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2013年04月27日



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ベテルギウスに爆発の兆候? : ベテルギウスの可視面積の5倍に相当する「超巨大な謎の高温の領域」が確認される



そして、観測可能な宇宙では 30秒に1度の割合で超新星爆発が起き続けている

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▲ ふたつの高温の斑点が発見されたベテルギウスの最新画像。 Daily Galaxy より。






 

ベテルギウスが見せ始めている「何らかの新しい動き」の結末は?


2年くらい前に、ベテルギウスという巨大な恒星が超新星爆発という現象を起こすのではないかという学説に対して、「ベテルギウスが爆発した場合、地球から太陽が2つ見えるような状態になるのではないか」というようなことが海外の記事で人気となっていて、この In Deep でもご紹介したことがあります。

ペアの太陽 - 「2012年ベテルギウス超新星爆発の予測」に関しての大騒動
 2011年01月22日

下のは想像図ですが、「このように見えるのではないか」というものを作成したイメージです。





今回は、そのベテルギウスで巨大な高温の領域が確認されたという報道が、海外の科学系サイトで一斉に報じられていましたので、翻訳してご紹介します。



ベテルギウスの概要

ところで、ベテルギウスだとか超新星爆発だとか、耳にされたことのない方には何が何やらわからないということもあるでしょうし(2年前に上の記事を書いた時の私もどちらの言葉も知りませんでした)、どちらも Wikipedia から冒頭部分などを抜粋しておきます。

ちなみに、どちらも「仮説」と「推測」であるということはハッキリと認識されてくださったほうがよろしいと思います。今回の翻訳記事にも出てきますが、現在の地球の天文科学は、巨大な星のメカニズムも超新星爆発というものの概念も実際にはわからないことばかりです。


ベテルギウス

ベテルギウスは、地球周辺で近い将来(今日〜100万年後)にII型超新星爆発を起こすであろう赤色超巨星の一つに挙げられている。

2009年時点のベテルギウスは、15年前の測定時と比べると15%も小さくなっており、しかも加速的に収縮しているらしいことがわかった。ベテルギウスは超新星爆発がいつ起きてもおかしくない赤色超巨星であるが、最近の観測結果の変化が、近い将来の超新星爆発の前兆現象を捉えているのかどうかは定かではない。





超新星(爆発)

超新星は、大質量の恒星が、その一生を終えるときに起こす大規模な爆発現象である。

現在、超新星爆発は我々が住んでいる銀河系の中で、100年から200年に一度の割合で発生していると言われている。また、平均すると1つの銀河で40年に1回程度の割合で発生すると考えられている。



さて、そのベテルギウスの大きさですが、数値を並べてもよくわからないと思いますので、下の比較図が感覚的にわかりやすい気がします。




ゴマ粒(太陽)と大玉スイカ(ベテルギウス)くらいの大きさの差があります。


そして、すごいのは、今回の「高温の領域」というのが、ベテルギウスの目に見える表面部分の5倍以上の大気の面積にわたっているということです。

下の図は、ベテルギウスの最新画像に、ベテルギウスの周囲の軌道を入れたものですが、太陽系「的」な感じで考えていただければいいかとも思います。色が薄くなれはなるほど高温の領域となっています。

相当な範囲での高温域がベテルギウスの周辺に形成されているようです。

bet-002.jpg


なんだか、これを見ると、私などの素人などは「これって爆発の始まりなんじゃないの?」という感じさえもするのですが、観測継続中ということです。


ところで、上の Wikipedia の「超新星」の中に、


現在、超新星爆発は我々が住んでいる銀河系の中で、100年から200年に一度の割合で発生していると言われている。



という部分がありますが、NASAゴダード宇宙飛行センターのリチャード・ムショツキー博士という人の言葉がデイリーギャラクシーに出ていて、現在、観測できる銀河は 1000億あるので、そこから計算すると、


「観測可能な宇宙で 30秒に1度の割合で超新星爆発が起きている」(リチャード博士)


とのことだそうです。

そんなわけで、宇宙ではごく普通のことのようですので、あまりイベント視せずに、仮に太陽が「ふたつ」見えたら、その光景を楽しめばいいのかなと最近は思います。

以前は、超新星爆発によるガンマ線バーストという現象により、地球上の生命が絶滅するのではないかとも言われていましたが、しかし考えれば、ガンマ線バーストなんかは地球は日常的に受けているわけで、逆の言い方をすれば、「地球上は常に自然の放射線だらけ」です。


なので、そんなものでいかなる地球の生物も絶滅なんてしません。


もちろん、そもそも超新星爆発という理論自体が、現代宇宙モデル、つまりビッグバン理論を根にしているものですので、私自身は宇宙のいろいろな場所で観測されている大爆発が超新星爆発という理論で説明できるものかどうかは疑念を持ってはいます。

しかし、そこにふれると話がこじれることですので、ここでは「超新星爆発」ということで、統一した言葉を使っています。

このあたりの私の最近の、現代の科学に対して「消えた希望」についてを、最近の記事の、


地球の歴史の中での「最低の理念の科学」の現代でも、それと関係なく人類の進化は起きると考えることについて
 2013年04月22日


などにも書いていて、私自身は今の世の中の「人類と宇宙の関係の価値観」が好転することはないようにも思っていますが、それが必ずしも悪いことだとも思いません。

そういう文明もまた「長い地球の歴史の中ではアリ」なのかなとも思います。

負の遺産」というものは歴史の中で必要なものだと私は思います。今がそれです。たしえば、ほんの数十年の短い歴史の中にも「学習すべき負の遺産」はあるわけで、もう少し長い単位での現在の 2000年単位での文明を「まとめて負の遺産」とする私の考えは確かにネガティブですけれど、この文明はあとの人の役にたつかもしれない。

「あのようになってはいけない」と。



まあ、それはともかく、地球上には長い歴史の中で、数々の文明がこれまであって、そして、永遠に残っている文明はひとつもありません。ここにオカルトの話を入れれば、超古代の文明などを含めても、やはり残っていません。

文明はいつかは必ず消えるもののようです。
それだけにいろいろあっていいのかなと。


というわけで、あまり無駄話が長くならないうちに、ここから翻訳に移ります。
なお、記事にありますが、ベテルギウスは肉眼でも見える星だそう。





Mysterious Hot Spots Observed In A Cool Red Supergiant Betelgeuse
Ideas, Inventions And Innovations 2013.04.24

赤色超巨星ベテルギウスに謎の高温のスポットが観測される


ベテルギウスの最新の画像

bet-001.jpg


天文学者たちが地球に最も近い赤色超巨星のひとつであるベテルギウスの外側の大気の新しい写真を発表した。

英国のマンチェスター大学にあるジョドレルバンク天文台の e-MERLIN 電波望遠鏡によって撮影されたその新しい写真では、ベテルギウスの大気に驚くほどの高温のガスの領域があることが示されている。

ベテルギウスは非常に明るい恒星で、オリオン座の斜め上の赤い星として、肉眼で簡単に見ることができる。

そのベテルギウスは、私たちの太陽よりも何千倍もの大きさを持つ超巨大な恒星であるが、約 650光年の距離の中で、それは空に小さなドットとして示される。



ジョドレルバンク天文台のロヴェル望遠鏡( Lovell Telescope )と肉眼で見えるベテルギウス

bet-003.jpg



英国王立天文学会が発行するマンスリー・ノーティス・オブ・ザ・ロイヤル・アストロノミカル・ソサイエティ( Monthly Notices of the Royal Astronomical Society )によると、今回 e-MERLIN 電波望遠鏡がとらえたベテルギウスの新しい画像で、この謎の高温の領域はベテルギウスの表面の大きさよりも5倍の範囲まで拡大しており、2つの高温領域(ホットスポット)と、外側の冷たいガスの弧の様子が明らかとなった。

ホットスポットは、ベテルギウスの約半分程度で分離しており、観測では 4,000〜 5,000ケルビン程度の温度を持っており、これはベテルギウスの電離層表面の温度(約 1,200ケルビン)よりもはるかに高く、また、観測できる表面の温度( 3,600ケルビン)よりも高い。

冷たいガスの弧は星から約 74億キロ離れて位置している。 この距離は、太陽系で例えれば、太陽から最も遠い冥王星と太陽の距離程度だ。冷たいガスの弧は約 150ケルビンの温度と質量を有すると推定される。



(訳者注) ケルビンという単位はわかりにくいですので、この世のいろいろなもののケルビン単位での温度の比較の表を貼っておきます。

kelvin.jpg


上の表では、今回のベテルギウスの高温の領域の温度は、太陽光よりやや低いくらいのもののようです。




観測チームのリーダーであるマンチェスター大学のアニータ・リチャーズ( Anita Richards )博士によると、この高温の領域が存在する理由は今のところよくわからないという。

博士は以下のように述べた。

「ひとつの可能性として、ベテルギウスのような脈動変光星(膨張と収縮を繰り返すことにより明るさが変化する星)では、その外側の層での対流によって引き起こされる衝撃波が、圧縮ガスを過熱しているのではないかということも考えられます。他にも理由は考えられますが、現時点では明確な理由は不明です」。

ベテルギウスのような超巨星についてのことは、宇宙の星間物質や、宇宙の物質のサイクルの解明において重要な役割にもかかわらず、超巨星のメカニズムはあまり解明されていない。

ここで紹介するもののような大質量の星の周辺領域の高解像度での観測による詳細な研究は、超巨星の理解の向上に不可欠なものだ。

リチャーズ博士は以下のように付け加えた。

「ベテルギウスは次の世代の星の生成の時代に入っているとみられます。そして、3年ごとに地球の質量に相当する風(磁気の流れ)を生成しています。これらを解明することは恒星天文学の大きな課題のひとつです」。

「そして、今回の写真は、星の中心から高温領域までを示した初めての画像となります。ベテルギウスの電波やマイクロ波の観測を継続することは、そこに豊富に含まれている構成要素が次の恒星の生成のビルディングブロックとしてどのように働くかを知ることになります。そして、ベテルギウスが超新星爆発を起こす前までに、それまでの期間がどのくらいなのかを推測することに役立つ可能性があるかもしれません」。






  

2013年04月24日



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関連記事:
21世紀のパンデミック: ウイルスが人を選ぶのか? 人がウイルスを選ぶのか?
21世紀のパンデミック(2): 中国当局がネット上での「噂」を厳しく取り締まる理由
「インフルエンザウイルスはヒトからヒトへ感染していくものではなく、宇宙から個人に直接感染するものである」という説を今一度思い出し







 


WHO とネイチャーの「今後の感染拡大のルート」の見方


科学誌ネイチャーのウェブサイトの今日の記事に「H7N9 鳥インフルエンザの感染地図。そして、今後はどのようになっていくか」というようなタイトルの記事がありました。

それをご紹介しようと思いますが、その記事には、

・現在の感染者状況

・今後、患者数が拡大していくとした場合の拡がり方の予測

・航空機などでの拡がり方の予測


などの「図」が出ていました。


それらは「インフルエンザがヒトからヒトへと感染していく」という立場からのリスク予想マップなんですが、記事の図を先に載せておきます。

共にネイチャーの記事(英語)からです。

H7N9 患者の現在(2013年4月23日)の発生状況

h7n9-001.jpg

▲ 赤いところが H7N9 患者の発生地域。




H7N9 は次にどのように移動する?

h7n9-002.jpg

▲ 濃い茶色がリスクの高いとされた地域。黄色がリスクのある地域。それ以外はリスクが少ないとされた地域。



上図は「ヒトからヒトへと感染していく」としての予測図であるわけですけれど、先日、


「インフルエンザウイルスはヒトからヒトへ感染していくものではなく、宇宙から個人に直接感染するものである」という説を今一度思い出し
 2013年04月19日


という記事に書きましたように、私はインフルエンザ・ウイルスがヒトからヒトにうつるということを信じません

少なくとも、「空気感染」でのヒトからヒトへの感染はないと思います。

なぜなら風邪でさえヒトからヒトへの空気感染の確率は「0%」に近い可能性が高いからです。

この「風邪のヒトからヒトへの空気感染率が0%の可能性が高い」ことは、

「私たちはひとりではない」と語り続けるチャンドラ博士が隕石から見つけたエイリアンの化石
 2013年01月25日

という記事の中で、ちょっとだけふれていますが、 NHK の「ためしてガッテン」という番組の中で、「できるだけここは視聴者には忘れてほしい」というような感じで手短でしたが、アメリカでの実験結果を説明していました。

ただ、風邪はヒトからヒトへ「体液(接触)感染」はするということも同時に実験で確かめられていますので、インフルエンザもあるいは、ヒトからヒトへの接触感染というものはあり得るのかもしれません。


それでも、「「インフルエンザウイルスはヒトからヒトへ感染していくものではなく、宇宙から個人に直接感染するもの」という説を一義的に考えると、仮に今後インフルエンザが感染拡大していくにしても、上のネイチャーとは違うルートになっていくと思われます(最終的には世界全体に感染拡大した場合でも「最初のルート」という意味で)。

その予測を書いておきます。

ただ、私自身はこの H7N9 というものがパンデミックの「本番」とはあまり思っていません。「変異」も含めて、まだ親分級が控えているような気もいたします。





パンスペルミア説からのインフルエンザの拡大予測


感染ルートの予測のヒントは、こちらの記事で抜粋したフレッド・ホイル博士の記述の、


成層圏には弱い垂直方向の気流があり、これがウイルスの降下を助けている。

この気流を作り出しているのは、赤道と極地方との温度差であり、これが大きいほど気流は強くなる。したがって、緯度にして 40度から 60度の範囲では、冬に(北半球の中緯度地方では2月から3月にかけて、南半球では7月から9月にかけて)大規模な下降気流が発生することになる。

冬の下降気流にのったウイルス粒子は、雨や雪とともに地上に落ちてきて、動植物に出会うだろう。特に、ちょうど成層圏程度の高さのヒマラヤ山脈は、北緯 30度付近のウイルス流入の窓口となり、人口の多い中国や東南アジアで大きな被害を出す要因になっているはずだ。その後、ウイルスがどの地方に落ちるかは、大気の循環の季節的な要素によって変わってくると思われる。



という部分です。

今年は、この北半球の多くの地域で気温が低い状態が続いているので、例年の2月から3月の状態は今でも継続しているか、あるいは今後も続くと考えると、

 > 緯度にして 40度から 60度

には、しばらくの間、「大規模な下降気流」が発生し、つまり、「高層にあるウイルスが地上へ降りやすくなる状態が続く」と考えられます。

地図で説明しますと、下で赤丸で囲んだ地域に大規模な下降気流が現在もなお発生し続けているのではないかと思われます。

30-60-ryunyu.png



ウイルスはこの下降気流で下がってくると共に、ジェット気流や偏西風で東に運ばれます

現在のジェット気流と偏西風の状況をジェット解析図・偏西風蛇行図というサイトで確かめてみますと、下のような状況になっています。
この位置は日々変わります。

ジェット気流

jet-0422.gif



偏西風

imgout-hen-2013-04.gif

▲ オリジナルの図は、ジェット解析図・偏西風蛇行図より拝借させていただいています。



中国での感染拡大地域が、もう少し中国の北部(上)、あるいは北朝鮮などに拡大した場合、それはそこにすでにウイルスが存在するということを証明していると考えますと、ジェット気流はそのまま日本列島を通っていっていますので、ウイルスは「日本へも当日のうちに到達する」と思われます。

ただ、ホイル博士が記していますように、


> その後、ウイルスがどの地方に落ちるかは、大気の循環の季節的な要素によって変わってくると思われる。



ということで、いつ日本にウイルスが地表に落下してくるかはわかりませんし、そして、問題の「それがヒトに感染するかどうか」ということもまったくわかりません


まあしかし、中国の現状を見ている限り、感染力が強いとは思いませんので、現時点ではそれほど心配するものではないと思います。ただし、「ウイルスが強い感染力を持つもの」である場合は、中国の状況は、そのまま日本の状況となると考えてもいいのかもしれません。


そもそも、仮にパンスペルミア的な感染ではなくても、中国と日本も含めて、アジアは「空間を共有している」ようなものですので、拡大し始めたら早いとは思います。

また、いわゆるよく言われている「ウイルスが強力な感染力を獲得していく」というような進化をするのならば、ウイルスそのものも今後変わっていく可能性もあるのかもしれません。


それではここから、ネイチャーの記事より。今後の感染の予測ルートは、私には馴染めないものですが、現状のことはとてもわかりやすく書かれているので、読む価値はあります。





Mapping the H7N9 avian flu outbreaks
ネイチャー 2013.04.24


H7N9 鳥インフルエンザのマッピング

これまで報告された 104人の鳥インフルエンザの患者の報告された位置と、次にウイルスが行くかもしれないとしたらどこへ向かう?


