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2012年12月10日



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世界終末狂想曲(2): カタストロフへの「怖れ」と「期待」



前記事: 世界終末狂想曲(1): チリの災害前に出現する巨大 UFO 報道から中国のろうそく買い占め騒動まで



ru-pm-tv.jpg

▲ テレビのインタビューで「世紀末的なジョーク」で返すメドベージェフ首相。下に、日本語字幕入りの動画を置きました。
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メドベージェフ首相のジョーク

先日の記事「オーストラリア首相が「世界滅亡の日が近づいています。マヤ暦が正しいことが証明されるのです」と国民に宣言」でご紹介したギラード首相が「ジョーク」をかました翌日くらいに、今度は、ロシアの首相のメドベージェフさんのテレビでのインタビュアー相手への「ジョーク」が話題となっています。

そのジョークの内容は「小型の核の入ったケースをエイリアンに渡したことがある」というような感じの内容でした。

インタビュアーの女性も笑っていて、ジョークなのはわかるのですが、なんかこう・・・先日のオーストラリアの女性首相のもそうなんですが、「本人がニコリともせずに言うので」、見ているこちらは、やや戸惑う面は確かにあります。

たとえば、日本の政治家かなんかに、政見放送かなんかで、

「実は私は幽霊なんですよ」

真面目な顔で言われても、どう対応していいのだか困るような。


ところで、ロシアついでにもうひとつ動画を貼っておきます。

これもロシアのテレビニュースで放映されたもので、「ロシアのふたつの太陽」なんですが、これまで見てきた「ふたつの太陽」と比べても、かなりの異質感のようなものを感じるものです。

なぜなら、「ふたつの太陽が同じ輝度で光を反射させている」からです。

動画が見られない場合のために写真も貼っておきます。

ru-suns.jpg



動画はこちらです。

ロシアのふたつの太陽




ロシアのテレビによると、フェイクではないとのことですが(まあ、放映した以上はそう言うでしょうけれど)、なんなんですかね。

光学現象的に考えると、よくわからないです。




実は私はいまだに「この世の終わり」という意味がわからないのです


cuba-2012-12.jpg

▲ キューバの首都ハバナ東部のビーチで、マヤの儀式に参加する人々。テレグラフより。


前回、「世界終末狂想曲」というようなタイトルで、いくつかの国の騒動を書いたのですけど、その続きはいくらでもあってキリがないのですが、アメリカなどを含むいくつかの国では、「 2012年 12月 21日に世界は終わりませんので、パニックを起こさないように」という警告を発しているほどの事態でもあります。


さて・・・。


ところで、「世界が終わるって何?」と実は思います。

自分の終わり?
そうではない終わり?
その基準は?

それはずっと思っています。


私はオカルティストではないですので、人間の生命の死はどうやっても死だということを確信しています。

それは概念での「輪廻」とか「永遠のサイクル」といったものとは違う「確実な生命の死」というものが存在するということで、そしてこれは地球に生きているすべてのものに与えられている宿命だと考えます。

しかし、そのことは多くの人もそう考えているはず。
だからみんな死を怖れる。

なら、一体、2012年12月21日の世界中の人の怖れは何なのか・・・と。

普通に生きていても、人はいつか死ぬわけですけれど、それと「世界の終わりの死」の違いは何なのか。


人間は地球で毎日毎日死んでいきます。

メディアで報じられる著名人やら、肉親や知人らの、「目に見える貴重な命の喪失」には多くの人が嘆き悲しむけれど、どこかの知らない国の道路脇に捨てられている死体のことをいちいち想像して涙ぐんだりする人はほとんどいません。

しかも、それは実際にはできないことです。
それをしだすと、毎日毎日、10万回くらい泣かないといけないからです(そのくらい毎日毎日人が死んでいるという意味です)。


なので、 2012年 12月 21日にもたくさん人は死ぬでしょうし、翌日の 12月 22日にもたくさんの人が地球で死んでいくことだけは予測できます。アメリカで、日本で、キューバで、韓国で、メキシコで、トルコで、南アフリカで・・・どこでも人は毎日死んでいきます。

