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2014年10月31日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




人類は本当に「ヴァン・アレン帯を通過して月に行ったことがあるのだろうか?」という疑問を各地で噴出させている NASA の次世代宇宙船オリオンのミッション



新型宇宙船オリオンのミッションの説明から湧き出る疑念

今年の 12月に NASA は、オリオンという有人宇宙ミッション用の宇宙船のテスト発射をおこないます。テスト飛行は「無人」でおこなわれます。

下のような形のものです。

orion.jpg
SORAE


このことについては、すでに日本でも報道されています。

アポロ似の次世代宇宙船「オリオン」公開 NASA、12月に初飛行
産経ニュース 2014.09.12

12月に初の無人飛行に挑む米航空宇宙局(NASA)の次世代宇宙船「オリオン」の試験機が11日、米フロリダ州のケネディ宇宙センターで報道関係者に公開された。

オリオンは2020年代以降に火星や小惑星への有人飛行実現を目指しNASAが開発中の4人乗り宇宙船。12月4日に予定する試験飛行では飛行士を乗せずにデルタ4ロケットで打ち上げ、地球を2周し太平洋に帰還する計画。

NASA は 10月初旬に、このオリオンについての説明動画を YouTube にアップしました。

しかし、これを見ているうちに、私もそうなんですが、多くの人が、

「?」

と思うような説明がクライマックス的に取り上げられていることに気づきます。

それは、下のような説明と共に語られる部分です。

van-allens-1.gif


ヴァン・アレン帯とありますが、NASA のこのビデオに登場する人は、「ヴァン・アレン帯がいかに危険なエリアで、そこを2度(行く時に通過して、戻ってくる時も通過するという意味)も通過することが今回の飛行の中でどれだけ重大なことか」ということを熱弁します。

この NASA のビデオは YouTube の、

Orion: Trial By Fire

にあり、3分ほどのものですが、その中からその「ヴァン・アレン帯についての説明」の部分をピックアップします。字幕をつけたかったのですが、時間的に余裕がなく、英語のままですが、内容は上記しましたように、

「放射線の多い危険なヴァン・アレン帯を通過することがいかに重大か」

ということについて語っているもので、音楽も含めての「盛り上がり方」をご覧頂きたいと思いました。音楽もオリジナルのままで手は一切加えていません。




この NASA の方がかなり熱く「ヴァン・アレン帯の通過ミッション」を語っているということがおわかりかと思います。

この熱弁ぶりを見ますと、今回の無人テスト飛行の重要なミッションのひとつに、「危険なヴァン・アレン帯による宇宙船の機器へのダメージの度合いを確かめる」というものがあると考えても不自然ではない気がします。

それはそれでいいのですが……何となく違和感を感じていました。

そして、その違和感は、このビデオのコメント欄のトップにあるコメント(つまり、最も評価の高いコメント)を書いた人の持つ違和感と同じものでした。

comment-nasa.gif

このビデオを見た後、私は、これまで月へのすべての有人飛行が果たして本当にあったのだろうか、と本気で疑ってしまった。

ここにあるようなテクノロジーが、1950年代や 1960年代にあったとは私にはどうしても信じられない。そして、1969年の月面着陸時の時にも。

この NASA のビデオは、宇宙船にヴァン・アレン帯を通過させて地球に戻ってくることが非常に重大で深刻なミッションであることを語っているが、1960年代にこのような高度な技術やコンピュータが存在していたわけがない。

「なるほど……」と私もちょっと同調しそうになりました。

しかし、この意見に完全に同調してしまいますと、

「これまでヴァン・アレン帯をこえて宇宙に行った人類はいない」

という類の話を肯定してしてしまうようなことになってしまい、つまり「月にさえ誰も行っていない」というような、極端な陰謀論者扱いをされかねませんので、まあ、一応は「そう思わざるを得ない部分もないではないというように思わないでもないという部分も少しある」という程度にしておきたいです(ああ、まどろっこしい)。

個々の説明をしておきますと、ヴァン・アレン帯というのは、 Wikipedia から抜粋しますと、

ヴァン・アレン帯とは地球の磁場にとらえられた、陽子、電子からなる放射線帯。

です。

Van_Allen.jpg
・オリジナル図版はWikipedia


さらに Wikipedia には「ヴァン・アレン帯と宇宙飛行」という項目があり、

過去には、宇宙船でヴァン・アレン帯を通過すると人体に悪影響があり、危険だとされていたが、今では通過時間がわずかであり、宇宙船、宇宙服による遮蔽や防護が可能なことから、ほとんど問題はないと言われている。

とあります。

ここにあるように、すでに現在の宇宙科学技術では、

> ほとんど問題はないと言われている。

というにも関わらず、上の NASA のビデオでは、

ヴァン・アレン帯を通過させて地球に戻ってくることは非常に重大なミッションである。

というように見てとれるのです。

要するに感じたことというのは、すでに過去に確立して、今ではなんともないテクノロジーならこんなに力説しないのでは? という単純な疑問なのです。

そして、もうひとつの気になる理由としては、アポロ計画陰謀論でも、この「ヴァン・アレン帯」について論争のネタとなっていたことがあるということもあります。



ヴァン・アレン帯「通過不可能」論は本当に過去の仮説なのか

「アポロ計画陰謀論」については今ではそのことを知らない人の方が少ないと思いますが、アポロ計画陰謀論 - Wikipedia の中に数多く羅列されている「捏造派の主張」と「それに対する反論」のリストの一覧の中に以下があります。

捏造派の主張

月へ往復する際、ヴァン・アレン帯(1958年発見)と呼ばれる放射線帯を通過する必要があるが、1960年代の技術でそれを防げたのか。

それに対する反論

ヴァン・アレン帯の成分は陽子と電子である。かつては確かに放射線が宇宙飛行士へ障害を及ぼすのではないかと思われた時期があったが、その通過時間が短いことや、宇宙船および宇宙服でほとんどが遮断できるため、大きな問題とはならない。

ということで、現在では、この「ヴァン・アレン帯通過不可能論」は 1960年代に立てられた仮説であり、実際には人体にも機器にも影響はないというのが現在の説の主流となっています。

そんな 50年も前に確立していた技術に関して、2014年の現在、 「何と、オリオンはヴァン・アレン帯を2度も通過して地球に帰還するのです」と、さきほどのように力説している。


今回のオリオンは「無人テスト飛行」ですので、NASA のビデオでそのテクノロジーを喧伝しているのは、人間への影響ではなく、「機材への影響」だと思われます。

ヴァン・アレン帯の成分は陽子と電子だそうですが、これらはいわゆる「放射線」のわけですが、それらは生物への影響はともかく、機器にどんな影響を与えるのかというと、放射線 - Wikipedia によりますと、

放射線は生物だけでなくコンピューターにとっても有害であり、コンピューターは放射線を浴びることによってソフトウェアがエラーを起こしたり、半導体としての機能が失われたりする。人工衛星は宇宙空間で被爆することを前提として高い放射線耐性のあるシステムで作られている。

ということですが、ヴァン・アレン帯は二重構造(時に三重構造)となっていて、その構造をもう少し詳しく書きますと、下のようになるようです。

van-iss.gif


二重構造のうちの内側の帯(上で赤く示された部分)は赤道上高度 2,000〜 5,000キロメートルに位置して、外側の帯は 10,000〜 20,000キロメートルに位置する帯(上でグレーで示された部分)となります。

長期滞在クルーが搭乗している ISS (国際宇宙ステーション)は、地球から 350〜 400 キロメートルの高度を軌道周回しているので、ヴァン・アレン帯よりはるかに低い場所を飛行しているため、ヴァン・アレン帯の影響は受けないようです(それでも搭乗員たちは相当量の放射線を浴びています)。

NASA のオリオンは、「放射線の海」ともいえそうなヴァン・アレン帯の中を突っ切っていくわけですが、しかし、今から 46年前にはアポロ8号が3人の宇宙飛行士を乗せて、つまり有人飛行で、「人類初めての月周回飛行」をおこなって地球に帰還しています。

アポロ8号が撮影した「月面から見た地球」

NASA-Apollo8-Dec24-Earthrise.jpg


月へ行くには、ヴァン・アレン帯を突き抜けていくしかないわけですが、アポロ8号 - Wikipedia によりますと、

アポロ8号の乗組員たちは、ヴァン・アレン帯を通過した初めての人類となった。

科学者たちはヴァン・アレン帯を宇宙船が最高速で急速に通過すると、胸部撮影のレントゲン写真で浴びるのと同程度の 1ミリグレイ程度のX線を被曝するのではないかと予想していた (人間が1年間で浴びる放射線は、平均で2から3ミリグレイ)。計画終了までに彼らが浴びた放射線量は、平均して1.6ミリグレイであった。

と、放射線を浴びつつも、機体にも人体にも致命的なダメージはなかったようです。

そのように、50年近くも前に「大した問題はなかった」ことが確認されているヴァン・アレン帯通過のミッションを、それから随分と科学技術も進んだ今となって、その重要性を力説している。

それが不思議だな、と思ったのです。

人類が月に行ったかどうかということに関しては、アポロ 15号の撮影した月面の光景と、日本の月周回衛星「かぐや」が撮影した月面の写真の同じ場所での地形の一致が確認されていることなどから、すべてのアポロかどうかはともかくとして、「月に行った」ということは間違いない……と私は思っているのですが……。

アポロ15号が月面着陸した場所から撮影した写真(1971年7月)

apollo15a-landing23.jpg


月周回衛星「かぐや」が撮影した月面(2008年7月)

kaguya-selene2.jpg
Univers Today


このように、確認が取れてはいるのですが……しかし。



宇宙探検は夢やロマン以上にはならない?

先日の記事の、

人類は宇宙へは行けないし、異星人たちも地球には来られないことを悟る中、人々から「神の存在が消えていっている」ことも知る
 2014年10月29日

で書きましたが、ヴァン・アレン帯よりはるかに低い高度で宇宙活動をしている国際宇宙ステーションの搭乗員たちでさえ、JAXA によりますと、

> 乗務員の1日の被ばく線量は地球上での約6ヶ月分に相当する。

わけで、ヴァン・アレン帯を無事に通過したとしても、その先に拡がるのは、国際宇宙ステーションが受けているよりはるかに強力な宇宙放射線が飛び交う宇宙空間です。

宇宙船の中にいるだけでも、相当な放射線を浴びることは避けようがないと思われます。

まして、「月面に降り立ち、調査をおこなう」というのは、そんな中を、つまり、ほとんどストレートにも近い宇宙放射線の中を宇宙服だけで船外活動を行う……ということが、どれだけ人体にダメージを与えることなのか。

今回のことを調べていた時に、そこに書かれてあることが正しいのかどうかはわからないですが、ゼンマイ仕掛けの祈祷師という記事に下のような記述がありました。

太陽風は秒速350km〜700km、で、密度は1立方センチあたり数個から数十個の電子陽子でできています。

つまり、ベータ線感知のガイガーカウンターを、月面や地球の磁気圏外に置くと、CPM(1分間のカウント数)は、数億から数百億になります。

そして、単なる放射性物質由来の電子よりも、高エネルギーを持つ太陽から排出された電子なわけで(中略)

毎時、毎分かどうかさえ、もう関係ない数値です。
そんな環境下をクリアできる装備など、昔はもちろん、今でさえありません。

そんな太陽風(フレア)が頻繁に吹き荒れる太陽活動の極大期に、アポロはぺらぺらのアルミの舟でヴァンアレン帯を抜け、磁気圏外であるために太陽風はもちろん、その放射線にさらされつづけた月面の地面の上で、ゴルフボールをスライスさせて喜んでいたわけです。

よくはわからないですけれど、月の表面は「人間が即死するレベルの放射線が飛び交う場所」という意見もあるようです。

しかし、確かに冷静に考えれば、月面の放射線量を想像してみますと、

「月面で船外活動しなさい」

というのは、普通に考えれば、

「宇宙放射線で死になさい」

と言っているのと等しいものなのかもしれないなあ……と思いつつも、それでも、アポロはちゃんと月に行って戻ってきている。


うーん……。このあたりが考えの限界ですね。


あるいはこう考えて自分を落ち着かせる。

「これはきっと夢やロマンの世界なんだ」

そして、

「現実的に考えていけない世界なんだ」

と。

いずれにしましても、先日の記事「人類は宇宙へは行けないし…」では、火星までの放射線量によって人間は火星まで到達することも難しいという最近の研究結果について書いたりしました。

けれども、アポロ計画から 50年ほど経った 2014年の現在もなお、「月よりも近い場所での無人飛行テスト」がおこなわれているという事実は、宇宙に対しての夢やロマンは想像以上に小さなものなのかもしれないです。


ところで、上に記したアポロ8号についての Wikipeida には以下のような不思議な記述があります。

作家のアーサー・C・クラークは著書「2001年宇宙の旅」の2000年版の序文の中で、アポロ8号の飛行士たちが彼に対し「自分たちはずっと巨大なモノリスの発見を無線で伝えようとしていたのだが、理性のほうがまさったのだ」と語ったと述べている。

何が真実で何が真実でないのやら、いろいろとわからないですが、次元やら空間やらが違った世界で起きていることなのかもしれないと観念してみたり。


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2014年10月30日



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pope-god-top5.gif

▲ 2014年10月29日の米国 CTV News より。



「神は万能でも創造主でもない」と演説で語ったフランシスコ法王

タイムリーというか、昨日、

人類は宇宙へは行けないし、異星人たちも地球には来られないことを悟る中、人々から「神の存在が消えていっている」ことも知る
 2014年10月29日

という記事を書かせていたただきまして、そこに、

> 「この世から神という概念を消したいと考えている存在」

という文を書いたのですが、上の記事を書いた後、海外で一斉に冒頭のフランシスコ法王の演説についてのニュースが流れました。

10月 27日、フランシスコ法王は公式な演説で、その内容を簡単に書けば、

「神による天地創造はなかった」と述べた

のでした。

下の写真は、YouTube にアップされた ODN ニュースの映像からです。

pope-speech.jpg
ODN

ニュースで映っている部分では、法王は以下のように述べています。

世界は、何か他に起源を持つようなカオス(混沌)の中から始まったのではありません。しかし、愛から作られた至高の原則を直接的に派生させます。

現在では世界の始まりとされているビッグバン理論は、神の創造的な介入と矛盾するものではありません。逆に創造論はビッグバンを必要としているのです。

自然の進化論は、神による創造の概念の逆にあるものではありません。なぜなら、進化論には「生物の創造」が必要とされるからです。

この 11月 27日の演説原稿の全文がバチカンのウェブサイトにイタリア語で掲載されているのですが、そこには以下のような下りがあり、それが冒頭の記事の「神は魔法の杖を…」というタイトルにつながっているようです。

f-pope.jpg私たちが聖書の創世記の記述を読む時には、神が魔術師であったかのような錯覚や妄想に陥る危険があります。それはまるで、神が魔法の杖ですべてのものを造り出したかのような妄想です。

しかし、それは正しくありません。

創造は、何千年、何千年といったように何世紀にもわたって続いて、現在に至っているのです。

なぜなら、神は創造者でもないし魔法使いでもありませんが、すべての存在に生命を与えた創造主だからです。

とあります。

最後の「なぜなら神は創造者でもないし…」からの下りの文章は、訳が何だか日本語が妙な感じとなっているのですが、これ以上どうもわからないです。

原文のイタリア語で、

proprio perché Dio non è un demiurgo o un mago, ma il Creatore che dà l’essere a tutti gli enti.

となっていて、英語にすると、

because God is not a creator or a wizard, but the Creator who gives being to all entities.

