▲ 左にある小さな黒い点は飛行機。


この雲は巨大な積乱雲がと垂直な雲と合わさっていると考えられるという。



  

2012年06月17日



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最近あんまり元気がないんですが、理由のひとつは「毒気にあてられている」というような気配があるのかもしれないですが、この「毒気」というのも対象があるものではなく漠然としています。

それとは別の話として、今の、やや憂鬱気味な理由のひとつとして、あるひとつの「とんでもない疑念」が湧いているということがあります。

どうも書きづらいのですけれど、それを簡単に書くと、

宇宙人というものは存在しないのではないか

という疑念です。






 


現実には、私を含めて、今の社会に生きている人のほとんどは潜在的に「宇宙人はいる」と考えているはずで、積極的にそう考えない人でも、「宇宙は広いのだからどこかには宇宙人がいてもおかしくはない」と考えるほうが普通だと思います。それを口にしなくとも。

それは、たとえば宗教を信じている人が「今は見えないけれど、神はどこかにいらっしゃる」と考えることと同じで、具体的な基準や証拠というものが必要なわけではなく、それを越えた部分で、

「それはどこかに存在する」と普通に思いこんでいる

いうのが実際の心情だと思います。


私は宗教のほうはわからないですが、しかし、宇宙人や宇宙の知的生命や、あるいはこのブログでも何度も書いている「他の惑星に住む人類の兄弟」などの存在については、それこそ小さな頃からSFファンだったこともあり、まさに「具体的な基準や証拠というものを越えた部分」として心の中に根付いています。

そして、なんだかんだといって、世界中の心情や論調も、過去よりもむしろそこ(宇宙人がいるとか「会う(コンタクト)」など)の方向に向かっているように見えます。おびただしいSF映画や物語。


ところが、個人的にコツコツと見続けている最近の科学のほうのデータ、そして、科学とは関係のない「オカルトの理論」は、双方共に、あまりにもそれらのすべてを「拒絶する」かのようなものが多いのです。

どこからどう書いていいのか、よくわからないですが、書ける範囲で書いてみます。

まず科学のほうのデータのひとつからです。



▲ 地球と似た環境であるとわかり始めた土星の衛星タイタン。過去記事「地球外生物の存在する可能性のある惑星ランキング」より。




最新鋭の解析技術で、むしろ壁に突き当たってしまった SETI の調査


宇宙の知的生命についての探索で科学的なもののうちの代表的なものは、「 SETI 」と呼ばれる地球外知的生命体探査で、これは、「電波望遠鏡で受信した電波を解析し、地球外知的生命から発せられたものがないか探すという」というものの総称といっていいと思います。

世界中で 1960年代から続けられており、その歴史はそろそろ 50年になろうとしています。

SETI については Wikipedia - 地球外知的生命体探査 に、世界と、そして日本での多くの試みの歴史と実例が記されています。


そんな中で、最近、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)が発行するテクノロジーレビューという科学記事に、

SETI Finds No Signs of E.T. Nearby

という記事が載せられていました。

このタイトルは訳すと、「SETI は近隣宇宙から、いかなる地球外生命のシグナルの徴候も見つけられなかった」というものですが、タイトルはともかく、その内容は、 SETI の最新鋭の宇宙探査に関しての科学的記事でした。

電波天文学での観測の中には、「超長基線電波干渉法 (VLBI)」というものがあるそうで、これは国土地理院のサイトによれば、


VLBI(超長基線電波干渉法)とは、はるか数十億光年の彼方にある電波星(準星)から放射される電波を、複数のアンテナで同時に受信し、その到達時刻の差を精密に計測する技術です。



とのことですが、マサチューセッツ工科大学の記事の内容は、これを導入した SETI が最新鋭の観測結果についてのものでしたが、その「地球外知的生命体探査の観測手法の新しい段階」のリサーチの結果、今回、超長基線電波干渉計によって SETI がキャッチした「宇宙からの信号」は 222例に上りました。

そして、解析の結果、「地球外生命と関係すると思われる候補はゼロ」でした。

まあしかし、それはいいのです。
それは今回1度のひとつの結果ですので。

問題は、この記事の中でふれられていた「もうひとつの事実」。

つまり、今までの何十年もの間、 SETI がキャッチししたかなりの数(膨大な数の電波やシグナルが今までキャッチされています)の「宇宙からの電波」の解析が進んでいることについても書かれてありました。

そして、解析技術が進めば進むほど、「ほぼすべてのそれらの電波やシグナルは、知的生物と関係ない」という解析が出ており、多分、地球外生物と関連すると思われるシグナルは「該当ゼロ」という結論になっていると思います。


一応、念のために書いておきますが、この SETI プログラムに携わる世界中の多くの人たちは「宇宙人に対して懐疑的な人たちではない」ということに注意を払う必要があります。全員ではないでしょうが、しかし、世界中で SETI での探索を行うほとんどの人が「地球外生命からの電波やシグナルの徴候が見つかってほしい」と願い続けている人たちなんです。

人によっては、人生をほとんど「地球外生命の探査」に費やしている人も多いはずです。


そして、その探査活動は 50年に迫ろうとしています。


この50年間の科学の発展、あるいは、宇宙望遠鏡等を含めた宇宙観測技術の発展などがすさまじい勢いで進んだことはおわかりだと思います。

各国の SETI も常に最新技術の導入を試みているはずで、皮肉なことに、その科学の発展の結果、「数十年前なら宇宙人の電波と考えられていたかもしれないものも、そうではないことがわかるようになってしまった」ということがあります。

宇宙からは至るところから電波やそれに準じるものが発信されており、それは無数です。

近くでは、たとえば、「木星」からも3種類の電波が発信されています。
下は、木星 - Wikipediaにある「木星電波」からの抜粋です。


木星電波

1955年、バーナード・バーグとケネス・フランクリンは、木星から発せられた断続的な22.2メガヘルツの電波信号を検出した。

研究によって、木星は3種類の電波を発していると判明した。
木星大気の熱からは熱放射が生じている。

2010年には、木星磁場とほぼ一致する領域から強いX線が放射されていることが日本のX線天文衛星すざくの観測で判明した。



これは比較的近い木星の例ですが、無数の星がある宇宙には同じような例が無数にあり、つまり、

惑星など天体自身が発している電波



知的生命が発信している電波(あるいは他の理由での電波)

というものなどを、解析で判明させる必要があるのですが、最近の自動分析機の性能はとても高く、それらの分析を正確に行います。

その結果、この数十年間の SETI の成果は「ゼロ」という結論になりつつあると思われます。


ちなみに、この SETI の結果が、私に宇宙人の存在への懸念を持たせたということではないです。むしろ理由は下に書く「オカルト」の部分の方が大きいです。

その「オカルト」の部分も少し書いておきます。

しかし、この SETI の「数十年間の成果が完全にゼロ」というのは、今の科学の時代では強烈ではあります。



月と太陽を見ているうちに到達した疑問


私が「宇宙人」というものに懸念を抱いたのは、上のような科学的な理由が主はなく、最も大きな理由は、一昨日の「太平洋に何が起きているのか: 日本でのこと。南米のこと。そして地球のこと」という記事の後半のほうで書きました、