それは、人間が地球に住み始めてから毎日毎日続いているはずです。
「地球の歴史で人がひとりも死ななかった日」なんてないと思われます。


少し前の過去記事の、

虹という「地獄の門」の彼方に
 2012年11月20日


という記事を記すまで私自身、知らなかったことで、意外でもあったのですが、キリスト教の聖書には「人間は死んだ時点でその意識が消え去る」ということが繰り返し書かれています。上の記事からの抜粋ですが、


創世記 / 3章 19節
お前は顔に汗を流してパンを得る/土に返るときまで。お前がそこから取られた土に。塵にすぎないお前は塵に返る。


詩編 / 146編 3-4節
霊が人間を去れば/人間は自分の属する土に帰り/その日、彼の思いも滅びる。


コヘレトの言葉 / 9章 5-6節
生きているものは、少なくとも知っている/自分はやがて死ぬ、ということを。
しかし、死者はもう何ひとつ知らない。彼らはもう報いを受けることもなく/彼らの名は忘れられる。




しかし、一方では、聖書だけではなく、様々な神話、伝承、聖典が「永遠」という概念を書くわけですが、上の聖書のように、こんなにドライに「人間の死」というものを扱う中で、それでは、いったい、何が永遠なのかというと、どうやら、


「この世が永遠だ」


と言いたいようです。

上の「コヘレトの言葉」には、


世は去り、世はきたる。しかし地は永遠に変らない。


というくだりがあります。

また、昨日の記事で初めて知りました7世紀の中国の預言書「推背图」( Tui Bei Tu )の出だしは以下のようなものでした。


私はこの広大な世界の終わりを知らない。
太陽と月のサイクルは永遠に続いていくのだ。


でした。

大体、多くの神話や伝承の言うところは同じようなところに行き着くように思われます。

この「永遠に続いていく」というものの中に「人間の命」というものは含まれてはいないですが、では「永遠に続いていくものは何なのか」ということは大変に難しいです。


宗教を信奉されている方なら「神が永遠」だと思われるかもしれません。

しかし、この「神」というもの。少なくとも、たとえば、キリスト教やイスラム教といった大きな宗教の聖典では「存在自体が危うい」。



新約聖書「ヨハネによる福音書」1章 18節

いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方が神を示されたのである。




コーラン「純正章」 4節 第112章

アッラーは、自存され、御産みなさらないし、御産れになられたのではない、かれに比べ得る、何ものもない。



聖書のほうでは「(神は)誰も見たこともないし、神を示したのが誰なのかもわからない」というようなことになっていて、コーランでは、(神は)生まれたこともないし、生みもしないとなっている。

このように存在が危ういものが永遠である・・・というのもなんか変だ。


しかし、いっぽうで私は「宇宙」とか「宇宙論」というものは上のようなものだと確信しています。私は執拗にビッグバンを嫌悪していますが、ビッグバン理論というのは上の「反対」であるわけです。宇宙を「見たもの」はいるし、宇宙は「生まれた」ということを言っています。

ビッグバンの拠り所となっているものに「宇宙マイクロ波背景放射」というものがありますが、「マイクロ波がどうしてこの世に存在するか」ということまで考えると、根拠の拠り所が実は上の聖書などの「見たこともない神」とも近いほど危ういということもまたわかるような気がします。

しかし、面倒くさい話はともかくとして、宇宙というのはコーランでいうところの、

・生まれたことがない

という概念と、聖書で言うところの、

・いまだかつて(宇宙の実態を)見た者はいない

というふたつの概念で十分に説明できるものだと私自身は思っています。



・・・・・・おっと。


世紀末の話から何だか話が逸れてきてしまいました。



破局は私たちの心の中に巣くっている


しかし、世紀末といえば、私たちの世代(1960年代生まれなど)は、子どもの頃からノストラダムスの大予言などを体中に染み込ませて生きてきた世代です。1999年に世界は終わる、と。

しかし、その1999年。
何か現実的にも個人的な心理的にも騒動があったかというと、そういう記憶がないのです。コンピュータなどの「2000年問題」というほうがクローズアップされていたほどで、「やっときた 1999年は何の感慨もなく過ぎていった」という感じだったと思います。


