<< 1  2 

2013年08月30日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




ローマでの「突然の火口の出現」と桜島の海外での報道から考えるこれからの時代



ローマの出来事は単なる小さな地質的現象なのか、あるいは違うのか


数日前に、「地球の記録」で、イタリアの下の報道をご紹介したんですね。

rome-vent-01.jpg

イタリアの空港近くに一夜にして泥と水蒸気を噴き出す火口のような穴が出現 より。






 

報道の内容は下のようなものでした。


新しい火口がローマの空港の近くで発見される

イタリアの専門家たちは、ローマにあるフィウミチーノ国際空港の近くに一夜にして出現した火山の噴気孔のように見える現象について困惑している。

蒸気と水や泥の小さな間欠泉のような噴水を作り出す火口のような穴は、突然、フィウミチーノ国際空港の近くの横断道路そばの地面に開いた。

これが壊れた地下パイプなどによって引き起こされた人工的な事故であるかどうかはまだ不明だが、最初の調査では、これは人工ではなく自然にできた穴であることを示している。




その時の状態は、上の写真のような感じの穴で、泥や水蒸気なんかを噴き出してはいるのですが、規模そのものとしては小さなものでした。動画も YouTube などにあります。

そして、それから数日後。

今、その穴は下のように「成長」しているようです。

vent-07.jpg


これも動画がありますので、下に貼っておきます。

拡大するローマのレオナルド・ダ・ヴィンチ空港近くの火口




このフィウミチーノ国際空港というのは、一般的にレオナルド・ダ・ヴィンチ空港と呼ばれている空港で、ローマ中心部から数キロ北西にあります。

rome-map1.jpg


まあ、このような「ローマのど真ん中近くでの出来事」ということもあり、話題となっているニュースのようですが、上の「穴」について、報道では「火口」というような表現をしていますが、もちろん、どういうものかはわかっていません。




イタリアの火山の巨大噴火の歴史

ローマのど真ん中で火山活動が始まるというようなことはあまり想像できないことではありますけれど、イタリアという国そのものは、有史の中でも大規模な火山活動を起こしてきた場所であります。イタリアの火山で有名なものとしてはエトナ火山と、ヴェスヴィオ(ベスビオ)火山が挙げられそうです。

Italy-Volcano-Map.gif


Wikipedia などから適度に抜粋します。


ヴェスヴィオ山

Ausbruch_des_Vesuvs_1817.jpg

▲ 18世紀から19世紀に活躍した英国の画家ウィリアム・ターナーが描いたヴェスヴィオ山の1817年の噴火の様子。


ヴェスヴィオ山は、イタリア・カンパーニア州にある火山。

紀元後79年8月24日の大噴火が有名であり、この時の火砕流でポンペイ市を、土石流で埋没させた。1631年12月には79年以来最大の噴火をおこし、約3,000人が死亡した。また1822年には噴煙を14km噴き上げている。最近の噴火は1944年3月22日のもので、サン・セバスティアーノ村を埋没させた。





エトナ火山

エトナ火山はイタリア南部シチリア島の東部にある活火山。何度か大噴火を起こし、カルデラを形成している。神話において、テュポンが封印された場所だとされる。 ノアの大洪水を引き起こしたという説がある。

過去の大噴火(抜粋)

・1169年 死者16,000人
・1669年 死者10,000人。ニコロシ村の全部とカタニア市の半分が壊滅。



など、この 2000年くらいの中の、いわゆる「うお座の時代」の歴史の中でイタリアはかなり派手な噴火を起こした火山も多いです。特に、エトナ火山は巨大なカルデラを形成していて、十万年単位の過去で考えれば、こちらの記事などでも書きました、いわゆる、破局噴火を起こしていたようです。

ちなみに、エトナ火山は、日本の富士山と共通の特徴を持っています。それは、どちらも「山そのものが世界遺産に登録されている」という点です。




海外でも関心が持たれている「桜島」


火山といえば、今、日本では桜島の活動が活発ですが、桜島に関して、先日、オーストラリア ABC ニュースのテレビ報道で比較的長いニュースとして取り上げられていました。

abc-sakura-2013-08.jpg

ABC ニュースより。


これは、 ABC のリポーターが日本に来て取材したものですが、オーストラリアなどのテレビ局で他の国である日本の火山のことを、しかも富士山などの有名な山ではない日本の火山を、このように長く取り上げるのはなかなか珍しいと思った次第です。

内容に目新しいものがあるわけではないのですが、「こういうことが、海外で報道されている」という意味を含めて、今回、そのニュースの概要をご紹介したいと思います。

この放送で取材を受ける人の中に、日本の火山学者の井口正人教授という方がいらっしゃいますが、井口教授は、最近の桜島の噴火に関して下のような報道でも発言しています。


桜島の爆発的噴火降灰 通常の10倍15万トン
msn産経ニュース 2013.08.20

噴煙の高さが約5千メートルに達した鹿児島市の桜島・昭和火口の爆発的噴火で、降灰の噴出量は通常の10倍近い約15万トンと推計されることが19日、京大防災研究所火山活動研究センターへの取材で分かった。

同センターの井口正人教授は、昭和火口が噴火活動を再開した平成18年6月以来、最大規模の噴火だとしている。今回は、数日間にわたり桜島に供給されたマグマがまとまったため、大規模の噴火になった」と指摘。このため噴出量が10倍近くに上ったとしている。

井口教授によると、桜島の地下に蓄積されているマグマ全体から見れば、今回はガス抜きにもなっておらず、今後も同規模の噴火は考えられるという。



というように、専門家から見れば、


> 桜島の地下に蓄積されているマグマ全体から見れば、今回はガス抜きにもなっておらず、


ということのようです。

そんなわけで、ABC ニュースの内容をご紹介いたします。





Lava eruption could be imminent
ABC (オーストラリア) 2013.08.28


溶岩の噴出が差し迫っているかもしれない


火山学者たちは、日本の桜島下のマグマ溜まりが 90パーセント程度のレベルになっており、巨大な溶岩噴火が発生する可能性を排除することができないと語る。


約 50万人の人々が住む街の近くで 60年間近く常に噴火し、噴煙を上げ続けている日本の桜島。

その桜島は最近、その噴火の規模を上げており、爆発的噴火を起こしている。ごく最近も、約5キロの高さの噴煙と 10万トンにのぼる火山灰を噴出した。火山学者たちは、桜島の地下のマグマが90パーセント程度にまで溜まっている状態となっており、巨大な溶岩噴火が発生する可能性を排除することができないと警告している。

ABC の北アジア特派員マーク・ウィラシーが人々が桜島と共に暮らす日本の南西を訪れた。



特派員マーク 「日本の伝説では、桜島はこの場所に祭られた美しい女神(木花咲耶姫 / コノハナサクヤヒメ)にちなんで命名されたという話があります。その女神はこの世の上品な生活の象徴として崇拝されています。桜島は確かに上品な火山です。すべての日本の火山の母とも言えます」。

「しかし、この桜島は海を隔てた鹿児島市に住む人々と、旅行者の人々にとって若干迷惑な隣人ともなっています。この夏、桜島はその優雅で上品な一面とは違う姿を見せたのです」。

「桜島は世界で最も活発な火山のひとつ。時には年に1000回以上の噴火を起こすこの火山は 60万の人々が活動する鹿児島からわずか8キロの場所にあります。最近この桜島は、爆発的噴火で 10万トンの火山灰を噴出し、鹿児島の人々の暮らしを直撃しました」。

以下は、特派員マークが訪ねた人々の談話だ。


鹿児島市危機管理部主幹・木口屋博文氏の話 「最も厄介なものは降ってくる灰です。現在、鹿児島では、洗濯物を外に干すことはできません。また、灰は、人々の目にも入ります。そして、住民の方々はほぼ毎日、自分の家の前の灰を掃除しなければなりません」。


特派員マーク 「しかし、ここに住む人々は最も火山の噴火と共に生活している人たちでもあります。そして、何よりも、どうして人々がこの火山に近い土地に住みたいと思うのかという点についても、この地に来ればわかります。この土地は、美しく心を打つ海岸線と、なだらかな大地を持ち、野菜や果物の栽培に適した穏やかな場所なのです。農家の横道三郎さんの家は 300年前から代々、この土地で農業を続けています」。


農家・横道三郎さんの談話 「小学3年の時に、巨大な噴火を経験しました。空から降る灰で、周囲は夜のようになりました。そして、火山を流れる溶岩を見ました。しかし、私たちはそれに慣れています。桜島は私の友人のようなものなのです」。


特派員マーク 「しかし、横道さんの経験した噴火は、桜島の最後の大噴火ではありませんでした。それ以前の 1914年に起きた噴火(大正大噴火)では、大規模な溶岩流と共に津波が発生して、約 60名の方が亡くなりました。20世紀の日本で最大の火山噴火でした」。

sakura-archive-1914.jpg


特派員マーク 「日本の火山学者・井口正人教授は、30年以上に渡り桜島を研究しています。教授は、現時点での巨大噴火を心配しているわけではないですが、火山の下でのマグマの圧力が高まっていることを懸念していると言います」。


火山学者・井口正人教授の話 「火山の地下深くのマグマは 1914年の噴火の 90パーセント程度のレベルにまで達しており、長期的な視点で見れば、私たちは桜島の、より巨大な噴火に対しての懸念を持つ必要があると思います」。

prf-iguchi.jpg


特派員マーク 「私がここに滞在していた時にも桜島は噴火と噴煙を上げ続けていました。それでも、この桜島から目と鼻の先の鹿児島の人々はいつものように仕事をし、生活をしています。火山の女神の気性をもう少しだけ長く穏やかに保つことがここに住む人々の唯一の希望ともいえます」。





記事はここまでですが、今回の翻訳をする上で、桜島 - Wikipedia から上の内容に出てくる「1914年の噴火」について読んでいたりしたのですが、この時の大噴火には、数ヶ月前から、かなり明確な前兆があったようです。

