つい先日、
・イエローストーンについての奇妙な報道、西之島を侵略する新島、そして異常な回数の地震・・・。あちこちから伝わってくる「カタストロフ的」な気配
2014年03月27日
というタイトルの記事で、3月26日の「ロシアの声」日本語版の報道にあった、「人類の破滅を招いた米イエローストーン、眠りから覚める」という、どこをどう探しても、そのような情報ソースが見当たらなかった記事をご紹介したことがありました。

▲ 2014年3月26日のロシアの声より。
ところが、それから4日後の昨日、本当に「ほんの少しだけ目覚めてしまった」ようなのです。
下は米国のロサンゼルス・タイムズの記事です。

▲ 2014年3月30日のロサンゼルス・タイムズの 4.8 earthquake is Yellowstone's largest in 34 years より。
イエローストーンでマグニチュード 4.8の規模の地震が発生したのです。
上の記事の内容です。
イエローストーンで過去 34年間で最大のマグニチュード 4.8 の地震が発生
3月30日の早朝、ワイオミング州北西のイエローストーン国立公園で、この地域の地震としては、この 34年間で最も強い地震が発生した。
ユタ大学地震観測ステーションによると、震源は、ノリス・ガイザー・ベイスン( Norris Geyser Basin )から北北東に 6.5キロの場所だった。
イエローストーン領域での地震活動は地質学的には珍しいことではない。世界最大の間欠泉を誇るこの公園の険しい土地は、何百万年もの火山活動で形成された。
ユタ大学によれば、イエローストーンでは、3月28日から小さな地震活動が始まっており、 25回以上の小さな地震が起きたという。
アメリカ地質調査所( USGS )は、マグニチュード 4.8の地震の後、「継続している地震活動以外の地質活動の兆候はない」と声明を発表し、そのため、警報などを出す必要はないと判断したと語った。
アメリカ地質調査所の調査チームは、地質変化や熱水系への影響を調査するために、震源に近い地域を訪問する予定となっている。
とのことで、「噴火と関係するような地震ではない」という声明だったようです。
アメリカ地質調査所のイエローストーン火山の警報レベルも正常です。

▲ アメリカ地質調査所 Current Alerts for U.S. Volcanoes YELLOWSTONE VOLCANO より。
ちなみに、 3月30日にイエローストーンで発生したマグニチュード 2.5以上の地震は以下のようになります。

▲ アメリカ地質調査所 Earthquake Hazards Program より。
すべて震源はイエローストーンで、上から、
マグニチュード 3.3 震源の深さ 6.0キロメートル
マグニチュード 3.1 震源の深さ 6.6キロメートル
マグニチュード 2.5 震源の深さ 7.7キロメートル
マグニチュード 3.1 震源の深さ 4.5キロメートル
マグニチュード 4.8 震源の深さ 6.8キロメートル
マグニチュード 3.0 震源の深さ 1.6キロメートル
となります。
確かに、イエローストーンで起きる地震としては、大きなものが多いという感じはします。
比較としては、今年2月の、
・アメリカを駆け巡るイエローストーンの噴火に関するウワサを当局自らが打ち消した日に思う「世界中が重複災害の星の下にある」事実
2014年02月07日
という記事の中で、2014年 1月 27日から 1月 31日の間に続けて起きていた群発地震の一覧を載せました。
以下の図です。

これだけ数多く地震が起きていたこの時にも、マグニチュード 2.5に達した地震はひとつもありませんでした。
なので、今回のイエローストーの地震は大きな感じはいたします。
今後の地震の行方が気になる方は、アメリカ地質調査所に、世界のリアルタイム地震表示ページがありますので、そちらをチェックしてみるのもいいかもしれません。
イエローストーンが噴火した場合、アメリカの3分の2は長い間、無人と化す
ちなみに、仮にイエローストーンが噴火した場合、どのくらいの規模に影響が及ぶのかということについては、
・想定よりはるかに巨大だったことがわかったイエローストーン。そして、サンアンドレアス断層での壊滅的な大地震の警告報道が相次ぐアメリカの未来
2013年12月13日
という過去記事で、影響の及ぶ範囲を図で示しています。

