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2012年10月26日



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聞こえてくる「人類文明終焉戦争」の足音: 米国ボーイング社が「 EMP ミサイル」の開発に成功



1-micro.jpg

▲ ボーイング社のテストのイメージ。ミサイルからターゲット方向のすべての電気システムとコンピュータ系統をクラッシュさせる。






 


(訳者注) 最近の話題からは唐突に外れますが、今朝、「 EMP 」に関しての報道が目にはいりました。

アメリカ空軍から研究依頼を受けていた米国ボーイング社が、マイクロ波ミサイルといわれる、「電子系統クラッシュ兵器」を完成させ、そのテストに成功したという報道があったのです。

これらは昔でいう「ブラックアウト(停電)爆弾」と呼ばれるものなのですが、停電爆弾という何となく間の抜けた語感とは違い、私個人は核型の EMP (電磁パルス爆弾)を含めて、これらは一種の「究極の終末兵器」だと思っています。

なぜかというと、現在の多くの国と、その人々の生活は「何もかも電気システムとコンピュータから構成されているから」です。

下は米国ボーイング社の今回の実験の際の写真。

c-micro.jpg

▲ テスト用に設営された複数のビルをターゲットにし、そこにコンピュータなどを配置。ミサイル発射直後にすべてのコンピュータは写真下のようにクラッシュしました。 BLAZE より。


過去、高高度での核爆発での EMP 兵器の威力に関しては、何度か取り上げたことがありますが(関係した過去記事は末尾にリンクしておきます)、これは非常に広い範囲に対してしか使えないものです(爆発高度によりますが)。

たとえば、 EMP 兵器は、「ひとつの国を滅ぼしたい」とか、そういうのには効果的でも、限定的に使うことが難しいので、通常の兵器とは言いがたいものがあります。

核を用いた EMP 攻撃というのは、たとえばターゲットが日本なら、基本的には一発の爆弾による一発の爆発だけでOK(名古屋上空で爆発させれば、本州の全域が復旧の見込みのない停電に陥る)というたぐいのものですが、ただ、「影響範囲が大きすぎる」ので、実際に使うには無理があると思うのです。

それだけに「実戦でも使える EMP 」の開発には、各国がその研究にしのぎを削っていたのがこの数年だったようです。

このあたり、少し過去記事や他のサイトの記事などから資料を抜粋しておきます。

まず、EMP 爆弾と呼ばれる兵器について、上に「名古屋上空に〜」というのを書きましたが、下のは In Deep の過去記事ですが、2011年6月の「韓国統一ニュース」という韓国のメディアに掲載された文章を訳したものを載せていますが、そこからの抜粋です。


1997年7月16日、米連邦下院国家安全委員会の公聴会に提出された資料によれば、電磁波兵器が北米大陸の中央部上空 50kmの高さで爆発した場合、半径 770kmに及ぶ地域が破壊される。そして、上空 200kmの高さで爆発すれば半径 1,600 kmに至る地域が破壊され、さらに、上空 480kmの高さで爆発すれば、半径 2,360 kmに及ぶ地域が破壊されることが示された(下の図)。



ニューヨークからサンフランシスコまでの直線距離は 4,140 kmであり、北米大陸中央部の上空 480kmの高さから高高度電磁波兵器が爆発すれば、北米大陸は巨大な電子雲に完全に覆われるのだ。 (中略)


日本への攻撃

国土面積が狭い日本には大陸間弾道ミサイルは必要なく、中距離ミサイルを高高度電磁波兵器を乗せて日本列島中央部にある名古屋上空 45kmの高さで爆発させることで、九州西端の長崎から、青森まで、日本列島が電子雲に完全に覆われる。

北朝鮮の西海にある衛星発射場を距離測定の基準点にするとそこから北米大陸中央部までの距離は 9,800 kmで、名古屋までの距離は 1,200 km 。発射された高高度電磁波兵器が北米大陸中央部上空に達するまでの時間は 30分、名古屋上空に達する時間は、発射からたった 4分だ。




全文の翻訳は、過去記事の、

北朝鮮はスーパーEMP兵器を完成させたのか?
 2011年06月27日

にあります。

この韓国メディア記事では、米国と日本を例に挙げていますが、周辺国で EMP 兵器を持っているのは北朝鮮だけだと思われ( EMP 兵器には核が必要なので)、実際にはもっとも危機感を持っているのは、北朝鮮の隣国である韓国だと思われます。

なので、韓国軍は以前から研究を続けていますが、核を持っていない韓国では、破壊力のある EMP 兵器を作ることができていないようです。それは上の記事にある、


韓国軍が開発中の非核低高度電磁波兵器とは比較などできないほど EMP 爆弾は、その破壊力が強く、軍事戦略の拠点に設置された電磁波防護施設まで破壊してしまう恐るべき威力を発揮する。



という記述からも感じられます。

「非核(核を使わない)」の電磁波兵器は弱い。とはいえ、核を使った EMP はあまりにも破壊力が強く、いわゆる「普通の戦争」で使えるものではありません。戦場で使えば、「敵も味方も何もかも電気システムがクラッシュしてしまうから」ですが、今回、米国のボーイング社が開発に成功したマイクロ波ミサイルは、制御できる電気システム完全クラッシュ兵器のようです。

そして、この登場というのは、なかなか厄介な時代に投入したなあ・・・と、やはり思います。


この「マイクロ波ミサイル」については、4年前の WIRED に記事が書かれたことがあります。
概略を抜粋いたします。


マイクロ波ミサイルや「停電爆弾」:敵国の電子機器を使用不能にする「電子戦」
WIRED 2008.12.10

micro.jpg

ローテクの過激派でさえ、最近は多少の機器を使いこなしている――1、2台の携帯電話でしかないかもしれないが。米空軍が、敵の電子回路を瞬時に焼き切ってしまう新しいマイクロ波ミサイルを製造したいと考えているのもそのためだ。

4000万ドル( 32億円)の費用を計上している3年計画の『対電子機器高出力マイクロ波(HPM)先進ミサイル・プロジェクト』とは、「電子システムの劣化や損傷、破壊をもたらす能力を備えた技術を実証するための、多発式多目標HPM空中プラットフォームの開発、テスト、実証」を目的としているという。

だが、こうした電磁波爆弾にはさまざまな問題が付きまとっている。「費用、サイズ、ビーム制御、発電など、解決不可能にも思える条件」がいくつもあるという。



この「解決不可能にも思える条件」が、今、解決したようです。

まあ・・・・・以前書いたEMP 兵器の記事や、スタクスネットなどのインフラ破壊ウイルスの怖さというのは、要するに「私たち現代人が驚くほど電気とネットワークとコンピュータシステムに依存して生活している」からです。

過去型の「停電兵器」というのは、化学処理したカーボンファイバーなどを敵の電力施設の上空で無数にばらまき停電させるというようなものでした。影響は限定的ですし、不確実でもあります。

しかし、最新型のこの「停電兵器のたぐい」がクラッシュさせるものは、EMP 兵器などとほぼ同じだと思われ、すなわち、

・電気系統
・コンピュータシステム
・放送を含むネットワークシステム
・携帯を含む通信システム
・インターネット網

などの全部だと思うのです。

現代の戦争はほとんどこれらに依存していますので、つまり、上のものがすべてクラッシュした場合、先進国の軍隊は軍隊として機能しないと思います。

下の記事では、ボーイング社の研究者の人が、「我々は戦争の新しい時代を切り開いたのです」というような言い方をしていますが、まあ、そういうことになるのかもしれません。

たとえば、「これから戦いに行く都市機能の無力化」ということがわりと簡単にできてしまう。兵隊は、相手の都市と軍隊の機能が麻痺した後に行けばいい、と。


そういう兵器があった場合、米軍は使うかというと、「使う」と思います。前例もあります。米軍は、カーボンを使った過去型の「停電兵器」を 1999年のコソボ紛争で使ったとされています。

なので、新しい停電兵器でも躊躇なく使うと思います。

今年の夏頃に、

アメリカ国防総省の機関がサイバー戦争での自動対応プロジェクト「プランX」構想を発表
 2012年08月23日

という報道をご紹介したことがあります。こちらは、1963年の映画『博士の異常な愛情』の中に出てくる「世界全滅装置」を彷彿とさせる計画の話でした。

今の世の中、小さなものから大きなものまで、ほとんどすべてが、電気とかネットワークとかで牛耳られていて、それらが「破壊された時」というのは、文明という点からは「この世の終わり」なわけで、こちらの「進み具合」というのもいつも気になることでもあります。

それでは、その新型ミサイルのテストに成功した報道を米国の CBS ニュースから。






Boeing Successfully Tests Microwave Missile That Takes Out Electronic Targets
CBS (米国) 2012.10.25

ボーイング社が電気システムをクラッシュさせられるマイクロ波ミサイルのテスト飛行に成功


boeing-champ.jpg

▲ アメリカ空軍が進める「対電子機器高出力マイクロ波先進ミサイルプロジェクト CHAMP 」のイメージ画像。


米国ボーイングは、他への損傷をほとんど与えずに「電気系統システムだけを破壊させることができる」新しいミサイルの試験をおこなった。

ボーイング社のプレスリリースによると、米国ユタ州にある「ユタ・テスト・アンド・トレーニ ング・レンジ ( Utah Test and Training Range )」において、ミサイルの電波の影響を測定するために、コンピュータとエレクトリックシステムを起動させたマイクロ波ミサイルがテストされた。

このミサイルは、 CHAMP (対電子機器高出力マイクロ波先進ミサイルプロジェクト/ Counter-Electronics High Power Microwave Advanced Missile Project )として知られている。

試験で、このミサイルは、正常な電気系統システムやコンピュータ・ネットワークを使用不能にすることができることが確認され、さらに、テレビカメラの録画記録まで吹き飛ばした。

CHAMP プロジェクトのプログラム・マネージャーのキース・コールマン氏( Keith Coleman )はプレスリリースで次のように述べている。

「この技術は、現代の戦争において新しい時代を切り開くものだといえます。近い将来、この技術を使うことにより、自国の軍隊が現地に到着する前に、敵の電子系統とコンピュータ機能をクラッシュさせ、使い物にならなくさせるという目的のために使われる可能性があります」。

試験では、7カ所のターゲットが作られたが、それは1時間の間に、他の副次的な損害をほぼ出さずにすべての電気系統をクラッシュさせることに成功した。

コールマン氏は、この技術が非致死性戦争(人を殺さない戦争)においての大きな前進だと確信しているという。コールマン氏は、プレスリリースで、「今日、私たちはSFの世界を科学事実に変換することができたのです」と述べている。

ボーイング・ミリタリー・エアクラフト社のジェームス・ドッド副社長は、このマイクロ波をなるぺく早く配備できることを希望している。

今回のテストには、アメリカ空軍調査研究所の指向性エネルギー局( U.S. AFRL Directed Energy Directorate )のスタッフたちも参加した。



(※)ここに出てくる指向性エネルギー局というのは「指向性エネルギー兵器がもたらす生物学的影響に関する研究部門」だそうです。





(訳者注) これまでの EMP とスタクスネットについてふれた記事をリンクしておきます。

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今回の記事と関連した過去記事:

「 EMP 攻撃シミュレーション」だったとすると完全な成功を収めたように見える北朝鮮のミサイル実験
2012年04月17日

米国の保守系シンクタンクが「米国は電磁パルス攻撃で壊滅する」と報告
2010年11月30日

地球文明を破壊する威力を持つウイルス「フレーム」が歩き始めた
2012年06月10日



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[1年前の In Deep ]
2011年10月26日の記事

巨大な磁気嵐がもたらしたアメリカ全域での「赤い空」



▲ 2011年10月24日の米国ミズーリ州インディペンデンスでの夜の空。



  

2012年10月25日



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今回の記事は、昨日の記事で書きましたように、ドイツ研究センターを中心とした国際研究チームが、人工衛星からの観測で、地球のコアなどに急速な変化が起きているという論文を発表したことに関してのものです。

記事には図やアニメーションがありますが、キャプションでの説明があまりなく理解は難しいですが、たとえば、下のような図を示すアニメーションなどがあります。下のは、単位のところに nT (ナノテスラ)という単位が見えますので、磁場(多分、磁場の加速の度合い)の変化だと思われます。

core-01.jpg






 


意味の詳しいところはわからないにしても、2004年から2009年という間だけでも、地球の磁場(あるいは磁場の加速度や減速度)は、地球全体で変化していることがわかります。

発表した研究チームの中心であるのドイツの研究機関は、この磁場の変化は「地球のコア(内核と外核を含む地球の中心部)の変化と関係がある」と言います。そらには、地球の重力の変化とも関係しているようです。

なので、今回のデータでは、「(地球の)核と磁場と重力は連動して変化する」ということのようです。

ところで、このことで思い出すことがひとつあります。
太陽系全体のことです。



木星の大規模な激変と思い出して


今回の記事は地球での話ですが、「惑星の大規模な範囲での急速な変化」ということに関しては、現在、木星で進行している大変化を彷彿とさせるものがあります。過去記事で、木星の衛星イオのことに少しふれましたが、木星本体も急速に変化していて、その変化の面積は地球よりはるかに巨大です。

ご紹介すると以前書いてから、なかなか機会がなかったですので、今回の地球の変化の前に木星の変化について簡単にご紹介しておきます。

オリジナル記事は、米国のデイリーギャラクシーの、

Jupiter Undergoing Cataclysmic Changes
 Daily Galaxy 2012.10.17

です。
それはこのような出だしで始まる記事です。


劇的な変化を遂げている木星

NASA ジェット推進研究所の上級研究員グレン・オートン氏は次のように述べる。

「今、私たちが目撃している木星の変化は、木星全体におよぶ巨大なものです。以前にも、木星の変化については観測されていましたが、現在、私たちは最新の観測機器により木星の変化の詳細を観測しました」。

「この数十年、ここまでの変化は観測されていませんでした。そして、今までにない領域でも変化が起きているのです。同時に、私たちは木星にこれほど頻繁に物体が衝突している光景を見たことがありません」。

「私たちは、今、どうしてこのようなことが起きているのへの理解を得ようとしているところなのです」。



という始まりで、つまり、 NASA の上級研究員の人の驚きの言葉で始まっているのですが、そのあたりは、NASA が発表している木星の変化の写真を見ればわかります。

jupiter-2009-2012.png

What's Causing Turmoil On Jupiter, Planetary Changes, Bombardmentsより。


上の図は、2009年から2012年の木星の表面の様子です。

木星の表面には2本の「赤道縞」と呼ばれる太い線があります。木星の表面は、アンモニアの結晶やアンモニア水硫化物と考えられている雲に覆われているとされ、その表面が近年、大規模な変化を見せているのです。

この木星の変化については、過去記事でもふれたことがあります。

下の記事では、2010年に上にある「赤道帯のひとつが消失した」ことと、巨大な上昇気流の雲(プルーム)のことについて書いています。

木星の異常気象: 壮絶な高さのプルームが観測される
 2010年11月23日



上記記事より。2010年に、下のほうの太い線が消滅したことがわかります。2011年にまたその線が出現しましたが、今度は上のほうの線にも変化が見られます。


こういうことが「驚くべきこと」といえるのは、前例のない変化であると同時に、「木星の巨大さ」ということも関係しているように思います。下の図は、木星と、太陽系の他の惑星の大きさを比べたものです。