となります。

「a creator ではないけど the Creator ではある」の部分がうまく日本語にできませんでした。

いずれにしても、全般としては「神がすべてをお造りになったのではない」というニュアンスのものであり、これは西欧社会では驚くべき法王の発言としてとらえられた部分もあったようで、しかし、一方では VOR の報道にある、

この法王の声明は、天地創造の偽科学的コンセプトに終止符を打ち、この世と人類は唯一の創造主によって作られたという理論を終わらせるもの

だとしているメディアも多いようです。

どちらにしても、

「この世と人類は唯一の創造主によって作られたという理論を終わらせるもの」

というのは、事実上、聖書の記述と「神による天地創造」を否定するということになり、そういう意味では、ついに現れた「創造主としての神」の最大の敵は、何ということか、その象徴であるバチカンのボスだったということになったようです。

ここにきて、過去記事でもたまにご紹介していました「バチカンの受難の流れ」というものが顕著になってきている気がします。



「最後の法王」ベネディクト16世辞任後のバチカンの受難

昨年書きました、

最後の法王と呼ばれ続けたベネディクト16世(1): 聖マラキの予言とコナン・ドイルの未来感の時間軸
 2013年02月13日

では、1148年に死去したアイルランドのマラキという聖職者が記したと言われる「聖マラキの預言」、正式には「全ての教皇に関する大司教聖マラキの預言」という書のことを取りあげました。

この預言書は、1143年に即位した 165代ローマ教皇ケレスティヌス2世以降の 112人の歴代教皇についての預言書となっているのですが、この預言書では、最後の法王は前代のベネディクト16世となっているのでした。とはいえ、 Wikipedia によりますと、この聖マラキの預言書は、

実際には1590年に作成された偽書と見なすのがほぼ定説となっている。

とありまして、「ニセの書」とされているわけですが、その「ニセの書」の内容の「最後の教皇」に関するくだりは以下の通りです。

「全ての教皇に関する大司教聖マラキの預言」より 111番目の教皇

111.オリーブの栄光 - ベネディクト16世(2005 - 2013年)

ローマ聖教会への極限の迫害の中で着座するだろう。
ローマ人ペトロ 、彼は様々な苦難の中で羊たちを司牧するだろう。そして、7つの丘の町は崩壊し、恐るべき審判が人々に下る。終わり。


Prophetia.gif
・聖マラキの預言の一部


そんな最後の法王とされたベネディクト16世は 2013年 2月 11日に自らの意志で退位を発表します。この「自らの意志」での退位というのは大変に珍しく、1294年のケレスティヌス5世という法王以来だそうで、実に 719年ぶりの「自由意志による辞任」でした。

ベネディクト16世はラテン語で辞任の宣言を行いましたが、その出だしは次のようなものでした。

多くの急激な変化を伴い、信仰生活にとって深刻な意味をもつ問題に揺るがされている現代世界にあって、聖ペトロの船を統治し、福音を告げ知らせるには、肉体と精神の力がともに必要です。この力が最近の数か月に衰え、わたしにゆだねられた奉仕職を適切に果たすことができないと自覚するまでになりました。

そして、719年ぶりの「自由意志によるローマ教皇職の辞任」を宣言します。

ベネディクト16世の辞任の2日後の 2013年 2月 13日、バチカンの聖ピエトロ大聖堂の屋根には何度も何度も雷が落ちました

2012-02-13-thunder-78.jpg
YouTube


それでも、「 111人目(第 265代)のローマ教皇で終わり」とした聖マラキの預言は外れ、「聖マラキの預言には存在しない」112人目(第 266代)のローマ法王が無事に誕生します。

それがフランシスコ法王です。

その後、フランシスコ法王就任後の 2014年 1月 27日には、法王が子どもたちと共に聖ピエトロ大聖堂から放った平和を象徴する白いカラスが、直後にカラスに襲われて食べられてしまうという出来事が起きました。

dove-attack-05.jpg
▲ 2014年1月29日の記事「悪魔 vs キリスト教の戦いが世界中でエスカレートしている」より。


また、フランシスコ法王とは関係ないですが、2014年 1月 25日には、第 264代ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の「血」が盗難されるという出来事が起こります。

sague-3.gif
La Stampa


その他にも、様々なバチカンの受難的な出来事があったわけですが、今回、「バチカンのトップがカトリックの神の創造を否定する」という、誰の受難だかわからないですが、とにかく「受難は最終段階に入った」のかもしれません。

ところで、「宗教と進化論」とか、あるいは「神と天地創造」というようなことはどのような関係になっているのかということを少し書いておきたいと思います。




この世や生命はどのように生まれ、そして何が「進化」したのか

ビッグバンに関しては、過去に何度も記事にしていまして、最近は「ビッグバン疲れ」というような感じもありますが、ビッグバンに関しての「最大の矛盾」は、計算だとか証拠の問題の以前として、ビッグバンを理論的に発展させたことに貢献した科学者の言葉そのものにあらわれています。

過去記事の、

煙と消えゆくビッグバン理論。そして名誉・賞・資金の獲得への過当競争の中で「科学の意味」を見失いつつある科学界
 2014年06月22日

に書きました、初期宇宙のインフレーション理論を提唱したアメリカのアラン・グースという宇宙物理学者がいます。この人はビッグバン理論の発展に寄与した人なんですが、自著の『なぜビッグバンは起こったのか』に書いた下の1ラインが疑問のすべてを物語っていると思います。

「宇宙の創造が量子過程で記述できれば、一つの深い謎が残る。何が物理法則を決定したのか」

ここで彼が書きたかったと思われることは、ビッグバンという宇宙創造が物理的にあらわされるとすると、

「ビッグバン以前に物理法則が存在していた」

ということになるわけで、そこが「何が物理法則を決定したのか」という言葉となっているわけです。

もしこの宇宙がデタラメな始まりだったとすると、これだけ秩序のある物理法則を持つ「この世」というものができるわけがない。その「最初からあった秩序」は誰が、あるいは何が決めたのか

これは生物についても同じです。

地球の生物のあまりにも高度で複雑で奇蹟的な構造は、なぜ存在するのか。

ロシアのアレクサンドル・オパーリンという科学者が、1920年代から「原始地球の無機物が偶然結びつき有機物を発生させた」という説を打ち出し、それは次第に、

地球の生命は「偶然(デタラメ)」に発生した

という自然発生説が科学界に定着していき、この自然発生説が長く科学界を巣食っていました。

しかし、「そのようなことは、ほぼ無理」ということに関しても、過去記事などでかなり執拗に記してきた歴史がありますが、過去記事の、

エピローグへと近づく「生命の地球起源説 vs 宇宙起源説」: ロシアでふたたび始まった地球上で生命を作る試み
 2012年10月14日

の中に「その不可能性」について、フレッド・ホイル博士の著作『生命はどこからきたか』からの抜粋で記しています。

『生命はどこからきたか』 第14章 より

30 個の不変なアミノ酸を持ち、100 個の結合部分からなる短いポリペプチド鎖でさえも、20 の 30 乗、約 10 の 39 乗回にもなる試みが行われて初めて機能を持つ酵素となる。

300 個の不変部分を持ち、1000 個の結合部分からなる酵素の場合は、要求される試みの回数は 20 の 3000 乗で与えられ、それは 1 の後に0が 390 個も並ぶ数である。

さらに、われわれはただ一種類の酵素だけを取り扱うのではなく、最もシンプルな有機体でさえ 2000 種類、われわれのような複雑な生物では約 10 万もの酵素と関係しているという点でも超天文学的数である。

書いてあること自体は私にはよくわからないのですが、要するに生命のバーツの

「酵素ひとつ」が偶然に作られる確率は「 1 の後に 0 が 390 個も並ぶ数の確率

ということで、すなわち、下のような確率です。

1-390.gif


そして、最も単純な生物でも、上の確率での酵素の 2000 種類以上の組み合わせを持ち、人間だと、その組み合わせは 10 万種類などとなっているわけで、さらに重要なのは、

上の確率の組み合わせに「ひとつでも」間違いがあると、機能する酵素ができない

のです。

ここから考えても、「偶然に生命が組み立てられる」という確率は、「天文学的」という言葉をはるかに超えたものとなり、地球の歴史といわれる 30億年だとか 40億年だとかで起こりうるものではないんです。

あるいは 3000兆年とか、5000京年とかの年月が経っても同じで、それでも確率的を満たすためにはまったく足りないのです。

ちなみに、酵素というのは、たとえば下のような構造で、その結合が「ひとつでも」違えば、それはもうその酵素ではないです。これは、消化酵素のα-キモトリプシンというものの構造だそう。

chymotrypsin.gif


現在では多くの科学者はすでに、自然発生説のような、つまり「無機物から有機物が偶然作られる」という理論を信じてはいないのが現実だと思います。

その代表的な意見は、例えば下のロシア科学アカデミー科学者の言葉などからうかがえます。過去記事の翻訳からです。

ロシア科学アカデミーの正会員で、生物物理学者であるヴァレンティン・サプノフ博士は、「おそらく非生命的な物質に生命を与えることはできないだろう」との見方を示し、以下のように語っている。

「まず、私たちはいまだに生命とは何かということを定義づけていない。生命のあるものとないもの。この違いに対しての明確な定義を持っておらず、生命のあるものから生命のないものへの急変がどのように起こるかについても、いまだに理解していない」

「理論的な理解が不足している状態で、無機物から有機物を作り出すというような実験を行っても、いかなる結果も出ないと思われる」

「偶然の調和や、ランダムな選択によって遺伝子やDNAのような構造をつくりだすのは、事実上不可能だとしか言いようがない」

サプノフ氏は、現在、多くの科学者たちは、生命は宇宙から地球に到来したという説を支持していると述べる。


あらゆる面から見て、

・ビッグバン
・生命の自然発生説


は、どちらも無理な話であると考えざるを得ないのです。

そして、皮肉なことに「科学が進歩すればするほど」そこには「創造論的な存在」が最先端科学の前に立ちはだかるのです。

いわゆる進化論というものに関しても今回のフランシスコ法王は、それを認めたわけですが、しかし、最近のカトリックでは(ベネディクト16世以外は)進化論を認めていた傾向があります。




進化論とキリスト教

創造論と科学を融合させるために生まれた「インテリジェント・デザイン運動」というものがあります。これは、

知性ある何か」によって生命や宇宙の精妙なシステムが設計されたとする説

と説明されますが、インテリジェント・デザイン - Wikipedia には、以下のようにあります。

カトリック教会を始めとする宗教界ではインテリジェント・デザインは受け入れられていない。一般に誤解されがちだが、カトリックでは進化論は否定されておらず、むしろ、ヨハネ・パウロ2世が進化論をおおむね認める発言を残している。

ということになっています。

カトリックが進化論を容認してきた理由は、進化論があろうがなかろうが「最初の生命は神が造った」とすれば矛盾が生じないからとされていますが、フランシスコ法王は「ビッグバンまで認めた」ことになり、創造主である神の出番を消し去ろうとしているようにさえ見えます。

まあ、いろいろと書きましたけれど、悪意なく考えれば、フランシスコ法王は、あまり生体科学や生命の構造に詳しくないかもしれないわけで、つまり、

「現法王は生命に奇蹟を感じていない」

という感じがします。

人間を含めた生物の構造のあまりにも複雑で高度な作りを知れば知るほど、科学者や医学者はそこに「奇蹟」を見出すことが多くなるように思います。

私もこの何年か、 In Deep を書いている中で「生命の奇跡的な構造」を少しずつ知るにつれて、「生命の起源」というものについて考えることがありました。

しかし、宗教を持たず、何らかの特定の神を信奉しているわけではない私には、オカルトやスピリチュアル方面の見識よりも、それらを明確に否定するような科学者の言葉の中に、むしろ真実に近い何かを感じます。

たとえば、神経症の治療法である「森田療法」の創始者である森田正馬さんは、1922年(大正11年)に発行された『神経質の本態と療法』の中で以下のように書いています。

森田正馬『神経質の本態と療法』より

自然科学から見れば、神は民族心理の過渡的産物である、とかいうように、神という実体の存在はない。神、仏、真如とかいうものは、宇宙の真理、すなわち「自然の法則」であって、法そのものにほかならない。

真の宗教は、自己の欲望を充たそうとする対象ではない。神を信じるのは、病を治す手段でもなければ、安心立命を得る目的としてもいけない。神仏に帰命頂来するということは、自然の法則に帰依、服従するということである。

私も心底の意味で、「自然の法則に帰依、服従することができればいいだろうな」と思うこともありますが、ただそんな風に思うだけでなされるわけではないことも理解しています。

そして、なんとなく多くの人が、特定の宗教のものではない「ひとりひとりの神」という概念を考えることが多くなっているような感じの、最近のご時世の中で突然発表された

「神は万能ではないし、神がこの世を創ったのではない」

という主旨の法王の発言。

ま……何はともあれ、「この世から神という概念を消したい存在」のひとつが、もしかするとバチカンなのかもしれないと思った次第です。

しかし、私は今後も進化論とビッグバンの否定だけは続けるつもりです。

ジッチャンの名にかけて(ジッチャンはテキヤの親分でしたが)。

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2014年10月29日



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人々から消えていく「神」の存在

最近、イギリスのメディアで下の記事を見つけました。

god-alien-top.gif

▲ 2014年10月27日の英国ザ・ヘラルド More people believe in aliens than God より。


後述しますが、英政府通信本部( GCHQ )のあるイギリスという国の調査として、わりと興味深いものでしたので、先に翻訳してご紹介します。



More people believe in aliens than God
Herald 2014.10.27

より多くの人々が神よりもエイリアンの存在を信じている

より多くのイギリス人が神よりもエイリアン(宇宙人)の存在を信じていることが、最近の研究で明らかになった。

調査は、成人 1,500 人と、子ども 500 人を対象として行われた。

研究の詳細な内訳は成人と子どもでそれぞれ下のような結果となり、エイリアンを信じている成人は全体の半数以上( 51 %)となったのに対して、神を信じている成人は全体の4分の1( 25 %)に過ぎなかった。


英国の成人が信じる超自然的な存在トップ5

1位 幽霊( 55 %)
2位 エイリアン( 51 %)
3位 UFO( 42 %)
4位 天使( 27 %)
5位 神( 25 %)



英国の子どもが信じる超自然的な存在トップ5

1位 エイリアン( 64 %)
2位 幽霊( 64 %)
3位 UFO( 50 %)
4位 神( 33 %)
5位 天使( 27 %)



この研究は、子どもだけではなく、大人たちが実際に幽霊やエイリアンを高い比率で信じていることを示し、また、神や天使よりも UFO の存在を信じている大人の方が多いことを示す。

さらにこの調査では、5人に1人のイギリス人が超自然的現象( supernatural ) を経験したことがあり、 10人に1人は、それまでの生活の中で、自分の家に幽霊が住んでいることを体験していると述べたことも明らかとなっている。

子どもでは、3分の2近く( 64 %)がエイリアンと幽霊の存在を信じ、半数( 50 %)が UFO を信じていた。

この調査結果について、ロンドンの調査会社のナターシャ・クランプ( Natascha Crump )ゼネラル・マネージャーは以下のように述べている。

「今回の調査で、超自然的な存在を信じているのは子どもだけではなく、大人でもその傾向が強いことが明確にあらわされました。私たちは科学の時代に生きて、私たちは科学でほとんどの答えを得ることができますが、それでも依然として、私たちは、私たちの理解を超える存在への信仰を持っていることが示されています」

興味深いのは、子どもたちの 26 %は、エイリアンは地球で人間に扮して生活していると考えていることで、20人に 1人の子どもたちは、彼らが実際にエイリアンと会ったことがあると答えている。

そのような中には「自分の母親は実は地球外生命体だと思っている」と答えた子どもたちも多い。

また、子どもたちのエイリアン像には一種の判で押したような先入観(ステレオタイプ)が見てとれ、たとえば、子どもたちの 43 %は「エイリアンは緑色である可能性が高い」と考えている。

クランプさんは、なぜこのような先入観があるのかは調査では明らかになっていないと述べた。




という内容でした。

「もはやこの世に神の立場なし」

といったレベルになっているわけですが、大人の方の、

1位 幽霊( 55 %)
2位 エイリアン( 51 %)
3位 UFO( 42 %)
4位 天使( 27 %)
5位 神( 25 %)


は、一歩間違うと、神の存在がランク外となってしまうところでもあります。

幽霊についてはよくわからないですが、エイリアンについて、記事に「なぜこのような先入観があるのか明らかではない」とありますが、そりゃあ、子どもの頃からエイリアンやミステリー関係のテレビや映画やコミックなどを見続けていれば、後述しますが、映画『未知との遭遇』以降の三十数年、メディアに出てくるのはそのタイプのエイリアンばかりで、そんなメディアを見て育つのですから、そこから自然とステレオタイプは生じてくるものだと思います。

現在、「エイリアン像」を作り出しているのは主にアメリカのハリウッドなわけですが、世界で初めての「宇宙人」が出てくるSF映画は、1902年にフランスで作られた『月世界旅行』という無声映画でした。 この映画は今は YouTube で見られます。

この『月世界旅行』には月の住人である異星人も出てきますが、現在のステレオタイプのエイリアンとは違った姿で、人間やトカゲのようなものたちでした。

Trip-Moon.gif

▲ オリジナルのモノクロではわかりにくいですので、後に彩色された『月世界旅行』より。左のほうが月の住人。真ん中が王様的な存在らしく、後ろに立っているのは兵士の模様。右のほうの人々は月の住人に捕らえられた地球人です。格好は貴族の服です。


少しずつエイリアンの姿がステレオタイプ化していくのは、映画製作の主流が次第にアメリカとなっていく 1930年代頃からだと思いますが、それでも、まだまだ「いろいろな姿」でした。

私は若いころ、ずいぶんと映画を見ていまして、その中でも、B級と呼んではB級映画に失礼だと思えるほどひどいデキの「Z級」とも呼ばれていた 1950年代に乱作されたアメリカの数多のSF映画を、ビデオや、今のテレビ東京の昼や深夜枠で放映されていた映画などでずいぶんと見ました。

その 1950年代頃でもまだエイリアンはステレオタイプ化してはいなく、バラエティに富んでいたものでした(あるいは単に手抜きなんですが)。

ロボット・モンスター(1953年/米国)

Robot-Monster.jpg

▲ 地球にやって来て、人々を襲い、男性は殺して女性はさらう凶悪エイリアン(笑)。サーカス用か何かのクマの着ぐるみを着て、当時の潜水用のヘルメットを被っただけです。



金星人地球を征服(1956年/米国)

it_conquered_the_world.jpg

▲ アメリカ軍も撃破する凶悪エイリアン(笑)。このエイリアンはその後、「金星ガニ」と呼ばれ、長く愛されているキャラクターとなっています。しかし、愛されてはいても、金星ガニはエイリアンのステレオタイプにはなれませんでした。




エイリアンのイメージ定着化はいつ頃始まったか

そして、最終的に、現在に続くエイリアンのステレオタイプ化が始まったと考えられるのは、1968年に公開されたスタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』のラストに出てくる、人類を超越した存在である「スターチャイルド」であり、

starchild.jpg
・2001年宇宙の旅のスターチャイルド

そして、1977年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の『未知との遭遇』のエイリアンによって、そのイメージは決定されたと思われます。