中国で H7N9 鳥インフルエンザウイルスのヒトの感染例が拡大している。しかし、科学者たちは現在のところ、その感染ルートを解明していない。あるいは、なぜ散発的な地域でヒトの症例が出現しているのかをまだ理解していない。

しかし、リスクマッピングという鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染の地理的な広がりの可能性を示した地図が、何か手がかりを提供するかもしれない。

H7N9 患者のほとんどが上海周辺の中国東部沿岸地域に集中しているのは相変わらずだか、その後、北京でも検出され、さらに中国中央部の河南省でも鳥インフルエンザに感染した患者が見つかった。

H7N9 鳥インフルエンザウイルスのヒト感染が最初に報告されたのは 3月31日のことで、中国東部の安徽省とその隣の省から報告されたものだった。

そして 4月22日の時点で、世界保健機関( WHO )は 21人の死者を含む 104人の鳥インフルエンザの患者を確認した。ウイルスは中央だけでなく北京、河南省、近隣の江蘇省、浙江省へと地理的範囲を拡大させている。

4月23日の中国の国営新華社通信は、上海と北京の間の中間の都市で、山東省でも鳥インフルエンザが確認されたことを報告した。

鳥インフルエンザのヒト感染の連鎖を食い止めるためには、何より科学者たちは、ウイルスの感染源、および、それが人間に感染したルートを識別する必要がある。

世間では、鳥などの家禽類からの感染ルートが喧伝されているが、これまでのところ、家禽類においての動物テストでは、ウイルスの優位なレベルを検出することはできていないのが現状だ。

もちろん、中国には60億以上の数の家禽類がおり、それらのすべての数から見れば、現在までにおこなっているサンプルの試験数は効果的な方法とは程遠い。それに加えて、渡り鳥など野生の動物が数多くいる。

現在、 H7N9 の拡散の危険因子まだわかっていないが、2003年以来、622人の患者が確認されており、 371人が死亡した H5N1 ウイルスの分析が、H7N9の分析の手助けとなるかもしれない。これは、科学者や保健当局が監視と感染のコントロールをするために役立つと思われる。

H5N1の感染からマッピングした、家禽貿易ルート、輸送される鳥の数、鳥市場の分布とその供給ルート、水鳥の数字、土地の人口密度など多くの潜在的に重要な要因を組み合わせて作ったのが、リスクマップだ。


(訳者注) 上に載せたものですがこれだけ再掲します。

h7n9-002.jpg


濃い茶色の部分がリスクの高い地域で、黄色はそれに続く。
青い部分のリスクは少ない地域とされる。




他のウイルスの感染ルートも?

新種のウイルス H7N9 は変異により H5N1 より鳥から人間に感染拡大しやすい。鳥と哺乳類の集団と人間との距離の近さもあり、ヒトを含む哺乳動物へのさらなるウイルスの適応進化の可能性もある。

国際研究者チームは、中国やアジアの多くの地域で鶏、豚と人間の密度を示す地図をコンパイルした。そこには 1億 3,100万人の人間と、2億4,000万羽の鶏、そして、 4,700万羽のアヒルと 2,200万頭の豚が 4月16日までに発生していた H7N9 のヒトの感染者の 各50キロの半径内に住んでいる計算となった(下図)。


avian-0422.jpg




また、ヒト感染が発生した地域からは、飛行ルートにより、すぐにヨーロッパ、北米、アジアの巨大な人口密集地へヒト感染可能なウイルスを運ぶだろう。

flu-flight-routes-map.jpg

▲ 2時間以内での人の地域間の移動量を示した図。



現在までのところ H7N9 のヒトからヒトへの直接感染は確認されていない。しかし、何が起きた場合、ヒトからヒトへと感染するようになるのだろうか。

ベトナムのハノイにあるオックスフォード大学の臨床研究所( Oxford University Clinical Research Unit )の監督官であるジェレミー・ファーラー( Jeremy Farrar )博士は、「これは特別な努力によるものだが」として、 WHO を含む国際的な研究者たちが、過去数週間、中国の航空会社の乗客データを分析したことを述べた。

これにより、世界でリスクの高い地域が存在する可能性を示すかもしれないという考えによっての調査だ。

そして、オックスフォード大学臨床研究所のピーター・ホービー( Peter Horby )博士は以下のように記述している。

「中国以外の地域で H7N9 の感染例が出現するのは、おそらく時間の問題だと思われる。その場合に、その感染が動物からヒトに感染したものか、あるいは、ヒトからヒトに感染したものかを慎重に、なおかつ迅速に評価する必要がある」。





ここまでです。

このようなわけで、感染の考え方は私とは違うものではありますけれど、専門家たちも、「中国以外に広がるのは時間の問題」だとしています。


ジェット気流と下降気流の兼ね合いによるので何ともいえないですが、普通に考えれば、中国の次に最初に出現するとしたら、朝鮮半島と日本だと思います。


あるいは、上に載せた偏西風の流れに沿った形で考えるのもわかりやすい気もします。

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感染について注意のしようはないですが、そのような拡大の仕方はあり得ると考えてもいいのかもしれません。





  

2013年04月22日



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evolution-timeline-chart-tree-theory.jpg







 

今朝のロシアのプラウダに「地球に進化論でいうマクロ進化は一切存在しなかった」というような文で終わる記事がありまして、まあ、なんとなく力強かったので、その記事をご紹介します。


ただまあ・・・その前に書いておきたいことがあります


基本的に私個人は現在の時代の科学は、地球の歴史上でも珍しいほど「真実とは遠いところに位置する科学」となってしまったと感じています。この間のパンデミック関係の記事で、私は、


残念ながら、今の科学の世界は「根元」が間違った方向の上(ビッグバンといわゆる進化論)にありますが、やはり残念ながら、それはもう是正できないと私は思っています。

もはや時間が足りないと思います。




と書きましたが、その「時間が足りない」というあたりも含めて、雑文となりそうですが、少し前振りで書いておきます。明るい話ではないですが、正直な思いです。



どれだけ新しい発見が続き、研究が進んでも「根」が間違いなら先へは進めない


今日のロシアの声に下のような見出しの記事がありました。

life-forever.jpg


地上の生命は地球の誕生に遥かに先行していた
VOR 2013.04.22

リチャード・ゴードン、アレクセイ・シャロフ両氏は「ムラ」という法則を用いて計算を行った。素人には難解な法則である。たとえば次のように用いられる。コンピューターの発展の歴史を知ろうという場合、最先端のものの詳細な分析を元に過去向きに計算していけば、その誕生は1960年代であった、ということになる。最初のコンピューターが現実に誕生した年代と符号するのだ。

現在の生命の複雑さを元に過去向きに辿っていけば、生命はおよそ97億年前に起こったのでなければならない。地球はたかだか45億年前に生れている。



見出しを見た時には、「お?」と思ったのですが、読んでみると、「生命はおよそ 97億年前に起こった」という単なる有限宇宙論の延長であり、やっばり今の科学なんかに期待してはいけないと襟を再度正すのでした。


ロシアは過去記事の、

私たちに残されたかすかな「破局の回避」の可能性のために(1): 「人類のひとりと宇宙は同一のもの」
 2013年03月24日

などでもふれたチジェフスキー博士などのいた「ロシア宇宙主義」という下のような理念を持つすぐれた宇宙科学と理念を持っていたことがあるわけで、いつも多少の期待を抱いてしまうところではありますけれど。

ロシア宇宙主義の理念の中のひとつは下のような理念です。


地球上の生命現象は、宇宙の「物理的な現象」とつながっている。

神経節のように、ひとつひとつの生きた細胞は宇宙の情報に感応し、大宇宙はこの情報を細胞のひとつひとつに浸透させている。



というような。
他にもいろいろとありますけれど。



▲ ロシアのアレクサンドル・チジェフスキー博士(1897 - 1964年)。


現在の・・・いわゆる科学といわれるものが、どうして今のように「奇妙なもの」となってしまったのかというのは、その理由のひとつに、


・真実の追求ではなく、名声をあげることが科学者の一義的な目的となってしまったから


ということはまあ・・・多少あるとは思います。

これを真っ向から否定できる科学者ご本人も少ないと思います。


あるいは、その土台となる科学界の「権威主義」と「階層的な科学組織」の力。

いつ頃からこれが始まったのかはよくわからないですが、西暦 1600年には、ジョルダーノ・ブルーノは「宇宙は無限だ」という自説を撤回しなかったために焼き殺されているわけで、少なくとも数百年前以上前からそういうものがあったようです。





上にも書きましたこちらの記事で、私は、


もはや時間が足りないと思います。



と書きましたが、この「時間が足りない」という感覚も、上の「権威主義」と「階層的な科学組織」の力と関係しています。


小さな問題ならともかく、進化論だとか現代宇宙モデル、あるいは、たとえば相対性理論のような「根本的な科学モデル」に修正が加えられるとした場合、それが下から上へと報告されて、上で決定されるまでの、報告、提出、会議、試験、判定、などの手間を考えると、何百年あっても、現在の「基本科学モデル」が別の方向に向かうには時間が足りないと思います。





アリストテレスの時代に変えられてしまったこの世

実際、この数十年は科学はその理念においては特に後退していて、アリストテレスの時代に「科学界で力のある人たち」が「地球と宇宙を切り離して」以降少しずつ後退した科学は、今とになり完全に「底」にまで行き着いたと考えてもいいように思います。

地球と宇宙が密接に結びついていることを科学の最大の基本として考えれば、いろいろな可能性はあったと思います。

たとえば、地震などを含めた災害についてさえも、かなり有効な解決方には近づけていた可能性はあります。

過去記事で、

3月11日の地震の前に観測された日本上空の赤外線と電子量の急激な変化
 2011年05月20日

というものをご紹介したことがありました。

NASA のゴダード宇宙飛行センターが公開したデータにより、「マグニチュード9の地震があった前日までに日本上空の赤外線量と電離層の電子量が増大したことがデータ上で確かめられた」という記事をご紹介したものでした。

下は上記の記事から「3月10日から3月12日までの赤外線のエネルギー量の変化」です。内容はここではふれませんので、詳細は記事をお読みいただくと幸いです。




これらの「巨大地震の前に高層大気でさまざまな変化が見られている」ということは、上のようなデータも含めて、たとえば、宇宙飛行士などの間でも「定説」として語られていたことを、やはり過去記事で書いたことがあります。

謎の「光る雲」がどんどん高度を落としてきている
 2012年06月26日

という記事の中盤にある「ロシアの宇宙飛行士たちが確信した「銀雲」と地球上の災害の関連」というセクションに記したことがあります。

そこに、ロシアの「ミール」という宇宙ステーションで 1994年から 1995年にかけて 438日におよぶ長期のスペース・ミッションをおこなったロシアのワレリー・ポリャコフという宇宙飛行士が帰還後に記した『地球を離れた2年間』という著作の中から「銀雲」という現象についての記述を抜粋したことがあります。



▲ ロシアのワレリー・ポリャコフ飛行士。



それからもうひとつ忘れられない現象がある。それは " 銀色の雲 " のことで、地上で起きる災害と関連があると言われている。

それは不思議な雲だ。銀色の雲という、まことにロマンチックの名前は、地表が円形になる地平線上の60キロメートルから70キロメートルの上空にしか現れないところからきている。

(中略)

その後、仕事の忙しさもあってこのエピソードは忘れられていた。ところがその晩、地上との定期無線交信のときに、アルメニアで大地震があり、膨大な数の犠牲者が出て、街は壊滅状態だという連絡があった。

(中略)

2回目のフライトの際には、ロケットが打ち上げられ、安定飛行状態にはいるやいなや、巨大な銀色の雲を目にし、不吉な感情に襲われた。管制センターとの無線交信によって、アメリカ合衆国のロサンジェルス市か、あるいはその近郊地域に大型の地震が発生し、大きな被害が出ているというニュースが伝えられた。



というもので、簡単にいえば、「地平線上の60キロメートルから70キロメートルの上空に銀色の雲が出ると必ず地球上で壊滅的な地震が起きる」ということを書いていました。


silver-clouds.jpg

▲ 宇宙からは銀雲はこのような感じで見えるものだそうです。


この記述は、変なオジサンが書いているものではなく、ソ連という国家が選び出した当時の世界最高峰クラスの科学者でもある宇宙飛行士が、「気になる現象」として強く書き留め続けていたことです。

地震との関連を、もっときちんと調査するのはおかしなことではなかったと思われます。地球上に衛星はいくらでも飛んでいるのですから。

あるいは、 311の東北の地震の際にその数日前から日本の上空で見られた「赤外線量と電離層の電子量が増大の現象」は、多くの人々が一種の驚きを持って見たデータにも関わらず、その後、本格的な研究の続報はあまり聞きません(おこなわれてはいるとは思いますけれど)。

どうしてあまり研究されないかというと、「地震は宇宙などとは関係ない」とみんな思っているからです。


地球は宇宙とは関係ないのだ、と今でも多くの人が思っている。



結局は今でも、地震というと地球の地面の下を調べることが中心というのが現状だと思います。その研究が無駄ではないにしても、「トリガーとは無縁」であることは研究者の方が最もわかってらっしゃることだと思います。

「今後 100年以内に起きる確率は・・・」

と言われても、私たちのような一般人はどうすれば? と思うしかない。


地面の下をいくら眺めていも、地震の発生に関しての根拠は「何百年経っても掴めないのではないか」という気もするのです。しかし、宇宙から地震を研究すれば、トリガーはかなり正確にわかったことだと思います。これは間違いないと思います。




でも・・・・・。やはりこれも今からではもう遅いです。



機器の用意の問題ではなく、上にも書きましたけれど、ガチガチに「学問の概念」が固められた科学会の牙城の中で、新しい理論が中心となる可能性などほとんどないでしょうし、そもそも、新しい理論が入り込むだけでも、何年も時間がかかる。いっぽうで、地球は現在、急速な勢いで変化を増していっている。