▲ 木星と他の太陽系の惑星の大きさの比較。


上の「赤道帯」にしても、その太さ自体が地球より大きな距離を持つようなものであり、それが「急速に変化したり、時には消えたりしている」ということが、「劇的」という表現とも結びついているように思います。

また、上の NASA の研究員の言葉にある、

> 木星にこれほど頻繁に物体が衝突している光景を見たことがありません。


についても、この数年は確かにものすごいものがあって、「地球の大きさと同じか、それより大きな爆発」が何度も起きています。

これについても過去記事で何度か取り上げましたので、リンクしておきます。

この13ヶ月間で3回目となる木星での爆発
 2010年08月23日

木星で巨大な光のフラッシュが観測される
 2010年06月06日



▲ 2010年8月20日に、熊本在住の天文家の立川正之さんが撮影して米国スペースウェザーが発表した「木星の爆発」の様子。


これらの爆発は、小惑星などを含むなんらかの衝突という見解が一般的となっていますが、どれもこれも、これが地球だったら「地球そのものが壊れてしまうほどのレベル」の大爆発で、本当に何かの衝突なのかどうかはともかく、何らかの大きな現象が「連続して」起きていることは確かのようです。

先頃の記事、

「良い時代と悪い時代」
 2012年10月06日

にならえば、木星は3年くらい前から「悪い時代」に入っているようで、地球規模での大爆発が数ヶ月に一度起きているようです。


そして、上の「良い時代と悪い時代」の一連の記事にありますように、かつて、この地球にも同じような時代があったと考えられます。



では、「地球のコアと磁場と重力の急速な変化」に関しての記事です。

記事はとても難しい内容で、うまくご紹介できていないように思いますが、とりあえずこの時点でアップいたします。

ちなみに、記事に出てくる「 CHAMP 衛星」という衛星の名前をはじめて聞いたのですが、衛星重力ミッション − 衛星による自由落下重力測定というページによりますと、


000年7月に打ち上げられたCHAMP(CHAllenging Minisatellite Payload)は,衛星に搭載したGPS受信機で精密軌道決定を行っており,歴史上初めて,衛星そのものによる重力場測定を可能とした。

CHAMPで採用されたこのような重力場の測定方法は,高高度のGPS衛星(高度20000km)から高度数100kmの低軌道衛星を追跡することから,High Low Satellite to Satellite Tracking(H-L SST)と呼ばれている(下の図)。

Fig2.gif

▲ H-L SSTのイメージ。



というものだそう。

GPS を使って、正確な「重力場測定」というものをおこなっているようです。

ではここからです。





Rapid Changes In The Earth's Core, The Magnetic Field And Gravity Seen By Satellites
Ideas, Inventions And Innovations 2012.10.22


人工衛星から目撃された地球のコアと磁場、そして重力の急速な変化


大西洋からインド洋に伸びる領域における地球磁場の 10年のスケールでの変化は、この領域における重力の変化と密接な関係を持っている。

このことから、地球の外核(地球の核のうちの内核の外側の部分)の変化のプロセスは、地球の重力プロセスへと反映していると結論づけることができる。

これは、米国科学アカデミー紀要 ( PNAS ) の最新号で、ドイツとフランスの地球物理学者たちの研究チームにより示された結果だ。

下の図は、(A)がコアの磁界の永年変化の鉛直方向下向きの構成要素(放射状で示される)で、(B)は、それを球面として表したものだ。

magnetic-field-changes.JPG


地球の磁場の主要なフィールドは、外核の液体鉄の流れによって生成される。 地球の磁場は、私たち人間を宇宙からの放射線粒子から保護している。 したがって、外核内のプロセスを理解することは地上の防御シールドを理解する重要な事柄でもある。

そして、この理解への鍵は、地球磁場そのものを測定することにある。

地球の液体の外核の流れが、大規模な質量の変換と関係しているという事実に関連する重力の微細な変化の測定によって、今回、2つの独立した動きが示された。

地球の重力と磁場の変動のこのように接続していることに関して、最初の証拠を提供することに研究チームは成功した。

下の図にあるのは、この 10年間の地球の表面に関するアニメーション(GRIMM-3モデルから得られた)から表した地球磁場の垂直下への構成要素の加速の進行を示す。

c-2.gif


この図は、(地球磁場の垂直下への力が)加速する領域が 2003年から2008年の間にインドからインド洋の南西部に移動したことを示している。その間、2006年には大西洋の中央部で(地球磁場の垂直下への力が)減速して、その後、急速に消滅した。


研究チームは CHAMP 衛星での測定値を使用した。
この衛星での地球の重力フィールドの正確な測定値は、衛星重力ミッション GRACE ( Gravity Recovery and Climate. Experiment )から用いられているもので、このミッションは、ドイツ地球科学研究センター( GFZ )の後援によるものだ。


下の図は、地球の反転(ポールシフト)の前の通常の期間の磁場フィールドだ。チューブは磁力線で、その磁力線が中心に向かっている時を青で表し、中心から離れていく時を黄色で表している。この図から、磁力線の密集した一群が地球の中心の内部にあることがおわかりだと思う。

Geodynamo_Between_Reversals.gif


人工衛星は、地上、空中の水や氷、そして大地など、すべての重力を機械的に測定している。

なお、外核の流れの大規模な再分配を測定するためには、測定されたすべての重力の割り当てをフィルタリングする必要がある。同様に、外核のより小さな変化を捕えるために、 磁気の外皮、電離層と磁気圏の割り当てを、人工衛星で測定される完全な磁場信号から除外する必要がある。

ドイツ地球科学研究センターの CHAMP 衛星と、衛星重力ミッションに用いられるデータ記録はこの測定を可能にした。





ここまでです。

何度読み返しても難解。自分でもどうしても理解できないところもあります。しかし、これでも極力平易に書いたつもりですが・・・。

もう少しわかりやすくご紹介したかったのですが、このあたりが限界です。


結局、上の内容ですが、間違っているかもしれないですけれど、きわめて簡潔に上の内容をまとめると、


・地球の磁場と地球の重力の変化は連動している

・それらの変化と地球のコア(核)の変化は連動している

・それらは連動して急速な変動を遂げている


ということのように思います。

そして、これらの変化の実際の影響というものについての言及はないわけですが、そのあたりに関しては、「磁場や重力」と「環境」や「人間の心身」との間に何らかの関係があるのかどうかということでもありそうで、それらはまた今後、他のニュースなども合わせてご紹介できることもあるかもしれません。

今後、最近の記事の内容として続いていた「複合的な地球の(急速な)変化」ということについて、過去の地球の歴史から考えてみたいとも思っています。

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今回の記事と関連した過去記事:

ドイツの科学研究法人が「急速なポールシフトと気候変動と超巨大火山の噴火が同時に発生していた」ことを証明
2012年10月18日

起きていることは「ポールシフトではなく地球の大陸移動」: 地球の極の物理的な移動が起きていることが地球物理学会で発表される
2012年10月03日

私たちが経験している現在の気候変動は次の数万年の人類史への扉かもしれない
2012年07月13日

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[1年前の In Deep ]
2011年10月26日の記事

巨大な磁気嵐がもたらしたアメリカ全域での「赤い空」



▲ 2011年10月24日の米国ミズーリ州インディペンデンスでの夜の空。



  

2012年10月24日



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kou-01.jpg

▲ 若松孝二製作、大和屋竺監督『荒野のダッチワイフ』(1967年)より。これらの「無駄にまで男的な世界」の雰囲気は後の人気テレビアニメ「ルパン三世」のメイン脚本家となる大和屋監督のルパンの世界に引き継がれていきます。






 


最近、ポールシフト絡みの記事が多いのですが、今朝、米国の科学系ニュースを大量に配信する Ideas, Inventions And Innovations というサイトを見ていましたら、「人工衛星から目撃された地球のコアと磁場、そして重力の急速な変化」というタイトルのものがありました。

あまりに最近の流れとマッチしていたので、気になり、少し目を通してみますと、ドイツ地球科学研究センターという名前が出てきました。これは、過去記事の、

ドイツの科学研究法人が「急速なポールシフトと気候変動と超巨大火山の噴火が同時に発生していた」ことを証明
 2012年10月18日

に出てきた研究機関で、そのドイツ地球科学研究センターの共同研究チームが、今度は人工衛星で、今現在の地球に急速な変化が起きているということを確認して、それを「全米科学アカデミー紀要」に発表したというものです。

うーむ・・・。毎日のようにポールシフトだとか、大陸移動関係のニュースが報じられて、「ほんまかいな」という感じもします。

この「全米科学アカデミー紀要」というのは、米国科学アカデミーという世界最大規模の科学団体の発行する機関誌で、世界の科学専門誌として1位か2位の参照数を持つものです(Wikipedia では世界第2位とのこと)。

その記事を翻訳してご紹介しようと思ったのですが、私にはものすごく内容が難しくて、それほど長い記事でもないのですが、翻訳に時間がかかりそうで、今日は途中までで時間んがなくなってしまいました。加えて、最近ずっとこの関係の翻訳ばかりで、やや「ポールシフト疲れ」が出ていたこともあり、今回は全然関係ない記事を書かせていただきます。

明日には、「地球のコアと重力の関係」の記事の翻訳をアップできると思いますが、オリジナル記事は、


にありますので、興味のある方はどうぞ。


今回の記事は、先日亡くなった若松孝二という映画監督と関係する話ですが、最近の流れとは全然関係ないですので、興味のない方は飛ばされて下さい。

個人的にはこのことを、最近またよく考えています。



「自分の存在の意味」を 1960年代のピンク映画で再確認した日


先日、映画監督の若松孝二さんという方が亡くなったんですけれど、まあ、最近どんなことをしていたのかは私は知らないんですが、この若松孝二さんが、監督としてではなく、多分、はじめてプロデュースした作品があります。

1967年の『荒野のダッチワイフ』というピンク映画で、私は 1980年代くらいにビデオで見て、結構なショックを受けていたのですが、先日、若松監督が亡くなったニュースを見て、探したんですけれど、見つからない見つからない

やっとある中古ビデオ屋で 中古VHS が売られているのを発見して(高かったです)、数日前、20年ぶりくらいに見ました。 1990年代に再発されたビデオのようで、裏ジャケットに、切通理作という人が解説を書いていました。

その解説の最後のほうに次のようにあったのです。


『荒野のダッチワイフ』解説
 切通理作

大和屋竺のダッチワイフとは、現実に挫折した者がすがりつく対象ではなかった。現実の時間に戦いを挑んでいく人間にとっての《傷》を意識した断絶風景なのだ。

だが《傷》にこだわればこだわるほど、世界は風景化していき、自分以外の下界はよそよそしいものになっていく。すると最後には、《傷》にこだわる自分自身すら実在しているのかという疑問にかられる。

大和屋竺は己の《傷》を詠嘆しない。哀訴もしない。そこには、現実という時間と自分の意識に流れる時間との溝を、ただ見極め続けるという透き通った孤独がある。

大和屋竺は常に先鋭的で「新しい」存在なのだ。それは、彼が常に、存在の空虚こそが世界への殺意を呼び込むという、根源的な問題を突きつけ続けているからである。



まあ、一応、「単なるピンク映画の解説」ではあるんですが、解説もとても良い内容で、特にこの最後の一文にある存在の空虚こそが世界への殺意を呼び込む」というフレーズから、一瞬にして、私は過去の記憶から「自分の好きな様々なこと」に通じるひとつのことを想起したのでした。

そして、さらに「これは埴谷雄高さんが『死霊』を著しながらも、ご自分で気づかなかった" 目指すべく虚体 " の真実だ」と感じたのです。

いや、こんな難しい言い回しでは良くないんですよ。

つまり・・・。たとえば・・・・・・。

「動機がわからない殺人」

「我が子を虐待する人たち」

などの現実と「存在の空虚こそが世界への殺意を呼び込む」というフレーズは、実は一致しているように思うのです。

もっと具体的にいうと、たとえば・・・今の世の中は「くるっている」、あるいは、「ややくるっている」と思う人はそれほど少なくないのではないでしょうか。

私もわりとそう思います。


では、(もし本当に最近になってから社会が狂ってきたとするのならば)なぜ社会はそうなってしまったのか


いろいろな現実的なことを言うたとえば評論家の人だとか権威筋の人たちはたくさんいると思いますが、「それで世の中がよくなったことがあったか?」と私は昔から考えます。

なんとなく世の中というのは、「夢や理想では変わらんよ」というような考え方がありますが、私は逆に思っています。


「夢や理想が先行した世の中じゃないと良くならない」


と私自身は子どもの頃から考えていて、今もそう思っています。



上の「存在の空虚こそが世界への殺意を呼び込む」という中の「存在の空虚」も難しいですが、これは言いかえれば、


「どうしてわたしはこの世にいるのだろう?」


ということです。

今の多くの大人たち、何より、ほとんどの子どもたちは、その答えが見いだせていないように思います。


そして、私は確信していますが、

「どうしてわたしはこの世にいるのだろう?」

ということへの答えがない限り、この世は今よりもっともっと悪くなります。



今など話にならないくらいに悪くなります。

自分の人生の四十数年でもその過程を見てきました。

どんなことでも私は人より劣っていたので、常に「人の後ろから歩いていく人生」でしたので、世の中がよく見えました。


世の中は悪くなった。
このことを「それは違う!」と明確に否定できる人はどの程度いるでしょうか。


そして、それがどんな世の中であろうと、「どうしてわたしはこの世にいるのだろう?」ということへの答えが出ない限り、もっともっと、どんどん悪くなるはずです。



いずれにしても、「存在の空虚こそが世界への殺意を呼び込む」というフレーズはすべて言い換えると、

「自分がこの世にいる理由がわからないのなら、この世を愛せない」

です。

今の世の中で、この世を愛せない人ばかりなのはそれが理由です。
私は多くを断言しませんが、これだけは断言できます。


どうすればいいのか?・・・ということは、私にはわからないですし、しかも、ここで具体的な方法論を書くのは、まるで「評論家」ですので、曖昧な方向性として、ひとつ抜粋しておきたいと思います。

それは、スイスの神学者カール・バルトさんという人についてふれている、Wikipedia の終末論というページからです。


神学での「終末」には、個人的な救済の完成と、世界的な救済の完成の2つの意味が存在する。

20世紀のスイスの神学者・カール・バルトも、主著『ロマ書』で「(終末にキリストが地上の裁きのために天国から降りてくるという)再臨が『遅延する』ということについて…その内容から言っても少しも『現れる』はずのないものが、どうして遅延などするだろうか。…再臨が『遅延』しているのではなく、我々の覚醒が遅延しているのである」と言い、「終末は既に神によってもたらされている」という認識である。