噴火が始まったのは、1914年 1月 12日です。


1914年の噴火の前兆

1913年6月29日から30日にかけて中伊集院村(現日置市)を震源として発生した弱い地震が最初の前兆現象であった。

同年12月下旬には井戸水の水位が変化したり、火山ガスによる中毒が原因と考えられる死者が出るなどの異変が発生した。12月24日には桜島東側海域の生け簀で魚やエビの大量死があり、海水温が上昇しているという指摘もあった。

翌1914年(大正3年)1月に入ると桜島東北部で地面の温度が上昇し、冬期にも拘わらずヘビ、カエル、トカゲなどが活動している様子が目撃されている。

1月10日には鹿児島市付近を震源とする弱い地震が発生し、翌11日にかけて弱い地震が頻発するようになった。噴火開始まで微小地震が400回以上、弱震が33回観測されている。

1月11日には山頂付近で岩石の崩落に伴う地鳴りが多発し、山腹において薄い白煙が立ちのぼる様子も観察されている。

また、海岸のいたるところで温水や冷水が湧き出たり、海岸近くの温泉で臭気を発する泥水が湧いたりする現象も報告されている。



もちろん、いつも同じような前兆が起きるわけではないでしょうが、過去はこうだったということを知っておくのも、場合によっては、悪いことではないことなのかもしれません。



  

2013年08月29日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





bbc-0823.jpg

BBC より。






 


魔物が守り続ける古代の西洋建築物の歴史


なんとなく重苦しい雰囲気の最近の中でも、まあいろいろなニュースというのは日々あるものですが、上のものは数日前のイギリス BBC で報道されたもので、 13世紀に建てられたペイズリー修道院という修道院の外壁のガーゴイル(石像)が「映画のエイリアンと酷似している」ということが話題となっているという記事です。


paisley-abbey-02.png

▲ ペイズリー修道院。


ペイズリー修道院というのは、Wikipedia によりますと、


ペイズリーは、かつて古代ローマ時代のVanduaraのとりでがあった場所に数えられた。現在のペイズリーの場所の検証はこのとりでを第一としている。12世紀には町周囲に小修道院が創建され、たちまち定住者が増えた。

小修道院ができて100年のうちに、位が上がりペイズリー修道院となった。町は18世紀から19世紀に、綿織物ペイズリーの生産で有名になった。



とのこと。

ペイズリー地というのは、下の紋様のことで、今でも衣服とかスカーフなどの装飾用の布地のデザインとして幅広く使われています。

paisley-005.jpeg



さて、「ガーゴイル」。

このガーゴイルというのは、詳細な意味はともかく、中世のゴシック建築などの外壁についている怪物のように造形される石像というような意味でよろしいかと思います。

もともとの理由はわからないですが、ガーゴイルはもともとが「魔物」的な造形であり、不気味なものであることが多いです。最近、廃墟と絡んで「魔物」みたいな意味を考えたりしていたことがありましたが、西洋の歴史のある建築物には、やたらとこの「魔物としての石像」が建物の上にいらっしゃるようです。

有名な観光地では下のようなものがあります。


ノートルダム寺院(パリ)のガーゴイル

gargoyle001.jpg




マンチェスター大聖堂(イギリス)の男前のガーゴイル

manchester-cathedral-gargoyle.jpg



結局、今回の BBC の記事の 13世紀のペイズリー修道院のエイリアンの成り行きについては、この修道院は 1990年代に改修されたのですが、「その際にガーゴイルも交換された」のだそうです。その時に入れ替わったガーゴイルのひとつが上のものだったということのよう。

なので・・・新しいガーゴイルを製作した職人さんと絡んだ話なのかもしれませんけれど、「映画を意図して作ったわけではないと思います」と修道院の神父さんは申しております。とはいえ、作った人の頭の中に「どんな世界が想定されていたか」ということは今となってはわからないことでもあります。

ところでも、この時には他のガーゴイルも交換されましたが、そちのうちのひとつは下のものです。


paisley_gargoyle-02.jpg


こっちのほうがコワイ(笑)。



ちなみに、映画『エイリアン』は、私が高校生の時の 1970年代終わりの公開でしたが、私の田舎では上映されず、実際に見たのは東京に出てきた後に名画座で見た記憶があります。その時のショックというのは、モンスター映画としてのショックではなく、「美術的なショック」でした。

alien_1979.jpg

▲ アメリカ映画『エイリアン』(1979年)より。


私のそれまでの映画の経験の中で、『エイリアン』ほど、全編をゴシックとグロテスクと残酷の3つの要素で貫き通したカッコイイ映画はそれまで存在さえしていなかったと思います。美術的価値観に大きく刺激を与えてくれた映画でした。


というわけで、何だかエイリアン・ガーゴイルの話で長くなってしまいましたが、今回の本題はどちらかというと、次の「寒さ」の話です。

先日の記事、

この夏すでに聞こえていた小氷河期の足音 : アメリカのこの夏は記録的な「低温」が圧倒していたことが判明
 2013年08月27日

の続きというような感じでお読み下さると幸いです。



世界で最も乾燥した土地のひとつのペルー・アタカマ砂漠で「この30年ではじめて降った雨」が雪だった。


まずは、ペルーで大雪と寒波のために非常事態宣言が出されている報道です。

peru-cold-1.jpg

Declaran estado de emergencia en Puno por fuertes nevadas より。


プーノというのは地図では下の場所で、チチカカ湖の西岸に位置するそうです。標高 3850メートルと高い場所にあるので、年間を通して気温は低い場所ですが、そのレベルを越えた寒波に見舞われているようです。

puno1.jpg


現地の報道からご紹介します。


Peru Declares State of Emergency in Puno as Temperatures Drop
Peruvian Times 2013.08.28

ペルー政府はプーノ地方に寒波での非常事態を宣言

ペルー政府はこの十年で最も低い気温に見舞われているアンデス南部地域のプーノに非常事態を宣言した。

ペルー大統領オジャンタ・ウマラ氏をはじめ、専門家なども今週現地を訪れ、7県においての非常事態を緊急発表した。

現在、何百もの世帯が寒波の影響を受けており、また、 25万頭以上のアルパカが南部高地を襲った氷点下の気温と雪嵐の中で死亡した。

気温は一部でマイナス 15度にまで達している。

そのため道路が凍結し、バスや車両の通行にも影響が出ている。バスを持つ人々は、氷点下十数度の極寒の中で 8時間から 10時間、バスを待ち続けることを余儀なくされている。




また、そのペルーと隣接したブラジルですが、この7月から8月には低温に関しての報道を何度か目にしましたが、最近、雪の被害もひどくなっているようです。

bra-cold1.jpg

ZERO HORA より。



世界で最も乾燥した土地のアタカマ砂漠では「この30年ではじめて降った雨」は雪だった

それと、ペルーのアタカマ砂漠という砂漠で、数日前に「雪が降った」ということがありました。

atacama-2013.jpg

Atacama desert sees snow, rain after 30 years より。8月27日の報道です。


記事の見出しにもありますけれど、雪というより、「雨」そのものが降ったのが、30年ぶりだとかで、それが雪となったようです。

この様子は動画でも撮影されています。


アタカマ砂漠の雪




そういえば、先週の「ロシアの声」に、最近の激しい環境の異変について、ロシア水理地質学研究所のドミートリイ・キクチョフという人の言葉が掲載されていました。

その記事のタイトルは「気候変動、世界は元の姿に返らない」というものでした。


1000年単位で未来を見れば、現在は寒冷化という傾向の中にあるのだろう。しかし我らの世紀に焦点を絞れば、大方、当面のところは気温は上昇していく。ただし、ある年の夏は前年の夏より必ず暑いということを意味するのではない。

過去1000年を振り返ると、最も温暖な時期は10・11世紀に求められる。16・17世紀には「ミニ氷河期」が訪れた。局所的な「観測史上最高気温更新」などは、惑星全体の気候変動の歴史から見れば、大したことでなどないのかもしれない。しかし、現代人は、ちょっとした変化に過敏に反応する。



なるほど、確かに私なども現代人で、「ちょっとした変化に過敏に反応する」というようなことになっているのかもしれません。


しかし、それでも、気候のことだけではなく、全体として見てみれば、今の世の中は「過去 1000年のどの時点とも比較できない世の中」ということは確かな気がしますし、あるいは、過去 5000年のどことも比較できないとも言えるのかもしれません。

それだけに、「変化はこれまでの数千年と違ったもの、あるいは大きなものとなるのかもしれない」というように考えることもさほど間違ってもいない気もします。



  

2013年08月28日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





ch-47.jpg

▲ 今朝は飛行機だけではなく、こんな感じのヘリコプターも隊列を組んで飛行していました。入間自衛隊基地から発進したのなら、米国製の輸送ヘリコプター「CH-47 チヌーク」かもしれません。






 


今朝は曖昧だけれど何だか妙な胸騒ぎがしていました。
何となく雑記でおわってしまいそうです。


いつもより往来が激しい軍用機の轟音の中で


今日(8月28日)は朝から軍用機がふだん以上に上空をゴーゴー飛んでいて、普段はあまり飛行機の音を気にしない私も「うるせえ」と思ったくらいですので、通常よりも低空飛行する航空機がかなり多かったようです。しかし、考えてみれば、いきなりこんなこをと書いても意味がよくわかんないかもしれないですね。

私の住んでいる場所は「軍事基地最前線」の場所で、自宅周辺は下のような感じなんです。

illma.png

私の住む場所のすぐ裏手が、米軍の所沢通信基地というところで、歩いて数分。米軍基地といっても、通信基地なので、タワーがたくさん立っているだけですけれど。

220px-Tokorozawa_tra_mii.jpg

▲ 所沢通信基地。


フェンスの横の道をたまに散歩したりしますが、基地内に人影が見えたことはありません。

それで、その数キロ先に自衛隊の入間基地というのがあって、ここから発進するか、あるいはここに向かう軍用機のほとんどが私の住んでいるあたりの上空を飛んでいくのですよ。