▲ 赤い線で範囲が示されていますが、それぞれ、イエローストーンの 63万年前の噴火と、 200万年前の噴火の噴煙や火砕流などの影響のあった範囲です。
それだけに、たびたび、アメリカでイエローストーンの噂が広がったり、報道になったりするのにはそのような理由があるのです。
「イエローストーンが噴火するとアメリカは国家として機能しなくなってしまう」と。
それに加えて、なんだか最近のアメリカは・・・地震が多い気がするんですよね。
異常というレベルではないのかもしれないけれど、なんとなく気になるアメリカの地震の多さ
イエローストーンでマグニチュード 4.8の地震が発生した前々日、カリフォルニアのロサンゼルス近くでマグニチュード 5.1の地震が発生したのですが、その後、「余震が 100回以上続いた」のです。

▲ 2014年3月30日の地球の記録 余震が 100回を越えた米国ロサンゼルスの地震は「サンアンドレアス断層」を刺激したかもしれないと専門家たちはいう より。
下は、アメリカとその周辺で、この1ヶ月間に発生した「マグニチュード 2.5 」以上の地震です。

▲ 2014年3月30日のアメリカ地質調査所 30 Days, Magnitude 2.5+ Worldwide より。
カリフォルニアは環太平洋火山帯に接している上に、多くの断層がありますので、地震が多く起きること自体は不思議ではないのですが、何となく「やや群発地震気味」のようになっているようにも見えます。
上の図にあるオクラホマ州の群発地震は、こちらの記事に、2014年 2月 13日からの1週間だけで、200回以上の地震が起きたことを示す下の図を載せました。

今回の3月の地震発生状況を見ると、オクラホマの群発地震はいまだに続いているようです。このオクラホマのあたりというのは、環太平洋火山帯とも関係なく、地震とは基本的に無縁の場所だと思われるのですが、こんなに地震だらけとなってしまっています。
そして、アメリカではないですので黒字で書いたのですが、ドミニカ共和国も何だかえらいたくさん地震が起きています。
「3」と「0」と「2011」という数字に反応してしまい
そういえば、地震といえば、昨日の記事、
・虚実が混合する「地震」の話
2014年03月30日
というものに、3月30日の地震のリスク、なんていうことを書いたりして、アメリカの地震予知サイトの下のような物騒な表を載せたりしてしまっていました。

その後、地震情報を確認してみますと、福島沖でマグニチュード 4.8の地震が起きていました。

▲ Yahoo! 天気・災害 地震情報 より。
福島沖でマグニチュード5程度の地震は比較的頻繁に起きますし、何より、日本は全体として地震の多い国ですので、当たっているいないは微妙ですが、それより、私はこの 3月 30日の Yahoo! 地震情報 を見ていて、「妙に気になる何かの部分」と感じていました。
それがふとわかったのです。
図の上にある日付けと時間の「数字」でした。

この数字の組み合わせから「 2011年 3月 11日」を自然と連想してしまっている自分がいたのでした。
それで何だか自分で妙な気分になってしまっていたようです。
ちなみに、どうでもいいことなんですが、そのアメリカの地震予測サイトの本日 3月 31日の日本の予測。

▲ 2014年3月30日の Quake Prediction Japan Earthquake Risk より。本日3月31日の日本各地の予測数値。
上のような感じでありました。
しかし、この曖昧な話題はいい加減にしておきますが、世界中で地質が不安定になっているということは、ほとんどの人たちが何となくではあっても、感じられていることなのではないでしょうか。
それが「爆発的な変化」となるのか、穏やかな変化となるのかはわからないにしても、地質は変わります。
そもそも、私たちが住んでいるこの大地そのものが「爆発的変化」で作られた場所なのですから。