2013年11月26日



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私たち人類に「未知の人類種」の遺伝子が含まれている可能性



現生人類とネアンデルタール人とデニソワ人、そして「科学上知られていない謎の人類種」の4人類種間での性交配があった可能性が最新の DNA 解析で判明

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THP より。

今回は、最近興味を持った上の記事をご紹介したいと思います。

最近の研究で、私たちの祖先(かもしれない)古代人類と、ネアンデルタール人やデニソワ人といった複数の古代人類種たちが、いまだ知られていない謎の「未知の人類と交配していた」ことが、 DNA 解析によって明らかになったことが報道されていました。

つまり、私たちは何らかのハイブリッド種(交雑種)である可能性があるということにもなり、「正体のわからない遺伝子を引き継いでいる」という可能性もあるのかもしれません、

ところで、今回は最初に、本題とは本当にまったく関係ない余談を書かせていただきます。個人的な「いわゆる青春的」な思い出と関係する話です。






 



自然の最も奥深い謎のひとつは死んでいるものと生きているものの対立である

最近、「自分のこれまでの人生って自分にとって、どうだったんだろうなあ」というようなことを思うことがあります。良いとか悪いとかの価値判断をしたいのではなく、善悪の判断でも肯定でも否定でもない単なる「どうだったのかなあ」と。

そういうことを思っている時に、ふいに「山崎春美」が今年の夏に、新しい著作を出していたことを知りました。

まあ、山崎春美と書いても誰のことだかおわかりにならない方が多いでしょうけれど、私が 1980年代冒頭の頃の 16〜17歳の頃に決定的に人生の方向性を影響づけられた人物でした。春美という名前ですが、男性です。

彼の経歴などは 山崎春美 - Wikipedia に詳しく書かれてありますし、それを紹介するのがこの記事の目的ではないですので、多くは書きませんが、私の生き方はこの山崎春美の表現物(特に文章)に方向を形作られた部分がかなりあります。

その文章を知ったキッカケは異常なほど偶然で、高校1年くらいの頃に、当時存在した「自販機雑誌」というものの中で発見した JAM という雑誌を読んで面白くて仕方なかったことが、私がカウンターカルチャーに興味を持った最初でした。

山崎春美はその雑誌の編集者でした。

また、彼は前衛バンドの「ガセネタ」というバンドも結成していましたが、その音楽とパフォーマンスにも私は異常に感銘を受けたものです。その内容は気軽には書けないほど過激なものでした。

彼の活動は、まだガリ版印刷みたいな紙質だった時代の雑誌だった宝島などでもよく取り上げられていて、北海道の田舎の高校生だった私はその頃から、「東京に行こう」と思いが強くなっていました。

その山崎春美が 1976年から 2013年まで書いた文章の著作集としての書籍がこの夏に出版されていたことを知ったのは、なんと朝日新聞デジタルという超メジャー舞台の書評欄でした。

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▲ 朝日新聞デジタルの (書評)『天國のをりものが 山崎春美著作集1976―2013』 山崎春美〈著〉より。


この本の表紙に使われている写真は、私が東京に来てすぐに買った HEAVEN という雑誌の表紙そのもので、その意味でも個人的に懐かしい感じがするものです。 HEAVEN は、山崎春美や、今は精神科医の香山リカさん(香山さんの名付け親は山崎春美)などが歴代の編集長を務めた雑誌でした。

その『天國のをりものが 山崎春美著作集1976―2013』というタイトルの本を探すと、 Amazon にもあり、2500円とやや高い本なのですが、 購入しました。

パラパラとめくると、高校時代に雑誌などで読んだ文章がいくつか出てきて、漠然とですけれど、「存在自体の変革の夢」を夢想していた十代の頃を思い出して、不覚にも涙ぐんでしまった次第だったりしたのでした。

この本は基本的には過去の彼の書いたものをまとめたものですが、前書きだけ書き下ろしていて、その最初はこのような出だしでした。




罪を償う前に

「現代では生者と死者が対立している」というヘルマン・ワイルのことばを、松岡(正剛)さんから聞いた。もはや三十数年も前の昔話だ。その単なる数学者にとどまらない偉人の、あきらかにボクの聞き囓りでしかない一言は、実際には、「自然の最も奥深い謎のひとつは死んでいるものと生きているものの対立である」だという。

コトバは飛来し付着する。または旋回しウィルスみたいに伝染する。伝播し憑依し唾も飛ばすし口角も泡立つ。不本意に引用されては変形を余儀なくされ、すり減っては陳腐化する。やたら無駄遣いされたあげく、打っちゃられちゃったりもしよう。その、もともとの物理学や生物学とは無関係に、そして決して神秘学やオカルトにも日和らず与せず、上記のワイル先生の至言は、ボクの「原点」となった。





ここに出てくるヘルマン・ワイルという人を私は知らなかったので、 Wikipedia で調べてみますと、下のような大変に高名な数学者のようです。

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山崎春美は、この前書きの後半で、このヘルマン・ワイルという数学者が言ったという「死んでいるものと生きている者との対立」について、「生者と死者の対立の場は自分自身の中にある」ことに言及します。

「自分は幽霊だ」として、このように書きます。




その幽霊はボク自身だ。

ドッペルゲンガーでも「悪魔っ子」でもない。ボクの分身などではなく、いってみればボクの方法とか手段である。その一例が狂った磁石であり、いまだかつてないほどすり鉢状の底が深い蟻地獄で、その傾斜角度たるや直角だ。





ちなみに、ここで、山崎春美は自分のことを「ボク」という違和感のある一人称で書いていますが、あえてそうした理由も述べていますが、それはまあどうでもいいです。





ペアではないかもしれない自分

かつて、クレアなひとときで、

ペアである自分
 2011年01月28日

というタイトルの記事とそのシリーズを書いたことがあります。

これは「人間と宇宙との一体性」について書きたかったのですが、そのようには書けていないですけれど、このことは In Deep でも、

「宇宙は人間そのもの」という結論を夢想するとき
 2012年03月19日

という記事など、いくつかの記事で書くこともありますが、いつでも内容は断片的であって、しかも、統一性にも欠ける部分があります。

それでも、今回の山崎春美の著作の前書きを読んで(まだ前書きしか読んでいないのですが)、

「ペアの自分を考える必要はない」

という感じ方も芽生えつつあります。

それは、自分も他の物質も宇宙も含めて「すべてがひとつ」という考え方というような考えが芽生えたというような感覚と近いですが、上手な表現はできないです。


いずれにしても、山崎春美の文章や音楽を知ってから約 30年。

世の中はその頃と比べてみると、比較にならないほど悪くなりました。とても便利な世の中になりましたけれど、それでも「格段に悪くなった」という言い方以外のコトバを知りません。

しかし一方で、そのように、「悪くなった」と考えることができるというのは、比較として、

「良い記憶を持って生きている」

ということであることにも気づきます。

というわけで、 150歳にもなると(100多いぞ)いろいろと振り返ることも多くなるようで、あまり先を見なくなります。


意味のない前書きを失礼しました。

ここから本題ですが、ここまで長くなりましたので、科学誌ネイチャーで発表された内容についての報道記事の翻訳にすぐ入ろとうと思います。


なお、記事に出てくるネアンデルタール人とデニソワ人という、ふたつの古代人類の間に異種交配があったことは、2010年に初めてわかったことらしいですが、その時のナショナルジオグラフィックの記事を少し抜粋しておきます。



アジアでもデニソワ人と交雑の可能性
ナショナルジオグラフィック ニュース 2011.11.02

2010年、ヨーロッパの初期現生人類とネアンデルタール人の異種交配を示す研究が発表され、各界に衝撃が走った。さらに今回、東南アジア付近の現生人類もネアンデルタール人の姉妹グループである「デニソワ人」と交雑していた可能性が明らかになった。中国南部一帯に住む現代人の遺伝子構造の約1%はデニソワ人に由来するという。

デニソワ人は既に絶滅した化石人類の一種であり、大きな歯を持っていたとされるが、詳細の解明は進んでいない。まったく未知の人類と考えられていた時期もある。




これだけでも科学界は当時、異様な衝撃に包まれたようなのですが、さらに、ここに「現世人類」と「もうひとつの謎の人類種」も交配していたというショッキングな古代の話であります。

そして、その謎の人類種は「アジアからやってきた」ようです。

では、ここから記事です。




Ancient Humans Had Sex With Mystery Species, New DNA Study Shows
THP 2013.11.19


古代の人間は謎の種と性交をしていたことが、新しい DNA の研究によって示される


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▲ 骨から復元されたデニソワ人。


11月18日、異なるふたつの古代のゲノム(遺伝子全体)が、ロンドンの王立協会の会合で発表された。ひとつはネアンデルタール人、もうひとつは古代デニソワ人のものだ。

それらのゲノムが示したことは、30,000年以上前、アジアからヨーロッパに住んでいた古代の複数の人類間で異種交配が行われていたということだ。

そして、そこにはいまだ知られていないアジアからの謎の古代人類の種が含まれていることをも示した。

ロンドン大学の進化遺伝学者、マーク・トーマス( Mark Thomas )博士は、今回の研究について以下のように語る。

「これが示しているところは、私たちは古代の『ロード・オブ・ザ・リング』(「指輪物語」)の世界を見ているということです。つまり、古代の地球には非常に多様な人類種の社会グループがあったということです」。