Close_Encounters_of_the_Third_Kind_Aliens.jpg
・未知との遭遇のエイリアン。他にも背の高いエイリアンなども登場します。


その後、「異星人」のタイプは、たとえば、グレイというような名称のものも含めて、そのイメージが上のようなパターンとして定着していき、そして、その「形」が映画やメディアで繰り返されて使われ続けることによって、多くの人たちの頭の中に刷り込まれていったと考えられます。

上の英国の記事で「大人でも超自然現象を信じている人が多い」というように書いていますが、上の映画はそれぞれ今から 30 年から 40 年以上も前の映画ですので、刷り込み期間が長い分むしろ大人のほうがそれらを信じるのは当然なのかもしれません。


さて、しかし、映画の話をしたいのではないのです。


私は今回のイギリスの記事を読みまして、過去のふたつの記事、

ミスター・スノーデンが示唆する米英政府機関の「 UFO での大衆マインドコントロール作戦」
 2014年03月19日

イギリス政府の機密作戦の結果が教えてくれる「私たちのいる現実の世界」
 2014年02月28日

を思い出しました。

どちらも、観察衛星や電子機器を用いて情報収集などを担当するイギリスの諜報機関である英政府通信本部( GCHQ ) が行っていることについて書いたものです。

上の記事のうち、「イギリス政府の機密作戦の結果が教えてくれる……」のほうでは、イギリスのウェスタン・モーニング・ニュースの記事を翻訳していますが、英政府通信本部がプレゼンテーションで使った UFO 文書がエドワード・スノーデンさんによって暴露されたことについて書いています。

記事では UFO 専門家のナイジェル・ワトソンという人の談話などが記されています。

暴露された文書の何枚かの UFO 写真を見た後、ワトソンさんは「これらはニセモノ(作りもの)の写真であることがすでにわかっているものです」として、記事は、

そして、ワトソン氏は、これらはイギリス政府機関のインターネットにおける大衆に対してのマインドコントロールの試みのひとつだと確信しているという。

氏は以下のように述べる。

「政府機関はいまだに人々の UFO 信仰の力と大きさを認識しています。そして、彼らは人々の信念を悪用するためにインターネットを使うことには問題はないと考えているようです」。

としています。

ちなみに、この作戦を担当しているのは英政府通信機関内の「合同脅威研究情報班」( JTRIG )という部署で、彼らは「新しいオンライン世代のための秘密工作訓練」と題された、インターネット上でいかに「誤った情報を流布させるか」というオペレーションを行っています。

これはスノーデン氏の告発によって明らかになったものです。

そして、そのようなアメリカやイギリスの努力のお陰なのかどうなのかはわからないですけれど、冒頭の記事にあるような、

英国の成人が信じる超自然的な存在トップ5

1位 幽霊( 55 %)
2位 エイリアン( 51 %)
3位 UFO( 42 %)
4位 天使( 27 %)
5位 神( 25 %)


というようになったわけで、今の時代というのは、かなり多くの人びとが、

「神や天使を捨てて、エイリアンや UFO に信仰を求めている時代」

となっているということになります。

同じ調査を日本でおこなった場合はどのようになるのでしょうかね。
日本だとツチノコが1位かも(それはない)。


まあしかし……それにしても……。


たとえば、大昔は、どこの国や地域でも空を見上げた人々は、そこに神の存在を考えたと思われます。

しかし、今、空から神は消えつつあり、空を眺めて思うのはエイリアンと UFO という時代となっています。

そして、このように「この世から神という概念を消したいと考えている存在」というものは確かにあると私は思っています。

それが具体的にどのようなものなのかは想像もできないですが、このことに関しては、もう少し考えて、いずれは書いてみたいです。


ところで、最近、

「人類が火星に行くのは不可能だ」

という説が、アメリカのマサチューセッツ工科大学( MIT )の研究チームや、ニューハンプシャー大学の研究者たちにより相次いで発表されています。

そして、それらのうちのひとつは「もしかすると人類は基本的には宇宙へは行けない」ということを示唆するものかもしれないのです。



人類は月より遠くの宇宙へは行けない

マサチューセッツ工科大学の研究については、新華社 日本語版の記事「米国の最新研究、人類は火星で68日間しか生きられない」と予想」などにあり、こちらは、「火星に到着後」の問題を書いていて、食糧や空気などのことについてを解析したものです。

それによると様々な条件により、火星到着後 68 日後には移住した人々は死亡するとしたものですが、こちらに関しては、上のリンクの記事は日本語記事ですので、詳しくお知りになりたい場合はそちらをお読み下さい。

それよりも、ニューハンプシャー大学の研究者たちによって発表された研究。

これは、

「そもそも火星にまで到着することができない」

という可能性を発表したものでした。

mars-mission-radiation.gif

▲ 2014年10月22日の英国デイリーメールより。


これは、ニューハンプシャー大学のネイサン・シュワドロン( Nathan Schwadron )という科学者が、火星への有人飛行をおこなった場合、現在の太陽活動の減少によって宇宙飛行士たちは壊滅的な放射線量を浴びることになり、火星への有人飛行は事実上不可能だ、という研究結果を導き出したというものです。

非常に長い記事ですので、内容の要点だけ箇条書きで記しますと、



・現在、太陽活動が減少している。太陽活動が減少している時は、宇宙放射線量が増えることが知られている。

・今後さらに太陽活動は減少すると見られ、その場合での放射線の推定値から計算すると、30歳の男性を想定した場合、約 320 日間で放射線量が生命に危険が及ぶレベルに達する計算となる。

・この計算からだと、火星に到着する前に身体が破壊される可能性がきわめて高い。




というものです。

その火星なんですが、太陽系での位置関係としては下のようになっています。

solar-system-2014.gif
私たちの太陽系


こういう図で見ると、「火星などすぐ隣」というように見えるのですが、それでも「行くのは無理」だというのが、あくまでも今回のシミュレーションですが、そのような結論となるということです。

宇宙放射線については、JAXA の放射線被ばく管理というページに以下のように説明があります。

宇宙には、宇宙放射線と呼ばれる放射線があります。

宇宙放射線は、地球の大気と磁場に遮られて、地上にはほとんど届きません。しかし、宇宙では、宇宙放射線が宇宙飛行士に与える影響が問題になってきます。

しかし、ふと、「それだと、長い期間、宇宙空間にいる国際宇宙ステーションの搭乗員は大丈夫なんだろうか」ということを思うわけですが、 JAXA によると、

ISSが周回している高度400km前後の上空では、非常にエネルギーの高い粒子が降り注いでいます。宇宙船の船壁や遮へい材によって、ある程度は遮ることができますが、宇宙滞在中の宇宙飛行士は、宇宙放射線による被ばくをすべて避けることはできません。

とあり、やはり影響はあるようです。

国際宇宙ステーションに滞在中の乗務員の1日の被ばく線量は、地球上での約6ヶ月分にも相当するのだそうで、乗務員たちはかなりの放射線を浴びているようです。

しかし、それでも乗務員たちが命に関わるような致命的な状態にならないのは、国際宇宙ステーションも実際には地球の磁場に守られている場所」にあるからです。

下の図で、国際宇宙ステーションはそれほど遠い宇宙空間ではなく、地球に近い磁場の中の宇宙空間にあることがわかります。

iss-2.jpg
JAXA


火星というか、火星以外でも、宇宙空間を進んで他の惑星に行く場合は、地球の磁場の保護が完全にない空間を進むわけで、上の「乗務員の1日の被ばく線量が地球上での約6ヶ月分に相当する」どころではない放射線を浴びることになります。

ニューハンプシャー大学の科学者たちは、このことから「火星に行くのは事実上不可能」としたということのようです。

この不可能性を解消するためには、

1. 宇宙船の速度を上げる
2. 放射線に負けない材質の壁を持つ宇宙船を作る
3. 放射線に負けない強い体を作る(苦笑)


くらいしかないわけですが、現時点では3つとも不可能だと思われます。

さて、こうなってくると、「人類は、宇宙的にはほんの隣に見える火星にさえ行けない」ということになり、宇宙に対しての夢は非常に小さくなります

もっと言えば、

人類は磁場で守られている地球近隣の宇宙空間以外には行くことができない

ということにもなります。

もちろん上の3つのどれかが実現するような遠い未来には、あるいは遠くへの宇宙旅行も可能になるのかもしれないですが、現時点では難しいことです。


・・・さて。


実はこの、

「人類が遠い宇宙へは行けないかもしれない」

ということはもうひとつの可能性を示唆します。

それは、

「他の惑星の人間も地球には来られないかもしれない」

ということです。

どうしてそう考えられるのか?



私たちは宇宙のきょうだいとは多分会えない

それは、先日の記事、

「彗星は強烈な悪臭を放っている」ことが観測されたことから改めて思う「宇宙塵も彗星の母体も生き物」で、さらに言えば宇宙はすべてが生き物かもしれないという感動
 2014年10月27日

という記事でも書きましたが、私がパンスペルミア説(地球の生命は宇宙からやって来た)とする説の信奉者だからです。

このパンスペルミア説は、

「宇宙が生命をばらまいている」

と言い換えてもいいのですが、だとすると、「生命(あるいは生命のパーツなど)を配布する場所が同じならば、すべての宇宙で環境によって同じような生命が存在している」と考えるのが妥当です。

つまり、すべての宇宙の生き物がきょうだいだとした場合、その生物が(物質的に)どんな特徴を持っているかという可能性を考えるには「地球の生物を見てみればいい」のだと思います。

たとえば、人間や哺乳類などの大型動物は、

・気温が極端に高い、あるいは低い場所
・酸素のない場所
・放射線量が異常に多い場所

などでは生きられなく、これは結局、植物も含めた多くの生命に言えるのですが、居住可能な空間というのは、適度な温度、水や酸素などがあり、気圧も放射線量も生命維持が可能な場所ということになります。

何百度も温度のある場所や強い放射線が降り注ぐ中では、極限環境微生物と呼ばれるような一部の微生物以外は、多くの生き物は生存することができません。

そして、パンスペルミア説が正しければ、宇宙のすべての生物はこの掟から逃れられないと私は考えています。

そこから考えますと、

地球の人間ができないことは、他の惑星の人間もできない。

と思わざるを得ないのです。

つまり、他の惑星の人間も、強い放射線の中を旅してくることは難しいと思うのです。

過去記事の「人類は孤独ではない:見つかり出した数多くの地球型惑星」などにありますように、現在、地球と同じような環境かもしれないと考えられている惑星は数多く存在します。

しかし、それらは最も近いようなものでも、10光年以上の距離があります。

この「光速でも 10年かかる」ということは非常に大事なことです。

仮に(現在の科学では)この世の限界の速度である「光速」で進むような宇宙船を持っている異星人がいたとしても、「 10年も宇宙放射線を浴び続けて生存できるような人間タイプの生物」がこの宇宙に存在しているとは思えません。

つまり、地球に来られる「人間タイプ」を想定することが難しいのです。

何だか夢のない話に聞こえるかもしれないですが、普通に考えるとそのようになってしまいます。

しかし、同時に、パンスペルミア説を思う時には、

「生命を配布している者の存在」

を考えざるを得ません。

私は特定の宗教を持ちませんけれど、そこに「神」というような概念が生じても違和感はないです。

パンスペルミア説の最大の研究者だったフレッド・ホイル博士は晩年の著作『生命(DNA)は宇宙を流れる』の締めくくりにこのように書いています。

生命(DNA)は宇宙を流れる』(1998年)より

われわれが到達した結論、すなわち宇宙に知性があることをロジカルに要請することは、世界の主だった宗教の教義と整合性がある。世界中のさまざまな文化の中で、「創造主」は独自のすがた形をとる。エホバ、ブラフマー、アラー、天の父、神……宗教の数だけ呼び名もある。

けれども、その根底に横たわる概念は、どれも一緒だ。それは、宇宙は ー 特に生命の世界は ー 想像もつかないほど強力な人間型の知性を持つ「存在」によって創造されたということだ。

天体物理学の発展に寄与した稀代の大科学者だったホイル博士が行き着いた先にあったものは、具体的な正体を確認することもできない「存在」でした。

それを神と呼ぼうと他の名称で呼ぼうと、あるいは、名前などつけなくとも、それはどちらでも構わないのですけれど、今の世の中は冒頭の英国の報道のように、生命の創造主なのかもしれない「存在」を軽視する人々がどんどんと増えているということになりそうです。

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2014年10月27日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





comet-smell-top.gif

▲ 2014年10月14日の米国ニュー・サイエンティストより。



彗星の香り…それは「強烈な悪臭」だった

今年夏に書きました、

アイスランドの火山の状況のその後と、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星
 2014年08月29日

という記事で、「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星」というものを取り上げたことがあります。

欧州宇宙機関( ESA )の観測衛星ロゼッタが「 10年 5ヵ月の旅」を経て 8月 6日に、このチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の軌道に入ったという報道をご紹介したものでした。ロゼッタは、今年の 11月にはこの彗星に着陸する予定です。

そのチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星ですが、大きさは、最大部分で約3キロメートルある彗星で、下の写真のような形をしています。

67p.jpg


現在、観測衛星ロゼッタは、この彗星の観測と分析をおこなっているわけですが、最近、ロゼッタが、このチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の「匂い」のデータを送信してきました。

そして、その匂いが「きわめて悪臭」だということがわかったのですね。

後で再びふれますが、これは、過去記事の、

宇宙空間に「強烈な匂い」が漂っていることを知った日: 「それは焼けたステーキと金属の匂い」と語る NASA の宇宙飛行士たち
 2012年07月24日

などとも関係しそうな話でもあると共に、この観測結果は、彗星が単なる無機的な氷の塊ではないことを意味します。

ロゼッタには、成分の分析のための「機械の鼻」がついていて、それによって緻密に成分を分析するのですが、送られてきたデータの主な成分は、

・硫化水素
・アンモニア
・シアン化水素
・ホルムアルデヒド
・メタノール
・二酸化硫黄


などで、つまり、この彗星は硫黄やらアンモニア臭やらが混合した「ものすごい悪臭」を発していることがわかったのです。

先に、冒頭のニュー・サイエンティストの記事の翻訳を載せておきます。

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Comet stinks of rotten eggs and cat wee, finds Rosetta
NewScientist 2014.10.24

彗星は、腐った卵や猫のおしっこの悪臭を放つことを探査機ロゼッタが発見

彗星とはどのような「匂い」がするものだと思われるだろうか?
その答えを端的にいえば、かなりひどい匂いのようだ。

欧州宇宙機関( ESA )の彗星探査衛星ロゼッタから送信されたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のデータからは、この彗星からは腐った卵や猫の尿やアーモンドの匂いなどが混合した匂いが放たれていることが明らかとなった。

しかし、この悪臭は、実は朗報といえる。

この悪臭の背後にある硫化水素、アンモニア、および、シアン化水素は、凍結した水と二酸化炭素と混合されたものだが、ロゼッタの分光計がこのような様々を検出するとは誰も思ってはいなかったのだ。

成分中には、さらに、ホルムアルデヒド、メタノールおよび二酸化硫黄が含まれていた。

「これは本当に素晴らしいものです。10年待ち続けた後、突然、私たちの前にこのようなもの(匂いの成分のこと)が現れたのです」

と、スイス、ベルン大学のカスリン・アルトウェッグ( Kathrin Altwegg )教授は言う。

アルトウェッグ教授は、 ROSINA と呼ばれるロゼッタのイオン分析計と中性分析計、つまりロゼッタの機械の「鼻」の担当者だ。

「驚くべきは、太陽からこれだけの距離がありながら、非常に豊富な化学的性質を持っているということです」

氷の彗星がさらに熱を帯びると、 ROSINA は、より複雑な分子を検出することができるであろう。
アルトウェッグ教授は、それらの匂いの成分が共通の発生起源を持っているかどうかを判断するために、他の氷玉とチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の分子を比較しようとしている。

彗星は、太陽系の初期の時代から残ったビルディング・ブロックであり、彗星観測衛星ロゼッタの目的のひとつが、それらの彗星がすべて同じ発生源から来ているものかどうかを同定することにある。

もし、彗星それぞれの発生源が違った場合、それは地球上に生命が発生するために必要な分子の起源を説明することができる可能性がある。

ちなみに、このチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の匂いは非常に低い成分であり、人間の鼻では気づかない程度のものだ。「私たち人間が彗星の上に立っても、この匂いを検出するには犬の力を必要とするでしょう」とアルトウェッグ教授は言う。




翻訳記事はここまでです。

それにしても、このチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星から検出された成分を見ていると、

「妙に毒性の強いものが多い」

ことに気づきます。

今回の彗星から検出された成分の性質は下のようなものです。
すべて Wikipedia の説明を引用しています。

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星から検出された成分

硫化水素 → 水によく溶け弱い酸性を示し、腐った卵に似た特徴的な強い刺激臭があり、目、皮膚、粘膜を刺激する有毒な気体である。

アンモニア → 無機化合物。特有の強い刺激臭を持つ。

シアン化水素 → メタンニトリル、ホルモニトリル、ギ酸ニトリルとも呼ばれる猛毒の物質である。

ホルムアルデヒド → 有機化合物の一種で、最も簡単なアルデヒド。毒性は強い。

メタノール → 有機溶媒などとして用いられるアルコールの一種である。

二酸化硫黄 → 無機化合物。刺激臭を有する気体で、別名亜硫酸ガス。自動車の排気ガス等で大量に排出される硫黄酸化物の一種であり、環境破壊、自動車公害の一因となっている。

彗星とは、かくも毒々しいものでもあるようですが、しかし一方で、この成分たちからは、一部、「生命」の雰囲気が漂います。生命というか「有機物」といったレベルでの話ですが、少なくとも、彗星は「単なる汚れた氷の塊ではない」ということが今回のデータでわかったのではないかと感じます。

さて、この「宇宙の悪臭」ですが、上にもリンクしました過去記事「宇宙空間に「強烈な匂い」が漂っていることを知った日……」では、宇宙飛行たちが「自分が宇宙空間で感じた匂い」を、考え得る限り挙げたディスカバリーの記事をピックアップしていますが、宇宙空間というのは、おおむね、

・アジア料理の香辛料
・ガソリン
・汗をかいた足の匂い
・体臭
・マニキュア取りの薬剤
・肉を焼いた匂い


などが混じったような強烈な匂いがするのだそうです。

Astronaut-EVA.jpg

▲ 何となく「無臭」のように思える宇宙空間には、実は「強力な匂い」が漂っています。


上の記事では、宇宙ステーションでの任務をおこなった NASA のドン・ペティット宇宙飛行士が、自らのブログに記した以下の文章をご紹介しています。

「宇宙空間の匂いを説明することは難しいです。これと同じ匂いを持つものの比喩ができないのです。強いていえば、『チキンの料理の味がする金属の匂い』というような感じでしょうか。甘い金属のような感覚の匂い。溶接とデザートの甘さが混じったような匂い。それが宇宙の匂いです」

どうして「匂い」がするのかというと、その理由として、現在の科学では、

・酸素原子
・イオンの高エネルギーの振動

などの理由ではないかとされていますが、しかし、よくは分からないながらも、そのような理由で、

・アジア料理の香辛料
・ガソリン
・汗をかいた足の匂い
・体臭
・マニキュア取りの薬剤
・肉を焼いた匂い

の匂いが全部出ますかね?

