▲ 2014年1月27日の 21CN 新聞より。
昨日の記事のテーマが「悪魔」で、今日は「病気」と暗い話題が続いてしまいますが、この病気というものの正体も「生き物のようで実際には生き物ではない存在」であるウイルスが主体となっているものが多く、ウイルスという存在自体はとても悪魔的でもあります。
それにくらべると、細菌(バクテリア)は我々と同じ「生き物」で、細菌もまたウイルスに「やられる」立場であるわけで、「神 vs 悪魔」の戦いになぞられれば、病気の世界は「生き物 vs 非生き物」の戦いだと言えそうです。
今回はまず実際問題として、私たち日本人にも脅威となりかねない中国の鳥インフルエンザの状況を記してみます。中国政府が上の記事のように、なかなか怪しい行動をとっていることもわかります。
致死率が 20パーセント台になっている中国の鳥インフルエンザ H7N9
最初に貼りました記事は 1月 27日の中国の報道で、「鳥インフルエンザの患者の治療にあたっていた医師が死亡した」というニセ情報を流したという理由で、男性が「逮捕」されたというニュースです。
この記事で逮捕された男性は、10日間勾留され、500元(日本円で約 8500円)の罰金の支払いを命じられ、釈放されたとのこと。この程度のことで逮捕にまで乗り出すというのは、中国当局が鳥インフルエンザの情報に敏感になっている状況が伺えます。
ただ、上の逮捕理由は多少怪しいのですね。
下のは上海市衛生当局の「公式」のウェブサイトで、 2014年 1月 20日の患者発生について記されています。
▲ 2014年1月20日の上海市衛生局の鳥インフルエンザの患者数報告ウェブサイトより。
上に示しましたように、医師とは書かれてはいませんが、「 31歳の医療関係者の男性が死亡」とあります。このことはブルームバーグでも報じられています。
なので、逮捕されてしまった男性の「ウワサ」は、「医療関係者を医師としてしまった」部分だけとなるのですかね。いずれにしても、このような「ウワサのレベル」の出来事を大きく報じるのはウワサの拡散への抑止効果を狙っているのかもしれません。
何しろ、現在までの今年の中国全土の患者数と死亡者は以下の通り。
▲ 2014年1月28日の人民網より。
患者数が 102人で、死亡者数 20人ということは、致死率が 20パーセント台となっていることがわかります。中国は鳥インフルエンザの治療に国家の威信をかけていると思いますので、国家の最高レベルの治療を受けてこの状態だと言っていいかと思います。
そして、これは多分ですが、実際の数字はもっと大きいはずです。なぜなら、患者が最も多い浙江省では、最初「1人」という報告が、あっという間に「 49人」となりましたので、1日単位で患者数や死亡者数は変動しているようです。報告も省によってはずさんな面もありそうですし。
ちなみに、その浙江省というところの状態を見ると、今回のインフルエンザの毒性の強さをうかがい知ることができます。 newsclip の「浙江省で H7N9 インフル猛威、患者数は累計49人に」という記事には下のようにあります。
中国沿海部の浙江省で、鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染が広がっている。
同省の衛生計画生育委員会は27日、「H7N9」感染の患者数について、これまでの累計で国内最多の49人に拡大したと発表。うち1人は健康回復後に退院したものの、12人が死亡し、36人がまだ入院治療を受けている実態を明らかにした。
49人のうち、12人の方が亡くなり、残る 37人のうち 36人はいまだに入院治療が続いているということで、これはつまり、現時点では完治した人は「たった1人だけ」という状態。
ここから考えても、この「 H7N9 」というインフルエンザは、感染力は弱いながら、非常に毒性の強いインフルエンザである可能性があります。