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▲ 発掘中の研究チーム。


2010年に、ネアンデルタール人とデニソワ人が異種交配していたことが判明したことは、人類史の研究での革命的な発見だったが、それだけではなく、そこに生態学的な意味での現世人類も交配に加わっていたということで、現代の人類種の遺伝的多様性はそのためであることがわかってきていた。

そして、今回の解析チームのひとりであるハーバード大学医学部の進化遺伝学者デビッド・ライヒ( David Reich )博士は、驚くべき発表をした。

デニソワ人は「謎の人類種」と交配していたのだ。

この謎の人類種は 30,000年以上前にアジアに住んでいたすでに絶滅した古代人類種だが、現世人類でも、ネアンデルタール人でもない、まったく未知の種だ。

会合の場は、この新たな人類である可能性を持つ種についての予測で騒然とした。

ロンドン自然史博物館の古人類学者であるクリス・ストリンガー( Chris Stringer )氏は、「我々には皆目見当がつかないのです」と述べた。







  

2013年11月25日



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Daily Mail より。






 


今回は最近のデイリーメールで見かけた上の記事をご紹介しようと思うのですが、翻訳しているうちに気づいたことなのですが、この同じ内容のことをかつて記事にしていたことに気づいたのです。上のデイリーメールの記事は最近のものなのですが、 NASA が観測したのは4月27日のことです。

それは今年5月の下の米国スミソニアン博物館のニュースをご紹介した時のものです。

宇宙観測史で最も明るい光を伴った史上最大級のガンマ線バーストが観測される
 2013年05月13日

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しかし、あれから半年以上経っていて、記憶も曖昧になっていますし、衝撃的な宇宙の出来事であることには変わりませんので、改めてご紹介することにしました。


ところで、3年位前にも、それまでの観測史上もっとも強力な謎のガンマ線バーストにより NASA の探査機が観測不能になったことがありました。過去記事は、

観測史上もっとも強力な謎のガンマ線バーストにより NASA の探査機が観測不能に
 2010年07月17日

にあります。


デイリーメールの記事をご紹介する前に、余談となりですが、ガンマ線バーストは光の話ですので、なかなかご紹介する機会がなかった最近の「光に関係した話題」などを書いたおきたいと思います。






いろいろな場所で報道される様々な光


米国オレゴン州の空から落ちてきたもの

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FOX12 Oregon より。


上の記事は、数日前に FOX ニュースのオレゴン州ローカルのニュースとして報道されたニュースです。

この火球のようなものは、地元のいろいろな人たちによって撮影されていて、それが載せられていたのですが、ニュースのタイトルそのものが「今朝の空のあの物体はいったい何?」というもので、ミステリー系の報道として扱われていたようです。

下は別の場所から撮影されたものです。

oregon-light-01.jpg


飛行機雲が夕陽に照らされた場合に、同じような感じで見えることがありますが、その場合でも、飛行機雲の「尾」の部分は上のようにひらひらとはあまりしないもののようですので、確かに何だかよくわからない光の現象ではあるのかもしれません。

次の「ギリシャの光」は、個人的にとても興味深いものです。



「ギリシャの光」と「空飛ぶ棒」の関係

ギリシャの気象サービスで、気象の状況などをリアルタイムの映像でカメラで提供してくれている、日本語でいえば、「ウェザーステーション」という意味のサイトがあります。

Meteoacharnes

下がそのトップページですが、黒い画面がそれぞれリアルタイム映像カメラです。

gr-weather.jpg



そこに 11月 23日に、「何かものすごい速さで光のようなものが通過していく様子」が写ったことがギリシャで話題となっています。

gr-light-01.jpg




上のような風景のところに、下のような「光」が一瞬通り過ぎていったのです。



gr-light-02.jpg



いろいろな可能性を考えましたけれど、こういう光の形はちょっと何であるかの想像も難しいです。

ただ・・・実はちょっと思い当たるフシがありまして、まあ・・・変な話になるんですけど、ギリシャというわけではなく、世界各地で「ものすごい高速で飛ぶ生き物か何か」のことがずっと話題にはなっていて、何かわからないんですけれど、「肉眼で見えないほどの速さで移動するものがいる」という話で、それと形が似ているなあと感じたんです。

その「高速で飛ぶもの」は海外の一般紙などでも取り上げられています。

下の写真は、昨年 12月にマレーシアの Daily Express というメディアに載せられたもので、マレーシアのサバ州で撮影された、その飛ぶ「何か」の写真です。

mathew.jpg

Daily Express より。


下は YouTube にある動画です。
途中から表示される時間のコンマ1秒の動きと比較して、この物体の動きの速さがおわかりかと思います。




ほとんどオカルトの領域に感じる話にも聞こえるかもしれないですが、実際に世界各地で撮影されていて、地域によって、「空の魚」とか「太陽の実体」とか「空飛ぶ棒」など、いろいろな呼び方をされているようです。

かつては、トリック撮影とか光の見間違いとされていたこの物体も、撮影技術の向上で姿が捉えられるようになってからは、科学者の中でもこの存在に対しての懐疑的意見は少数派となっているということだそうです。

このことについては、下の記事に書いたことがあります。

世界中で撮影される「驚異的なスピードで移動する小さな物」は知られていない生物かもしれないという説
 地球の記録 2012年12月23日


あと、国際宇宙ステーションの話を。



・国際宇宙ステーションの周囲でたわむれる光

ESA (欧州宇宙機関)に Space In Images という写真のギャラリーサイトがあり、国際宇宙ステーションの写真なども数多くありますが、下の写真は撮影されたのは 2007年のことですが、最近になって、脚光を浴びているものです。

ISS-001.jpg

▲ オリジナルの写真はこちらにあります。

国際宇宙ステーションの周囲にいろいろなものが写っているのですね。

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すべて何らかの「合理的な説明」はつくものなのでしょうけれど、国際宇宙ステーション関係の写真には不思議なものが写っている写真が非常に多いです。搭乗されている若田さんなども、こういう様々な光や現象を日常的に見てらっしゃるのだろうなあと思ったりいたします。


他にも「光」関係のいろいろなニュースなどを目にするのですけれど、あまり余談が長くなるのもあれですので、このあたりで本題に入ります。







史上最大のガンマ線バースト

この「ガンマ線バースト」というものは、Wikipedia の説明をお借りしますと、


ガンマ線バーストは、天文学の分野で知られている中で最も光度の明るい物理現象である。



ということになるのですけれど、しかし、その原因については諸説が存在しますけれど、


天体物理学界ではガンマ線バーストの詳細な発生機構についての合意は得られていない。



というものであります。

「宇宙で最も明るい光の現象」だけれど、発生原因はよくわからないということになるようです。


また、ガンマ線バーストが「地球の生命の絶滅に関与する」とする考え方もかなり根強く、たとえば、上の Wikipedia には「地球上での大量絶滅」というセクションがあります。

今回のデイリーメールの記事にも、スタンフォード大学の物理学者が 4億 5000万年の地球の大量絶滅とガンマ線の関係に言及していたり、「ガンマ線バーストが地球に近づいた場合、地球を破壊する可能性がある」というような感じの記述がありますが、しかし、私は個人的には、ガンマ線バーストでの地球の生命の絶滅というのは「ない」ことだと思っています。





774年にも地球は強力なガンマ線バーストを浴びていた

たとえば、西暦 774年(あるいは 775年)にも、地球に非常に強力なガンマ線バーストが降り注いでいたことが、名古屋大学の研究者たちの調査によって判明しています。 774年といば、日本では奈良時代ですが、その時代に「地球の人類が絶滅した」という記録はないですし、世界の記録などにも、壊滅的な大量死の記録もないように思います。

この774年のガンマ線バーストに関しては、 AFP の記事が今でもリンクが生きています。

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▲ 2013年01月21日の AFP の記事「8世紀の強烈な宇宙線、ブラックホールの衝突が原因か」より。



ガンマ線バーストは「極端に明るい光の現象」ということがわかっているだけで、これが地球の生命に大きな害を与えるというたぐいのものではないという感じが私はいたします。

もちろん、実際には何もわかりません。

何しろ、地球にはガンマ線バーストの真実を知る人はひとりもいないのです。

というわけで、観測史上最大のガンマ線バーストの記事をデイリーメールよりご紹介いたします。





The biggest cosmic explosion EVER seen: 'Monster' gamma ray burst blasts into space 3.7 billion light years away
Daily Mail (英国) 2013.11.22


