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2013年09月13日



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2013年 : 今、地球の動物たちに何が起きているのか?



先日、地球の記録に、

米国ニューメキシコ州の牧草地で 100頭以上のエルク(ヘラジカ)が謎の大量死
 地球の記録 2013.09.06

という記事を書きました。

elk-dead-01.jpg

▲ 上の記事より、ニューメキシコ州の牧草地に点々と転がるエルクの死体。






 


記事ではわかりやすくヘラジカとしたのですが、アメリカなどで「エルク( ELK ) 」という名称で親しまれている角のある動物は、日本でいうヘラジカとは違うもので、日本名では、アメリカアカシカという動物だそうで、下のように角も細くて、どちらかというと大型動物なのに可憐な感じのする動物です。東北アジアと北アメリカに住む動物とのこと。

elk-usa.jpg


現地の記事では、原因に関して EHD と呼ばれる伝染性の出血性疾患の可能性があると書かれていますが、確定しているわけではないようです。

いずれにしても、上の出来事が9月の始めでした。

その後の1週間ほどで、動物に関しての「大量死」などの報道が多いこと。




海でも川でも陸地でも「何かが進行している」雰囲気


今回は、報道の内容をそれぞれ短くご紹介するだけで終わってしまうと思いますが、最近、私は、動物とは違う話ではありますけれど、

・世界中で大発生する「虫」がいる

・その一方で(ミツバチのように)激しく現象している「虫」がいる


ということが気になっていました。

虫の大量発生に関しては過去記事で何度か取り上げましたが、減っているものもたくさんいる。

そういえば、日本では今年、スズメバチによる被害が非常に多いのですが、特徴として、スズメバチの数が多いと共に、「いつもより攻撃的である」ということがあるようです。スズメバチは確かに攻撃的ですが、何もしない人を意味なく襲うほど無分別な昆虫でもないはずです。

実は私も今年の夏、関東ではないある場所で、スズメバチに追いかけられた経験をしました。そこは家族連れの多い自然の中の公園なのですけれど、スズメバチの多いこと多いこと。そんなこととは知らずに、いつものように黒いシャツなど着ていきましたら大変なことに。ジッとしていても襲ってくる態勢をとっている。

まあしかし、個人的なことはともかく、今年はそういう事例が数多く起きています。

下のグラフは、熊本日日新聞の 8月 14日の記事に出ていた「ハチに刺されて来院した患者数」の昨年との比較グラフです。7月は昨年の5倍ほどになっています。「ハチ」とありますが、病院にまで行くというのは、多くがスズメバチによるものだと思われます。

wasp-kyushu.jpg

▲熊本日日新聞「 猛暑で興奮? ハチに刺される被害、阿蘇で急増」より。


この現象は他の国でもあって、たとえば、イギリスでも今年は同じようにスズメバチによる「無分別な襲撃」が数多く発生していたようで、イギリス中の新聞やメディアで理由について論争さえ起きていました。

下の記事は、英国のインディペンデント紙のサイトの記事ですが、この「酔っ払ったスズメバチに襲撃されるかもしれないと赤十字が警告」というタイトルのように、イギリスにおいても無分別に人を襲っているようなのです。

independent-001.jpg

英国インディペンデントより。





今年の夏の魚の大量死も奇妙に思える点もあり

さらに、そして、8月に書きました記事の、

異常事態 : 2013年 7月 18日から全世界で突如はじまった、かつてない広範囲での魚の大量死
 2013年08月13日

で取り上げました「この夏の異常なほどの海洋生物の大量死」も、むしろその後になってから気になっているということがあるのです。

というのも、最近ご紹介していました世界のこの夏の気温のことなども関係しますが、私は、「この夏の北半球はどこも海域を含めて暑かった」と思いこんでいたのですが、それは違ったようです。

アメリカをはじめとして、多くの地域で、むしろ通常より寒い夏だった場所も多く、そうなると、魚の大量死の原因も不思議に思えてきます。

あくまで一般論ですが、海や池や湖などでは水温が上昇すると藻類、あるいはプランクトン類などの異常発生がおこりやすくなり、それにより水中の酸素が減ったり、水質が悪化することにより魚の大量死が起きやすくなるというのが夏の魚の大量死の原因としては最も多いのではないでしょうか。

なので、「これだけ暑い夏なら大量死も増えるだろうな」と考えていたんですけれど、平年より寒い夏の場所だった地域も多く、その理屈だけでは合わない魚の大量死が上の過去記事の中に含まれていることがわかります。





アメリカのイルカの大量死の数はさらに上昇

海洋生物といえば、アメリカの東海岸で「異常な大量死の状態」と政府が認めたイルカの膨大な大量死のことを取り上げた記事がありました。

心地よい死の園からの帰還後に気付いたイルカの大量死と人間の大量死をつなぐ曖昧なライン
 2013年08月10日

そこでご紹介したロイターの記事では、


東海岸のニュージャージー州からバージニア州では、6月からだけでも 120頭以上の死んだ動物が打ち上げられているのが見つかっている。



とありましたが、その後どうなったかということをこちらの記事で取り上げました。下のグラフはそこからのものです。


dol-2013-09-1.png


aug_stranding_graph.jpg

▲ 地球の記録「米国東海岸のイルカの大量死はさらに厳しい状況に」より。


7月1日からの2ヶ月だけで、 430頭のイルカが死亡して打ち上げられていて、中でも、ニューヨーク州の8月のイルカの座礁(死亡して打ち上げられる)数は、これは確かに「異常」といえるレベルになっていると言えるものではないでしょうか。


しかし、何が起きているのかわからない。
原因もわからない。


アメリカ連邦政府の科学者たちは、基本的にはイルカの大量死を「病気」の線で調査を進めていますが、大量死が始まって数ヶ月が経っても、いまだにその「病気」は確定されない。

なので、イルカたちへの対処もわからない。
その中で、イルカたちはさらにどんどん死んでいく。

そういうような循環となっています。


ここからごく最近の「動物や海洋生物の大量死」の出来事をいくつかご紹介したいと思います。

楽しいものではないでしょうが、世界中で「一気に」大型動物から小型の動物たちまでもが死んでいるという現実が確かにあります。






最近の動物の大量死に関しての報道


カザフスタンのアンテロープの大量死

最初は、アメリカの「エルクの大量死」と似た系統の動物に関しての記事で、サイガアンテロープという動物がカザフスタンで大量死を起こしているという報道です。

サイガアンテロープは、モンゴルやカザフスタンなどに住むカモシカの仲間で、下の写真のような動物です。

saiga-anterope.jpg

Japon Times より。


ここから報道です。

3,000 saiga antelopes die in Akmola and Karaganda oblasts
Tengri News 2013.09.11

saiga-death.jpg

カザフスタンのアクモラ州とカラガンダ州で 3000 頭のサイガアンテロープが死亡していることがカザフスタン環境保護省により発表された。

その中の約 1500頭のサイガアンテロープの死体はテンギズ湖の南部と西部、そして北部の湖畔で発見された。

国家の担当機関と、関係するすべての地方自治体にこの大量死について知らせ、林業狩猟省はカラガンダ州にある獣医局の研究所と協力して原因の究明にあたっている。

関係する省庁は緊急のブリーフィングを開催し、調査チームを派遣した。このチームには、獣医局、緊急事態局、総務部門と疫学コントロール局の代表者が含まれる。

サイガアンテロープの大量死は 2012年 5月にコスタナイ州でも報告されたことがある。この時には 600頭以上のアンテロープが死亡した。





米国オハイオでの謎の犬の病気による死亡

Mystery Disease Killing Ohio Dogs
Live Science 2013.09.10

ohio-dogs.jpg

獣医師、保健関係者、そして犬の所有者たちは、オハイオ州で謎の病気によって死亡した4頭の犬の死亡原因について警戒している。一部の専門家たちは、犬たちが通常は豚で見つかるウイルスへ感染して死亡した可能性があると考えている。シンシナティとアクロンの近郊で、4頭の犬が、嘔吐、下痢、体重減少や倦怠感などの症状を示した後、死亡した。