仮にこんなインフルエンザが、「強い感染力を獲得した」場合は、かなり大変なことになりますけれど、今のところは大丈夫のようです。
ちなみに、浙江省というのは大都市上海のすぐ近くです。
▲中国・浙江省の場所。
数億人の人々が移動する時期に
中国当局が情報に敏感になっているのは、今が、中国で最も大きなイベントである「旧正月」であることで、人々の移動がすでに始まっているということもあるかと思います。何しろ、旧正月で見込まれている移動数は下の通りの圧倒的なものです。
▲ 2014年1月16日の大紀元「旧正月の大移動が始まる のべ36億人超」より。
仮にこんな大規模な移動の中で、人から人へ容易に感染したりする種に「変異」した場合は・・・まあ、とても厄介なことになる可能性はあります。
ただ実は・・・人から人への感染は数は少ないながら、すでに起きているようなのです。
下は朝日新聞デジタルの記事からの抜粋です。
鳥インフル、人から「限定的な感染」 中国、警戒強める
朝日新聞デジタル 2014.01.28
中国で感染が拡大している鳥インフルエンザ(H7N9)で、中国国営新華社通信が27日、「浙江省で人から人への限定的な感染が起きている」と報じた。
これまで中国政府は、H7N9型の診療指針で、「限定的で、持続的ではない」との条件付きながら、「人から人への感染は排除しない」との見解を示すなど可能性については認めていたが、今回は発生そのものを認めた。
ウイルスが変異して、人から人へ感染しやすくなれば、世界的大流行(パンデミック)につながる恐れがある。東北大の押谷仁教授は「十分な警戒が必要だ」と強調している。
とのことです。
まあ・・・しかしですね。
浙江省の「 49人のうち 1人しかサバイバルしていない」という状況を見ると、どうやら治療はあまり効果がない可能性もありまして、仮にパンデミックになってしまったら、あとは「運」ですかね。
1918年のスペイン風邪(鳥インフルエンザのパンデミック)の時も、長崎大学名誉教授の松本慶蔵さんの書かれたこちらを読みますと、「全世界の2人に1人は感染して、4人に1人が発症した」とのことですが、「何がそれをわけたのか」はわからないです。免疫を持つ人は1人もいなかったのですから。
感染した人と感染しなかった人、あるいは、「発症した人と発症しなかった人」の差の理由はわからないです。
▲ 上のサイトより、南北戦争や世界大戦などの戦争での死者と、スペイン風邪での死者の数を比べたグラフ。スペイン風邪の死者数は、「第一次世界大戦と第二次世界大戦と朝鮮戦争とベトナム戦争を合わせた死者数をすべて足した」よりも多いことがわかります。
というわけで、鳥インフルエンザの記事はそんなに多く書くつもりではなかったのですが、何だか長くなってしまいました。
今回はもともと、カザフスタンで流行しているという「眠り病」の報道のことを書こうと思っていたのですが、中国の鳥インフルエンザは身近でもありまして、そちらを長く書きました。
カザフスタンの「眠り病」の記事の翻訳をご紹介しておきます。
「歩きながら突然眠ってしまう」カザフスタンの謎の病
▲ 2014年1月28日のロシアのメディア svodka より。
カザフスタンのアクモラ地域という場所にある小さな村で「突然、睡眠に落ちる」というような病気が流行していて、その原因がつかめないのだそうです。
「強い睡眠障害」というと、場所や状況を選ばず強い眠気の発作などが起きるナルコレプシーという病気を彷彿とさせますが、カザフスタンのは「感染症のように次々と人々がこの状態に陥る」ということで、ナルコレプシーのようなものとは関係ないようです。
しかも、感染症のようでも、「それぞれの患者に接触がない」ことがわかっているようです。
また空から何か病気がやってきたのかもしれないですし、他の原因なのかもしれませんが、短く記事をご紹介します。イタルタス通信の記事を短く紹介していたものです。
Una extraña enfermedad adormece a los habitantes de una aldea de Kazajistán