観測史上最大の宇宙の爆発 : 「モンスター」ガンマ線バーストが 37億光年離れた宇宙から放たれた


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▲ ガンマ線バースト観測衛星 スウィフト ( Swift ) のイメージ図。


これまで目撃された中で最大であり、かつ最も明るい宇宙の爆発が 37億光年離れた宇宙で起きた光景が捉えられた。

この爆発は、これまでで最大の宇宙での爆発として知られていたものより5倍以上ものエネルギーを放出している。仮に、このガンマ線バーストが地球に近づいた場合は、我々の惑星が破壊されるような可能性があるため、天文学者たちは、このガンマ線バーストを「モンスター」と呼んでいる。

NASA の天体物理学部門の責任者であるポール・ヘルツ氏( Paul Hertz )は、「このような爆発は、1世紀に1度あるかないかの出来事です」と言う。 NASA の宇宙望遠鏡は過去 20年に渡って、宇宙の様々な規模の爆発を観測し続けてきた。宇宙での爆発は2日に1度は観測される。

4月 27日に観測され、サイエンス誌に発表されたこの爆発は、これまでの観測史上の記録となった。

ガンマ線バーストは、一般的には、宇宙で最も巨大な爆発であり、そして、その中でも今回の爆発は最大の規模のものだった。


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▲ 赤い部分が NASA の観測衛星スウィフトがとらえた今回のガンマ線バースト。 NASA より。


ポール・ヘルツ氏はこのガンマ線バーストを「モンスター」と呼んだ。さらに、「ビッグバンそのもの以外では存在する最大の現象かもしれません」と述べる。

NASA のガンマ線バースト観測の主任であり、米国スタンフォード大学の物理学者であるピーター・マイケルソン( Peter Michelson )氏は、以下のように述べた。

「バーストは宇宙の中の生と死と誕生のサイクルの一端を担っています。私も、そしてあなたがたも、すべて超新星爆発で生成されたものから作られているのです。また、4億5000万年前の地球上の大量絶滅は、銀河系近くでのガンマ線バーストによって引き起こされたという主張もあるのです」。






  

2013年11月10日



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▲ 今年10月23日から10月31日にかけて連続して発見された3つの巨大な地球近傍小惑星(地球に接近する軌道を持つ小惑星)。共に地球の軌道上にはかなり近づきますが、地球そのものに近づく可能性はないとのこと。NASAジェット推進研究所/地球近傍天体プログラムより。ちなみに、小さなドット(点)はすべて小惑星。ー






 

終わらない米国のイルカの大量死

なんだかいろいろなニュースがあります。

夏に書きました、

心地よい「死の園」からの帰還後に気付いたイルカの大量死と人間の大量死をつなぐ曖昧なライン
 2013年08月10日

という記事以来、アメリカの、特に東海岸でのイルカの異常な大量死について、たまに書くことがありますが、ここ数日、海外メディアでまたよく取り上げられています。

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アルジャジーラ米国版より。


これらの記事では、今年の 7月から 11月までのアメリカ東海岸でのイルカの打ち上げ数が 750頭に達したことが NOAA (アメリカ海洋大気庁)によって発表されたことが書かれていますが、 2013年を通して見ると、下のようにその数は 900頭を越えています。

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NOAA より。


ここ数年の平均の4倍から5倍程度の数値となっているのがわかります。

イルカの座礁(死亡)が特に増えたのは7月からですが、現在も増え続けているようです。

ここでいうアメリカの東海岸というのは、具体的には、ニューヨーク州、ニュージャージー州、デラウェア州、メリーランド州、ヴァージニア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州の7州ですが、特にヴァージニア州の沿岸や海岸でのイルカの死亡数が突出して多いです。

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ところで、上のアルジャジーラの記事の見出しに「はしか」とありますが、これは確定した理由、あるいは全体に共通した理由ではありません。可能性のひとつとしてのものです。何らかの病気だろうとは考えられているようですが、確定した発表が NOAA からあったというわけではないはずです。


それにしても、先日、


米国の海に広がる衝撃的な光景 : まるで絶滅に向かおうとしているような「ヒトデたちの自殺」
 2013年11月07日


という記事で、アメリカでヒトデがものすごいペースで「消滅」していっていることを記しましたけれど、イルカにしてもヒトデにしても、実質的な人間の生活への影響はともかくとして、最近は、「人間にとって、海のイメージとして印象深い生物が大量死している」という感じは受けます。

米国のペリカンの大量死なんかもそういう感じがします。

(参考記事「キリストの象徴でもあるペリカンの大量死がペルーに続き米国でも発生している」)


そういや、海で印象深い生き物といえば、クラゲなんかもそうだと思いますけれど、タイ東部のトラート県というカンボジアと近い海岸で、様々な色のクラゲが大量に発生して、観光客たちがそれを見るために数多く訪れていることがタイ紙で報じられていました。

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▲ タイの海岸に出現した色とりどりの大量のクラゲと、その海に入る観光客たち。タイの Post Today 他より。






これまで見つからなかった理由が判然としない超巨大な地球の軌道に近づく小惑星

さて、今回の本題は、昨日の記事、


「6本の光の尾を放つ小惑星」と地球に近づく直径 20キロの超巨大小惑星
 2013年11月09日


でも書きました「地球の軌道に接近する超巨大小惑星」についての NASA ジェット推進研究所( JPL )のニュースリリースをご紹介します。


宇宙関連といえば、最近、若田さんの国際宇宙ステーションへの登場の報道などがありましたけれど、国際宇宙ステーションが撮影している映像は、ライブ ISS ステーションというサイトでリアルタイムで見ることができるんですが、11月4日の映像に、ドーナツみたい形のものが ISS から見て地球側に写っていました。




動きがカメラの動きと一致しているので、カメラのレンズに何か映り込んでいるた類の現象だと思いますけれど、なかなか印象的ではありました。


というわけで、宇宙もいろいろですけれど、ここから3つの巨大小惑星の記事をご紹介させていただきます。

なお、記事に「今回発見されたほど巨大な地球近傍小惑星(地球に接近する軌道を持つ小惑星)は他に3つしかない」とありますが、地球近傍小惑星は、11月10日現在で、1438ありますので、今回の小惑星の巨大さが地球に接近するものとしては、いかに珍しいものかおわかりかと思います。

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スペースウェザーより。



それでは、ここから NASA ジェット推進研究所の地球近傍天体プログラム事務所( Near-Earth Object Program Office )のニュースです。

なお、記事にもありますが、現状ではこの3つの小惑星とも地球に危害を与える可能性はありません

まあ・・・直径 20キロの小惑星が仮に地球に衝突した場合、「地球全体の一時的絶滅」ということになり得るものですので、そういう出来事がそうそうあるとも思えないですしね(過去にはあったのですから、絶対ないとも言えないわけですけれど)。

しかし、そのことよりも、今回のように「突然発見された」ということのほうに脅威を感じます。

今後もきっと「突然」見つかると思います。
いろいろなものが。





Surprising Recent Discoveries of Three Large Near-Earth Objects
NASAジェット推進研究所 / 地球近傍天体プログラム 2013.11.05


最近の驚くべき3つの巨大な地球近傍天体の発見


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驚くべき巨大な地球近傍小惑星(地球に接近する軌道を持つ小惑星)が、先週にかけて相次ぎ発見された。その時期に、もうひとつの比較的巨大な小惑星が発見されている。

何より驚くべきことは、これらの小惑星は地球に危害を与えるに十分な距離にまで接近する可能性がある小惑星であるにも関わらず、これほどの巨大な小惑星が、これまでまったく検知されていなかったことだ。

地球近傍小惑星で直径 20キロメートルを越えるようなものは、1983年以来発見されていないが、今回発見された3つの小惑星のうちのひとつは、直径が約 20キロメートルあると推測されている。これまで知られている地球近傍小惑星で、それほど巨大な小惑星は、他に3つあるに過ぎない。

重要な点として注記しておきたいが、短期間のスパンでは、これらの小惑星が地球に脅威を与える距離にまで接近する可能性はない。

これらの巨大な地球近傍小惑星は、アリゾナ大学の月惑星研究所が行っている全天捜査プログラム「カタリナ・スカイサーベイ」が、ハワイにある NASA の赤外線望遠鏡施設を使用した捜索によって発見された。

10月23日に直径 19キロメートルの小惑星 2013 UQ4が発見され、10月31日には小惑星 2013 US10が発見された。

小惑星 2013 US10は、スペクトルの反射率がまだ決定されていないため、その正確な直径は不明であるが、その直径は、約 20キロメートルある可能性が高いと見られている。

この規模の大きさの地球近傍小惑星で、これまで知られているものは、

・小惑星ガニュメート( 1036 Ganymed )
・小惑星エロス( 433 Eros )
・小惑星ドン・キホーテ( 3552 Don Quixote )

の3つしかない。


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▲ 小惑星エロス( 433 Eros )。


それにしても、なぜ、これほどの大規模な地球近傍小惑星を発見するまでに、これほど時間がかかったのか?