・「地球=人類=太陽」という関係性の中で、「一方的な存在というものはない」

という最近の自分の考えによります。


さらにいうと、最近、いわゆる現在の通常の科学である「地動説」というものにも、やや懸念を感じています。

それは最近続いた「月と太陽」の話とも絡んでいますが、

太陽系が太陽を中心となって構成されているという考え方はホンマかいな

というようなことです。


sun-ststem.jpg

▲ 現在の太陽系の考え方は、「太陽を中心としてその周囲を惑星が回る」という考え方。その考えの根底は、「大きな星から先に出来る」というビックバン理論の考え方から。


かといって、私が、昔のいわゆる「天動説」を支持しているというわけではないです。


ptole-maios.jpg

宇宙開発機構のサイトより「プトレマイオスの宇宙」。2世紀。


プトレマイオスの頃と比べて、私たちは太陽系の外にも大きく宇宙が広がっていることを知るようになりましたが、その中で知ることは「多分、宇宙には、果てがない」という無限の概念だと思うのですが、そうなると、地動説だとか天動説だとか、とりあえず周辺宇宙のことに関してのことから始まっても無意味にも思えてきます(実際には大事なのですが)。


だったら、もっと周辺に戻り、「私たち(地球の人間ということ)の目に見えるところから始まると、どうなるのか」というと、過去記事の、

2004年の金星に現れたアークは再び現れるのか。そして、私たちは太陽系システムの奇跡にそろそろ気づかなければならない
(2012年06月05日)

などにも書いた、


月と太陽は同じ大きさ(に見える)


というひとつの日常の認識に至ります。しかも、基本的には地球では「いつもどちらかが見えている」。つまり、基本的には昼には太陽が見えて、夜には同じ大きさで月が見える。

昼も夜も交代で同じ大きさの「太陽」が見えている。

何のためかはわからないですが、とにかく、同じ大きさの「光るもの」が見え続ける地球。

そして、「月は地球の衛星」と呼ばれます。

だったら・・・。

太陽も地球の衛星なのでは?

と。

月には言語によっては、「夜の太陽」という言い方があり、たとえば、アイヌ語では、


太陽 トーカム・チュッ・カムイ
  クンネ・チュッ・カムイ


となります。「チュッ・カムイ」の部分が同じで、「夜の(カムイ)」、「昼の(カムイ)」となっていることがわかります。

これは過去記事「さまざまな言語での「太陽」(日本語で「タイヨー」)の発音」に書いたものですが、その記事で私は、

 
> アイヌは、太陽も月も「どちらも太陽」と見なしていたと考えられます。


と書きましたが、知らず知らずのうちに「太陽のほうがえらい」と考え込んでいた私の間違った考えに基づいての書き方であったことに気づきます。

つまり、平等に書くなら、


昼の太陽(太陽)
夜の太陽(月)


だけではなく、


夜の月(月)
昼の月(太陽)


という書き方をするべきでした。


まあしかし、このことを自分でも納得して書くにはまだ長い時間がかかりそうです。

この、「太陽が地球の衛星(月)である」という考え方は、エメラルド・タブレットの図柄を見てもわかります。




ところが、上の図を見て、さらに「気づくこと」があることが同時にわかったのです。


それは、中心のリングの周囲に「大地」や「天体(宇宙)」までもが描かれていることです。ここからは、太陽や月どころではなく、「大地も宇宙も何もかも衛星(月)である」というように描かれているようにしか見えないことがおわかりでしょうか。

もし、「「宇宙が中心」だと言いたかったのなら、右下にある天体を描いた図は真ん中になければならないはずですが、端っこにある。これなら、むしろ、図の真ん中上にある「水星のマークのほうが中心に近いのです。




▲ 中心のリングの上にある水星のマーク。


私は、上の記事などを書くまで、エメラルド・タブレットの中心にあるリングのようなものは、「この世」、すなわち「地球」だと勝手に考えていましたが、そうではないかもしれないですね。


この絵の通りのような気がしてきました。

絵では中央に何もない単なるリングですから、その通りに「中心には何もない」


そしてその周囲に描かれている様々なものが「何もないものを支えている」


そういう意味では、月も太陽も宇宙も「無存在の衛星(月)」というような意味にもなるのかもしれません。

しかし、これらのことが「どうして宇宙人がいないこと」とつなげて書かれてあるのかと思われる方も多いかも知れません。

まったくそうなんです。

私にもよくわかりません。
実は、これらのことも夢で見た・・・というか眠っている中でわかったことなんです


しかし、夢から離れて考えてみても、概念として、地球の人類以外の人類が登場すると、「オカルトの図式が崩れる」という感じがします。といっても、やっばり自分でもうまく説明できていないですので、今後少しずつ自分でも理解して書ければなあ、とは思うのですれど、書けないかも。


いやまあ・・・こんな考え方は間違いだと思います。
宇宙人はきっといます。

私の中からその存在が消えたというだけの話で、他の方々のもとにはいるはずです。




平等である太陽の下で


ところで、タイトルに「母なる太陽」とつけたのですが、こういう言葉が一般的には存在していないことはご存じだと思います。

そうなんです。

私たちはこれほど太陽に親しみを持ち、まるで親のように感じているのに、少なくとも日本語や英語などの私たちのよく知る言葉には、

「母なる大地」

という言葉はあっても、「母なる太陽」という表現も「父なる太陽」という表現もないのでした。

日本語であるのは「おてんとさん」という「さん」付けのきわめて「対等な表現」、あるいは「友だち感覚」の表現だったりするのでした。

私は、「太陽は決して私たち人類を滅ぼさない」と思っていますが、その理由は上のような「友だち感覚」にもあるような気もしないでもないです。


しかし、これらのことは今回だけのことで収まる話ではなく、また、わかりやすく説明する言葉を今の私は持ちません。なので、何か思いついた時とか、何かうまく書けそうな時に書ければと思います。

実は、最近また毎日激しく夢を見ています。



  

2012年06月15日



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昨日の In Deep の記事、

大阪湾の異常? を注視する世界中のネットユーザーたち

の内容は、真偽はわからないままですが、大阪湾の海の色が黄色く変色していたというような話などが広まっていたことが海外などで紹介されていたということをご紹介したものでした。

その前提として、千葉県の漁港であまりにも多い数のイワシの大量死が発生していたということがあり、少し太平洋に対しての懸念というような感じのものがあったという部分はあります。






 



そんな中、今朝、ニュースの見出しを見ていましたら、「神奈川県で魚の大量死」というものがありました。NHK のサイトでしたので、テレビニュースでも放映されていたのだと思います。

テレビ系の報道サイトはすぐにウェブ上の記事が削除されますので、抜粋しておきます。


神奈川 海岸でイワシ大量死
NHK 2012年06月15日

kanagawa-01.jpg

14日午後、神奈川県三浦市の入り江でカタクチイワシとみられるおよそ1万匹のイワシが死んでいるのが見つかり、神奈川県は、一度に大量の魚が入り込み、酸欠を起こしたとみて原因を調べています。