保険局は、今起きていることをペットの所有者たち、そして、畜産農家の人たちは広く認識するべきだと述べている。






米国ニュージャージーで異常な「狂犬病」の感染率に陥っているキツネたち

'Unusual' outbreak hits Stanhope: Four foxes test positive for rabies
nj.com 2013.09.12

stanhope-foxrabies.jpg

ニュージャージー州スタンホープの保健当局が、地元のキツネに狂犬病のテストをおこなったところ、5頭のうち4頭のキツネが陽性を示し、「考えられない感染率」だということがわかり、スタンホープでペットを飼っている人々に、今すぐ自分のペットに狂犬病の予防注射をすることを強く勧告した。

狂犬病に感染した4頭のキツネは、警察によって殺された5頭のキツネの中のものだった。これらのキツネたちは、マスコネットコング湖で近くで住人たちを襲ったのだ。

そのために、捕獲後、狂犬病のテストがおこなわれた。

そのうちの一人の女性は、散歩中に足首をキツネに噛まれた。連れていた犬も狐に噛まれた。噛まれた女性は予防措置として 45日間隔離されている。

現地の保健衛生担当員のハーブ・ヤードリー氏は「5頭のうち4頭のキツネが狂犬病だなんて異常な率です」と語った。そして、「住民の方々も、そして、ペットを飼ってる方はそのペットも、みな狂犬病の予防接種を受ける必要があります」と述べた。

スタンホープの動物制御官たちは、動物たちが以下の行動を示した場合、警察に知らせてほしいと訴えた。

・過度に攻撃的
・人間をまったく恐れない
・奇妙な行動
・立つ時や歩くと時に転倒する
・円を描くように歩く

狂犬病は発症すると、人間ではほぼ 100パーセントの致死率となる重大な病気だ。





原因不明のヒトデの大量死

Massive Starfish Die-Off Baffles Scientists
National Geographic 2013.09.09

starfish-die-off.jpg

カナダのブリティッシュコロンビア州の沖に死んだヒトデが散らばっている。研究者たちはこの大量死を引き起こしている原因の見当がつかないという。

海洋生物学者たちが異常に気付いたのは8月の終わりだ。スキューバをしていて、大量のヒトデが死んでいることに気付いたのだ。

それはヒマワリヒトデ( Pycnopodia helianthoides ) と呼ばれるもので、この海域のウニと巻貝類の主要な捕食者だった。ヒマワリヒトデは、ほとんどのヒトデのように、失った手足を再生成することができ、最大1メートルにまで成長するヒトデだ。

スミソニアン研究所の無脊椎動物の専門家にも原因の調査を依頼したが、その死に方は収縮して、崩壊してしまうように見えるという。そしても腕だけ切りなされ、中央の円形の胴体部分が落ち、最終的に腕、胴体、生殖腺体などがバラバラになるという。これは急激に起きるようだ。

原因はまったくわからないという。寄生虫が原因である可能性を指摘する科学者もいるが、この大量死の原因は謎のままだ。





(訳者注) 報道を羅列しただけで、どうにも力尽きましたが、どれも不思議というのか何というのか、異常という言葉を使えるようなものも含まれていると思います。

特にアメリカのニュージャージー州でのキツネの間での「狂犬病の異常な感染率」というのは、何となく将来的な脅威を感じさせる報道でした。



  

2013年09月12日



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September-Perseid-Meteor.jpg

▲ 9月9月に観測された「9月ペルセウス座イプシロン流星群」。ヨーロッパ上空では爆発の様子が見えたらしいです。  NASA 全天カメラより。






 


タイトルの「ふたたび」というのは、何だか唐突な感じかもしれないですが、過去記事で同じようなことを取り上げたことがありました。

見てみますと、2年前の 2011年の記事でした。


地球上空は狂乱状態: 7つの流星体が上空で衝突
 2011年12月10日


この頃、複数の隕石が「地球の上空でピッタリと衝突して爆発する」という現象が連日、 NASA の 全天火球ネットワークなどで観測されていました。

これは、流星群ではなく、「それぞれの隕石や流星がまったく違う方向から飛んできて、ピッタリ地球上空で同時に衝突して爆発した」という(多分珍しい)出来事といえるものでした。

下の軌道がその時のものです。

線の色は、その天体の飛行速度を示します。
青いほど高速です。

2011年 12月 9日の地球上空





そして、またこの 2011年 12月と同じように「連日、地球上空で複数の天体が衝突するという出来事」が起きています。





2013年にも地球上空での天体の衝突がさらに派手になって登場


9月 10日と 9月 11日の連日のスペースウェザーの記事を続けてご紹介します。

なお、記事での「9月ペルセウス座イプシロン流星群」というのは直訳で、調べてみますと、日本では「9月ペルセウス座ε流星群」というように記すものがこれに該当するようです。


BUSY INTERSECTION
Spaceweather 2013.09.10

忙しい交差点

9月9日、 NASA 全天火球ネットワークは米国南部全域の空で 20以上の火球を記録した。

それらの軌道はすべて一点で交差した。
下の青い点で示される地球の上空だ。

earth-fireball-0909.png


図では、軌道は速度によって色分けされている。
速度は秒速 16キロ〜71キロの範囲だった。

これらの動きの速い流星のほとんどは、「散発的なもの」であり、群として動く流星ではなく、ランダムな宇宙塵の小さな点といっていい。

太陽系の内側にはこのような隕石が数多くあり、それらは毎日のように地球に衝突している。

しかし、今回の流星の中のいくつかはランダムなものではなかった。 NASA のカメラは5つの 「9月ペルセウス座イプシロン流星群」( the September epsilon Perseid meteor shower )を捕らえた。

この流星群は、その母体となる星を含めて、あまり詳しく知られていない流星群で、毎年9月中旬に観測することができる。しかし、この9月ペルセウス座イプシロン流星群に関しては群としての流星の流れが存在するのかどうかということについて、やや疑問がある。

いずれにしても、 2013年は 2008年に続き、この流星群を観測するにはいい年とであると思われる。




続けまして、その翌日の9月10日のスペースウェザーの記事。


METEOR OUTBURST?
Spaceweather 2013.09.11

隕石の大爆発?

ヨーロッパの観測者たちが、「9月ペルセウス座イプシロン流星群」の爆発を報告している。

「爆発は 9月 9日から10日( 世界時間 )の真夜中を中心に発生した」と、NASAの流星環境事務所( Meteoroid Environment Office )のビル・クック所長は語った。「約2時間のあいだに、流星が時速 50キロと同等の速度で現れた。ただし、北米はその時間は昼だったので、私たちはその爆発の様子を見ていない」。

NASAの全天監視カメラは、ヨーロッパの観測者たちが見たものよりも低い割合でだが、イプシロン・ペルセウスの火球を記録した。流星環境事務所のチームは、イプシロン・ペルセウス座の流星の軌道を十数個計算することができた。

meteo-2013-09-10.png


9月ペルセウス座イプシロン流星群はあまり知られていない流星群で、毎年9月前半から中旬にかけ観測されるが、通常、観測される流星の数は多くても1時間に5個を越えることはない。

しかし、 2008年には平年の5倍の数の流星群が観測され、観測者たちを驚かせせた。今年も、平年の倍の数が観測されるかもしれない。




というわけで、スペースウェザーの説明によりますと、 9月 9日には、ランダムな隕石や流星と「9月ペルセウス座イプシロン流星群」という流星群の一部が、すべて地球上空で交差したということのようです。

そして、 9月 10日には、その「9月ペルセウス座イプシロン流星群」が、地球上空で大爆発を起こした模様。

それと関係あるのかどうかわからないですが、その 9月 10日、アメリカのアラバマ州で、「野球ボールサイズの隕石が上空で爆発した」というニュースが、米国で報じられていました。

meteo-alabama-2013-0910.jpg

ニューヨーク・デイリー・ニュースより。


上の写真は米国 NBC テレビに目撃者から寄せられたその様子です。多くの目撃者がいて、また、様々なイベントがおこなわれていたので、カメラなどで多く撮影されたようです。

まあ、そんなわけで、空のほうもまたざわついてきたのかもしれないですし、一時的なものなのかもしれないですが、実は、9月に入った途端、奇妙だったということもあるのです。