その理由は、 2013 UQ4(10月23日に発見された直径 19キロの小惑星)に関しては、地球へと近づく軌道が何世紀にもわたる非常に長い期間での軌道周期を持っているために、発見が遅れたものだと理解される。

しかし、直径20キロの巨大小惑星 2013 US10の発見がこれほどまで遅れた理由の説明は難しい。

現在の小惑星探査から考えると、この大きさと軌道のほぼすべての地球近傍小惑星は、すでに発見されていなければならないことが示されている。それにも関わらず、直径20キロメートルの 2013 US10はこれまで発見されなかったのだ。

考えられる理由としては、この小惑星が地球の軌道へと最大に近づく場合でも、その距離は地球から約 8000万キロメートルと非常に遠いことが関している可能性がある。

また、やはり、ハワイの全天捜査観測グループの「パンスターズ」 ( Pan-STARRS )の観測チームが 10月25日に直径約2キロの地球近傍小惑星 2013 UP8 を発見した。

この小惑星は「地球に潜在的に危険な小惑星」 に分類され、地球の軌道から 550万キロより内側にまで接近する可能性がある。




  

2013年11月09日



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▲ NASA のハッブル宇宙望遠鏡が撮影した「6本の光の尾」を持つ小惑星 P/2013 P5。小惑星帯にあるので小惑星だとしたようです。しかし、この光の尾は彗星と同じように塵など光が反射して見えているにしても、「なぜ6本なのか」はまったく謎の模様。






 

本格的な強風の時代

本題とは関係ないのですけれど、先月の終わりくらいから「風」が世界中でスゴイのですよ。10月28日には、イギリスから欧州各国を暴風が吹き荒れて、これは台風などではないのですけれど、「暴風セント・ジュード(St. Jude) 」という名前がつけられました。

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▲ セント・ジュードで破壊されたロンドンのレイトン商店街の路上。「英国を襲ったハリケーン並みの暴風雨セント・ジュードの破壊力」より。


ちなみに、この「 Jude 」という単語、辞書 http://ejje.weblio.jp/content/Jude で調べてみますと、

1 ジュード 《男性名》
2 【聖書】 aユダ. bユダの手紙,ユダ書 《新約聖書中の一書》


ということのようで、十数名が亡くなった暴風ですが、つまりこれに「聖ユダ」というような語感の名前をつけたということなんでしょうかね。


他にも、カナダやロシアで、文字通り「かつてない」強風被害が続いていて、日本でも先日、東北などで強風の被害があったことが報じられていました。秋田などでは「電柱が風で倒される」という、ちょっと見たことのない光景の報道を目にしたりもしました。

また、現在、フィリピンを通過している台風ハイエン(台風30号)は、気象観測の歴史の中で「上陸したもので最大勢力」の台風だそうで、AFP の記事によると、


気象情報を提供している米国のジェフ・マスターズ氏によると、風力で見ると台風30号の強さは観測史上4位に入り、上陸したものとしては史上最強だという。

マスターズ氏はサマール島にある人口約4万人の漁業の街、ギワンが「壊滅的な」被害を受ける恐れがあると指摘した。台風の上陸直後にギワンとの通信は途絶えたが、民間防衛当局は被害の規模を推定するには早すぎるとしている。



とのこと。

その後の AFP の記事では、下のように、多くの地域が連絡不能となっていて、被害状況がよくわからない状況に陥っているようです。

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2年くらい前、

かつてない異常な強風が吹き荒れる世界
 2011年12月05日

という記事を書いたことがあり、その 2011年の今頃の季節も「かつてなかった強風」が世界の多くの地域で吹き荒れましたが、今年は風速にしても被害にしても、その時を確実に上回っています。


ちなみに、気象の報道 などによれば、11月10日は、日本の多くの地域で非常に強い風や、あるいは暴風雪などに見舞われるということです。明日は日曜日ですが、最近の気象の荒れ方は場合によって半端ではないですので、いろいろと気をつけたい局面だと思います。

まあ・・・今後ずっとだとも思いますけれど・・・。





突如現れた地球崩壊クラスの超巨大小惑星

さて、そんなわけで、今回のタイトルの記事ですけれど、まず、「直径 20キロの超巨大小惑星」なんですが、これは NASA が突然発見したもので、オリジナルの記事は次回あたりにご紹介したいと思いますが、 NASA ジェット推進研究所の「地球近傍天体プログラム」という部局のニュースにあります。

また、このニュースは数日前の日本語版ロシアの声にも短く掲載されていました。

3-big.gif

3つの巨大小惑星が地球へ(ロシアの声) より。



これらは 10月の末に連続して3つの巨大小惑星が発見されたという報道なのですが、その大きさ! ひとつが直径 2キロ、残るふたつが、何と直径 19キロと直径 20キロという、地球の近くにやって来る小惑星の大きさとしてはあまり聞いたことのない規模のものなのです。


この大きさをどう考えるといいかというと、たとえば、下の表は、過去記事「良い時代と悪い時代(1)」に載せたフレッド・ホイル博士の著作にある表です。

“images”


これは小惑星ではなく彗星ですが、かつてこの地球に衝突したことのある最大の大きさとして見積もっている大きさが直径7キロですので、上の 20キロ級の天体というものは、地球近辺の存在としては相当なものだと思います。


あるいは、今年の3月、

火星が消える日: 広島型原爆の1兆倍の衝突エネルギーを持つ彗星 C/2013 A1 が火星に近づく 2014年 10月
 2013年02月27日

という記事を記したことがありますが、この「衝突すれば火星が消える」というような表現が使われたこの彗星の大きさが「直径50キロ」程度。そして、直径50キロの天体が惑星に衝突した場合、どのような威力となるかというと、


仮に衝突すれば、衝突エネルギーは、リトルボーイ(広島型原爆)の1兆倍、ツァーリ・ボンバ(ソビエト連邦が開発した人類史上最大の水素爆弾)の4億倍のエネルギーが放たれ、直径500キロメートル、深さ2キロメートルのクレーターが生ずると考えられている。



ということだそうです。

今回見つかった直径 19キロと直径 20キロの小惑星は、共に地球に衝突するような軌道ではないそうですので、そういう可能性はないようですが、地球の近くにそんな巨大な小惑星があるということと、そして、さらに驚くことは、「これまでまったく発見されていなかった」ということです。

現在では、数メートル単位の小惑星も数多く把握されていて、たとえば、下の表は今年、地球の近くを通過していくことが把握されている小惑星です。

as-2013.gif

Spaceweather より。


直径 15メートルなどの非常に小さな小惑星も把握されていることがわかりますが、それなのに、「直径 20キロ」の超巨大小惑星は、つい先週まで察知されていなかったことに驚きます。

「突然現れたんじゃないだろうな、おい」

と、やや凶暴な気分になったりもした次第でした。






遠い空で「六芒星」を描く小惑星

しかし、今回の本題は、「6本の尾を持つ小惑星」なのです。

というのも、この小惑星自体も非常に興味深いものなのですが、先日、

米国の海に広がる衝撃的な光景 : まるで絶滅に向かおうとしているような「ヒトデたちの自殺」
 2013年11月07日

というヒトデの大量死の記事を書きましたが、その晩、夢の中で、声だけなんですけれど、

「6のことを考えろ」

と言われ続けていました。

ヒトデはまあ、6本足などのものもいるようですけれど、大体は5本足のイメージなので、いろいろと考えていたのですが、 In Deep では、過去に「五芒星」とか、「六芒星」などの記事を書いたりしていたこともあって、個人的に、5と6の違いなどを考えていた時期もありました。

そういう時に NASA から飛び込んできたニュースが、今回の「6本の光の尾を持つ小惑星が発見された」という出来事でした。ちなみに、このようなものが観測されるのは宇宙観測史上で初めてのことだそうで、それだけに科学者たちの驚きも大きなものだったようです。

そんなわけで、ここまで長くなりましたが、その記事です。




Bizarre Six-Tailed Asteroid Surprises Astronomers
IIAI 213.11.07


6つの「尾」を持つ奇妙な小惑星に驚く天文学者たち


P2013-P5-2.jpg


NASA と ESA (欧州宇宙機関)が運営するハッブル宇宙望遠鏡での観測で、天文学者たちは小惑星帯に奇妙な物体を観測した。それは、芝生で回転する散水機や、バドミントンの羽根のように見える光の尾を放つユニークで不可解なものだ。

この物体は小惑星帯のような軌道上にあるが、彗星のように宇宙空間に塵の尾を送り出している。

通常の小惑星は、光の小さな点として示される。しかし、この P/2013 P5 と名付けられたこの小惑星は、その円の中心から彗星が塵を放射する際のような尾を持っている。そして、この尾が6方向に放射しているのだ。