場合によっては、相当の低空飛行をしていきます。

その発進が今日は多いです。

まあ、世界情勢もいろいろで、それと合わせるように飛行機の発着というか、上空の通過も頻繁になったりすることは過去にもありましたので、あまり世界情勢と関係なさそうな埼玉の自衛隊や米軍基地も、「世界の戦争と連動して動く」というような部分はあるのかもしれません。

自分の住んでいる場所が、そのような土地だというのは、もちろん暮らし始めてから知ったのですが、うるさく感じる時にはまあ確かにうるさいですね。



どこもかしこも廃墟だらけになっていく


昨日の記事、

この夏すでに聞こえていた小氷河期の足音 : アメリカのこの夏は記録的な「低温」が圧倒していたことが判明
 2013年08月27日

の後半に下のようなことを書いていました。


これだけ世界中で壊滅的な災害が続いているということは、上のような「災害による廃墟」が世界中に増え続けていけば、時間と共に、「世界中に廃墟が増えていく」ということにも繋がるものかもしれません。復旧するより新たな廃墟が作られるスピードのほうが早いという意味です。

今の環境変化のスピードを考えると、地球の多くが廃墟に包まれる日はそんなに遠くもない気さえしてきます。

紛争や戦争などの人員的な要素も含めましても。




これは、自然災害のことを想定して書いたものなのですけれど、最後のところに「紛争や戦争などの人員的な要素も含めましても」と書いてあります、

その後、米国人のブログを読んでいましたら、そこにシリアに関しての記事があり、その内容そのものではなく、筆者が感想として書いてある短い文章が目につきました。

下の記事の写真の下に小さく書かれてある文章です。

b-end-2013.jpg

Extinction Protocol より。

上の記事の写真の下に小さく書かれてあるのは以下のような文章です。


終わりの始まり?

ベイルート、ラマラ、バグダッド、カイロ、そして、ダマスカス。中東の非常に多くの地域が上の写真の状態と同じように戦闘で荒廃した廃墟となっている。これらの荒廃した都市の多くは、決して復旧されることはないだろう。この風景が私たちが未来に残す遺産だというのだろうか?



ふと、思えば、上のベイルート、ラマラ、バグダッド、カイロ、ダマスカスだけではなく、それ以前から見れば、イラクやアフガニスタンといった中東の多くの場所が廃墟となり、その中には、ずっと廃墟のままとなっている場所も数多くあるはずです。

昨日書いた「復旧するより新たな廃墟が作られるスピードのほうが早い」というのは自然災害と人類の文明について書いたものですけれど、人的な破壊のほうも、「復旧より廃墟化していくスピードのほうがはるかに早い」というのが現実のように感じます。

上のブログの文章を読んで、そこに出てきたそれぞれの都市の当時や、あるいは現在の写真などをしばらくインターネットなどで見ていました。

少し掲載してみます。


ベイルート

beirut-2006.jpg

▲ ベイルート。 2006年 7月。 ニューヨーク・タイムスより。



カイロ(エジプト)

cairo-2013-08.jpg

▲ カイロ。 2013年 8月。 Cairo Insights より。



ダマスカス(シリア)

syria-2013-001.jpg

▲ ダマスカス(シリア)。 2013年 8月。 Frontpage Mag より。


書くまでもないことかもしれないですが、それぞれの都市がかつては華々しく、また美しい都市であった場所ばかりでもあります。

ベイルートはかつては「中東のパリ」と呼ばれていましたけれど、今、ムチャクチャなことになっているシリアのダマスカスも、かつては美しい都市でした。

私はシリアには行ったことがないのですが、特にダマスカスの夜景は観光客たちから絶賛されていたようです。

下の写真は共に、Lembrancas de Damasco (ダマスカスの思い出)というブログからです。



2012年以前のダマスカスの夜景

dam-light-01.jpg


dam-light-02.jpg


そして、理由はどうであれ、次々と「廃墟」と化していく。

このシリアは、場合によってはこの数日中にさらに激しい戦争の渦中に巻き込まれる可能性もあって、廃墟がまたどんどん作られていく。

なんだか、つくづく「今、自分の生きている時点は歴史のどんな過程の途中なのかなあ」と、上空の航空機の轟音の中で思ったりしたのでした。

まあしかし・・・。それが自然環境であっても、その他のことであっても、 2015年までの大きな変化は本来、覚悟していたこと。胸騒ぎがしてもあまり動揺しないで過ごすようにしたいと思います。



  

2013年08月20日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





maya-07.jpg

▲ 今回の記事とは関係ないですけれど、何となく過去記事「伊勢神宮に立ち昇った光の柱」より掲載してみました。






 


夏の余韻は個人にも社会にも影響を与えて

多少、涼しくなってきたとはいえ、今でもまだ 33度やらそこらの気温は続いているわけで、そもそも通常の夏でも毎年参っている人一倍暑さに弱い私は、しばらく続いたこの気温の連続の中で、どうにも体調バランスを崩してしまったような感じです。

体調全体のバランスが崩れると、精神・神経的にも崩れやすいので、どうも本調子とは程遠い感じで。

うちの奥さんのお姉さん夫婦は、福島の郡山にいて、奥さんと子どもとおばあさんたちが夏には揃って行くのですが、聞けば、福島も今年の夏は「37度」などという気温の日があったようで、寒さには強い私の将来的な逃げ場は東北しかないと思っていましたけれど、まさか東北までもが 37度の夏となっているとは。

しかも、関東だけではないですけれど、7月の終わりに書きましたこちらの記事でふれた「水不足」は、奄美や四国などを含めて、かなりひどいものになっているようで、私の住む関東なども今のままだと厳しい状態になる可能性もありそうです。

水は世界全体で不足しているのに洪水も増え続けている今の世界。そういえば、地球の記録のこちらの記事に記載した地図ですが、中国では、下のような状況です。

ch-2013-08.png


地図に「8月の雪」とありますが、新疆ウイグル自治区では、 8月 17日に雪が降ったんですよ。



中国新疆ウイグル自治区で突然降った「8月の雪」より。



ところで、先日、

南極の「氷床の下」からウジャウジャと何かが露出し始めた?
 2013年08月17日



という記事で、南極の各地で、「魑魅魍魎」的ともいえるような、得体の知れない光景が氷の上や下に見えているというようなことを書いたのですが、その後、またも南極でやや不思議な光景が報告されていました。

そのことを書かせていただきます。






南極の基地の各地に見えるピラミッドのようなもの


下の写真は、グーグルアースでの「アメリカの南極基地」のアムンゼン・スコット基地の周辺らしいんですが、何かこう、三角錐状というのか、三角のピラミッド形というのか、そういうような感じの建造物(のようなもの)が見えるんですね。

anta-us-001.jpg


まあしかし、グーグルアースではこれ以上近くで見られるわけではなく、何かがそのように見えているということで、そして、他の南極基地なども見てみると、そこにも、「この形」が見え隠れしているのです。

下の基地は、ベルギーの国際極地財団(The International Polar Foundation)という組織の Station Princess Elisabeth Antarctique という名前の基地です。日本語名が見当たらないですので、便宜上、直訳の「エリザベス女王南極基地」ということにしておきます。

anta-maya-002.jpg


上の赤丸で囲んだ「岩のような地形」なんですけれど、周囲の環境を見回してみても、他にこのような地形は見当たらず、ここだけ「ピラミッド型の岩」になってるいるんですよ。

私のギリシャの心の友人の通称ギリシャ君などは自分のブログで下のように、マヤのピラミッドと比較した写真などを載せていました。

anta-maya-01.jpg

▲ 上が南極の「エリザベス女王南極基地」の横にある「地形」。下はマヤのピラミッド。


なお、上のエリザベス女王南極基地はグーグルマップでブラウザでも見られます。
URL は、こちらです。


そして、このエリザベス女王南極基地は航空写真で見ると、下のような奇妙なフォーメーションを形作っている場所でもあります。

isp-03.jpg

グーグルマップより。






クトゥルフ神話の旧支配者たちが極地から目覚める


ところで、この話の発端となった先日の南極の記事の写真を見て、お知り合いが、「クトゥルフ神話の怪物のよう」ということを述べていたのですね。

私はその「クトゥルフ神話」というものを知らなかったのですが、調べてみると、いわゆる「古代からの神話」ではなく、20世紀になってから、幻想小説家のハワード・フィリップス・ラヴクラフトという人の小説などを元にして始まり、そのうち体系化されていった「現代神話」のひとつのようです。ラヴクラフトは下の写真の人物で、ご本人も十分に怪奇小説風の容貌を持っていたようです。

hp-love.jpg


ニコニコ大百科の説明では、以下のようにあります。


クトゥルフ神話

「はるか太古に外宇宙の彼方より飛来し、この地球に君臨していた旧支配者と呼ばれるおぞましき存在が現代に蘇る」というモチーフを主体としている。

主人公はわずかばかりの好奇心や興味から、旧支配者やその眷属たちについての信じ難い真実を目前としてしまい、想像を絶する狂気と絶望の果てに凄惨な最期を迎えることとなる。

神話に冠されたクトゥルフとは、「クトゥルフの呼び声」に描かれる、旧支配者のうちでも代表的な存在で、蛸のような頭部、蝙蝠のような翼、巨大な爪のある手足を持つ軟体動物のような存在として描かれている。



とのこと。

その「タコのような頭部」を持つクトゥルフとはどんなものかと思いましたら、森瀬繚さんという方の書かれた『図解 クトゥルフ神話』という本の表紙の絵が下のようなものでしたので、こんな感じのイメージなのかもしれません。

ktu.jpg


この図を見て、なんだかこの本を読みたくなったので、Amazon にありまして、注文してしまいました。到着して読んでみて面白いキャラがありましたら、またご紹介しますね。