もう科学は間に合いません。


個人的には、数年もすれば今とは明らかに違う地球になっていると思っています。





それでも地球と宇宙はつながっている

ちなみに、「宇宙と地球がつながっている」という観念から科学を考える方法を取り入れていれば、病気についての理解にもずいぶんと役立ったはずです。

最近書いているパンデミックのこともそうですけれど、「宇宙から人間に直接病原菌が感染する」という、科学的に考えればわりと普通だと思われる考え方(古来からある考え方なので奇異ではないです)を、なぜ、「とんでもない考え方」とされてしまう風潮になったのか。

これも、アリストテレスの時代の「宇宙と地球の分断」以来、地球の科学界で続いている「地球のものは地球のもので、宇宙とは関係ない」という科学的信念と関係していると思います。

これは是正してほしいけれども・・・・しかしこれに関しても、やはりもう遅いです。




時は来てしまった・・・という感じでしょうか。




私は(なかなか難しいとはいえ)とにかく残る人生をできるだけ楽しく、あるいは充実させて生きていきたいと思っています。

今の心境ではそれはできないと思いますけれど、でも、そうしたいです。



というわけで、無駄話が長くなりすぎました。

ここから、先日のロシアのプラウダのサイエンス欄で見つけた記事を翻訳してご紹介いたします。





Fish DNA doesn’t support evolution of limbs
Pravda (ロシア) 2013.04.18

魚の DNA は人間の手足の進化とは結びつかない


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かつては絶滅したと考えられていた魚類の断片から採取された DNA の調査結果は、科学者たちに新しい発見をもたらすかもしれない。これまで、この魚がネズミの手足へと成長していったといような進化の可能性が考えられていた。

このことは、魚類が間違って(遺伝子のミスコピーなどの意味)手足を獲得した証拠として進化論では歓迎されている意見だ。

しかし、彼ら魚の DNA から「手足となる可能性となるもの」が一切発見されなかったとしたら、これは興味深い発見ではないだろうか。今回採取された魚の断片からの DNA のメカニズムは、この「興味の引き金を弾くトリガー」となり得るかもしれない。

手足を形成する「トリガー」は、 DNA の中にもともと手足を形成する遺伝子が存在している場合にのみ、その萌芽となり得る。たとえば、手足のあるネズミの遺伝子にはそれがある。

仮に、魚にもこの遺伝子が存在しているのなら、それが何かの「間違い」で手足となる可能性はあるかもしれない。

しかし、「存在していない」のだ。

魚の DNA には足へと成長する遺伝子の存在は確認されない。

魚のヒレが足に進化している途中の、ヒレと足をそれぞれ持つように進化した魚を想像してみてほしい。



fish-devo.jpg

(訳者注)上の図は訳者による参考図です。


そんな形態のどこに「生存の優位性」があるというのだろう?

これではヒレも足もどちらも効率的に使うようなこときできない。
そもそも、一部がヒレで一部が足などという魚の化石はいまだかつて見つかったこともない。想像の産物以外では化石としても存在しない。

自然界のすべての本当の進化にはその限度がある。

遺伝子は、すべての種の中で、マイクロ進化(例えば、イヌやネコ、ウマ、ウシなどの生物学的な品種の変更など)の範囲では存在しても、生物学的な種のバリエーションを越えるようなマクロな(大きな)進化をサポートしたり、プログラムする能力を持たないと考えるのが妥当だ。

可能なのは、既存の遺伝子の形質の中での変形のみである。

つまり、イヌは遺伝子の変化によって品種が変化しても、それはイヌになる(遺伝子の変更で他の動物になることはない)。

進化論者たちは、何百年にわたって、環境の放射線等に起因する遺伝コードのランダムな変異の間違い(遺伝子のコピーミス)などによって、マクロ進化(生物種を越えた大きな進化)が起こると考えきた。

そして、自然淘汰により、全く新しい特性を持つ全く新しい遺伝子を生成するというようなことを本気で考えてきたのだ。

DNA と遺伝子の性質を冷静に考えてみてほしい。

そんなこと(コピーミスと自然淘汰により種を越えたマクロな進化)が起きることはロマンス小説の中、あるいはSFの世界くらいにしか存在しないとはお感じにならないだろうか。

マクロ進化のための主要な問題は、適者生存の問題だ。部分的に進化していった種が、たとえば、部分的に進化していった形や器官(外見や臓器など)を最初から機能させて生きていくことができるだろうか。

重要な臓器が進化している間に生存に適するように機能するだろうか。進化論者たちは、自然淘汰や適者生存の中で種が生き残る方法を説明するかもしれないが、生命そのものの形態と器官が生存に適さない可能性を彼らは説明しない。

異なる種の間での遺伝的および生物学的な類似性の中に、「共通祖先」という証拠は存在しない。

生物の多くの種の間には多くの優れた類似点が存在し、論理的に様々な種で、同様の目的のために同様の機能を設計し(違う生物でも、たとえば神経や器官や臓器を同じように使っているというような意味)、共通の遺伝子エンジニアがまるでいるかのような構造を持つことは確かだ。

それを認めた上で進化論を否定すると「神」が出てきてしまう。

なるほど、確かに遺伝情報は、情報の他の形態と同様に「偶然に起こる」というものではないし、また、異なる種の間の DNA や遺伝的な類似性が驚くべきものであることに、インテリジェンスデザイン(創造論的な意味)を感じることは確かだ。

たとえば、「ジャンク DNA 」という存在がある。

かつては DNA のうちの 90パーセント以上は「機能していないもの」と見なされていて、それがジャンク DNA (ゴミDNA )という語源にもなっているが、最新の研究では、ジャンク DNA はまったくジャンクではないことがわかり始めている。

DNA のすべては有用なものであることが示されはじめているのだ。最近のネイチャーなどの科学誌で発表されているな DNA に関する研究は、「コード化されていない DNA セグメント( "non-coding" segments of DNA )」が遺伝子発現の調節に不可欠であることを明らかにした。

これまで発見された化石のすべては、種として完全に形成されて機能していた。ヒトに関しても、「ヒト」と「ヒトではない」といういずれかしかなく、その途中はない。

地球の自然の中でマクロ進化は完全になかったと断言していい。





ここまでです。

上の記事に「ジャンク DNA 」という言葉が出てきますが、これに関して、ずいぶん以前に翻訳して何回かにわけて、記事にしたことがあります。

それをリンクしておきます。

ジャンクDNA解明への挑戦(第1回): 記憶媒体として機能しているDNA
 2011年06月11日

ジャンクDNA解明への挑戦(第2回): DNAは言語が具体化したものだった
 2011年06月12日

ジャンクDNA解明への挑戦(第3回):DNAは生物の直感力とテレパシーを支配している
 2011年06月13日

ジャンクDNA解明への挑戦(第4回): 人間の遺伝子の変異を促すものは何か?
 2011年06月16日


ところで、上の記事は強い口調でいろいろと書いていますが、ひとこと補足させていただきますと、つまり、

「人間は人間として進化していく」

ということだと。

記事の前振りで、私は現在の科学に諦めを持っているかのように書いていますが、それでも、人類そのものの大きな進化はあると考えています。

それがどのような形なのかは、予測はできても具体的にはわからないですが、遺伝子を直接変えることができるのは、ウイルスやファージなどの非生物的生物ですので、それらの関わりは人間の進化に大きく関係すると思います。



  

2013年04月19日



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▲ 先月以来、中国で起きている動物の大量死。種類は、豚、あらゆる鶏、そして犬です。「またも中国で豚の大量死: 河南省の村ですべての豚と犬が死亡」より。そして、下が大まかな「偏西風の流れ」です。

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これから起きる「かもしれない」ことをパンスペルミア説から冷静に考えてみる


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▲ 2013年4月18日のロシアの声「中国の鳥インフルエンザ感染者 約半数が感染方法「謎」」より。
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今年の春先には、今回書こうと思っていることを説明するのに、現象としてわかりやすい事例が起きました。それは、中国の大気汚染が日本にも影響を与えたというものです。

あの事例のように偏西風や、あるいはその他、大きな気流の流れによって、中国大陸で発生した「大気中の現象」の多くは、その後、日本へやってきます。

それも繰り返し繰り返しやってきます(大気の流れは基本的に止まることはないため)。


一番上に載せた図は最近の中国での動物の大量死で、世界保健機構( WHO )は、これらの大量死は鳥インフルエンザと「関係ない」としています。

なので、公的には関係ないということになりますが、公的にはどうであれ、私個人がどう考えてもいいのなら、「明らかに関係がある」と考えます。

そして、上の大量死のラインが偏西風、あるいはジェット気流に沿っていることを考えると、季節によって偏西風やジェット気流の位置が変われば、次は日本だと思います。もちろん具体的なことはわからないですが、中国の大気中にあるものは全部日本に来る(西から東に来る)と考えることはそれほど不自然ではないような気もいたします。



上のロシアの声の記事にある「インフルエンザの感染ルートがつかめない」という報道はロイターなどを含めて、世界中の報道で目にします。抜粋しておきます。


中国の鳥インフルエンザ感染者 約半数が感染方法「謎」
VOR 2013.04.18

中国の研究者らの調べによれば、鳥インフルエンザ(H7N9)の感染者の40%が最近トリとは接触していないことが分かった。中国ではすでに鳥インフルエンザで17名が死亡しているが、どのような方法で感染が広がっているのか、判明していないという。中国感染症管理予防センターのジェン・グアン専門家が明らかにした。

現在中国の研究者らはH7N9ウィルスの遺伝子構造の特徴を研究しており、武漢科技大学のシュエ・ユイ教授によれば、三種類のトリからウィルスを持つ遺伝サンプルが発見されたという。最新のデータによれば、中国では82名が感染し、そのうち17名が死亡した。多くは上海に集中している。







パンスペルミア説を今一度考える

今日は「パンスペルミア説」とは何かということを今一度書いておきたいと思いました。

いつも、この「パンスペルミア説」というものの言葉を出すわりには、最近ではきちんと説明したことがないような気もします。決して一般的な言葉ではないわけで、これをたとえば Wikipedia からの抜粋など、一般的な定義として今一度、ご紹介しておきます。

そして、

インフルエンザウイルスは、ヒトからヒトへ感染していくものではなく、宇宙から個人に直接感染するものである

という結論に至ったフレッド・ホイル博士とチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士の共著の中で、わかりやすく書かれてある部分を少し抜粋しようと思います。







パンスペルミア説の歴史とそのエンディングを飾る我々の時代まで


まず、パンスペルミア説というものの定義ですが、近代科学での歴史も含めて、「パンスペルミア仮説」から抜粋させていただきます。


パンスペルミア仮説

パンスペルミア仮説とは、「宇宙空間には生命の種が広がっている」「地球上の最初の生命は宇宙からやってきた」とする仮説である。



近代科学でのパンスペルミア説の歴史

1787年
ラザロ・スパランツァーニ(イタリアの博物学者。実験動物学の祖。生物の自然発生説を否定した実験で有名)によって唱えられる。

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▲ ラッザロ・スパッランツァーニ (Lazzaro Spallanzani / 1729年 - 1799年) 。

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1906年
スヴァンテ・アレニウス(スウェーデンの科学者。 1903年にノーベル化学賞を受賞)によって「 panspermia 」(パンスペルミア)という名前が与えられた

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▲ スヴァンテ・アレニウス(Svante Arrhenius / 1859年 – 1927年)物理化学の創始者の1人。

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アレニウスは以下のように述べています。


「生命の起源は地球本来のものではなく、他の天体で発生した微生物の芽胞が宇宙空間を飛来して地球に到達したものである」




DNA二重螺旋を発見し、 1962年にノーベル生理学・医学賞を受賞したフランシス・クリック博士もパンスペルミア説の強い支持者でした。

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▲ フランシス・クリック。



また、2011年に、日本の独立行政法人海洋研究開発機構が、「生命の想像を絶する強さ」を証明する実験をおこないました。

以下は Wikipedia からです。


2011年、日本の海洋研究開発機構で、大腸菌など、5種類の細菌を超遠心機にかけ、超重力下での生物への影響を調べる実験が行われた。

その結果、5種とも数千から数万Gの重力の下でも正常に増殖することが確かめられ、中には 40万3627Gもの重力下でも生育した種もあった。地球に落下する隕石の加速度は最大 30万Gに達すると予測されており、この実験は、パンスペルミア仮説の証明とはならないが、このような環境を生き延びる可能性を示している。



私は以前から、大腸菌をはじめとする微生物の「異常な強さ」には感服していましたが、熱や真空状態だけではなく、「重力にも強い」。

「私たちはそう簡単には死なない」

という病原菌たちの一種の雄叫びをここに聞きます。

そして、このような微生物たちの異常な頑強さは、実は地球の私たちが今存在しているために必要な構造だったともいえます






身体は焼かれても信念は焼かれない


近代科学でのパンスペルミア説の歴史を簡単に書きましたが、歴代のノーベル賞受賞者が上に並んでいますが、「恒星内部での元素合成」という、天文学上の偉大な発見をしながら、ノーベル賞を「与えられなかった」学者のひとりがフレッド・ホイル博士でした。

このことについては Wikipedia にも書かれてあります。


フレッド・ホイルの共同研究者であるウィリアム・ファウラーは1983年にノーベル物理学賞を受賞したが、ホイルの元々の貢献は何らかの理由で見落とされた。

ホイルのような著名な天文学者の業績が受賞の対象とならなかったことに対して多くの人々が驚いた。



このことについては、ずいぶん以前の記事ですが、

現代のジョルダーノ・ブルーノを作り出さないために
 2012年03月01日

というものでも書いていますが、科学界は昔から「邪魔な意見の人間は焼いてしまえばいい」という方法で近代科学を確立してきました。


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中世のジョルダーノ・ブルーノは実際に火刑という方法で焼かれてしまいましたが、ホイル博士は現代の人だったので、「身体ではなく人生を焼かれた」ということになります。彼の科学者人生を否定することで「ホイルを焼ける」と周囲は思っていたようです。ホイル焼きというやつですね(ここで駄洒落かよ)。

でも、ホイル博士の文章を読むと、賞とか名声とかよりも、人類文明の中で科学が「間違った方向に行くこと」について是正しようとして、ひたすらに実験を続ける一見地味な彼の姿だけが目にうつります。

そして今、残念ながら、科学の世界は「根元」が間違った方向の上(ビッグバン説と、いわゆる進化論)にありますが、やはり残念ながら、それはもう是正できないと私は思っています。少なくとも今の文明が滅びるまでは。 

もはや時間が足りないと思います。

なので、それはそれで仕方ないとしても、この先、何らかの理由で死んでいく私たちは、その死ぬ時に「なぜ私たちは死ぬのか」ということを認識してもいいと思ったりするのです。


たとえば、私たちがパンデミックなどの感染症で死ぬのだとすると、その理由は、ホイル博士によれば、


「人類全体の進化の可能性のため」


ということになります。

ホイル博士はこのような研究結果を素直に述べてしまう人で、つまり、一般受けしない人だったのですよ。大衆みんなが喜ぶようなことを言う科学者のほうがウケがいいですからね。でも、ホイル博士はそういうこと(大衆や全体の意見への迎合)は「科学には必要ないことだから」と、それはしなかった。


真実よりも「耳障りのいい方を選ぶ」というのは、私も含めて反省したいです。



そんなわけで、今回はホイル博士とその片腕的な存在であるチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士が「インフルエンザウイルスはどのように来るか」ということの研究を書いている部分の最初の概略の部分を抜粋します。『 DNA は宇宙を流れる』という著作の「宇宙から来た病原体」という章の中の部分です。

このセクションの前に「インフルエンザがヒトからヒトへと伝染しない」ことについて、大量のデータと研究結果を書いた章を記していて、その続きですので、最初が

インフルエンザがヒトからヒトへと伝染しないのなら、どうしてインフルエンザが大流行するのだろうか?