特に「汗をかいた足の匂い」などという臨場感に富んだ匂いからは「生物」という雰囲気をとても感じます。

ちなみに、私自身はぶっちゃけ、これらは「有機物や、大量の微生物」だと思っていますし、あるいは、彗星の「悪臭」を作っているものもそうだと思います。

とはいえ、そのようなことを私のような科学の素人が書いても説得力がないわけで、ここは、現代物理化学の神様的な存在でもあるスヴァンテ・アレニウスと、フレッド・ホイル博士にご登場いただきたいと思います。



宇宙の「チリ」自身がすべて生命だと考えたアレニウス

スヴァンテ・アレニウスという科学者は、Wikipedia の説明をお借りしますと、

120px-Arrhenius2.jpg

スヴァンテ・アレニウス( 1859 – 1927年)は、スウェーデンの科学者で、物理学・化学の領域で活動した。物理化学の創始者の1人といえる。1903年に電解質の解離の理論に関する業績により、ノーベル化学賞を受賞。

という方です。

そのアレニウスは、19世紀以降の科学者の中で最初に「地球の生命は地球外の宇宙から飛来してきたものだ」とする説を持ち、この説に「パンスペルミア」という名をつけました。この言葉はギリシャ語で、「パン」は日本語で「汎」を意味して、「スペルミア」は「種」という意味です。

要するに、パンスペルミアという言葉自体は、

「生物のタネは(宇宙も含めて)広くそのすべてにわたる」

という意味の言葉で「どこにでも生物はある」ということを表しただけであり、言葉の意味自体は難しいものではないです。

宇宙塵自身が生命であることに言及した 100年前のノーベル賞学者の実験
 2011年05月07日

という過去記事にも抜粋したことがありますが、「エピソードで知るノーベル賞の世界」というサイトにはこのように記されています。

「生命の地球外起源説」にも挑戦したアレニウス

アレニウスは、化学の分野のみならず、あらゆる科学にも通じていた。彼が貢献しなかった科学の分野はほとんどなかったとも言われている。

彼は、宇宙空間を漂っている「生命の種子」を想定し、これが太古に地球上に降り注いだ可能性もあり、地球上の生命の発生にもつながったのではないかとする「パンスペルミア説」(汎宇宙胚種説)なども提唱。

彼は、そうした生命種子は「太陽風を受けて、秒速100Kmの速度で宇宙を旅してきた」とまで計算していた。

その後、20世紀に入ってから、「地球の生命は、原始の海の中で《偶然》発生した」という珍説が登場して以降、生命が偶然に発生したという説(自然発生説)が科学上での一般学問となっていたことがありました。

さすがに最近では、遺伝子学などが進み、生物のあまりにも複雑な構造を知るにつれて、この「自然発生説」を信じる科学者はあまりいないと思われます。

たとえば、上のチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の記事にも、

> もし、彗星それぞれの発生源が違った場合、それは地球上に生命が発生するために必要な分子の起源を説明することができる可能性がある。

というような記述があることからわかるように、いつの間にか、地球の生命は宇宙からもたらされたとする考え方が、現在の科学界ではむしろ主流になっているという事実があります。

生物学や生物の DNA 構造などが明らかになるにつれて、「物質が偶然組み合わさって DNA やアミノ酸ができて、そこから細胞ができ、そしてそこから何百万という種類の生き物ができる」などということは「無理だ」と考えざるを得なくなったということもあると思います。

それほど生命の構造は複雑です。

だから、科学の探求を真剣におこなった科学者ほど、「神」や「この世の始まり」ということを多く考えるものなのかもしれません。

近代物理学の祖であるニュートンが、現代では一種のオカルト扱いをされているエメラルド・タブレットの解読で「この世の仕組み」を解明しようと試みたり、前述したアレニウスが、『宇宙の始まり』という、天地創造神話を科学的側面から検討するような著作を記したりするというのも、そのようなことかもしれません。

それほど、この「現実の世界」は複雑で「奇跡のようなもの」とも言え、優秀な科学者になればなるほど、そのことを強く感じる傾向はあるようです。

フレッド・ホイル博士も、晩年は、お釈迦様の言う「無限の宇宙」を自著で語っていました。


話をパンスペルミアに戻しますと、結局、

宇宙塵そのものが生命(アミノ酸、 DNA 、バクテリアなどを含めて)である

ということなのだと、私はアレニウスの言葉を解釈しています。

宇宙塵などと書くと難しいですが、宇宙塵というのは Wikipedia の説明を借りますと、単に、

宇宙空間に分布する固体の微粒子のことである。

というもので、つまり、宇宙空間に漂っている微粒子の総称です。

アレニウスは、それらの宇宙塵を含めて、

> 宇宙空間を漂っている「生命の種子」を想定した

のですが、しかし、これだけでは問題があります。

塵は推進力を持ちません。

単に「漂う」だけでは、宇宙空間に生命(あるいは DNA やアミノ酸などの生命の素材)が存在していたとしても「宇宙塵そのものに推進力も方向性もない」という重大な問題があります。

アレニウスは「太陽風に乗って、宇宙空間を生命が移動する」と想定していたようですが、それだと、生命の移動が太陽活動の強弱に支配される(太陽活動が弱い時には推進力が弱い)と共に、太陽から遠く離れた場所に生命が到達することはなくなってしまいます。

宇宙空間全体に生命を行き渡らせるためは、太陽とは関係なく、「何らかの推進力」が必要です。

そんな中で、彗星の観測と分析の中から

「彗星は微生物の塊なのではないか」

とし、彗星こそが生命の運搬役ではないかとしたのが、フレッド・ホイル博士でした。

彗星は自ら軌道をもち、推進力を持ちます。

推進力を持つものには小惑星もありますが、小惑星が「岩」なのに対して、彗星は基本的に「氷の塊」ですので、衝突の際や、あるいは太陽のような熱をもつ天体近くを通過する際でも内部が保護されやすい構造です。

また、今回のチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の「匂い」は、彗星が、単なる氷ではないことも示唆していますが、この「匂いの原因」の可能性として考えられるのが「バクテリア(細菌)」です。

これは、フレッド・ホイル博士たちが、1980年代に彗星の尾が「バクテリアである可能性」を観測・分析したことによります。




彗星は生命の運搬を担う

この観測については、過去記事の、

良い時代と悪い時代(3): 2013年の巨大彗星アイソンのこと。そして宇宙から地球に降り続ける生命のこと
 2012年10月11日

に書いたことをそのまま抜粋したいと思います。

ちなみに、彗星は以下のような構造となっています。

comet-core.jpg
コニカミノルタ プラネタリウム


ここから抜粋です。

良い時代と悪い時代(3)より

彗星はそのほとんどが軌道周期を持っており、ある意味では、「自主的に移動」しています。

さらに、彗星の内部に微生物が存在していれば、仮に彗星が大気を持つ惑星に突入しても、大きさにもよりますが、衝突と摩擦による熱から「内部」が守られる可能性があります。

このあたりは何年か前にクレアなひとときの「宇宙はすべて生き物からできている」に書いたことがあります。

そこに英国カーディフ大学のチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士が、1986年に、シドニーのアングロ・オーストラリアン天文台にあるアングロ・オーストラリアン望遠鏡で観測した、「ハレー彗星の赤外線吸収スペクトル」のグラフを載せたことがあります。

下のグラフです。

fred-comet.jpg

この図が何を示しているかというと、「ハレー彗星と地球の大腸菌は、成分分析上で一致した」ということです。

この観測結果が「彗星は微生物の塊であるかもしれない」という推測につながっています。

また、隕石の場合にしても彗星の場合にしても、大気層に突入する際には表面は熱と衝撃によって、分子レベルで破壊されますので( DNA も残らないということ)、「守られる頑丈な外殻」は必要だと思います。そして、それが彗星の構造とメカニズムなのだと私は思っています。

あるいは、「摩擦熱の問題でそもそも微生物しか大気圏を突破できない」ということもあります。

抜粋はここまでです。

上にある「摩擦熱の問題」というのは「彗星の破片は時速3万6千キロ(秒速 10 キロ)という超高速で移動している」ということと、地球を含めた惑星が「非常に高速で自転している」ということと関係します。

大気のない惑星にこれらが衝突すると、その摩擦で生じる衝撃によって、その物体は分子レベルでバラバラに破壊され、生物が生き残る可能性はありません。しかし、地球には大気があり、高層圏では気体の密度が低いために、侵入した破片の速度は減速され、分子レベルでの破壊は免れます。

それでも摩擦による非常に高い熱が生じるのですが、摩擦熱は、「小さな物質であればあるほど、熱も小さく」なります。

size-01.gif

▲ 大きさの比較。髪の毛の直径が 0.1ミリメートルで、細胞は髪の毛の直径の10分の1の大きさ。大腸菌は髪の毛の直径の 100 分の 1 の大きさ。ウイルスは、大腸菌の 10 分の 1 なので、髪の毛の……えーと、計算できないですが、このようになっています。図は、東京都臨床医学総合研究所より。


摩擦熱については、フレッド・ホイル博士の著作『生命はどこからきたか』から抜粋します。

フレッド・ホイル『生命はどこからきたか』より

地球大気に秒速 10キロのスピードで物体が突っ込んできた場合、その摩擦熱は物体の大きさ(粒子の直径の4乗根)と比例する。その場合、物体が針の先くらいのものでも、摩擦温度は 3000度に達し、ほとんどの物質は残らない。あるいは生物なら生きられるものはいないはずだ。可能性があるとすると、それより小さなものだ。

たとえば、細菌やウイルスくらいの大きさの粒子なら、突入した際の摩擦温度は約500度となる。摩擦で加熱される時間は約1秒間と推定される。この「1秒間の500度の状態」を生き残ることができない限り、生物は彗星に乗って地球に侵入してくることはできない。

ホイル博士は、英国カーディフ大学のチームと共に執拗な大腸菌の実験を続けます。そして、大腸菌たちは、「1秒間の 500 度」をクリアしたのでした。

つまり、 DNA や、アミノ酸といった「生命の部品」ではなく、大腸菌のような、生物として完成している大型の生き物でも宇宙から降ってくることが可能であることがわかります。ウイルスは細菌よりさらに小さいですので、摩擦熱も小さくなり、いくらでも地球に降り立つことが可能だと思われます。


この地球において、病気が「突然現れる」ということを不思議に思われたことはないですか?

どんな細菌でもウイルスでも歴史の中で「唐突に」現れる。


それほど広大とも言えない地球で、しかも、たとえば、エイズにしてもエボラにしても、サルとかコウモリなどの動物由来でヒトに伝わったとされていますが、人間より短い寿命の彼らが何千万年も代々、ウイルスを温存して伝えてきた? このことは昔から不思議に思っていました。

まあしかし、そのことはともかく、今回の彗星の「匂い」で、さらに彗星そのものが生命の塊であることを確信した次第です。

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2014年10月25日



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sea-volcano-map.gif

▲ 2014年10月3日のロサンゼルス・タイムズより。



「カルデラ破局噴火」がメディアで大きく報道された日

先日、下のような報道を見ました。

巨大噴火100年で1% 神戸大教授予測
東京新聞 2014.10.23

巨大なカルデラ(陥没地形)をつくる巨大噴火が今後百年間に日本列島で起きる確率は約1%とする試算を神戸大の巽(たつみ)好幸教授(マグマ学)らがまとめ、二十二日発表した。最悪の場合、一億二千万人が死亡し、実質的な「日本喪失」もありうるとしている。(中略)

巽教授らは、二万八千年前の姶良カルデラ噴火と同規模の噴火が九州中部で起きたと想定する被害を予測した。

九州のほぼ全域が火砕流に襲われ、約二時間で七百万人が死亡する。西日本は一日のうちに五十センチの火山灰が積もり、四千万人の生活の場が埋没する。北海道と沖縄以外は十センチ以上の火山灰で覆われる。生活の糧を奪われ救援もできないため、日本の総人口に近い一億二千万人が死亡する恐れがあるとした。

この記事を読んで、

「こういう記事が出ると、海外に過剰に伝わりがちで……」

と思っていましたら、今朝の海外の報道は下のようなものでいっぱいでした。

volcano-japan-01.gif

▲ 2014年10月23日の Yahoo! News (米国)より。


2011年以来、「日本と自然災害」というキーワードは、特に西欧では敏感に反応されるようになっているのか、日本の政治のことは西欧世界で話題になっているのを見たことがないですが、日本の自然災害関係は大きく扱われやすいです。

上のニュースの冒頭を訳しますと、下のようなものとなっています。

日本は次の世紀までに超巨大火山噴火によって破壊され尽くしてしまうかもしれない。

大学による新しい研究によると、日本の人口の 1億 2700万人以上が、この脅威にさらされている可能性があるという。「それは日本を絶滅に陥れることになるかもしれないといっても過言ではない」と神戸大学の巽好幸教授は研究の中で述べている。

話がどんどん大きくなっていっている感じもしまして、何というか、まるで「日本版イエローストーン的な話題」として海外で伝えられているわけですけれど、神戸大学の教授の言う、

> 巨大噴火が今後百年間に日本列島で起きる確率は約1%とする試算

のそのものが何らかの具体的な目安になるというものではないとは思います。

というのも、ここでいう「巨大噴火」の発生のサイクルの「期間」には非常に幅があるために、発生確率のパーセントでの表示での理解は難しい感じがするのです。

なお、報道では「巨大噴火」という言葉が使われていて、「破局噴火」という言葉はあまり使われていないようですが、ここでは「破局噴火」という言葉を使わせていただきます。

過去記事で何度か記したことがありますが、今一度、この噴火について書いておきます。

破局噴火 - Wikipedia

破局噴火とは、地下のマグマが一気に地上に噴出する壊滅的な噴火形式で、しばしば地球規模の環境変化や大量絶滅の原因となる。

大規模なカルデラの形成を伴うことからカルデラ破局噴火と呼ぶ場合もある。また、そのような噴火をする超巨大火山をスーパーボルケーノとも呼ぶ。

確率の予測に意味があるかどうかはともかくとして、神戸大学の巽教授の「 700万人が火砕流で2時間で死亡し……」というような描写そのものは、破局噴火においては誇張ではなく、たとえば、アメリカのイエローストーンが破局噴火を起こした場合のシミュレーションについて、上の Wikipedia では、以下のように記されています。

イギリスの科学者によるシミュレーションでは、もしイエローストーン国立公園の破局噴火が起きた場合、3 - 4日内に大量の火山灰がヨーロッパ大陸に着き、米国の75%の土地の環境が変わり、火山から半径1,000km以内に住む90%の人が火山灰で窒息死し、地球の年平均気温は10度下がり、その寒冷気候は6年から10年間続くとされている。

イエローストーンとなると、そのサイクルはさらに大きく、数十万年単位(前回の噴火は 64 万年前)となったりしますが、巨大火山がある国や地域では、海底の巨大火山を含めて、いつかは必ずこれらの災害に遭遇する時が来るということになります。



地球の文明のリセットを考える

先日の、

タイムリーな黒点の姿と「 X 100,000 クラス」の超特大スーパーフレアの存在
 2014年10月21日

では、太陽系外の星で「 X 100,000 」クラスの超巨大フレアが観測されたことを書いたのですけれど、記事の最後のほうに、もし、私たちの太陽が同じような超巨大フレアを「連発」して地球に直撃させたような場合、それは、

「地球のリセットを意味する」

というようなことを書きました。

そして、火山もそうです。

日本だけでも数千年〜1万数千年に1度は、どこかで破局噴火が起こり、その場合には、日本列島の全部ではないにしても、基本的に「命も文明もリセットされる」ことになります。