14日午後、三浦市南下浦町松輪の入り江で大量のイワシが死んでいるのを、清掃に当たっていた財団法人の職員が見つけました。三浦市と神奈川県の職員が調べたところ、カタクチイワシとみられるおよそ1万匹のイワシが、縦およそ25メートル、横およそ8メートルにわたって岩場に打ち上げられて死んでいました。

イワシは死後数日ほどたっていて、現場の状況などから、小さい入り江に大量のイワシが一度に入り込んだため、酸欠を起こしたとみられるということです。神奈川県はイワシが死んだ詳しい原因を調べるとともに、15日以降、回収作業を行うことにしています。



昨日の記事と合わせて、最近、太平洋側で起きている(かもしれない)ことを地図でまとめてみました。

japan-pacific-june.png

大阪湾の場合は「太平洋」といっていいのかどうかよくわからないのですが、まあ、便宜上、入れてみました。


太平洋は広いですので、日本だけ眺めていてもよくわからないところもありますので、この1ヶ月程度の間に太平洋全体ではどんなことが起きていたのかの地図も作ってみました。

下の図が個人的に印象に残った、この1ヶ月程度の間の報道を地図に書き出してみたものです。

map-pacific.jpg

日本では報道されていないものも多いですので、いちおう、報道をひとつずつ左上のほうからご紹介しておきます。ここからです。






 


太平洋をめぐるいろいろな現象


ハワイ島の群発地震

これは、ハワイのニュースメディア「ビッグアイランド」で6月5日に報道されたものです。オリジナル記事は、ハワイの火山周辺で群発地震が激増(英語)というものでした。

下の図は、6月1日から6月5日までの USGS (アメリカ地質調査所)の地震データです。

0605quakes.jpg


確かに多いと思いますが、ただ、最大でマグニチュード3.6程度ですので、地震そのものとしては大したものではないのですが、火山と関係しているのなら、懸念もあるというようなことになりそうです。

ハワイは「太平洋の中心」であるので、その動きはわりと大事だと個人的には思っています。



クリル島の群発地震

クリル諸島というのは、いわゆる北方領土の先あたりの一体を言いますが、ロシア非常事態省極東地域センターが6月14日に伝えたところでは、サハリン州沿岸とカムチャツカにかけて、連続して地震が発生したそうで、やや群発の様相を呈しているようです。ロシアの声で報道されています。



異変が続くチリとペルーの海岸

ペルーのイルカとペリカンの大量死については、過去記事で何度か取り上げましたので、ご参照ください。

800頭以上の死亡したイルカが漂着したペルー北部で、今度は推計1,500羽以上のペリカンの大量死
 In Deep 2012年05月01日

ペルー続報: 政府により立ち入り禁止となったペルーのイルカ大量死現場周辺の海岸
 In Deep 2012年05月09日


その周辺での異変がその後も続いていることが頻繁に報じられています。

ペルーのリマ市周辺の沿岸には、5月25日に無数の甲殻類の死骸が漂着しました。

甲殻類というのは、エビ、カニ、オキアミ、フジツボ、ミジンコなどを含む海洋生物のグループのことで、それらが大量に海岸に打ち寄せられ、リマの海岸がカニやエビの死体で真っ赤に染まりました。

lima.jpg

▲ 5月26日の米国 Yahoo! ニュースの Thousands of crustaceans wash up dead off the coast of Lima(リマ市の海岸に大量の甲殻類の死骸が打ち上げられる) より。


同じ南米のチリの海岸では、2000羽を越える鳥が死んでいるのが発見されました。

Thousands of birds found dead on Chile beaches
(チリの海岸で鳥の大量死)
 AFP 2012.05.12

chile-bird-deaths.jpg


あと、パプアニューギニアのマナム火山という火山や、マリアナ諸島のパガン火山が噴火したり、その兆しを見せたりしています。



海流と地球。そして、地球と宇宙

さて、地震や火山はともかくとして(太平洋沿岸ではもともと多い)、「日本とペルー(あるいはチリ)」という、太平洋をはさんで、ほぼ対岸にある場所で、かつて見られなかったほどの大規模な大量死が起きているという現実があります。

私は今回の日本の魚の大量死を直近の地震などと関連して考えることはありません。大阪湾の色などは少し不気味な感じはしますが、大量死に関しては太平洋、あるいは「海」全体の問題とも関係あるように感ています(だからといって、「大きな地震が起きない」という話でもないです。そんなことは誰にもわかりません)。


かつて私は、海流のことをずっと調べていたことがありました。

結局、私には何もわかりませんでしたが、ただ、ひとつわかったことといえば、「世界の海はすべてがつながっている」ということでした。

下の図は、地球の海の主な海流です。

circle-01.jpg

ここに、さらにそれぞれの沿岸などの海域の小さな海流が存在するわけですが、上の海流だけ見ていると、海流はそれぞれの場所だけで回っているように見えるかもしれないですが、地球の海には最も大きな「海の循環サイクル」が存在します。

その地球規模の海の循環を「熱塩循環」とか、あるいは「海洋大循環」とか呼びますが、呼び方はともかく、海流は地球の海のすべてをまわって、地球の気候や海の生態系の存在に寄与していると考えられます。

下の図がその大まかな循環の概念の図ですが、不明な部分も多いです。

circle-02.jpg


太平洋では、ハワイ島のところでグルッと回っています。

いずれにしても、こういう循環が存在するために、地球で「人間が住める気候」が存在すると考えられています。この循環がなければ、たとえば、北欧やイギリスなどのヨーロッパは寒くて人間の住める場所ではなくなるはずですし、そもそも、魚の回遊や生態系というものが今とは違うものになるように思います。

日本が、肉食がなかった古来から豊かな魚介類の食生活に恵まれたのも、このことと関係があります。


そして、海洋生物の大規模な大量死の原因にはこのような海の循環が「乱れる」というようなこともあるのではないかと昔から考えています。プランクトンなどから始まる海の食物連鎖は、どこかが崩れると全体が崩れる可能性が大きいからです。


一方で、過去には宏観現象として、魚の大量死などが地震などに結びついた例も数多くあります。

この「宏観現象」の具体例としては、日本大学文理学部と静岡県地震対策課がまとめた「安政東海地震の前兆現象」という論文があります。

上記リンクでダウンロードできますが、あるいは今度ご紹介しようかとも思います。
とても興味深いものです。


しかし、それはともかく、よく考えてみれば、地震が起きるシステムと魚の泳いでいる海の状態とは関係ないはずなのに、どうしてそういうこと(関連した宏観現象)が起きるのかということが、昔からの疑問でしたが、ここに答えというか、そのキッカケを与える概念のひとつが、私が以前から考えていて、たまに書くこともある、

・地球の現象をつかさどっているほぼすべての原因は宇宙からのもの(あるいは宇宙線)にあるからではないか

ということがあります。

宇宙線の仕組みが解明していない以上、これ以上どこまで書いても単なるオカルトですので、今回はここまでにしておきますが、


・地震や噴火のトリガーは何なのか
・雲ができるシステムは何か
・海流はどうして存在するのか?