という部分から始まっています。

ここからです。

なお、文中に「瘴気(しょうき)」という単語が出てきますが、これは中世などに「熱病を起こさせるという山川の毒気」とされていたもののことだそうです。






インフルエンザウイルスはどこからくるか?
『 DNA は宇宙を流れる』第5章 宇宙から来た病原体 より

インフルエンザがヒトからヒトへと伝染しないのなら、どうしてインフルエンザが大流行するのだろうか?

1833年、1937年、1947年のインフルエンザの大流行の際に、これが広い範囲でほとんど同時に発生するのを目撃した 19世紀の伝染病学者チャールズ・クレイトンは、瘴気(しょうき)がイギリス全土を覆ったのだと確信した、クレイトンの「瘴気」という言葉を「ウイルスを運ぶ気流」という言葉に置き換えれば、われわれの見方と一致する。

すでに前章でも検証したように、彗星から放出された粒子は、秒速 10キロメートルという猛スピードで大気に侵入してくるが、高層大気によって減速され、その後は空気抵抗と重力のかねあいでゆっくりと落下するようになる。

バクテリアなどは比較的すみやかに落ちてくるが、ウイルスのように微小な粒子になると、空気抵抗が非常に強くきいてくる。成層圏の中で下向きの空気の流れがなかったら、ウイルス粒子がここを 10キロメートル落ちるのに、 30年はかかるだろう。実際には、成層圏には弱い垂直方向の気流があり、これがウイルスの降下を助けている。

この気流を作り出しているのは、赤道と極地方との温度差であり、これが大きいほど気流は強くなる。したがって、緯度にして 40度から 60度の範囲では、冬に(北半球の中緯度地方では2月から3月にかけて、南半球では7月から9月にかけて)大規模な下降気流が発生することになる。

冬の下降気流にのったウイルス粒子は、雨や雪とともに地上に落ちてきて、動植物に出会うだろう。特に、ちょうど成層圏程度の高さのヒマラヤ山脈は、北緯 30度付近のウイルス流入の窓口となり、人口の多い中国や東南アジアで大きな被害を出す要因になっているはずだ。その後、ウイルスがどの地方に落ちるかは、大気の循環の季節的な要素によって変わってくると思われる。

なお、同じ成層圏でも、東西方向の気流は強い。その最たるものがジェット気流だ、したがって、ウイルス粒子は東西方向ではほぼ一様に分布することになり、同一緯度の地域には、ほぼ同時にウイルスが落下するだろう





抜粋はここまでにしておきます。

上の最後に「同一緯度の地域には、ほぼ同時にウイルスが落下するだろう」とありますが、上のほうに載せた中国のほぼ同時期に起きた動物の大量死の地図をもう一度載せておきます。

china-2013.png

緯度として日本はやや北にありますが、ジェット気流など大気の流れは季節によって変わりますので、かなり広い(南北に太い範囲)部分で、同じようなことが今後起きる可能性は常にあると思います。

下の表は東京都健康安全研究センターにある「日本におけるスペインかぜの精密分析」という資料からのものです。1918年10から1920年5月までの死亡者数の変化を地域ごとに色分けしているものです。


spanish-1918.jpg


これを見た時、「当時のジェット気流の動きの変化がわかればなあ・・・」と思いました。多分この死亡数の地域ごとの変遷は気流の季節ごとの変化とリンクするはずです。

天候などに詳しい方なら、頭の中に偏西風とかジェット気流の季節ごとの変化と、上の分布を照らし合わせると、比較的すんなりと「気流とウイルスの関係」が、漠然とでも納得できる面はあるのではないでしょうか。

ただ、最近は大気の動きが荒い上に、唐突な感じの気流が常に発生していますので、予測できない出現の仕方もあり得るかもしれません。

幸いなのが、現在の中国の鳥インフルエンザは感染拡大の威力は弱いということです。

ただ、逆に「幸いではない」ことは、致死率の高さです。4月18日現在、中国では 82名が感染して、17名が死亡ということで、20パーセント近くの大変な致死率となっています。

なお、以前も書きましたが、予防法もワクチンも一切ありません

厳密には治療法も確立していません。

ワクチンを含めて、そういう(予防や治療できるという)情報があっても、現段階ではそれは多分真実ではないですので、冷静な判断で対応されて下さい。


今の状況ですと、パンデミックは「起きるか起きないか」という状況は完全に越えていて、「いつどの程度の感染力で起きるか」というだけになっている感じがいたします。もちろん、それは数年後になるかもしれないですが、パンデミックの回避は不可能だと感じます。


関連記事:
21世紀のパンデミック: ウイルスが人を選ぶのか? 人がウイルスを選ぶのか?
21世紀のパンデミック(2): 中国当局がネット上での「噂」を厳しく取り締まる理由
21世紀のパンデミック(3): 次にヒトのインフルエンザ感染が発生するとしたらそれはどこか?






  

2013年04月15日



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「インフルエンザウイルスはヒトからヒトへ感染していくものではなく、宇宙から個人に直接感染するものである」という説を今一度思い出し


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▲ 上海の小学校で、児童に H7N9 の予防などについて指導する保健委員。黒板には「 H7N9 鳥インフルエンザ」と明記されています。






 

1918年の鳥インフルエンザのパンデミックの拡大のペースを振り返ってみると


中国の H7N9 の患者数は60人に、死者は13人に拡大(4月14日時点)

米国のフォーブスを見ましたら、患者数が60人に増えていて、中国での鳥インフルエンザのヒト感染が収まる方向ではなく、拡大する方向に進んでいることがわかります。

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▲ 2013年4月14日のフォーブスより。



上のような「数」に関しての報道は今後、日々変動していくと思いますので、95年前の下のような決定的な報道となる場合までは特に訳してご紹介しようとも思っていません。

下のは 1918年、つまり今から95年前の 10月25日の読売新聞です。
1918年のスペイン風邪の流行についての記事です。



1918年の「死のインフルエンザ」へのケロッグ博士の対処法より。

上の新聞の読めるところだけを文字にしますと、以下のようになります。
適度に文字は現代語に置き換えています。


世界的感冒

◇ 至るところ猖獗を極む
◇ 罹病者続々と死に倒れ蔓延再現なし

学校を襲い、寄宿舎を襲い工場を襲い、家庭を襲い、今や東京市中を始め各府県にわたりて大猖獗を極めつつある悪性感冒は単に日本のみならず、実に世界的に蔓延しつつある大々的流行病にして、その病勢の猛烈なること、実にいまだかつて見ざるところなり、試みに、外務省海軍省内務省等集まれる海外の状況を見るにその惨禍は想いはからずに過ぐるものあり。

毎日七百名以上の死亡者

ケープタウンのコロニー半島は五千人の死亡者を出し未だ病勢衰退の模様見えず、欧人の死亡率もまた増加しつつあり同地は二、三千人の小都市であるが死亡者百人を越え人々戦々恐々たり。

肺炎心臓麻痺を伴う - 馬来半島(マレー半島)

悪性感冒は目下、彼南(ペナン)より馬来半島にわたりて、猖獗を極め肺炎心臓麻痺を発症して死亡する者多く



日本も含めて世界中に拡大していくスペイン風邪の当時の状況が上の短い抜粋だけでも、雰囲気的によくわかります。

記事中に「猖獗」という私には読めない漢字が出ていますが「しょうけつ」と読むようで、意味は Yahoo! 辞書によりますと、「(好ましくないものが)はびこって勢いが盛んであること」のことだそうです。


ところで、この1918年のスペイン風邪(強毒性の鳥インフルエンザ)について、 1990年代になってから、入手できる限りの記録を調べたルイ・ヴァインスタイン博士という科学者がいるのですが、ヴァインスタイン博士は調査の途中で、下のようなコメントを残しています。


「インフルエンザがヒトからヒトへ感染する病気であるのなら、最初に発生した場所に近いところからじわじわと広がっていくはずである。けれども、実際には、世界の遠く隔たった土地に同時に出現したり、ごく近くの土地に数日から数週間もの間隔をおいて出現したりしている。

ボストンとボンベイ(現ムンバイ)で同じ日に見つかる一方、ニューヨークで見つかったのはボストンの3週間後という調子なのだ。あんなに多くの人びとが二つの都市を行き来していたというのに! 

さらには、シカゴに出現した4週間後に、ようやくイリノイ州のジョリエットにも出現したという記録もあった。二つの都市の距離は、わずか38マイル(60キロ)である」。





スペイン風邪は資料に乏しく、うまり正確なデータは残っていないと思われますが、アメリカでは 1918年の 8月から 11月までの4ヶ月間で下のような感染拡大となりました。


1918年の米国のスペイン風邪の拡大

・ 1918年8月 ボストンで患者 60人

・ 1918年9月 ボストンで 63人死亡、ハーバード大学で 5000人が発症、マサチューセッツ州で非常事態宣言

・ 10月だけでアメリカでは 19万5000人がインフルエンザにかかったとされる。

・ 10月2日 ボストンで 202人死亡

・ 10月6日 フィラデルフィア市で 289人が死亡

・ 10月15日 ニューヨークで 851人死亡

・ 1918年11月21日までにサンフランシスコで 2,122人が死亡したと発表



結局、アメリカでは 85万人がスペイン風邪で亡くなりました。

参考までにアメリカの主要な都市の位置と合わせて、1918年のアメリカでの鳥インフルエンザの拡大の様子を記したのが下のものです。

1918-map-01.jpg

▲ オリジナルの地図は、Global Navi Timeより。


まあ、今回の記事では、水平感染がどうとかパンスペルミアとか、そういう話は取り上げません

いずれにしても、 1918年のパンデミックは上のように拡大していったということは事実であり、中国の国土面積と合わせると、仮に今後、同じような感染力のパンデミックになっていった場合の参考になると思われます。日本の流行分布の地図もありますので、それも今度載せます。


ただし、現在の中国での鳥インフルエンザの毒性はスペイン風邪よりはるかに高いように見え、致死率がスペイン風邪の 10倍くらいあるように思います。今のところは、中国では感染した人の致死率が 20パーセント前後で、1918年の時は日本の資料ですと、最高時で致死率 5パーセント。平均すると、致死率は 2パーセント未満でした。


なので、今回のインフルエンザは拡大すると厳しいものとなると思います。


ちなみに、現在の中国は(世界中で報道されるニュースのため)国家の威信をかけて治療に当たっていると思いますので、「最高レベルの治療でこの致死率」だと思っていいと思われます。患者数が拡大していきますと、次第に最高レベルの治療は難しくなっていきますので、致死率も変化する可能性があります。


感染力の強さがわかるのはこれからですので、このインフルエンザが強い感染力でなければ、あるいは強い感染力を「変異によって獲得」しなければ、要するに中国に行かなければいいというだけの話で終わる可能性も僅かながらありますので、それだといいですけれど。


ただまあ、私は相変わらずインフルエンザは人との接触とはあまり関係なく拡大していくと考えていますが(もし日本に来るとしたら接触とは関係なくインフルエンザはやって来る)。


また、鳥インフルエンザも確かに脅威ではありますけれど、中国のニュースで「これはコワイ」と思わざるを得ない報道がありましたので、ご紹介しておきます。

狂犬病についての報道です。





中国の「もうひとつの恐怖のパンデミック」の実態


亜州IR という経済ニュース専門サイトに「中国の統計データ」があります。その産業ニュースを、タイの newsclip.be というメディアが引用していたもののひとつに下のニュースがありました。

抜粋します。


中国:狂犬病の年間死者数は 2400人超、インドに次ぐ世界2位
newsclip 2013.04.14

中国の狂犬病による死者数が年間で 2400人を超える実態が分かった。

衛生部の報告によると、中国の狂犬病死者数はインドに次ぐ世界 2位。都市部で飼われるペット犬の総数は、年率 8.2%のハイペースで増加しているものの、これは登録された件数ベースに過ぎないと指摘した。

未登録の犬は、野良犬を含めて登録分の約 810倍に上ると試算。向こう5年内に、犬の飼育数は都市部だけで数億匹に膨らむと予測した。犬の飼育は食料資源などの浪費にもつながると警戒。多くの部門が連携して疾病拡大の抑制、衛生環境の保持を図る必要があると総括した。

登録犬に対する狂犬病予防接種の接種率は80%前後にとどまっているという。国内で狂犬病が蔓延する背景には、こうした市民の狂犬病に対する問題意識の低さも背景にあるようだ。

狂犬病の潜伏期間は 1〜 3カ月。発病後の死亡率はほぼ 100%に達している。



このニュースのスゴさがどこにあるかおわかりでしょうか?

現時点で、年間 2400人の狂犬病の死者が出ているということもアレなんですが、実はその下のくだりが恐ろしいのです。


> 向こう5年内に、犬の飼育数は都市部だけで数億匹に膨らむと予測した。


というところです。
そして、ワクチンの摂取率は低い。

どこのどんな国でもそうですが、


「経済状態がいい時にはペットを飼う人が増え、経済状態が悪くなるとそれを捨てる」


という傾向があります。

最近の欧州の馬肉混入騒動の背景も、経済危機と関連しています。馬を手放す人が増えすぎた。他のあらゆるペットも同じ傾向にあります。


すなわち、仮に今後、中国の経済状態が悪くなったり、あるいは「中国経済の崩壊」というようなことになると、中国全土に「数億匹」単位での犬が野放しになるということもあり得ます。それと共に狂犬病が爆発的な拡大を見せる可能性があります。


中国は本当にいろいろなものを「周辺国や地域にばらまく」という傾向にある国ですが、病気も例外ではないかもしれません。連休なんかもありますけれど、いろいろな意味で、中国の都市圏(今は朝鮮半島も)へ旅行などを計画されている方は一考されるのもいいかとも思います。


今回の本題は、中国政府が現在、「鳥インフルエンザに関してのネット上での書き込みを検閲していて、罰則付きで取り締まっている」のですが、こういうことをやっているという現実だけでも、「見えてない地方の鳥インフルエンザの実情」を、むしろ想像してしまう部分があります。

そんなわけで、そのことに少しふれていた米国エポックタイムズの記事をご紹介しておきます。



中国版のツイッターには続々と各地から「患者発生」の書き込みがあるらしいのですが、現在、鳥インフルエンザ関連の書き込みに対しては、中国当局はこれを「悪質なウワサ」として記事を削除し、投稿者を取り締まっているようです。

では、ここからです。






Bird Flu Officially Arrives in Beijing, Days Behind ‘Rumors’
The Epoch Times 2013.04.13

ネット上で広がっていた「噂」の後で、鳥インフルエンザが北京に到達したことを当局が認める


ch-bird-flu-3013-04-13.jpg


中国国営の新華社通信によると、新たに7歳の少女が​​鳥インフルエンザウイルス H7N9 に感染していることが当局から公式に発表された。

少女は北京地壇医院で「安定した容態」とされている。少女の両親は家禽のトレーダーで、両親も隔離されたが、双方共に症状を示していないと地域の保健当局は述べている。

新華社によれば、この新しいケースを入れて、現在までに中国東部で 10名が死亡し、43人の感染者が出ている。

少し前までは、中国政府は、ウイルスが、安徽省、浙江省、および江蘇省だけでウイルスが検出されたと報告していた。

現在までのところ、ウイルスがヒトの間で感染することは証明されていないが、様々な鳥類で発見されており、家禽市場の閉鎖も含めた対策が取られている。

また、中国政府当局は、オンラインでの「ウイルスの拡散のウワサ」をインターネットのチャットや中国版ツイッターで流したとして、少なくとも 10名を拘留した。

中国の国民の多くは、政府の発表した鳥インフルエンザ患者の公式の数字に懐疑的であり、あまり信用していない。 2003年に流行した SARS の際の公式発表の前例もある。

インターネット上では、さまざまなブロガーやあるいは中国版ツイッターへの投稿で「4月7日頃から北京でインフルエンザ患者が発生している」と書き込んでいて、北京の人たちへ注意するようにとしていた。

これらの書き込みは検閲によりすぐ削除されたが、別のネットユーザーが記事をスクリーンショットで撮影し、共有サイトに投稿した。





ここまでです。

最後のほうにある「別のネットユーザーが記事をスクリーンショットで撮影し投稿した」という記事もすでに削除されていて、今はありませんでした。




  

2013年04月10日



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▲ ドイツ人のアロイス・アールメイヤ(Alois Irlmaier / 1894年 - 1959年) さん






 


やたらとキナ臭い、桜も散った春4月ですが、今回は久しぶりに「予言」の翻訳です。

過去にいろいろな人がいろいろと「第三次世界大戦の予言」のようなことを語ったりしていて、様々に紹介されていました。

それらを読んでいる中でのキーワードには、ロシアがあったり、「東」というキーワードがあったり、いろいろなんですけれど、「なんとなく共通項もあるような気もしないでもない」という部分は感じるものも多いです。


そんな中で、ふとしたキッカケで、ドイツ人のアロイス・アールメイヤ(Alois Irlmaier)という人が 1950年代に語った予言を目にしました。


検索してみると、このアロイス・アールメイヤという人が日本語で紹介されているものはなかったので、ご紹介しておこうと思います。

ちなみに、このドイツ語での名前の読み方は正直これで正しいのかどうかわかりません。アロイス・イルマイルとも読めそうだし、アーロイス・イルルメイヤというのもありそうですが、とりあえずここでは、アロイス・アールメイヤということで統一いたします。




ヨーロッパの予言によく出てくる「東」は、どこなのか?