という部分ですが、大事なのは、終末のほうの話ではなく、

個人的な救済の完成
世界的な救済の完成

というふたつの意味が存在するという意味です。

これは現代に反映させれば、世界の価値観や幸福の尺度(あるいは他の人たちの価値観や幸福の尺度)と自分のそれを対比させる必要はないということです。

自分の救済は自分でする、あるいは自分でしかできない。

つまり、「自分だけの価値観を持つことが、世界全体を殺さないための手段だ」ということを上の神学とかいうものの概念から思います。


というわけで、いろいろ長々と書いてしまいましたが、多分、この『荒野のダッチワイフ』という映画がレンタル店などに置いてあることはないでしょうし、中古でも手に入らないと思いますので、冒頭のオープニングを貼っておきます。

音楽はすべて、その後ジャズのトップミュージシャンとなる山下洋輔さんによるものです。


「荒野のダッチワイフ」 (1967年) オープニング・タイトル



製作:若松プロダクション
監督:大和屋竺
音楽:山下洋輔

--

ちなみに、この『荒野のダッチワイフ』の監督は、大和屋 竺(やまとや・あつし)さんという人なんですが、この人は後の『ルパン三世』テレビシリーズの第1シーズンと第2シーズンのメイン脚本家をつとめた人です。

この『荒野のダッチワイフ』の脚本も大和屋さん本人によるものですが、「ルパン三世」で最高傑作の誉れの高い「魔術師と呼ばれた男」を彷彿させるシーンがたくさん出てきます。


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▲ 『ルパン三世』第2話『魔術師と呼ばれた男』(1971年 / 脚本:大和屋 竺 )より。


なので、初期のルパン三世シリーズが好きな人なら、世界観は似ていますので、異常にシュールな点を除けば、『荒野のダッチワイフ』は必見だと思います。

ただ、手に入ればですが。


ちなみに、私は初回のルパンの放映を見ているんですよ。1971年という年代から逆算すると、8歳ですので、小学2年生だったということになりますかね。

最初のルパンは強烈に「大人の世界」のアニメで、子どもの私に大人の憧れを植え付けたのも、このルパンでした。

その時に見たルパンのシリーズで、もっとも強烈な印象として残っているのが、「脱獄のチャンスは一度」というものでした。その後、再放送で小学生の時に再び見てから 40年近く見ていないので、ちゃんとしたストーリーは覚えていないですが、「物語って面白い」と思ったものでした。

その後、10歳くらいからはほとんどテレビを見ない人になってしまったので(ラジオに没頭し始めた)、この頃が最後のテレビ時代。いい思い出です。

というわけで、本当に関係ない話ですみません。


ただ、しつこく書きますが、世の中は「自分の内に存在する夢と理想」で作られます。



  

2012年10月22日



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▲ 2006年6月21日にボリビアのティジュアナコ(Tijuanaco) を訪れた際のマヤ長老評議会のメンバー。長老評議会の代表ドン・アレハンドロさんは、右手前から2人目の茶色の服と羽根の帽子を被っている人。






 



今回の記事の内容は、前々回までの下ふたつの記事の続きとして「地球のポールシフトと、それに伴う変化」ということについて書きたいと思います。

ポールシフト、巨大火山の噴火、そして大彗星の衝突のそれぞれが同時に起きる可能性を考えてみる(1)
 2012年10月19日

ポールシフト、巨大火山の噴火、そして大彗星の衝突のそれぞれが同時に起きる可能性を考えてみる(2)
 2012年10月20日


内容的には上の続きですが、中心となる話題が少し違いますので、別のタイトルとしました。

上の2つの記事の、特に、「(2)」のほうにつけたサブタイトルの「1万3000年前に「北米大陸からすべての大型生物とその時代のすべての人類が消滅した理由」は何だったのか。」というものと関係します。

上のその記事では 2009年の米国ニューサイエンティストの記事をご紹介しましたが、それは以下のような記述で始まる記事でした。


今から1万3000年前、北米大陸の様々な大型生物が完全に消滅した。動物だけではなく、当時の北米大陸に移住した人間たちもすべて消えた。

この記録的な大絶滅に関係する推測のひとつとして、当時の北アメリカに巨大彗星が衝突したという説がある。

突如として、マンモスがいなくなり、マストドンもいなくなり、そして、クローヴィス文化を築き上げていた人類もすべて地上から「消えて」しまった。



記事では、その理由についての科学者たちの議論についてのものでしたが、この「1万3000年前」という時代で何か思い出すものがあります。

しばらく考えていたのですが、「ああ、マヤ」と思い出しました。

4年ほど前に読んだ米国のヒーラーのドランヴァロ・メルキゼデクという人のインタビューについての記事でしたが、その中に、その人がマヤ長老評議会の代表と会って話を聞いた時のくだりがあったのです。

簡単に書きますと、そこにマヤ長老評議会の言葉として、「マヤ族は、1万3千年前と2万6千年前の2度、ポールシフトを経験した」という言葉の記録があるのです。

そのあたりを少し抜粋させていただきます。




マヤ族の伝説の中の1万3000年前の地球


この「マヤ長老評議会」というのは、現在の中南米に住むマヤ族の部族の長老たちが構成するものです。現在、マヤ族はガテマラ、ベリーズ、メキシコの3地域に 440部族が暮らしています(2008年時点)。その 440の部族から、それぞれの部族を代表する長老が選出され、その議会が「マヤ長老評議会」というもののようです。

さらにその中からマヤ族全体の代表が選出されますが、その 2008年の時点では、そのマヤ長老評議会の代表者はドン・アレハンドロという人でした。一番上の写真に写っている人です。

以下はそのマヤ長老評議会の代表者のドン・アレハンドロ氏の2008年の話からです。
この人の立場を考えると、一応、「マヤ族全体を代表した意見」だと言っていいのだと思います。


まず、前提として、マヤ族には以下の伝説が部族的知識として根底に存在しているようです。



「かつてアトランティスにいたマヤ族は、1万3千年前と2万6千年前の2度、ポールシフトを経験した。この時の経験はマヤ族の部族的知識として蓄えられている」



という「部族的知識」を持つ彼らの未来観は次のようなものです。
下は長老の言葉そのものではなく、長老にインタビューした人の記述だと思います。


「マヤカレンダーのメッセージとは、ホピ族およびマヤ長老評議会が確定した終末期の開始時期(2007年10月26日)から7年間(2015年まで)に時間の窓が開き、この期間にポールシフトが起こるということだ

それは、すでに現在起こっている地球磁場のシフトのことではない。地球の南極と北極が逆転する物理的なポールシフトのことである。

地球の磁場は500年前よりもはるかに弱くなり、また磁場移動も頻繁に起こっている。14年前からは、旅客機が飛行するとき、いちいち北の位置を確認することが必要になっているくらいだ。

このような地場の変化は、北極と南極が逆転する物理的なポールシフトが発生する前兆現象である」



この言葉にある「1万3千年前と2万6千年前のポールシフト」については地質的な裏付けはありません。

ただ、上の言葉にある「地球の磁場は500年前よりもはるかに弱くなり、また磁場移動も頻繁に起こっている」というのは、こちらの記事に、1880年から現在までの「地球の地磁気」に関しての下のグラフを載せましたように、着実に弱くなっています。



▲ 1880年から2000年までの地球の地磁気の強度変化。ドイツの科学研究法人が「急速なポールシフトと気候変動と超巨大火山の噴火が同時に発生していた」ことを証明より。


このように現実に地球の磁場は極端に弱くなっていて、そして、現在のこの地磁気の減少が将来的な「磁場の逆転の前ぶれ」であることを考える科学者は決して少なくありません。


問題は、その「将来的に」の「将来」がいつなのかということです。


結論をいえば、それは誰にもわかりません。

そして、さらには、「磁場の逆転」、あるいは「急速な真の極移動」(大地が移動していく)が実際に起きた時にどのような現象が伴うかも誰にもわかりません。

今、生きている人でそれらを経験した人はいません。

その中で、マヤの長老評議会は、マヤカレンダーでは「終末期の開始時期(2007年10月26日)から7年間(2015年まで)に時間の窓が開き、この期間にポールシフトが起こる」と述べています。

この「2007年から」という時代区分は、現在の様々な環境の進行状況とリンクしている感じもしないでもないですが、ただ、私自身はこういう「時間的な予測や予言」というものをほとんど重視しません

特にマヤ文明に関しては。

というのも、西洋(日本や中国もですが)で盛んに言われてきた「マヤの予言」というものに当てはめているのは、古代ギリシャでいう、いわゆる「クロノス時間」というのか、つまり、「時計で表せる時間」なのですが、マヤカレンダーがそのような合理的なクロノス時間に支配されているとは考えづらいからです。

なぜなら、マヤ族は「文字を持たずに高度な文化を持続させた」人たちです。

そのような精神的な(でも現実の)文化を持った人たちが・・・つまり、「カイロス時間の世界で生きていたような人たちが、時計的な時間の概念を自分たちの宇宙の実際のサイクルに組み込むだろうか?」という疑問です。

あと、これは単なる個人的な理想ですが、古代文明で、文字と数字を持たずに高度な文化を保持した人たち(有史以前の日本人もそう)は、「宇宙の永遠のサイクル」の中で生きていたと考えたいと思っています。永遠のサイクルというものは変幻自在であるはずで、その世界に「規則的に進む時計」は似合わない。

しかし、このことはまた別の話であるという以上に、片手間で語ることのできるものでもありませんので、書ける機会があれば書きたいと思います。


ところで、最近、2008年にクリフ・ハイが発表した「ポールシフトの概念」についての大変長いページを久しぶりに見ました。クリフ・ハイはウェブボット・プロジェクトの代表者ですが、4年前に彼が書いたその記事での「ポールシフトの概念」というものを、図説したいと思います。

あくまでも、「クリフ・ハイが考えるポールシフトの発生理論」であり、なんらかの根拠を持つというたぐいのものとも違います。

とはいえ、現在の科学は、今現在、地球に起きている様々なことに対しての「なんらかの根拠」をそれほど示せていないということもまた事実です。なので、どんなものに対しても、現実には「真実」という言葉を使うことは難しいです。

「いろいろな意見がある」というしかないのが「真実」だと思います。


リンク先のオリジナル記事には膨大な量の文字と、数多くのイラストがありますが、そこから5枚のイラストをピックアップし、日本語を入れました。

極力わかりやすくしたいつもりですが、わかりにくい部分は申し訳ないです。

それではここからです。





Raven Weeps! Supplemental material for 2012

嘶くカラス - 2012年のための補足資料


太陽にはいくつかの興味深い性質がある。その一つは、太陽の極部と赤道部とでは太陽の自転の周期が異なるということである。これが原因で、太陽は1万1500年の周期のカオス的ともいえる変動を繰り返している。

太陽の質量は太陽系の惑星の全質量の合計の99%に相当する。一方で、回転運動の角運動量では他の惑星が圧倒的に大きく、太陽の角運動量は1%にすぎない。

このアンバランスの結果、太陽の赤道部は他の惑星によって引っ張られる格好となるため、赤道部の自転周期は極部のそれに比べて速くなる。

1-sun.png




この自転周期のズレが原因で、この動きに引きずられて南北方向の磁力線にはねじれが生じ、太陽に巻き付いたような状態となる。

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この状態を太陽の極から見ると、スヴァスティカ(まんじ)と似た形になる。多くの古代文明の神話では、スヴァスティカと同様のシンボルが出てきており、それはすべて世界の終わりのシンボルと理解されている。

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地球には太陽風や宇宙線など有害と思われる物質が太陽から降り注いでいるが、これらから地球を守っているのが地球の磁気圏の存在だ。しかし、磁気圏は過去1000年間で非常に弱まっている。磁気圏の弱体化の速度は特に1940年代から加速している。

一方、太陽は磁力線の巻き込みによるストレスが1万1500年続くと限界点に達し、蓄積したストレスが一気に発散される時期が来る。これにより、磁力線は外部へと一気に拡大する。

4-sun-mag.png




地球の磁気圏が弱まっていることもあり、太陽から放射された巨大な磁気波や、コロナ質量放射などによって地球の磁気圏は圧倒されてしまう。この放射された強力な磁気が引き金となり、地球の核が回転する。それにともない地殻全体の移動が起こる。これがポールシフトである。


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以上です。

上にスヴァスティカのことが出ていますが、ちょうど先頃、スワスティカのことを記事にしましたので、リンクしておきます。

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今回の記事と関連した過去記事:

「宇宙からやってきたブッダ」の胸に刻まれるマークで思い出すスヴァスティカの歴史
 



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[1年前の In Deep ]
2011年10月23日の記事

宗教的科学信念の崩壊に向けて: 「宇宙最初」の「最初」の起点とは



  

2012年10月20日



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前回記事は「ポールシフト、巨大火山の噴火、そして大彗星の衝突のそれぞれが同時に起きる可能性を考えてみる(1)」です。






 


1万3000年前に「北米大陸からすべての大型生物とその時代のすべての人類が消滅した理由」は何だったのか。


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▲ ナショナルジオグラフィックの特集「10 Failed Doomsday Prophecies (外れた10の終末予言)」の中にある西暦 79年にイタリアのポンペイ市を消滅させたベスビオ火山の噴火の状況を再現した絵より。
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(訳者注) 上の西暦 79年の噴火は今回の話とは特に関係はないのですが、上のベスビオ火山の噴火のストーリーは、ナショナルジオグラフィックの「外れた10の終末予言」という特集の最初のページにあり、以下のようなことが書かれてあったのが印象的なので、最初に抜粋しました。


ベスビオ山の噴火

1999年に出版された「 Apocalypses(黙示録の数々)」によれば、紀元前 65年に亡くなったローマの哲学者セネカは、「地球は完全に燃え尽きる」と言った。セネカは、「私たちが見ているこのすべての世界は炎で燃え尽くされる。それは新しい幸せな世界の到来の合図でもある」と「予言」していたという。

ベスビオ火山はその予言通りにポンペイを焼き尽くしたが、世界全体の終末はいまだに訪れてはいない。



上の特集記事は 2009年のもので、ちょうどアメリカでもマヤの予言が大きく取り上げられたり、「2012」というような映画が作られたりした時期だったということでの特集だったようです。

しかし、考えてみれば、確かに上の記事のように「世界はまだ終わっていない」かもしれないですが、この西暦 79年の噴火は、少なくともポンペイの人たちにとっては、「世界は終わった」と同義であり、そういう意味ではローマの哲学者セネカの予言は、上の絵の人たちにとっては当たっていたことになります。

それは、日本の震災なども含めて、歴史の中で「地域的災害」としては何度も繰り返されてきたことですが、最近書いていたことは、それでもなお、現在まで数百年の地球の時代は穏やかな時代だったということなのかもしれません。過去の歴史書や、あるいは地層や年輪などが「かつて、地球には何度も激しい時代があった」ことを私たちに教えてくれているように思います。




カリフォルニアの広範囲を通過した巨大火球

最近、彗星や地球への飛行天体のことをよく書いていますが、昨日、そのことでちょっとしたニュースとなっていた出来事がありました。

NASA に「全天流星観測カメラプロジェクト」(CAMS:Cameras for All-sky Meteor Surveillance)という、隕石や流星などの天体を常時観測する部署があります。