これらの太陽や火山の存在が示すことは、

「地球はひとつの場所で1万数千年以上同じ文明が存続できないようになっている」

ということを示すものなのかもしれないとも思います。

それは決して火山の周辺の局地的なものに限られるわけではなく、たとえば、上のほうに書きましたイエローストーンのシミュレーションの破局噴火のシミュレーションで、

> 地球の年平均気温は10度下がり、その寒冷気候は6年から10年間続くとされている。

とあるように、広い範囲で農業の存続も難しいような状況となるようなことが何年も続くわけです。


今までぼんやりとは思っていましたが、今回の報道で、、

地球には同じ系統の文明を継続させないメカニズムがある

ということを知った気がします。


ところで、日本で破局噴火が最後に起きたのは、今から 7,300年前のことです。

これは、過去記事、

アメリカ政府はイエローストーンが噴火した場合のために、南アフリカ、ブラジル、オーストラリアなどへの「米国人の数百万人規模の大量移住」を要請していた
 2014年05月09日

などにも書いたことがありますが、東大名誉教授の藤井敏嗣さんが書かれた「カルデラ噴火! 生き延びるすべはあるか?」というページによれば、

わが国では、100立方q以上のマグマを放出するカルデラ噴火は、1万年に1回程度発生しています。数10立方q以上の噴火ならば12万年間に18回、つまり6千年に1回程度は「起こっている」ことになります。

もちろん、これは平均発生頻度で、前のカルデラ噴火から2,000年のうちに起こったものもあれば、1万数千年以上の後に起こったものもあり、このような規模の噴火で、最後に起こったものが先の鬼界カルデラ噴火なのです。

ということになり、破局噴火は平均サイクルが非常に長く、そして規則的でもありません。
1万数千年起きないこともあれば、2000年で起きることもあるというものです。

ですので、

「 2000 年の間隔で起きたことがある」

という事実と照らし合わせれば、前回の破局噴火から 7300 年経っている現在は、日本のどこかで破局噴火が起きる可能性は十分にあるということにもなります。

しかし、

「1万数千年の期間起きなかったこともある」

という視点から見ると、「まだまだ起きることはない」とさえ言えそうで、結局、カルデラ破局噴火の予測に「今後何年で何パーセント」というような数字を入れることの意味にはやや疑問も感じますが、それでも、

新聞記事にある

> 九州のほぼ全域が火砕流に襲われ、約二時間で七百万人が死亡する。

という響きには確かに迫力があります。

今回の神戸大学の巽教授の研究に従って作成した想定される被害地図は下のようになります。

super-volcano-japan.jpg
東京新聞


これは 7300 年前の鬼界カルデラの破局噴火の際の被害の構図とほぼ同じで、7300 年前には下のような被害を出したとされています。

鬼界カルデラから噴出した火砕流の分布域とこの噴火で降り積もった火山灰の暑さ分布
kikai-7300.gif
NHK


そして、この 7300 年前の噴火の後、九州から四国に関しては、藤井名誉教授によれば、以下のような状態になったとされています。

南九州から四国にかけて生活していた縄文人は死滅するか、食料を求めて火山灰のない地域に移動し、1,000年近く無人の地となったようです。というのも、この火山灰層の上下から発見される縄文遺跡の土器の様式が全く異なっているからです。

ふと、「そういえば、富士山が破局噴火を起こしたら、自分が住んでいるあたりはどうだろう」と思い、大体同じ縮尺で、「2時間で 700万人が死亡する」範囲の円を富士山に合わせてみましたら……その中にきれいに収まりました(ああ、ダメだ)。

LocMap-Fuji-Mountain.gif


ここに越してきたときには「富士山がベランダから見えていいなあ」と思っていましたが、富士山が破局噴火を起こした場合、この地は周囲に存在するすべてと共に(多分、分子レベルで)消滅してしまう地域でもあるようです。

確かに、こんなことを心配するのは馬鹿馬鹿しいことではあるかもしれないですが、

「太陽にも火山にも地球の文明をリセットする力がある」

ことは、おそらくは事実で、その「リセットされる時代はいつか」というような話とも関係するのかもしれません。


群馬大学教育学部の早川由紀夫教授は「現代都市を脅かすカルデラ破局噴火のリスク評価」というページの最後をこのようにしめています。

ひとの一生の長さはせいぜい百年であるから、そのようなリスクがあることはすっかり忘れて、日々の暮らしを楽しく送ったほうがよいとする人生観もある。

一生の間に遭遇する確率が1%に満たないカルデラ破局噴火を心配するのは、たしかに杞憂かもしれない。愚かしいことかもしれない。しかし地球上のどこかの現代都市をいつか必ず襲うだろうカルデラ破局噴火を、純粋理学の研究対象だけに留めておいて本当によいのだろうか。


そして、冒頭のロサンゼルス・タイムズの報道のように、最近になって、

「今まで知られていなかった数千以上の海底火山の存在が明らかとなった」

ということがありました。

今回の研究によれば、海底には 10,000 以上の火山が存在するということのようです。

海底火山は今まで、その存在が知られていなかったものが多く、「噴火して初めてわかる」ということが多いものでした。

hung-haapai1.jpg

▲ 2009年 3月 18日に爆発的噴火を起こした海底火山フンガ・ハーパイ( Hunga Ha'apai )。場所はトンガから北西に約60キロメートルの場所でした。


ちなみに、7300 年前に破局噴火を起こした鬼界カルデラも基本的には海底火山です。

そして、

御嶽山の噴火やマヤカレンダーが示した「 5000年間」という時代の区切りに「日本神話の根源神」は何を私たちに示そうとしているのだろうかと考える
 2014年10月06日

という記事に書きましたように、現在の日本の火山学では「死火山」という言葉も概念も存在せず、「どんな火山でも、いつでも噴火する可能性を持つ」という考え方が普通になっています。

そんな「いつでも噴火する可能性を持つ火山」が地球の海底に「万単位」で存在する。

そういう場所に私たちは住んでいます。

というわけで、ロサンゼルス・タイムズの記事をご紹介します。



Thousands of undersea volcanoes revealed in new map of ocean floor
LA Times 2014.10.03


何千もの海底火山の存在が新しい海底地図で明らかに


最近、科学者たちにより最高解像度の海底地図が作成された。そして、その地図によって現在は活動していない火山を含めて、今まで知られていなかった数多くの海底火山の存在が明らかとなった。

この地図と研究結果は 10月 23日に発表された。この地図は 20年前に作成された海底地図より少なくとも2倍正確だという。

研究を主導したカリフォルニア大学サンディエゴ校のデヴィッド・サンドゥエル( David Sandwell )教授は以下のように述べる。

「良い話には聞こえないかもしれないですが、海底には 5,000 以上火山の海底火山があると思われていましたが、今回の解像度の地図では、10,000 以上の古い海底火山を見ることができます」

深海の海底の状態については、科学者たちもいまだにほとんどのことを知らない。サンドゥエル教授は、海底の探査は、太陽系の別の惑星を探査することと同じようなものだと考えている。

新しい海底地図を作成するに当たっては、欧州宇宙機関( ESA )の地球観測衛星 CryoSat-2 と、米航空宇宙局( NASA )とフランス宇宙機関 CNES が運営する海洋観測マッピングミッションでの宇宙艇「ジェイソン-1 ( Jason-1 )」が使用された。

両宇宙船は、海洋表面の形状をインチ( 1インチは約 2.5センチ)単位で計測することができる機器を搭載している。海底の巨大な山や火山は、海の表面の水位に影響を与えるため、海水面を計測することが海底で起きていることを知るための手がかりとなる。

今回の研究以上に正確な海底地図の作成ができるかどうかについて、サンドゥエル教授は「不可能ではないですが、予算と時間がかかりすぎるのです」と述べる。

観測衛星ではなく、船に機器を搭載して計測すれば、さらに正確な海底地図を作成することが可能だが、 10隻程度の船に機器を搭載したとしても、計測が完了するのに10年間かかるという。しかし、そのためには莫大といえる予算がかかり、それを喜んで拠出してくれる機関は存在しないだろうという。


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2014年10月23日



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観測史上での巨大な太陽黒点群との面積の比較(厳密な上位3ではないです)

sunspots-compared.jpg
Big Sunspots Compared



今回の本題とは全然関係ないですが、少し前、トンボを飛んでいるのを見まして、ふと、「最近ってトンボって本当に見なくなったなあ」と思いました。

というより、昆虫そのものが、ものすごく減っている感じがします。

今年の夏、実家のある北海道に帰った際、結構自然のあるところなどにも行ったのですが、昔はバッタやらキリギリスやら夏の昆虫がワンサカいたような場所でも、ほとんど見ることがなくなっていました。

バッタも飛んでいないし、キリギリスの声も聞こえません。
夜になっても、コオロギの声もあまりしません。

昔は夜ともなれば電柱の外灯の周囲はウジャウジャといろいろな昆虫が飛び回っていたものですけど、ふと思えば、そんな光景はもう何年も見ていない気がします。

そういえば、今年9月に、赤トンボが激減しているという報道がありました。

赤トンボ急減・絶滅の恐れ? 農薬関連を調査
TBS 20014.09.30

赤トンボの代表種「アキアカネ」が全国的に減っている。20年で生息数0.1%の地域も。

三重県は今年、絶滅の恐れがある生物を記載する「県レッドリスト」の「準絶滅危惧」にアキアカネを加えた。富山県は2012年に6段階で上から5番目の「絶滅にいたる可能性があるが、情報が不足しており、今後生息・生育状況に注意すべき種」に指定。環境省が調査に乗り出した。

石川県立大・上田教授は同県内で調査を行い、「ここまで極端な減少はおかしい。農薬の影響だと考える」と指摘。

というような報道があり、上では抜粋していませんが、この報道は、いわゆるネオニコチノイド系農薬を問題にしている内容でした。このネオニコチノイド系農薬はミツバチの減少などの時にも話に上ることはありますが、影響は確かにあるのだろうとしても、それが原因のすべてかどうかは何とも言えないところもあるようです。

いずれにしても、

> 20年で赤トンボの生息数が0.1%に。

というような記述を見ますと、むしろ赤トンボを見られるのは今だと奇跡的なラッキーなのかもしれないです。

高校生の時くらいまで(三十年数年前ということですが)は、北海道の秋は、誇張ではなく、「空がトンボで埋め尽くされるほど」飛んでいたものでした。

トンボの減少の原因が何であれ、ここまで極端に減ると、急激に増えることは無理そうで、トンボも「記憶の中の生き物」ということになるのかもしれないです。そして、昆虫だけでなく、そんな生き物はいくらでもいそうです。

そういうせいもあるのか、今年6月の毎日新聞には下のような記事がありました。

大阪の高校生:ムシ触れない6割 25年で倍増
毎日新聞 2014.06.05

昆虫を素手で触れる高校生が激減 --- 大阪府内の高校の生物教諭でつくる府高等学校生物教育研究会が、府内の高校生に「昆虫に素手で触れることができるか」を聞いたところ、「できる」と回答した生徒が4割にとどまり、約25年前の7割から大幅に減ったことが分かった。

自然のあるところに行っても、あんまり虫がいない現況では、これも仕方ないのでしょうけれど、さわれないということは、「今後、この地球で彼らにとって虫は必要ない」ということでもありそうで、虫たちは「必要とされていないもの」となってしまったようです。

いろいろと理由はあるでしょうけれど、必要とされなくなってしまったものは消滅するということは、あらゆる面に存在して、生物も例外ではないのかもしれません。

それが健全な地球の姿なのかどうかはわかりません。

というわけで、今回の本題に入ります。
連続になるのですが、現在の太陽の黒点のことです。

これが「歴史的」という言葉がつく大きさに成長してきています。




観測史上で過去最大クラスの黒点群に成長した 2192 の今後

先日の記事、

超巨大黒点群が地球に向いてくる
 2014年10月20日

より続けて書いております現在の太陽の黒点群 2192 ですが、さらに成長を続けておりまして、 NOAA (アメリカ海洋大気庁)によりますと、

「観測史上に残る巨大黒点と並ぶ規模」

となってきています。

観測史上で巨大だったいくつかの太陽黒点の面積と現在の黒点群 2192 の比較が冒頭に載せたもので、スペースウェザーの History's Biggest Sunspots (観測史上の最も大きな黒点群)というページによれば、

・1947年4月8日の黒点群(名称不明)

が、観測史上で最も巨大な黒点群で、最近の観測では特別に大きな黒点群として、

・2001年3月29日の黒点群 9393
・2003年10月30日の黒点群 0486


などがあります。

そして、今回の黒点群 2192 も「歴史的な大きさ」に成長していて、それらと並ぶほどの巨大黒点群となっています。さらに「黒点群 2192 はいまだに成長を続けている」ということもあり、場合によっては、観測史上で最大の面積を持つ 1947 年の黒点活動領域に近く付く可能性もあります。

この黒点群 2192 は、10月 23日の時点では、過去 48 時間で、Mクラスのフレアを8回発生させていまして、Xフレアも2回放出しているというような非常に活発な太陽フレア活動を続けています。

スペースウェザーでも、この黒点群と太陽フレア、そして今後の予測にについて、かなり長い記事を掲載していますので、それをご紹介したいと思います。



LOTS OF SOLAR FLARES
Spaceweather 2014.10.23

多発する太陽フレア

太陽活動が活発になっている。モンスター黒点群 2192 は、過去 48 時間の間に、Cクラスの太陽フレアを 27回、Mクラスのフレアを8回発生させ、そして、Xフレアも2回炸裂させているというように、その強度は増加している。

NASA の太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリーは、その強力な紫外線を記録した。


c1-1022.jpg


注目すべきことに、これまでのところ、これだけ多くのフレアが起きていながら、どの爆発も地球へ向けての CME (コロナ質量放出)を発生させていない。

太陽フレアの主要な影響は、地球の上層大気をイオン化することにより、 短波無線や短波ラジオをブロックしてしまうことにある。このような無線への影響は、飛行士、船舶の乗員、そして、アマチュア無線家に影響を与える。

この先の数日間、地球での影響が増加する可能性がある。黒点群 2192 は、強力な爆発を作り出すエネルギーを持つ不安定な構造の「ベータ・ガンマ・デルタ( beta-gamma-delta )」の磁場を持っており、この活動領域は現在、地球方面に回り込んできている。

NOAA の予測では次の 48 時間(日本時間の25日まで)のMクラスの太陽フレアの発生確率を 95 %としており、Xフレアの発生確率に関しては 55 %としている。

黒点群 2192 はこの数十年の間で最大の面積を持つ太陽黒点になりつつあり、その面積は 2003年に記録された黒点群 0486 の面積に迫っている。

この黒点群 2192 は、木星ほどの大きさもあり、そして、あまりにも巨大なため、日没の時に太陽が雲や霧などで淡く映っている時に、この黒点群の存在を地上からでも気づく人がいると思われる。

下の写真は、パイロットのブライアン・ウィテッカー氏が、10月 21日にカナダ・ヌナブト準州の上空 1万 1,000キロメートルを飛行中に撮影したものだ。


sunspot-sunset.jpg


「北極カナダに沈む夕日の中の巨大な黒点に感動し、撮影しました」と、ウィテッカー氏は語った。

なお、太陽を撮影するカメラマンの方々に注意申し上げるが、フィルタリングされていない機器で太陽を観測しないようにしてほしい。

たとえ雲や霧により太陽が暗く見えている場合でも、カメラのレンズによって増幅された太陽光によって重篤な眼の損傷を引き起こす可能性がある。観測したい場合は、液晶画面つきのカメラを使うか、あるいは太陽観測専用の望遠鏡を手にするのもいいかもしれない。




ここまでです。

ちなみに、記事に「太陽観測専用の望遠鏡」という言葉が出ていて、専門ショップへのリンクがされていたので見てみますと……。

Solar-Telescope.jpg
Lunt LS152THa Solar Telescope

うーむ……。大体 7000ドルから 9000ドルくらいというのは、70〜 90万くらいはするということですね。地上からの太陽観測に興味はあるんですけれど。

まあ、観測はともかく、 NOAA は今後 48時間で、

・Mクラスの太陽フレアの発生確率 95 %
・Xクラスの太陽フレアの発生確率 55 %


と、かなり高い予測を出しています。

実際、過去 48 時間で8回のMクラスのフレアと、Xクラスのフレア2回を発生させているわけで、活発な黒点だということは確かで、今後も急速に黒点領域が萎縮するということがなければ、フレアの発生はあると思われます。

それと、今回のスペースウェザーの記事の、

注目すべきことに、これまでのところ、これだけ多くのフレアが起きていながら、どの爆発も地球へ向けての CME を発生させていない。

というのは興味深く、不思議というべきなのか、そうでもないのか、そのあたりはわからないですが、Mクラス以上の太陽フレアの場合、大なり小なり、 CME を放出さるるものだと思いこんでいましたので、

・Mクラス以上のフレア 10回
・CMEなし


というのは意外な感じもしました。

もし、Mクラス以上の 10 回のフレアすべてで CME が発生していた場合、地球の磁気も相当乱れたと思いますので、今のところは、「何となく守られている感」もあります。しかし、 CME がなくとも、これだけフレアが多発していると、地磁気もかなり乱れてくると思われます。