9月に入ってから毎日発見されていた地球近くを通る小惑星

NASA では、地球の近くを通る天体で軌道がわかっている分についてはその都度、公表しています。

これを「潜在的に危険な小惑星」( Potentially Hazardous Asteroid )と呼んでいますが、上記の Wikipedia によりますと、


2012年9月20日現在、地球近傍天体(地球に接近する軌道を持つ天体) 9192個のうち、潜在的に危険な小惑星は 1331個登録されている。



ということで、 1000以上わかっています。

ところで、上では、 2012年 9月 20日時点で「 1331個」となっていますが、現在の 2013年 9月 12日の時点では、これは 1423となっています。

つまり、1年で 90個ほど増えていることになります。

このように結構なペースで発見され続けているものなのですけれど、それにしても、この9月に入ってからはスゴかったのです。

下のは、 9月 5日時点のものですが、このうち、赤で囲んだものは、すべて「直前」かあ、あるいは「通過後」に記載されたものです。

ast-111.jpg

Spaceweather より。


しかも、日に日に増えていく。

私は毎日この「潜在的に危険な小惑星」を見ているんですが、下のは 9月 9日のもので、よく見ると、赤で囲んだ小惑星が「追加」されていたりしていました。

ast-333.jpg


どれも小さな小惑星ですが、通っていく距離は比較的近くて、この頃の状況を見ていると、「いろいろと地球に近づいていそうな感じはする」というような思いもあったのですが、上記に上げた狂乱状態を見ていますと、しばらく、地球上空は騒がしいことになるのかもしれないです。

もっとも、この程度の「空の狂乱」は、地上に被害を与えるようなものではないですので、気にするようなことでもないかもしれません。いわゆる「地球への天体衝突の本番」は多分、何の予兆もなく、まったく予測されることなく発生すると私は思っています。



  

2013年09月11日



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最初に今朝のスペースウェザーの記事をご紹介します。




ALMOST-BLANK SUN
Spaceweather 2013.09.11






 

ほとんど空白の太陽

2013年は、太陽活動が最大の年であると仮定されている。

なるほど、確かに、太陽の磁場は反転しようとしており、その点からは太陽活動の最大期に達している態勢ではあるように見える。

ところがである。
下の今日の太陽の写真を見てほしい。

この状態はどう見ても太陽活動最大期ではなく、太陽活動の「最小期」にしか見えない。何しろ、黒点がほぼまったく見えない状態なのだ。


blank_sun_2013-09.jpg


太陽の表面を慎重に見ると、活動の弱い小さな黒点群が2つあることがわかる。しかし、 NOAA の予報官は次の 24時間にMクラスかXクラスの太陽フレアが発生する確率は1%以上に満たないと推測する。

実際、今回の太陽活動最大期は、この 50年の中で最も弱いものだ。

研究者の中には、太陽活動の最大期はふたつのピークを持っていると考えている科学者が少なくとも1人いる。そうだとすれば、私たちは今、ふたつのピークの谷の中にいるとも考えられる。次には 2013年と 2014年の間に急速に太陽活動が増加する可能性がある。





ということなんですが、 NASA の他の写真で見ると、「ほとんど空白の太陽」というこの記事の表現がよくわかる気がします。

mdi_sunspots-09-11.jpg

NASA SOHO サイトより。



記事にあります2つの小さな黒点群は上の写真にも番号がありますが、下のふたつです。

sunspot-2013-0911.png


これはそれぞれが「群」で、この中に黒点が複数存在します。

その2つの群の中の全部の太陽黒点数が現在 23個ということなんですが、この「 23」という数がどのくらいのものかというと、たとえば、 8月 12日から 9月 11日までのこの1ヶ月間の黒点数の推移を見ますと、上の記事でこの記事を書いた人が、


> 今の状態は、どう見ても太陽活動の「最小期」にしか見えない。


と書いた理由がおわかりになるかと思います。

下の表は宇宙天気情報センター( NICT )の「黒点情報」というページからのものです。

sun-0812-0910.png

NICT 黒点情報より。


また、この「太陽活動最大期というより、最小期にしか見えない」という表現に関しては、これまでのそのふたつの時期(最大期と最小期)の太陽表面の感じの比較でもわかります。

下の写真は、 2001年 3月の太陽活動最大期の頃の太陽の黒点と、最小期に近い頃の 2005年 1月の太陽の比較です。

sunspot_max_min.jpg

Windows To Universe より。


少なくとも少し前までは、今頃の時期は上の写真の「左側」の状態になっているはずだったと予測されていました。

それどころか、現在の太陽活動の最大期の活動は「今までになく大きくなる」という予測も数年前までは主流でさえありました。

つまり、 2013年の夏頃は太陽表面は黒点だらけで、毎日のように太陽フレアが噴出し、地球の至る場所が電磁パルスで停電に至る・・・・・というような 2013年が本当に想定されていたのです。ほんの2〜3年ほど前まで。

いや、私だってその頃にはそう思っていました。

たとえば、ちょうど3年ほど前の 2010年 9月 23日の In Deep の 記事のタイトルは「NASA が発表した「2013年 太陽フレアの脅威」の波紋」でした。

solarflare-2010-2013.jpg


しかし、実際には今年 2013年の夏は、太陽フレアの活動も大きなのものはほとんどありません。

そして、すでに昨年の 2012年の時点で、下の過去記事のタイトルのようなこと言われはじめていました。下の記事は余談が多いですが、昨年 11月のものです。

「太陽の休止」の現実化: 2013年に最大を迎えると予測されていた太陽活動のピークがすでに終わった可能性を NOAA が示唆
 2012年11月06日








すでに4ヶ月間発生していないX級フレア


ところで、この夏、どのくらい太陽活動が静かだったかというのは、たとえば、どのくらいの規模の太陽フレアが発生していたのかということを調べてみてもわかるように思います。

太陽フレアは規模の大きさで上から「X」、「M」、「C」、「Bクラス以下」というようにわけられます。「X」が最大です。

これは NICT にその年の毎日の記録があり、そこから抜粋させていただきます。

赤い部分が「X」クラスのフレアが発生した日です。

2013-x-flare.png

NICT 太陽活動の現況より。


5月 16日にXフレアが発生して以来、約4ヶ月もの間、大きなフレアであるX級のフレアが発生していないだけではなく、黄色にも注目していただきたいのですが、Xフレアより弱いクラスの「M」クラスのフレアもほとんど発生していないことがわかります。



今年 2013年は現在までのすべてにおいて太陽活動が弱いです。

下は、今年の 9月 11日までのすべての太陽フレアの状況ですが、「赤」の部分は、すぐに数えられると思いますが、それがXフレアです。

9月 11日までの 2013年の太陽フレアの全状況

2013-all-flare.jpg



スペースウェザーの記事では「 2013年から 2014年に太陽活動が大きくなる可能性がある」というように書いていますが、それに対しては今では否定的な意見のほうが多いかと思います。

つまり、「太陽活動はこのまま増大しない状態で現在の太陽活動(サイクル 24)が終わるのでは」ということを考えるほうが確かに現状ではわかりやすいような気もします。


なお、上のスペースウェザーの記事で、


> 研究者の中には、太陽活動の最大期はふたつのピークを持っていると考えている科学者が少なくとも1人いる。


という言い方となっている部分がありますが、これは、多分、過去記事の、

「太陽に何か我々の予測できないことが起きている」: 太陽活動の今後についての NASA の物理学者の見解
 2013年03月03日

の翻訳でご紹介した記事に出てくる NASA ゴダード宇宙センターのディーン・ペスネルという太陽物理学者の人のことだと思います。

今となっては、この科学者の言っていることは時期としては否定されていますし、私自身もどうしてもそうは思えない部分がありますが、このような意見もあるということは思い出してもいいとも感じましたので、内容を短くして再度掲載します。





Solar Cycle Update: Twin Peaks?
NASA 2013.03.01

太陽活動サイクルについて: ふたつの峠が来る?