しかし、今回の2012年12月21日に向かっての世界の方向は、その時とは明らかに違います。


その理由は「マヤ族」という概念とは関係ないと私は思っています。


そして、その理由を説明する最も適切な理由は、昨日の記事の翻訳記事りの最後に出てきた、中国の北京大学のルー・ジーファ教授という人の以下の言葉、

「これは中国の社会的不安を反映しているものだ。現在の中国の中で、自分の生命も社会の安定も不確実であるということに起因している」


というところから、「中国」という言葉を抜けば、すべてに当てはまることのように思います。

私たち現代人はいろいろな意味で「行き果ててしまっているのだと感じます。

この先の世の中があるにしてもないにしても、絶望感のほうが強くなり過ぎた世界となってしまったということのように感じます。


「こんなんなら終わっちゃったほうがいい」


そう思っている人はとても多いと思います。



それでも、実際、(解釈にもよりますけれど)世界の終わりなんて来ることはないわけで、心の中はすでに破局していたとして、前に歩いて生きて行くしかないというのが今の多くの人々の人生なのかもしれません。



何だか途中から話が曲がってしまって、元のテーマに戻るのが難しくなりましたので、今回はここまでにしておきたいと思います。

次回は、話を地質的な話題に戻します。
アメリカのかなり広範囲で起きている「地質的異変」について書ければ書いてみたいと思います。



  

2012年12月05日



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india-australia.png

・インド・オーストラリアプレート周辺の地図。最近起こったことも記した地図を作成してみました。「2日間で400メートル海底が隆起したことが示された場所」というのが今回の記事の場所のひとつです。最近記事にした南太平洋のサンディ島などもインド・オーストラリアプレートの中にあります。
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急激に700メートルも海底が上昇したインド洋の海域


この「インド洋深海の海底が急速に大幅な上昇を示している」ことは10月に知りました。隆起の規模も「数百メートル」という比較的大きなものだったのですが、その時はそんなに気に留めていませんでした。

しかし、その後、10月、11月と下のようなことをこのブログで取り上げ、同時に書いた私自身がこれらによって、いろいろなことが地球に起きている可能性を知りました。



上のそれぞれの過去記事は、地球の大陸の移動やポールシフトのようなことが進行している可能性についての過去記事です。

そして、最近では、今回ご紹介するオーストラリア近郊のインド洋と比較的近い南太平洋上で、「もしかしたら島が消えたかもしれない」というようなことをご紹介したこともありました。

地図から消滅した南太平洋のサンディ島: 古代の超大陸が分裂したと考えられる海域の異変
 2012年11月23日

という記事です。

その上の記事などの内容とこのインド洋での出来事に関係があるかどうかはわからないですが、そのインド洋のことを今回ご紹介したいと思います。

なお、どうして海底が隆起している(かもしれない)ことがわかったのかというと、NOAA (アメリカ海洋大気庁)では、世界の海の多くのポイントで「海の深さと海底の変化」というものを常に調査しています。これは、津波の早期発見のために設営されたもののようですが、同時に「海の深さ」を測定しています。

この調査で示される「海の深さが深くなったり浅くなったりする」という変化は、海底の上昇か、あるいは下降を意味する場合もあるということになるかと思われます。

その海洋調査の概念については、 NOAA で説明されていますので、いくつか日本語を注釈して下にその図を載せておきます。このようなシステムで、深海の調査を世界の多くのポイントでおこなっているようです。

noaa-deep-ocean.jpg
Deep-ocean Assessment and Reporting of Tsunamis (DART) Description より。


今回はこのデータを収集しているサイトの、

Tsunami Buoy 53046 - Evidence of Indo-Australian Plate Tilting?
津波ブイ 53046ポイントは、インド・オーストラリアプレートが隆起している証拠を示しているのか

という記事からいくつか抜粋します。

また、上に示した NOAA の観測ブイの中で、今回の「海底が隆起しているかもしれないポイント」で、作業員の謎の死が起きていることが、インドネシアのメディア「ボルネオ・ポスト」の報道でわかりましたので、その記事も最後に翻訳して掲載しておきます。