この物体が最初に発見されたのは今年8月で、ハワイのマウナケアにあるパンスターズ1望遠鏡を使った天文学者たちにより、非常に曖昧な形状で発見された。

これまで、このような形状のいかなる物体も発見されたことがなかったために、天文学者たちは、このミステリアスな外観をどう説明していいものか、頭を悩ませている。

この物体が複数の尾を持っていることは、 2013年9月10日にハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像によりわかったことなのだが、ところが、 13日後の 9月23日にハップルが再びこの小惑星を撮影した時には、その外観はまったく変わっていたのだ。

その変化は、まるで全体の構造が揺さぶられたと思わせるほどのものだった。

観測主任者である米国サンフランシスコ・カリフォルニア大学のデビッド・ジュウィット( David Jewitt )博士は、以下のように述べる。

「それを見た時には、私たちは文字通りに唖然とするばかりでした。さらに驚くべきことに、この尾の構造は、たった 13日間で劇的に変化したのです。これが小惑星だとは信じがたい光景です」。



P2013-P5-3.jpg

▲ P/2013 P5と名付けられた小惑星の周囲の構造を示す図。 ホイールのように回転している。



この奇妙な外観を説明できる可能性のひとつとしては、小惑星の自転速度の増加がポイントかもしれない。小惑星の崩壊の始まりとしての表面の分割が始まり、そのために、このような形で塵を噴出しているという考え方だ。

ジュウィット博士の解釈では、このように回転して崩壊していくことが、あるいは小惑星帯では共通の現象なのかもしれないという。つまり、これは小さな小惑星の「死」であるという可能性だ。

博士はこう言う。

「これは私たちにとってまったく驚くべき物体です。そして、ほぼ確実にこれはより多くの中の最初のひとつだと考えます」。

ジュウィット博士が率いる研究チームの論文は、天文学の専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ ( The Astrophysical Journal Letters )の 11月 7日号に掲載される。




  

2013年11月07日



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hitode-1.jpg

▲ ヒトデの大量死について報じる米国のテレビ報道。 YouTube より。






 


自分で手足を次々と落として死んでいくアメリカ沿岸のヒトデたち

現在、アメリカ西海岸から東海岸、そしてカナダの東海岸を中心として、極めて大規模な「ヒトデの大量死」が進行しています。

このこと自体は、わりと以前から知っていたのですが、このヒトデの大量死が、単なる大量死ではない非常にショッキングな状況で起きている可能性があることを知りまして、今回はそのことを書きます。

ところで、私は今回のことを調べていて、現象は知っていたものの、それを表現する単語があることを初めて知った日本語があります。それを最初に書いておこうと思います。それは「自切」(じせつ)という言葉です。Wikipedia からです。


自切

自切は、節足動物やトカゲなどに見られる、足や尾を自ら切り捨てる行動(ないし反応)。

なぜ自ら体の器官を切り捨てるかは状況により異なると思われるが、主に外敵から身を守るために行われる例が多い。すなわち外敵に捕捉された際に肢や尾等の生命活動において主要ではない器官を切り離すことで逃避できる可能性を作り、個体そのものが捕食される確率を下げるための適応であると考えられている。

そのため自切する器官はあらかじめ切り離しやすい構造になっていたり、喪失した器官を再生させる等の機能を持つ種が多い。



トカゲが自分の尻尾を切って逃げる、ということに代表されて言われることの多い現象ですが、上の表現で、


 > 自らの体の器官を切り捨てるのは、主に外敵から身を守るために行われる例が多い


という意味の表現があります。

現在起きているアメリカでのヒトデの大量死では、まさにこの「自切」行為が発生しているのですが、しかし、普通の自切と違うのは、「自分を守らず死んでしまう」ところです。


つまり、ヒトデたちが自分の腕を自分で落としていってから死んでいっているということが、明らかになろうとしているのです。


なお、これらの現象は決してミステリーの類いではなく、このヒトデの大量死が「消耗性疾患」という名前の病気だということは判明しているのですが、過去にないほど拡大し続けていることと、こんな状態を「どんな科学者も今まで見たことがなかった」ということで、脅威を与えているようです。

AP 通信によれば、ある種ではその棲息エリアで 95パーセントが死滅しているそう。




海洋研究者が日々見ている光景

下はカリフォルニア州のサンタクルーズにあるロングマリン研究所( Long Marine Laboratory )という海洋研究所の人のサイトの記事にある写真です。

hitode-2.jpg


内容は下のようなものですが、このタイトルの「 And then there were . . . none 」というのが私にはどうにも日本語として訳せなくて、タイトルなしで概要を記します。

このヒトデの種類は Pisaster ochraceus と書かれているのですが、これも日本語が探せなくて、こちらのサイトによりますと、これは日本語で「マヒトデ」というものに属するもののようです。




And then there were . . . none
Notes from a California naturalist 2013.09.13


研究室にあるすべてのマヒトデが死ぬまで、すなわち、最後のマヒトデが自分自身の体をバラバラにしていくまで、私は丸3日間、そこにいた。

そしてこの写真(上の写真)が、今朝、私の飼育する生き物に起きた光景だった。

ヒトデの本体はまだ残っているのだが、彼らは気まぐれに自切していくので、私は切断された触手を検査しながら、さらに時間を過ごした。

彼ら(バラバラになった手たち)は、自分が死んでいることを知らない。

私はこの数日間、彼らが幽霊になることを諦める前のそれらのバラバラの状態の触手を10個前後見てきた。その切断された手は、自切した後もかなり長く動き続ける。少なくとも1時間くらいは手だけで動き続ける。

私は、この、もともと美しく複雑な「海の星」の切断された腕を解剖スコープの下のボウルに入れて写真を撮った。

私は、この研究所で、ヒトデのこの病気を扱っている唯一の研究者ではなく、隣の部屋でも、そして、他の研究所では Pycnopodia helianthoides (俗名ヒマワリヒトデ)を失っている。また、学生たちがサンタクルーズの海中でヒトデの大量死を見つけたという話も聞いている。

この数週間で海で起きている様々なことは、もしかすると、何か本当に悪いことの始まりなのかもしれないとも思う。






という何となく切なさも感じる記事です。

上に「切断された手は、自切した後も長く動き続ける」とありますが、その様子を研究者が YouTube にアップしたものを短くしたものがあります。

あまり気持ちのいいものではないとは思いますが、ヒトデというのは、自切した後も、1時間近くも、このように単独で腕が動き続けるもののようです。





ところで、上のロングマリン研究所の人の記事は9月のものです。

そして、アメリカのメディアで、ヒトデの大量死に関しての報道が大きくなったのは最近のことで、つまり、この2ヶ月間、事態は拡大し続けているということになりそうです。


記事に書かれてある「もしかすると、何か本当に悪いことの始まりなのかもしれない」という予感は、当たってしまったのかもしれません。


そして、もう一度、 Wikipdia の「自切」の説明を見ていただきたいのです。



なぜ自ら体の器官を切り捨てるかは状況により異なると思われるが、主に外敵から身を守るために行われる例が多い。すなわち外敵に捕捉された際に肢や尾等の生命活動において主要ではない器官を切り離すことで逃避できる可能性を作り



とありますが、このヒトデたちにはそんな理由が見当たらないのです。

それとも、私たちにはわからない「何か」から身を守るために自切している?

しかし、一般的な自切の意味である「主要ではない器官を切り離すことで逃避できる可能性を作り、個体そのものが捕食される確率を下げるための適応であると考えられている」というサバイバルの概念を完全に逸脱しているのは、「そのまま彼らは死んでしまう」というところにあります。


自らの体を切断しながら死んでいく。

それがアメリカ西海岸の広範囲に起きている。

一体、アメリカの海岸で何が?