太陽に何か予測できないようなことが起きている。

2013年は、11年周期で訪れる太陽活動期での最大の太陽活動が予測されている。しかし、いまだに太陽活動は弱いままの状態で推移している。太陽の黒点数は2011年の数を下回っており、太陽フレアも強いものはほとんど発生していない。

この太陽の静けさは、予測官たちの予測ミスなのではないかという意見さえ出ているが、しかし、 NASA のゴダード宇宙センターの太陽物理学者ディーン・ペスネル博士には、異なる見解がある。

ペスネル博士は以下のように述べる。

「これは間違いなく太陽活動の最大期ですが、私たちの期待していたものと違うというように見えるということです」。

太陽活動は 11年周期の中で太陽活動が活発な時期と静かな時期を繰り返す。しかし、天文学者たちは「現実には太陽活動はもっと複雑だ」と言う。太陽黒点は、この何世紀にもわたってカウントされてきたが、その活動周期は、必ずしもいつでも規則的だったわけではない。過去を見ると、10年から13年の間で変動していた時期を見いだせる。つまり、太陽の活動サイクルの周期の幅は変化するのだ。

ペスネル博士は下のようにも語る。

「たとえば、1989年と 2001年頃の最期の太陽活動サイクルの極大期では、1つではなく、2つの太陽活動のピークを持っていました」。

ペスネル博士は、今同じことが起きている可能性があるという。

「2013年にもうひとつの太陽活動のピークが起き、2014年に終わると私は考えています」と、ペスネル博士は述べた。

現実には太陽に次に何が起きるかは誰にもわからない。それでも、 2013年は、その初頭よりも中盤にかけてのほうが太陽活動が活発になるという可能性は高いと考えられる。






(訳者注) この記事は今年3月のもので、記事の最後の「2013年の初頭よりも中盤にかけてのほうが太陽活動が活発になる」という部分に関しては、現時点で中盤を過ぎていて、その可能性は現実として否定されてしまった感じです。

いずれにしても、現時点では、急速に太陽活動が大きくなる傾向はないわけですので、太陽活動に影響を受ける地球の環境の部分でも、「太陽活動の小さいな時」と照らし合わせたほうがいいのかもしれないと最近は思っています。そして、そこを契機とする「長い太陽活動の休止の時期」に入っていくのかどうかということが、今後の数十年の地球を考える上で大事なことかもしれないです。



  

2013年09月09日



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global-cooling-top.gif

デイリーメールより。






 


昨日の英国デイリーメールで、上のような「時代は地球寒冷化へ」という見出しの記事が出るほどまでに、最近の数々のデータは「冷えていく地球」について明らかにしている感があります。

特に、私はこれに関しては書くべき責任もあるようにも思います。

何しろ、過去記事で、

2013年の夏 : 北極の氷は溶けて「湖」に変貌し、南極での氷床の溶解は予想を遙かに上回るスピードであることが判明
 2013年07月28日

というようなタイトルの記事など、極の氷床の崩壊や、あるいは「地球全体の氷が減少している」という感じさえ漂う記事を書いてしまっていたからです。しかし、この概念は明らかに間違いだったことが次第にはっきりとしてきました。


その後、各国の気象局や、あるいは国際的な調査データにより判明した事実は、少なくとも、南極の氷は観測史上最大レベルの増加を続けているということでした。今回、上のデイリーメールの記事をご紹介しますが、その前に「南極」に関しての資料を掲載しておきます。

ほとんど一目瞭然です。




南極は崩壊していない


まずグラフですけれど、あまり面倒くさいものではなく、「見ただけでわかる」ものを2つほど。下のグラフはコロラド大学の集計データで、 1979年から 2013年までの南極の海氷の面積の拡大を示したグラフです。

ant-extent-2013.png


このグラフでは、 2013年がこの 30年あまりで最も南極の氷の面積が多くなっているのですが、他のデータセンターにも同じことを表すものがあります。

下のグラフは、雪圏の観測とデータの管理を行っているアメリカ国立雪氷データセンター( National Snow and Ice Data Center )のグラフで、そこから2つのデータをご紹介します。

下は「南半球の面積の変化(偏差)」とあるのですが、南半球で土地の面積が変化するのは南極大陸の氷の部分だけを意味しているわけで、つまり「南極の氷の面積の変化」を表しているグラフと考えていいと思います。

anta-02.png



下は、 今年 4月から 8月までの南極の氷の範囲。
すべての月において、平均値を上回って推移していることがわかります。

1981-2010.png

▲ どちらも、アメリカ国立雪氷データセンターより。


他にも同じことを意味する数多くのデータがあるのですけれど、それでも一方で、南極の氷の融解に関しての記事が多く出るのも事実です。私も上のようなデータを見るまで、正直、南極の氷の状態はどちらなのかよくわからない部分はありましたけれど、データを見る限り、「南極の氷は増えている」ということが言えそうで、また、デイリーメールの記事によれば、北極の氷も増えているということになりそうです。


いずれにしても、仮に地球が本当に比較的長期間の寒冷期に入っているとした場合、生活に関しても、農業や漁業などの面など、あるいは通常生活の様々な部分において、予期しないような厳しい局面などを経験したりすることになるのかもしれません。


正直、 2020年が「期待通りの日本の光景」である確率はそんなに高くない気もします。


というわけで、ここから、デイリーメールの記事を。





And now it's global COOLING! Record return of Arctic ice cap as it grows by 60% in a year
Daily Mail 2013.09.07


そして今、時代は「地球寒冷化」へ! 北極の氷冠が1年間で60パーセントの増加を記録


寒い今年の北極の夏が 100万平方キロメートルに近い海を氷で覆い尽くしている。これは、昨年の夏と比較して 60パーセントも増加していることになる。

英国 BBC は、2007年に「地球温暖化により、2013年の夏には北極の氷は消えているだろう」という内容の記事を出したが、それから6年後の今、氷面積は増加している。氷面積は減るどころか、氷床はヨーロッパの半分以上の大きさに達しており、それはカナダの島々からロシア北部の海岸にまで拡大している。


nasa-ant-extent-2012.jpg


nasa-ant-extent-2013.jpg


大西洋から太平洋への北西航路は今年1年を通して氷により遮断された。また、そのルートでの横断を予定していた 20以上のヨットやクルーズ船は引き返すことを余儀なくされている。

今、著名な科学者たちの中には、地球が寒冷化に向かっていると確信している人たちが多くいる。この地球寒冷時代は、少なくとも今世紀の半ばまで終わらないとされるものだ。

地球温暖化に関しての科学的な議論の後、メール紙において、気候の専門家たちによる地球温暖化に関してのコンピュータモデルが予測に失敗したことが報道された。

それによると、地球温暖化は「1997年にストップした」ことが明らかにされている。この報道により、 90パーセントの確率で気温が平均より下がっていくことを予測していたことが明らかにされた。

わずか6年前に、BBCは 2013年の夏に氷はないであろうと報告した。
下は 2007年の「地球温暖化」に関しての BBC の報道だ。
これらの予測には明らかな欠陥が示されている。



bbc-2007-2.jpg



この BBC の報告では、スーパーコンピュータでのシミュレーション・モデルと、ウィースロウ・マスロウスキー( Wieslaw Maslowski )教授の見解を基に温暖化説を記した。また、ケンブリッジ大学の専門家ピーター・ワドハムス( Peter Wadhams )の言葉も引用されている。

国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC )」は、今年 10月に第5次評価報告書の公開を開始する予定だった。これは6〜7年毎に発行される膨大な報告書だ。メール紙にリークされた文書によると、 IPCC に資金を提供する各国政府は、「政策立案者のための要約レポート」に 1,500カ所以上の変更を要求していることを示している。

報告書案では、 IPCCは「地球温暖化は人間によって引き起こされたことを 95パーセント確信している」と述べている。これは 2007年の 90パーセントより上昇した表現だ。

この「地球温暖化が人間によって引き起こされた」とする主張は何度も議論されてきた。

米国の気候専門家ジュディス・カレー( Judith Curry )教授は、「実際には不確実性が高くなっています。今のモデルがあまりにも二酸炭素に過敏になっていることは明らかなのです。 IPCC が確信をさらに高めているという理由の根幹が私には理解できません」と語る。

ウィスコンシン大学のアナスタシオス・ソニス( Anastasios Tsonis )教授は、海洋サイクルを調査した最初の科学者の1人だ。教授は以下のように言う。

「私たちはすでに寒冷化の時代に突入しています。そして、これは少なくとも、次の 15年間は続くと考えられます。疑いの余地なく 1980年代と1990年代の温暖化傾向は停止したと言えます」。

北極の氷の増減のレベルには「周期が存在する」という証拠がある。気候歴史家が発見したデータによれば、 1920年代と 1930年代に大規模な溶融があったことが示されている。