このクトゥルフ神話の本の表紙の絵と先日の南極の写真を並べて、モノクロにしてみたのが下の写真ですが、なんともまさに「魑魅魍魎」という感じの世界にも見えます。

ant-007.jpg


これから地球のあまり知られていない場所から、神話的なものも含めていろいろなものが「露出」、あるいは「再出現」していくるというような気配は確かに感じないでもないですが。ただし、良いものだけではなく、悪いものも良いものも


それにしても、クトゥルフの神話の説明の中にある「旧支配者」という語感には何となく感じるものがあります。


そんなわけで、何だかよくわからない記事になってしまいましたが、皆さんも、グーグルマップなどで南極を探検してみて下さい。

そこには、いろいろな光景が広がっています。

そして、それは近いうちにあなたの住む場所でも見られる光景なのかもしれません。



  

2013年08月17日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





sp-top1.jpg






 

今年8月のはじめ頃にこちらのお知らせで、風邪「のようなもの」を引いたりしていたことを書いたのですが、どうも治療をいい加減にしていたせいか、その風邪のようなものがまだ完全に直っていないようで、喉のあたりの違和感とか、咳みたいなのが出たりします。

それだけではなく、やはり暑い日々が続いたせいもあるのでしょうけれど、体調的にあまり良くない感じはあります。

そんな中で、昨日みたいな、

「宇宙は膨張していない」
 2013年08月16日

みたいなややこしい記事を書きましたら、何だか昨日からぐったりとしてしまいました。

というわけで、まあ、一応週末ということもあり、今日は、軽い(?)話題として、個人的に以前からずっと気になっていたんですけれど、ここでご紹介するのもどうかなあと思っていた「グーグルマップの写真」をご紹介してみようと思います。




南極という場所は一体どのような場所なのだろうかと


この一番上に載せた写真は、まあ何だかよくわからない光景なんですが、これも含めて、「それが何か」というようなことは考えずに、とりあえず、いくつかの写真をご紹介したいと思います。

その「場所」なんですが、全景としては下のような感じの場所です。

sp-zenkei-1.jpg



さらに上空に離れますと、下のような光景。

sp-zenkai-2.jpg



さらに上空から見た位置として、ここはどこかと申しますと、グーグルマップの地球規模の大きさの地図では、下の場所になります。

sp-zenkei-3.png



つまり、南極大陸の沿岸に近い場所なんですけれど、上のほうにある「岩場のような一帯」に写る光景というのが、なんというか、「奇妙」なのです

なお、これは、グーグルマップですので、ブラウザでどなたでもご覧になれます。

URL は、

https://maps.google.com/?ll=-66.66087,110.47445&spn=0.000593,0.002411&t=h&z=19

です。

上のほうに貼りました全景の中から、下に丸で囲んだあたりのいくつかを写真を下に貼ります。

sp-zenkei-1-02.jpg


上の丸で囲んだあたりには下の写真のようなものが夥しく写っているのですが、普通に考えれば、ここは南極ですので、「すべて氷か雪か岩」であるはずだと思うのですが、私の目がおかしいのか、どうしてもそのように見えないのです。

ちなみに、薄く「 Google 」という文字が入っているのは、これがグーグルマップの写真だからで、その文字は関係ありません。


上のフィールドに移っている「モノ」たち

s-ob1.jpg




s-ob2.jpg



s-ob3.jpg




s-ob5.jpg




s-ob6.jpg




s-ob7.jpg




s-ob8.jpg

などです。


これらの光景は、ご自分で上の URL からこのフィールドの周囲をご覧になっても、すべて見つかります。






南極の別の場所にもどうも納得のいかない光景があります


他にも、南極には「どうもよくわからない光景」が各地で見受けられます。
以下の写真は、7月29日の「地球の記録」に載せたものです。

南極の秘密基地? Google Earth に写る未知の建造物的な物体
 2013年07月29日

sg-01.jpg


この下の写真は、 Google Earth の上の場所のあたりにうつっているものですが、座標 67°39'25.14" S 46°09'23.19" E の周辺に下のような物体が写っています。

anta1.jpg



nan-002-enter.jpg



anta-07.jpg


他にも南極の奇妙な写真は日々見つかっています。


最近は何度か、

崩壊し続ける南極大陸 : 東京23区のサイズ以上の面積の氷山が南極の氷河から分離して漂流中
 2013年07月17日

などのような、南極大陸の氷床の溶解や崩壊の記事を記したことがありますが、あるいは、南極で部分的に地表から消えている氷の「下」から何か出てきている?というような、ややオカルト的な考えもふと頭をよぎります。

南極の真実とは一帯どんなものなのでしょうね。

くだらないと言われればそれまでですけれど、最近気になっているのです。



  

2013年08月16日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。






宇宙の始まりと終わりについての「結論戦争」はまだ始まってもいない


科学誌『ネイチャー』のサイトで、下の記事を見たのは1ヶ月ほど前のことでした。

not-expand-01.jpg

ネイチャーより。






 


この宇宙学者は、ドイツのハイデルベルグ大学の物理学者のことなのですが、記事の内容は「赤方偏移と宇宙の膨張の関係を否定した」というもので、とても私には理解できるものではなく、この時はスルーしていたんですが、しかし、その後、

太陽の北極を覆い尽くす「超巨大な穴」を横目で見ながら、アレニウスの「宇宙は無限」の言葉を噛みしめる
 2013年07月22日

という記事のタイトルに出ていますように、スヴァンテ・アレニウスという、いわゆる物理化学の創始者の1人といえる大科学者が今から100年以上前に書いた『宇宙の始まり』という本を読んだりしていたのですね。

arrhenius-05.jpg


アレニウスは 1927年に亡くなっていますけれど、それまでの科学の世界には、当然ながら、ビッグバン宇宙論というような科学の基本から考えて「珍妙」な学説は存在しませんでした。

なぜ、ビッグバン理論が科学の点から見て「珍妙」かということは、それこそ、『宇宙の始まり』から引用させてもらってもいいかと思います。

このアレニウスの『宇宙の始まり』を断片的に読んでいて、当時の科学者たちの視野の広さを感じるのは、引用が科学者の言葉や実験からだけではないところにも現れています。

特に、哲学者の言葉や著作からの引用がとても多い。

今回抜粋する部分に出てくる人名も、スピノザという人と、ハーバード・スペンサーの言葉であり、ふたりとも哲学者といっていいと思います。下の説明は、それぞれ Wikipedia からです。


バールーフ・デ・スピノザ( 1632年 - 1677年)

spinoza-01.jpgオランダの哲学者、神学者。デカルト、ライプニッツと並ぶ合理主義哲学者として知られ、その哲学体系は代表的な汎神論と考えられてきた。また、ドイツ観念論やフランス現代思想へ強大な影響を与えた。




ハーバート・スペンサー( 1820年 - 1903年)

spencer-01.jpgイギリスの哲学者、社会学者、倫理学者。

1843年には当時も今と変わらず重要な経済誌である『エコノミスト』誌の副編集長となった。しかし、1853年以後、死ぬまでの50年間公職に就くことはなく在野の研究者として、秘書を相手に著述に専念した。著作が広く読まれるにつれ、名声を博した。

1880〜90年代の明治期日本では、スペンサーの著作が数多く翻訳され、「スペンサーの時代」と呼ばれるほどであった。




ちょっと人物紹介が長くなってしまいましたが、アレニウスは他にも、このような哲学者たちの言葉を多く引用し、そこに科学の真実との融合を考えていた様子がうかがえます。科学が今ほど近視的ではなかった時代では、他の科学者たちにもこういう視点はあったのかもしれません。

さて、そして、アレニウスの死後に登場する「ビッグバン理論」ですが、アレニウスは「そのような考えが出現してしまうのではないか」ということについて、懸念を持っていたようです。

その部分を抜粋してみます。

なお、このセクションのタイトルが『開闢論における無限の観念』というものでこの中に「開闢」という非常に難しい言葉が出てきます。「」は「門」の中に「辟」がある漢字で、私は読めませんでした。

それで調べてみましたら、この開闢というのは「かいびゃく」と読むようで、意味は、辞書によれば、「天と地が初めてできた時。世界の始まりの時」ということです。

つまり、開闢論というのは、「天地創造論」と同じような意味だと考えていいかと思います。

なお、カッコの赤い字は、私のほうで入れた注釈です。前後を省略していてわかりにくいこともあり、いくつかそれを入れさせていただいています。




『開闢論における無限の観念』より抜粋

物質はその全量を不変に保存しながら徐々に進化を経たものであるという主導的観念はあらゆる開闢論的叙説(天地創造論的な話)に共通である。

それ(宇宙とそこにある物質のこと)が突然に存在を開始したという過程には奇妙な矛盾が含まれている。一体宇宙に関する諸問題をすべてただ一人の力で解決しようというのは無理な話である。(中略)

明白な縄張り(科学の基礎中の基礎のこと)を守ることを忘れて、超自然的な解説を敢えてした人も少なくない。そういう人々は自然法則の不変という明白なスピノザの規準を見捨ててしまっているのである。ハーバード・スペンサーもこの点についてははっきりしていて『この可視世界に始まりと終わりがあるとはどうしても考えることはできない』と言っている。





このハーバード・スペンサーの言葉、

『この可視世界に始まりと終わりがあるとはどうしても考えることはできない』

という言葉は哲学者の感覚的な言葉のように響きますが、この言葉は、スペンサーの著書『生物学原理』というものに書かれてあることを、アレニウスが引用しているものです。その部分も抜粋します。


スペンサー『生物学原理』より抜粋


恐らく多くの人々は虚無からある新しい有機物が創造されると信じているであろう。

もしそういうことがあるとすれば、それは物質の創造を仮定することで、これは全く考え難いことである。この仮定は結局、虚無とある実在物との間にある関係が考えられるということを前提するもので、関係を考えようというその二つの部分の一方が欠如しているのである。