海底ポイント53046 の8月から10月までの「水深変化」の記録


この先にも同じようなデータが続きますので、まず、グラフの見方のようなものを簡単に記しておきます。データはすべて NOAA からのものです。

・2012年10月15日〜10月17日

左がメートルで、下が日付けです。

ndbc-53046-01.png


グラフが下降している場合は水深の値が小さくなったということで、(他の理由も考えられるでしょうが)、海底の隆起を意味することなのかもしれません。

もちろん、水深が変化する理由は他にもいろいろあるとは思います。

ただ、今回は、水深の変化の規模が最大で 700メートルに達していて、誤差の範疇とはいえない面もあります。



・2012年8月20日〜9月3日

n2-530466.png


上のグラフで 8月30日に数分間で100メートルの変化という、短い間に大きな変動があったことがわかります。



・2012年10月15日

n3-530465.png


上の例では、数十秒の間に数十メートルの幅で水深に変化があったことがわかります。

そして、上の不安定な状況が見られた翌日から、水深は急激な勢いで減少(多分、海底が上昇)を開始します。



・2012年10月16日〜10月18日

53046-1016.png


これで、この観測ポイントは、8月20日には水深が4650メートルあったものが、10月18日には 3900メートルの水深となったということになります

仮にこれが海底の隆起が原因の場合ですと「2ヶ月で700メートル海底が上昇(隆起した)」ということになると思われます。


そんなわけで、原因は「海底隆起」ではないかもしれないとしても、いずれにしても、2ヶ月ほどで数百メートルの水深の変化があったことは事実のようです。潮流などの関係でこういうことも起きるのかもしれないですし、そのあたりはよくわかりませんので、海流や潮流にお詳しい方などの研究を期待したいと思います。


ところで、最近は、たまに昔のウェブボットを引用することがありますが、今回も「ふと思い出した箇所」を抜粋しておきたいと思います。2009年3月7日配信のものからです。「インド洋に新しい陸地が出現するとのデータ」ということにふれた下りです。


ALTA レポート 1309 パート0
Web Bot 2012.03.07

・沿岸部の海面上昇の現象は、南極の海底火山の活動と深い関係がある。この海底火山の活動によって、アルゼンチンとチリの間にあるティエラ・デル・フエゴ群島で海底が隆起し、新しい島が出現する。

・インド洋にも新しい陸地が出現するとのデータがある。この陸地はいまはまだ海底だが、それは海中を航行するときに問題を引き起こす。

・海面上昇の一つの原因は地殻外皮の隆起である。隆起によって、海水がいわば押し上げられるのである。これにより食糧生産が大きな影響を受ける。それは漁業だけではなく農業にも影響する。この影響は10年間続く。

・一方、北極では氷が溶けるこれまでにない新しいパターンが見られるようになる。これは大きな危険を呼び起こし、主要なメディアで報道されるところとなる。

・さらに、北極では様々な地殻活動が活発化する。北極圏における環境変化は、世界の民衆に大きなショックを呼び起こす。これがきっかけとなり自給自足経済圏を構築する運動が興隆し、その成功例が数多く報告されるようになる。その報告は人々の意識の覚醒を即す。そして世界的な革命運動へとつながってゆく。




南太平洋のサンディ島の場合は出現せずに「消えた」(かもしれない)わけですが、仮に今回のインド洋ほどの数百メートル規模の海底の変動が繰り返し起きるのなら、「新しい島が隆起する」という可能性もあるのかもしれません。


そういえば、2年以上前の過去記事ですが、インドネシアで「新しい島が出現した」という現地の報道がありました。ホントに新しい島なのかどうかは不明ですが、現地の人々はそう言っていたそうです。

下の記事と写真です。
写真はイメージ写真の可能性もありますが、当時の報道にあったものをそのまま掲載しています。

インドネシアのバリ島海域に新しい島が突如隆起
 2010年11月14日



▲ 2010年11月に、インドネシアのバリ州ジュンブラナ県の海域に突然現れた山。


map-11-14-2012-12-02.gif

その時の場所を地図で見直してみましたら、上の「A」なんですが、今回の海底隆起の場所のすぐ近くだったようです。今回の場所には★をつけました、



そんなわけで、場合によっては今後いろいろとありそうなこのあたりですが、以下、この観測ポイントで作業員が謎の死を起こしたことに関しての記事です。



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2012年12月03日



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apollo-16-glass-01.jpg

▲ 1972年にアポロ16号のクルーにより月の土壌の中からドリル採掘により採取された石。材質はほぼガラス。NASA の月の採取物に関しての公文書より。
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キュリオシティの2度目の火星の土壌分析の中で、何が見つかり、何が見つからなかったのか