昨日、その全天流星観測カメラが米国のカリフォルニアで撮影した「火球」の写真が今朝、いろいろなところで大きなニュースになっていました。

どうして、話題になったのかはその写真を見ればおわかりかと思いますが、目撃できる火球としては「異常に大きかった」からです。下の写真です。共に NASA の全天流星観測カメラサイトより。

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▲ カリフォルニア州のサンマテオ大学の定点カメラから撮影。2012年10月18日。



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▲ カリフォルニア州アプトス市から撮影。2012年10月18日


NASA によると、この隕石と思われる天体は、秒速 14キロメートルで大気に突入したとのこと。「秒速 14キロメートルって早いなあ」と思っていたら、記事をよく読むと、これは地球に突入する隕石のスピードとしては遅いほうなのだとか。

隕石自体が巨大なので、破片の回収に期待がもてると書かれてありました。


さて、最近の記事は「歴史上で何度か起きていた巨大複合災害」というものについてふれていて、今回もその続きなのですが、「1万3千年前のアメリカ大陸で起きたことは何だったのか」ということを書きたいと思っています。まず、このことが気になったキッカケから書いてみたいと思いますが、多少長くなるかもしれません。



緩慢に移行している中で「突如として」始まるいろいろなこと


古代の歴史を見ていて、以前から「なんとなく不思議だなあ」と思うことがありました。

それは「いろいろなことが唐突に発生して一気に発展する」ということでした。

たとえば、石器時代の年表などに書かれてある時代の流れを、最も「大ざっぱ」に書けば、

旧石器時代  約200万年前〜紀元前約1万年頃
中石器時代  紀元前1万年〜紀元前8000年頃
新石器時代  紀元前8000年頃〜


のようになります。

旧石器時代の200万年と比べると、次の時代のスピードアップはかなりのものですが、ただし、「旧石器時代」などの人類は DNA などから、彼らは現在の私たち人類とは関係しない生物ということになるようです。

最近わかったミトコンドリア DNA の分析から言われる「アフリカ単一起源説」というものがあり、それは下のような説明となるようです。


アフリカ単一起源説

分子系統解析の進展(いわゆるミトコンドリア・イブやY染色体アダムなど)によって、人類は14〜20万年前に共通の祖先を持つことがわかり、これはアフリカ単一起源説を強く支持するものである。

ミトコンドリアDNAの分析では、現代人の共通祖先の分岐年代は14万3000年前±1万8000年であり、ヨーロッパ人と日本人の共通祖先の分岐年代は、7万年前±1万3000年であると推定された。



とあります。

これは、今の私たちにつながる現在の地球の人類の祖先というか、言い換えると、「私たちと同じタイプの人間」がこの世に登場したのは、大体 15万年前くらいの前後だったということになります。そういう人たちが複数いたとしても、大まかな時代としては「同時に」出現していたと思われます。

そして、大事だと思われることは、この頃に登場した人類は、今の私たちと「知力や体力などはさほど何も変わらなかった」と考えてもいいかと思います。個別の差はともかくとして、全体的にはさほど今と差のない人類が少なくとも 10万年にはこの地球にいた。


しかし、それにしては、どうも文明の進み方が遅い。


その後に、たとえば日本の旧石器時代の遺跡からの歴史や、縄文時代からその後へと進んでいく文明の方向性を見ていると、

なんでこんなに進み方が遅かったのだろう?

と思ってしまうのです。

繰り返して書きますが、多少の差はあっても、この時代の人々はすでに、今の私たち人類とほぼ同じ脳、つまり知性と筋力を持っていた人たちだと考えるのが妥当だと思います。場合によっては、「基本的にまったく同じ」だったと思います。


今の私たちが何の教育も受けずに裸で草原や森林に放り投げられたとしたら、「何万年も何も作らずにじっとしているだろうか?」と思います。


スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」では、サルが骨を武器として見立てる場面から始まりますが、たとえば、私たちなら(そう教えられなくても)骨や棒のようなものを武器だと見立てるのに、数万年もかかるだろうか、と。


下の日本の年表を見ると、弥生時代あたりまでがあまりにもゆっくりとした文明の時代の流れとなっているのですが、弥生時代までの「数万年」という長い時代を暮らしていた人たちも、私たちと同じ人間だったと考えると、どうしても不思議でならない。

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日本史時代区分表より。


そして、歴史では文明の進化などにおいて「突然加速が始まる」という瞬間があります。そして、加速が始まるとしばらく止まらない。これは生命の進化などでもそうですが、突然といっていいほど、唐突に発生、あるいは開始する


見ていると、それはあたかも、「突然、人類が背中を押される」(生物の進化なら、新しい芽が登場する)という時代が区分の中に存在します。そこからそれを起点として加速度的に発展していく。

その起点、あるいは節目には人を導いたり覚醒に至らせる「何らか」の出来事があったのではないかと最近は思います。「それまではゆっくりしているのに、突然に変化する」ということが古代には多すぎる。

「覚醒に至らせる」などという書き方はオカルトくさいですが、難しい話でなく、たとえば、「気温が変化する」とか「気候変動がある」とか、最近の記事の流れのような、「彗星などによるウイルスの流入での DNA に変化があった」とか、とにかく「何か」が起こったと考えるほうが妥当な気がするのです。

ウイルスの流入での DNA に変化というのは、今現在の地球だとバクテリオファージなどの ウイルス改変の仕組みをご覧いただくと想像しやすいかとも思います。これら小さなものたちは「生物を根本から変えて」しまう力を持っていて、そして、大ざっぱにいえばどこにでもいます。

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微生物の遺伝学 〜 細菌の形質導入より、バクテリオファージの働き。


また、「気温」に関しては、1万年前くらいまでは、いわゆる氷河期だったんですが、改めて気温の推移を見ると、「人々の生活が変わらざるを得ないほどの変動だった」とも言えるかもしれません。過去記事の、

「良い時代と悪い時代」(1): 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも
 2012年10月06日

に、フレッド。ホイル博士の著作から、「ヨーロッパと北米の1万4000年前から現在までの気温の推移」を表した下のグラフを載せました。




上の記事を書いた時にはそれほど気にしていなかったのですが、このグラフでは、1万3千年前から気温が急上昇していることがわかります。

この1万3千年前頃は、最終氷期という、最後の氷河期の時代だったようですので、気温が低かったのはわかるのですが、「平均気温として十数度も違う」というのは「もう別の国や別の惑星」の話のようにも思います。


まあしかし、気温のことは別の話になるのでともかく、書きたかったことは、昨日までの記事に書いていた、「複合で発生する出来事」という概念のことです。


上の表では1万3千年前を「起点」として、地球は氷河期から抜け出していますが、その「1万3千年前に地球で起きたこと」に関して、科学の世界では議論が続いています。何が起きたかというと、その時代に、「北米大陸から大型の生き物が一掃された」らしいのです。

当時の北米大陸では、大型の哺乳類から当時の北米大陸でクローヴィス文明というものを築いていた高度な先住民族まで、「全部消えた」のでした。消えたというか絶滅したということなのですが、その理由はよくわかっていません。

今回、このことを考えていて、ネットで調べていましたら、米国のニューサイエンティストという科学メディアサイトの 2009年の記事にこのことに関しての議論がありました。

これをご紹介したいと思います。

ちなみに、下の記事をお読みになる場合、先日の記事で引用したフレッド・ホイル博士の以下の部分を念頭において読まれていただくと幸いです。


ただし、われわれは、この大破局が純粋に物理的なプロセス ----- 彗星のダストが地球を包み込んで太陽の光が遮断された結果だとか、巨大物体が衝突したこと自体が招く地震や洪水、火災など ----- によって引き起こされたのだとは思わない。



の部分です。

これはつまり、彗星が地球に衝突、あるいは空中で爆発したとしても、その爆発や衝突の衝撃などの影響で生物が死滅したということではないだろうということです。要するに、「パニック映画みたいな爆発災害が絶滅の原因なのではなく、違う意味での彗星の作用としての絶滅劇」だったというような意味でしょうか。

ホイル博士の考えでは、恐竜が絶滅した6500万年前には、大彗星の衝突が地球上に「遺伝の嵐」を巻き起こしたとしています。そして「あるものは一掃され、新しい遺伝の芽が地球上に芽生えた」ということです。

巨大彗星の衝突、ということ自体の物理的インパクトも確かに大きいでしょうが、生命というのはその程度のことでは「種全体は絶滅しない」ものだということのようです。

それではここからです。





Was there a Stone Age apocalypse or not?
New Scientist 2009.11.19

石器時代の黙示録の存在の可否


今から1万3000年前、北米大陸の様々な大型生物が完全に消滅した。動物だけではなく、当時の北米大陸に移住した人間たちもすべて消えた。

この記録的な大絶滅に関係する推測のひとつとして、当時の北アメリカに巨大彗星が衝突したという説がある。

突如として、マンモスがいなくなり、マストドンもいなくなり、そして、クローヴィス文化を築き上げていた人類もすべて地上から「消えて」しまった。

この一種、神秘的ともいえるストーリーの原因は、世界中の科学者たちによって追求されてきた。そして、いつも議論の対象となった。

最近になって、彗星の衝突のインパクトの影響は小さなものだったかもしれないという新しい研究(※2009年時点)が示された。

しかし、彗星の衝突での絶滅説を主張する科学者たちは、サンフランシスコで開催されるアメリカ地球物理学連合( AGU )の会合で、彗星説を裏付ける証拠となる新しい調査でのデータを提出するという。その会合で、彗星説と、彗星説に懐疑的な学者たちの間で議論が展開されると予測されている。

彗星説に否定的な、ウィスコンシン大学のジョン・ウィリアム教授は、次のように言う。

「12900年前には、何ら特別な大きな出来事は起きませんでした」。

当時の北米大陸の大型哺乳類は、1万3000年前の絶滅前からすでにその数を著しく減少させていたとウィリアム教授は言う。



湖底の調査からは

ウマやマンモスなど、大型の植物を食糧としていた哺乳類の糞から見つかる真菌のスポロミエラ( Sporormiella )の胞子を確かめるために、ウィリアム教授と研究チームは、米国インディアナ州とニューヨーク州の湖で層をなしている湖底を調査した。

そして、胞子数の低下から、大型動物の個体数が、14,800年〜 13,700年前の間で一定の割合で減少し続けていたと結論づけた。彗星が衝突したとされる時代より 800年も前から大型動物は減少していたという。

教授は、このデータから、何らかの突然の衝撃によっての絶滅ではなかったと述べる。

ただ、このウィリアム教授の調査とデータは、北米大陸の非常に限られた地域だけのデータから得たもので、全体を語るデータとしての信頼性となると、米国カリフォルニア大学の地質学者であるジェームズ・ケネット博士( James Kennett )は、「過剰解釈の典型的なケースです」と言う。ケネット博士は、彗星説の提唱者のひとりだ。



クローヴィス文化の発展からみる

人類学者たちの中にも、クローヴィス文化が突然消滅したという説に対して反対の意見を持つ人々が多い。

とはいえ、クローヴィス文化の独特の文化の痕跡が、1万3千年前に急速に消滅したことは事実だ。この時期は、地球の気温が急速に下がり始めた(氷河期)時代でもある。

しかし、アリゾナ大学のヴァンス・ホリデー教授は、「それでも、クローヴィス文化の時の人々が絶滅したわけではないはずです」と言う。

「クローヴィス文化の人工品のスタイルが変化していったのです。そのような例は世界中で見られます」。

また、当時の北アメリカの人々は、一定の居住地に短い期間しか留まらない移動型の狩猟生活集団だった。その上、ヤンガードライアス期(1万2900年前–1万1500年前)の地層には、地球外の物質(彗星などが衝突した証拠となる元素など)が見つかっていない。

恐竜を絶滅させた時代の地層には、世界中から地球外の元素が発見されているが、1万3千年前の地層には見当たらないのだ。



彗星説に難しい問題

ダートマス大学の同位元素専門の地球化学者であるムクル・シャーマ博士( Mukul Sharma )は、その時代の地層から、いかなる白金系の元素も見つけることができなかったと述べる。シャーマ博士は、アメリカ地球物理学連合( AGU )において、その調査結果の詳細を述べる。

しかし、その時代に「何か」が太平洋の周辺に衝突していた可能性が高いこともまた事実だ。

それもシャーマ博士の調査による報告によるものだ。博士は、アメリカ地球物理学連合の別の会報の記事で、1万6千年前から8千年前の間に太平洋中部の海底の地層から地球外のオスミウム(白金族の元素)の跡を発見したことを報告している。

また、ヤンガードライアス期の地層に、1908年のシベリアで起きたツングースカ大爆発と類似した痕跡が見いだせるとカンザス大学のエイドリアン・メロット博士( Adrian Melott )は言う。

ただし、メロット博士によると、その時の北アメリカでの爆発は、「何が衝突したのかはともかく、それはツングースカより何桁も大きなもの」だったと確信しているという。




  

2012年10月19日



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続きの記事は「ポールシフト、巨大火山の噴火、そして大彗星の衝突のそれぞれが同時に起きる可能性を考えてみる(2)」です。






 



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▲ ハワイのキラウエア火山のハレマウマウ火口。ここ数ヶ月でどんどん上昇してきて、10月になってから、近年での過去最高レベルまで溶岩が上昇しています。写真はアメリカ地質所(USGS)が撮影。


昨日の記事、

ドイツの科学研究法人が「急速なポールシフトと気候変動と超巨大火山の噴火が同時に発生していた」ことを証明
 2012年10月18日

を書いた後、いろいろと考えるところはありました。

上の記事の内容はドイツの科学機関が、過去10万年程度の地球の歴史の中で最大級の地質イベントだったと考えられる3つの出来事が同じ時(約 4万1000年前の数百年間のあいだ)に起きていたということをつきとめたということでした。その3つは、

・地球の磁場の逆転(ポールシフト)
・超巨大火山の噴火(過去10万年で最も巨大だとされる噴火)
・急激な気候変動

です。

これらは放射性炭素などの解析によって明らかになったということでしたが、これが地球上の1カ所だけの分析でしたら、「地域的な問題」ということも言えたかもしれないのですが、上のドイツの調査では、黒海の堆積物とグリーンランドの氷床からという、地球上で比較的距離のあるふたつの地点、さらには、ハワイなどのかなりの広範囲での「データが一致した」ということは、当時は、地球全体で大きな環境変動が起きていたということが言えるように思います。


今年の9月に『西暦535年の大噴火』というアメリカ人ジャーナリストが書いた本を読んで思うところがあり、そのことについて何度かふれたことがありました。

ウイルスの流入の繰り返しでDNAの進化をなし得てきた人類をサポートする「宇宙と火山」
 2012年09月23日

等の記事ですが、『西暦535年の大噴火』という本の原題は「カタストロフィ(壊滅的な災害)」であり、噴火という前提として書き始めたものではなく、535年に地球全体を巻き込む「何か」大きな出来事が起きたというもので、その前後の歴史のことが書かれています。