なお、ドイツ人の予言者といえば、19世紀のアイラート・ジャスパーという人が下のように言っています。


アイラート・ジャスパーの1833年の予言

東からこの戦争は起こる。
私は東が恐ろしい。
この戦争は急に起きる。


Visions from Central Europe より。


というもので、今回のドイツのアロイス・アールメイヤさんの予言に出てくる表現とも、何となく似ています。ただ、 1950年代という年代もあるのでしょうが、アロイス・アールメイヤさんの「東」は「ロシア」(当時のソ連)を想定しているようです。

ロシアという単語も実際に出てきます。

しかし・・・よく読むと、「ロシアと想定した」という根拠は「旗」っぽいんですね。
予言の中にシンボル的な感じで、


「槍の先」が



とか「3つの槍が」というような表現が出てきます。

これはよく考えると「ソ連の国旗」だと思うんですね。
ソ連の国旗は下の図柄でした。

sor.jpeg


今の「ロシア」の国旗は下の図柄で「槍」は描かれていません。

Flag_Russia.png


ちなみに、ドイツ、あるいはヨーロッパから「東」を見ると下のようになります。

east-001.jpg

上のは世界地図をふたつくっつけてみたんですが、「東」といっても、たとえば、日本から見れば東は米国だし、当然のことではあるのですが、国によっていろいろではあります。


それで、ドイツから見て比較的「東」に槍のマークのある国旗はあるだろうかと探しますと、「イラン」くらいなんですね。

iran-flag.jpg


これは、剣と三日月を現しているそうですが、国旗からだけ考えると、むしろイスラム勢力のマーク(国旗ではなくとも剣や三日月はシンボルとして多い)のような感じもしないでもないです。




きわめて過激な状況が描かれる戦争の描写


しかし、結局は今回このアロイス・アールメイヤさんの予言をご紹介しようと思った理由は「内容がエグい」からなんです。この戦争は(予言では)時間的に非常に早く始まり、そして終結するようなんですが、


夜明けまでには、これまでのふたつの大戦(第一次大戦と第二次世界大戦)で死亡した人の数より多くの人が死んでいる。



ようなことも書かれてあり、そして、「建物を壊さずに人や動物や植物だけをたくさん殺す」というような、大量死に結びつく不思議な武器のことも書かれています。こういうのは水爆とか中性子爆弾とか、そのテのものしか思い浮かばないですけれども、いずれにしても、なかなか凄絶な戦争の様子が語られます。

また、興味深かったのは、


私は赤い広場が黄色い顔で満たされる光景を見た。



とか、


黄色いドラゴンがアラスカに侵攻し、またカナダにも同時に侵攻する。



という、ちょっと意味がわかりにくい描写などがあることです。


結構長いですので、そろそろ本題に入ります。


最近戦争のことを書くときのお決まりの聖書からのことばも記しておきます。


聖書 マタイによる福音書 24章 6-8節

戦争の騒ぎや戦争のうわさを聞くだろうが、慌てないように気をつけなさい。そういうことは起こるに決まっているが、まだ世の終わりではない。

民は民に、国は国に敵対して立ち上がり、方々に飢饉や地震が起こる。しかし、これらはすべて産みの苦しみの始まりである。



ここからです。





Alois Irlmaier: World War III

アロイス・アールメイヤが予言する第三次世界大戦


ごく普通の敬虔なキリスト教徒であったドイツ人のアロイス・アールマイヤは、1950年代に作家コンラッド・アドルメイヤのインタビューを受けた。その際に答えた第三次時世界に関しての描写は、最近の世界情勢と照らし合わせると、もう一度振り返ってみる価値があるように思い、ここに全文を掲載する。
--



[ここからアロイス・アールマイヤの言葉]


何もかも平和だった時に、おお、それは起きてしまう。

まずは、新しい中東での戦争が急速に拡大し、巨大な海軍が地中海で敵と向かい合うことになる。状況は緊迫する。

しかし、実際に火花が散るのはバルカン半島だ。

私は「巨大な何か」が落ちてくるのを見た。
血まみれの短剣がその側に落ちている。

その「落ちてきたもの」の衝撃は巨大だ。
3人に2人を殺してしまう。

殺人者たちのうちのひとりは小さな黒い男だ。
もうひとりはもう少し背が高くて、明るい髪の色をした人物だ。

私はこれはバルカン半島の出来事になると言っているが、しかし、実際にそうなのかどうか正確なところはわからない。


3回目の殺戮の後、戦争は一夜にして開始される。
私は非常に明確に「3つの数字」を見た。

それはふたつの8と9(8・8・9)だ。
しかし、この数字が何を意味している数字なのかはわからない。

戦争は夜明けと共に始まる。
彼らは突然やって来る。

農民や市民たちがパブでカードゲームに興じている時に、窓の外に外国の軍隊の姿が映る。まだ外が真っ暗なうちに彼らは「東」からやって来る。

すべては突然に、そして急速に起きる。

私は数字の「3」を見た。

しかし、この数字が3日という意味なのか3週間という意味なのかわからない。


巨大な軍隊が東からベオグラードに入ってくる。そして、イタリアに向かって進軍する。事前通達なしに、ドナウからドイツのライン川まで一気に進む。

これらのことはまったく予想されていなかったことなので、人々はパニックを起こして避難する。多くの人々が家にいる時間で、みんなが車で逃げようとして、道路は渋滞する。また、一般の道路も高速道路も戦車が通過していく。結局、逃げようとした人々もほとんど戻るしかなくなる。

私には、あるはずのドナウ川の橋が見えない。そして、大都市フランクフルトは見る影もなくなっている。ライン渓谷の空気はよどんでいた。

私は3本の槍が迫ってくるのを見た。
ロシア軍だ。

彼らはどこにも止まらず進軍する。
昼夜を通して進行し、ルール地方に到達する。彼らの目的はルール地方の獲得だ。

直ちに、それに対しての復讐が大海の向こうからやって来る。

しかし、黄色いドラゴンがアラスカに侵攻し、またカナダにも同時に侵攻する。
彼らはそれほど遠くから来るわけではない。


そこで黄色い塵の雨が降る。


それは黄金の都市が破壊された時に起こる。
海の上の都市の上に、黄色いラインのように上ってくる。
よく晴れた夜だ。

戦車はまだ動いているが、その戦車の中で運転している人間は真っ黒になる。

黄色い塵の雨が落ちたところでは、あらゆるものが死んでしまう。
木も草も牛もだ。

建物だけが残っている。


私にはこれが何が起きた状況なのかわからない。


長い長い列が続いている。
人々の死体の列だ。

槍の先がすべてを破壊してしまい、誰も戻ってくることはない。

航空機は黒海と北海の間に黄色い粉を落とす。

なので、この「死の列」は黒海から北海の間に長い距離につらなる。バイエルン地方と同じくらいの距離だ。

この地域では、草は育たない。
ロシアからの供給も中断される。

東から多くの車両がやってくる。しかし、それらの車両は徐々に停車し、運転している者はすべて死んでいる。ライン川で最後の決戦がある。兵士たちは誰ひとりとして戻ってこないだろう。

航空機のパイロットたちが、小さな「黒い箱」を投下する。それは、地面に触れる前に爆発する。そして、黄色や緑色の煙や塵を巻き上げる。

その煙や塵に触れると人間であろと動物であろうと、あるいは植物であろうと、すべて死んでしまう。1年間はこの場所にはいかなる生き物も入ることはできないだろう。立ち入ることは生死に関わる危険を伴う。

これらの「黒い箱」はまるで悪魔だ。
これらが爆発すると黄色や緑色の塵や煙が発生し、接触したものはすべて死ぬ。

人間は真っ黒になり、肉は彼らの骨から落ちてしまう。
兵士たちは誰ひとりとして戻ってくることはないだろう。

そして、私は東から誰かが飛んできて、海の中に何かを投下する光景を見た。
海の水はまるで塔のような高さまで立ち昇ってから倒れた。

これらのすべてのできごとは長く続くわけではない。
3日か、あるいは3週間か、あるいは3ヶ月。
それは私には正確にわからない。


戦争とは関係ないが、地震がある。

イングランドの東部の大地は海の中に消える。
海に面している国は海水によって大きな危機に瀕することになる。

津波は家の高さほどの距離になり、それは沸騰している。
たくさんの島々がそれにより消える。
あるいは海の中に沈んでいく。

その後、塔の高さほどあった水はふたたび下に落ちる。

この海の現象が何なのかは私にはわからない。
これがいつ起きるのかもわからない。

戦争中に、大きな真っ暗闇がやって来る。
それは戦争の最後の 72時間だ。

昼なのに暗くなる。

その後、雷と共に雹(ひょう)が降ってくる。そして、大きな地震が地球を振動させる。

この時に外に出てはいけない
そして、ろうそく以外の電灯をつけてはいけない。

窓を開けてもいけない。
粉塵を吸い込むと痙攣して死ぬ。

窓は黒い紙で完全に覆うこと。

多くの人がこの 72時間のできごとの間に死ぬ。

繰り返し言うが、この 72時間の間に外に行ってはいけない。
窓を開けて外を見てはいけない。

そして、ろうそくの灯を消さないようにして、そして祈ること。

夜明けまでには、これまでのふたつの大戦(第一次大戦と第二次世界大戦)で死亡した人の数より多くの人が死んでいる。

鉄の塔を持つ都市の人々が犠牲になるだろう。
彼らはすべてに火をつける。
革命が起きる。すべてが暴力的だ。

鉄の塔を持つ都市が燃えている。
しかし、これは東から来た人々によっておこなわれたのではなく、その都市の人々自身がおこなったことだ。

イタリアでも暴力的な動きが激しくなる。
彼らは多くの人々を殺し、ついにパチカンでは法王が逃げることになる。
多くの教会が破壊され、多数の聖職者たちが殺される。

ロシアでは革命と内戦が勃発する。
死体の数が多すぎて、死体の山で道路から身動きがとれなくなるほどだ。
ロシア政党の指導者が自殺する。

私は赤い広場が黄色い顔で満たされる光景を見た。
それはひどい暴力と殺戮の光景だ。

ロシアの人々は改めて信仰に目覚めて、神の存在を信じるようになる。
彼らは神聖な画の前で復活祭の歌を歌い、キャンドルに火をつける。
キリストへの祈りによって、地獄から来た怪物は死ぬ。
若い人々もふたたび神の母の奇跡を信じる。

子どもたちに死をもたらす法律は無効とされる。

そして、平和がやって来る。
良い時代がやって来る。

法王が戻ってくる。

それから長い長い幸運な時代がやって来る。

終わり!






ここまでです。

最後の「終わり!」に「!」がついていますが、オリジナル記事に「End !」とあったものをそのまま記しましたけど、なんか「!」が入ると妙な終わりですね。


ところで、ここに出てくる兵器の描写とは違いますけれど、セルビアのミタール・タラビッチも似たようなことを言っていたことを思い出します。


この戦争を戦うものたちは、科学者に奇妙な大砲の弾を作らせる。それが爆発すると、人を殺すのではなく人間や動物に呪いをかける。この呪いで人々は戦うかわりに眠りに眠りこむ。

セルビアはこの戦争に参戦することはない。だが、わが国の上空で別の国の軍が戦う。ポゼガという町の近くで、空から焼け焦げた人々が落ちてくる。



「呪いをかける」という表現だと、サイコロジーな兵器の感じもしますが、人間だけではなく、「動物も」とありますので、化学的な兵器だということがわかるような気がします。

水爆とか中性子爆弾ってどこの国がどのくらい持ってるんですかねえ。

3年くらい前の記事で、

北朝鮮は初めから水素爆弾を研究してきた
 2010年05月18日

というのがあって、北朝鮮から脱北した労働党秘書の黄長ヨプさん(2010年に死去)が、





「北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)技術はすでにかなりの水準に上がっている。近い将来、水素爆弾の生産が開始されると発表することもできるはずだ。一度に発表しない理由は、国際社会の報復が怖いのだ。北朝鮮は初めから水素爆弾を研究していた」。



と言っていたことが紹介されていた韓国の記事を記したことがあります。


北朝鮮の初代総書記、金日成(キム・イルソン)の誕生記念日が 4月15日にせまっています。

これは、北朝鮮の大きな祝祭日ですが、その「大好きなおじいちゃん」と似るために太って顔まで整形したといわれるキム・ジョンウンさんには 4月15日は単なる日ではないかもしれません。


好きな人の誕生日・・・あなたなら何をしますか?