Entorno Inteligente 2014.01.27
奇妙な病気が、カザフスタンの村の住民を襲う
▲ カザフスタンの「眠り病」を伝える現地の KTK ニュース。YouTube より。
カザフスタンの小さな村の住民たちは、日中、突然深い眠りに入ってしまう奇妙な病気の流行に直面している。医師たちもこの不思議な現象を説明することができないでいる。
この病気にかかると、文字通り「人々は歩きながら眠りに落ちる」というような状態になることをロシアのタス通信は伝えている。
この疾患は、14歳から70歳までの、少なくとも十数人が、医療センターに赴き、それぞれが同じ症状を訴えたことが昨年から報告されている。それぞれに接触はなかったという。
主症状は脱力感、部分的な記憶喪失、強い眠気と意識障害などだ。
医師たちは、当初はインフルエンザや呼吸器系の疾患だと考えていたが、その後、それらの原因は否定された。また、アルコール、薬物、水質などの原因も排除されている。この村の近くには、ソ連時代に爆発したウラン鉱山があり、そこからの放射を考慮する必要を主張する医者もいる。
村人たちはこの奇妙な現象について非常に懸念しており、早期の保健当局の調査を求めている。
というものです。
原因は今のところはわからないということで、確かに奇妙な病気ですが、私がこの病気を取り上げたのは、単に奇妙というだけではなく、ある予言者の言葉を思い出したのでした。
思い出すタラビッチの言葉
過去記事の、
・私たちに残されたかすかな「破局の回避」の可能性のために(1): 「人類のひとりと宇宙は同一のもの」
2013年03月24日
という長い記事の最後のほうで 19世紀のセルビアの予言者であるミタール・タラビッチの予言を載せたことがあります。
▲ ミタール・タラビッチ( 1829 - 1899年)の写真。
その中に、
この戦争を戦う者たちは、科学者に命じて奇妙な大砲の弾を作らせる。それが爆発すると、人を殺すのではなく、まるで人間や動物に呪いをかけるようになる。その呪いで人々は戦うかわりに眠りに眠りこむ。
という奇妙な下りがあり、この「その呪いで人々は戦うかわりに眠りに眠りこむ」という部分を思い出しのでした。別に何かの関係があるわけではないでしょうが、参考までにこの部分の下りにいたるとこころから少し抜粋しておきます。
ミタール・タラビッチの「クレムナの予言」の後半
しかし、時はすでに遅い。悪意をもつものたちが全世界を荒らし回っており、巨大な数の人々が死に始めるからである。
人々は都市から逃げ出し、田舎に避難する。
人々は十字が三つ並んだ山を探す。
その中では人々は生きていくことができる。
その中に逃げ込んだものたちは、自分も家族も救うことができる。
しかし、それも長くは続かない。
なぜなら、次にものすごい飢饉が世界を襲うからだ。
この飢饉は通常の飢饉ではない。
町や村には十分に食べ物がある、だが、それらは汚染されている。
飢えた人々はそれを食べるが、食べると死んでしまう。
怒りくるったものたちによる攻撃が始まる。
戦争が始まるのだ。
この戦争を戦う者たちは、科学者に命じて奇妙な大砲の弾を作らせる。それが爆発すると、人を殺すのではなく、まるで人間や動物に呪いをかけるようになる。その呪いで人々は戦うかわりに眠りに眠りこむ。
三つの十字のある山に逃げ込んだ者たちだけが避難場所を見つけ、愛と幸福に満たされ、豊かに暮らすことができる。
そして、その後はもう戦争は起こらない。
百数十年前に上のようなことを言っていたミタール・タラビッチの予言のこの部分は、状況的な時間軸から見れば、現在あたりなのですよね。
そのことをふと思いました。
> 悪意をもつものたちが全世界を荒らし回っており
なんてのも、昨日「悪魔 vs キリスト教の戦いが世界中でエスカレートしている」を思い出したり。
いろいろとどうなりますかね。
書いていて、自分で不安に突入してしまう輪廻に陥ったりしたわたくしであります。