2014年03月01日



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カオス化する2014年 : 地獄の業火に包まれ続けたウクライナと「プロビデンスの目」を結びつけるもの



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▲ ウクライナの 500フリヴニャ紙幣の裏面。







 


地獄の様相だったウクライナの暴動

最近政権が崩壊するまで続いていたウクライナの暴動は、その政治的な云々や経済的な損失のほうではなく、「見た目」として、ここ数年で最も過激なものでした。

実は1月はわりと毎日のようにウクライナの報道を見ていたのですが、どうして、見た目が過激だったかというと、「」なんですね。

デモ隊は、警察隊や治安部隊に対抗するために、タイヤに次々と火をつけて、その火の中から相手に投石や銃撃などの攻撃を繰り返していて、その光景は文字通りの「地獄」を思わせるものでした。

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▲ 2014年1月25日のニューヨーク・タイムズより。



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▲ 2014年1月24日の Boston.com より。


デモ隊も警官隊も、次々と衣服に火が燃え移り、中には自分に火が燃え移ったことに気づかずに投石を続けている人たちもいました。

燃え尽きた後には下のように廃墟化した街が広がります。

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▲ 2014年1月24日の Boston.com より。


上の写真では、右上にクリスマスツリーが見えます。

その横に倒れているピンク色をした人のような姿をしたものは、ディスプレー用のマネキンですので、ここは元はショッピング街だったのかもしれません。


現在もなお、ウクライナはとても緊迫しているようですが、これらのこととは別に私は過去記事に記した「あること」を思い出しました。ウクライナがこんなことになるとは思っていなかった昨年の12月の下の記事です。

とても驚いた「中国の猫の王様」の事実。そして、そこから見える「私たちの毎日はとても馬鹿にされているのかもしれない」と思わせる今の世界
 2013年12月06日

基本的には、中国の人民元に刻まれている一種ふざけたデザインの話でした。

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▲ 上記の記事より。




紙幣に「ピロビデンスの目」が描かれた国で

その記事で、他の国の紙幣もいくつかご紹介しているのですが、そこで、ウクライナの紙幣もご紹介しています。ウクライナで 2006年まで使われていた 500フリヴニャ紙幣です。

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▲ ウクライナの 500フリヴニャ紙幣。


単に目のデザインがしてあるというだけなんですが、これはドル紙幣などにも見られる「シンボル」として語られることの多い図柄でもあります。

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▲ 米国の1ドル紙幣。


この「目のシンボル」は、直接的には、秘密結社(あるいは友愛結社)のフリーメーソンのシンボルであることが広く知られています。このことについては、 Wikipedia にも、「フリーメイソンリーが用いるシンボルの一つ、プロビデンスの目」として下の図柄が紹介されています。

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また、下は、1796年に描かれた絵で、ボストンのユニオン・ロッジにあるもの。

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Richard Cassaro.com より。

上に目があり、その目の両サイドに「太陽と月」があります。この「太陽と月が同じ立場として並ぶ」という構図は、エメラルド・タブレットなどにも見られる、わりと古代からの普遍的なデザインではあるようです。

エメラルド・タブレット

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▲ 記事「エメラルド・タブレット 完全版(1)」より。



それにしても、「プロビデンスの目」と言われても私は何のことかわかりませんでしたので、こちらも Wikipedia を見てみますと、


プロビデンスの目とは、目を描いた意匠。プロビデンスはキリスト教の摂理という意味で、神の全能の目を意味する。

光背や、三位一体の象徴である三角形としばしば組み合わせて用いられる。




とのこと。

そういうこともあり、この「目のシンボル」自体は、たまにいわれる「悪魔的」なものとは一応違うというような歴史的な背景はありそうで、そのためか、わりと気楽にこのシンボルは使われています。



プロビデンスの目があしらわれたデザイン

ドイツのアーヘン大聖堂(文化遺産)

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アーヘン大聖堂 - Wikipedia より。



ポーランドのザモシチ・カトリック教会

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Satanism in Orthodox Catholicism より。



アメリカ合衆国の国章の裏面

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Great Seal of the United States より。


なお、アメリカは昔から国章にプロビデンスの目を好んで使っていたようで、下のは 1782年にデザインされたものです。

1782年のアメリカ合衆国の国章

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The Ancient Geometric Formula より。



