2014年05月01日



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数十トンの岩石で厳重に隠されたエジプトの墓の謎の部屋で見つかった「最古のイエス像」。そして IE とかゾンビ PC の長い余談



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▲ 2014年4月30日の英国インディペンデント 'One of the earliest images of Jesus' unearthed in Egyptian tomb より。






 


エジプトの6世紀の墓から、「最古のイエス像のひとつと思われる壁画」が見つかったということが英国を中心に報道されていました。それが上の写真の壁画なんですが、ちょっと思うところもあったので、その報道をご紹介したい思います。

その前に、またセキュリティの話で申し訳ないんですが、やはり、最近は「関係ないこと」だとは言えない部分が日本でも起きている可能性がありますので、書いておきたいと思います。




日本で増えているゾンビ PC とセキュリティ危機の増加の関係


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▲ 2014年4月30日の東洋経済オンライン「マイクロソフト「IE」の脆弱性に世界震撼」より。


昨日のお知らせの記事に少し書きました、ウインドウズの閲覧ソフト「インターネット・エクスプローラー」(以下、 IE )にヤバめの安全性に関する脆弱性の問題が発見されたことについては、予想以上に問題が大きいようで、上の東洋経済オンラインの記事には、


実際にアメリカ金融機関への攻撃も確認される




最善の方法は、IEを使わないこと。しかし、現実問題としてIEでしか正常に動作しないアプリケーションを抱えている企業も多い



などの文字が並びます。

確かにインターネット上のサービスなどで IE でしか動作しないものはわりと多そうです。

しかし、今回のものは、「結構重いセキュリティ問題」だと思いますので、とにかく IE を極力使わないことに尽きると思います。特に企業では。

それでも使い続ける必要がある場合、対策が CNET Japan の「Internet Explorerの脆弱性、日本人ユーザーが対策ソフト公開」という記事に書かれていますが、決して簡単とは言い難い上に、ウインドウズの機能そのものに支障が出る可能性もありますので、やはり IE を使わないのが一番の対策ではないかと思います。


それにしても、最近は急速に「重大なセキュリティ脅威」が増えています。

比較的最近の記事の、

インターネット史上最悪で、かつ破局的なセキュリティ危機が発覚。個人情報からカード番号、バスワードまですべて流出する可能性が内在する欠陥の存在が明らかに
 2014年04月12日

だとか、昨年は、

アメリカ国土安全保障省と日本のセキュリティ機関が同時に出した深刻な PC のセキュリティ警告
 2013年01月13日

という記事で、 Java という、インターネットではきわめてよく使われているプログラムにセキュリティー問題が存在していることを記しました。この時にも、米国土安全保障省が使用を控えるよう警告を出しています。


そして、何より、こういうセキュリティ関係の記事を最近多く書く理由は、日本を含めた多くの人たちのパソコンの一部は、すでに「敵の手に落ちている」と感じるからです。

簡単にいうと、「知らない間にあなたのパソコンが乗っ取られているかもしれない」ということです。

それは、たとえば、最近の、

スパム送信国ワースト12で日本が初のランクイン
 ITmedia エンタープライズ 2014年4月21日

という報道で、2014年1〜3月期の「スパム(悪質な迷惑メール)の送信元になっている送信国ワースト12」で、下のように、日本は、アメリカ、スペイン、ロシア、イタリア、中国、ドイツに続いて7位にランクインしています。

s7-japan.gif


しかし、これは「犯罪者が増えたということではなく、乗っ取られているパソコンが増えた」と考えるほうが妥当なような気がします。

上の記事にも以下のようにあります。


なお、「自分の国がランクインしても、あなたの国の人がスパムを送り続けていると決まったわけではない」とセキュリティ企業の英Sophos社は解説。

スパム配信はマルウェアに感染した「ゾンビPC」によって行われることが多く、サイバー犯罪者は第三者のコンピュータを「ゾンビPC」として遠隔操作し、スパムを配信している。

上位に初めてランクインした日本やフランスでは、「ゾンビPC」が増加している可能性の高いことも示唆している。




ここに出てくる「ゾンビ PC 」というのは、


ウイルスに感染したり、不正侵入者に遠隔操作ソフトを仕掛けられたまま、ユーザがそのことに気付かずに放置されているパソコン。( IT 用語辞典 より)



のことで、そのように「実質乗っ取られているパソコンが日本では増えている」という可能性があること上のグラフは示唆しています。

使っている本人が気づかずに、そのパソコンから「世界中に悪質な迷惑メールが送信され続けている」というようなことが数多く起きているかもしれないというのが現実です。

そして、ゾンビ PC は、さらに多数にウイルスなどを拡散させていくので、映画に出てくるゾンビと同じように、「波状的に増えていく」ということにもなります。

とはいえ、今後はタブレットやスマートフォンが主要なターゲットになりそうです。
というより、すでになっているようです。

android-01.jpg

インターネット・セキュリティ・ナレッジより。


今は技術の進歩が早いですが、「良い方も悪い方も早い」です。
そして、「悪い方が実行速度が早い」という見方もできます。

セキュリティをある程度気にするということは、自分だけの問題ではなく、社会全体とも関連することだと思います。もちろん最も重要なのはご自身のセキュリティのためですので、重大なセキュリティ情報が発信された場合は、気にされるのもよろしいかと思います。