著者はこの本の最後で、「起きたことの可能性」として次の3つを上げています。

・小惑星の地球への衝突
・大彗星の地球への衝突
・巨大火山の噴火



このうち、535年に「大噴火」(インドネシアのクラカタウ山)が起きていたこと自体は、ほぼ間違いがなく、著者は火山噴火による気候変動という可能性がもっとも大きいとしています。

しかし、上の In Deep の記事や、あるいはその前に書きました「西暦 541年の東ローマ帝国でのペスト襲来に関してのヨーアンネースの記録」という記事で、私は、「本当に火山噴火だけだったのだろうか」という考えるようになっていきました。


地球全体が壊滅的ともいえる激変を遂げた時期は「億年」という単位で考えても、地球上に何度も何度もあったはずです。

それらに対して様々な説や理由が今でも研究されています。しかし、たとえば、人類登場以前の原始生物や恐竜の大量絶滅などに関しても、隕石の衝突、彗星の衝突から、ガンマ線バーストなど、要因となり得ることは考えられても、今のところ「確定したこと」は何もわかっていません。

その中で、私はふと「複合」という文字が浮かんできたのでした。

西暦 535年のことに関しても、「小惑星の地球への衝突、彗星の地球への衝突、巨大火山の大噴火のどれだったのだろう」と考えるより、

全部同時に起きた

と考えるのがわかりやすいのではないかと。

もっというと、偶然全部同時に起きたのではなく「全部が関連している」ということなのではないかと。


こちらの過去記事に、フレッド・ホイル博士の著作を引用した部分がありますが、そこでホイル博士は次のように書いています。


『生命はどこから来たか』 エピローグより

彗星や火球の衝突の話は、プラトンの時代には全く普通の話であった。しかし過去の大災害の記憶は忘れられ、哲学者アリストテレスからは地球が彗星には関係なく安全だと考えられるようになった。アリストテレスは彗星や隕石を天体とはせず、大気現象だとした。西洋思想では地球は宇宙から切り離されてしまったのである。



上の中にある、アリストテレスの時代から、


> 西洋思想では地球は宇宙から切り離されてしまったのである。


ということをホイル博士はもっとも懸念としてとらえていたようです。


そして、この「アリストテレスの呪縛」は今でも続いているような気がします。たとえば、「地球は宇宙の中にある」という、ほとんど誰でも学問レベルでは知っていることでも、実際には多くの今の人々は「宇宙と地球は別々のものだ」と考えているような気がするのです。

しかし、地球は紛れもない宇宙の一部であり、上に見える空や星とまったく一体のものです。

そう考えると、彗星などの現象と地球の現象は、別々のものではないと考えることに不都合はないのではないかと思うのです。


41000年前は、「ポールシフト+巨大火山の噴火+環境変動」という(ほぼ)証明された地球の環境変動があった上に、宇宙からも「何か」あったのかもしれません。

その「何か」のうち、確定しているのは、「雨あられと地球上に降り注ぐ宇宙線と放射線」でした。これは地質(グリーンランドの氷床)の調査で明らかになっています。

しかし、他にも何かあったかもしれません。

なぜなら、宇宙線と放射線だけでは、生命を衰退させる(あるいは活性化させる)ことはできても、「新しい生命の芽」とはならないからです。新しい生命の芽とは言い換えれば、「新しい遺伝子(DNA)の登場」です。

ちょっと話は違う方向なのかもしれないですが、このことを少しだけふれさせていただきます。



「生命の進化」と関係する彗星の地球への衝突


フレッド・ホイル博士の『 DNA は宇宙を流れる』という著作の中に次のようなくだりがあります。長い部分からの抜粋で、飛び飛びとなっていることを最初に記しておきます。


『 DNA は宇宙を流れる』 進化のメカニズム より


動植物の化石記録には、種の突然の進化、多様化の他に、同じくらい突然の絶滅が記されている。なかでも劇的なのが、6500万年前の恐竜の絶滅だ。地球の上を1億年以上も我が物顔にのし歩いていた巨大な爬虫類たちは、地質学的に見ると驚くほど短期間に滅亡してしまった。

この大破局に彗星が一枚かんでいたことは今や常識となっている。これは、最も新しい(すなわち、絶滅に近づいている)恐竜の化石が見つかった世界中の地層に、異常に高濃度のイリジウムが含まれていることから明らかになった。イリジウムは地球上にはほとんど存在しない元素であるが、彗星や隕石などの地球外天体には比較的多く含まれている。

そして、恐竜が絶滅した時代に形成された世界中の地層からイリジウムが発見されたということは、その天体が非常に巨大なものであったことを示している。

ただし、われわれは、この大破局が純粋に物理的なプロセス ----- 彗星のダストが地球を包み込んで太陽の光が遮断された結果だとか、巨大物体が衝突したこと自体が招く地震や洪水、火災など ----- によって引き起こされたのだとは思わない。物理的な災害では、種がかなりの程度まで衰弱することはあっても、種全体が絶滅するとは考えにくいからだ。

(中略)

think-a3.jpg

▲図4 哺乳類の進化


図表4(上)は、哺乳類の化石記録から進化の道筋を逆に辿ったものだ。ほとんど関係がないように見える哺乳類のもとをたどると、同じ時点で一つに収束してしまうことに気がつかれるだろう。

恐竜の大絶滅も、海の生物相の劇的な変化も、哺乳類の大出現も、6500万年前に大規模な遺伝の嵐が起きたことを示唆している。その原因となったのが、大彗星だったのだ。




という部分があります。

「同じ時点で一つに収束」というのは、上の図の白亜紀(恐竜の時代である約 1億5000万年前から6500万年前の間)と暁新世(哺乳類登場の約 6,500万年前から 5,550万年前)にある、この、

think-b.jpg


で赤丸で囲んだ部分です。

この時にホイル博士の言葉をお借りすると、「遺伝の嵐が起きた」ようで、そこに彗星が絡んでいるというのがホイル博士の主張でもあります。


この時は、「恐竜が(多分)彗星が運んだウイルスなどで遺伝子を破壊されて全部が絶滅」して、そして、「新しい芽」が生まれた。

この「新しい芽」という事例は、その後も多分、繰り返し起きていたことなのではないのかと思ったのです。

多分、10万年前から20万年前のあいだに、「忽然と地上に姿を現した人類」(ミトコンドリア・イヴと呼ばれる女性のような)も、そのことと関係があるのではないかと思います。

昨日の記事のような「地球自身の大変化」というのは、地球が宇宙のひとつである以上、宇宙の変化ともいえると思います。

そういえば、昨日、「木星でも異変が起きている」ということを書きましたが、昨日、さらに、「木星の衛星イオで何か異常なことがおきている」という記事がありました。

まだ訳していないですが、木星の衛星のひとつである「イオ」という星は「ムチャクチャともいえるほどの火山の噴火が存在する星」のようです。

記事では、木星の衛星イオの火山噴火が「どのくらすさまじいものなのか」ということが示されているのですが、これは本当にすごい。たとえば、下は 2004年の噴火と 2009年の噴火の際に観測された写真です。

下の「白いもの」や「穴のようなもの」が噴火ですが、その大きさ!


vol-2009.jpg

▲ 衛星イオの噴火の様子。


これを地球での火山の噴火の光の大きさと(天体の大きさとの比率として)比較すると、本当にこの地球では見たことのないような「超巨大噴火」が頻繁に起きていることがわかります。上の衛星イオの他の写真などは、

» Why Is SETI Monitoring Io? Something Insane Is Going On

にあるオリジナルの記事の中にあります。


この地球で、上のイオのような無軌道な規模の噴火が起こることはないと思うのですが、「絶対にないのか?」というと、それはわからないわけで、それは、「絶対に巨大彗星など衝突しないのか?」ときかれても、「それはわからない」としか言いようがないのと同じで、いろいろなことはわかりません。

しかし、いわゆる大災害というのは、上でふれた 6500万年前の進化の嵐ということを考えても、「何らかの進化」と結びついていることは明白で、言ってはいけないことかもしれないですが、敢えて断言させてもらえば、

「地球にとって、彗星の衝突も超巨大火山の噴火も必要なこと」

だと思うようになりました。

しかも、これらは過去に実際に起きていることで、さらに、これらは紛れもない「自然現象」であり、仮にその徴候があっても、私たちに食い止められるというようなものでもありません。

自然現象と書きましたが「宇宙の自然現象」という意味です。


そんなわけで、まだ書きたいことはあるのですが、無駄に長くなるのも何だかご迷惑だと思いますので、2回くらいにわけます。

次回は、著作『西暦535年の大噴火』の中の「彗星説」という部分を抜粋して、著者がどうして「彗星ではない」と考えたのか、検討してみようと思っています。反対から考えれば、「535年の災害は巨大彗星の爆発だったかもしれない」からです。


場合によっては、西暦535年に私たち人類は、6500万年前の恐竜のように「絶滅していた可能性」があったのかもしれません。しかし、今、現に私たちはこのようにいます。

人類は絶滅しませんでした。
この意味は「非常に」大きいと思います。


ところで、冒頭にキラウエア火山の写真を載せましたが、これは今、ハワイのニュースで大きく報じられているものです。長いものではないですので、翻訳してご紹介しておきます。

ハワイといえば、今年の2月に「ハワイのプナ地区で震動が続いている」ということがあり、記事にしたことがありますが、今回の火口はこのプナ地区にあります。ここには「ペレ」という神様の伝説があり、その神話のことと共に、過去記事の、

「火の女神と龍の女神が戦った地」ハワイ島での謎の振動を巡る騒動
 2012年02月25日

でご紹介したことがあります。


そのハワイのキラウエア火山の溶岩湖が最高レベルまで上昇しているというニュースを、ハワイのビッグアイランドというメディアからご紹介します。
ここからです。





Kilauea Volcano lava lake reaches highest level
Big Island 2012.10.17


キラウエア火山の溶岩湖が過去最高のレベルにまで上昇


hale-02.jpg

現在のハレマウマウ火口。


キラウエア火山は最近、かなりの活動の様相をみせていたが、キラウエアの火口のひとつであるハレマウマウ火口の中の溶岩湖が 2008年の噴火以来、最高レベルに達した。

キラウエアの山頂の溶岩湖は、9月14日には、火口の下わずか 45メートルの高さにまで上昇した。アメリカ地質調査所( USGS )のハワイ島火山観測所の科学者によれば、これは最高レベルの高さだという。

過去数ヶ月で、キラウエアの火口の溶岩湖は少しずつ上昇していたが、10月5日現在では、溶岩は、火口の周辺を覆う「バスタブ」をさえ覆うレベルにまで上昇している。

そして、最近は、ハワイ火山国立公園にあるジャガー・ミュージアム(博物館)ほどの遠くまで震動と爆発音が日夜聞こえるようになっていた。

この火口内の溶岩レベルの上昇は、キラウエアの火山地域の面積の膨張と関係しているとハワイ島火山観測所は述べた。

なぜ、キラウエア火山の膨張が起きているのかの根本的な理由はわかっていないが、科学者たちは、マグマの増加が原因だとは考えていないという。

様々な推測はあるが、何が起きているのかは時間の経過でのみわかることなのかもしれない。

ともあれ、今も震動と爆発音がかもしだす「ショー」は続いている。




  

2012年10月18日



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reversal_images-01.png

▲ 完全な磁場の逆転(磁極のポールシフト)の際の磁場の移動のイメージ。






 



今回のタイトルに「重要」という文字を入れたのですが、今回の記事でご紹介する研究論文そのものが「今何かが起きている」ということを示した研究ではないのに、それを読んで私などは、

最近起きている何もかもが急速なポールシフトと関係した現象なのかもしれない

と思ったのです。

「何もかもが」というのはオーバーですが、簡単にいうと、

・急速な気候変動
・増加する火山噴火
・実際に加速しているポールシフト


などの、In Deep での環境テーマの主要部分に関して「何もかも」がポールシフトと関係しているのではないかと思ってしまったのです。

今回の研究発表自体は、4万年前のポールシフトに関しての新しい調査結果についてで、その際に「たった250年間で磁場が完全な逆転をし、その時代に急激な環境変動と超巨大火山の噴火が同時に起きていた」ことを証明したというものです。

この「超巨大火山」はイタリアにあったもので、過去 10万年の地球の北半球の火山噴火では最大の噴火だったと考えられているものだそうです。


ところで、少し前に、ポールシフトのことではなく、「地球の大地そのものの移動」ということが進行しているような発表があったことをご紹介したことがありました。

起きていることは「ポールシフトではなく地球の大陸移動」: 地球の極の物理的な移動が起きていることが地球物理学会で発表される
 In Deep 2012年10月03日

という記事です。

上の記事での内容は「真の極移動」というものが起きているというもので、こちらの図が示されていました。



▲ 真の極移動のために変化した地球の表面の位置を現した図。


なんだか、どちらも、仮に急速に起きているのならダブルパンチですが、まあ、この「真の極移動」のことは今回は置いておいて、この時の研究を発表したドイツのヘルムホルツ・センターと同じ研究機関の地質研究の部門が今回の研究発表をしました。ドイツ地球科学研究センター ( GFZ ) という機関で、これはヘルムホルツ・センターの中の機関のひとつのようです。

ヘルムホルツ・センターというものは、あまり私たちには馴染みがないですので、その説明を Wikipedia から抜粋しておきます。


ドイツ研究センターヘルムホルツ協会

ドイツを代表する科学研究組織。公益法人。16の研究センターから構成され、主に大型研究開発施設を利用した研究開発を実施している。



ということで、ドイツ地球科学研究センターは上の記述にある「16の研究センター」の中のひとつです。

その発表に関しての記事をご紹介いたしますが、太陽系全体を含む最近の「環境の急激な変動」は In Deep で重視するものでもありますので、少し長くなるかもしれないですが、過去に書いたものなどを少し振り返ってみたいと思います。



磁極の反転で起きうることは何か?