エネルギーの創造ということも物質の創造と同様にまた全く考え難いことである。生物が創造されたという信仰は最も暗黒な時代の人類の間に成り立った考えである



難しい書き方ですが、スペンサーはどういうことを言いたいのかということを考えてみますと、

・「無」と「実在」の間には何の関係もない

ということが大前提ということになっています。

その両者に関係性はないということです。

つまり、「何もない」ところから「何かが生まれる」ということはない、と。

ビッグバンというのは「何もない」ところから、宇宙という「存在が生まれた」という理論ですが、これはアレニウスが「そういう人々は自然法則の不変という明白な規準を見捨ててしまっているのである」と書いているように、科学の基本である質量保存の法則などにも通じる「この世の不変性」というものを完全に無視しているところに問題があると思っています。


何しろ、「何もないところから存在が生まれた」と言っているわけです。
ビッグバンというのは。


いくら観測上でそれを裏付けができている(とされている)現代であっても、「どうしてこの世の最初がこの世の法則を無視して作られたのか」というあまりにも大きな疑問が私にはあります。

まあ、私自身が科学については詳しくないですので、これ以上どうにも理論的なことは書けなく、このあたりで余談的な解説はやめておきますが、私個人としてはここまであげた抜粋の中で、最も自分の考えに近い言葉としては哲学者であるスペンサーの、

『この可視世界に始まりと終わりがあるとはどうしても考えることはできない』

というものです。

もっと短く表現しますと、


宇宙に始まりはない。

そして、宇宙には終わりはない。



これがすべてだと思います。

これ以上のどのような考えも私には馴染まないのです。

なお、ブログに出て来る書籍の入手について訊かれたことがあるのですが、ほとんどは私は Amazon の古本で買っているものが多く、中古が枯渇していなければ、 Amazon にすべてあるはずです。アレニウスの『宇宙の始まり』もこちらにあります。



というわけで、「宇宙は膨張していない」という最近の学説について、その後、少しわかりやすい報道記事なども出てきましたので、その中からひとつご紹介したいと思います。

英語圏の記事より、西側の文化にわりと批判的なスタンスのものが多いロシアのメディアでこのことを紹介しているものがありましたので、その記事をご紹介します。

なお、補足として、現代宇宙論で、この「宇宙の膨張」などについてどのように説明されているか、 Wikipedia などから抜粋しておきます。


宇宙の膨張

現在、宇宙は膨張をしている、と見なされている。だが、20世紀初頭、人々は宇宙は静的で定常であると見なしていた。

(中略)1929年にエドウィン・ハッブルが遠方の銀河の後退速度を観測し、距離が遠い銀河ほど大きな速度で地球から遠ざかっていることを発見した。つまり、ハッブルによって実際に宇宙の膨張が観測され、それにより《膨張する宇宙》という概念が定着したのである。



そして、もうひとつは今回の記事の重要な概念である「赤方偏移」というものについても抜粋しておきます。


赤方偏移

赤方偏移(せきほうへんい)とは、主に天文学において、観測対象からの光のスペクトルが長波長側(可視光で言うと赤に近い方)にずれる現象を指す。

天文学者エドウィン・ハッブルは様々な銀河までの距離とその銀河のスペクトルを調べ、ほとんど全ての銀河のスペクトルに赤方偏移が見られること、赤方偏移の量は遠方の銀河ほど大きいことを経験を生かして発見した。

この事象は、銀河を出た光が地球に届くまでの間に空間自体が伸びて波長が引き伸ばされるためであると解釈でき、宇宙が膨張していることを示すと考えられている。



上の中の、

> この事象は、銀河を出た光が地球に届くまでの間に空間自体が伸びて波長が引き伸ばされるためであると解釈でき、宇宙が膨張していることを示す


ことについて、今回、「それは違う」という学説が出たという話です。

とはいえ、私にはこの記事に書かれている意味自体はよくわかりませんので、翻訳記事が本記事ではありますけれど、参考程度にお読み下さい。

ここからです。





ex-top-01.png
19rus.inf 2013.07.16


宇宙は膨張していない可能性


ほとんどの現代の学者によって支持されている「宇宙の膨張」に関しての有名な理論について、最近それに対して反駁することができる意見が出た。

ドイツのハイデルベルク大学の物理学者クリストフ・ヴェッテリヒ博士(Christof Wetterich)が、宇宙が膨張している証のひとつとして知られる「赤方偏移」と呼ばれる現象についての理論を発表したのだ。

赤方偏移とは、観測対象からのすべての波長の電磁波を含む光のスペクトルが、可視光で言うと赤に近い方の長波長側にずれる現象を指す。遠方の銀河ほど大きいため、銀河を出た光が地球に届くまでの間に空間自体が伸びて波長が引き伸ばされるためであると天文学者たちに解釈されてきた。

この現象はアメリカの天文学者エドウィン・ハッブルが1920年に発見した「天体が我々から遠ざかる速さとその距離が正比例すること」を表すハッブルの法則として後に定式化され、これにより宇宙が膨張しているとことが事実とされた。

しかし、今となって、ヴェッテリヒ博士は、原子から放出される光は、それらの成分、電子の質量に依存していると述べた。そして原子が重量を失う場合に赤方偏移があるという。

つまり、赤方偏移は単に原子が量のなかで減少した結果だという。

仮にこの仮定が正しければ、宇宙は膨張していないということになる。

ヴェッテリヒ博士の研究結果は、科学誌ネイチャーの7月号に発表された。

しかし、ヴェッテリヒ博士の理論は、明確な答えを与えるものではない。むしろ、新しい疑問を作り出したと言えるかもいれない。宇宙が膨張しているという伝統的な考え方によれば銀河間の距離は成長している。

いずれにしても、今回のヴェッテリヒ博士の研究結果は研究者たちにとっては考えるべき重要な難題となったといえるかもしれない。




  

2013年08月15日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。







▲ 2012年12月3日、エジプトのガザのピラミッドの上空に水星、金星、土星が整列しました。今そのエジプトは大変な状況になっています。次にこの整列が起きるのは 2,736年後のこと。






 


暗黒の3日間とエジプト


なんだかタイトルそのものに整合性がなくて、「これも暑さのせい」と割り切っていいものかどうかわからないですが、何だか世の中が混沌としています。人も気候も環境も。

そんな中、特にそれを示唆する何かが起きたというわけでもないのですが、急に「暗黒の3日間」というフレーズが気になっています。

エジプトが大変なことになっていますが、最近、米国の BBS で「米国とオーストラリアのそれぞれの国の女性が相次いで、近く、暗黒の3日間が訪れることを予言した」という投稿などを目にしたりしたことも関係あるのかもしれません。

その内容自体はほとんど曖昧なもので、その女性のブログから部分的に抜粋して翻訳すると、


まず、すべての人類に影響を与える可能性のある大変動を伴う出来事があるでしょう。その次にすべての地球上に闇が訪れます。その時、地球上のすべての人類の罪深い本質が露出され、彼らは神の必要性を認識するでしょう。そして、地球を覆う闇が3日間続くいている間、神が人類に自分自身を現す時となります。



というようなキリスト教的なフレーズが延々と続くもので、個人の想念という域を越えたものではなく、ここでご紹介するようなものではないので、このブログそのものはしません。

けれど、こんな混沌とした世の中では、何となく「暗黒の3日間」というフレーズそのものは目立ちます。

この「暗黒になる3日間」という概念は、もともとは聖書から来ているもののようで、旧約聖書の「出エジプト記」や「ヨエル書」、あるいは新約聖書の「マタイによる福音書」など、聖書のいろいろなセクションで目にします。

エジプトは現在、非常事態宣言下というより事実上の戒厳令下にあり、大変な争乱状態となっています。そして、まあ関係のあることではないですが、聖書の「出エジプト記」にはエジプト全土が3日間、暗黒に包まれるという記述があります。


旧約聖書「出エジプト記」 10章 22-23節

モーセが手を天に向かって差し伸べると、三日間エジプト全土に暗闇が臨んだ。

人々は、三日間、互いに見ることも、自分のいる場所から立ち上がることもできなかったが、イスラエルの人々が住んでいる所にはどこでも光があった。



eg-chaos-2013.jpg

▲ こちらは現在のエジプト。英国のテレグラフより。


さらには、ヨエル書とマタイによる福音書。


旧約聖書「ヨエル書」 2章 11節

地はおののき、天は震える。太陽も月も暗くなり、星も光を失う。




新約聖書「マタイによる福音書」 24章 29-30節

苦難の日々の後、たちまち太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は空から落ち、天体は揺り動かされる。

そのとき、人の子の徴が天に現れる。そして、そのとき、地上のすべての民族は悲しみ、人の子が大いなる力と栄光を帯びて天の雲に乗って来るのを見る。






死者の世界の王の警告もスルーされ

エジプトといえば、6月に「死者の世界を司る」とされるオシリス王という古代エジプト神話に登場する神の彫像が「自分で回転する」という報道をご紹介したこともありました。

死者の世界の王「オシリス神」の像が動き始めた年に浮かび上がる「洪水の概念」
 2013年06月25日



デイリーメールの記事より。この「ファラオの呪いが実際に存在するという兆候なのか」というやや大げさなタイトルも、この2ヶ月後に実際にエジプトが現在のような「死の世界へ突入したような状態」となってしまったことを考えますと、考える部分もあります。


とはいえ、気候にしても、自然変動にしても、そして社会的な争乱や変化などにしても、「まだ始まったばかり」なのかもしれません。

本当に何もかも肥大して拡大して、私たちひとりひとりが「ギブアップ」というような状態になるまで、これは続くのかもしれないと思ったりするような「やや疲れる未来感」というものも確かに存在します。





2012年12月に太陽は3日間の暗黒を見せていた

この「暗黒の3日間」について、昨年の暮れに、次のような記事を書いたことがあります。

地球に向けられた「太陽の暗黒の3日間」: 初めて観測衛星が地球の姿をとらえた時に「その光は消えた」
 2012年12月27日




これは、簡単に内容を書きますと、「 2012年 12月 17日から 21日までの間の3日間、太陽からの光が消えたように見えていた」という現象をご紹介したものです。