カレー教授は今後5年間の氷の動向、特に北極海の氷の指標が今後の気候を理解するために非常に重要だと言う。また、これは今後の各国政府の将来の政策にとっても重要だと述べた。







(訳者注) デイリーメールの記事では、同じ英国の BBC のかつての記事をかなり批判しています。しかし当然ながら、 2007年頃の学説は「地球温暖化」だけではありませんでした。

たとえば、下は 2006年の記事です。


地球は「ミニ氷河期」に=太陽活動が停滞 - ロシア天文学者
時事通信 2006.02.07

ロシアの天文学者、アブドサマトフ天体観測研究所研究員は、太陽活動の停滞から、6〜7年後に世界の気温が次第に低下し始め、17〜18世紀に続く「ミニ氷河期」に入る可能性があると予測した。ロシア通信とのインタビューで語った。



というものです。

2006年の時点からの「 6〜 7年後から」というのは、このロシアの科学者は、今の 2013年頃からミニ氷河期に入ると主張していたということになります。

いずれにしても、米国を中心とした西側諸国が一斉に温暖化説を説いていた一方では、いろいろな学説がきちんと存在していたことは事実です。

しかし、その多くは温暖化という言葉に掻き消されてしまいました。

この消され方は、大局的にみれば、アンチ・ビッグバン理論や、アンチ進化論説などが掻き消されてきた状況と似ています。地球温暖化説のような「学説とされるもの」がどのように定着していくかを、フレッド・ホイル博士は最晩年の自著『生命はどこから来たか』(1995年)の冒頭の章に記しています。

過去記事の

ビッグバン理論での宇宙の誕生より古い「 145億年前の星」が観測された報道を見た日に(2)
 2013年03月09日

の中で抜粋していますので、その中から記しておきます。


フレッド・ホイル著『生命はどこから来たか』 第一章より

科学者たちが大進展の主役になりたいと野心を持つのは当然である。ある者はその才能により成功し、ある者は幸運に恵まれ、さらにある者はけしからんことに作り話で成功を収めた。そのやり方は、何もないのに大進展があったかのように振る舞うのである。

このようなニセの効果がうまくいくには、一人の孤立した科学者ではなく、科学者の陰謀団のほうがよい。声を揃えることで、陰謀団は各々の科学者の口を封じ、科学雑誌に発表される論文の内容に圧力を加え、ついには反対意見を一掃してしまうことができる。

こんなことは全くの作り話ではうまくいかない。初めには、ゲームでいうところの「ツキ」があったに違いない。すなわち初めには、事実は陰謀団の言う理屈に合っているかのように見える必要がある。

陰謀団はのちにその理論に合わない事実がわかってきたときに現れ、科学雑誌を自由に操ることを通して慎重にこの事実を葬り去ってしまう。さらに陰謀団の理論が、教育課程に侵入し、常に難しい試験の連続に追い立てられ、自らを失っている数多くの生徒たちに教え込まれると教義は確立してくる。

学会は誤った知識の領域を持つことになり、その損失はもとより、その周辺領域すべての進歩を阻害してしまう。このことが同時に、多方面に影響し、人間社会の衰退、そして最終的には破滅へと導くのである。



上の記述にある、

> 陰謀団はのちにその理論に合わない事実がわかってきたときに現れ、科学雑誌を自由に操ることを通して慎重にこの事実を葬り去ってしまう。


ということが、地球温暖化説においても繰り返されてきたという可能性は上のデイリーメールの記事からも感じます。

また、これについては、3年ほどの前の記事、

地球温暖化と米国物理学会のありかたを非難して学会を脱退した科学者の辞表の全内容
 2010年10月10日

を参考にしていただければ幸いです。

ここには、カリフォルニア大学の物理学の名誉教授だったハロルド・ルイスという方が、アメリカ物理学会を脱退した時に理事にあてた手紙の内容について記した英国テレグラフの記事を訳したものです。


私はアメリカ物理学会から脱退する辞意を君に表名したい。もちろん、大きな原因は地球温暖化詐欺だ。

こいつは文字通り、何兆ものドルを産みだし、数多くの科学者たちを堕落させた。そして、物理学会もその波に飲み込まれてしまった。

物理学者としての長い人生の中で、私はこれほど成功した巨大な疑似科学的な詐欺を見たことがない。ほんの少しでも疑いを持つ人がいるなら、クライメイトゲート(気候研究ユニット・メール流出事件)の文書を読んでみるといい。

物理学会はこの問題に直面した時に何をしたか?

なんとこの腐敗に協力することを決め、地球温暖化を国際基準としたのだ。



というようなことが書かれています。

当時は、良心的な科学者たちの多くが大変に苦しんでいたことが伺えます。今も科学のさまざまな分野で真実を言えずに苦しみ続けている方々がいるはずです。

苦しみから解き放たれる日が来ますように。



  

2013年09月06日



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太陽系で最大の火山が日本のお隣に


昨日、米国のヒューストン大学のニュースリリースで、下のような記事を見かけました。

big-vol-01.png

ヒューストン大学のウェブサイト より。

読みますと、地球最大どころか、「太陽系で最大の火山が発見された」ということなんですね。






 

これまで太陽系で発見された中で最大の火山は、火星にある「オリンポス山」というものだとされています。まあ、もちろん未発見のもののほうがはるかに多いはずですけれど、現時点まで確認された火山で、ということになると、その火星の火山が太陽系で最も巨大な火山だったのですが、それより大きなものが見つかったと。

sp6.jpg

▲ これまで太陽系で最大の火山とされていた火星のオリンポス山。山体はエベレストの3倍程度の約27,000メートル。裾野の直径は550キロメートル以上とのことです。


そして、特筆すべきというのか、今回見つかった超巨大火山は場所が日本と比較的近いのです。太平洋にあるシャツキー海台という場所の一部だということで、大ざっぱにいえば、日本とハワイの間あたりのやや日本寄りにあるものだと思います。

シャツキー海台というのは下のあたりにあるもので、これも巨大の超巨大火山の名残といわれているものです。

shatky1.jpg

Science Portal より。


まあ、そんなわけで、「なんかすごいのが見つかったなあ、日本の近くで」と思って、翻訳して終えようとしていた時・・・ふと、Yahoo! のトップニュース見てみましたら、なんとすでにちゃんとした日本語の報道となっていたんですね。

読内容的にはヒューストン大学のニュースリリースとほぼ同じでしたので、それなら私の素人翻訳よりも、報道のリンクを提示したほうがいいかなと思いまして、 AFP の記事を少し短く概要化してご紹介します。




大体の大きさの比較

ところで、この新しく見つかった火山は「タム」と名付けられたのですけれど、その火山の面積は「約31万平方キロメートル」とのこと。でも、数字ではまったくその規模がわかりません。

記事では「英国とアイルランドを合わせた面積に相当する」とあるのですけれど、これでも今ひとつわからないですので、「もう少し丸い国土の国」で探してみますと、ドイツの面積が、

german-357.png

ということで、わりと近いかと思いまして、この「タム」という火山はドイツを丸で囲んだくらいの面積になるのかなと、地図に赤丸で囲んでみました。

german-men.jpg


これはデカイ


噴火したのは1億年以上前と見られるということなんですけれど、こんなのが噴火した時はそれはもう地球全体がムチャクチャになったことでしょうね。


高さとかを含めた比較としては、富士山から火星のオリンポス山まで比較してみます。

まず、富士山とエベレスト山(チョモランマ)の比較。

fujitakasa.jpg

akusyu.shizuoka-c.ed.jp より。


そして、エベレスト山と、火星のオリンポス山の比較。

oly-eve.jpg

Daily Galaxy より。


これらよりさらに大きな火山だということになるようです。

というわけで、AFP の記事より。






太平洋海底に超巨大火山を発見、太陽系で最大級
AFP 2013.09.06

地球上で最大で、太陽系で最大の火山にも匹敵する超巨大火山を発見したとの論文が英科学誌ネイチャージオサイエンスで発表された。

論文によると、タム山塊と呼ばれるこの火山は、太平洋の海底にある台地、シャツキー海台の一部で、日本の東方約 1600キロに位置している。タム山塊は、約 1億 4400万年前の噴火で吹き出した溶岩が盾状に固まった単一の巨大な丸いドームから成っている。