ところで今回の予言と、少し前にご紹介した初代米国大統領のワシントンのビジョンの内容、

ジョージ・ワシントンのビジョンと予言(2): 全文
 2013年02月24日

と比べてみても、多少興味深い部分があります。
--





  

2013年04月09日



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関連記事:
開戦前夜(1): 北朝鮮が米韓との戦争に勝つ可能性があるとすると? を考えてみる
開戦前夜(2): 中国人民解放軍の機械化師団が北朝鮮との国境に向けて大規模な移動を開始
開戦前夜(3): 米国当局はずっと EMP 兵器実験としての北朝鮮の実験の成否を監視していた



kim-past.jpg

▲ スイスに留学していた時(左)と、現在のキム・ジョンウン第1書記。






 

昨日と今日の朝鮮半島のニュースをいくつか記録しておきます


北朝鮮の状況は、「単なる威嚇だ」と考える意見が多いようですので、単なる威嚇なのかもしれないですが、今ひとつそうとも思えない面もないではないわたくしだったりいたします。

なお、さきほどの報道では、下のようなものが日本語メディアでも報じられていました。


北朝鮮「韓国の外国人は退避計画を」
日本経済新聞 2013.04.09

北朝鮮は9日、首都ソウルなど韓国内の外国人に退避計画を作成するよう警告した。

「戦争が起これば、韓国にいる外国人に被害が及ぶことは我々は望んでいない」としたうえで、「朝鮮半島情勢は核戦争前夜に向かっている」と指摘した。

朝鮮アジア太平洋平和委員会の報道官が同日、談話を発表した。「朝鮮半島で戦争の導火線に火がつけば、我々の無慈悲な報復戦争になるだろう」と強調した。



正直に書きますと、韓国だけに限らず、こういう時期に「海外旅行」というのは考えものかとも思いますが、しかし先に予定が決まっていたものは仕方ないでしょうですので、アジア全域・米国(ハワイ、グアム含む)などに旅行に行かれる方は周囲の「気配」にお気をつけ下さい。

仮にですけれど、戦争か、それに類することが起きて、現地が混乱した場合は政府も救援にいけない可能性は高いと思います。


今回は、タイトルにしましたように、現在の朝鮮半島情勢に対して、「ブラックスワン」という言葉を使用している記事を見かけましたので、ご紹介します。

米国の記者がウォールストリート・ジャーナルに書いたものを朝鮮日報が紹介したものです。


その前に、2日前に北朝鮮が発表した新たな動画に字幕(日本語と英語)をつけたものをアップしましたので貼っておきます。韓国のキム・グァンジン国防相の人形を犬に襲わせたり、銃で撃ったりしているものです。

この中で最後に出てくる兵士は、

「朝鮮半島で戦争が起きるかどうかの問題ではなく、いつ起きるかという問題だ。命令が下れば、いつでも出動できる」


と言っていました。


北朝鮮の国営放送が4月7日に放映した映像




というわけで、ここから朝鮮日報の今朝の報道です。

実際にどのように収まるかはともかく、韓国だけではなく、様々な国で非常に緊迫した様子がうかがえるということは確かです。

何しろ、海外の人間はどんなにトップクラスの人でも、誰も北朝鮮の内部の実情など知らないのですから。

誰ひとりとして。

それはキム・ジョンウンの父親の時代から一貫した主義で、金正日は、「秘密主義こそ安全保障」だと考えていたフシさえあります。

なお、文中に出て来る「ブラックスワン」とは記事にありますように、経済用語としてのブラックスワンです。金融経済用語集から意味を引用しておきます。


ブラック・スワン

マーケットにおいて、事前にほとんど予想できず、起きた時の衝撃が大きい事象のことをいう。

また、認識論学者で元ヘッジファンド運用者としての経験を持つナシーム・ニコラス・タレブが、2006年に刊行した著書「ブラック・スワン(The Black Swan)」で説明している考え方を「ブラック・スワン理論という。これは、従来、全ての白鳥が白色と信じられていたのが、オーストラリアで黒い白鳥が発見されたことにより、鳥類学者の常識が大きく崩れることになった出来事から名付けられ、確率論や従来からの知識や経験からでは予測できない極端な事象が発生し、その事象が人々に多大な影響を与えることを総称したものである。




では、ここからです。





kor-blackswan-top.png
朝鮮日報 (韓国) 2013.04.09


「第二次朝鮮戦争は起きるだろう」というウォールストリートジャーナルの衝撃的な記事

朝鮮半島にブラックスワンが飛んでくるというのか?


米国のウォールストリート・ジャーナル( 以下、 WSJ )が、危機の朝鮮半島に関しての寄稿文を掲載しており、それが関心を呼んでいる。

WSJは 4月8日、アジアセクションにある「リアルタイム韓国」というコーナーに

「2回目の朝鮮戦争。虎の尾とブラックスワン」

というタイトルの寄稿文を掲載した。

アジア太平洋研究グループの創設者であるキム・ジャスパー( Kim Jasper )が寄稿したこの記事は、朝鮮半島の戦争の可能性に関して、「起きる確率は少ないが、仮に発生した場合には壊滅的な打撃をもたらす」とし、 そこに経済用語である「ブラックスワン」を使ったことが目を引いた。

また、寄稿文では、金正恩(キム・ジョンウン)はスイスに留学した経験のある若い指導者という点で、彼の柔軟性に期待したが、しかし現実は逆の方向に現れているとした。これは、強硬な軍部との瀬戸際戦術に沿っていこうと努力しているリーダーシップの未熟さだと分析している。

寄稿文は、 現在の朝鮮半島の状況は、「隠れているブラックスワンだった」としながら、「偶発的な小さな挑発に対応をしていく中で、戦争が拡大していく可能性を否定できない」と警戒した。

続いて 、「一発の銃声が第1次大戦を引き起こしたように、ブラックスワンはどこから飛び上がるかわからない。つまり、わからない部分が韓国戦争の引き金を引くかもしれない」と憂慮した。


第2の朝鮮戦争が勃発する可能性について、具体的には寄稿文では以下のように記している。


ほとんどの専門家は、開戦は北朝鮮政権の終末をもたらすだけであり、そんな自滅を選択することはない(なので北朝鮮は戦争の選択はしないだろう)と言う。 しかし、現在の北朝鮮の若き司令官(金正恩)は、何の経験のない、まだ三十歳にもならない人物だということを考えてもらいたい。

老いた将軍たちが、幼くて経験の浅い指導者から指令を受ける。こんな図式は米国では、決して考えられることではない。米国では、司令官は 35歳以上でなければ任命されないことが憲法上に明記されているからだ。

しかし、実際には米国よりも儒教的な意味合いの強い北朝鮮では、年上に従うという秩序を基本としており、現在の状態はその意味でも危険を感じる。

キム・ジョンウンに政権が移行した時、スイスで教育を受けたキム・ジョンウンなら、北朝鮮のスターリン主義を開放的に変えていくのではないかという期待が私たちにもあった。しかし、皮肉にも、現実は以前よりも事態は逆行してしまったのかもしれない。

非武装地帯の南北朝鮮軍は、現在、極度の緊張状態にあり、偶発的な事故や攻撃が起きる可能性はあり得る。これに"反撃"が加えられた場合、戦争が拡大するという可能性もある。

戦争に発展する可能性は小さいが、起きてしまうと終息が難しくなる可能性もある。






  


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「私たちに残されたかすかな「破局の回避」の可能性のために」前記事:
(1): 「人類のひとりと宇宙は同一のもの」
(2):平衡を失ったこの魚座の世界のどこかにあるはずの「みずがめ座への意識」







 


cosmic-ray_shower-002.jpg

▲ 地球が超高エネルギーの宇宙線のシャワーを浴びた時のイメージ図。


(注) 昨日の記事「21世紀のパンデミック(1): ウイルスが人を選ぶのか? 人がウイルスを選ぶのか?」の続きは、新たな動きや報道がありましたら、また記事にしたいと思います。







ビンカローズが異常に早い時期に咲いた「 4月10日イヴ」


今朝(4月9日)、冬越しさせた夏の花であるニチニチソウが花を咲かせていました。

v-0409.jpg


上の見だしには格好つけて、ビンカローズとか英語名で書いていますけれど、夏前になると、下のようにひとつ80円とかで売られているニチニチソウです。





花を咲かせたニチチニソウは、3年前から冬越しさせているもので、今年4年目の春ということになります。

2日くらい前につぼみをつけていたので、

「咲くつもりなのか? まだ4月のはじめだぞ」

と思いましたが、咲きました。

最近暖かい日もあったとはいえ、ほんの2週間くらい前までは、このあたりは朝方の気温などは氷点下近くまで下がっていましたし、かなり意外感があります。

下のは先月の状態。

vin-0206.jpg


葉はほとんど落ちていて、見るからに元気がないですが、昼は太陽に当てて、夜は寝室やトイレなど、もっとも気温の変化の少ない場所に置いたりしていました。



しかしどう思い起こしても、この1ヶ月くらいはこれらの花の開花温度というものにはほど遠い日々が続いていましたので、考え方の方向性としては、むしろ

「太陽活動が弱いんだろうなあ」

と思ったりしました。

「太陽活動が強い」ではなく「弱い」という方向です。


このあたり何となく複雑な話となるかもしれないですが、以前 In Deep で「宇宙帰りのサクラやアサガオの強い成長」の記事をご紹介したことがあります。


私たち人類も他のあらゆる生命たちも「宇宙線にコントロールされている可能性」を感じて
 2012年06月13日

という記事で、京都新聞と読売新聞の下のような記事を抜粋しました。

下は宇宙帰りのアサガオ。


宇宙アサガオ、異常早咲き
京都新聞 2012年06月13日

asag-02.jpg

宇宙空間を旅した種子から育った京都産業大付属高の「宇宙アサガオ」が、通常は夏至以降とされる開花時期より大幅に早く、10日に咲き始めたことが、12日に分かった。帰還2世代目は異常に多くの花をつけたことが確認されており、開花したのは3世代目にあたるアサガオ。同高は、宇宙放射線の影響を裏付ける事象だとみて、さらに研究を進める。

昨年、2世代目は1株当たり300個以上の花をつける突然変異が確認された。生物部顧問の教諭は、DNAの塩基配列が変わった可能性があると分析した。教諭は夏至前に開花した直接的な要因として、花芽をつくる植物ホルモンの異常が疑われるとみている。その上で、「宇宙放射線の影響があったと、より明確にできた」と話している。





もうひとつはサクラです。


宇宙帰りのサクラ異変…なぜか発芽・急成長
読売新聞 2011年02月21日

sakura-2.jpg

国際宇宙ステーションで2008年11月から8か月半、保管した桜の種を、地上へ持ち帰って植えたところ、発芽しないはずの種が芽を出すなど、異変が相次いでいることがわかった。原因は不明だが、無重力で放射線の強い宇宙環境で、遺伝子の突然変異や、細胞が活性化したなどの見方もある。



それぞれ概略だけの抜粋ですが、どちらも、

「宇宙空間で浴びた宇宙線が原因なのではないか」

ということが書かれています。


宇宙線というのは要するに放射線のことなのですが、地球上で受ける宇宙線は地球大気圏に入った際に変化するので、私たちが地球上で浴びている宇宙線と宇宙空間での宇宙線は違うようです。

このあたりは、宇宙線に関して日本で最高峰の研究を誇る東大に代弁していただきます。東京大学宇宙線研究所のページからです。


宇宙線は地球に到達して大気中に飛び込み、空気中の酸素や窒素の原子核と核反応を起こします。地球大気に飛び込む前の宇宙線を「一次線宇宙線」とよび、大気に飛び込んで変化し新たに生まれた宇宙線を 「二次宇宙線」とよびます。

二次宇宙線は、ミューオン、ニュートリノ、電子、ガンマ線、中性子が主要な成分です。このうち電子やガンマ線は大気中で吸収されて減り、地中まで来るのはミューオンとニュートリノがほとんどです。




cosmicrays.png

名古屋大学理学研究科 F研 ミューオンラジオグラフィより。


つまり、私たちが通常浴びている宇宙線は、ミューオンというものとニュートリノというものですが、宇宙空間ではさらに電子、ガンマ線、中性子、そして、地球大気に飛び込む前の「一次線宇宙線」を浴びるわけで、上の宇宙帰りのアサガオなどの植物は宇宙線の影響で、DNA など何らかの内部の組成が変わったのではないかということです。





増加する宇宙線の中で生命は進化するのではないか? と思った瞬間


それで、どうして、うちの植物の話からそんな話に進んでいるかといいますと、今のうちのこのニチニチソウの咲き方は、時期として「異常に早い」のは確かです。

冬の間も、太陽の出ている時は頻繁に太陽光に当てていたとはいえ、温室栽培しているわけでもなく、特に多くの暖房を使う家でもない部屋に置いてあると考えると、数日暖かいというだけで「真夏の花が咲く」というのは早すぎる。

花の多くは、「気温」で開花をコントロールされているものが多いのですが、

「もしかすると」

という前提となりますけれど、気温と共に宇宙線も、植物の開花と成長の早さをコントロールしているのだとした場合、

地球に到達する宇宙線量が多ければ多いほど、植物たちの成長に違いが出てくるはず

だとは思うのです。
植物に影響があるということは他の生物も DNA で構成されているという意味では、違う形ではあっても、何らかの影響を受けるのではないかとも想います。


宇宙線の量が、植物や場合によっては他の生物の成長や DNA と関係するものだとした場合、まあ・・・仮定ですけど、植物の早咲きが頻発するようならば、「今は地上に到達している宇宙線の量が多い」ということが言えるのではないかと思われます。



そして、地上に到達する宇宙線の量が多い状態のためにはどのような条件が必要かというと、「太陽活動が弱いこと」なんです。


あまり面倒なことを書くつもりはないですが、 過去記事の「太陽に何が起きているのか」という記事の下の部分の原則があります。


一般的に、

太陽活動が活発になる・・・宇宙線の量が減る

太陽活動が弱まる・・・宇宙線の量が増える

となります。

1650-002.png

▲1960年前後から2005年くらいまでの「太陽黒点数の推移」。この期間でもっとも宇宙線量が多かった時と少なかった時を★で示しています。

これは、太陽活動が活発な場合は、太陽風などの要因で地球に到達する宇宙線の量は減るからです。太陽の磁場や諸々のものに宇宙線が遮られるためです。





過去の場合、太陽活動が弱くなっていくと、「あらかじめ予測されていた小氷河期の到来」などで書いていましたように、地球はゆっくりと寒冷化していったのですが、最近、太陽活動が定期的に弱くなっていくのは、単に氷河期などの「気温」の現象との結びつきというより、


太陽活動が弱まるのは、生物の進化と関係あるのでは


と考えるようになってきました。

上のほうに抜粋しましたように、宇宙線を大量に浴びたサクラやアサガオは、あきらかに「生命力がアップ」しているわけですが、つまりこのことです。これも DNA の進化の一種だと思います。

そして、植物だけではなく、他のあらゆる生命も、地球の大気圏内に入ってくる宇宙線の量が多くなると地球の生命は進化する、のではないかと(ただし、何十万分の1とかというわずかな確率で)。





大科学者の人生の時期との宇宙線量

今もし仮に本当に太陽活動が弱くなっているなら、これから生まれてくる子供たちは「進化」の時期の渦中に生まれる可能性があるのではないかというような話なんですが、たとえば、前回の太陽活動極小期間は、マウンダー極小期と呼ばれているものでした。

その期間は、

1645年から 1715年

くらいの 70年間くらいです。

この期間を見て、科学が好きな方なら何となく「この期間には見覚えがある」というような感じがしないでしょうか。

Wikipedia のある項目から抜粋します。


アイザック・ニュートン

アイザック・ニュートン(1642年 - 1727年)は、イングランドの哲学者、自然哲学者、数学者。神学者。

ニュートン力学を確立し、古典力学や近代物理学の祖となった。古典力学は自然科学・工学・技術の分野の基礎となるものであり、近代科学文明の成立に影響を与えた。



近代現代科学の間違いなく親分のひとりであるニュートン。
こういう人物が地球に生まれなかったら、「地球の文明は止まった」と思います。

下はマウンダー極小期とニュートンの存命期間


   マウンダー極小期 1645年から1715年
アイザック・ニュートン 1642年から1727年



ある意味で「進化した人類」と言えるニュートンは、太陽活動が極端に弱い時期に生まれ、その中で育って、その中で死んでいったようです。

もちろん、他にもこの時期にはたくさんの人が生まれているでしょうが、前回の記事、


21世紀のパンデミック(1): ウイルスが人を選ぶのか? 人がウイルスを選ぶのか?
 2013年04月08日


で抜粋したフレッド・ホイル博士の文章の最後の一文。


個体の苦しみは、種の利益とは関係ない。問題になるのは、100万の失敗のほうではなく、ときどきそれがうまく行くという事実の方なのだ。



ホイル博士は、ウイルスの流入によって、たとえとして、「 100万の1回くらいの進化が起きる」としているように、「進化」というのはそう簡単に起きるものではないと思われます。