NICT の 10月 23日の宇宙天気データでは、

・フレア予測は「非常に活発」
・地磁気攪乱予報は「やや活発」


となっています。


あ!・・・今気づきましたが、NICT 内の資料をいろいろと見ていましたら、「 1874年以降に観測された面積の大きな黒点群」という 140 年分のデータがありました。初めて見るものです。

1874-sunspot.gif
NICT


冒頭の写真にある「 1947年の黒点の活動領域」が過去 140年の巨大黒点の中でも飛び抜けて大きな黒点群であることがわかります。

sunspots-compared-2.jpg


改めて比べてみますと、 1947 年の黒点群と比べても、見た目だけでしたら現在の黒点群もなかなかの大きさではないでしょうか。

上の歴代の大きな太陽フレアの表のうち、6位と 12位に 1989年の黒点群がありますが、この年は、大きなフレアが多かったようで、NICT によれば、

・1989年08月16日 X20.0 の太陽フレア(観測史上2位)
・1989年03月06日 X15.0 の太陽フレア(観測史上6位)
・1989年10月19日 X13.0 の太陽フレア(観測史上9位)


など、1989年は巨大フレアが多発した年だったようです。

この 1989年の 3月 6日の X15.0 という超巨大フレアを起こした3日後に太陽で発生した CME が、カナダの大停電を含むさまざまな影響を地球に与えました。

下のような出来事です。

1989年3月の磁気嵐 - Wikipedia

1989年3月13日に起きた磁気嵐は地球に非常に大きな影響を及ぼし、カナダではハイドロ・ケベック電力公社の電力網を破壊し深刻な被害をもたらしたり、米国の気象衛星の通信が止まるなど、各国の様々な社会インフラが影響を受けた。

この時のオーロラの発生は短波長域での電波障害を引き起こし、さらには、ラジオ・フリー・ヨーロッパとラジオ・リバティーからソビエト連邦へのラジオ放送も突然に断絶した。

極軌道上のいくつかの衛星では、何時間にもわたってコントロールが失われた。アメリカでは、気象衛星であるGOESとの通信が断絶し、気象データが失われた。

というようなことがあったわけですが、危険の目安としては、今後数日間のうちに「 X 10 」以上のフレアが発生して、それと共に CME が放出されるようなことがあれば、それなりの地球への大きな影響が出る可能性もあります。

しかし、あせるようなものでもなく、太陽からの嵐が地球に到達するには数十時間(2〜3日)かかりますので、太陽フレア発生を報道などで確認してから準備をしても十分に間に合います。

ただ、 X 28 ( 2003年 11月 4日の観測史上1位の太陽フレア)とかのクラスの超巨大フレアでしたら、変に準備するより、仲間や友人と楽しく過ごしたり、あるいは、楽しかった文明生活の思い出を作っておくというのもいいのかもしれません。

そんな可能性はないでしょうけれど、ゼロでもないあたりが。

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2014年10月21日



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dg-cvn-top.gif

Space.com より



巨大黒点群 2192 から連想したものは

昨日の記事、

超巨大黒点群が地球に向いてくる
 2014年10月20日

で取り上げさせて頂きました黒点群 2192 ですが、その翌日の本日は下のように、目視ではさらに大きくなっている気がします。

ar-2192-1020.gif
Spaceweather


太陽の黒点数も増えていて、この増加分には、 2192 の黒点の増加も含まれているかもしれないですが、注目していただきたいのは、今日になって、写真では太陽の中央あたりに突然現れている 2193 と数字がふられている太陽黒点群です。

黒点群の数字は発生順に番号づけされますので、この 2193 は、巨大黒点群 2192 より後にできたことになりますが、このように黒点というのは突然発生し、そして場合によっては、例えばですが「1日で 100 個増える」とか、そういうようなことも活動の活発な時にはあります。

巨大黒点群 2192 をさらに拡大した写真は下のものです。
米国メンフィスのアマチュア天文家の方が地上から撮影したものです。

Ross-Sackett-Sunspot.jpg
Spaceweather Realtime Image Gallery


龍のようにも見える迫力のある黒点群ですが、しかし、これを見て私は、「あれと似てる」というものを思い出したのでした。

それはこちらです。

ebola-gigantic.jpg


これは、最近、アメリカで発売された「エボラ・ウイルス人形」なのですね。

ウイルスやバクテリアの人形を専門に作っているアメリカの玩具会社(どんな会社だ)が最近発売したものなのですが、ものすごい売れ行きで、現在は在庫が尽きた状態だと報道にはあり、 iPhone 6 並みのフィーバーが起きているようです。

インターネットでも下のリンクのページから購入できます。

ebola-doll.jpg
Ebola


小さなほうが約 1,000円、大きなほうが約 2,500円くらいのようです。

サイトの「よくある質問」を見ますと、世界中どこでも発送してくれるそうですので、送料は不明ですが、日本でも購入できるようです(購入してどうする)。

この人形には、エボラウイルスの歴史、症状や予防法などが書かれた紙もついてくるということで、そのあたりも、エボラな敏感になっているアメリカ人のハートを掴んだようです。

ウイルス人形のジャンルでは(どんなジャンルだ)異例のヒットになっているそう。

この会社は、他にも下のように、ペスト、コレラ、デング熱、炭疽菌、狂犬病などから、豚インフルエンザや、眠り病ウイルスなど比較的新しく見つかった病原体まで何十種類という「病原体人形」を発売しています。

virus-dolls.gif
Giant Microbes


まあ……世界にはいろいろな会社があるものですが、くしくも太陽黒点群 2192 と、エボラ人形の「形」が同じような感じでしたので、ついこんな余談を書いてしまいました。

でもまあ、クリスマスのプレゼントに「はい、エボラ」とか「はい、狂牛病」とか子どもにあげるのも、粋なプレゼントになるかもしれないですね(そうか?)。



病原体での死因の実際

ところで、話がどんどん横道にそれていきますけれど、このエボラ。

かわいい人形はともかく、西アフリカを中心とした死者は、10月 14日の時点で 4,555 人と発表されていますが、しかし、この「アフリカ」という場所の特異性というのが下のグラフでわかります。

death-causes-africa.gif
Vox


いくらエボラが数ヶ月間で 4,000人の死者を出しているといっても、他がすごい。

上のグラフは、 2012年のデータ(エボラだけは 2014年のデータ)ですが、「アフリカでの1年間の死亡原因」のグラフです。

1位 エイズ 108 万 8000人
2位 呼吸器疾患 104万 9000人
3位 下痢症 60万 3000人


となっていて、その後にもいろいろな項目が続きますが、こうなってくると、アフリカという単位で考えると、現時点でのエボラは、死者数だけで見れば「大したものではない」ということさえ言えそうです。

これをさらに世界全体で見てみますと、かなり古いデータしか見当たらなくて恐縮ですが、 WHO が 2003年に発表しました The world health report 2003 (世界健康報告 2003年)の中から、ウイルスやバクテリアによる感染症での死者だけを挙げますと、トップ5は下のようになります。

1位 肺炎  385万人
2位 エイズ 282万人
3位 下痢症 177万人
4位 結核  160万人
5位 マラリア122万人


これから 11年経っていまして、順位の変動はあるはずですので、まあ一応の目安として見ていただればと思います。

ちなみに、エイズに関しては、エイズ予防ネットによれば、 2012年の死者は 160 万人ということですので、2003年より、エイズの死亡者はかなり減っていることになります。

ただ、エイズの患者( HIV 陽性)は 2012年で、世界に 3,530 万人もいて、そして年々増えていますので、死者数が減っているのは、治療薬の進歩によるものかと思います。

エイズは、日本で特にひどいことになっているという事実もありますしね。

他の先進国では減り続けているエイズ患者ですが、日本は下の状況。

aids-japan.gif
「元気がいいね」


2014年 5月 24日の THP 「エイズ感染・発症患者数、5年ぶりに過去最多更新 50代以上も検査を」という記事によると、

> 新たなエイズ発症患者報告数は30代以上が多く、ここ3年で伸び率が高いのは50代以上だという。

ということなのだそう。

うーん……50代……つまりオジサンたち……何をやっとる……。

でもまあ、中年男性がまあ、いろいろといろいろなことをするということ自体は昔からあったと思いますので、年齢層を問わず、全体としていろいろと乱れてきているのですかね。

ちなみに、HIV は「感染から発症までは8年ほどかかる」そうで、すでに忘れた頃におこなった様々が8年後に襲ってくるということになるのでしょうか。

赤枝恒雄さんというお医者さんが書かれた「エイズ」爆発寸前の予感---増えている日本の患者数というサイトには、

若者にエイズに対するアンケートを求めたところ、恐いことに3分の1の人は現在つき合っているパートナーにも感染の事実を告白しないと言います。

このような若者のエイズに対する消極的な意識では、エイズは拡大し、感染爆発が起きるのは時間の問題のような気がします。

とありますが、この「若者」というフレーズに「オジサン」というフレーズを加えなければならないようです。

そういえば、先日書きました、

米国のエボラ研究の第一人者が「エボラウイルスが突然変異によりさらに感染力を高めていること」を警告
 来たるべき地球のかたち  2014年10月20日

という記事に、アメリカの感染症研究のトップ・サイエンティストである米国立感染症研究所のピーター・ジャーリング( Peter Jahrling )という科学者のインタビューを載せましたが、ジャーリング博士は、

「エボラよりエイズのほうが人類にとっての脅威だ」

というニュアンスのことを述べていました。

これは結局、上にも書きましたように、エイズは、

感染から発症までは8年ほどかかる

ために、保菌したまま多数に感染させてしまうタイプの病気だという意味で、それと比べると、致死率の高い感染症、例えばエボラなどにしても、死亡した後はもう他者に感染はおこさない上に、発症してからの行動範囲が広くなることも考えられず、感染者の想定範囲はかなり狭い範囲に留まります。

その差のことを言っているようです。

ただ、エイズは性交渉さえなければ、ほぼ感染しないわけで、「性交渉の消滅した社会では絶滅する」ものでもあります。

そんな社会は来ないと思うのが一般的なのでしょうけれど、いつかそういう社会が来るかもしれないというのが、私の考えのひとつでもありますけれど、それはまたややこしい話となりますので、ここではふれません。

何だか、ひどく話がそれてしまって、ここから「スーパーフレア」の話を書くのも変なんじですが、ただ、今回のスーパーフレアの話は、私たちの太陽の話ではありません。




宇宙で実際に起きている「 X 10 万」クラスのフレア

x100000-top.jpg

▲ NASA のガンマ線バースト観測衛星スウィフトが「 X 100,000 クラス」の巨大フレアを観測した DG CVn のフレア発生時の想像図。 NASA より。


私たちの太陽で起きる太陽フレアは、エネルギーの低い順から B、C、M、X、というようにフレアの強度を区分していて、このうち、BからMまでは、それぞれの中で 10段階にわけられています。

flare-power.jpg
nict

上のように、C 3.5 とか M 1.3 などと、そのエネルギーの強さを現します。

しかし、「Xフレア」には上限がありません

なぜかというと、「どのくらい強い太陽フレアが発生するのかはわからない」からです。

これまでの太陽の観測史上で最も強力な太陽フレアは「 X 28 」という途方もない巨大なフレアでした。

cycle23-x-flare2.gif
太陽中性子観測による太陽フレア現象における粒子加速機構の研究

このことは、

太陽活動最大期の3年後に発生した観測史上最大の 2003年の X28 クラスの超巨大フレアのこと
 2014年09月15日

という記事に記したことがありますが、その中で、上の表が載せられている、名古屋大学の太陽地球環境研究所 宇宙線研究室の渡邉恭子さんという方が書かれた資料を抜粋させていただいています。

その論文には、この X 28 という太陽フレアのエネルギーがどの程度のものかということについて、

広島の原爆 10 兆発にも相当する

と書かれています。

兆、つまり、1,000,000,000,000発です。

この X 28 は、地球方向に向いていなかったために、地球は「インフラの終末」を避けることができたのですが、もし、このような、あるいはこれ以上の太陽フレアが地球にダイレクトの方向で発生した場合、2008年の全米研究評議会という機関によれば、

現代社会における電力やGPSに依存する機能、水道などのライフラインが破壊され、全世界で2兆ドル規模の被害が発生するとの試算がある。

というような可能性もあるとのこと。

日本円で約 200兆円の被害が出るという試算です。

やや大げさな試算だとしても、このレベルだと短時間での復旧は不可能だと思われ、直撃した地域はかなり長い期間、電気や通信とは無縁の社会とならざるを得ないと思われますが、このように「どのくらい強力な太陽フレアが発生するか」というのはわからないことです。

なお、観測史上での太陽フレアの上位5は以下の通りです。

1位 X 28.0 2003年11月04日
2位 X 20.0 1989年08月16日
3位 X 20.0 2001年04月02日
4位 X 17.2 2003年10月28日
5位 X 17.0 2005年09月07日


このうち、1989年 8月 16日の太陽フレアでは、カナダのケベック州において、「ケベック大停電」という 600万世帯が停電に陥るという前代未聞の大停電が発生しました。

X 20 とかのフレアでも、そのようなことが起きるわけですけれど、しかし、宇宙は広いわけで、冒頭の記事にありますように、NASA の観測衛星が「 X 100,000 クラス」の巨大フレアを地球から 60光年離れた場所にある DG CVn という恒星で発生したことを観測したのですね。


そして、何より驚くことは、この DG CVn という星の大きさは「私たちの太陽の3分の1しかない」のです。

size-DG-CVn.gif


私たちの太陽よりもはるかに小さな星が、その太陽で観測された中で最大のフレアの1万倍ほどもある超強力なフレアを爆発させたことの発見に NASA の科学者などもかなり驚いていたようです。

さらには、その数時間後に、同じ程度の規模のフレアが観測されています。

このフレアついて書かれた 9月 3日の NASA の記事では、なぜ太陽の3分の1の星が太陽の1万倍ものフレアを発生させたのかということについて「自転速度が太陽より 30倍早いため」としています。

それにしましても、このような、つまり「 X 100,000 フレア」というような現象が実際に起きているということは、私たちの太陽も遠い昔には、同じようなフレアを作り出していた可能性もあります。

あるいは……これからだってあるかもしれません。

そして、推測さえできないですが、仮に私たちの太陽が X 100,000 のフレアなどを地球に向かって放出した場合、それは明らかに、

「地球のリセット」

になり得ると思われます。

人類を含めた非常に多くの生物のリセットです。

あるいは過去の大量絶滅の中には、このような太陽フレアが地球にダイレクトに、しかも、何度も放出したことによって起きた場合もあったのかもしれません。

この X 100,000 のフレアのことを知って、あるいは、エボラウイルス人形の大ヒットのことを知って、「この世には想像以上にいろいろなことがある」と改めて知ったように思います。

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2014年10月20日



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地球を飲み込むサイズの黒点群

現在の太陽黒点は、数そのものは 60 個と、特別多くも少なくもないのですが、下の写真の左端のほうに「 2192 」と番号が書かれた黒点群があるのがおわかりかと思います。

sun-spot-1019.gif
Spaceweather


この黒点群 2192 がですね……。


でかいのです。


スペースウェザーが地球の大きさと比較した写真を掲載していました。

sunspot-ar2192.jpg
Spaceweather


地球の大きさほどもある黒点群……と書きたいところですが、地球のサイズよりはるかに大きい。それにしても、黒点っていうのは上のように近くから撮影されたものを見ると「穴」のイメージがあり、地球が黒点に吸い込まれそうな感じがしたりもします。

そして、昨日、この巨大な黒点群 2192 がXフレアを発生させました。

2014年10月19日の Xフレア

x1-ar2192.jpg
Spaceweather


スペースウェザーから記事をご紹介します。

X1-CLASS SOLAR FLARE
Spaceweather 2014.10.19

X1クラスの太陽フレア

ベヒモス級の黒点群 2192 が 10月 19日にXクラスの太陽フレアを爆発させたが、これは驚くにはあたらない出来事だ。巨大な黒点は巨大なフレアを発生させやすい傾向があり、黒点群 2192 も例外ではないからだ。

今回の爆発で、おそらく宇宙空間に CME (コロナ質量放出)が噴出されたと考えられるが、現時点ではまだ NASA の太陽観測衛星 SOHO のデータでは確認されていない。仮に CME が放出されていた場合、爆発が太陽の東の端で起きたために、地球の広範囲にまで達する可能性がある。

今後、黒点群 2192 は地球側に回り込んでくるが、Xクラスなどの巨大なフレアを発生させる可能性が高い。


上の記事に「ベヒモス級の黒点群(Behemoth sunspot )」という表現が出てきます。

「ベヒモスって、以前に記事に出てきた気がするけど何だっけ?」

と調べてみますと、2012年の記事、

夢で見た「3つめの太陽」と「笑う黒点」
 2012年06月18日

の中で、やはり、スペースウェザーの記事の中に出てきたのでした。
このベヒモスというのは、ベヒモス - Wikipedia によると、

旧約聖書に登場する陸の怪物。語源は「動物」と言う意味のヘブライ語「behamath」の複数形に由来する。

あまりの大きさのために、一頭しか存在していないにもかかわらず、複数形で数えられたとする説も存在する。一説には豊穣のシンボルであり、また悪魔と見なされることもある。