先日の記事「インド軍が対峙するものは何か?: 印中国境の UFO 目撃地帯は「北緯 33度線上」だった」の冒頭で、 NASA が無人火星探査機キュリオシティの火星での発見についての「噂」を否定したということをご紹介しました。

その時には報道ベースの事実関係だけを記したのですが、実際に火星で働いているのはキュリオシティで、そのキュリオシティの「ミッションの進行」と照らし合わせると、単なる推測ですが、「 NASA の内部で何らかの意見の食い違いが起きている」ということも考えられます。

意見の食い違いというか、かつての無人探査機バイキングの時と同じような「ひとつの結論が導き出せない」というような意味です。

NASA は、 11月24日頃に「歴史的な発見」というニュアンスを漂わせた後、11月29日に「そんなのは誤解ですよ」と意見を翻したのですが、 11月くらいに行われていたキュリオシティの検査プロジェクトでは、リリースされた写真を見る限り、火星の土壌の調査、あるいは「再調査」がおこなわれていた頃だったようです。

mars-11-11.jpg

NASA の検査状況報告ページより。


この「火星の土壌調査」なんですが、実はキュリオシティが火星に到着して以来、その写真で土壌についてはいろいろと考えさせられるところは多かった部分もあるものでした。

火星での土壌調査には大ざっぱに、

・地表を写真撮影して、そののデータを送信する

・SAM と呼ばれる火星サンプル分析装置(Sample Analysis at Mars )による分析


にわかれるようです。

SAM は、採取した土を、キュリオシティに搭載されている皿みたいなものに載せてそこで分析するもののようです。仕組みはよく知らないですが、キュリオシティの写真にはこの「 SAM の皿」がよく映り込んでいます。

sam-sara-001.jpg

▲ キュリオシティの火星サンプル分析装置「 SAM 」による土壌分析。


そして、キュリオシティが火星の砂を掘ったりするたびに、驚くべき・・・というほどのことではないかもしれないですが、想像外の光景に出くわします。

下はそれぞれキュリオシティが送信してきた火星の土壌の写真です。

写真につけた番号は NASA がすべての火星の無人探査写真につけている管理ナンバーで、これで実物を検索することができますので、すべてにつけておきます。



キュリオシティが調査した火星の土の写真


写真番号 0073MH0086001000C0_DXXX

orange.jpg




写真番号 CR0_405467824EDR_F0050104CCAM01089M

but.jpg




写真番号 0074ML0501000000E1_DXXX

(注)キュリオシティが砂を掘ったあと表面の下は青くなっていることがわかります。少なくともこの部分は、砂の表面とそのすぐ下の土壌の組成が違うということのよう。

blue-001.jpg




写真番号 0069MH0080001000E1_DXXX

red.jpg




写真番号 0065MH0039003000E1_DXXX


white-001.jpg




など、NASA の言う「有機物の何もない火星」というには、赤から青からオレンジまで実に様々な「色」が土壌としてそこにあることがわかります。

地球の場合、「自然の中の色」というものの多くがどのようにして生じるものかというと、一概には言えないものの、最も大きな理由は、有機物や微生物など生命によるものが多いと思われます。無機物だけでも多彩な色が作られるものなのかもしれないですけれど、「無機物だけの世界」でどのくらいの色というものが存在し得るのかは、私にはその知識はないですのでわからないのです。


いずれにしても、この「土壌の検査」をキュリオシティは繰り返しおこなっていて、その見解についての何らかのゴタゴタは NASA に存在していると思います。

それは、過去記事の、


NASA の火星無人探査計画が無駄な理由: 1976年にバイキングがおこなった火星地表の質量分析から 36年経って進化しない観念
 2012年08月12日


に、「1976年の NASA の無人火星探査機バイキングの実験」についてのことを書きましたが、詳細は上をご参照いただくとして、当時、


・LR実験という実験では有機物があることを示した

・GC・MS実験という実験では有機物が存在しないことを示した


ということになり、当時の NASA では統一した結果は出なかったようです。


その後、10年間研究は続けられて、バイキング計画の研究員だったG・V・レヴィン博士と、P・A・ストラート博士は、 1986年になって、

「バイキングの実験は、火星に生物がいることを示している」

という結論に達したのですが、この意見はほとんど報じられないまま、そして、今もキュリオシティに同じような轍を踏ませようとしている感じがします。


しかし、いずれにしても、 2010年の地球の新しい生物騒動も、今回のフライングにしても、そろそろ、こういうやり方だけではみんな振り向かなくなるような気もしないでもありません。