ところで、確かに最近、アメリカの西海岸は災難続きというのか、いろいろなことがあったりします。 Walk in the Spirit さんの記事で知ったのですが、2011年の東北での地震の津波で海に流された瓦礫が、テキサス州ほどの面積の塊となって、アメリカに進んでいるのだそう。

下のは、英国のデイリーメールの記事です。


tsunami-us-2011.gif


下の図は NOAA (アメリカ海洋大気庁)がコンピュータシミュレーションで出した、現在の瓦礫の分布の様子ですが、密度が濃い範囲だけで日本列島の面積以上にありそうな感じです。

debris-2011.gif


思えば、大震災から2年と8ヶ月。
http://lolipop.jp/

2011年の10月には震災の瓦礫がハワイに押し寄せると米国のメディアで大きく報道されたことがありました。

3月11日の日本の震災の数千トンの瓦礫がハワイに押し寄せるという観測をハワイ大学が発表
 2011年10月22日

なお、今回のヒトデの大量死は、消耗性疾患ということが確定しており、日本からの瓦礫とはまったく関係はないものと思われます。

関係ないという理由としては、これはアメリカ西海岸だけではなく、北アメリカ大陸の沿岸のあらゆる場所で起きていることでもあるからです。

このことは、以前の「アメリカの政府機関の閉鎖解除後に知り得たフードスタンプやイルカの大量死のデータ。そして3日に1度起きるM6以上のプレート地震」という記事に少し書いたことがあります。

“images”


上にあるアメリカのニュージャージー州とメイン州はアメリカの東海岸で、非常に多くの海岸で発生し続けて、そして拡大しているということになるようです。


上の記事でも書きましたけれど、


アメリカの海から「海の星」が消える


という概念も誇大ともいえない面があります。


星がどんどん消えていくアメリカ。

いや、アメリカだけなのかどうかはよくわかりません。



  

2013年11月06日



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flood-new-york.jpg

▲ 海面上昇によって起きるこういう光景のイマジネーションというのは、過去から現在までずっと存在していますが、実は「訪れない光景」なのかもしれません。写真は、in Serbia というセルビアのメディアの「悪魔は地球上にすでに存在する」という記事より。




気候変動に関する政府間パネルが語った世界の未来と、そして「現実の現在」

先日、イスラエルのヘブライ大学というところの研究チームの調査で、「これまで言われていた海面上昇の速度は誇張されていた」ということが判明したことが発表されました。

そして、彼らの調査では、21世紀の終わりまでの海面の上昇の度合いは「1ミリから最大 10センチ」という結論となったというものです。それも、上昇する海域は全体の3分の1と限られていて、他の約 60パーセントは「今と同じ」という結果となったとのこと。


この海面上昇という概念については、2008年頃からの私個人としても、やや怖れ続けてきた「未来の地球の変化」のひとつであり、その2008年頃からのウェブボットなどの未来予測プロジェクトにも数多くの海面上昇に関しての記述がありました。

そんなこともあり、 In Deep の過去記事でも、海面上昇を取り扱った記事はいくつかあります。

代表的な過記事としては、

「現代の社会で海水面が 20メートル上昇したら」: 過去の南極の氷床は繰り返し溶解し、海水面の上昇を起こしていたことが判明
 2013年07月25日

海面上昇: 太平洋上のキリバスで「国民全員をフィジーに移住させる計画」が議会に提出される
 2012年03月10日

などがありますが、この海面上昇について、公的に大きく語ったのは、いわゆる地球温暖化の提唱者の中心機関である「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」でもあります。

下は、2013年8月22日の毎日新聞の記事です。


IPCC:温暖化で海面最大81センチ上昇 報告書最新案
毎日新聞 2013.08.22

今世紀末の地球の平均海面水位は、最近20年間と比べて最大81センチ上がり、平均気温は最大4.8度上昇すると予測した気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次報告書案が明らかになった。報告書の改定は6年ぶり。



上の報告書の内容はすぐにリークされ、過去記事の

「この 15年間、地球の気温は上昇していなかった」ことが判明
 2013年09月21日

で、ご紹介した下のような英国の報道となっていくわけです。

“climate


これは、実は気温は地球全体として見れば、この15年間上昇していなかったし、今後に関しては寒冷化の可能性が強いというようなことが書かれてある記事です。


そして、それに続き、今度は海面が大幅に上昇するという予測も「怪しい」ということになってきています。


上の毎日新聞の記事では、IPCCは「今世紀末の地球の海面水位は81センチも上昇する」とあり、また、2007年には米国のアル・ゴア氏が、「今世紀末には地球の海面は7メートル上昇する」と言ったりしていますが、イスラエルのヘブライ大学の研究では「最大で 10センチ以下」という予測が出たというものです。


というより、このヘブライ大学の調査は「海水面レベルは基本的には変化しない」という感じのものとなっていると言っていいものだと思います。


IPCCとヘブライ大学のどちらが正しい未来予測なのか(あるいはどちらも間違っているのか)は、現状、私にはわかりませんが、今回はそのイスラエルのヘブライ大学の研究論文を紹介していた記事を翻訳します。

それにしても、今回の学術論文を発表したのが「イスラエルの大学」ということもあり、何だか宗教的なものも感じてしまいまして調べてみますと、 Wikipedia によりますと、ヘブライ大学というのは下のような教育機関で、宗教的な色彩はなく、また学問的に非常に優秀な大学であるようです。


ヘブライ大学


エルサレム・ヘブライ大学は、エルサレムに本部を置くイスラエルの国立大学である。1925年に設置された。

学風は宗教的でも正統派的(正統派とはユダヤ教の一派)でもない。また、ヘブライ大学は国際的にみても非常に優秀な大学であるとみなされており、例えば世界大学ランキング・センターによると、2012年にはヘブライ大学は世界で 22位にランク付けされている。



とのこと。

ちなみに、2012年の世界大学ランキングでは、日本の東京大学は 32位です。




セルビアの予言者が語った世界の未来

ところで、冒頭に米国の自由の女神像が海に流されているイラストを載せていますが、これはセルビアのイン・セルビアというメディアの記事で、「セルビアの予言者」に関しての記事なのでした。

セルビアの予言者といえば、19世紀の予言者ミタール・タラビッチが有名かもしれません。

“images”

▲ ミタール・タラビッチ( 1829 - 1899年)。


ミタール・タラビッチが「第三次世界大戦の勃発から世界の最終平和」までを語った予言の全文は、

私たちに残されたかすかな「破局の回避」の可能性のために(1): 「人類のひとりと宇宙は同一のもの」
 2013年03月24日

という記事の最後のほうにあります。


しかし、このイン・セルビアで取り上げられていた「セルビアで最も有名な預言者のひとりである」という冠がついた人物はタラビッチではない人でした。セルビアには名だたる予言者がたくさんいるのか、あるいはセルビア人が予言が大好きな国民性なのかわからないですが、その予言者は「グランパ・ミロイェ」という20世紀の人だそうで、記事に書かれてある予言の内容は「21世紀の世界を見たもの」だそう。

ちなみに、グランパというのは「おじいさん」という意味ですので、「ミロイェじいさん」というような親しみをこめた感じなんでしょうか。そのミロイェじいさんによれば、「審判の日には、神が地上に悪魔を解き放つ」のだそう。

また、ミロイェさんは地球上に開くオゾン層について「45」という数字を述べていたらしいんですが、それからしばらく後に、 NASA がオゾン層が北緯45度にまでに開いたと発表したりしたことがあったそう。

そのミロイェじいさんが予測した未来の地球をイン・セルビアの記事から少し抜粋します。




The Devil Is Already On Earth – Grandpa Miloje
in Serbia 2013.09.29

悪魔は地球上にすでに存在する

ミロイェは、たくさんの人がすでに起こきている気候変動のために死ぬと述べた。気候変動で死亡する人々が最も多いのはアメリカだと予測し、フランス、イタリア、イギリスなども大きな影響を受けると言った。

そして、ミロイェは、

「ロシアと中国では大地が揺れるだろう」

「大きな病が地球を支配し、数多くの命を奪うだろう」

「数多くの石が空から落ちて、多くの命を奪い、多くの都市が破壊されるだろう」

と語っている。






と言っていたそうです。


前置きが長くなりましたが、イスラエルのヘブライ大学の論文をご紹介します。

ヘブライ大学の論文そのものは PDF で読める状態になっていて、原文は、

TIDE GAUGE LOCATION AND THE MEASUREMENT OF GLOBAL SEA LEVEL RISE

にあります。

これは大変に長いもので、また、学術論文なので科学記号などが私にはわからなく、探してみると、ドイツ人のブログでそれを短くまとめてくれていた記事がありましたので、それをご紹介します。

なお、記事の冒頭に出てくる「最近のナショナルジオグラフィック誌の記事」は、2013年9月号の「加速する海面上昇 - 海面上昇がもたらす、地球の危うい未来」という特集のことだと思います。


それでは、ここから記事です。






Wissenschaftler entwarnen beim globalen Meeresspiegelanstieg
Donner und Doria (ドイツ) 2013.11.02


検潮の位置と世界全体の海面の測定

科学者たちは、世界的な海面上昇について「完全にない」とする示唆を提示する


海面上昇の真実は一体どのようなものなのだろう。最近、ナショナルジオグラフィック誌では、ヨーロッパの半分は水没してしまうというようなシナリオを記事にしている。そして、海面上昇の速度が上がっていると指摘する。

しかし、その記事で取り上げられている海面に関するデータは、特定の場所での干潮と満潮での測定を含んでいるもので、あまり好ましいものとは思えない部分がある。

海水面は干潮や満潮、あるいは天候によって数センチどころか、数メートル単位で変動する。そのため、地球的な範囲での海面の変動を記録するには、衛星からの観測を含めた数百の海岸での観測ステーションから測定が必要となる。

そのような中、海岸上の複数の観測ステーションで顕微鏡観察的な視点から非常に詳細な計測をおこない、そこから計算をしたイスラエルにあるエルサレム・ヘブライ大学がおこなった科学的研究によると、現在言われている地球の海面上昇の規模と速度は「誇張されている」という結論に達した。