といった既知、あるいは現在解明が進んでいる科学から始まって、その先の、


・宇宙線と人間の感情には関係があるのか
・宇宙線と生命に関係はあるのか


といったようなことを考えみると、「関係はあるかもなあ」とも思います。

生物の死なども含めて関係あるというような意味ですが、しかし、パンスペルミア説を含めて、この宇宙線の問題も、強く主張すればするほど空しい気分になるのが今の世の中であるようにも思いますので、最近の私は、特別に何かのニュースなどがある時以外はあまりふれなくなっていますが、しかし、私自身の考え方は、この3年くらいまったく変わっていないどころか、最近はさらに強くそのことを思います。


さらに最近は、「地球=人類=太陽」という関係性の中で、「一方的な存在というものはない」とも考えていて、その三者はお互いに影響して存在している。

その影響の循環の中で、たとえば、地球の中では「海流」といったような熱循環システムにより、人間は多様な「地域」を持つことができ、宇宙レベルから見れば、その地球の循環の基となる作用は、太陽と宇宙線のコンビネーションによってなされている。

しかし、その宇宙と太陽は何によって成立しているかというと、それは「人間の存在に依存している」と思っています。事象を認識する能力を持つ人類がいない場合、太陽の作用、宇宙の作用も存在しません。目で見て、耳で聞いて、鼻で匂って、肌で感じて、舌で味わうことで宇宙は存在しています。


つまり、「地球=人類=太陽」は共に同じ・・・というか、上も下もない関係であると思います。


これはエメラルド・タブレットの「上なるものは下なるもののごとし」という概念とまったく同じ意味となることですが、このあたりは面倒な話ですので、また別の機会に改めて最近思うことを書いてみたいと思います。

上に書いた、

・地震や噴火のトリガーは何なのか
・雲ができるシステムは何か
・海流はどうして存在するのか?>

のあたりのことを書いた過去記事をリンクして今回はここまでとさせていただきます。

新しい太平洋の状況につきましては、また何か新しい報告を目にしましたらお知らせしたいと思います。

確かに異変は異変ですので、気にならないといえばウソになります。



  

2012年06月13日



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今日は下のニュースを目にしたところからいろいろと調べていくうちに一種の迷宮に入り込んでしまい、結局、何の結論もない記事となりましたことを最初に書いておきます。そのキッカケとなったニュースとは、今朝の「京都新聞」です。






 



抜粋いたします。


宇宙アサガオ、異常早咲き 京産大付属高の3世代目
京都新聞 2012年06月13日

asag-02.jpg


宇宙空間を旅した種子から育った、京都産業大付属高の「宇宙アサガオ」が、通常は夏至以降とされる開花時期より大幅に早く、10日に咲き始めたことが、12日に分かった。帰還2世代目は異常に多くの花をつけたことが確認されており、開花したのは3世代目にあたるアサガオ。同高は、宇宙放射線の影響を裏付ける事象だとみて、さらに研究を進める。

同高生物部は、2010年にスペースシャトルに搭載した種子の3世代目、同じスペースシャトルに載せた、船橋市総合教育センターの種子の3世代目と市販種の3種類を、通常より約3カ月早い3月中旬にまいた。

今月10日から2日間、同高と船橋市の種子から育った計5株に一つずつ花が咲いた。市販種は12日現在、花芽すらついていない。

昨年夏、2世代目は1株当たり300個以上の花をつける突然変異が確認された。生物部顧問の米澤信道教諭は、DNAの塩基配列が変わった可能性があると分析した。

夏至前に開花した直接的な要因として、米澤教諭は、花芽をつくる植物ホルモン「フロリゲン」の異常が疑われるとみている。その上で、「宇宙放射線の影響があったと、より明確にできた」と話している。



この記事を読んで、昨年の読売新聞の「宇宙桜」の記事を思い出した方がいるとしたら、かなりの「宇宙線マニア」だと思います。私も、今回の京都新聞の見出しを見た瞬間に「同じだ!」と思い、それで今回、上の記事をご紹介しました。

昨年の読売新聞の記事はオリジナルはすでにウェブ上にないですが、昨年の In Deep の記事「放射線の中で生き返った植物 (2011年04月22日)

というものの中でご紹介しことがあります。

この頃は、まだ震災後1ヶ月少しで、「放射線の中で生き返った植物」というような、放射能に対して肯定的なニュアンスを含むタイトルをつけるのもどうかなと思ったのですが、当時、「放射能の悪影響を示した正確なデータ」というものを一度も見たことがないという事実が(今でも)あり、どうして放射能が有害なのかがどうしてもわからない面が今でもあります。

まあ、しかし今は放射能についての論議はどうでもいいです。「宇宙に行った植物の超成長」というものについてを記したいだけです。 放射能に関しては、チェルノブイリ後の調査結果について二つの論文の概要を訳して記事にしたことがありますので、ご興味のある方はどうぞ。




話を戻します。

その時に転載した「読売新聞の記事」を再度掲載しておきます。記事そのものは2011年2月のもので、震災前のものです。



宇宙帰りのサクラ異変…なぜか発芽・急成長
読売新聞 2011年02月21日

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地上350キロメートルの国際宇宙ステーション(ISS)で2008年11月から8か月半、保管した桜の種を、地上へ持ち帰って植えたところ、発芽しないはずの種が芽を出すなど、異変が相次いでいることがわかった。

原因は不明だが、無重力で放射線の強い宇宙環境で、遺伝子の突然変異や、細胞が活性化したなどの見方もある。

宇宙を旅した桜の種は、北海道から沖縄まで13地域の子供たちが集めた名木14種類。このうち岐阜市の中将姫(ちゅうじょうひめ)誓願桜(せいがんざくら)は、樹齢1200年と言われるヤマザクラの一種で、米粒ほどの小さな種は、地元の保存会などがまいても発芽せず、接ぎ木でしか増やせなかった。


sakura-2.jpg


保存会が種265粒を宇宙に送り、248粒をまいたところ、昨年春に2粒が発芽した。このうち、10センチの苗木に成長した1本は、葉の遺伝子の簡易鑑定で「他の桜の種が混入したのではなく、誓願桜の可能性が高い」と判定された。

岡山県では、通常は1年に50センチ程度しか伸びない真庭市の醍醐桜(だいござくら)10本が、昨年春に発芽して、今は90センチ以上。うち1本は160センチを超えた。高知県佐川町では、1年に約30センチしか伸びないはずの稚木桜(わかきのさくら)が、約1年で最高135センチに成長した。