そんなことを考えている時に、「月のガラス球」のことを思い出しましたので、簡単にご紹介しておきます。

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2012年12月02日



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ふたたび何かに導かれて 33度線の旅へと


今回はもともと別の記事を書いていたんですけど、前回の記事、

インド軍が対峙するものは何か?: 印中国境の UFO 目撃地帯は「北緯 33度線上」だった
 2012年12月01日

の「 33度」のことも気になっていて、今日ちょくちょく Google Earth などを見ていたのですが、それでメモしていったことを積み上げると、ちょっと前振りとして書くには長いかもと思い、これはこれで記事として単独でアップすることにしました。

まあ、この「北緯 33度」という話自体が、ベースとなる概念がオカルトやら陰謀史観とかなので、娯楽的な意味合いで捕らえていただいたほうがよろしいかと思います。


まず、過去記事の「Google Earth 上で北緯 33度の旅をする」でもふれた、「北緯 33度線上にはどんな都市があるか」ということをもう一度振り返りたいと思います。

その前に、「そもそもどうして 33度なんてことに意味があるのか」ということなんですが、これはいわゆるイルミナティやフリーメーソンといったようなものと関係する陰謀史観の話で、私は詳しくないので、前述しましたロシアのプラウダの記事からその部分を抜粋しておきます。

ロシアのプラウダ紙は今は基本的に「反米」の姿勢を鮮明にしている感じがとても強いです。


神秘主義と、北緯33度上の災い
プラウダ (ロシア) 2012.08.27 より。

確かに北緯 33度は、現代の社会の中で非常に大きな役割を演じている。(中略)

この「 33」の数字の意味は、フリーメーソンの階級の中で最も高い階層を示す。

これは 11と 22を足したものであり、そして、宇宙とスピリチュアルの王が満たされている「ダンテの神曲」の数でもある。これらのすべては歴史の中の新しい世界秩序(New World Order)のキーナンバーだ。

アメリカの歴史の中でも非常に「神々しい大統領」として知られるジョージ・H・ブッシュが、石油メジャーと、フリーメーソンの上位階級にいたフランスのミッテラン元大統領が含まれるヨーロッパの社会党と協力するという意向を示した後、西側の勢力は、戦争、戦争、また戦争という状態へ突入していった。

それは、人権と民主主義という大きな大義名分の名のもとで、カダフィの処刑や、シリアの破壊、そしてバグダッドの占領も含まれる。さらには、イランも将来的に破壊される可能性もある。



というようなことで、北緯33度線上ではいろいろな「災いが起きた」ということをプラウダの記者は書いています。この記者の書いた「災いの起きた地名」は、

・トリポリ(リビア)
・ダマスカス(シリア)
・カシミール(インド)
・チベット
・長崎(日本)
・アフガニスタン

というような地名を上げていますが、他に、イラン、ヨルダン川西域、ベイルート、エルサレム、イラクのバグダッド、チュニジアやカサブランカも 33度線上にあります。

下にそれらの場所を Google Earth の表示で示しておきます。
「 N 33°」とあるところの線が北緯 33度線です。

w-33map-01.png

w-33-map-02.png


というように、確かにここ数年、非常に「いろいろなことが起きた場所」が多く含まれます。世界の戦争紛争の報道のかなりの多くの部分がこの地域でのものだったのではないでしょうか。

ロシアのプラウダの記者は「これらは陰謀と関係している」と言いたいようです。まあ、実際のところはどうなのか私は知らないですけれど。




ソルトン湖とメッカと高知


さて、Goole Earth で他の北緯33度線上を見ていましたら、下の地図の場所に行き当たりました。

solton-33.jpg


この「ソルトン湖」というのが何かというと、アメリカのカリフォルニア州にあるいわくのある湖なんです。

今年の夏以降の記事で何度かご紹介したことがあります。

もともとは、「カリフォルニア州の広範囲で異臭(腐臭)がする」という報道が大々的になされ、その原因はソルトン湖ではないのかというようなものから始まった話でした。

過去記事では下の3つの順番で登場します。






▲ ソルトン湖の位置。


このことで知ったことで面白いと思ったのは、このアメリカの湖沿いには「メッカ」という名前の町があるのです。その米国のメッカは、Google Earth で見てみると、「ほぼ北緯 33.33度」という場所にあるのでした。