米国のアル・ゴア氏は 2007年に「地球の海水面は今世紀末に最大で7メートル上昇する」と語ったことがあるが、ヘブライ大学の詳細な研究では「最大でも今世紀末に今より10センチの上昇」という予測となった。

しかも、海面が上昇するのは全体の3分の1の海域だけで、61パーセントは現在と同じであり、全体の4パーセントについては「海水面が降下する」という予測となった。

海面上昇が確認されているのは、アメリカの東海岸、南部バルト海、そして、「リング・オブ・ファイヤー」と呼ばれる環太平洋の諸国とロシアの北極圏だ。

対して、アフリカおよび南アメリカ、カナダ沿岸の北太平洋、北部北大西洋、インド洋の海面上昇はまったく見られない。

現在、水没のリスクが取りざたされる太平洋の諸島でも、海面上昇が加速している証拠は見つけられなかったとイスラエルの科学者は述べる。

むしろ、それらの島のリスクは急速な人口の増加と、天然からの搾取と関係がある。

また、海面の変動には 60年周期などの「周期性の上下」があることにも留意してほしい。これは、米国のデューク大学のニコラ・スカフェッタ( Nicola Scafetta )教授の研究で明らかになったものだ。スカフェッタ教授の記した「海面上昇率は自然での固有振動によって制御される」(原文はこちら)というタイトルの論文では、海流と太陽活動による海面の上下のサイクルについてが書かれてある。

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▲ スカフェッタ教授の論文より後氷期の海面上昇。後氷期とは約1万年前から現代までの時代。


これらの論文は、近年の議論では、地球の気候に対しての CO2 の強い作用が「誇張されていた」ことが示されている研究としても意味がある。

しかし、残念なことに、これらの研究は、最近提出された IPCC (気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書の編集の締め切り後に公表されたために、報告書の内容への影響を持たなかった。

いずれにしてもいえることは、少なくとも人為的な要因での気候変動による海面上昇は、人類に差し迫った深刻な爆弾ではない。

科学者たちの多くは、この人的要因による「気候の黙示録」として描かれた図式に対しての表面的な抵抗を試みようとはしないが、その代わりに、データを統計的に構築することによることで、抵抗と同じ意味の試みを続けている。




  

2013年11月03日



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米当局が気候に対して持っているかもしれない「何らかの予測」

日本時間での昨日、アメリカのホワイトハウスのウェブサイトに「即日発表」としてオバマ大統領の「大統領命令(大統領令)」としての文書が掲示されました。その内容は「気候変動に対して国家の各機関が備えよ」というようなものです。

下はその冒頭と最後です。

whitehouse-01.gif



whitehouse-02.gif

ホワイトハウス 大統領令より。



この「大統領命令」というのはどのようなものかというと、 Wikipedia によりますと、


大統領令

大統領令は、アメリカ合衆国大統領が行政権を行使することにより発令されるアメリカ合衆国の行政命令。大統領命令ともいう。君主国や立憲君主国における勅令に相当する。

大統領令は連邦議会の制定する法律に従い、その法律による大統領への委任を受けて発することもあり、その場合法的強制力が付与される。



ということで、後半のほうの説明はよくわからないのですが、Wikipediaに「勅令に相当する」という記述があります。この「勅令」という言葉は、たとえばかつての日本では「天皇陛下が直接発した命令」のことを言いますので、それなりの権威のある命令というようなことにはなるようです。


それで、このオバマ大統領の「気候変動の衝撃への備え」という大統領令の内容なんですが、「各関係機関は備えるように」と、様々な機関への対応が延々と書かれているだけで、肝心の「気候がどのように変動するのか」ということについては、あまりふれられていないものでした。

しかし、大統領令の冒頭部分には「過度に高い気温」という表現があり、そのあたりから考えると、どうやら、これは「地球温暖化」ということを前提に出された大統領命令のようで、やや香ばしさが漂うものではありそうです。

いずれにしても、すべてを紹介してもあまり意味がないものですので、冒頭部分だけを先にご紹介しておこうと思います。

文中にある「私」というのはオバマ大統領です。



Executive Order -- Preparing the United States for the Impacts of Climate Change
ホワイトハウス 即日発表 (米国) 2013.11.01


大統領令 - 合衆国の気候変動の衝撃に対しての準備

アメリカ合衆国の憲法と法律で定められている大統領としての私に帰属する権威によって、気候への準備力と回復力を高めるために、アメリカ国家の気候変動の衝撃に対して準備を以下のように命じる:

第一項/政策  過度に高い気温、より激しい豪雨等の気候変動の影響は山林火事の増加、激しい干ばつ、あるいは永久凍土の融解、また、海洋の酸性化と海面上昇等と関係し、それらは天然資源、生態系、経済、そして公衆衛生に影響を与えるものであり、すでに現時点で我々は経済と健康問題の課題に直面している。

これらのリスクを管理する連邦、州、民間、人種、地方の、気候への対策と回復力を向上させるための非営利セクターの取り組みを促進するために連邦政府は緊密に計画的、協調的に協力する。

(以下略)





しかし、温暖化でも寒冷期でもどちらにしても、確かに気候変動というか、はっきりいえば、「異常な気象」はすでに連続しているわけで、そして今後の予測でも、特に、アメリカ、および、ヨーロッパなどでは、今回の冬が「極めて厳しいものになる」という見解については多くの専門家の間で一致しています。

これは過去記事の、

この夏すでに聞こえていた小氷河期の足音 : アメリカのこの夏は記録的な「低温」が圧倒していたことが判明
 2013年08月27日

の最初に、 アメリカの「ファーマーズ・アルマナック」という、気象予測の正確さで定評のある気象年鑑での気象予想の発表についてふれましたが、今年のアメリカの冬は北東部を中心に例年以上に厳しい寒さとなるとの予想しています。

“米国の寒波”

▲ 過去記事より。



また、今年のアメリカの夏は「記録的に気温の低い夏だった」ことも上の記事に記しています。

2013年7月24日から8月21日までの間のアメリカでは、

・暑さの記録を更新した観測地点が 667 か所

に対して

・低温の記録を更新した観測地点は 2,899 か所

だったことがわかっています。

そういうこともあり、大統領令では「温暖化」を漂わせているとはいえ、そうではない方向だとしても、いずれにせよ「国家が気候に備える」ということについては必要になってきているということなのかもしれません。


というか・・・アメリカには連邦所属の科学者たちがいるわけで、彼らが「とんでもない気候がやってくることを予想していたりするのでは・・・」というような邪推もしたくなります。

そもそも、温暖化に対応しての大統領令なら冬を迎える今でなくてもいいわけですので。







過去1万年の太陽活動の調査結果により、今後、太陽が極小期に入る確率は低くないと語る英国の科学者

そして、今回のタイトルに記しました「太陽活動がこの1万年で最大の落ち込みを見せている」という件ですが、これは、10月28日の英国 BBC の気象関係の記事にあったもので、話題となっています。

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BBC より。



述べたのは、英国レディング大学の太陽物理学専門家であるマイク・ロックウッド博士という方です。


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▲ 太陽活動と地球の気候の関係についての研究の第一人者のマイク・ロックウッド教授。


今回はその記事を翻訳してご紹介したいと思います。

仮に、オバマ大統領の大統領令が温暖化を示唆したものだとすれば、ロックウッド教授の発言は、その真逆となるものですが、いずれのほうも「通常ではない今後」を示しているものだとは思います。




Real risk of a Maunder minimum 'Little Ice Age' says leading scientist
BBC (英国) 2013.10.28


マウンダー極小期による「小氷期」のリアルなリスク


1600年代に英国と欧州全域を覆った厳しい冬が頻繁に訪れた時期は「小氷期」として知られている。

その厳しい寒さに対して、当時の極めて弱い太陽活動は共に手を結ぶようにリンクしていたが、その弱い太陽活動時期はマウンダー極小期と呼ばれていた。

英国レディング大学の一流科学者は、現在の太陽活動の低下のレートは、この時のマウンダー極小期の際の条件に戻っている危険性があると述べた。
 
マイク・ロックウッド( Mike Lockwood )教授は、これまで、太陽活動と気候パターンの関係を研究し続けてきた。
 
教授によると、 20世紀後半は太陽が異常に活発だった時期で、いわゆる「太陽活動の極大期」は 1985年頃に発生したという。

それ以来、太陽活動は静かになってきている。 

教授は、氷床コアの特定同位体の測定から、太陽のこの数千年間の活動の状況を判明させた。

そのデータの分析があらわすところでは、教授は、現在の太陽活動はこれまでの1万年間のどの時期よりも急速に低下していると考えている。
 
過去1万年の間には、現在と同じように太陽活動が急速に低下した時期が 24回あったが、今回の太陽活動の低下の勢いは過去のそれらよりはるかに急速に低下しているという。