要するに、今朝の京都新聞のニュースは、

・宇宙空間を旅したアサガオの種が異常に早く咲いた

というもので、
昨年の桜の話は、

・宇宙空間を旅した「発芽しないはずの桜の種」が芽を出した

というものです。


今朝の京都新聞の記事では、京都産業大付属高の米澤教諭は、以下のふたつのことを記事で述べています。・

・DNAの塩基配列が変わった可能性がある
・宇宙放射線の影響があった可能性



さて、この「宇宙線」。 In Deep でも何度も何度も何度も何度も何度も何度も(もうええわ)出てくるものなんですが、多くは、私たち人類などが「地球にいて受ける宇宙線」の話でした。


先日の「地球文明を破壊する威力を持つウイルス「フレーム」が歩き始めた」という記事の余談で、06月04日の日本経済新聞にあった、「775年、地球に大量の宇宙線 屋久杉から解明」という記事をご紹介しました。

> 名古屋大学の増田公明准教授らは、775年に宇宙から大量の宇宙線が地球に降り注いだことを、屋久杉の年輪の 分析から突き止めた。


というものですが、これも「地球で受ける宇宙線」の話でした。


そして、それらのものと今回の冒頭で紹介したようなアサガオや桜のような「宇宙空間で受ける宇宙線」というのは実は「別物」なのです。

かなり面倒な話になりますが、引用して記しておきます。






 


アサガオや桜が受けたのは「一次宇宙線」。775年の屋久杉や地球の私たち人類が受けるのは「二次宇宙線」

宇宙線というと、宇宙からずーっとやってきて、そのまま地球のあらゆるものを通過して、そのまま通り過ぎていくイメージがありますが、実際には、宇宙からきた宇宙線は、地球の大気に飛び込んだ際に、「核反応」をおこして、変化するようです。

下の説明は、東京大学の東大宇宙線研究所のページから抜粋したものです。


宇宙線は地球に到達して大気中に飛び込み、空気中の酸素や窒素の原子核と核反応を起こします。地球大気に飛び込む前の宇宙線を「一次宇宙線」とよび、大気に飛び込んで変化し新たに生まれた宇宙線を 「二次宇宙線」とよびます。

二次宇宙線は、ミューオン、ニュートリノ、電子、ガンマ線、中性子が主要な成分です。このうち電子やガンマ線は大気中で吸収されて減り、地中まで来るのはミューオンとニュートリノがほとんどです。



とのことで、私たちが地球上で受ける宇宙線、あるいは、775年に屋久杉が大量に受けた宇宙線は、

ミューオン
ニュートリノ
電子
ガンマ線
中性子


などが主なもののようです。

これらは要するに「放射線」で、つまり、私たちは生まれてから死ぬまでずーっと連続して、これらの放射線を浴び続けて生きているわけです。

まあ、ともかく、地球で私たちが受ける宇宙線がこれら「二次宇宙線」といわれるものがメインとなっているようです。「ようです」というのは、まだそれほど宇宙線のことが解明されているわけではないからです。


一方で、今回の冒頭でご紹介したアサガオや、あるいは昨年の「桜」は実際に宇宙空間に行っており、宇宙空間の中で浴びた宇宙線ということで、地球のものとは違う可能性が高いです。

下の図は、京都女子大学の水野ゼミのページにあった図から抜粋したものです。

cos-kyoto.jpg


宇宙からやってくる非常に高エネルギーの陽子などが、地球の大気中の原子などと核反応を起こすことにより、二次宇宙線が発生するようです。そして、地球の生物は常時、被爆しています。

そして、上のアサガオや桜が受けたのは、それとは違う「宇宙の第一次宇宙線が主だった」といえ、この例を見る限り、

宇宙空間の宇宙線は、生物の DNA に対して、地球で受ける宇宙線の影響とは違う影響を与える可能性があるのかもしれない

ということが言えるのかもしれません。

人類もそうかもしれません。とはいえ、これはなかなか確かめられないことだとは思います。

宇宙空間にはこれまで多くの「人類」も宇宙飛行士として赴いているわけですが、その人たちに何か巨大な変化があったのかどうかというとそれは何とも言えない部分があります。

宇宙飛行士の方々に対して、宇宙に行く前と帰還後の「 DNA の比較」などはおこなっていないでしょうし、それはわからないですが、もしかすると、宇宙に行った人々いうのは、目に見えるものではなくとも、何らかの変化を「少なくともご自分などで」経験している方もいるのかもしれないですね。


ところで、ここからはもう話が上の話とまったくつながらなくて、もうグチャグチャですが、宇宙線ということで調べているうちにちょっと面白いことがわかってきたんです。蛇足的な記事ですが、書かせていただきます。

もしかすると、人類はその精神構造を宇宙線にコントロールされているかもしれないというような話です。オカルトですが、そんなにオカルトでもないことはデータでちょっとわかります。



宇宙線の観測値が高い時に荒れる地球の人々

下の図は、モスクワ宇宙線(中性子)観測モニターの 1957年頃から2005年頃までの宇宙線の観測数値のグラフです。

mos-01.jpg


そして、下の図はそこにこちらで日本語などの注釈などを入れたものです。

months.png


この大体50年間くらいで、最も宇宙線の観測数値が高かったのが、グラフでは 1965年ということがわかります。この年は、グラフを見る限りは 1965年の1年間くらいの間、ずっと宇宙線の数値が高かったようです。

そして、最も低かったのが 1992年で、しかも、夏のあたりのほんの短い期間に急速に最低値をつけています。

これを見て、「この頃、地球はどんなんだったんだ?」と思って、年表などを見てみました。

まず、最も宇宙線の観測数値が高かったのが、グラフでは 1965年の1年。

これがすごい。

事件や項目があまりにも多いので、特に大きな事件だと思われるものを抜粋していますが、できれば、下のリンクをご自分で確かめてみられるといいと思います。



1965年に起きた主なこと

Wikipedia より。


・2月7日 - アメリカ軍による北ベトナム爆撃(北爆)開始。
・2月21日 - 米、黒人運動指導者マルコムXが暗殺される。
・3月28日 - チリで大地震発生。
・8月3日 - 長野県松代町で地震、約5年間続く松代群発地震の始まり。
・9月1日 - インドとパキスタン軍がカシミールで衝突(第二次印パ戦争勃発)。
・11月10日 - 中国で文化大革命が始まる。
・11月19日 - 戦後初の「赤字国債」発行が閣議で決定。



北爆開始に第二次印パ戦争に文化大革命・・・。他にもいろいろとあり、1965年という年はまさに「激動の年」だったことがわかります。

さて、それでは、最も宇宙線の観測数値が「低かった」 1992年の夏はどんな感じだったのか。


1992年に起きた主なこと

Wikipedia より・・・・・と抜粋しようと思ったのですが、「ほとんど何もない」のです。



上の Wikipedia のリンクを実際に見ていただきたいと思いますが、本当に大きな事件が何もない。夏から少し遡ると、

4月7日 - ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争始まる。
4月29日 - アメリカのロサンゼルスでロス暴動発生。

というのがありますが、戦争、暴動のたぐいはこれくらい。
北爆や文化大革命と比べるようなものではないということは、少なくとも規模や死者の数からも、おわかりかと思います。