mecca-33.jpg


日本の高知市には、「北緯33度33分33秒」の場所があり、そのウェブサイトもありますが、緯度ではそれとほぼ同じ位置にあるようです。


まあ・・・どうでもいいことですが、私の父方の祖父は四国の高知の出身なんですね。その高知でヤクザ(テキヤ)でした。そして昭和か大正の時代に流れ流れて最果ての北海道に行き着いたわけですが、その「素行の悪い血」も私は隔世遺伝で正確に受け継ぎつつ、同時に「高知の血」というものも私には流れているんです。

いずれにしても、33度なんていう大した意味のなさそうになことにこんなに取り憑かれているのも、「33度の土地である高知」の血というようなものが私を突き動かしているのかもしれません。


ちなみに、このソルトン湖というのは、その領域の中に「超巨大な火山」を持っています。「メッカのソルトン湖に地下に眠る巨大火山に関しての追記」という記事から抜粋します。


ソルトンの火山は約 40万年前に噴火し、その後、 1万 8千年前まで小康状態だったと考えられている。最も最近の噴火は約 9,000年前。

ソルトン山の噴火の予測を立てるためのデータは現在のところはまだ不十分だ。しかし、この地域の高い熱放出と、このソルトン山の比較的若い年齢から見て、将来的な噴火が予測されている。



ということで、古代の巨大火山のある場所であると同時に、このソルトン湖の周辺もまた「いつか劇的な地殻変動を起こす場所」でもあると思われます。もちろん、「いつか」であり、何万年後かもしれませんし、来月かもしれませんし、それはわかりません。

最近、かつて巨大噴火を起こしたと考えられている下の「7つの超巨大火山」の場所の「位置関係」などに興味があります。それぞれの後ろに関係記事のリンクをつけました。


7つの超巨大火山

1.イタリア・セージア渓谷 (リンク
2.米国イエローストーン (リンク
3.薩摩硫黄島 (リンク
4.インドネシア・トバ火山 (リンク
5.ニュージーランド北島のカルデラ群 (リンク
6.シャツキー海台 (リンク
7.オントンジャワ海台 (リンク


ところで、上のソルトン湖が出てきた最初の記事は「赤く染まるユーラシア大陸最大の川」というもので、そこでは「赤く染まった中国の長江」のニュースがメインでした。

この「赤い川」や「赤い雨」は繰り返しこのブログに出ているのですが、最初に記事にしたのは、今思い出すと「北緯33度線上」での出来事だったこと今になって知ります。


今年の2月に「血の川の出現:原因不明の理由で真っ赤に染まったベイルートの川」という記事をご紹介しましたが、その場所は今見てみると、33度上です。



▲ 2012年2月に赤く染まったベイルートの川。

下の地図がその周辺と「33度」の位置関係で、ほとんどすべて33度上です。

b-33.png


その記事では、、旧約聖書の「出エジプト記」の以下の部分を抜粋しました。


モーセとアロンは、十の災いを示した。

杖でナイルの川の水を打つと川は、血の色に染まり飲めなくなった。
次に蛙の大群が押し寄せ エジプト人の体と家を覆い しらみとアブが大発生して 家畜や人を襲い疫病が蔓延した。

人と獣に膿をもつ腫れ物ができ 空からは雷鳴と供に激しく雹が降り 畑の作物と木々を打ち砕いた。イナゴの猛威は、全てを食いつくし 最後は、伝染病により ファラオから奴隷、家畜に至るまでその初子は全て死に絶えたのであった。



確かに川や海の水が赤くなる場合は、藻や、あるいは藻以外の微生物などが大繁殖している場合が多く、毒性のあるないは別としても「赤い水は飲めない」ということにはなると思います。

あと、まあ・・・虫。

これもいろいろと書きたいことはあるのですが、どんどん話が逸脱しますので、今回は「赤まで」ということにしておきたいと思います。



空の雲の形もどうなっちゃってるんだか

ところで、最近、空にいわゆる「短い飛行機雲みたいに見えるけど、やっぱり冷静に見れば変な形の雲」がたくさん蝟集しているのを見ます。中には飛行機雲なのに、渦巻いたりしているのもあったり。