ということで、長くなってしまって、どちらが本題かよくわからない感じとなってしまいましたが、ここから「エジプトの古代のキリスト像」についての記事です。





古代のイエス像はむしろ新鮮で

最近、またイエス・キリストに関しての話題をよく目にしますが、今回のものは、冒頭に貼りましたように、エジプトの6世紀の墓で、「最古のイエス像のひとつ」と考えられる絵画が発見されたというものです。

発掘されたのは、エジプトのオクシリンコスという遺跡で、ここは Wikipedia によりますと、


エジプトで最も重要な遺跡の1つと言われている。20世紀にはオクシリンコスで継続的な発掘調査が行われ、プトレマイオス朝からローマ属州時代のパピルスが大量に見つかっている。

オクシリンコスで見つかった文書の中には、メナンドロスの戯曲、「トマスによる福音書」の断片、初期のキリスト教徒に関する文書などがある。




という遺跡とのこと。

oxyrhynchos_map.gif

▲ オクシリンコスの場所。


今回、発掘された墓の構造はかなり謎に満ちている構造だそうで、発見された「部屋」は頑丈に隠されていて、なんと「 45トンの岩」で隠されていたのだそう。そして、他にも隠されている部屋が存在しているとのこでした。

下は、デイリーメールに掲載されていたもので、その墓から見つかった、その絵を描くための道具(埋葬されていた人のものらしいですが、そのあたりはやや不明)や、他の絵の写真もありました。

tool-egypt.jpg


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▲ 2014年4月30日の Daily Mail Egypt dig unearths 'early image of Jesus' in a mysterious underground tomb より。下のほうの絵の写真には、「死後の世界への扉?」というようなキャプションがつけられていました。


パーツで見ると、なかなか興味深い壁画でもあります。
ホルスの目(ラーの目)も描かれています。

rar-03.jpg


ホルスの目に関しては、以前、「脳との比較の図」なんかを記した記事もありました。

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▲ 2013年1月29日の記事「あらゆる手段で「光」を求める生命: フンコロガシの行動、松果体の意味、そして「太陽神の目」の実体」より。


でまあ・・・どうしてこの「最古のイエス像」の報道が気になったかというと、いろいろとあるのですが、たとえば、その穏やかな表情。

old-god.jpg



これを見ていると、どうも、2012年に生まれた方を思い出します。

modern-gods.jpg

▲ 2012年8月27日の記事「2012年にスペインで生まれた「新しいキリスト像」の価値観が瞬く間に世界を席巻」より。



まあ、それはともかくとしても・・・45トンの岩で隠すほどの、つまり「決してこの部屋を開けないでほしい」として作られたものを開けちゃっていいのかなあとも思いますが・・・。

これが「パンドラ的な部屋」ではありませんように。

冒頭のインディペンデントの記事を翻訳しておきたいと思います。




'One of the earliest images of Jesus' unearthed in Egyptian tomb
Independent 2014.04.30


エジプトの墓で「イエス・キリストの最も初期の絵のひとつ」が発掘される


カタロニアの考古学者のチームは古代エジプトの墓に埋蔵されたイエス・キリストの最も初期の絵画の一つを発掘したと確信している。

バルセロナ大学の専門家たちは、司祭のための休憩所として使われていた可能性がある古代エジプトのオクシリンコス遺跡で地下の構造体を発見した。

ここは 45トン以上の重さの岩石で隠されていた部屋で、ここに到達するために、この巨大な岩を移動しなければならなかった。今回見つかった部屋の近くに、別の正体不明の構造体があり、現在調査中だ。

部屋の中に入った際、チームは、壁に描かれた5つから6つの絵画を発見した。初期のキリスト教徒たちがいたコプト時代のものだ。

地下構造も伝えられるコプト時代の絵画であや取られており、そこにあった壁画のひとつが、イエス・キリストの最も初期の表現物である可能性がある。

遠征を率いたバルセロナ大学名誉教授である研究チームのジョセップ・パドロ( Josep Padro )博士は、この絵について、

「短いチュニック(長めの上着)を着用した巻き毛の若い男性が、祝福を与えているかのように手を上げている」と地元紙に語った。

そして、

「私たちは、イエス・キリストの非常に初期の絵と関係することができた」と博士は付け加えた。

チームは現在、絵の周辺に刻まれている碑文の翻訳に取り組んでいる。