面積は約 31万平方キロで、英国とアイルランドを合わせた面積に相当する。海底から頂上までの高さは約 3500メートルに達する。

研究チームは論文の中で「タム山塊は、世界で知られている中で最大の単一の中央火山だ」と報告している。

面積では「太陽系内で最大の火山とみなされている火星のオリンポス山とほぼ同じ」だが「オリンポス山は標高が 2万メートル以上なので巨人のように見えるが、体積は(タム山塊と比べ)約 25%大きいだけだ」という。

海洋測量士らはこれまで、タム山塊を複数の火山から成る広大な火山系だと考えていた。この種の火山系は、世界中に十数個ほど存在する。

研究チームは、海底掘削プロジェクトで採取されたデータと、深部地震探査装置で得られた海底地図を組み合わせ、タム山塊の全体像の解明を試みた。

その結果、タム山塊が超巨大な単一の火山であることが分かり、他の太陽系惑星にある超巨大火山と同類の火山が地球上にも存在することが示唆されたという。

「地球にある超巨大火山は、海の下という良い隠れ場所があるために、理解がほとんど進んでいない」と論文は指摘している。 AFP の電子メール取材に応じたセーガー氏は、タム山塊が活火山である可能性は低いとみられると述べた。

「タム山塊は百万〜数百万年という(地質学的にみて)短期間で形成され、それ以来活動を停止していると、われわれは考えている」

また、世界中に十数個ほど存在する広大な海台の中には、モンスター級の巨大火山が他にも潜んでいるかもしれないとセーガー氏は考えている。

「ソロモン諸島の東方、太平洋の赤道近くにある世界最大のオントンジャワ海台は、タムよりずっと大きく、フランスくらいの大きさがある」という。


シヤツキー海台だとか、オントンジャワ海台だとか、耳慣れない名前がたくさんでてくると思いますが、これらは、すべて「地球の7つの超巨大火山」とされているものです。

参考までに、過去記事の「7つの超巨大火山」について載せておきます。





7つの超巨大火山
7つの超巨大火山より。

1.イタリアのセージア渓谷

場所:イタリア・アルプス
最後の大噴火:約2億8000万年前
噴火の規模 :セントヘレンズ山の大噴火のおよそ1000倍

リンク:内部のねじれた超巨大火山、イタリア(ナショナルジオグラフィック)


2.米国イエローストーン

場所:米国
最後の大噴火:64万年前
噴火の規模 :セントヘレンズ山の大噴火のおよそ1000倍
噴火によって:噴火山灰は上空約3万メートルにまで達し、噴出物は西部一帯を覆い、南はメキシコ湾にまで達した

リンク:特集 超巨大火山 イエローストーン (ナショナルジオグラフィック)


3.薩摩硫黄島

場所:日本・鹿児島県
最後の大噴火:約7300年前
噴火の規模 :雲仙普賢岳の1回の火砕流噴の数十万倍
噴火によって:到達範囲は、半径100キロにも及び、鹿児島県では、屋久島、種子島、大隅半島では鹿屋市、薩摩半島では鹿児島市くらいまでを瞬時に埋め立て、焼きつくした。

リンク:薩摩硫黄島。巨大噴火に埋もれていた幻の縄文文化


4.インドネシア・トバ火山

場所:インドネシア・スマトラ島
最後の大噴火:約7万4000年前
噴火の規模 :セントヘレンズ山の大噴火のおよそ3000倍
噴火によって:地球の気温が5℃低下したと言われる。当時の人類の大半が死滅したという説もある(トバ・カタストロフ理論)。

リンク:スマトラ:スーパー噴火の現実味


5.ニュージーランド北島のカルデラ群(タウポ)

場所:ニュージーランド・北島
最後の大噴火:西暦150年頃
噴火の規模 :不明
噴火によって:不明

リンク:「スーパーボルケーノ 超巨大噴火の脅威」より抜粋(日経サイエンス)


6.シャツキー海台

場所:日本の太平洋側
最後の大噴火:不明
噴火の規模 :不明
噴火によって:不明

リンク:茨城大学地質情報活用プロジェクトのブログ


7.オントンジャワ海台

場所:ソロモン諸島
最後の大噴火:1億2000万年前という予測
噴火の規模 :不明
噴火によって:不明

リンク:プルームテクトニクス






以上です。


ところで関係ないですけれど、前回、

「銀河からの宇宙線が直接地球の天候を変化させている」 : デンマーク工科大学での実験で確定しつつある宇宙線と雲の関係
 2013年09月05日

という記事で、雲のことについて書いたりしていたのですけけれど、最近、「雲と火山の絡み」でとても気に入った写真を見ました。

下の写真です。

mayon-1.jpg


フィリピンのマヨン山という火山らしいんですけれど、なんかこう、雲が火山とたわむれているみたいな感じで、いろいろな雲が山頂に覆い被さったり周囲をまわったりしているように見える、とてもいい感じの写真だなあと見ていました。

もともとはオカルト系のサイトにあったもので、左上のほうに UFO が飛んでいるらしいんですが、それはどうでもいいです。この写真の非常に大きなサイズのものはこちらにあります。


いずれにしても、今回の「タム」という火山みたいなものが再び活動し始めた場合は、それは「地球は根本的に環境が変わる時」だとは思います。未来的なことはともかく、過去にはあったということは事実のようです。

こんなのが「破局噴火」を起こしたら、日本列島あたりすべて消えちゃうのじゃないでしょうかね。



  

2013年09月05日



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sun-cosmicray-earth.png

▲ 太陽活動の地球への宇宙線の量への影響について描いた図。Unexpected Cosmic Ray Magic Found In Cloud Formation より。






 


現在の異常な気象と密接に関係する「雲」が宇宙からのコントロールで作られている可能性がさらに高まる


今回の記事は、2年前の以下の記事の続きとなるものです。

宇宙線が雲を生成に関係していることを証明しようとするデンマークでの実験
 2011年05月14日

その記事の翻訳部分から抜粋しますと、下のような記事でした。


宇宙線が雲を生成している証拠が発見される

宇宙線が水の雫を形成するために大気中でどのように刺激を与えていたかということについて、デンマークの物理学者たちが霧箱へ粒子線を発射する実験によりひとつの示唆を示した。

この実験により、太陽が宇宙線の流れに干渉することによって、地球の表面に届く宇宙線の強弱を太陽が変えており、それによって地球の天候が変化していることが証明されたと研究者たちは述べている。

今回、デンマーク国立宇宙研究所の研究員ヘンリク・スヴェンスマルク氏は、太陽活動と宇宙線の流れには関係があるとする仮説を発表した。



というものでした。

そして今回、実験がさらに進んで、「宇宙線が雲の生成を助けている」という実験結果について、上と同じヘンリク・スヴェンスマルクという科学者がほぼ確実という形で語ったものです。

この「宇宙線が雲の形成に関係している」という説に関しては、 欧州原子核研究機構( CERN )の CLOUD 実験というものでもおこなっていて、そのことも「宇宙線が雲を作るメカニズム」の一部を欧州原子核研究機構 CERN が解明という記事で取り上げたことがあります。


cloud-kirkby.jpg

▲ 欧州原子核研究機構の CLOUD は、非常に大がかりな実験。これは装置の内部。 Live Science より。



この「宇宙線が雲を形成している」という理論がなぜ魅力的なのかということに関しては、地球の天候が、宇宙からの直接的なコントロール下にあるということのひとつの証となる可能性があるからです。

edogawa.jpg

▲ ゲリラ豪雨。2012年9月1日の東京を襲うゲリラ豪雨より。このようなものを含む、あらゆる雲の生成に宇宙線が関与している可能性が以前よりさらに高くなっています。





地球の天候が変化しているということは「宇宙からの作用も変化した」といえるのではないかと


最近は、世界や日本の気候や天候に関しての記事が多いですが、特に多く取り上げているのは「豪雨」や「洪水」、あるいは逆の「干ばつ」などですが、どれもが雨と関係していることで、そして、雨を作り出すのは雲です。


その雲がどうして作られるのか。


これが気象に関しての現在までの最大の謎でした。

その中のひとつの仮説である「宇宙線が雲を作っている」という理論は、スベンスマルク効果と呼ばれていて、今回の記事にも出てくるヘンリク・スベンスマルク博士の名前に由来するものです。