原因はよくわからないですし、もっとも可能性の高いのは、観測衛星のデータ上の何らかの状態か、あるいはトラブルだと思いますが、しかし、ちょうど3日間、太陽から光が出ていなかったように見えたという現象は大変興味深かったです。


何が起きたというわけでもないのですが、「暗黒の3日間」について、いろいろと書いてしまいました。


そして、もうひとつの記事としては、「あれからもう1年・・・。時間が経つのは結構早いものだなあ」と思った下のニュースをご紹介しておきます。




修復マリア様の新しい人生


下のワインを持ってキリリと立つレディがどなたかご記憶でしょうか?

hime-01.jpg

e-consulta より。



この女性こそ、ちょうど今から1年前に下の「新しいキリスト像」を生みだしたというか、修復したセシリア・ヒメネス( Cecilia Gimenez )さんなんです。

newjesus.jpg

▲ キリスト画の修復前(左)と修復後。



In Deep でも、

2012年にスペインで生まれた「新しいキリスト像」の価値観が瞬く間に世界を席巻
 2012年08月27日

という記事や、その後日談の記事(こちら)をご紹介したことがあります。


何しろ上の修復キリスト画がメディアで紹介された途端に、世界中のアートは下のような状態に。





さらにインターネット上には次から次へと「自分的修復」を施したキリスト画も出回ります。下はその一部です。

art-cecilia.jpg

e-consulta より。


その後、修復されたキリスト画のあるスペイン北東部の町ボルハの教会には、観光客と寄付金が殺到して、修復したヒメネスさんが「教会に収益の一部を要求」というようなヒール化も果たしたりしたこともあったのですが、一番上の写真の記事は、そのヒメネスさんが現在、スペインで「個展」を開いているというニュースです。

日本語の記事を探してみましたら、驚いたことに NHK のニュースにありましたので、抜粋しておきます。


宗教画一変させた女性 個展で汚名返上
NHK 2013.08.14

nhk-2013-08-14.jpg


スペイン北東部で、宗教画を修復したところ、キリストの姿が一変し、歴史ある絵が台なしになってしまったと大きな反響を呼んだ80歳の女性が、このほど風景画などを描いた個展を開催し、見事、汚名を返上しました。

スペイン北東部の町ボルハに住むセシリア・ヒメネスさんは、通っている教会の歴史ある宗教画の傷みがひどくなっているのを見かね、善意で修復を試みましたが、キリストの姿が一変し、台なしになってしまったと大きな反響を呼びました。

ヒメネスさんは、このほど、みずからが描いた絵画の個展を開催し、海に浮かぶ帆船や丘の上に建つ建物など風景画を中心に20余りの作品が展示されました。

会場には、教会の関係者など多くの人が駆けつけ、ヒメネスさんと抱き合うなどして祝福していました。

ヒメネスさんが修復した宗教画は、世界中のメディアに取り上げられたこともあり、教会を訪れる人が相次いだほか、絵をプリントしたTシャツなどの関連グッズも登場し、一転して、町おこしにつながっています。



「汚名返上」という表現が気になりますが、それよりどうにもこのニュースだけでは私には満足がいかない部分がありました。

それは「ヒール(悪役)的部分」です。

上の報道だけでは「いい話」として終わってしまう。

「いい話だけで終わる神話」というものはこの世には存在しないと思われます。この世はきっちり半分ずつの「善」と「悪」で均衡がとれているわけで、イエス・キリストの姿に一大改革を施したヒメネスさんは、新しいマリア様であると同時に自らの中に「悪と善」を同居させてほしいというという願いが私にはあります。

上の記事にはそれがない。

もう少し他の記事を見てみますと・・・。

こちらの記事にありました。


ヒメネスさんは来週にも地元当局と修復画の商品化権の契約をする予定。利益の49%を受け取ることになるという。



これこれ(笑)。これですよ。


ところで、上のワインを持ったヒメネスさんの横にあるキリスト画のようなものも、ヒメネスさんが今回の個展のために描いたもののようなのですが、「ちゃんとした絵じゃないの」と私は思いましたが、多くの人がそのことを感じたようで、スペインのメディアで「修復キリスト」と並べているものもありました。

ecce123.jpg

▲ 左が昨年の修復キリスト。右が今回の個展に出品されたキリスト画。elsol より。


こんなにちゃんとしたキリスト画を描けるのに、どうして昨年の修復キリストはあのような姿に?(苦笑)

まあ、いずれにしても、御年 80歳にして、世界で最も有名な画家のひとりとなったヒメネスさんのご健闘を祈ります。


そして、ヒメネスさんが大胆に変化させたキリスト像のように、私たちひとりひとりも、「何か大きな価値観の変化」を獲得していくべき時が近づいているのかもしれません。



  

2013年08月13日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





top-uk-01.jpg

▲ 英国では全土に渡って魚の大量死が発生している模様。上は、英国のチェルトナムというところにある 1825年からの歴史を持つ古い公園の湖での大量死の報道。 Telegraph より。






 


7月中旬からの短い期間に魚の大量死報道のあった国や地域は、中国、メキシコ、米国、インドネシア、タイ、フィンランド、スウェーデン、フランス、ベルギー、デンマーク、ルーマニア、チェコ共和国、ロシア、台湾、韓国、カナダ、アラスカ、英国と北半球全域に


今朝、米国の人のブログでわりとショッキングな事実を知りました。

それがタイトルにした「世界中で起きている魚の大量死」なのですが、夏ということもあり、また、今年は猛暑や熱波の地域が多く、魚の大量死報道自体はそれほど驚かない面はあるのですが、「短期間であまりにも多くの地域で大量死が発生している」ということに驚きました。


後にすべて報道リンクを記して、見出しなどをご紹介しますが、 7月 18日から 8月 8日までの約 20日間だけで下のような魚の大量死が発生しています。


- 2013年7月18日:中国山東省

- 2013年7月18日:メキシコ・ベラクルス州

- 2013年7月18日:中国南京

- 2013年7月18日:米国ミズーリ州

- 2013年7月18日:米国ミシガン州

- 2013年7月19日:デンマーク・ウォルスモゼ

- 2013年7月19日:米国モンタナ州

- 2013年7月19日:インドネシア・トンダノ

- 2013年7月20日:米国オハイオ州

- 2013年7月21日:フランス・リール地方

- 2013年7月22日:米国マサチューセッツ州

- 2013年7月22日:米国オハイオ州

- 2013年7月23日:米国オハイオ州

- 2013年7月24日:イタリア・ヴェネツィア

- 2013年7月24日:英国ノッティンガム

- 2013年7月24日:タイ・ラチャブリー県

- 2013年7月24日:イギリス・リー川

- 2013年7月24日:米国ユタ州

- 2013年7月25日:英国バーミンガム

- 2013年7月26日:韓国・釜山など

- 2013年7月26日:ベルギー・アト市

- 2013年7月26日:ロシア・モスクワ市

- 2013年7月26日:英国グロスターシャー州

- 2013年7月26日:中国・江山

- 2013年7月27日:米国ペンシルベニア州

- 2013年7月27日:スウェーデン・スコーネ県

- 2013年7月27日:ルーマニア・バフルイ川

- 2013年7月28日:アラスカ・ピーターズバーグ

- 2013年7月29日:メキシコ・ベラクルス州

- 2013年7月29日:台湾・基隆河

- 2013年7月29日:英国バーミンガム

- 2013年7月31日:チェコ共和国・ピルゼン市

- 2013年8月2日:アラスカ全土

- 2013年8月6日:フィンランド・イレーン市

- 2013年8月6日:カナダ・ポートコクイトラム市

- 2013年8月6日:カナダ・トロント市

- 2013年8月6日:カナダ・アーカンソー川

- 2013年8月7日:中国・杭州

- 2013年8月8日:パキスタン・カラチ

- 2013年8月8日:英国全土



深刻なのは、英国とアラスカのようで、どちらも全土において魚の大量死が発生しているとのことです。昨日の記事「狂乱の北半球」でふれましたが、英国では全土に「藻の大発生」も広がっているようで、いろいろな環境の変化が見えるようになっているものとも思われます。




▲ 藻で覆われた英国ロンドンのパディントン船着き場


今回ご紹介するブログの作者の方は、このすべての大量死の報道をリンクしてくれていまして、その労力に敬意を表し、私も 40以上の大量死の記事すべてにアクセスして、内容を確認しました。

報道のリンクとタイトルはここでもすべて掲載しておきます。

なお、ブログにはありませんでしたが、この 7月 18日から 8月 8日の期間中は、日本でも、静岡、沖縄で魚の大量死が発生しています。

アユやアマゴ大量死 静岡・藁科川
 静岡新聞 2013.08.06

沖縄比謝川で魚大量死
 沖縄タイムス 2013.07.21


このように漏れている例や、あるいは報道が出ないような地域での大量死、あるいは無人の場所での大量死なども発生している可能性を考えると、この2〜3週間の間に発生した「魚の超大量死」は、ご紹介するリストの何倍もの数にのぼるのかもしれません。

大きな原因のひとつとして猛暑などはあると思いますが、記事には、「原因はわかっていない」と書かれてあるものが多く、そう単純に「夏の大量死」と片付けるわけにもいかない面もありそうです。

それでは、ここからです。





Why Are Millions Of Fish Suddenly Dying In Mass Death Events All Over The Planet?
The Truth 2013.08.11


なぜ、地球のすべての場所で突然のように大量の魚が死亡しはじめたのか?