というもので、このベヒモスは、神が天地創造の5日目に造りだした存在で、同じく神に造られ海に住むレヴィアタンというものと二頭一対を成すとされているのだそうです。

そして、

世界の終末には、ベヒモスとレヴィアタンは四つに組んで死ぬまで戦わさせられ、残った体は終末を生き残った「選ばれし者」の食べ物となる。

のだとか。

世界の終末を生き残った「選ばれし者」たちは、

こちらのベヒモスか、

behemoth-2.gif


こちらのレヴィアタンか、

Leviathan.gif


の勝ったほうを食べなければならないようです(ずっとこれを食べて生きていく?)。

いずれにしましても、そのような「ベヒモス級」と比喩される巨大黒点がこれから地球方面に向いてきます。




やや緊張する今後1週間

太陽フレアそのものの脅威はともかくとして、仮に「今のような時期」に太陽が地球方面に向けて大きなフレアを発生させた場合は、「地球の磁気に大きな影響を与える」という意味では何となく厄介な感じがします。

というのも、現在の懸念として、

・エボラ
・イスラム国
・経済と市況


など、他にもいろいろとあると思いますが、どれも太陽活動と関係するものだと思っているからです。

エボラのほうは、エボラというより、インフルエンザなどを含む感染症全体の話にもなりますが、

世界中で蔓延する「謎の病気」の裏に見える太陽活動と白血球の関係
 2014年05月04日

という記事の中でふれました、

「太陽活動が活発になると、白血球減少症の患者が増加する」

という統計があります。

sww-1957-08.gif


そして、この「白血球の増減」は、人間が病気にかかりやすい体質となるかどうかと関係します。

白血球の 60 %程度を占める好中球という存在が、人間を細菌などの感染症から守ってくれているわけですけれど、そのせいかどうかはともかく、過去の統計として、

太陽活動による地磁気の増加と感染症の流行はほぼ完全に一致してきた

という歴史があります。

下はヤゴディンスキー博士という人による調査です。

各種の伝染病と地磁気活動との関係(1971年)

ss-bacteria.gif

▲ 赤痢、天然痘、猩紅熱、ポリオのそれぞれの地磁気活動との関係を示した 1971年の研究論文。過去記事「太陽活動での地磁気の乱れが誘発するもの」より。


太陽活動の増加にしたがって「白血球が減る」という傾向があると共に、太陽活動の影響での地磁気の変化と感染症の流行は、ほぼ一致したグラフを描いていることがわかります。

要するに、

現在の状況下で太陽活動が活発になり地磁気が増加すると、エボラを含めた様々な感染症の増加がさらに拡大する

というような可能性はあり得ると思います。

ところで、エボラに関しては最近、興味深い記事を見かけました。



病気の感染と発症を振り分けているものの正体

ebola-immune-top.gif

▲ 2014年10月18日のエポック・タイムズより。


これは、10月 17日に、テキサス大学オースティン校のスティーヴ・バレン( Steve Bellan )博士が医学誌ランセットに発表した論文を紹介した記事で、

・エボラ患者と密接な関係を持ったうちの 71 %は病気を発症していない

・エボラ患者と密接な関係を持ったうちの 46 %がウイルスに感染していた証拠があるにも関わらず病気を発症しなかった

という調査結果から、ある程度の割合で「あらかじめエボラに対しての免疫力を持っている人たちが存在する可能性」について書かれたもので、エボラに対する免疫力を持つ人たちと持たない人(エボラを発症した人)たちのお互いを研究することによって、エボラを制圧するための何らかの機会が見出させるかもしれないというものです。

まあしかし、これはどんな病気にも言えることではあるとは思います。

かつて、ペストが黒死病といわれていた時、治療薬などなかった西暦 500年代や中世でも、全員が感染したわけでもないし、天然痘が猛威をふるったときも全員が感染したわけではないです。

もう少し身近な例では、風邪がどれだけ流行しても、「現在、日本人全員が風邪を引いています」というようなことは起こりえないわけで。ウイルスが人々に平等に体内に入り込んでいるとしても、感染して発症する人たちがいる一方で、感染も発症もしない人たちがいる

どんな病気に対してでもそうでした。

だから、人類はとりあえず現世人類が登場して以来、十数万年を生き残ったのだとも思います。

ウイルスが全員が感染して発症するものならば、どこかの時点で人類は絶滅しています。

そして、この、

・ある病気にかかる
・ある病気にかからない


の差が何によって決められているのか明確な答えを出した医学や科学はありません。

日本では「2人に1人が感染した」 1918年のスペイン風邪のような非常に強力なウイルスによるパンデミックでも、やはり「2人に1人」なんです。半数は感染していないか、あるいは感染しても発症していない。

上に出てきました「ベヒモスを食べることになる」世界の終末を生き残った「選ばれし者」たちは、少なくとも、病気で死んだりすることもなさそうな感じです。

免疫の弱い私は真っ先にウイルスに駆逐される対象っぽいですが、あんまりベヒモスは食べたくないのでそれでもいいかな、と。最近、四つ足(哺乳類)の肉を食べることに次第に抵抗感が強くなっていて、食べられないかもしれないですし。

まあ、食べ物としてのベヒモスの話はともかくとして、病気ひとつとっても、私たち人類が「見えないところで生死を選別されている」ことを感じます。



社会の混乱は増大するか?

話がそれましたけれど、「太陽活動と病気」の他に、例えば過去記事の、


太陽と暴動。そして、太陽と戦争
 2014年03月04日

や、あるいは、

太陽と社会混乱 : 直近2年半の中で最も強い太陽黒点活動だった時に起きていたウクライナ紛争、タイのクーデター、イラクへのISILの侵攻……
 2014年06月20日

などに書きました、

太陽活動と社会混乱

の関係性も相変わらず昔から現在に至るまで続いています。

何度も登場していただいている、 20世紀初頭に「地球上の生命現象が宇宙の物理的な現象とつながっている」ことを発表したロシアのアレクサンドル・チジェフスキー博士(1897 - 1964年)は、

「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」

と述べています。

嶋中雄二著『太陽活動と景気』 第6章より

チジェフスキーによれば、太陽の影響力は、個体から集団、群生に至る生物系のすべての組織レベルに及んでいるとされた。そして彼は、動物の血液、リンパ液、原形質等のコロイド電気変化が、太陽活動の変化やバクテリアの成長と平行関係にあることを突きとめた。

こうして、チジェフスキーは、地球上のあらゆる生物の発達は、太陽宇宙因子の直接的影響下に進んだものであり、人類もその例外ではないと考えた。彼は、戦争や革命など人間の不穏状態に関する徴候、あるいは「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」とした。

経済や市況にも同じことが言えるはずです。

つまり、突然の為替や株式市場の崩壊的局面なども「人間によって引き起こされる」ものですので、上のチジェフスキー博士の理論を当てはめると、上に行くか下に行くかは別として、「相場の大きな変動も起きやすい」とは言えそうです。

最近、株式相場の上下の動きも荒いようですし。

太陽活動は関係ないですが、山の事故(ヒマラヤ山脈の遭難死者43人に、トレッキング中の災害で過去最悪)や、あるいは、短絡的な殺人なども含んで、相変わらず「大量死の時代」のイメージが続く最近の状況の中、これから数日の間、地球は「巨大な黒点群」の影響下に入ります。

sunspot-ar2192-2.jpg

NOAA (アメリカ海洋大気庁)の、10月 19日(日本時間 10月 20日)からの 48 時間の太陽フレア発生予測を見ると、Mクラスは 60 %、Xクラスは 20 %になっています。

noaa-forecasts-1019.gif
Spaceweather


しかし、この黒点群は先に書きましたように、すでにXクラスのフレアを発生させていて、規模はともかく、今後、地球方面にダイレクトにフレアを発生させる可能性も高いと思われます。

もちろん、X10 などのとんでもない規模のフレアが発生すれば、「直接的な影響」(停電や通信インフラなどの損傷等)のほうも懸念されますが、とりあえずは、太陽フレアの直接的影響より「間接的な影響」による社会混乱の拡大が懸念される感じもいたします。

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God-help-us.jpg

▲ エボラ最大感染国のリベリアの首都モンロビアの海岸で、海に向かって「リベリアをエボラからお救い下さい」と神に祈るキリスト教系のアラドゥラ教会の信者。数は多くないですが、西アフリカにもキリスト教系のいくつかの新宗教団体が存在するようです。Daily Mail より。



もしかすると起こ(させ)るべくして起きた3次感染

エボラもいろいろな国でいろいろな話が出ています。

中米のベリーズでは、

「カリブ海を遊覧中のクルーズ船の船内でエボラ疑いの患者が発生し、クルーズ船はベリーズ沖に停泊したが、ベリーズ政府から、患者の受け入れとその他の乗客の上陸も拒否され、沖合に停泊したままとなっている」

というニュースが報じられていました。

belize-ebola.gif

▲ 2014年10月17日のベリーズのメディア Belizean より。


ベリーズというのはカリブ海に面している中米の人口 30万人の小さな国で、客船は多分、カリブ海をクルーズしている時だったのだと思います。客層は多分、ある程度の富裕層かと思われます。

belize-map.gif
・ベリーズの位置


記事の概要を箇条書きにしますと、

・エボラの症状を呈しているのは2人のアメリカ人観光客
・2人はベリーズシティにボートで運ばれたが、ベリーズ当局から上陸を拒否され、クルーズ船に戻ることもできず、現在はアメリカの空中救護隊の到着を待っている
・クルーズ船には乗員乗客 4633人が乗っていて、当局は彼らのベリーズへの上陸も拒否


というような感じとなっています。

ベリーズ政府が彼らの上陸に異常なほど神経質になるのも無理はなく、この国には「高度な医療施設がほとんどない」のです。たとえば、ベリーズ最大の都市のベリーズシティでも集中治療室を持つ病院はひとつで、しかも一室だけ。何より、観光が資源の国に、観光客が避けるような要素が生じた場合、経済的に大打撃を受けるからのようです。

アメリカ政府からのベリーズ政府への連絡によれば、根拠はよくわからないながらも、

「他の乗客乗員への感染リスクは非常に低い」

と述べたことが記事に書かれています。

しかし、その一方で、スペインやアメリカなどで、エボラは、2次感染、3次感染の次元に突入しています。

エボラ熱、3次感染の疑い 2次感染の女性を搬送
朝日新聞デジタル 2014.10.17

アフリカ以外で初のエボラ出血熱感染が起きたスペインで16日、新たに4人に「疑い」が持ち上がった。「3次感染」が起きた可能性があるほか、リベリアから帰国して5日たった神父も含まれており、市民に不安が広がりつつある。

スペインでは9月までに、西アフリカで感染した神父2人が帰国してマドリードで治療を受けたものの死亡し、看護に携わった女性(44)が二次感染して入院している。地元メディアによると、10月初め、この女性の搬送にかかわった男性が「3次感染」した可能性がある。

また、神父は、死亡した2人と同じ団体で活動しており、11日にリベリアから帰国していた。

この「神父」という響きで思い出すのは、8月の始めに、リベリアでエボラ出血熱に感染した「アメリカ人医師」ケント・ブラントリーさんのことで、過去記事の、

「3000人のアメリカ人」を新たにエボラウイルスの最前線に向かわせるという行為の中で再び思い出す「生物兵器」というキーワード
 2014年09月17日

の最後の方の

なぜか曖昧にされていたブラントリー医師の本職

というセクションで記していますが、ブラントリーさんは「キリスト教の宣教師」でした。

kent-ebola-survivor.jpg

▲ 退院後に米国 NBC で放映された特別インタビュー番組。WRCB TV より。


ブラントリーさんが所属していたのは、キリスト教系の「サマリタンズ・パース」という慈善団体で、金銭的に豊富な慈善団体としても知られています。

このブラントリーさんのように「治療によってエボラからの生還」を果たした人がいることは事実なのですが、その裏には別の大きな問題があります。

下の問題です。

ebola-50-top.gif

これは、

もしエボラが米国に蔓延した場合、治療費は? 米国ダラスで死亡したエボラ患者の治療費は「1時間に約 10万円」で、総額では5千万円を越えていた
 来たるべき地球のかたち 2014年10月09日

という記事で米国の報道を取り上げたものですが、上の「 5000万円」というのは、あくまで推定の最も高い額ですが、シカゴ・トリビューン紙の記事には下のようなことが書かれてあります。

ダラスの病院でエボラの治療を受けているトーマス・エリック・ダンカンさんに対してのこれまでの治療費が、総額で最大 50万ドル(約 5300万円)に達している可能性がある。

ダンカンさんは、深刻な容体になった 9月 28日以来、ダラスのテキサス・ヘルス・プレスビテリアン病院で、隔離治療を受けている。

人工呼吸器をつけ、試験的な薬を投与されている他、腎臓透析を受けている。また、治療には流体交換、輸血、そして、血圧を維持する薬が使われる。

さらに、エボラに汚染された廃棄物の処理の費用や、看護師を保護するための機器のセキュリティ費用もかかる。

こうしたことから、ワシントンの保健コンサルティング会社の最高経営責任者は、ダンカンさんの治療には、おそらく、1日に 18,000ドル(約 190万円)から 24,000ドル(約 250万円)以上の費用がかかっているだろうと述べた。

ダンカンさんは、これまで9日間、隔離入院しているが、観光ビザでリベリアからアメリカにやって来ており、いかなる健康保健も所持していない。

問題とは、この「アメリカのあまりにも高額な治療費」です。

上のダンカンさんはその後死亡しましたが、最低でも 2,000万円から 最高で 5,000万円程度になると考えられる治療費が「たった 10日で生じた」という事実があるわけで、これはアメリカで治療を受ける誰もが例外ではないはずです。

ダンカンさんの数千万円の治療費を家族が支払える可能性はなさそうで、請求は、多分、リベリア大使館かリベリア本国に回されるのでしょうが(リベリアが支払うかどうかは何ともいえないですが)、しかしこれから先は? という問題はありそうな気がします。



アメリカの医療水準の実態

ところで、これだけ高額な医療費がかかるアメリカですが、その理由は「アメリカが医療水準で世界1だから」と思われるかもしれないですが、10月16日のインターナショナル・ビジネス・タイムズの「エボラ感染の看護師:なぜ病院はエボラを封じ込められなかったのか」という記事に以下のような記述があります。

米国の医療水準と、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、英国を含めた欧州諸国とは十分な比較対象によってランク付けされていない。6月に連邦基金は、米国の医療水準は質の問題では同様の先進国と比較して最下位であると判断した。

その理由は、公的な品質データの不足も含む技術革新が不十分であること、医師および患者双方に対する管理、緊急治療室の使用、慢性疾患へのチームアプローチの減少などに因るとしている。

判断基準は曖昧ながら、欧州の先進国と比較すると「アメリカの医療レベルは最低の水準」であるという判断も存在します。

どうやら、「医療費が異常に高額」であることと「医療水準が非常に高い」ことはリンクすることではないようです。

直接関係する話ではないですけれど、アメリカ暮らしのファイナンシャル・プラニングというサイトによれば、アメリカで暮らす場合の老後の医療費の問題として、

米国の投資会社フィデリティは、過去十年間収集してきたリタイヤメント後の健康維持/医療費のデータに基づき、2013年にリタイヤする65歳の夫婦を想定したとき、老後の医療費として$240,000(約 2,500万円)が必要になると試算しました。

とあり、これじゃ、たとえばですが、日本のサラリーマンで 2,500万円の退職金をもらった人が老後、アメリカで暮らした場合、すべてが医療費と健康維持に使われるということになってしまいます。

いずれにしましても、アメリカにいる限りは、この「高額の医療費」という問題から逃れられる人はいないわけで、民間の健康保険に入っている人はそれで払えるとしても、保健に入っていない人も多いです。

2012年のデータではアメリカの健康保健の未加入率は 16%ですので、 5,000万人くらいの人が健康保健に入っていないことになります。

また、日本でもそうですけれど、治療費のすべてが保健で支払われるわけではないようです。

ちなみに、上に記しましたケント・ブラントリー医師は、所属していた「サマリタンズ・パース」からの出費と健康保険で全額払われたと考えられています。

しかし、今後、2次感染、3次感染の患者が次々と発生したら?