あとまあ、

11月23日 - 風船おじさんがアメリカ大陸を目指して旅立つも、消息不明に。

というのがありますが・・・・・。


以前から、「太陽活動と人間の精神活動」というものがリンクするということは何度も取り上げてきたことがありますが、「宇宙線」という点から考えても、どうやら何かありそうです。

たとえば、下の図は、過去記事「最近のカオスな太陽データから考えるいろいろなこと」というものに載せた、1920年代にロシアで発表された「太陽黒点と戦争や社会暴動の推移の変化の一致」を現したグラフです。




下の太い線のほうが太陽の黒点数で、上の細い線は世界で起きた軍事と政治暴動の数。ほぼ完全な一致を見せています


しかし、どうやら、ここに「宇宙線も関係している」気がします。
私たち人類は宇宙線に何らかを牛耳られているのかもしれないです。


そして、地球での宇宙線の観測値と、太陽活動は「逆相関」でリンクしています。

下の図は即席で作ったものですが、上のモスクワ中性子検出モニタの1960年前後から2005年くらいまでの「太陽黒点数」のグラフです。赤い線が太陽黒点数の増減を現していて、11年周期で黒点は増えたり減ったりします。

ss-1650-2000.png


上の図でも、この50年くらいで宇宙線が最も高かった 1965年には、

黒点はほとんどゼロだった」ことと、宇宙線が最も低かった 1992年には

太陽活動が活発だった

ということがわかります。

これまでの歴史では、

・太陽活動が「弱い」 → 宇宙線の量が「増える」

・太陽活動が「強い」 →宇宙線の量が「減る」


ということになっています。

そして、太陽活動は今、弱くなっていると考えられます。となると、今までの流れで考えると、 宇宙線の量が「増える」ということになっていくと思われます。


そして、上の1965年のデータを見る限り、

・宇宙線の量が増えた時には世界は荒れる


という時代が、少なくとも 1965年に関してはそうでした。


さて、


グチャグチャな展開になりましたが、つまり、これからの世の中は、1965年のように戦争や暴動が吹き荒れ、人心がすさむグチャグチャなことになっていってしまうのか。

それとも、過去のマウンダー極小期のように、「閉鎖的な革命(鎖国、生類憐れみの令など)」が進んでいくのか。

どうなるのでしょうね。

ところで、先日の大阪の通り魔の事件や、渋谷での刺殺事件は大きく報道されましたが、実はこの1ヶ月、「刺殺事件」は報道ベースだけで、10件以上あります。

日本って、こんなに刺殺事件が多い国でしたっけかね。

参考までにリンクしておきます。
「殺人」ではなく、「刺殺事件」だけです。
なので、殺人全体としてはさらに多いはすです。

大阪と渋谷の事件は除いています。
また、すごいと感じたのは、金銭目的や「強盗」は一件くらいしかないことです。




2012年 5月中旬から6月13日までの報道に出た「刺殺」事件

6月13日

女性店員刺され死亡、刺した男は飛び降り重体 (読売新聞)
20代男性刺され死亡=アパート隣室の男逮捕−名古屋 (時事通信)

6月9日

広島市の路上で70歳男性が包丁で胸など刺され死亡 69歳男逮捕 (テレビ新広島)

6月2日

同居していた男性の腹を刺した女逮捕 男性は重傷‎ (テレビ朝日)

5月29日

5歳男児が刺され死亡、母は重体 無理心中の可能性/相模原 (神奈川ニュース)

5月28日

一人暮らしの70歳男性殺される 食事中、背後から刺される? (時事通信)
長男刺され死亡 父親を逮捕 東御市 (信濃毎日新聞) ※東御市は長野県

5月27日

殺人:男性刺され死亡 同居の女を容疑で逮捕 −松山/愛媛 (毎日新聞)

5月23日

男性従業員刺されけが 水戸の中古車店、男が逃走 (産経ニュース)

5月21日

客同士のトラブルか、渋谷駅で男性刺され重体 メトロ副都心線 (産経ニュース)

5月17日

72歳刺され死亡 部屋に物色の跡、複数の刺し傷 (スポニチ)




本当にとりとめのない記事になってしまいましたが、最近の自分の「なんとなくカオスな」心理的な動きや、世の中の感じ。

これらもあるいは宇宙線と関係しているのかもしれないと感じた日でした。



  

2012年06月12日



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「サイバー攻撃」という言葉自体は、報道でも頻繁に出て来ますし、ハッカーとかハッキングというような言葉もよく出てくる単語だと思います。

通常の場合、特定の対象(サーバ)に攻撃を仕掛ける場合は、「 DDoS 攻撃」という方法でおこなわれるのが一般的です。 DDoS 攻撃とは「大量のアクセスをターゲットのサーバに集中させて機能を停止させてしまう」というたぐいのもので、たまに各国の政府関係などのウェブサイトが「一時的に閲覧できない状態」などにさせられるのは多くがこの方法です。

しかし、今回、韓国の中央日報のサーバが受けたサイバー攻撃はそのようなものとは次元が違うものでした。






 



これは日本語でも報道されていますが、たとえば、読売新聞の見出しは、「韓国・中央日報、サイバー攻撃でシステムに被害」というもので、その内容は以下のようなものです。


韓国大手紙・中央日報は11日付紙面で、同紙の新聞制作電算システムが9日にサイバー攻撃を受け、ニュースサイトが一時、閲覧できなくなったと明らかにした。

同紙によると、同日夜、ニュースサイトに手で口元を押さえて笑う猫の写真と、「『イズワン』がハッキングした」とのメッセージが表示され、閲覧できなくなった。間もなく復旧したが、新聞制作に必要なサーバーが被害を受けたという。



ちなみに、上の記事にある「手で口元を押さえて笑う猫の写真」はこちらです。

cat-korea.jpg

ハッキングされた中央日報のトップページは、上のページと差し替えられていました。

実行者の名前は、画面右下に「 IsOne 」と書かれています。


isone-2012.jpg

▲ ハッキングされた画面の右下に書かれてある「 IsOne 」の文字。


そして、画面が差し替えられていただけではなく、実際の意図は「新聞の発行機能と情報データベースを破壊しようとしていた」というものだったようで、このあたりに通常のハッカー攻撃には見られない「ドライな悪意(感情的ではないという意味)」が見られるものですが、しかし、上の読売新聞だけ読むと、よくある通常のサイバー攻撃だと思えるのですが、被害者当人である「中央日報」の怒りはすさまじいものです。

中央日報の見出しは、<報道機関サイバー攻撃>DDoSとは次元が違う悪意的手法」というもので、翻訳記事のほうでご紹介しますが、新聞版でもオンライン版でも強い口調で警告の言葉を記していました。

その中央日報の韓国語版の解説では、専門家たちの談話を交えていて、そこには、


中央日報のサーバへの攻撃は、一般的なハッキングのレベルを超え、強力で悪意のある手法だと専門家は口を揃える。中央日報への攻撃は、(一般的なハッキングのように)個人情報を取り出してお金を儲けようとする意図ではなく、中央日報のメインサーバを破壊し、新聞発行に打撃を与えようとする意図であると専門家は見ている。