しかし、18世紀にはすでに何億人の単位で世界人口はありましたので、当時、全世界で何百人か、あるいは何十人くらいの「進化した人々」がその時期に生まれていたように思います。

そして、ニュートンもそのひとりだったのだと思います。

ホイル博士は、過去記事の、


ビッグバン理論での宇宙の誕生より古い「 145億年前の星」が観測された報道を見た日に(2): 破局の回避という奇跡があるとすれば
 2013年03月09日


という記事で抜粋した『生命はどこから来たか』(1995年)で以下のように書いています。


突然大飛躍して科学が発展することもある。ニュートンの力学の飛躍的な進歩が、天体力学の発展、 19世紀の光と放射線の理論、そして現代の量子力学を導いてきた。



上に「突然大飛躍して」とあるように、そういう人物は突然出現します。
これは人類の進化も「突然である」と思っている私の概念とも関係している気がします。


しかも、ニュートンはイケメンですしね(笑)。

IsaacNewton-1689.jpg

▲ アイザック・ニュートン。


ちなみに、ニュートンは米国のプロレス団体 WWE のトップスターだったエッジというレスラーとよく似ています。この人もイケメンでした。

edge-01.jpg

▲ エッジ。最近引退したらしいです。


エッジの 1999年頃の「エッジ&クリスチャン」というタッグチームの話も書きたいですが、今はプロレスの話を書いている場合ではありません(だったら、最初から触れるなっつーの)。

いずれにしても、フレッド・ホイル博士などはニュートンの万有引力の法則のおかげで彗星の周期を発見したことに最大の科学上の讃辞を述べています。


また、過去記事では、オカルトベースかもしれませんが、エメラルド・タブレットの研究者としてのニュートンという一面もありました。

エメラルド・タブレット 完全版
 2012年03月03日


また、ヨーロッパで「産業革命」が始まった時期というのも、どうも太陽活動の弱い時期との重なりを感じます。産業革命の始まりのひとつは下の頃の時期です。


1733年ジョン・ケイが、織機の一部分である杼を改良した飛び杼を発明して織機が高速化された。



まあしかし、いずれにしても、こんなことを長々と書きました理由は、


これからの地球が太陽活動の極小期に入る可能性が高い


からです。

つまり、以前と同じように「地球を変える人物」が生まれてくる可能性の話です。

ちなみに、もうすでに生まれている私たちは全員ダメです


もちろん、突然、「地球の文明を変えるような人」が登場するかどうかはわかりませんし、その前に人類の多くが死に絶えてしまうという可能性だってあります。

しかし、私は過去記事の、

私たちが経験している現在の気候変動は次の数万年の人類史への扉かもしれない
 2012年07月13日

にも書いたことがありますが(記事の中盤の「次の新しい十数万年に向けて」というセクション)どれだけ人間が減っても、人類が「ゼロ」になることはないと私は確信しています。


それは地球が宇宙の中にあって、宇宙は人類を常に必要としているからです。


この「宇宙は人類を常に必要としている」というフレーズには違和感を感じる方も多いかと思いますが、私が 2011年の3月の震災の直後から気づき始めたひとつの概念で、自分では正しいと思っています。いちおう、関係したリンクを貼っておきます。

ほとんどが震災直後の「日記」で錯乱した内容ですが、読みやすいものを二つほどはっておきます。上の「宇宙は人類を常に必要としている」の概念が少しずつ出てきた時のものです。

新しい神話の神様たち
 2011年03月16日

アカシックレコードからの脱却と独立を果たした奇跡の生命
 2011年03月17日


いずれにしても、これから生まれる子供たちの中に「今後の地球を変える鍵」を握る子供たち、あるいは「その可能性を持つ」子供たちがいるはずです。私たちのように「進化できなかった人間」は新しい彼ら彼女たちに一歩引いて敬意を表して、でも普通に生きていけば、世界はそのうち変わる・・・可能性が・・・ほんのちょっと・・・あるのかもしれません。

このあたりは、やはり過去記事の「マザー・シプトンの四行詩」に、16世紀の予言者として名高いマザー・シプトンという方が、



千里眼をもつ子どもたち。

未来の子どもたちは上品に、控えめに振る舞います。
地球の新たな黄金時代の始まりです。



という詩を残しています。

ここにある「黄金時代」というものが「もし」来るのだかとすると、これから生まれてくる新しい価値観の新しい子供たちに想いを馳せて、古い価値観の私たちはどんどん早くいなくなっていくのもいいのかもしれません。


ところで、今回の一番上の見出しに「4月10日のイヴ」と書いて、その説明がなくて、何だかよくわからない感じになっていますが、ちょっと時間が尽きましたので、明日にでも書けるかもしれません。



  

2013年04月08日



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関連記事:
21世紀のパンデミック(2): 中国当局がネット上での「噂」を厳しく取り締まる理由
21世紀のパンデミック(3): 次にヒトのインフルエンザ感染が発生するとしたらそれはどこか?
「インフルエンザウイルスはヒトからヒトへ感染していくものではなく、宇宙から個人に直接感染するものである」という説を今一度思い出し







 


昨日の記事、

中国で起きている真実を知りたい: 上海周辺の動物の大量死とパンデミックの「予兆」は関係があるのか?
 2013年04月07日

の中で最近の中国のヒトへの新型インフルエンザ[ H7N9 ]の感染についてのことと、最近中国で起きていた動物の大量死について書きました。

そうした中、今朝の中国の新聞で一斉に「南京でスズメの大量死。 H7N9 との関連はあるのか」といったようなタイトルの報道が出ていました。

ch-swarrow.jpg

中国新聞網より。


これに関しては、大紀元の日本語版に記事がありましたので、そちらから抜粋します。


南京市でスズメが突然死 当局、H7N9型ウイルス感染を否定
 大紀元 2013.04.08

南京市の住宅地で4日から5日にかけて、数十匹のスズメの死骸が街路樹から次々と落ちていた。死因について当局は、H7N9型ウイルスによるものではないとしている。

死骸が発見されたのは南京市の住宅団地。最初の死骸が発見されたのは4日夕方だったが、4、5匹であったため、住民らも気に留めなかった。5日の午後4時ごろ、「スズメが一匹、また一匹と落ちてきた」。1時間ほど続いた後、地面に20数匹の死骸が横たわっていたという。



ということで、まあ 20羽くらいの死亡で、大量死とは言えないですが、これと似た例で、さらに多い数の事例が、数年前の北海道などでよく起きていたことを思い出しました。下のは、その頃のニュースのまとめ記事からの抜粋です。


北海道でスズメ、東京でハトがそれぞれ大量死
ウィキニュース

【2006年4月13日】

4月に入ってから北海道の道央・道北地域でスズメの大量死が相次ぎ、12日までに上川支庁だけで計 760羽の死骸が発見された。一方、東京都の2つの公園ではハト計54羽の死骸が発見された。いずれもトリインフルエンザウイルスは確認されておらず、死因もまだ特定されていない。



このあと、北海道庁では「スズメの死亡に関する情報について」という特設ページを開設し、それによりますと、最後まで死因は不明だったようで、つまり「全体を通して見つかった同じウイルス等はなかった」ということのようでした。

固体のそれぞれで別の感染菌などは見つかっています。

2006年の北海道のスズメの大量死でスズメから見つかった症状や細菌等は、

・消化器官の炎症
・血液循環障害
・黄色ブドウ球菌
・サルモネラ
・アトキソプラズマ原虫


などだそうで、鳥インフルエンザなどは見つかりませんでした。いずれにしても、原因は不明のまま、総計で、2005年の12月から2006年の4月までに、

スズメの死骸の数 1,517羽

という結果となったようです。

このくらいの数となると、「大量死」といわざるを得ません。






病気になる「現象」を選んでいる主体は誰か?


ところで、昨日、メールをいただきまして、そこに書かれてあったことから、フレッド・ホイル博士の書いていた文章を思い出しました。そのメールは、過去の歴史の中でのウイルスや戦争などの歴史についてふれられていらっしゃるものでした。その中に下のようなくだりがありました。


昔読んだ本に、

「ウィルスは人を選んでいる。過去における大きな戦争の勝敗も、ウィルスによって決められたのだ」

というのがあり、すごく納得した記憶があります。




そういえば、1918年のスペイン風邪(鳥インフルエンザのパンデミック)に関しての詳細なデータがあまり残っていない理由のひとつが「第一次世界大戦」の時期とスペイン風邪の時期が重なっていたということがあります。

戦時中は、どこの国でも自分の国の軍人が何人くらい死亡したかというような情報は極秘情報なわけで、それが戦闘で死亡したものであろうと、病気の流行などで死亡したものであっても、明らかにはしませんでした。


たとえば、下のような話が合っているとか合っていないとか、そういう明確な部分はともかく、「たとえば」という話で、Yahoo! のQ&Aに次のような問答があります。


質問「スペイン風邪の事」

「スペイン風邪」の事ですけど、第一次世界大戦では「戦争を終わらせた」影の功労者(?)かもしれないと思いました。この大戦での一番の勝者はもしかしたらスペイン風邪かと。洋の東西を問わず戦史的に「伝染病」などで戦線が硬直・停戦・終結したものって、他に何かありますか。


ベストアンサーに選ばれた回答

第一世界大戦の終結とスペイン風邪とは関係ありません。逆に戦争のせいでアメリカで起こった第一波が軍隊の派遣とともにヨーロッパに波及し、第二波、第三波の大流行を引き起こしたわけですから、戦争がスペイン風邪の世界的大流行を引き起こしたと言えます。

伝染病で戦況が停滞したのは黒死病が最も有名でしょう。百年戦争時のことです。



まあ、上の問答はともかくとしても、スペイン風邪の明確な死者数がわかりにくくなったのは、当時の主要国が戦争で混乱していたことと、戦略的な意味で資料を公開しなかったことは関係あると思われます。



そして、スペイン風邪の当時、もっとも綿密にスペイン風邪による患者数と死亡者数の統計を残したのは実は「日本」でした。

特に、日本の資料は2年間にわたってきわめて正確に記録され続けたもので、スペイン風邪の様相がよくわかる資料の例だと思います。

資料は現在も、東京都健康安全研究センターに PDF として残されています。

日本におけるスペインかぜの精密分析:(東京都健康安全研究センター)

に内容と資料があります。

あまりご存じない方も多いかと思われますので、1918年のスペイン風邪で日本人がどのくらい感染して死亡したかについていくつか掲載しておきます。




1918年のスペイン風邪(鳥インフルエンザ)のパンデミックの中の日本

まず、死者数は下の表です。

1918-death-01.png


1918年が約7万人、1919年が約4万人、そして、1920年には鳥インフルエンザにより 10万人以上が死亡しています。そして全期間、つまり 1918年から1920年まで日本だけでも鳥インフルエンザのパンデミックで、約 22万人くらいの方が亡くなっていたことがわかります。


患者数は下の表です。

1918-death-02.png


日本でのスペイン風邪の流行期間は3回にわけられますが、1918年 8月から翌年 7月までの約1年間の流行がもっとも患者数が多く、日本人のうちの約 2,100万人が感染しました。そして、3年間で約 2,300万人が感染しました。


当時の日本の人口は 5,000万人以下ですので「日本人の約半分が鳥インフルエンザに感染した」という言い方でも、あながち間違っていないと思われます。


しかし、スペイン風邪は「おそろしいパンデミック」だとされていながらも、致死率自体は決して恐ろしく高いというものでもなかったのです。

下は「患者 100人あたりの死亡者数」です。

1918-death-03.png


上から1回目の流行、2回目の流行、3回目の流行となっていて、2回目の流行の時の死亡率が非常に高いのは、鳥インフルエンザの毒性がアップしたということが言えそうですが、いずれにしても、全期間を通しての感染者の致死率は2パーセント以下です。

これは今現在、中国で、あるいは流行しているかもしれない鳥インフルエンザの致死率の 10分の 1以下といってもいいかと思います。


だからこそ、現在の鳥インフルエンザは恐ろしい感じも漂うのです。


ちなみに、1918年当時のスペイン風邪の感染状況を、現在の日本の人口1億2千万人に照らし合わせると、大体ですが、

総患者数 5,000万人
死亡者数 70万人


という、非常に大きな厄災だったことがわかります。


1918年のスペイン風邪には致死率以上の「もっと大きな問題」がありました。


それは、「老人や幼児ではなく、青年から壮年期の人たちが多く死亡した」ということでした。


普通、「病気」というと、弱いものから死んでいくというようなイメージがあり、多くはそうなります。すなわち、ご老人や、小さな子供や赤ちゃんが犠牲になる。ところが、スペイン風邪では、まったく逆の現象が起きていて、「体の強い青年期の人たちが最も多く死んだ」のでした。

これはスペイン風邪では全世界共通でした。

詳しいことは上にリンクした東京都健康安全研究センターの資料にありますが、日本の場合ですと、死亡者年齢の分布は以下のようになっていました。男子と女子では若干違いますが、スペイン風邪ではこの年齢層が最も多く死亡したということです。




死亡者年齢の分布 / 男子

・1917-19年 21-23歳の年齢域で死亡者数のピーク
・1920-22年 33-35歳の年齢域で死亡者数のピーク



死亡者年齢の分布 / 女子

・1917-19年 24-26歳の年齢域で死亡者数のピーク
・1920-22年 24-26歳の年齢域で死亡者数のピーク





「元気な者からどんどん死んでいく」というのが、スペイン風邪の最も大きな特徴であり、また、その原因は今でもよくわかっていません。

免疫の異常反応(いわゆるサイトカイン・ストーム)ではないかという説もありますが、何とも言えません。



このあたりは、1971年のアメリカ映画『アンドロメダ病原体(アンドロメダ...)』を思い出します。

and.jpeg

▲ 1971年の映画「アンドロメダ…」より。未知の病原体により全滅した村で、生き残っていたのは、「生まれたばかりの赤ちゃん」と「村一番のアル中の老人」のたった二人だけ。このふたりに共通点はあるのか・・・というところから始まる映画です。





ウイルスが人を選んでいるのではなく、人間が取り込むウイルスを選んでいるという説


メールを下さった方の「ウィルスは人を選んでいる」というフレーズについては、私も以前からいろいろと思うことがありました。

たとえば単なる風邪でも、風邪は基本的に「全員がかかっても不思議ではない」のに、どうして、そうならないのか、ということは小学生の頃から疑問で、大人に聞いたりしたこともありましたけれど、結局それについては誰もわからないというのが現実のようでした。


何年か前にフレッド・ホイル博士の著作『 DNA は宇宙を流れる』という本を読んだ時に目からウナギが落ちるような記述を目にしたのです(ウナギかよ)。いやいや、ウナギではなく、ウサギです(巨大化するのかよ)。