この調査結果に基づき、ロックウッド教授は、今後、マウンダー極小期と同じ状態になるリスクの率を数年前に予測した 10パーセント未満から、「 25から 30パーセントの確率」と予測を引き上げた。

教授は、今後、私たちが気候の変化を目撃していくことになると確信している。そうなった場合、何十年にもわたり寒い冬と寒い夏とが繰り返される。

教授は「それはすでに始まっていると思われます」と述べる。





(訳者注) ここまでですが、どちらの方向性であるにしても、「地球の気候」に対しての緊張は高まっているということはいえそうです。

「準備の時代」というのは実はこれからなのかもしれません。



  

2013年11月01日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。






人間が「見る」ためには「目からの光」が絶対的条件ではなかった

先日の記事で不満げな最近の気分を書いてしまって、大人げないと思いつつも、かつてのさとう珠緒さんのような表現で、「現代宇宙モデルに ぷんぷん!」というような意見を表明すればいいのかというと、そういうことでもないわけで、ここ二日ほどはボーッと歩いたりして過ごしていたのですが、今朝、非常に面白い科学報道を記事を見て、少しだけシャキーンとしました。

その内容はこの数年のブログ記事に関しての記憶をかなり昔にまで引き戻すことのできるものでした。

それは米国ロチェスター大学が昨日発表した論文でした。

下がそのページです。

rochester-01.gif

ロチェスター大学 ニュースリリースより。


上の見だしだけではわかりにくいですが、この論文の内容をひとことで書きますと、


50パーセントの人間は完全に光のない状態の中で、自分の動きを目で追う能力を持っていることがわかった。そして、この能力は「学習」により、ほぼすべての人が習得できると結論づけられる。



というものなのです。


これはまあ・・・私個人としては非常に興奮しましてですね。

たとえば、これはもう「個人的な 2013年の10大ニュース」というようなものに入ることがほぽ確定したものとなっているんですが、どうしてこのニュースにそんなに興奮したかというと、過去に私のこの In Sheeple では(興奮して綴りを間違えてるぞ)いや、 In Deep では、「光と視覚と松果体」についてずいぶんと書いていた頃があったのです。


このアメリカのロチェスター大学というのは、Wikipediaによりますと、「アメリカで最も古い光学研究機関である光学研究所を持つ」のだそうで、つまり、「光の研究」の代表的な研究機関だそうです。

ちなみに、ニュートリノの検出でノーベル物理学賞を受賞した日本の小柴昌俊さんは、このロチェスター大学の大学院で博士号を取得しているのだとか。


今回はロチェスター大学の論文の内容について翻訳してご紹介したいと思いますが、その前に少しだけこの数年の「光と視覚と松果体」についての過去記事から少し抜粋しておきたいと思います。






メキシコの「眼のない魚」の研究から始まった松果体との格闘


松果体というのは、人間では脳の下の図の位置にあるものです。

pituitary_pineal_glands_ja.gif


医学的には、メラトニンというホルモンを作り出すことに関与していること以外の役割はほとんど不明ですが、これが哲学、あるいはスビリチュアルの世界となると、「第三の眼」というような表現にも見られるように「人間で最も大事な器官のひとつ」という言われ方をされてきたものでもあります。

17世紀の哲学者デカルトは、松果体は「この世界にある物質と精神という根本的に異なる二つの実体を相互作用させる器官」だと言っていました。

過去記事の、

あらゆる手段で「光」を求める生命: フンコロガシの行動、松果体の意味、そして「太陽神の目」の実体
 2013年01月29日

では、他にも、フランスの作家ジョルジュ・バタイユの小説『松果体の眼』というものについて書いたりもしていますが、そのあたりまで話を広げますと、収拾がつかなくなりそうですので、哲学や精神世界の話は上の過去記事などをご参照下されば幸いです。

ただ、バタイユが、


「松果体の役割は、太陽から火山を経て肛門へ受け渡されたエネルギーを、松果体を通して再び太陽へ回帰させること」


と書いていたことは特筆すべきことではあります(意味はよくわからないですけど)。


それよりも、私が最初に松果体に興味を持ったきっかけは、やはり今回ご紹介するものと同じような「アメリカの大学での研究論文」だったのです。

メリーランド大学のヨシザワ・マサト氏とウィリアム・ジェフリー氏の2名の科学者が、メキシコの洞窟に住む目の見えない魚を研究して、この目がないこの魚が光を感知していることに関して、「脳の松果体が直接光を感じとっている」と結論付けたという研究発表論文に大変興味を持ったことがきっかけでした。

上の実験では、目のある魚でも実験をおこなっていて、その結果、光を感知するための「目の役割は10パーセント程度」で、残りの90パーセントは松果体を通して光を感知しているということをも示唆するものでした。

pene-mexico-fish.jpg

過去記事より。



この論文を紹介した記事は、クレアの2011年01月28日のペアである自分(2) 宇宙の場所という記事に全文訳があります。

また、「人間の光の感知」に関しての私の考えは、やはり、過去記事の、

日本人研究者が獲得した「暗闇での視覚」: 人類と光と植物
 2011年02月28日

というものに、自分の考えが書かれていることに気付きましたので、その部分を抜粋しておきます。




現実に「闇夜でクリアに見える技術」が開発されていて、少なくとも技術レベルでは「完全に光のない場所で物を見るということが)できている。ということは、宇宙の物理の仕組自体は、「本来は暗黒でも見える可能性がある」ということなのではないか、などと思った次第です。

この「光のない場所にあるものが普通に見える」概念や仕組が人体に隠された機能としてどこかにあれば、人間はいわゆる「目での光」だけに頼らなくても「見て」生きていくことができる。

もちろん、かなり遠い未来の話にしても、姿形は同じままで「新しい人間」というものは、遠い未来には存在していてほしいし、それには松果体や脳下垂体、あるいは今は軽んじられている脾臓や盲腸といったすべての器官までもが完全に機能する人間が存在してほしいと考えています。






ちょっとわかりにくい書き方ですけれど、要するに、「目でだけ光を感知する」というのは、多分、私たちの潜在意識も顕在意識も含めて、

「意識の上に薄いベールを張られている」

という状態なのだと思っています。

この「薄いベール」がとれていく過程が「進化」なのであり、人間の進化というのは姿や形が変化していったり、空を飛べたりするということではなく、意識的なレベルでの思い込みのベールがとれることだと思います。

そして、本当の意味の「自由な思考」を持てた時に、感覚そのものが自由になるという変化なのだと。

その時代を今の私たちが見られるかどうかはわからなくとも、人間の機能(松果体も)は何ひとつ退化していないということが、今回の実験でわかったことは大変に喜ばしいことだと思ったりするのです。


では、ここからロチェスター大学の記事の概要です。




Seeing in the Dark
ロチェスター大学 (米国) 2013.10.31

暗闇で見ること


完全な真っ暗闇の場所を探して、そこでゆっくりと自分の顔の前で手を左右に動かしてみる。あなたには何が見えるだろうか?

この答えは、これまでの考え方では「真っ暗闇では何も見えない」というイメージを持つのではないだろうか。

しかし、コンピュータで視線を追跡する装置(アイ・トラッキング・システム)を用いての最新の研究では、少なくとも全体の 50パーセントの人は、まったく完全な真っ暗闇の中で、自分の手のひらの動きを正確に眼球で追随できるということがわかったのだ。

今回の調査チームの主任者として実験を主導したロチェスター大学の脳と認知科学が専門のデュジェ・タディン( Duje Tadin )教授は、以下のように言う。

「完全な真っ暗闇の中で物が見える? そんなことはこれまでの視界に関する自然科学ではあり得ないことなんです。そんなことは起こらないことなのです」

「しかし、今回の研究では、私たち自身が自分の動きを察知することについて、光のシグナルが完全にない状態でも、自分の手の動きを通じ、脳内で実際の視覚認識を作り出すことができ、視覚信号を送信することを示したのです」



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今回の実験は5つの異なる実験を 129人の被験者を通しておこなわれた。

研究者たちはこの「完全な暗闇の中で見ることができる」という不気味ともいえる能力について、それが示しているものは、私たちの脳が自らの認識を生み出す際に、別の感覚からの情報を組み合わせているという可能性だと考えている。

この能力はまた、「私たちは視界というものを通常は目で認識していることと考えているが、それと非常によく似た機能が脳にあるということなのです」と、バンダービルト大学の心理学の専門家であるケビン・ディーター(Kevin Dieter)教授は述べる。

これまで、光のない洞窟の内部などを探検した人々が、光のない空間で自分の手の動きを見ることができたというようなことを主張する「スペランカーの錯覚」と呼ばれる体験談が伝えられることがあったが、これまでこれらは一般的に幻覚だと考えられていたが、今回の研究成果はこうした体験談は幻覚をみたものではなかったことを示すものとなるかもしれない。

ディーター教授は、この完全な暗闇で自分の動きを見ることができるという能力については、「ほとんどの人が学習できるものだと思われます」と結論づけている。