とあります。

猫が笑う写真の持つふざけたニュアンスとは違い、極めて悪質で強力で、高い技術力を持つ「破壊工作」だった可能性があることがわかります。

そして、記事の内には、暗黙の中に「北朝鮮の仕業」という言葉が出てきています。


このサイバー攻撃があった「後」に、韓国ではこのような報道もされています。


「韓国保守系メディアに悲鳴が響く日近い」北朝鮮が威嚇
 韓国聯合ニュース 2012.06.11

北朝鮮が、朝鮮日報、中央日報、東亜日報など韓国の保守系メディアに対する威嚇を強めている。

北朝鮮の対外向けラジオ放送「平壌放送」は、6月11日「われわれの革命的武装力は新たな悪行を演出している朝鮮日報、中央日報、東亜日報だけではなく、KBS、CBS、MBC、SBSなどの放送局の座標も把握しており、集中射撃の命令を待っている。これらメディアビルで悲鳴が響く日は遠くない」と威嚇した。

さらに、「北朝鮮の最高尊厳である金正恩(キム・ジョンウン)第1書記を冒瀆した大逆罪がどれだけ悲惨な結末をもたらすのかを韓国の保守系メディアは痛感することになるだろう」と脅した。




中央日報がサイバー攻撃を受けたのは6月9日です。

ちなみに、 In Deep の過去記事「朝鮮人民軍総参謀長が述べる「米国を一撃で破壊できる移動式兵器」の真意 (2012年04月26日)」では、後半に韓国統一部長官だったイ・ジョンソクという人へのインタビューを掲載しましたが、そこで、イ・ジョンソクさんはこのように述べています。4月24日のことです。




イ・ジョンソク: これは推測ですが、サイバー攻撃や、あるいは、通常の兵器や武力を使わない挑発ではないかと。何らかの形での挑発を北朝鮮は予告したわけで、実際に挑発してくる可能性は高いと思っています。

記者: たとえば、 DDoS 攻撃などのサイバーテロの形になる可能性があるということですか?

イ・ジョンソク: サイバーテロの形やハッキングなどの形をとるのかはとともかく、それらにより、制御装置やコントロール装置を機能麻痺をさせるような攻撃をおこなうなど、もちろん、それは分からないですが、今までよく話されているような古来からある軍事的な挑発のような形ではない様相でおこなわれるのではないかと考えています。






まだ何ともいえないですが、このイ・ジョンソク元韓国統一部長官の不安は、あるいは少しずつ的中していってしまっているのかもしれません。


何しろ、これからも続くようなら「結構厄介」だからです。

韓国のセキュリティー会社の関係者、は以下のように述べています。


「今回のようなAPT(長期間にわたり緻密に準備するクラッキング攻撃)の場合、攻撃者は、サーバー管理者の動きを長期間にわたり監視しながら侵入の機会を狙うため、ファイヤーウォールやワクチンのような一般的な方法では防げない。また、防御の壁をいくら構築しても、電算担当者や内部使用者のセキュリティー意識が弱ければ意味がない」。



以前の記事、「EMP 攻撃シミュレーションだったとすると完全な成功を収めたように見える北朝鮮のミサイル実験」などから始まる今の北朝鮮の「やり方」は、以前と比べても、韓国側にとって「本当に困る」ようなことが多い気がします。

北朝鮮の指導体制が、金正日(キム・ジョンイル)元国防委員長から、現在の体制に移動してからのニュースは何度か取り上げましたが、私個人としての感想としては、このキム・ジョンウンという人からは、父親よりも「アグレッシブで狡猾な感じ」を受けます。

仮にそれが若気の至りではあっても、しかし、一昨日の記事の

地球文明を破壊する威力を持つウイルス「フレーム」が歩き始めた

と関係しますが、たとえ、若気の至りであろうとなんであろうと、「ひとつの国家を全滅させることなどわりと簡単にできる」時代になっていることもまた事実です。


というわけで、今回の中央日報攻撃事件をわかりやすくまとめていた韓国のニュースメディアの記事を紹介しておきます。






 


중앙일보 고양이 해킹에 강력 대응 경고
Media Today 2012.06.11


中央日報、『猫ハッキング』に重大な警告


「これは単純なハッキングではなく、破壊を意図するクラッキングだ。北朝鮮の可能性を排除できない」:中央日報紙面より。


6月9日、中央日報のホームページがハッキングされたことに中央日報は激怒した。

中央日報紙は 6月11日の紙面の1面で、「マスコミが攻撃される」と題する記事を掲載し、3面には、「DDoSとは次元が違う悪意的手法」と題する記事を掲載し、今回のハッキングが単なるハッキングではなく、破壊を意図するクラッキングだとして強く非難した。



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▲ 6月11日の中央日報紙面の3面。


3面の記事では、中央日報のサーバへの攻撃は、一般的なハッキングのレベルを越えており、強力で悪意のある手法だと専門家たちは口を揃えたとし、中央日報への攻撃は、個人情報を取り出してお金を儲けようとする意図からではなく、中央日報のメインサーバを破壊し、新聞発行に打撃を与えようとする意図であると専門家たちは見ている。

今回の攻撃は、一般的な DDoS 攻撃によってホームページを麻痺させる方法ではなく、サーバを直接攻撃して完全にメインページを変更したというものだけに、中央日報側も強力な対応を警告している。

中央日報の関係者は 、「最近、韓国メディアのホームページが頻繁に攻撃を受けているが、(普通は読者に知られないが)、今回はトップページを猫の写真と差し替えられてしまい、攻撃を受けたことを知られてしまうことになった」と語る。

「今回の機会を通じて、万全の点検をし、攻撃者へのより徹底した措置を取る」と明らかにした。 中央日報は 6月10日に韓国警察庁のサイバー捜査局に申告した。


問題は、「誰が何を意図してハッキングしたのか」だ。 ハッキングされた時、画面には「 Hacked by IsOne 」と出ており、「 IsOne (イズ・ワン)」というものによりハッキングされたということがわかるが、この IsOne が個人なのか団体かどうかもわかってはいない。

また、もうひとつの問題は、今回の攻撃をおこなったハッカーは、「今後、さらに多くのハッキングをおこなう」ことを警告している点だ。

一部では最近、北朝鮮が、韓国の保守系メディア(朝鮮日報、中央日報、東亜日報、KBS、CBS、MBC、SBS )などの放送局へ警告していることから、北朝鮮の仕業ではないかという疑惑も提起されている。各メディアによると、警察庁サイバー捜査局も、「北の可能性を排除してはいない」と述べた。


しかし、猫が笑う写真を載せるなど、いたずら心がある上、ハッキングを予告した点から北朝鮮とは考えにくいという専門家たちの見解も報じられている。

中央日報サイドは、3面に「検察は、昨年の韓国農協のコンピュータのシャットダウンは北朝鮮の仕業と規定している」という記事を掲示することにより、今回の件も北朝鮮の仕業だというニュアンスを紙面に漂わせた。