下のは今日ベランダから撮ったものですが、こんなタツノコみたいな雲が毎日空のあちこちでユラユラしてる。下の時も、他の場所で何カ所かキノコみたいに漂っていました。

cloud-12-02.jpg


夕焼けの時はこれらが赤く染まって、いろいろなところで飛び回っている感じで。
昨年まではそんなに見なかったですけどね。

原理としては理由はあるのだろうから、上空の大気の流れも何か違うことになっているのかも。

あるいは、このあたりは軍事基地が多いから、そういうのも関係あるのかも。ここはすぐ裏が米軍の所沢通信基地で、少し先には自衛隊の入間基地があり、軍用機が低空を飛ぶ頻繁さでは、日本でも上位だと思います。



  

2012年12月01日



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▲ インド中国の国境地点。左の制服の男性は中国の国境警備兵で、右の華やかな衣装の人は、インド・チベット国境警察隊。格好は楽しそうですが、このあたりはインドの最重要防衛地点のひとつで、精鋭です。
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最初に、最近の記事の絡みで「やや残念な追加報告」をしておきたいと思います。



NASA ジェット推進研究所を巡る「世界中の超唖然」

先日、

NASA が 12月7日前後に行うと思われる「火星の生命についての歴史的発見」の報道を見て
 2012年11月25日

という記事を書きました。

火星で、「歴史的な発見があったかもしれない」ということを示唆する NASA のスタッフの発言についてのものです。単純にいうと、生命か有機化合物が見つかったということを「匂わす」ようなものでした。

このニュースはまたたく間に世界中に広まり、米国の WIRED が「火星の土に有機物か:「歴史的な分析結果」発表へ」という記事を掲載した他、世界中の宇宙関係、ミステリー関係のサイトやブログで取り上げられたものでした。

私も上のように紹介しているわけで。

そんな中でリリースされた、一昨日 11月29日の NASA ジェット推進研究所のニュース。
ジェット推進研究所は、キュリオシティなど火星探査を統括しています。

jpl-11-29.jpg

▲ NASA ジェット推進研究所のトップページより。赤い線を引いた前後をご紹介しています。



Update Set in San Francisco About Curiosity Mars Rover
NASA JPL 2012.11.29

アメリカ地球物理学連合のサンフランシスコでの秋季会合に向けて

12月3日から開催されるアメリカ地球物理学連合の会合で、キュリオシティに関しての報告がなされる。

ところで、現在出回っている噂について、その噂が間違っているということを記しておきたい。現段階では、キュリオシティが採取した土壌からは有機化合物が検出されたという証拠は出ていない。



そして、これに前後しておこなわれたというインタビューでは、VOR によると、前回、「歴史的な」と発言したジェット推進研究所のキュリオシティ責任者のジョン・グロッツィナー博士 ( John Grotziner )は、以下のように言ったとのことです。


「歴史的」というのは誤解に基づくものであり、「歴史的」とされたのはこのプロジェクト自体だという。しかし、取材した記者たちは最近採取されたサンプルが「歴史的」だと誤って理解して今回の騒動となった。



これを読んで、「やりおった・・・」と思ったのは私だけではないはず。

グロッツィナー博士は、「あれはさあ・・・キュリオシティ計画そのものが歴史的なものだと言っただけだよ」と述べたわけです(笑)。


まあ、記者の誤解にせよ何にせよ、上のグロッツィナー博士の発言はまさに「全世界」で報道されたわけで、どうやら・・・こういう書き方はよくないとは思うのですが、あえて書かせていただけば、私も含めて「宣伝に使われてしまった」ようです。前回の「歴史的発見」の報道以来、 NASA のジェット推進研究所へのアクセスは急増していたはず。何しろ、「12月3日から始まるアメリカ物理学会の会議の後に正式に発表する」と言っていたのですから。


天罰として、「桃太郎侍」などをNASA ジェット推進所に派遣したい気持ちもありますが、いずれにしても、「火星には何もないことが再度確認されたという報道があった」ということを一応書いておかないと、前回の記事を取り上げた私の責任もありますので、記しておきました。


さて、それでは次の話題です。


momo.jpg


いや・・・桃太郎侍は今回はいいです。
次の話題にいきます。


というか、こちらが本題になると思います。

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