世界中で、突然といっていもいいように、何百万匹、あるいは何百万匹以上の魚たちが大量に死亡している。そして、その理由は今のところ誰にも把握できていないように見える。

以下にリンクした報道の多くの文中には地元の人たちの言葉として、「このような光景を見たことがない」と言ったことが引用されている。

現在起きているこの世界中の魚の大量死のあいだに何かの接点はあるのだろうか? もし関連があるとすると、魚の大量死を食い止める術はあるのだろうか。

残念なことに、米国では主流のニュースネットワークでは、これらの現象について事実上沈黙されているため、ほとんどのアメリカ人は、この魚の大量死の事実について知らない。

下のリストの出来事はすべてこの1ヶ月未満に起きているという事実にも圧倒されるが、私たちは今、現実に進行している巨大な魚の大量死の現場を見ているとも言える。


中国

2013年7月18日:中国・山東省で20エーカーの広さの池が大量死した魚で埋め尽くされる。

1f-ch-01.jpg

ソース : sohu (中国)




メキシコ

2013年7月18日:死んだアカエイ何百匹がメキシコ・ベラクルス州の海岸に打ち上げられる。

2-br-01.jpg
ソース : Examiner (米国)




中国・南京

2013年7月18日:南京の湖で10,000匹以上の死んだ魚が見つかる

ソース : 新華社(中国)




米国ミズーリ州

2013年7月18日:ミズーリ州のシュガー湖で雨不足のため数千匹の魚が死亡

3-us-01.jpg

ソース : KCTV (米国)




米国ミシガン州

2013年7月18日:ミシガン湖のほとりに大量の魚が打ち上げられる

4-us-02.jpg




デンマーク

2013年7月19日:ウォルスモゼの湖で2000匹の死んだ魚が見つかる。





米国モンタナ州

2013年7月19日:モンタナ州ホルター湖で数百匹の魚が打ち上げられる。

ソース : KRTV (米国)




インドネシア

2013年7月19日:インドネシアのトンダノ湖で数千トンの魚が死亡。

5-in-01.jpg




米国オハイオ州
-July 20, 2013: 3,000 fish found dead in a creek in Madison County, Ohio

2013年7月20日:オハイオ州マディソン郡の小川で 3,000匹の魚が大量死。





フランス・リール地方

2013年7月21日:フランス・リール地方の小川で数百匹の魚が死亡。




米国マサチューセッツ州

2013年7月22日:マサチューセッツ州ジョージレイクで、多数の死んだ魚が発見される。

ソース : WWLP (米国)



米国オハイオ州

2013年7月22日:オハイオ州セントメリーズのグランドレイクで魚の大量死。




米国オハイオ州

2013年7月23日:オハイオ州ヤングスタウンの公園の池で数百匹の魚が死亡。




イタリア・ベネツィア

2013年7月24日:イタリア・ヴェネツィアのラグーンで大規模な魚の大量死。

6-it-01.jpg




英国ノッティンガム

2013年7月24日:英国ノッティンガムのブルウェル湖での魚の大量市は地元住民たちにショックを引き起こした。





タイ・ラチャブリー地方

2013年7月24日:タイのラチャブリ県の魚養殖場で30,000匹の魚が死亡。

7-thai-01.jpg

ソース : Manager (タイ)



英国・リー川

2013年7月24日:英国のリー川で魚が大量に死亡しているのが発見される。

ソース : Guardian (英国)




米国ユタ州

2013年7月24日:ユタ州のプロボ川で死んだ魚数百匹が見つかる。





英国バーミンガム

2013年7月25日:英国バーミンガムの公園の池で魚が大量に死亡していることが発見される。





韓国・釜山

2013年7月26日:韓国、赤潮で数万匹の魚が死亡。

8-kr-01.jpg





ベルギー・アト市

2013年7月26日:ベルギーのアト市のデンベル川で数千匹の魚が死亡。

ソース : RTBF (英国)




ロシア・モスクワ

2013年7月26日:モスクワの川で魚類の大量死。





英国グロスターシャー州

2013年7月26日:英国グロスターシャー州のピットヴィル湖で 25,000の魚が死亡したが、原因は不明。





中国・江山

2013年7月26日:中国・江山の川で、20,000匹の魚が、川沿い8キロメートルの長さに渡って死んでいることが発見される。

ソース : sohu (中国)




米国ペンシルヴァニア州

2013年7月27日:ペンシルベニア州アリエル湖で 10,000匹の魚が死亡。





スウェーデン・スコーネ県

2013年7月27日:スウェーデンのスコーネ県での魚の大量死の原因は謎のまま。

10-sw-01.jpg





ルーマニア

2013年7月27日:ルーマニアのバフルイ川で魚の大量死。原因は不明。





アラスカ・ピーターバーグ

2013年7月28日:アラスカのピーターズバーグの川で 1,100匹のキングサーモンが死んでいるのが発見される。





メキシコ・ベラクルス州

2013年7月29日:メキシコ・ベラクルス州のビーチで 、数百匹以上の魚が打ち上げられる。





台湾・基隆河

2013年7月29日:台湾の基隆河で7トンの死亡した魚が回収。

11-taiwan-01.png





英国バーミンガム

2013年7月29日:バーミンガムで暑さと嵐のために何千匹もの魚が死亡。





チェコ共和国・ピルセン

2013年7月31日:チェコのピルゼン市で、魚3トンが酸素不足のために死亡。





アラスカ全土

2013年8月2日:アラスカ全域において、数千匹の魚が死につつある。

ソース : Reuter 2013.08.02




フィンランド

2013年8月6日:フィンランドで500キログラムに及ぶ死亡した魚が漂着・





カナダ・ポートコキットラム市

2013年8月6日:カナダ・ポートコクイトラム市の河川で、840匹のサーモンが死亡しているのが発見される。





カナダ・トロント市

2013年8月6日:トロントの池に数百匹の魚が浮かび上がる。





カナダ・アーカンソー川

2013年8月6日:アーカンソー川で 100,000匹の魚が死亡。

12-al-01.jpg





中国・杭州

2013年8月7日:中国・杭州で数千匹の死亡した魚が発見される。





パキスタン・カラチ

2013年8月8日:パキスタン・カラチで何トンにものぼる死亡した魚が海岸に打ち上げられる。





英国全土

2013年8月8日:英国全土にわたって、湖や川で数万の魚が死につつある。

ソース : Channel4 (米国)




  

2013年08月10日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





Hiroshima-0806.jpg

▲ 1945年8月6日。広島に原爆が投下される前(左)と、投下された後の写真。投下後はほぼ何もなくなっています。右上に残る方形の建物は広島城です。円の中心が爆心地。






 


死の園にて


この時期になると、戦争関係や原爆などに絡んだモニュメントの日が続きます。

「〇〇記念日」というように記念という言葉がつくことが多いですが、「記念」という言葉になんとなく微妙な違和感を受けるのは、この時期の記念日の多くが「死」と直結したモニュメントだからかもしれません。

この「死」。

先日、お墓参りに行った時、奇妙に「気持ちのいい空気」に包まれるという体験をしまして、まあ詳しく書くのも変なアレなんで書かないですが、いろいろな意味であまりにも心地よくて、しばらくその場に立ち尽くしてしまいました。

その後、並んでいるお墓の数々を眺めながら、いろいろと呟いたりしながら、それでもなお、「死と生」という違いを正確に把握することができているわけでもない自分に気づき、そして多分、ずっとわからないまま人生を終えるのだろうなあとも思います。まさに「死ぬまで」。


「死」といえば、米国の東海岸で 2013年 7月のイルカの死亡数の急上昇に対して「異常な事態」だということを連邦政府の科学者たちが公式に宣言したという報道がありました。



2013年にピークを迎えた米国のイルカの大量死


d-2013-2.jpg

ロイターより。


これは、アメリカ海洋大気庁( NOAA )が発表した下のグラフを見ると一目瞭然です。アメリカ東海岸の5州で座礁(死亡)して発見されたイルカの数の推移です。

us-dolphin.png

USA Today より。


「イルカの座礁」という表現となってますが、これは、ほとんどが死んで打ち上げられるという意味では、「イルカの死」という意味と同義に近いです。


上のグラフを見ると、ヴァージニア州での死亡数の上昇が図抜けている感がありますが、いずれにしても、アメリカの東海岸の海、あるいは大西洋という範囲にかけて「海で何か起きている」ということも言えるのかもしれません。

ちなみに、ヴァージニア州の場所は下の赤い場所です。

Map_of_USA_VA.png


「この位置は・・・・・」

上のヴァージニア州の位置を見ていて、今回はその前に原爆に関係することをちょっと書いたんですが、このふたつの事柄には微妙な「接点」があることに気付きました。

これは記事を書いている今、気付いたことです。
それは「北緯 33度線」との関係です。






イルカの大量死は北緯 33度線で発生している

それは、過去記事の下の地図などにも現れています。



▲ 過去記事「アメリカ大陸が「真っ二つに割れる日」: 12月初旬に全米を駆け抜けた謎の振動と爆発音」より。


今回の「イルカの大量死」が起きている海岸も、北緯33度線上か、そこに隣接していることに気付いたのでした。

この「 33度線」の問題はなかなか説明しにくいもので、「だからどうした」というように言われてしまえば、それまでの話ですので、過去記事をリンクしておくにとどめておきたいと思います。




などですが、他にも過去に何度も「33度線」が出てきました。


この 33度線が通る場所というのは、政治的混乱を象徴する場所が多く、33度線の代表的な国や場所として、


・トリポリ(リビア)
・ダマスカス(シリア)
・カシミール(インド)
・バグダッド(イラク)
・長崎(日本)
・ヨルダン川西域
・ベイルート
・エルサレム



などがあり、国家の中の複数の地域を通過する国としては、チベット、アフガニスタン、イランなどがあります。他にバミューダ海域や米国のソルトン湖も、この北緯33度上にあります。


なお、関係ないですが、アメリカ東海岸とバミューダ海域の間あたりに位置する「北緯 33度線上の海底」には、下のような構造物があることが Google Earth で示されています。自然の地形と考えるのが一般的ですが、実際には何かはわかりません。