  

2012年06月11日



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今回は、ヨーロッパからアジアにわたり広がる黒海で、イルカの大量死が続いているニュースをご紹介します。






 


黒海での正確なイルカの死亡数は地元の当局が数をカウントしていないのでわからないようですが、これまでに様々な動物300匹以上が死亡した状態で海岸に打ち上げられているようです。

報道記事を読むと、論調としては、黒海のイルカの大量死の原因は「海洋汚染ではないか」ということになっています。それが本当はどうかはともかくとして、私個人がこの報道を取り上げた理由は明確で、

・あまりにもイルカの大量死が世界中で続いている

ということからです。


それぞれの大量死の原因は多分同じ理由ではないでしょうし、しかも、今のところほとんど原因は不明ですけれど、原因はともかくとしても、この In Deep で今まで取り上げた記事などだけでも、この半年くらいだけで、世界中でイルカが 2,000頭に迫るような数で死亡して海岸に打ち上げられているように思います。




▲ ペルー北部では4月に、ほんの短い間に 1,000頭近くのイルカが打ち上げられました。記事「800頭以上の死亡したイルカが漂着したペルー北部で、今度は推計1,500羽以上のペリカンの大量死」より。


イルカに関しての過去記事は、記事下にリンクしておきます。

ちなみに、この「黒海」という内海に面している国は、トルコ、ブルガリア、ルーマニア、ウクライナ、ロシア、グルジアなどと大変多いのですが、今回の報道は、ロシア領土のソチという地域の海岸からのものです。

下の地図の星の部分です。

map-03.png


観光地としても有名な場所なようで、今回の記事にも観光客たちがイルカの死体を目にしてショックを受けている様子なども書かれてあります。

ところで、観光地とはいっても、ロシア領土内のビーチということで何となく閑散とした浜辺を想像していたのですが、写真をいろいろ見てみると大賑わいのビーチのようで、下の写真がソチの観光シーズンのものだそう。


sochi.jpg


そして、このソチは「 2014年の冬季オリンピック」の会場に選ばれた土地なのだそうで、現在、関係施設の建設が進んでいるとのこと。その汚染は結構ひどいようですが、しかし、それがイルカの大量死と関係あるのかどうかは決定づけられていないようです。


それにしても、イルカ・・・。

世界にどのくらいの数のイルカが生息しているのかわからないですが、死亡して海岸に打ち上げられているイルカがこれだけいるのら、「打ち上げられていないイルカの死体」も世界中の海の中に漂っていると考えるのが妥当で、いったい、どれくらいの数のイルカが毎日、世界で死んでいるのか、すでに見当がつかない状態になっているのかもしれません。

それでは、ここから記事です。

ロシアから中央アジアのニュースを主に扱うラジオ・フリー・ヨーロッパからです。






 


Black Sea Ecologists Alarmed By Dolphin Deaths
Radio Free Europe 2012.05.24


黒海でのイルカの大量死に警鐘を鳴らす環境保護活動家たち


sochi-dolphin.jpg


ロシアでも有数の観光地である黒海に面するソチに観光シーズンが訪れている。

しかし、そのソチで異変が起きている。
イルカの死体が連続して海岸に打ち上げられているのだ。

現在のところ、原因はわかっていないが、環境保護家たちはこの事態に対して警鐘を鳴らしている。

また、リゾートに訪れた観光客たちも、結果としてこの光景の目撃者となってしまっており、観光地としての問題も拡大している。


ロシアからやってきたアイダ・コブツさんは、先週、ソチの海岸でイルカの死骸の集団を見て、非常にショックを受けた。彼女は以下のように述べる。

「そこにいた人々は、みんなその小さなイルカの死体を見つめていました。そして、それはひとつではなく数体ありました。海岸に打ち上げられているイルカたち。そして、水の上にも死体が浮いていました。なんて悲惨な光景だったでしょう」。



関心を示さない地元の当局

イルカがソチの海岸に打ち上げられ始めたのは、数週間前のことだ。イルカは、ウクライナ側の黒海沿岸にも打ち上げられた。

環境保護団体によれば、現在までに、イルカなどの大型生物を含めて約3百匹の海洋生物の死体が見つかっているという。

地方当局は、これらの大量死に関しての詳細な調査をおこなわなかった。当局によると、水中から海岸に打ち上げられるまでに動物たちの死体の腐敗が進んでいて、原因を調べようがないということだった。

当局は、原因として、密猟者たちによる網が原因ではないかと考えているという。

今年の異常に寒かった冬の気温のために、イルカたちは冷たいアゾフ海から暖かい黒海まで移動してきたのだろうという。

また、一部の海洋生物の専門家は、ウイルス感染によって大量死が起きた可能性を指摘している。


地元の動物学者コンスタンチン・アンドラモノフ博士は以下のように言う。

「残念ながら、イルカの死亡数は日々増え続けています。現在、ウクライナでも同じことが起きています。私たちは原因として 20年ごとに発生するといわれている伝染病である可能性を考えています」。



生態系の危機

しかし、アンドラモノフ博士のような意見は少数で、多くの専門家たちは、原因が黒海の汚染にあると考えている。

また、当局の言う密猟者や、その漁の網であるという原因についても環境保護活動家たちは否定的だ。環境保護団体エコロジック・ウォッチのヴァレリー・ブリンク氏は以下のように語る。

「密漁や漁師の網などに引っかかることによってのイルカの死は毎年発生しますが、スケールが違います。今年のイルカの死の数はそのようにレベルでない。あまりにも大量なのです。これは、海洋汚染、あるいは、イルカの方向感覚などに何かが起きたということも考えられます」。


ソチは 2014年の冬季オリンピックの会場に選ばれているが、環境保護活動家たちによると、それ以来、ソチ周辺の汚染物質の濃度が高くなったという。ソチでは建設ラッシュに制限が設けられておらず、このままではソチ独自の生態系が回復できない状態にまで破壊されてしまうのではないかと懸念しているという。


地元の生態学者のオルガ・ノスコヴェッツ博士は、「当局は、大量死が汚染によるものだと気づいているはずです」と言う。ノスコヴィッツ博士によれば、最も多くイルカが死亡しているのがソチのラザレヴスキー地区という場所で、そこはサナトリウム濃度が高い川の水が大量に流れ込んでいる場所だという。


「悪名高いオリンピック建設用の廃棄場が近くにあるのです。そこには、廃棄物の処理システムが存在しません。現在、その近くの川は茶色く濁っており、水面は泡立っています。かつては地元で最も美しい地域だった、ソチのラザレヴスキー地区の浜辺に今その水が流れ込んでいるのです」と博士は言う。


そして、このように続けた。


「今回のイルカの大量死で当局は目を覚ましてほしいと思います。そして、この土地は観光地です。観光に訪れた多くの人々が海に入ります。これだけ大量の海洋生物が死亡している海が人間には何の影響も与えないと考えられますか? 黒海は汚染されています。当局はその真実を語るべきです」。