「ポールシフトが起きている」というような書き方は、何となくショッキングな響きがありますが、磁場の移動や反転に関して簡単に書けば、

ポールシフトは何百年も前からずっと起きていて、現在も進行している

としか言いようがありません。少なくとも、私たちは生まれてからずっとポールシフトが発生している中で生活しています。

たとえば、下の図は、2年前の記事に掲載したもので、「1831年から2001年までの北極の磁極の移動の距離」の図です。



加速するポールシフト: この100年間での極の移動の距離はすでに1100キロにより。


1831年から2001年の間に、北極の磁極は 1,100キロメートルもロシア方向に向かって移動しているのです。

特に、1970年以降は加速しており、それまで毎年 10キロ程度のポールシフトの進行だったものが、1970年からは約4倍の毎年 40キロずつの移動が確認されているということでした。

また、地球では、過去3億3千万年の間に(回数の誤差はともかく) 400回ほどのポールシフトが起きたとされていて、「地球の磁場の反転」が発生する間の平均的な期間は約 20万年に一度程度になるようです。

なので、ポールシフト自体が特別な現象ということではないですが、では、何が問題なのかというと、上に書いた「加速している」という点なのです。


以前から、急速なポールシフトが「地球の地磁気と磁場のシールドを破壊する」ということを懸念する説はあり、今回の論文にも 41,000年前のポールシフトの際にその現象が起きていたことが証明されたという部分ありますが、地球は自身の磁場によって、宇宙からの様々な放射線や宇宙線などから守られているとされるのが一般論ですが、その防御が失われてしまうのではないかという懸念です。

つまり、「磁場が崩壊すると、地表に有害な宇宙線が降り注ぐのではないか」というような説のことです。

この「ポールシフトの際の磁場シールドと地球の影響」については、過去記事「米国フロリダのタンパ国際空港が磁極の移動(ポールシフト)の影響で滑走路の閉鎖へ」の中で参考資料とし掲載させていただいた、秋田大学の地球資源学科のウェブサイトにあった図がとてもわかりやすいです。

その秋田大学の該当ページはなくなったか移動してしまって見当たらないですので、図を掲載しておきます。


1880年から2000年までの地球の地磁気の強度変化



▲ これは上の1800年代からのポールシフトの移動と比較するとわかりやすいと思います。磁場が移動するほど、地磁気が弱くなってきているように見えます。


西暦3525年には地球の磁場の強度がゼロになる予測



▲ これは「2004年までの曲線」をもとにしていますので、仮にポールシフトが「加速」していた場合は、もっと早い時期に磁場がゼロになると思います。



上の図が示された秋田大学の地球資源学科のページの最後には、以下の文章が記されていました。


磁極が入れかわるときに地磁気の強度はゼロになるとの予想があります。地磁気の減少は磁場逆転の前触れかもしれません。

地磁気がなくなると、影響を受けるのは鳥だけではありません。私たち人間にも大きな影響があります。今まで地球磁場が食い止めていた宇宙線が直接降り注いで人類は危機に直面することになります。目には見えない地磁気ですが、私たち、そして鳥たちにはなくてはならない存在なのです。



ただ、これに関しては「ポールシフトによる完全な磁場の逆転が発生してみないとわからない」としか言いようがないようにも思います。なぜなら、「地球の磁場がどんな種類のフィルターとして作用しているかよくわかっていない」と思われるからです。

宇宙からの「未知の光線」というようなものも含めて、地球には、宇宙線に総称される様々な光線が降り注いでいるわけですが、「どれが人間に対して有害でどれが無害か」という基準も今のところわからない。

なので、「有害な」ものだけではなく、「有益なもの」だって、そこ(宇宙から降り注ぐ光線)にはあるようにも思うのです。

その理由としては過去の報道などにあった「宇宙帰りの植物の成長」の報道などがあります。これは引用すると、長くなりますので、過去記事の、

放射線の中で生き返った植物
 2011年04月22日



私たち人類も他のあらゆる生命たちも「宇宙線にコントロールされている可能性」を感じて
 2012年06月13日

などをご覧下されば幸いです。
ともに、スペースシャトルなど「宇宙船に乗って帰ってきた植物の種」の話です。



▲ 読売新聞 2011年02月21日の「宇宙帰りのサクラ異変…なぜか発芽・急成長」より。


リンクの上の記事は、「発芽するはずのないサクラの種が宇宙から帰ってきた後に発芽して、さらに異常に早い成長をしている」という読売新聞の記事を抜粋したもので、下の記事は、「宇宙から帰ってきたアサガオの成長が通常より早い」ことが書かれた京都新聞の記事です。




太陽系のあちこちで始まっている磁場と環境の激変


また、「もし地球が太陽にならうのなら」という前提ですが、「地球の磁場も4極化するのでは」というような推測さえあり得ると私個人は考えたりすることもありました。

下の図は、過去記事の「奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?」に載せたもので、今年4月に、日本の国立天文台が発表したイラストに私が注釈などをくわえたものです。



▲ 過去記事「奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?: 国立天文台が発表した「4極化する太陽磁場」」より。


その記事で、「上の太陽の状態が地球も真似た場合」として、私が作ったのが下の図です。



まあ、ふざけた図といえばふざけた図ですが、「太陽系はみな兄弟」だと考えると、あながちないことでもないかなあと真面目に思います。


そういえば、昨日のニュースなんですが、「木星に大激変が起きている」という科学報道がありました。今日ふたつの報道をご紹介するのは無理ですので、木星のニュースのほうは明日にでもご紹介したいと思います。

木星のニュースソースは下にありますので、興味のある方はお読み下さると幸いです。

» Jupiter Undergoing Cataclysmic Changes (Daily Galaxy)
(木星で大変動が進行している)


というわけで、ポールシフト関係の記事は何だか興奮してしまって前振りが長くなりましたが、ここからドイツの地球科学研究センターの発表の記事です。





An extremely brief reversal of the geomagnetic field, climate variability and a super volcano
Science Codex 2012.10.16

極めて急速な磁場の反転と、気候変動・巨大火山との関係


41,000年前の地球で、磁場の完全で急速な逆転が発生した。

最後の氷河期の間であったこの期間中、黒海ではコンパスの針の位置は「現在の北方向は南方向を示していたであろう」ことを、ドイツ地球科学研究センター (GFZ)のチームが、黒海の堆積物のコアから分析した磁気に関しての研究論文は示す。

ドイツ地球科学研究センターの、ノルベルト・ノワクズィク博士と研究チームは、黒海の他、北大西洋、南太平洋、ハワイなど他の研究からのデータを加え、当時の両磁場の逆転が全世界的なイベントであったことを証明した。

この研究成果は、「アース・アンド・プラネタリー・サイエンス・レターズ ( Earth and Planetary Science Letters ) 」の最新号に掲載される。

今回の研究で注目に値するのは、地球の磁場の逆転のスピードだ。

研究者のノワクズィク博士は次のように言う。

「磁場の完全な反転はわずか 440年間の移動でなされましたが、そのうちの多くはわずかな移動であり、実際には、両磁場の極の変化はたった 250年でなされたことを示します。この 250年というのは地質学的な変化からみると非常に早いスピードです」。

結果として、地球は磁場を失い、また磁場による宇宙線からの防御を完全に失ったために地球上がほぼ完全な被爆状態に至ったことが、グリーンランドの氷床から回収されたその時代の放射性ベリリウム(10Be)の解析によって明らかになっている。

放射性炭素(14C)と同様に、 10Be は大気中の原子と宇宙からの高エネルギーの陽子の衝突によって引き起こされる。



突然の気候変動と巨大火山の噴火

41,000年前の地球磁場の逆転の証拠を示したと同時に、研究チームは黒海の堆積物の分析から、その当時、突然の気候変動が発生していたことを発見した。グリーンランドの氷芯でもこのことはすでに判明している。

グリーンランドの氷芯のデータと黒海のデータは時代が合致しており。この時代の気候変動に関しての記録として正確性が高い。

また、火山噴火との同時代性も発見した。

過去 10万年の地球の北半球で発生した最大の火山噴火は、イタリアのナポリの近くにあるフレグレイ平野( Phlegraean )の古代火山の噴火で、これは 39,400年前に噴火したとされる。この北半球最大の超巨大火山噴火も黒海の堆積物から判明した。

ここから見ると、この際の巨大噴火での火山灰は、すべての地中海東部と、そしてロシア中部にまで達したことがわかる。


地球の磁場の急速な逆転、そして、氷河期時代に終わりを告げた急激な気候変動、そして、イタリアの超巨大火山の噴火。この3つの地球環境上の大きな出来事の研究が今回初めてひとつの地質的調査の中でおこなわれ、そして、その正確な年代が示された。




  

2012年10月14日



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mcnaught.jpg

▲ 2010年のマックノート(C/2009 R1)彗星。パンスペルミア説では、彗星は重要な位置として見られます。
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(訳者注) 以前から「微生物の話」を書き出すと、すぐ風邪を引く傾向にあるんですが、最近の記事で微生物とかウイルスのことにふれていましたら、見事に風邪を引きました。

今回は、ロシアの科学者たちが「無機物から生命を作りだそうとする実験」を再び試しているというニュースがあり、それをご紹介しようと思うのですが、前提として書くことも多くなりそうで、ただでさえ頭が朦朧としている中、わかりにくくなるかもしれないですが、すみません。



すでに科学の世界の生命の起源の理論は塗り替えられつつある

もともと地球のいわゆる原始スープと呼ばれる古代の海から「偶然、生命が誕生した」という説を最初に唱えたのはロシア人(当時はソ連)科学者でしたので、今回の実験もタイトルに「蘇る」というニュアンスのロシア語が見える通り、ロシア科学界のリバイバル的な意味というような部分もあるのかもしれません。

本来なら取り上げるようなものでもないのですが、私が今回、この記事をご紹介しようと思った理由は、記事の中に下のような一節があったからです。


現在では、多くの科学者たちが生命は宇宙から地球にもたらされたという説を支持している。

地球の生命が宇宙からもたらされたとする説は、ノーベル化学賞を受賞したスウェーデンのスヴァンテ・アレニウス博士や、あるいは、ロシアの生物地球科学の創始者であるウラジーミル・ヴェルナツキー博士も、宇宙起源説を支持していた。



とあり、「すでに科学の世界での生命起源の理論の主流は宇宙起源となりつつある」ということが書かれてあるのでした。

「そうかあ・・・すでに生命は宇宙からもたらされたとするほうが主流なのかあと」と、感慨深く思ったことが、この記事をご紹介しようと思った最大の理由です。

先日の記事、

「良い時代と悪い時代」(3): 2013年の巨大彗星のこと。そして宇宙から地球に降り続ける生命のこと
 In Deep 2012年10月11日

でも、米国プリンストン大学の研究チームがバンスペルミア説の証拠となり得る論文を提出したというようなものをご紹介しました。

徐々にではあるけれど、私たち人類は生命の起源と進化に関しての「中枢」に近づけるような可能性も少しはあるのかもしれません。その「中枢」は見えない中枢のようには思いますけれど。


そして私にとっては、地球の生命が宇宙起源であるということが大事なのではなく、「生命は普遍的なものだ」ということが大事だと思っています。

つまり、「どこにでもある」と。

「どこにでも」ということは、宇宙全体のどこにでもあるということで、私たちのこの地球はそのような宇宙の中のひとつに過ぎない。

しかし、宇宙の中のひとつに過ぎない地球ではあっても、この地球の人間である私たちにとっては、この地球が唯一の地球であるということだとも思います。ちょっとわかりにくい書き方かもしれないですが、「あらゆる地球の住人たちは、その地球以外の地球を持たない」というような意味かもしれません。

そして、エメラルド・タブレットなどでも描かれる概念を拡大させれば、「個々の惑星と全体の宇宙は常に対等である」という概念だと私は思っています。

ところで、ロシアのニュースをご紹介する前に、そもそも、その「地球上で生命が生まれた」という説はどのようなものだったのかを簡単に記しておきます。




20世紀の生命起源説を席巻した「地球の原始スープの中から生命が生まれた」という説について


説明の抜粋等は、基本的に Wikipedia からの抜粋で統一しますが、難しい用語は平易にするか省略しました。

ちなみに、人類が、生命の起源ということを科学において言及しはじめたこと自体の歴史がそれほど長いものでありません。

「地球から生命が発生した」という説は、まず、ロシアのアレクサンドル・オパーリンという科学者が、1922年に『地球上における生命の起源』という本を発表し、そこから1950年代まで、生命の化学進化説という理論を展開させたことによります。

オパーリン博士はケンタッキー・フライドチキンのおじさんにも似た温厚な顔をした人で、私は顔は好きです。顔は好きなんですけど、このオパーリン博士の化学進化説が後の科学界を悩ませることになります。

oaprin.jpg

▲ アレクサンドル・オパーリン(1894 - 1980年)


オパーリン博士の説を簡単にまとめると下のようになるようです。



1. 原始地球の無機物から低分子の有機物が生じる。

2. 低分子の有機物がお互いに結びついて高分子の有機物を作る。

3. 地球の原始の海は上のような反応での「有機物の液体(スープ)」だった。

4. この「原始スープ」の中で、高分子の集合体(コアセルベート)が誕生した。

5. この集合体がアメーバのように結合と分離を繰り返した。

6. このような中で最初の生命が誕生し、優れた代謝系を有するものが生き残っていった。





というようなもののようです。


今改めて読んでみると、まだ遺伝子や生命の構造の解明が進む前の時代だったから受け入れられたものだったことがわかります。

というのも、地球の年齢は現在の科学ではおよそ 40億年程度とされていますが、その真偽はともかくとしても、この程度の年代だと上の繰り返しで生命が作られるにはあまりにも短いということがあります。

    
その時間で進化してきたわりには「あまりにも生命は複雑」なのです。

たとえば、下はフレッド・ホイル博士の『生命はどこからきたか』の中からの抜粋ですが、「生命の構造の複雑さ」ということをまず知る必要があります。

これは書かれてある意味自体、私自身もよくわからないので、その意味というより、「たった1種類の酵素を作ろうとしてもこのような膨大な数字となる」ということを知っておいてもいいのかと思うのでした。


『生命はどこからきたか』 第十四章 生命の起源と進化を考えるための基礎知識より

 三〇個の不変なアミノ酸を持ち、一〇〇個の結合部分からなる短いポリペプチド鎖でさえも、二〇の三〇乗、約一〇の三九乗回にもなる試みが行われて初めて機能を持つ酵素となる。三〇〇個の不変部分を持ち、一〇〇〇個の結合部分からなる酵素の場合は要求される試みの回数は二〇の三〇〇〇乗で与えられ、それは一の後に0が三九〇個も並ぶ数である。

 さらに、われわれはただ一種類の酵素だけを取り扱うのではなく、最もシンプルな有機体でさえ二〇〇〇種類、われわれのような複雑な生物では約一〇万もの酵素と関係しているという点でも超天文学的数である。



まあ、全然わからないのですが・・・要するに、簡単な酵素ひとつが「自然」にできるためには、「 1の後に 0が 390個も並ぶ数」の確率の中でアミノ酸が結合する必要があり、さらに、それが生命として機能するには、その奇跡的な確率をクリアした酵素が「数万個以上の単位」で存在しなければならない。

1の後に 0が 390個も並ぶ数の確率というのは、

390.png

という感じです。

上の壮絶な確率で「仮に」酵素や有機物が生まれたとしても、それはまだ単細胞生物などでさえないわけで、地球上でもっとも単純な構造のタイプの生物などでも、上の組合わせでの酵素が 2000個必要だとのこと。人間なら10万以上。

しかも「正しい配列」で。


もはや、確率で論ぜられる世界ではありません。


これでは仮に(あくまで仮に)、地球の上で有機物が発生したとしても、地球の歴史が仮に38億年なら、この年月では「生命どころか酵素ひとつできない」ことになります。というか、38兆年でも「偶然のレベル」では、酵素ひとつ作ることもできないと思います。

たとえば、下のは α-キモトリプシンという酵素の図です。

amino-3.jpg

▲ 『生命はどこからきたか』 第十四章 生命の起源と進化を考えるための基礎知識 の図より。


この図自体はいくら見ても私には何が何やらわからないですが、こんな酵素ひとつでもこんなに複雑な構造になっていて、少しでも違うと酵素として働かないのが生命というもので、そして、こういう酵素が何万と「正しく」集まってできているのが、人間を含む生命なのだということです。

