▲ 完全に水が干上がったカリフォルニア州にあるアルマデン貯水地。貯水地の底に沈んでいた車が水がなくなったことで姿を現したようです。 2014年2月1日の英国 BBC より。
アメリカは、本来暖かい南部で異常な寒波が続いていて、その一方で、西部では長く干ばつが続いています。そしても、その西部のカリフォルニアではついに「州に水を供給することができなくなった」ことが報じられています。そのことなどを少し書こうと思います。
その前に、先日、世界中のキリスト教関係者や関係施設などにいろいろなことが起きているというようなことをご紹介しました記事の、
・「悪魔 vs キリスト教」の戦いが世界中でエスカレートしている
2014年01月29日
と多少関係するような感じの出来事がありましたので、少しふれておきたいと思います。
巨大石が教会関係施設だけを直撃
先日の記事では、世界中のキリスト教関係者や関係施設などに、いろいろなことが起きているというようなことをご紹介しました。そんな中、 1月 29日に「イタリアで落石がカトリック教会の建物を破壊した」という報道が、わりと西欧では多く報道されました。
下のは英国のインディペンデントの報道です。
▲ 2014年1月29日の Independent より。
起きたのは 1月 21日のことで、スタリア北部のトラミンという場所で、崖から落ちてきた 4000立方メートルの大きさの巨大な丸岩がその建物を直撃したのでした。写真を見ますと、周囲にあまり建物のないこの場所で、その丸岩は「一直線にカトリック教会の建物に向かった」様子がわかります。
下がそれらの写真です。
この建物は教会そのものではないですが、 300年前からイタリアのカトリック教会が所有している歴史のある建物だったそうです。今回のことでこの建物は「廃墟」と化しました。
幸い怪我人は出ませんでしたが、さらに落石が起きる可能性があるとして、建物のある地域の人たちは避難しているとのことです。
教会関係は多少受難が続いています。
ということで、今回の本題はカリフォルニアの「給水停止」の報道です。
給水の停止でカリフォルニアで 2500万人の水が不足状態に
もともとカリフォルニアは昨年あたりから干ばつの状態がひどいことは伝えられ続けていました。それが今年になって、急速に悪化し続けていることも報道されていました。
たとえば、下は今年 1月 22日、つまり 10日ほど前のナショナルジオグラフィック・ニュースです。
▲ 2014年1月22日のナショナルジオグラフィック ニュースより。
上の記事には、
> カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は1月17日、水不足に関する非常事態を宣言し、20%の自主的節水を呼びかけた。
と記されているのですが、それから2週間後の 1月31日に、上の知事は「カリフォルニアは、州に対しての給水ができなくなった」と発表したということになります。
アメリカのタイムの記事から概要を記します。
California Shuts Major Water Supply as Drought Worsens
Time 2014.01.31
カリフォルニアは干ばつの悪化により主要な給水を停止した
歴史的な干ばつに見舞われている米カリフォルニア州の当局は、州最大の貯水システムであるステーツ・ウォーター・プロジェクト( The State Water Project )からの 2014年の水の供給を停止することを決定した。
ステーツ・ウォーター・プロジェクトの給水は54年の歴史があるが、その中で給水を停止したことは一度もない。
この決定により、州の約 3000平方キロメートルの範囲に住む住民たち 2500万人が、水の供給先を他に求めることを余儀なくされる。しかし、カリフォルニア州では他の主要な貯水施設のほとんどで、水量が平均を下回っているのが現状だ。
州当局は、いくつかの農業地区では、今後2ヶ月から4ヶ月後には農業用の水の備蓄がなくなると予測している。
カリフォルニア州はアメリカにおけるフルーツ、野菜などの生産量の半分を占めており、州経済への影響も懸念されている。
というもので、かなり深刻な感じなのですが、それにしても、確かにアメリカ合衆国は広いわけですが、それでも、南東部の「大雪での非常事態宣言」と、西部の「干ばつでの非常事態宣言」が同じ国で同じ時に起きているというのは、いかにも「荒れた時代」の感じがいたします。
下の写真はジョージア州のアトランタというふだんなら温暖な場所が、今はこんな様子ですしね。
▲ 凍りついた公園の噴水。アトランタ市内の公園。 Metro より。
アメリカ南部の寒波での非常事態宣言については、
・北極化の進むアメリカ : 南部でも寒波と暴風雪による非常事態宣言
地球の記録 2014年01月30日
という記事にも少し書いています。
ちなみに、カリフォルニアは「もうひとつの脅威」も抱えていまして、それは「豚インフルエンザ( H1N1 )の死者の急激な増加」です。
▲ 2014年1月31日のロサンゼルス・タイムズより。
この H1N1 というのは、2009年に WHO 世界保健機構が「パンデミック宣言」をしてオオゴトになったわりには、何となく沈静化したものですが、今年のほうが、はるかに死者が多く、さらに今年に入って、アメリカでは死者数が 50パーセント増加、メキシコではこちらの報道によると、322パーセント以上増加しているそうで、どちらの国も「パンデミック宣言の時より激しい死者数の増加」を見せているとのこと。
少し前の、「病気の時代」という記事のタイトルが頭をよぎります。
いずれにしましても、アメリカはいろいろと大変なようなのですけれど、ヨーロッパも大変です。
欧州も寒波や豪雨や洪水が入り乱れている
▲ 2014年2月1日の英国 ミラー より。
上の記事は昨日の英国のもので、英国全土の 152の地点で洪水警報が発令されているというものですが、これは今のニュースというより、英国で「最近ずっと続いている」ことなのです。
たとえば、下の報道は 1月 5日の英国ガーディアンの報道で、その時点で、「過去20年で最悪の洪水」という見出しとなっています。
▲ 2014年1月5日の BBC より。
これらは昨年から続いているもので、現在にいたるまで英国では過去最悪レベルの豪雨と洪水が続いているようです。こちらも近いうちに「過去 100年の中で」というような文字が見出しに乗る気配もあります。
干ばつにしても、洪水にしても、気象的には「このような理由でこうなった」と、わりとあっさり説明できるものかもしれないですが、過去にほとんどないような気候状況がこれだけ繰り返されているわけで、現地の人たちも困惑しているようです。
ちなみに、ヨーロッパの広範囲を見れば、「寒波の死者数」が非常に多くなっています。
▲ 2014年1月31日のデンマークのスピーゲルより。
他に、こちらの報道では、ポーランドでは最近の寒波で 26人が死亡し、昨年 11月からの寒波による死者が 50名を越えたことが報じられています。
また、ドイツ語のバルカンの報道メディアでは、バルカン半島で気温がマイナス 20度まで下がり 58名が死亡したことが伝えられています。
ちなみに、異常な寒波に見舞われているアメリカは、これまでの寒波が原因による死者はこちらの報道では 123名とのこと。
アメリカでは略奪も起きていることが、ドイツの報道で伝えられていました。
▲ 寒波による物資到達不足などもあり、アメリカでは略奪を受けているスーパーもあるようです。これはそういう中のひとつだそう。 2014年1月29日のドイツの RP Online より。
日本は今とても穏やかな気候が続いています。
欧米の人には悪いと思いつつも、「このままだといいいなあ」とも思います。
けれども、穏やかなままだとは素直に思うことができない面もあります。