いやいや、そういう冗談を言っている場合でもないのですが、その記述とは、


人間自身がウイルスを選んでいる


という説でした。


うまく説明できないですので、今回はその部分を抜粋しておきたいと思います。

フレッド・ホイル博士とチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士は、インフルエンザ・ウイルスも宇宙からやってきていることを調査するために、1975年に流行した百日ぜきと、1977年〜1978年に英国で大流行したインフルエンザに対して徹底的な検証をおこなっています。

なので、その「人間自身がウイルスを選んでいる」という部分だけを抜粋しても突飛な感じがしますので、少し前後を含めて抜粋しようと思います。1回だけでは無理そうですので、わけます。


今回はその「人間自身がウイルスを選んでいる」という部分を抜粋します。

改行はこちらで適時しています。

それでは、ここからです。






免疫と進化


フレッド・ホイル著『 DNA は宇宙を流れる』 第4章「進化のメカニズム」より


われわれが「ウイルスは宇宙から来た」と言うと、決まって、

「地球外からやってきたウイルスが、どうして地球の宿主を知っているのか?」

と反論される。

ウイルスが増殖するには宿主となる生きた細胞が必要不可欠だが、インフルエンザ・ウイルスをはじめとする一部のウイルスは、特定の動物の特定の細胞や器官にしか感染しないという、きわめて気難しいところがあるからだ。したがって、彼らが言っているのは、

「地球外からきたウイルスが、地球で見つけるべき生物、あるいはその細胞を知っているのは、なぜか?」

ということなのだ。

この問いに対しても、われわれは答えを用意している。ウイルスが宿主を選ぶという彼らの前提が間違っているのだ。

われわれは、宿主のほうがウイルスを選んでいるのだと考えている。

地球にはじめて落ちてくるウイルスが、あらかじめどんな宿主に遭遇するか知るよしもないことは当然だ。けれども、宿主たるわれわれは、もともと宇宙からやってきたバクテリアから進化した存在であり、このような事態に備えた機構を持っているはずなのだ。

それが免疫機構なのだとわれわれは考えている。

これは、ウイルスについての従来の見方を、根本からくつがえす考え方だ。

通常、ウイルスと免疫との関係と言えば、ウイルスがわれわれの細胞を騙して侵入し、それに気づいた免疫機構がウイルスを排除しようとして戦う、という説明がなされている。

けれども、まっすぐに伸ばすと全長 1.5メートルにもなり、 10万個もの遺伝子を持つヒトの DNA 分子が、全長わずか数ミクロンで、数個の遺伝子しか持たないウイルスの DNA 分子に「騙される」などということが、本当にありうるだろうか?

また、ウイルスが侵入してからの免疫システムの素晴らしい活躍ぶりを見ると、どうして、もっと早いうちに完全にブロックしておかないのだろうと疑問に思わないだろうか?

そこまで工夫している余裕が細胞になかったのだろうと言うことはできない。

なぜなら、宿主細胞の核酸には、ウイルスの核酸などお呼びもつかないような大量の情報を書き込むことができるからだ。この能力を総動員してかかれば、もっと早い段階でウイルスの侵入をブロックすることも、遺伝子のプログラムの二重書きをふせぐことも、わけもないはずなのだ。

したがって、そんな仕組がない理由はただひとつ。

それはウイルスの侵入が、われわれ生物にとって望ましいからだ。

ちっぽけなウイルスが大きな生物を騙すのではなく、生物が自らの利益のために ----- 進化するために ----- 進んでウイルスを招き入れるのだ。

われわれは、免疫機構に対する考えを改めなければならない。免疫機構は、常に新参者を探しているが、それはわれわれの遺伝システムがそれを取り込むことが進化論的立場から価値があると認められるような新参のウイルスを探すためなのだ。

明らかに価値がなさそうなものは門前払いをくらい、見込みがありそうなものだけが細胞との相互作用を奨励される。もちろん、その個体が死んでしまっては、ウイルスを感染させた意味がなくなるから、適度なところで病気を終息させる必要がある。そこで、ウイルスが感染し、目的の組織で増殖しはじめると、インターフェロンが作られはじめるのだ。

こういう考えはどうも腑に落ちないと思われる方もあるだろう。ウイルスに感染した人は苦しい目にあうから、どうしても「ウイルス=悪者」という先入観を持ってしまうからだ。

けれども、個体の苦しみは、種の利益とは関係ない。問題になるのは、100万の失敗のほうではなく、ときどきそれがうまく行くという事実の方なのだ。





ここのでです。

最後の「100万の失敗のほうではなく、ときどきそれがうまく行くという事実の方なのだ」くだりはちょっとわかりにくいですし、私も理解しているわけではないですが、その前に

> 個体の苦しみは、種の利益とは関係ない


とありますので、「生命の進化がたまに成功する」ことを書いているのだと思います。


そして、ここではヒトに感染するウイルスのことですので、

ウイルスの流入によって希に人類の進化が起きる

ということを示しているのだと思います。

このあたりは、昨年の記事、

西暦 541年の東ローマ帝国でのペスト襲来に関してのヨーアンネースの記録
 2012年09月20日

ウイルスの流入の繰り返しでDNAの進化をなし得てきた人類をサポートする「宇宙と火山」
 2012年09月23日

などもご参考いただければ幸いです。



  

2013年04月05日



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前回記事: 私たちに残されたかすかな「破局の回避」の可能性のために(1): 「人類のひとりと宇宙は同一のもの」






 


今回は日記的なもので終わりそうです。

今日のことを書こうと思ったのは、昨日、米国の科学系サイトの記事で、NGC 602という星団についての記事があったんです。記事の内容はどうでもいいのですが、そのNGC 602星団の写真が「天使が怒っている顔」にしか見えないんですよ。

下が現在の NGC 602 星団の写真。

ngc602_665.jpg


きれいな写真だけど、右を向いて睨んでいる天使にしか見えない。

アングルとしては下のイラストの天使の顔の方向でわかりやすいかと。

angel-01.gif



「なんでこんなに怒りばかりが目につく宇宙に生きるようになってしまったのだろう」。


まあ、そんなわけで、単なる雑文になりそうですけど、少し書きます。






今の感情はなぜかマイナスではないけれども


明るいニュースは相変わらずないんですけど、なぜか気分はすでに「ひとつの段階」を過ぎた感覚もありまして、特にマイナスの感情もない感じです。

昨年来ふたたび悪化し始めていたパニック障害と強い鬱に交互に苛まれるというような状態もかなり脱しまして・・・。完全じゃないですけど。


精神のほうさえ大丈夫なら、体調そのものは「生まれてからずっと悪い」のであまり関係ないです。

映画『フルメタルジャケット』のポスターは、主人公の被っているヘルメットが描かれたもので、下のものでした。Born to Kill (殺すために生まれた)と書かれてあります。

full-metal-jacket.jpg


これに照らし合わせれば、私などは「 Born to ill 」 (病気に向かって生まれてきた)というところで、小児ぜんそくを含む複数の病気を抱えたまま生まれて、両親は、「この子は3歳までは生きられないでしょう」と病院に行くたびに医者に言われたそうです。


それを私が聞いたのは大人になってからですが、その頃、私は親に、

本当はもう俺って3歳で死んでたのでは? 今の俺は別モンじゃないの?」と聞いたりしていましたが、私は別に冗談で言っていたというわけでもありませんでした。


でも、そんなエラソーなことを言っていても、日常の恐怖感は人よりはるかに大きい私。

数日前も、寝ている時に右目の中が痛くて夜中に飛び起きて、ゴミでも入ったかと思うのですが、洗っても変わらない。

しばらく症状を考えていました。

目の痛みの中には角膜の潰瘍などを含む、わりとあっさりとそのまま目が見えなくなってしまうものもありますし、私はもともと眼圧が高いんです。

なので、緑内障とかになるのは決定的な感じで、将来的にはいつか目は見えなくなると思うんですけれど、まだ見えるので、突然見えなくなるのが怖い。


なので、目の痛みを怖がったりする。


この「恐怖」という概念。

これが今の世の中の混乱を多くを引き起こしているわけで。

財産を失う恐怖とか病気で死ぬ恐怖とか、種類には数限りなくありますが、

恐怖の最も先には、

個人(本人)の死

がある


のはある程度は間違いないと思います。



ほぼすべての今の世界の人々は、「死」が怖い。


解決策はある?

あったかもしれないけど、100年前に消えたのです。

先日の、私たちに残されたかすかな「破局の回避」の可能性のために(1)で取り上けた20世紀初頭のロシアの科学者であるチジェフスキー博士という人たちなどがいたの「ロシアの宇宙主義」には、こちらによると、以下のような最終目標があるのだそうです。

文章として続けて書くとわかりづらいですので、箇条書きにさせていただきます。


・宇宙の現象と人類の感情の関係を物理的に把握すること。

・精神的社会の意識での新しいタイプの社会組織を作ること。

・死を克服し、人間の肉体的な自然性を変容させること。

・宇宙のなかで不死の生命を永遠に作り出していくこと。

・生きている人間も死んだ人間もこれから生まれてくる人間もつながっていることを把握すること。

eonet より。



というようなことが書かれてあります。

1920年代にこの学問は消えてしまい、その後、日本も含めた多くの世界を席巻した「西欧的思想」は上の逆でした。つまり、私たちもその親も、今の子どもたちもも教えられている価値観はすべて上の逆です。

すなわち、現在の人類の考え方と教育の方向性は、


・宇宙現象と人類の感情・・・・・は物理的に関係ない。

・精神的社会・・・・・なんて存在しない。

・死は・・・・・克服できない。

・宇宙のなかで不死の生命・・・・・なんて言ったら「キミ頭がおかしい」。

・死んだ人間もこれから生まれてくる人間もつながっている・・・・・なんてことをテストの答案に書いたら「0点」。



今の私たちはそのような世界に住んでいます。


それでも、多くの人たちはそんなに絶望していない。

あるいは、そのように「数値」からは見えたりもします。なぜなら、いくら自殺者が多いといっても、「生きている人の数より自殺者のほうが多い社会」というわけでもない。



私は昔、今のような社会の中でのラブストーリーの脚本を書いたことがあります。毎年の自殺者が 300万人を越える世の中の話で、すでに自殺がタブーではなくなった世界。むしろ悲壮感のない社会の話でした。

その中であえて子どもを作る選択をした失語症の恋人同士の話でした。

まあ、映画にするつもりで書いて予算がなくて、そのままボツになりましたけれど、20年くらい前の私は「今のままいけば、そういう社会になる」と本気で思っていましたしね。









2009年のクリフ・ハイの警告


ウェブボットの主催者クリフ・ハイは昔のエッセイによく「みずがめ座の時代」のことを書いていました。

少し抜粋してみます。

ALTA レポート 1109 パート1 巻末エッセイ
2009年1月31日

さまざまな人類が住む宇宙はエネルギーの渦が幾重にも重なる円環として見える。当然、われわれの地球もこうした渦を巻くエネルギー場の一つだ。そのエネルギー場は、生命のあるもの、 また、生命のないものそれぞれの小さなエネルギーの渦が織りなす複雑な構造をなしている。

変容はこうした構造で起こる。

変容は人類が生存している宇宙全体で起こっていることだ。その視点からみると一つ一つの惑星は渦を巻くエネルギーの場であり、そこで変容が起こることは花弁が一つずつ分かれて分離するようなイメージでとらえることができる。

実際の変容の過程は、民衆がこれまでの社会の組織や権力に離反し反逆するという形で現われる。変容に抵抗する人々は多く存在する。

次の時代はみずがめ座の時代である。この星座は水の星座である。したがって、どんなに抵抗する力が強くても、うお座の父権的な組織の崩壊は水と女性的なエネルギーを通して行われるはずだ。




ALTA レポート 1109 パート6 巻末エッセイ
2009年2月14日

ロシアで盛んに行われている議論だが、いま太陽の放出するエネルギー量そのものは変化がないものの、太陽が形成する磁界である太陽圏は急速に縮小しつつあるという。

この縮小によって、地球は太陽圏の外部に出てしまい、その結果、地球に宇宙からの放射線が直に降る注ぐことになると考えられている。 その影響がどういうものであるかははっきりしないが、人類にとって決してよいものではないことだけは確かなようだ。

様々な「脅威」が指摘されている。
これらのうちどれが実際に起こるかはまだ分からない。

最後に一言付け加えたい。

われわれはいままさにみずがめ座の時代に突入しようとしているが、だからといっ て父性的なピラミッド型の権力システムが一気に崩壊し、フラットな女性原理に基づくシステムが台頭するかといえばそうではない。

うお座の時代が終焉する前に、うお座の特徴である階層的なシステムが勢力を盛り返すことだって十分にあり得るのだ。これには注意しなければならない。




クリフ・ハイは4年前に、確かに上のように警告していました。


うお座の特徴である階層的なシステムが勢力を盛り返すこと



を。


上にある、

階層的なシステム


これが私たちをイラつかせている元凶なんですが、一方で、一部の女性たちは確かにこの「階層的なシステム」に(表面的には追従しているように見えても)、実質的にこの社会から離脱していこうとしているようには見えるのです。


でも、具体的な部分がよくわからない。

そんなことどうでもいいじゃないか・・・とはいかないのです。
なぜなら、みずがめ座的な概念の中でないと、上のロシア宇宙主義の、




・宇宙の現象と人類の感情の関係を物理的に把握すること。

・精神的社会の意識での新しいタイプの社会組織を作ること。

・死を克服し、人間の肉体的な自然性を変容させること。

・宇宙のなかで不死の生命を永遠に作り出していくこと。

・生きている人間も死んだ人間もこれから生まれてくる人間もつながっていることを把握すること。



はうまくいかない。

トップがいたり、誰かが誰かに教えたりするような社会ではダメなんです。



みずがめ座の時代とは、「完全なる自覚」という概念だと思うようになりました。



人に教えるものでもないし、教えてもらうものでもない。


誰も教えない。
教わらない。
そもそもそういう概念がない。


自覚という覚醒の中で生きていける社会。




それを・・・目指す・・・のは、なんかもう私には無理




でも、未来の人々には目指してほしいです。


100年後の世の中がどうなっているか・・・・・なんて普通に書きたいですが、違います。
そうではないです。

ハッキリ書けば、2015年に世界はどうなっているか


構造的に今と同じ社会なら私は生きていたくないですし、そもそも生きていないと思います。生きていたら自主的に死にます。


でも、普通に体のほうで死んでくれると思います。
体はちゃんとその人と時代の「宇宙との仲介」をするものだと思っています。


人類は宇宙から与えられていると考える人も多いですが、逆もあります。

宇宙も人類から与えられている。


その均衡が崩れた時、先日、クレアの日記に書きました、ホピ族の言語で言うところの「コヤニスカッツィ」という「常軌を逸し、混乱し、平衡を失った世界」になるのかもしれません。



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▲ 1982年のナレーションの一切ない「映像と音楽だけ」のドキュメンタリー映画『コヤニスカッツィ/平衡を失った世界』の冒頭に出てくる米国の先住民族フリーモント族(ホビ族)の壁画。



そして、私たち今の人類は大体 2000年くらい前からその「平衡を失った世界」に生きています。


そこから抜け出せる機会はあと3年しかないと私は思っています。人間はそれぞれが「自分自身に対しては神様でもある」のですから、まあ、私も神様として自分に言っておきたいです。


Good Luck !!


と。


ただの日記になってしまいました。

ニュースもたくさん溜まっていまして、明日はまたそれらに戻ります。