生命は偶然の繰り返しで作られたというようなものではない、と考えざるを得ません。


科学的に考えるまでもなく、常識的な考え方として、地球上で無機物から有機物が偶然生まれ、それが偶然の連続で生命として進化して、それがさらに高度な生命として進化して現在の地球のあらゆる生物となっているという話は基本的に「無理な話」であることがわかります。


しかし、「生命の地球発生説」を続けます。

オパーリンの化学進化論を検証する実験をおこなったのが、ユーリー-ミラーの実験と呼ばれるもので、下に Wikipedia から抜粋します。


ユーリー-ミラーの実験

ユーリー-ミラーの実験は、 1953年にスタンリー・ミラーが、シカゴ大学の大学院生のときに行ったものである。地球において最初の生命が発生したとされる環境を再現することを目指し、そこで簡単な化学物質の組み合わせから、生物の素材となるような成分ができるかどうかを実験で確かめるものであった。


400px-Miller-Urey_experiment_JP.png

▲ ユーリー-ミラーの実験の実験装置の概念図



そして、この実験で「アミノ酸の無生物的合成を確認した」ことにより、生命地球発祥説は、広く科学界に受け入れることになり、以降の科学と「教育」の世界でこの理論が広く取り入れられたのは書くまでもないことかと思います。

私たちも学校で「生命は地球で生まれた」と教えられてきたはずです。

もっとも、Wikiepdia にも、その後に、


現在では、多くの生命起源の研究者たちは、ユーリー-ミラーの実験を過去のものと考えている。



とあり、今では違うようですが、一般の認識としては、今でも「生命は地球で生まれたと考えている人」はわりと多いのではないかと思います。


なお、ホイル博士の著作には、ユーリー-ミラーの実験の「大きな間違い」が指摘されています。


『生命はどこからきたか』 第三章 尿素から有機スープへより

ユーリーとミラーにより用いられたメタンは天然に得られる気体ではあるが、それは生物由来のものなのである。アンモニアもウェーラーの実験においてそうであったように由来は疑わしい。行われたのは生物材料から出発して別の生物材料を作ったのであり、当時思われていたような印象的な結果からはほど遠いのである。



メタンそのものが生物由来だとすると、この実験そのもののテーマであった「無機物から有機物を作り出す」ということにおいて、根本から違ったものだったようです。

いずれにしても、いろいろな理論や実験の中で、地球の生命の起源を探る試みや思考は続けられていて、ともすると、それは「迷宮」に入り込むような世界なのかもしれないですが、きっと今後も興味深い方向に進むのだろうと思います。

というわけで、今回は、上に挙げた「生命の地球起源説(化学進化説)」が生まれた国でもあるロシアで、その理論をふたたび実験によって示してみようという試みの話です。

ニュースメディア「ロシアの声」ロシア語版からです。

ではここからです。



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2012年10月13日



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わりとショックな「 DNA には寿命(崩壊)があった」という実験結果


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▲ 映画『ジュラシックパーク』より。琥珀に閉じ込められたジュラ紀の蚊から「恐竜の血」を取り出し、恐竜の血液の中の DNA をカエルの DNA に組み込んで恐竜を復活させるというストーリーでした。






 




(訳者注) ここ数日の科学系の報道で、「ジュラシックパークは不可能だった」という見だしをよく目にしました。

何のことかと思いましたら、これはオーストラリアのマードック大学が、実験から、

DNA はその最後の分子が 680 ,000 年(680万年)後に消滅する

という計算をはじき出したというものでした。

スティーブン・スピルバーグ監督の映画「ジュラシックパーク」(マイケル・クライトン原作)は数千万年前の恐竜の DNA を現代のカエルなどの DNA に移植して恐竜を現代に復活させるというようなストーリーだったのですが、今回のマードック大学での実験では、 DNA は680万年で「分子がすべて消滅する」という計算結果となったということで、つまり「ジュラシックパークの実現化は不可能」ということと結びついて上のような見だしにつながったようです。

今回は、マードック大学のプレスリリースそのものを翻訳してご紹介します。


ちなみに「わりとショック」と書いたショックは、ジュラシックパークの方のことではなく、

DNA に寿命があった

というほうです。

In Deep や、あるいは、昔のクレアなひとときなどの記事の中で書いていたことの前提のひとつに「 DNA は永遠不滅の物質である」という仮定がありました。その仮定のもとに多くの記事を書いていました。

しかし、どうも今回の実験では寿命があるようです。

680万年というのは長い年代ではありつつも、「永遠不滅」というものにはほど遠いものです。

あるいは、この「DNA の寿命のサイクル」というものと地球環境の大変動の時期には関係があるのかもしれません。なぜなら、DNA は「その生物の遺伝と歴史を引き継ぐもの」であり、それが完全に消滅する時があるなら、「その生物の歴史は消える」からです。つまり、DNA の物質的崩壊と共にその生命は文字通り消えると。


ところで、上に映画「ジュラシックパーク」が出てきましたが、この映画の監督スティーブン・スピルバーグが、最近、「子どもの頃からずっと学習障害だった」ことを告白して話題となっています。スピルバーグ監督の場合はディスレクシアという読み書きが苦手な(場合によってはまったくできない)ものです。

これは今回の話題とは関係ないのですが、若い時のことや、あるいは自分のことを含めて、思うところもありましたので、ちょっと紹介しておきます。



スピルバーグ監督とアキヤマくんのそれぞれの人生


スピルバーグ監督の報道記事は下のものです。


スピルバーグ氏、学習障害を告白 「映画で救われた」
朝日新聞 2012年10月3日

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▲ スティーブン・スピルバーグ氏。

映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏(65)が自分に学習障害があり、それが原因で子ども時代にはいじめられていたとインタビューで告白し、話題となっている。「学校へ行くのが大嫌いだったが、映画づくりを通して救われた」と語っている。

スピルバーグ氏が公表したのは、読み書きが困難になる「ディスレクシア」と呼ばれる障害。

5年前に初めて診断され、「自分についての大きな謎が解けた」という。

小学生の時は読み書きのレベルが同級生より2年遅れ、「3年生のころは、クラスの前で読むことを求められるのがいやで、とにかく学校へ行きたくなかった」「先生も心配してくれたが、学習障害についての知識もない時代で、十分に勉強していないと思われた」と打ち明けた。今でも、本や脚本を読むのに、多くの人の倍近く時間がかかるという。

また、学習障害がきっかけでからかわれ、いじめられたことも明らかに。「中学時代が一番つらかった。他人の立場から自分を見ることがまだできない子どもは本当にきつく、嫌なことをする。今は理解できるし、恨みもないが、大変だった」と話した。



私が驚いたのは、比較的、このタイプの発達医学の先進国であり、早くからの歴史がある「米国」という国の、しかも著名人であるスピルバーグ監督が、60歳になるまでその病気だということを自分で知らなかったということです。そして、

> 5年前に初めて診断され、「自分についての大きな謎が解けた」という。


と言っているのを読み、改めて学習障害全般に対しての問題の根の深さがわかります。

ディスレクシアは大ざっぱにいうと、下のようなものです。


ディスレクシア

ディスレクシアは、知的な遅れはないが、読んだり書いたりすることが苦手な人たちのことをいい、「文字とその文字が表す音とが一致・対応し難く、勝手読みや飛ばし読みが多い」、「音読作業と意味理解作業が同時にできないため読み書きに時間がかかる」、「読みが出来ないと文字を書くことはより困難になる」などの特性がある。

「読み書きのLD(学習障害)」ともいわれている。


障害保健福祉研究情報システムのページより)


これは、昔は(あるいは今でも)、「単なる怠け者」、さらには「知的な問題」と扱われてしまうことさえあります。

私自身、こんな「学習障害」とか「ディスレクシア」なんていう言葉を知ったのは最近のことですが、人生の中で思い返すことはいくつかあります。

中学2年のとき(今から35年くらい前です)にクラスで席が隣だったアキヤマくんという男の子がいました。

おとなしい子だったけれど、話も面白く、人あたりのいい人だったので、私は彼と話をするのが好きでした。話も面白く、想像力の豊かなアキヤマくんは普通以上にクレバーな中学生なのですが、「なぜか読み書きがうまくできない」のです。判断力の鋭い彼が読み書きだけが、どうしてもできない。

今にして思えば明らかなディスレクシアなんですが、当時そんな概念があるわけでもなく、本人も周囲も「どうしてできないんだろう」と考えていました。


そして、その学期が終わる頃、アキヤマくんが私にこう言いました。

「二学期から特殊学級に行くことになったんだ」

私は「え? なんで?」と聞き返すと、やはり読み書きが極端にできないことが原因だったようです。でも、私から見れば、ともすると私たちより頭のいい彼が特殊学級に行くというのはどうもわからない。


私 「それって、なんか変だよ」
彼 「でも、僕自身はそれでいいと思ってる。だって全然読み書きできないんだもの」


そして、二学期からはアキヤマくんはそちらの学級へと転入しました。

このような事例は、当時はたくさんあったのだろうなあと思います。
あるいは今でもあるのかもしれません。

何しろ上の障害保健福祉研究情報システムページには、

> 英語圏ではディスレクシアの発現率は10%から20%といわれている。


というものだからです。
日本ではディスレクシア単独の調査が存在しないそうです。


もちろん、特殊学級や養護学校に行くこと自体が問題ではないですが、その人の将来の道はかなり狭められてしまうことも事実のように思います。

スピルバーグ監督はその類い希なる映像センスにより、人生を開くことができましたが、他の多くの学習障害の人たちが同じような人生を歩めるわけではないです。というより、最後まで自分がディスレクシアであることがわからないままで、死んでいった人もたくさんいるはずです。


ところで、私がスティーブン・スピルバーグ監督の出世作である「ジョーズ」(1975年)を映画館で見たのは中学1年の時でした。もう面白くて面白くて面白くて、こんな面白い娯楽がこの世にあるのかと感動したものでした。

それはみんな同じだったようで、ジョーズのラストシーンでサメが爆発するシーンでは、北海道の岩見沢という町の小さな映画館の観客が全員立ち上がり拍手喝采したほどでした。

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▲ スピルバーグ監督の『ジョーズ』(1975年)。サメが海から顔を出すたびに子どもたちが「ヒィィ!」と叫び声を上げた当時の映画館。


映画館で観客が全員立って拍手した、なんていう経験はあれが最初で最後の経験だったような気がします。

あれから三十数年。
時代はどう進みましたかね。

アキヤマくんも元気かな。


そのスピルバーグ監督の大ヒット作である「ジュラシック・パーク」の計画は実行不可能であることがわかったということに関してのオーストラリアのマードック大学のニュース記事です。





Mystery of DNA decay unravelled
マードック大学 (オーストラリア) 2012.10.10

DNA の崩壊の謎が解明される


恐竜が生きていた時代から現代までその DNA が生き残り続けていたのかどうかということに関しての議論についに結論が出そうだ。

オーストラリア・マードック大学の科学者たちは、 DNA の保存には理想的なマイナス5度の環境の中で、DNA 分解の割合とその計算を行った結果、結合組織の DNA の数は時間と共に減少することが分かり、骨の最後の分子は 680万年後に完全に消滅すると計算されるという研究を発表した。

スティーブン・スピルバーグ監督の映画『ジュラシック・パーク』は、 8000万年経過した無傷の DNA を発見し、そこから恐竜を復活させるというアイディアのものだった。しかし、現在までに発見されている最も古代の DNA は 45万年〜 80万年前のグリーンランドの氷床の芯から発見された DNA だ。


研究グループは、かつてニュージーランドに棲息していて絶滅した恐鳥「モア」の 158本の骨の化石の結合組織を調べた。その結果、マードック大学「古代 DNA 研究所」のマイク・バンス博士( Dr Mike Bunce )モルテン・アレントフト博士( Dr Morten Allentoft )らの研究グループは上記の結論に達した。

バンス博士は以下のように言う。

「比較することのできる DNA を含む大きな化石が見つかることは希で、今回の DNA の崩壊の率を計算することは大変難しい作業でした。また、気温や微生物の含有率、酸化の程度なども DNA の崩壊プロセスに影響を与えますので、崩壊の基準を見いだすのは難しいことでした」。

「しかし、モアは彼らがほぼ全員、同じ地域で同じ環境を経験していた生物で、その時代も同じということもあり、モアの骨の DNA の崩壊の比較ができたのです。化石の骨の標本は、炭素データでは 600年〜8000の経過を示し、それぞれの標本の異なる DNA 崩壊から、 DNA の半減期を計算することができたのです」。

その結果、前もって研究所で行われたシミュレーション結果から予測されるより、その崩壊率は、約 400倍遅いことがわかった。これらの計算と他の調査に基づき、研究チームは、生き残っている DNA の崩壊年月の予測を立てることができた。


バンス博士はこのよう述べた。

「今回計算された崩壊率が正しければ、十分な長さを持つ DNA の断片は、凍った化石の中ならば、およそ 100万年単位で保存されると予測します」。

「生物が死んだ後、その DNA の維持に影響を与える要因としては、発掘、土の化学的組成、そして時間の経過などがあります。世界の他の地域での DNA の崩壊についての正しい計算がおこなわれることにより、より正しい DNA の寿命をのマッピングを作っていけるようになることを私たちは望んでいます」


この研究は、英国王立協会ジャーナルで発表された。





ここまでです。

それにしても、今回のことで改めわかったのは、

「宇宙空間というのは DNA の保存場所としても最適」

ということのような気がします。

地球上の場合、上の記事にありますように、土の化学的組成や気温、あるいは時間の経過などで DNA は他の物質同様に崩壊(分子の消滅)するわけですが、そのような外部的な刺激がほとんどなく、気温も氷点下二百度などのごく低温に保たれている宇宙空間というのは、微生物の保存に適していると同様に DNA の保管場所としても最適なように思います。

そのあたりと関連した過去記事をリンクしておきます。


--
[宇宙を旅する微生物]に関連した過去記事:

大気圏の生き物(参考記事:1980年代のチャンドラ博士によるシミュレーション実験等)
2010年10月05日

DNA が宇宙で生産されている証拠を発見: NASA が発表
2011年08月21日

宇宙塵自身が生命であることに言及した 100年前のノーベル賞学者の実験
2011年05月07日



  

2012年10月11日



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シリーズ:良い時代と悪い時代







 



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▲ 2013年11月頃に、「月くらいの大きさに光る」と考えられている、近代の天体観測史上で最も明るく見える可能性のある彗星アイソンが夜空に見える時の想像図。月よりも大きく輝く可能性が指摘されています。発見されたは今年の9月で、つい最近のことでした。


最近、彗星絡みの話やフレッド・ホイル博士のことなどを多く取り上げていました。

今回のメインの記事は、いわゆる「パンスペルミア説」と関係しているものですが、米国のプリンストン大学の科学者が「地球の生命は宇宙の微生物として地球にやってきたものかもしれない」という検証結果の論文を書いたことが報道になっていましたので、ご紹介したいと思います。