そして、宇宙空間から飛来する宇宙線が地球の雲の形成を誘起しているという説に対しての懐疑的意見も非常に多いです。

「宇宙線が地球に何か作用している」という説を嫌う人は案外多くいるようにも感じます。宇宙線に地球に作用をおよぼすようなエネルギーはないということなのかもしれません。


しかし、私はほぼ真逆の考えを持っていて、地球、あるいは人間の心身の状態に至るまで、私たちの生活のかなり多くの部分が宇宙線の作用を受けていると考えています。「何もかも通り抜けていく高エネルギー粒子」というのは宇宙線くらいしか存在しないわけで、私の主張というよりは「想い」のひとつでありますけれど、宇宙線はまさに偉大であり、過去記事の、

2012年8月は人類による宇宙線の発見から100年目
 2012年08月04日

で抜粋しました、東京大学にある宇宙線研究所サイトの「宇宙線について」というページにかつてあった下の記述そのものに思うのです。


宇宙線を調べると何が分かるのか

宇宙線を調べるのは、そこに物質に働く力の根源や宇宙の成り立ちについての情報がたくさん隠されているからです。前文部大臣の有馬朗人先生は、当研究所の神岡グループに次の言葉を贈ってくださいました。

「宇宙線は天啓である」

この言葉が宇宙線の本質を示しています。宇宙線とはまさに天からの啓示であり、そこには物質の根源のミクロの問題から宇宙のマクロの問題までの情報が詰まっているのです。



専門の研究者をして「宇宙線とはまさに天からの啓示であり」と言わせしめるほど科学者たちを惹きつける存在ではあるのだと思います。

ちなみに、上の記述は現在の東大宇宙線研究所のページには見当たりません。


ところで、今回の記事には、宇宙線の発生源について、「恒星の爆発で誕生してやってきた宇宙線」というような記述がありますが、実際には宇宙線がどこからやってきているのか、その全貌はほとんどわかっていないはずです。

宇宙からやって来るものは放射線などを含めて発生源がわかっていないものが多いです。

たとえば、宇宙の現象で知られている中で最も光度の明るい「ガンマ線バースト」という現象がありますが、それなども、観測と調査が進めば進むほど、発生源として不明な部分が増えてきたというようなこともありました。

下の図は、過去記事「ガンマ線バーストの発生源の3分の1は完全に不明」に載せた NASA が 2011年に発表したグラフです。

fermi-g3.jpg


宇宙線にしても、どこから発生しているのか・・・というより、あるいは「どこからでも発生しているかもしれない」という考え方もあります。何しろ太陽からも、あるいは地球の内部からも宇宙線(ニュートリノなど)が放出されているわけですから。

というわけで、今回の翻訳記事をご紹介します。





"Milky Way's Cosmic Rays Have Direct Impact on Earth's Weather & Climate"
Daily Galaxy 2013.09.04


「天の川の宇宙線は、地球の天気と気候に直接影響を与える」


sky-2.jpg


デンマーク工科大学のヘンリク・スヴェンスマルク( Henrik Svensmark )教授は、長年の実験から魅力的な新しい説を発表した。

それは、私たちの天の川銀河からやって来る宇宙線が、直接、地球の天気や気候に関与していることを示すという理論だ。

スヴェンスマルク教授はこのように言う。


「電離放射線が、雲の生成に関係する小さな分子クラスター(複数の分子が集合した状態のこと)を形成するための補助となっていることが私たちの実験によって示されました」。

「この説に対して批判的な意見としては、分子クラスターは雲の生成に影響を与えるために十分な大きさにまで成長しないという主張がありました。しかし、私たちが現在おこなっている研究である SKY2 実験では、そのひとつの部分を形成したわけで、彼らの主張とは矛盾するのです」。

「私たちは地球の大気上で起こる予期しなかった化学的事象の詳細についての結論を出したいと思います。それは、恒星の爆発から生じて地球まで遠い旅をしてきた宇宙線の最期についてです」。


cosmicray-cloud-007.png

▲ 提供:デンマーク工科大学。


この理論によれば、大気中の分子の小さなクラスターは、低高度の雲を作るために集まる雲凝結核(くもぎょうけつかく)として機能するために十分な大きさに成長するという。

この SKY2 実験によれば、クラスターの成長は非常に活発で、大気中の宇宙線におけるガンマ線である電離線を提供する。そして、これが宇宙線による化学の魔法として機能するというわけだ。

デンマークの物理学者たちは、さかのぼること 1996年に、宇宙からの高エネルギー粒子である宇宙線が雲の生成に重要な関与をしていることを示唆していた。

それ以来、コペンハーゲンをはじめとして様々な場所でおこなわれた実験は、宇宙線が実際に小さなクラスターを生成することが実証された。しかし「宇宙線が雲を生成している」というこの仮説は化学理論の数値シミュレーションからは成立しないものだと指摘され続けていた。

しかし、幸運にもこの「宇宙線が雲を生成している」という化学理論は SKY2 実験のような実験において何度も試されることになった。しかし、一連の実験では、新しいクラスターが雲の生成のために有力であるほど十分に成長させることについては失敗するというシミュレーションでの予測通りの結果となってしまった。

ところが、電離線を用いた他の一連の実験では非常に異なる結果が得られ、クラスターが雲の生成に重要な関与を示していることが確認された。

私たちの頭上の空気中で起こっている反応はごく普通の分子を含む。そして、たとえば、太陽からの紫外線は、硫酸を作るオゾンと水蒸気と反応して二酸化硫黄をつくる。

雲の形成に関係するクラスターは、主に硫酸および水の分子で構成され、それらは他の分子を用いて成長する。

大気化学者は、クラスターがその日の結合量の上限に達したときには成長を停止することを想定しており、その一部は天候に関連するほど十分な大きさに成長する可能性がある。

現在のところ、SKY2 実験では、イオン化した内部の空気を保つ自然の宇宙線やガンマ線ではそのような成長の停止は発生してしない。この結果は、クラスターが成長を維持するためには、成長維持のために必要な分子を供給する別の化学プロセスが存在していることを示唆している。




  

2013年09月01日



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アメリカのカリフォルニア州で8月の中旬に発生した火災は、現在も消火されてはいないようで、 CNN によれば、アメリカ森林局の局長の言葉として、「あと数週間は続くだろう」ということが述べられていて、大変な大災害となっているようです。

この火事の報道で「黙示録的 ( apocalyptic )」という単語が使われている記事を見ました。

yosemite-0828.jpg

HP より。






 

最近、この「黙示録的」という言葉はメディアでも多様されている感じはありますけれど、まあしかし、確かに上の写真の煙が火災によるものだと考えると、それを間近にした人々がそのような言葉を使いたくなる気持ちもわからないではないです。


今回ご紹介したいと思いますのは、最近の記事ではないのですが、英国 BBC で興味深い記事を見かけまして、それをご紹介したいと思います。

その記事は「1780年にアメリカの暗黒の日の原因は何だったのか」というタイトルの記事で、この「暗黒の日」というのは、比喩ではなく「1780年 5月 19日の朝から昼にかけて、アメリカの北東部が夜のような暗さに包まれた」という出来事について記されたものです。




過去の「暗黒の日」と、そして未来の暗黒の日


sydney-red-day.jpg

▲ こちらはオーストラリアで 2009年 9月に起きた「赤い朝」。オーストラリアに出現した「地球最期の日」より。




少し前に、

21世紀も「太陽が暗くなる時」を経験するのか? : 全世界が地獄の様相を呈した6世紀と酷似してきている現在に思う
 2013年07月15日

という記事を書いたことがありますが、その記事に、過去何度かふれている英国人ジャーナリストのディヴィッド・キースという人の書いた『西暦 535年の大噴火』で描かれている「西暦535年から536年の地球の様子」について書きました。

基本的には6世紀というのはその中期の全体を通して、また世界全体を通して、著作から抜粋すれば、

「資料、年輪、考古学資料のすべてが6世紀中期は、異常な悪天候に見舞われた時期だったことを指し示している。日光は薄暗くなり、地球に届く太陽熱は減少し、干ばつ、洪水、砂嵐が起こり、季節外れの雪と特大のひょうが降った」