上については、過去記事の、

アメリカ東海岸とバミューダ海域の間の海底にグーグルアースで確認できるピラミッド型の何か
 2012年12月19日

にあります。

また、下の文章は昨年のロシアのプラウダの記事からの抜粋ですが、「 33度」には下のような意味があるのだそう。


神秘主義と、北緯33度上の災い
プラウダ (ロシア) 2012.08.27

北緯 33度は、現代の社会の中で非常に大きな役割を演じている。(中略)

この「 33」の数字の意味は、フリーメーソンの階級の中で最も高い階層を示す。

これは 11と 22を足したものであり、そして、宇宙とスピリチュアルの王が満たされている「ダンテの神曲」の数でもある。これらのすべては歴史の中の新しい世界秩序(New World Order)のキーナンバーだ。




というようなことを考える人たちもいるということのよう。



いずれにしても、今度はその北緯 33度の周辺海域でイルカの大量死。

もちろん、イルカの大量の座礁には説明のつく合理的な理由は必ずあるはずです。

日本でも、それまで北海道では捕獲されていなかったクロマグロが数多く捕獲されたりしていますが、一番の原因は海水温の変化のようで、これをもたらす理由は様々でしょうが、「海流の世界的な変化」というものも関係しているはずです。


世界の海流はすべて循環しています。


なので、どこかの海域で起きた異変は、そこだけでとどまるということは通常はないもので、時間はかかっても、いつかは他の海域にも「異変」となって現れるものだと私は思っています。


何だか最初に書こうと思っていたことからどんどんとズレてきてしまいましたが、イルカの大量死というのも、ひとつの重要な環境の変化を告げる事柄かもしれませんので、イルカの大量死についての記事をロイターからご紹介しておきます。





U.S. declares 'unusual mortality event' as dolphin deaths rise
ロイター 2013.08.08


イルカの死亡数の上昇につき、米国は「異常な大量死の事象」と宣言


連邦政府所属の科学者たちは、アメリカの東海岸におけるバンドウイルカの異常に高い死亡数を調査した。海岸に打ち上げられたイルカの死体の数は、通常の7倍の率に上っている。

東海岸のニュージャージー州からバージニア州では、6月からだけでも 120頭以上の死んだ動物が打ち上げられているのが見つかっていると NOAA は述べる。連邦政府の科学者たちは、この出来事を「通常ではない大量死事象」だと宣言し、その原因を調査している。

NOAA によると、有毒な藻類の繁茂、感染性ウイルス、あるいは、船舶に衝突したことによる負傷などがイルカに死をもたらす原因となるという。

現在のところ原因は判明していないが、早期の組織分析では、一頭のイルカが感染性病原体のモルビリウイルスに陽性だったことを示した。

7月だけでも、東海岸では 28頭のイルカが死亡して海岸に打ち上げられている。

米国の海岸での海洋生物の大量死の記録としては、25年前、1987年にモルビリウイルスに感染した 740頭の動物がニュージャージー州からフロリダへの海岸に打ち上げられたことがある。

科学者たちは、死亡した動物たちが感染症にかかっている可能性を考慮し、米国民たちに、死んだイルカを見つけた場合でも触れないように警告している。




  

2013年08月09日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





brazil-snow-since1975.jpg

▲ 北半球の私たちは「暑い」関係のニュースが多いのですが、南半球の一部ではかつて経験したことのないような寒波に見舞われているようです。写真は、1975年以来の降雪があったブラジルのクリルティバ市。南アフリカも壊滅的な寒さが続いている模様。 Faun Kime より。






 


2013年の立秋を過ぎて


今日(8月9日)は、外に出る用事が何度かありました。

最初は午前10時過ぎでした。



genju-3.jpg




すでにかなり暑いですが、まあ、なんとか歩いて行ける程度の暑さ。


その後、帰宅し、次に出たのは午後2時過ぎでした。




外に一歩出た瞬間・・・。



genju-big.jpg



「これは・・・!」と、空を見上げますが、そんなことをしてもどうにかなるわけもなく、とにかく歩き始めましたが、すごいすごい。少し気を抜くと朦朧としそうになるほどの暑さです。



何とか用事を終え、帰宅後、午後3時頃の日本の気温の状況を気象庁のアメダスで見てみました。

気温の色わけは下のようになっています。
赤だと 35度以上。

kion-08-09.png


8月 9日午後 3時の日本の気温の状況。

ame-das-0809.jpg


あー、関東から西はほとんどピンクか赤だ・・・


日本は上のようにピンクに染まっていますが、お隣の中国などでは、文字通りに「赤い中国」というようなことになっています。






破る記録も底をついてきた中国



ch-hot-0807.jpg

人民網より。


上は、猛暑の報道が多い中国の記事の中でもちょっと気にいったもので、タイトルの「魔都」という言葉は、中国語での正確なニュアンスはわからなくとも、「なるほど」と納得させられる気もしないでもない言葉です。

魔の都。

上海では、立秋の 8月 7日に 40.8度まで気温が上昇し、これは中国で気象記録が始まった 1872年以来の最高気温だとか。つまり、 140年の記録を一気に破ったということのよう。しかも、上海では 2日続けて 40度を越えていて、これも始めて。

中国の他の地域はもっと激しい高温に見舞われているようです。


「40℃でも涼しいほう」、中国の猛暑で豚も熱中症
大紀元 2013.08.08

暦の上ではすでに秋だが、中国各地では猛暑が続いている。中国メディアによると、7日16時の最高気温トップ5は重慶市と浙江省奉化市が43.5℃で首位、四川省興文43℃、同省徐永42.8℃、同省合江42.6℃と続く。

記録的な猛暑が全国を席巻している。同日15時の観測によると、国土の六分の一は35℃以上の猛暑に襲われおり、そのうちの7万平方キロは40℃を超えている。130の観測点は今年の最高気温を記録した。

上海市では同日12時に最高気温が40.8℃まで上昇し、1872年に気象記録が始まって以来の最高気温を記録した。

歴史的な猛暑は各地で影響を及ぼしている。緑茶の有名ブランド「龍井」の生産地である杭州では、連日40℃を超える高温で1000ムー(約67万平方メートル)の茶畑が枯れてしまった。収穫まで3〜4年間はかかるため、今後三年間の収穫は見込めないという。

福建省では6日、豚の輸送車が横転し、脱出のチャンスにも関わらず、12頭の豚は熱中症になり道路の真ん中で動けず、1頭は死亡した。



上のほうに書きました「赤い中国」という意味は、気温の分布を見るとわかりやすいです。

下の図は、7月の中国本土の各地で記録された最高気温を色分けしたものです。

red-china.jpg


真っ赤で、たまに黄色いところがあります。

ch-flag.jpeg




まあしかし、中国の図では「 30度以上で赤」なので、ピンクの日本もこの気温分布に照らし合わせると実は真っ赤ということは言えそうです。


英語圏の報道でも中国の猛暑の報道は多いです。
下は、オーストラリアのインターナショナル・ビジネス・タイムスの記事です。

neppa-08.jpg

IB Times より。


上の車は、どうやら、猛暑と車のエアコン機材の関係で上のように火が上がったということのようですが、中国では、線路や道路も各地で暑さのために歪みまくっているとのこと。

日常の生活でも、人々の生活スタイルが多少逸脱してきて、下のような「川に食卓を持ち込んで」という珍しい食事の風景などもわりと見られるようです。

ch-kawa.jpg

Faun Kime より。





「かつて経験したことのない」という形容は「すでに経験した」と同義になり


akita-heavyrain.jpg

NHK より。


今は気象庁の大雨の表現として「経験したことのない大雨」という区分が存在します。これは本来、「極めて珍しい」という意味も含めての表現だと思うのですが、しかし、今年、この表現を何度耳にしたことかと思います。

先月、 NHK サイトの特集で「「特別警報」運用開始まで1か月」という記事がありました。

これは、8月30日から始まる気象庁の「特別警報」の運用についての記事で、そこには以下のようにあります。太字は原文のままです。



0731_nhk_kaigi.jpg

「特別警報」が発表される「重大な災害の危険性が非常に高い」とはどのような状況なのでしょうか。

気象庁は、その地域にとって50年に一度あるかないかの現象が起きている場合、または発生が予想された場合に「特別警報」を発表することにしています。地域差はありますが、発表基準は、「50年に一度」の大雨、「50年に一度」の暴風、「50年に一度」の高潮、・・・ということになります。



ということなのだそうですが・・・。

もう、今年は雨にしても気温などにしても、 50年分くらいはクリアしてしまったのでは?という気もしないでもないです。


2011年の震災はもちろんですが、この2年ほどの「わりとあっという間」に、私たちは、 50年に 1度などでは済まない程度の環境の大きな変化を実際に体験している中で生きているということに気付きます。


いやあ・・・そう思うと、私なども含めて、こうやって「今、生きている」ということは確かにすごいことなのだとも思います。


この「生きていられる」という状態がいつまで続くのかは誰にも(もちろん自分自身にも)わからないことですが、環境や天災の前に、病気や生活、あるいは経済での問題なども存在したり、あるいは戦争などだって起こらないとも限らない。

なので、「この先どこまで生きるのか」ということは、本当にまったくわからないですけれど、とりあえず「今は生きているんだ」ということに気付いたりもします。



そして、この先、昨日の記事、

NASA が「太陽の磁極の反転(磁場のポールシフト)」が始まったことを確認
 2013年08月08日

にありますように、太陽の磁場の反転が起こる可能性が高くなっています。




これが地球の気候や、あるいは地殻変動などに影響を与えるものなのかどうかはわからないです。

わからないですが、最近多く載せていました資料などを見ていても、太陽の磁場反転が地球に何の影響も与えないということもなさそうで、まして、太陽事態がどうも「おかしい感じ」となっている今、この夏から秋の終わり、あるいは今年の終わりにかけては、さらにいろいろな「変化」が起きても不思議ではなさそうです。

とりあえず今の日本の多くの地域ではこの「暑さ」と「度重なる豪雨」に対応しながら、次の激変への心の準備をしていくということになるようです。