読んでみると、違和感のある内容ではありつつも、フレッド・ホイル博士も亡き今、多少なりともこういうことが継続的に報道されるのも悪いことではないかとも思います。

ところで、彗星絡みといえば、来年、つまり 2013年に今の時代の私たちが見るものとしては「史上最大の明るさと大きさで見える可能性のある彗星」がやってきます。



超巨大彗星アイソンが告げるのはどのよう時代の幕開けなのか

上に載せた写真は 2013年11月28日前後の、そのアイソンと名付けられた彗星が見えた時の想像図ですが、もっと明るく見える可能性もあるようです。

ここ数日、アイソンの報道を多く見かけますが、WIRED の記事から抜粋しておきます。記事中の図の日本語はこちらで入れたものです。

史上最高の明るさ? 彗星「ISON」が接近中
WIRED 2012.10.10

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1年後に地球と太陽の近くを通過し、史上最も明るい彗星になる可能性があるという「 ISON (アイソン、C/2012 S1 )」が発見された。

軌道から考えて、 ISONは太陽の極めて近くを通過し、2013年 11月には太陽面から 140万km以内に接近すると予想される。この時に高熱で表面が溶け、彗星からガスが放出されると考えられる。そして、2014年の1月までには、地球からの距離が約 6,000万kmになると見られる。

一部の推定では、こうした条件が重なって、 ISONは満月よりも明るく見え、史上最も明るい彗星になる可能性があるという。近日点通過前後の 2013年 11月28日には、視等級がマイナスになり、金星や満月の明るさを超える大彗星になる可能性が指摘されている。


こういうものが、うんと地球の近くに近づいて、彗星の分裂や爆発などの光景が見られれば、下の中世の絵画「最後の審判」のような光景も見られるのかもしれません。



▲ 十六世紀の「最後の審判」の図。ギリシャのアトス山にあるディオニシオン修道院のフレスコ画。過去記事「「良い時代と悪い時代」(1)」より。


もっとも、この巨大彗星アイソン自体の軌道は上のフレスコ画ほど地球の近くを通るわけではないようです。

あくまでも、「こういうものが」ということで、もしかすると、中にはアイソンほど巨大で、もっと地球に近づくような彗星だってあるかもしれません。上のアイソンだって発見されたのはほんの2週間ほど前。まだ、私たちが知らない彗星はたくさんあります。

巨大彗星の接近は、最近書いていた「良い自体と悪い時代」の中の、「悪い時代」では頻繁に起こっていたようです。彗星が地球表面に直接影響を与えなくとも、先日の記事、

「良い時代と悪い時代」: 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも
 2012年10月06日

で抜粋したフレッド・ホイル博士の『生命はどこからきたか』のエピローグに書かれていた下のようなことはあるのかもしれないです。

ツングースカ型の爆発は過去一万三〇〇〇年ほどのあいだに時折起こったに違いない。この時期の最初の頃は、元の彗星の分裂が激しく起こっていただろう。(中略)

実際、彗星がまき散らした塵が太陽光を錯乱するために、何年間も黄道帯全体が輝いたのが見られただろう。彗星の分裂や、彗星が長く美しい尾を引く姿は、古代の空ではごく普通に見られたことに違いない。神話、伝説、宗教がこのような経験を基にしていることは間違いない。

と、「何年間も黄道帯全体が輝いたのが見られただろう」とあるように、空の光り方が今とは当時は違ったという可能性があるようで、さらに「今後もそうなる可能性」は過去の歴史のサイクルを見ていると、多分(確実に)いつかはまたそういう時代になるのだと思います。

ところで、この「黄道帯」という言葉は馴染みがない場合もあるかもしれませんが、辞書的に書けば、「惑星から見て、天球上を恒星が1年かかって1周する大きな円の経路」となりますが、文字での説明より、占いなどで説明される「黄道十二宮」というような図を見たほうがわかりやすいかと思います。

koudou.gif

西洋占星術 黄道十二宮より。


「何々座の時代」とかの 2000年くらいずつ移動していく「新しい時代」の概念もこの黄道の概念と結びついているようです。

現在はこの概念では、上の図では下の右よりにある「うお座」の時代で、これはちょうどイエス・キリストが生まれた頃からはじまったようです。現在はその隣の「みずがめ座」へと移行してます。なので、あと何百年か経てば、「みずがめ座の時代に生きる地球の人々」というようなことになっているのだと思います。

そして、約2万6000年かかって、また元の位置に戻ってくる。

すなわち、今から2万6000年後には今と同じようなうお座の時代となっている。

キリストの誕生という「象徴」から始まった「うお座」の時代は男性性の時代(権利、所有、戦争、物質、金銭、技術などの時代)でしたが、みずがめ座の概念は「女性性」であって、具体的にはこの「女性性の時代」がどういうものかはわかりづらいですが、まあ・・・多分少なくとも 500年後くらいにはそういう時代が完成しているのではないかと思う部分もあります。

その頃の人はその世界を見られるのでしょう。

そして、今の時代の私たちはほぼ全員このうお座の時代(キリストの時代)に死んでいきます。


ところで、最近、ウェブボットのクリフ・ハイのエッセイを引用することも多かったですので、ついでというのもなんですが、ここでも、彼のエッセイを引用しておきます。2008年のもので、すでに4年前のものです。


地球での生活、そして、ユージュアルサスペクツ
2008.11.09 ALTA レポート 909 P1 のクリフ・ハイの巻頭エッセイ


2012年 12月 21日、午前 11時 11分に太陽系は天の川銀河の黄道平面を通過する。これにより、太陽と地球は銀河中心と一直線で並ぶことになる。このため、地球にはかつてないほどの量のエネルギーが宇宙から降り注ぐことになるはずだ。

現在の太陽は、われわれが知っている太陽とは根本的に異なってきていることに注意しなければならない。黒点が太陽から消え、そのため太陽活動の停滞が予想されるにもかかわらず、太陽から放出されるエックス線やその他のエネルギーは過去最大になっている。磁束管と太陽とは正しい角度になければならないとされているが、これがいったいどういうことであるかまだ分かっていない。

(中略)

ただ言えることは、最近の太陽の異変は、約 26000年周期の歳差運動のサイクルが 2012年に終りに来ていることの証左である可能性が大きいということだ。6000年周期を一日に見立てた場合、過去 13000年間は、太陽系にとって歳差運動のサイクルのちょうどよい期間だったといえる。

2012年12 月21日午前11時11分、夜の時期が終り、歳差運動の次のサイクルの夜明け、つまり 13000年間続くことになる昼の時期に入るのだ。

春分点歳差が 26000年であるというのは実に興味深い。
なぜなら銀河中心までの距離もちょうど26000光年だからである。

さらに、太陽系は天の川銀河の渦巻腕に対して動いているということも興味深い。太陽系はこの運動で、銀河の渦巻腕と渦巻腕の間に存在する暗帯を周期的に横断することを意味している。さらに中米の古代文字は、渦巻腕をめぐる運動が歳差運動と一致していることをも示している。

ecliptic.jpg


ただ、太陽系が天の川銀河を移動しているということは、太陽系が分解しつつあるいて座 B の一部であるかないかにかかわらず、太陽系は銀河系の固定した部分ではないということを表しているのではないかとの議論も成り立つかもしれない。

もし太陽系が銀河系の一部であるなら、太陽系は銀河系を移動するなどということはあり得ず、銀河のひとつの渦巻腕に永久にとどまっているはずなのである。



ここに出てくる「歳差運動」というのは、地球の軸に対しての傾きの回転のようなことを指しますが、文字で説明するより、上の黄道十二宮の図を見ていただくとわかりやすいかと思います。

さて、そんなわけで、彗星と直接関係した話ではないですが、米国のプリンストン大学の研究者たちが、「地球の生命は隕石によって地球にもたらされた」という可能性についての論文を科学誌に発表したという記事をご紹介します

ここからです。






 



Are we the extraterrestrials? Scientists back theory that life was brought to Earth by space microbes
Daily Mail 2012.09.25

我々は地球外生物なのか?


研究する科学者たちは、他の恒星システムの惑星からやってきた岩の断片が地球に生命を運んできたと確信していると述べた。

地球上の生物が微生物によって地球にもたらされたという理論を科学者たちが追求している。

研究者たちによると、地球外の微生物が何百万年ものあいだ、宇宙空間を旅し、地球にまで生命をもたらしたのかもしれないと言う。

この学説は、古代に他の恒星システム(太陽系外ということ)から地球に飛来した岩石の断片調査と計算により導き出されたものだ。

科学誌『アストロバイオロジー ( Astrobiology)』で執筆した科学者たちによると、宇宙から遠い昔にやってきた古代の岩石にはその内部に微生物が存在していることがわかった。

宇宙空間には高水準の宇宙放射線が存在するが、宇宙空間では微生物は活動を停止(休眠)しており、そのため長い宇宙の旅で生き残ることができた可能性を研究は示唆する。


この研究のプロセスの基本的な考え方でもある「パンスペルミア説 (pan spermia / 汎芽胞)」として知られる説は、私たちの宇宙はすべて生命で満ち溢れているとする理論のひとつだ。


今回の研究を主導する米国プリンストン大学のエドワード・ベルブルーノ博士 ( Edward Belbruno )は、以下のように述べる。

「私たちの研究によれば、パンスペルミアの可能性はとても高いことを示します。そして、今回の論文がパンスペルミアを学術的に示した最初の文書かもしれません。そして、もし仮にこのパンスペルミア説が真実であるならば、この宇宙全体に生命が存在する可能性があります」。


さらに博士はこのように述べた。

「これは宇宙のどこでも起きる(起きた)可能性があります。惑星の大きな火山噴火、隕石、他の天体との衝突、など、惑星の断片が宇宙空間に飛ぶ可能性となる原因は様々に存在します」。


博士は、太陽系が若かったころ、他の太陽系との間で断片(隕石など)が交換されていた可能性があるという。そして宇宙をゆっくりと旅行した惑星の断片は、接近した惑星などの引力に捕らえられたと考える。たとえば、地球の引力などによって。

また、研究チームは、太陽が生まれた頃の惑星の破片の数をコンピュータでシミュレーションしたところ、その数は、1000万年〜9000万年の間に、10キロ程度の重さの断片が、少なくとも 10 ,000 ,000 ,000 ,000(10の12乗)から 「3 ,000 ,000 ,000 ,000 ,000 (3千兆)の15乗」個ほどの膨大な数に上ると考えられることを示した。






(訳者注)記事では「岩石の断片」というような感じとなっていますが、いわゆる「断片」は、軌道周期などの「動力」を持たないので、遠い宇宙空間を移動できるのかどうかは疑問に思います。

しかし、「彗星」は違います。

彗星はそのほとんどが軌道周期を持っており、ある意味では、「自主的に移動」しています。

さらに、彗星の内部に微生物が存在していれば、仮に彗星が大気を持つ惑星に突入しても、大きさにもよりますが、衝突と摩擦による熱から「内部」が守られる可能性があります。

このあたりは何年か前にクレアなひとときの「宇宙はすべて生き物からできている」に書いたことがあります。

そこに英国カーディフ大学のチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士が、1986年に、シドニーのアングロ・オーストラリアン天文台にあるアングロ・オーストラリアン望遠鏡で観測した、「ハレー彗星の赤外線吸収スペクトル」のグラフを載せたことがあります。

下のグラフです。

fred-comet.jpg

この図が何を示しているかというと、「ハレー彗星と地球の大腸菌は、成分分析上で一致した」ということです。

この観測結果が「彗星は微生物の塊であるかもしれない」という推測につながっています。

また、隕石の場合にしても彗星の場合にしても、大気層に突入する際には表面は熱と衝撃によって、分子レベルで破壊されますので( DNA も残らないということ)、「守られる頑丈な外殻」は必要だと思います。そして、それが彗星の構造とメカニズムなのだと私は思っています。

あるいは、「摩擦熱の問題でそもそも微生物しか大気圏を突破できない」ということもあります。

このあたりも、上のクレアの記事に、フレッド・ホイル博士の『生命はどこからきたか』の中にある内容をまとめたものがありますので、そこから抜粋します。


彗星の破片は時速3万6千キロ(秒速10キロ)という超高速で移動しているものであり、また、地球はそれよりも早い公転スピードを持っている。そのスピードの中で、ある物質が惑星内に着陸するとなると、その摩擦で生じる衝撃によって、その物体は分子レベルでバラバラに破壊されてしまい、生物が生き残る可能性はない。

これは大気のない星では言えることで、かなり好条件でも、彗星に乗った微生物が生きたまま着地するのは不可能だと思われる。

しかし、一部の大気のある惑星、たとえば地球の高層圏などでは気体の密度が低いために、侵入した破片の速度は減速される。なので、分子レベルでの破壊は一応免れるので、「形」は残る。

しかし、それでも、「熱」の問題はある。

地球大気に秒速 10キロのスピードで物体が突っ込んできた場合、その摩擦熱は物体の大きさ(粒子の直径の4乗根)と比例する。その場合、物体が針の先くらいのものでも、摩擦温度は 3000度に達し、ほとんどの物質は残らない。あるいは生物なら生きられるものはいないはずだ。

可能性があるとすると、それより小さなものだ。

たとえば、細菌やウイルスくらいの大きさの粒子なら、突入した際の摩擦温度は約500度となる。

摩擦で加熱される時間は約1秒間と推定される。

この「1秒間の500度の状態」を生き残ることができない限り、生物は彗星に乗って地球に侵入してくることはできない。



そして、英国カーディフ大学で始まった実験では、大腸菌たちは、「1秒間の500度」をクリアしたのでした。

しかし、もっといえば、生命自体は「アミノ酸」が基幹となっています。

そういう意味では、微生物よりさらに根幹である「アミノ酸はどこから来たのか」ということも、ポイントだと思うのですが、これに関しては、国立天文台のページをリンクしておきます。

宇宙の特殊な光から地球上の生命の起源に新知見
 国立天文台 2010年4月6日

このページにある国立天文台の 2010年の発見は、現在の地球での天文学の中で最も大きな発見のひとつだと思います。

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国立天文台 / 生命をかたちづくるアミノ酸の謎より。


上の図はその国立天文台のページにある「アラニン」というものの図ですが、地球の生命のアミノ酸は、すべて実は左側の「左型」だけで構成されていて、これは地球生命学の最大の謎でした。

というか、今でも謎です。
それがもしかしたらわかるかもしれない、という大発見でした。

確かに徐々にではあっても、「宇宙はそのすべてが生命である」という(多分)事実に向かって、少しずつ前進しているような気はします。

そして、彗星がたくさん飛来する時代は確かに「悪い時代」ではあるけれど、同時に生命の進化と刷新が行われるときでもあるのかもしれないと私は思っています。

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[彗星とパンスペルミア]に関連した過去記事:

『宇宙が生命を作り出している』ことの証明に近づく新たな観測結果
2011年08月31日

宇宙塵自身が生命であることに言及した 100年前のノーベル賞学者の実験
2011年05月07日

銀河系で生命を運ぶ浮遊惑星に関しての「宇宙の概念を変える」研究発表
2012年02月28日