というような時代だったわけですけれど、当時の個人の記録には、その頃の状況がリアルタイムで生々しく描写されています。過去に何度かご紹介した記述が多いですが、再度掲載します。


東ローマ帝国の歴史家プロコピオスの西暦 536年の記述

昼の太陽は暗くなり、そして夜の月も暗くなった。太陽はいつもの光を失い、青っぽくなっている。われわれは、正午になっても自分の影ができないので驚愕している。太陽の熱は次第に弱まり、ふだんなら一時的な日食の時にしか起こらないような現象が、ほぼ丸一年続いてしまった。

月も同様で、たとえ満月でもいつもの輝きはない。





歴史家・教会指導者エフェソスのヨーアンネースの536年の記述

太陽から合図があったが、あのような合図は、いままでに見たこともないし、報告されたこともない。太陽が暗くなり、その暗さが1年半も続いたのだ。

太陽は毎日4時間くらいし照らなかった。照ったといっても、実にかすかだった。人々は太陽が以前のように輝くことは2度とないのではと恐れた。



6世紀の中盤に、長い期間にわたってこのような「暗黒の時代」となってしまった理由については、その原因の実際のところは今でも正確にはわからないのですけれど、可能性としては、巨大な火山噴火、小惑星、あるいは彗星の地球への衝突というものが考えられています。

今回ご紹介するアメリカの 1780年の「暗黒の日」は1日だけの現象で、6世紀の「暗黒の時代」とは比較できないですけれど、「暗い日中の世界になる」という現象については、ずっと興味があるというのか、気になり続けていることですので、そういう流れのひとつとしてご紹介したいと思います。

この BBC の記事では山林火災のだった可能性が高いという流れですが、しかし、最初に現在のカリフォルニア州の火災のことについてふれていますが、大規模な山林火災というのは「何週間も続く」というようなことを考えてみても、どうも何か違うような気がしますけれども、ともかくここから記事をご紹介いたします。





What caused the mystery of the Dark Day?
BBC (英国) 2012.05.18

謎の「暗黒の日」の原因は何だったのか


d-day-01.jpg


今から3世紀前、北米の一部地域で奇妙な出来事が起きた。それは「朝に暗くなった」という出来事だった。その暗黒の日の原因は一体何だったのだろうか。今でも謎は残ったままだ。

西暦 1780年 5月 19日。その日の朝、空は黄色に変わり、そして周囲は夜のような闇に包まれた。そのため、人々はロウソクに火を灯し、一部の人々はこれがこの世の終わりかと考え、一心に祈り始めた。

昼の時間になっても夜のような暗さは同じままだった。

この日がニューイングランドとカナダ東部の一部で起きた「暗黒の日( The Dark Day )」として知られている日だ。過去 232年の間、歴史家や科学者たちは、この奇妙な出来事の原因についてさまざまに主張し続けてきた。

現在ではこの現象に対して多くの説がある。
火山の噴火、山林火災、あるいは、隕石や小惑星の衝突。

原因はこれらのどれかだったのだろうか?

1780年には、少なくとも民衆の人たちの科学的な知識は少ないものであったかもしれない。そのため、人々はこの現象を大変に恐れただろうと思われる。当時のコネチカット州の一部の議員は、それは「審判の日」だと信じた。

彼らがそう思った決定的な理由は、このことが起きる前の何日かの間、太陽と月が赤く輝いていたという事実によって強化されたと思われる。

歴史家のマイク・ダッシュ氏によれば、当時のアメリカの北東部の辺境は、「罪悪感と罪への贖罪」に深く関心を持つ人たちによるプロテスタント社会だったいう。この時の突然の超常的な現象である「真昼の暗闇」に直面した人々は真っ先に聖書の先例を探しただろうとダッシュ氏は述べる。

「その際に、この現象がキリストの再臨の前触れであることを人々が確信したことを示す詩が残っています。自然で起きるすべてのできごとが " 神の意志の現れ"であり、"人間社会への警告"だと人々は考えたのです」。

それにしても、実際には一体何が起きたのだろうか。



結局、1780年の暗黒の日を説明できる原因は何なのか

気象局は、非常に厚い雲が空全体を覆う際には、今でも昼間でも車はライトをつけなければならないほど暗くなることがあると指摘する。しかし、これだけで 1780年の暗黒の日を説明するにはやや無理がある。

日食が起きたという可能性に関しては、記録から完全に除外できる。しかも、日食で「完全に真っ暗」になるのはほんの数分の間であり、 1780年のように昼間中その状態が続くということはない。

火山の噴火はどうだろう。たとえぱ、2010年にアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山が噴火した時にはヨーロッパ全域で航空便に影響が出るほどの火山灰が空を覆った。専門家によると、火山灰は「黄色い太陽」となる原因となる。

たとえば、米国ワシントン州のセントヘレンズ火山での噴火は、この数十年間の日光のレベルを下げていると、マンチェスター大学の大気科学の専門家トーマス・チョウラートン教授は述べる。

しかし、 1780年にはそのような巨大な噴煙を上げたような火山活動の記録は存在しない。

そして、隕石、小惑星についてもその可能性を完全に除外できるという。

現在、多くの科学者たちはこのミステリーの答えは「木」の中に見いだせると確信している。ミズーリ大学森林学科は、ニューイングランドの内陸にある木の幹から焼けた痕跡が残っている特徴を持つ年輪を発見した。

また、1780年に干ばつが起きていたことが知られており、山林火災が発生した可能性は非常に高いと考えられている。

森林火災だけで、そのような「暗黒の日」ほどの光の変化を引き起こす可能性があるのだろうか。

プリマス大学のウィル・ブレイク博士は、「大規模火災は、暗くなりやすいのです。米国の東海岸は日常的に霧が発生します。火災の煙とそのの霧が複合的に組み合わさることで、夜のような暗闇を作り出した可能性があるかもしれません」と語った。

物理学者であり、原因不明の現象を調査し続けるウィリアム・コーリス氏は、西暦 1091年から 1971年までに、全世界で 46回の暗黒の日に関しての記述を発見した。

今日では、人々は自らの科学的知識や、あるいは衛星写真などのメディアによって現象の正体を知ることもできるが、暗黒の日は、近年まで驚くほど人々を不安し続けていた。

1780年の北米の暗黒の日とよく似た現象が 1950年に発生している。これは、アルバータの森林火災によって引き起こされたと、カナダ環境省の気候学者は言う。1950年の時、人々は「目覚めた朝に周囲が真っ暗だった」ことに気付いて、日食が起きたか、そうでなければ、人々は核攻撃が起きたのだと考えたという。

1780年の「暗黒の日」の原因が何であれ、当時のヨーロッパからの入植者たちが暮らしていた地理的な条件が人々に必要以上の恐怖心を与えたということはあるだろうという見解もある。

ヨーロッパからアメリカに入植した人々は海岸から 300キロも離れた内陸に住んでおり、そして、彼らにとって当時のアメリカは、まさに「未知の大陸」だったのだ。





ここまでです。

上の記事にある当時の真摯なプロテスタントの人々の存在を知り、ふと、旧約聖書で予言的な正確が強い書として知られているという「ヨエル書」の第3章を思い出しました。

聖書に記載されているユダヤ教の祭の直前にイスラエルへ向かった3000万のイナゴの大群
 2013年03月05日

という記事を書いている時に初めて知ったものです。
掲載しておきます。

ヨエル書 3章 1-5節

その後
わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。
あなたたちの息子や娘は預言し
老人は夢を見、若者は幻を見る。

その日、わたしは
奴隷となっている男女にもわが霊を注ぐ。

天と地に、しるしを示す。それは、血と火と煙の柱である。

主の日、大いなる恐るべき日が来る前に
太陽は闇に、月は血に変わる。




このヨエル書を思い出して書いたのには実は個人的な理由もああるのでした。一昨日でしたか、この詩(詩でいいのか?)を彷彿とさせる「夢」を見たのです。

なんだか描写が具体的ですごい内容の夢でしたが、とりあえず私の場合は予言的な意味ではなく、現在の自分の精神状態や健康状態に起因していると考えるようにしております

なので、きっと世の中は・・・今後も安泰ですよ(やや棒読み)。