米国ユタ州ソルトレイクシティのモルモン教寺院の入り口

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Secrets In Plain Sight より。


世界中の様々なもののデザインに、この「プロビデンスの目」が、国家、宗教の宗派などと関係なく、幅広く使われています。ですので、まあ、ウクライナの紙幣に描かれていたとしても、それほど奇異なことではないのかもしれませんけれど。


ちなみに、裏側にはプロビデンスの目が描かれているウクライナの 500フリヴニャ紙幣の表はどんなデザインかと申しますと、このようなものです。

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ふと、「ところで、この人物は誰なのだろう」と思いまして、調べてみましたら、この方は、ウクライナが誇る 18世紀の哲学者だそうです。

フルィホーリイ・スコヴォロダgregory-pans.gif )という人で、Wikipedia によりますと、


フルィホーリイ・スコヴォロダ(1722年12月3日 - 1794年11月9日)は、近世ウクライナの哲学者、文人、詩人。「ウクライナのソクラテス」と呼ばれる。ロシア帝国初の哲学者。



という人だそうです。

この人の哲学というのか思想はなかなか興味深いものだったようで、上記の Wikipedia には下のような記述があります。


スコヴォロダによれば、すべてのものは可視天性と不可視天性という2つ天性を有しているという。前者は人の目で見ることができるものの実存であるが、後者は人の目から隠されたものの本質である。

その本質を把握できる人間は、知欲のある者、人情の厚い者、現世と実在にとらわれない者のみである。そのような人間は、ものの本質を把握した上で、初めてものを正確に理解できるという。





また、著作も多数あるのですが、中には、『聖ミカエルと悪魔との論争』(1783年‐1788年)とか、『問答:蛇の大洪水』(1788年‐1791年)というような、ちょっと内容を知りたいようなタイトルの本もありました。


ちなみに、このスコヴォロダという人の墓石には、彼の遺言に従って


「現世が私を捕らえようとしたが、捕らえることはできなかった」


と刻まれているのだそう。

ちょっとカッコイイ台詞なので、私もお墓に入るような際には流用させていただこうかと。まあしかし、実は私は「お墓」という制度自体にもあまり好感は持っていないので、自分自身はそういうところに入りたくないのですけれどもね・・・。





また思い出す『薔薇十字の秘密のシンボル』のこと

ところで、「プロビデンスの目」を見ていて、ふと、「薔薇十字の秘密のシンボル」という書のことを思い出しました。

過去記事の、

エメラルドタブレット(2): 1785年の「薔薇十字の秘密のシンボル」の冒頭に出てくる数字
 2012年03月09日

などでご紹介したことがあります。

この「薔薇十字の秘密のシンボル」は 1785年から 1788年にかけて配布されたもので、後に、神秘思想家のルドルフ・シュタイナーが「この書は、封印されてきた薔薇十字の秘密のシンボルを解き明かすものだ」と語ったと言われています。

そして、この書の中にも「三角の中に目がある」という図柄はいくつか描かれています。

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上のようなイラストも、よく見ると、図の下の方は何だか「目だらけ」となっていたりします。

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また、下のように「三角の中に目が描かれている」というものもあります。

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この『薔薇十字の秘密のシンボル』は、今でもたまに眺めたりしています。

元本はウィスコンシン大学に所蔵されていますが、インターネットですべてのページが公開されていますので、どなたでも、ダウンロードできます。ドイツ語のサイトですが、「Die geheimen Figuren der Rosenkreuzer (薔薇十字の秘密のシンボル)」というページの一番下の Weblinks というところからダウンロードできます。

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全部で 102ページのなかなかの大著ですが、イラストの部分は見ていて飽きないです。

まあ、フリーメーソンにしても、薔薇十字団にしても、私はそれぞれの本質的な性質や存在理由をよく知らないですが、それぞれに、「秘密に伝承されてきている何らかのこと」はたくさんあるのだと思います。

なので、実生活の中で建造物や、あるいは紙幣やコインなどに多用される「プロビデンスの目」にも、それが使われる何らかの意味はあるのでしょうけれど、その意味は何なのでしょうかね。





  
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