どれだけ高度な対症療法を持つアメリカであろうと、その代償が数千万円だとすると、相当な数の人々が治療を受けることができないか、あるいは、病院が治療を受けつければ受けつけるほど、病院が損害を被り、病院自体が疲弊していく。

そうなると、病院側がエボラ患者の受け入れを全面的に中止するか、あるいは、それこそ、 FEMA (アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)などの国の緊急事態機関による「特別な状況下としての無償治療」などを行うしかなくなるようにも思うのですけれど、ただまあ、今でも私は、

「アメリカ政府は本当にアメリカ国内へのエボラの流入、あるいは感染拡大を止めようとする意志があるのだろうか」

ということは感じます。

さきほどのインターナショナル・ビジネス・タイムズには、ダラスの病院で死亡したダンカンさんの治療に関わっていて2次感染した女性看護師について、病院の責任者は、

「当病院のスタッフ全員が米国疾病予防管理センター( CDC )が推奨する予防措置に従って、ガウン、手袋、マスク、シールドを身につけていた」

と述べる一方で、

しかし、病院の記録によるとダンカンさんの治療にあたっていた医療関係者は、ダンカンさんが入院してから2日間は、有害物対応のスーツを着用していなかったと記録されていると AP 通信は報じた。

テキサスの病院の失策が、単なる失敗なのか、あるいは米国の医療システムの大きなトラブルを示唆するものなのかは不明である。

というようにテキサスの病院の「失策」と明確に記しています。

そもそも、「エボラ患者かもしれない人」を、なぜダラスのあの病院に搬送したのかということも疑問ではあります。

エボラ患者のダンカンさんが搬送されたダラスのテキサス・ヘルス・プレスビテリアン病院というのは「レベル4の治療施設を持たない病院」なのです。まるで、「病気よ、拡散して下さい」といわんばかりの行動だったようにさえ見えます。

この「レベル4」というものについて多少記しておきます。




バイオセーフティレベル4

このエボラ・ウイルスは、バイオセーフティーレベルという格付けで最高レベルの「4」にあたるのですが、バイオセーフティーレベルというのは、細菌やウイルスなどの病原体を取り扱う病院や施設の格付けです。

・レベル1
・レベル2
・レベル3
・レベル4


とあり、数字が高いほど危険性が高い病原体となります。

最高のレベル4は、その時点で治療法が存在しなく、致死率が非常に高い危険な病原体ということになり、それを扱うことのできる施設を「レベル4の実験室」(略称で、BSL-4 とか P4 など)と呼んでいます。List of BSL-4 facilities (レベル4の施設のリスト)で調べますと、この施設を持つ病院や実験室は、全世界に 60ほどあることがわかります。

日本では、国立感染症研究所と理化学研究所筑波研究所の2カ所に、レベル4の実験室が設置されていますが、 Wikipedia によりますと、

> 近隣住民の反対によってレベル3での運用のみ行なわれている。

ということで、つまり、日本には事実上、エボラウイルスのレベルに対処できる施設は存在しないことになり、近い場所では、台湾の疾病管制局という感染症コントロールセンターにある昆陽実験室という施設がレベル4の実験室ですので、そこが距離的に最も近いですかね。

この台湾の感染症コントロールセンターの建物がまた近未来的で。

biolab-lead.jpg

▲ 台湾疾病管制局( Centers for Disease Control )。Inhabitat より。


まあ、日本のことはともかく(日本にエボラが上陸した場合は冒頭のように海に向かって神に祈るくらいしか方法はないと思いますので考えても仕方ないです)、アメリカには「レベル4に対応できる実験室」を持つ施設が、14カ所あり、この中で、医療機関に絞れば、10月 15日の THP の「【エボラ出血熱】アメリカの看護師たちが悲痛な訴え「訓練も説明も受けていない」」という記事によりますと、

伝染病患者ならびにバイオテロの被害者受け入れを目的とした生物学的封じ込め施設を備える医療機関はアメリカに4つある。

とのことです。

その中でも最大規模の医療施設が、ネブラスカ医療センターという場所で、ここには「生物学的封じ込め施設」という施設があり、これも THP から抜粋しますと、ここは、

リベリアでエボラ出血熱に感染した3人目のアメリカ人支援者であるリチャード・サクラ医師と、米国人としては5人目の感染者となったNBCニュースのカメラマン、アショカ・ムクボ氏が帰国して治療を受けた医療機関だ。

とのことですが、ダンカンさんの運ばれた病院には、このような設備はなく、それどころか、看護師たちは「レベル4のウイルス」に対しての基本的な治療訓練もなされていなかったことが明らかになりつつあります。

そして、10月17日現在、リベリアやシエラレオネを中心として、

「医療関係者だけでも、計423人が感染し、239人が死亡」

となっているわけですが(時事通信)、基本的な治療訓練ができていないのならば、そこがアメリカの病院であろうと、医療関係者の感染リスクは西アフリカと変わらないことになりそうです。

libelia-hospital.jpg

▲ リベリアの治療施設。


そして、医療従事者でさえこのような状況である中、アメリカは、感染最大流行地の西アフリカに 4000人の若者(兵士)を送ろうとしている。普通に考えれば、治療法の確立していない感染症の流行地域に軍を派遣することに何かの意味があるとは思えません。

治療薬が出来てからの派兵なら何の問題もないのでしょうけれど、公式にはいまだにエボラの治療薬は存在しません。



エボラの治療薬の存在の可能性。そして、世界を支配する「医薬品ビジネス」

zmapp.jpg


エボラから回復した宣教師兼医師のケント・ブラントリーさんは、ZMapp(ジーマップ)という未承認薬を投与されていて、当時は一部で、ケントさんはその薬によって助かったのかもしれないという報道もありました。

しかし、同じ薬を投与されたスペイン人宣教師は死亡していて、他にもアフリカ人医師など複数にジーマップが投与されていますが、それらを見ても、おおよそ、

> ジーマップを投与されて助かった人と死亡した人の比率は「半数」程度

だということがわかります。

そして、 WHO の発表では、 10月 17日現在のエボラの患者数と死亡者数は、

感染者が 9216人、このうち死者は 4555人

となっていて、現時点での死亡率は「ほぼ 50%」となっています。

この WHO の数値を見るだけでは、患者の半分は試験薬を使わずとも回復していることになり、そこに加えて、徹底的な対症療法をおこなえば、致死率はさらに低くなると思われます。

また、アメリカの医学誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」は 8月 20日に「ケント氏は、薬とは関係なく回復した可能性がある」と指摘する専門家の見解を掲載していて、このジーマップという薬がエボラの回復とは無関係である可能性が出てきていますが、しかし、上の CNN の、「エボラ感染の米医師、未承認薬で「奇跡的に」容体改善か」という「報道の見出し」まるで奇跡の薬が誕生したかのような響きを与えていることに気づきます。

これに関しては、

医薬品ビジネスとメディアの関係の歴史

というものを考える必要があるかとも思います。

わりと最近の記事、

うつ病だらけの世界の中、アメリカの「現代の十戒」ジョージア・ガイドストーンに突然組み込まれた 2014 という数字の意味
 2014年10月01日

で、「薬と病気の関係」についての話として、1999年に、「うつ病が劇的に改善する」として発売された SSRI という種類の薬が登場したことを書きました。

そして、「うつ病が劇的に改善する」ということで発売されたその後、うつ病の患者数の推移は下のようなことになりました。

ssri-03.gif
抗うつ剤とうつ病患者


つまり、

「うつ病が劇的に改善する薬」が登場した年から「うつ病患者も劇的に増えた」

のです。

上のグラフは日本のものですが、先進国すべてで同じグラフの推移が見られます。

特に上のような「うつ病薬(パキシルという名称)の爆発的なヒット」を記録した日本では、それにゆり、世界第4位の製薬会社グラクソ・スミスクラインが膨大な利益を得ることになりますが、売り上げ向上のために使用したのが「啓蒙」と「メディア戦略」でした。

つまり、簡単に書くと、

「あなたはうつ病かもしれません。それは病院で薬を投与されれば治ります」

というような「啓蒙」を延々と続けたのです。

それは、病院などに置かれるチラシやパンフレットから、雑誌や新聞の広告、そして、「メディアの記事そのもの」、さらには、テレビやラジオでの CM などで、「あなたはうつ病かもしれない」という広告を打ち続けるのです。

精神科医の冨高辰一郎さんが記した『なぜうつ病の人が増えたのか 』には以下のようにあります。

うつ病の啓発活動に携わる関係者は、医療者、患者団体、官公庁、市民団体、マスメディア、と多岐にわたる。


ちなみに、この「うつ病の啓蒙実験」が最初に行われたのは人口 30万人の国、アイスランドでした。

そして、現在、

「アイスランドは世界で最も抗うつ剤が普及している国」

となっています。

普通、「抗うつ剤が最も普及しているのなら、うつ病患者はどんどん治癒していくはずなので患者は少ないのでは?」と思われるかもしれないですが、アイスランドで、抗うつ剤としての SSRI が発売された 1988年からのグラフは下のようになります。

ssri-1988-iceland.gif

抗うつ剤 SSRI が発売されて以来、アイスランドで抗うつ剤を処方されている人の数(つまり、うつ病と診断された人の数)は、数倍になっています。

このあたりに関しては、今回の本題とは離れますので、ここまでとしますが、さきほどふれました『なぜうつ病の人が増えたのか』という本に詳しく載っています。上の表もその中にある資料です。

この本には、うつ病だけではなく、

「いかにして、製薬会社が《存在しない病気》を作り出していったか」

についても正確なデータと共に詳しく記されています。

ご自身が精神科医という立場で、よくこのような本(場合によって、うつ病に投薬は必要ないことにまでふれています)を書けたものだと思いますが、このような誠実な人の存在によって、私たちは真実を少しだけ知ることができます。

まあ、「本当の真実」のほうは多分あまりにも闇の世界で誰にもわからなそうですが。

いずれにしましても、表現は良くないかもしれないですが、製薬会社や衛生関係の企業は、病気の存在と拡大によって企業成長します。

エボラは存在している病気ですが、この「治療薬戦争」は、実際にそれができたかどうかという以前に、激しいプロパガンダ合戦となる可能性もあります。

そして、これはあくまで私的な考えですが、エボラが遺伝子の激しい突然変異を繰り返していることなどを考えますと、現時点では、そしてごく近い未来でも、エボラの完全な治療薬は誕生しづらい気がします。

次の1年間くらいの状況では、私たちも海にお祈りに行くことを考える時が来るかもしれません。


[追記] 記事を書いた後に下のニュースを目にしました。

政府、西アフリカへの自衛隊派遣の検討着手
産経ニュース 2014.10.18

政府は17日、エボラ出血熱の感染が広がる西アフリカに自衛隊を派遣する方向で検討に入った。複数の政府関係者が明らかにした。

だから、治療法の確立していない感染症の流行地域に軍を派遣しても意味がないと……。

やっぱり海行きですかね。

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2014年10月16日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





insane-noise-top.gif

▲ 2014年7月6日の Extinction Protocol より。



10月11日の関東の重低音

私はリアルタイムでの情報発信を読んだりする習慣がありません。つまり、ツイッターなどでの情報を得るということや LINE なども使ったことがありません。

でまあ、それはそれとして、数日前の 10月 11日の夜に聞こえた「音」のことが、昨日( 10月 15日)になっても、まだ気になっていました。

時間は正確には覚えていないですが、夜の8時くらいでしたかね。

うちの奥さんが、「何これ?」と言って、部屋の周囲を見回したのですね。

わたし 「何って?」
奥さん 「この音」
わたし 「……あ……なんだこれ?」


どこかでとてつもない「重低音」が響き渡っているのです。

私は、ベランダを開けて、外に音を聞きにいきましたけれど、これは低音の特徴でもあるのですが、その発生源の方向がつかめません。つまり、「空から鳴っているのか、地面のほうから鳴っているのかさえよくわからない」のでした。

空か地面かわからないけれど、そのあたり全体が「ゴゴゴゴゴ」と鳴っている。

音の感じとしては、

・雷(ゴロゴロの時)
・大きな花火大会の低音
・飛行機の超低空飛行(ソニックブーム)


などの「低音」の部分を彷彿させるのですが、とりあえず雷の可能性はありません。また、私の住んでいる場所は米軍や自衛隊の軍事基地が近いということもあり、このあたりに住む人は、毎日、空軍機の音を聞いていて、かなりの低空飛行の轟音をも日常的に聞いています。

したがって、「軍用機の音を聞く回数についてはプロ」(笑)である住民たちが多いのですが、この音がそれらの航空機でもないこともわかります。

今までの経験を凌駕する「ものすごい低音」が、ゴゴゴゴゴ……と、わりと長い間続いているのです。

わたし「うーん……なんだろう、この音」
奥さん「花火大会?」
わたし「花火でこれだけの低音が出るとすると、すぐそこの駅前あたりで、史上最大級の花火の打ち上げが行われて、さらにその花火大会で戦後最悪の爆発事故が立て続けに 10回くらい起きないと、こんな音にはならいなと思うな」


私は大きな花火大会も比較的近くで何度か経験していますけれど、こんな低音は聞いたことがない。

その時に、何かリアルタイムの情報でも見ていれば良かったのですが、上に書きましたように、私はリアルタイム情報をあまり見ない上に、夜はインターネットを見ません。

そして、実は、私はその翌日の昼もどうも釈然としない低音を聞いたのです。ここに至り、「ちょっと調べてみよう」と思いまして、今日ネットで検索してみましたら、関東の全域でその「音」を聞いた人たちがツイッターなどに書き込んでいたことを、まとめサイトで知りました。

10-11-twitter.gif
まとめサイト


それで、上のまとめサイトの流れとしては、下の投稿によって、「ギネス級の花火によるもの」という方向になっていったのですね。

鴻巣(こうのす)市商工会青年部主催の「第13回こうのす花火大会」が11日、鴻巣市の糠田運動場で行われ、1万5千発を超える花火が秋の夜空を彩った。重さ464キロの4尺玉の打ち上げにも成功し、「最大の打ち上げ花火」としてギネス世界記録に認定された。

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鴻巣花火大会

私もこの「ギネス」という言葉に惑わされたのかどうなのか、一瞬、「ああ、花火だったのか」と思ったのですが、

「ちょっと待て。鴻巣市?」

と、「位置関係」について疑問が出てきたのです。

埼玉県の鴻巣市と、私の住む所沢市の周辺の位置関係は下のようになります。

kyori.gif


距離は、バスの路線から調べて見ると、最も直線距離に近いコースの道路で 所沢周辺から 鴻巣市周辺までは 40キロメートル以上あります。

この距離だと、私の住む場所を中心としますと、東京都の大部分までをカバーする距離であり、もし、あの音が鴻巣市の花火の音だとすると、夏に東京でおこなわれる、すべての大きな花火大会の音が全部聞こえてくるという計算になります。

さらに、当日のツイッターの投稿を見ますと、

湘南地区、20時頃に地鳴り?地響き?すごかった。(・・;)以前から聞こえている音とちょっと違ってゴゴゴゴゴ…と連続音。雷かと思ったけど明らかに違う。埼玉のギネス級の花火の音が聞こえるわけないし…。

というものや、

関東広域で地鳴りが聞こえたとの噂が多数? 鴻巣花火が原因? しかし、四尺玉は最後の一発だけど。 地鳴りの鳴っていた時間や長さが分からないし、いくらどうでも横須賀まで届くわけないと思うが。

というものなどがあり、千葉や神奈川方面まで轟音が拡がっていたようで、こうなってくると、私個人としては、常識的に考えて、この轟音は「埼玉県のギネス級の花火」とは関係ないと思います。

しかし、じゃあ何かというと、それはわからないです。

とりあえず「首都圏一帯」に、この重低音が聞かれていたらしいんですけれど、関係ない話ではありますが、ちょうど同じ頃、アメリカでも「轟音」のニュースが報道されていました。




同じ頃、アメリカでも謎の轟音

海外の「謎の音」といえば、2年以上前に、

世界中で響き渡る音から「ヨハネの黙示録」の天使のラッパを考える
 2012年02月21日

などで、世界各地で聞こえた(とされる)奇妙な音のことを何度か記事としてご紹介したことがあります。

実際にはそれ以降も、アメリカでは「謎の音」の報道が頻繁になされています。

そして、つい先日の 10月 12日に、アーカンソー州にあるアークラテクス( ArkLaTex )という場所で広範囲で重低音が響き渡るという出来事があり、比較的大きく報道されました。

Boom-ArkLaTex.gif

▲ 2014年10月13日の KSLA より。

map-arklatex.gif

▲ アークラテクスの位置。


上のニュースは毎日アップデートされていて、最初は「原因不明」とされていたのですが、10月 15日になり、その轟音の聞こえた時に、

「上空を何かの破片の大群が横切っていた」

ことがレーダーで確認されたという記事になっています。

下がそのレーダーに写った「何かの破片の集まり」の通過の様子。
広範囲です。

rader-ArkLaTex.gif
KSLA


しかし、この日には、航空機の事故や、あるいは周辺の工場や石油関連施設での爆発事故のような、つまり、このような「大量の破片を生じさせる」いかなる出来事も起きていないということで、むしろ、レーダーによって、この「破片の大群」を見つけられたことによって、この出来事はさらに謎が深まっているようです。

この破片の大群が轟音の原因かどうかもわからない上に「そもそも何の破片の大群なのか」もまったくわかりません。

このニュースは、何か興味深いことがありましたら、ご紹介します。




謎の音に対しての一般的な見解

この数年は世界中で、「謎の音」の報告が頻繁にありましたが、あまりに報告が多くなるにつれて、単なる気のせいやオカルトでは済まされなくなってきた頃から、科学者の人々もコメントを出すようになりました。

たとえば、もう3年前の記事ですが、

あらかじめ予測されていた小氷河期の到来
 2011年11月07日

では、地球が寒冷化に入る可能性について言及した NASA の太陽物理学者デイビッド・ハザウェイ博士のインタビューを何度かにわかりご紹介しました。

このデイビッド・ハザウェイ博士も Earth Files という米国のサイトの中で、

「太陽からの激しいプラズマと地球の重力の相互作用によって発生する重力波によって、これらの謎の音を説明することができるかもしれません」

と言っていたことがありました。

謎の音の原因が、太陽活動と地球の重力の関係の中で起きているかもしれないという説です。

あと、

世界中での異常な音は「地球内部の新しいエネルギー活動の始まり」という学説
 2012年02月08日

という記事では、アゼルバイジャン出身の科学者エルチン・カリロフ博士( Dr.Prof. Elchin Khalilov )という人の説をご紹介したことがあります。

カリロフ博士の所属する GNFE という団体は国際科学団体ではありますけれど、いわゆる西欧の一般的な科学の視点とはやや違うものですが、その主張は下のようなものです。

当時の翻訳は読み直すと無用に長いですので、訳し直して短めにしました。




世界中で報告される空からの不可解な音 - これらは何なのか?

この数年、世界の異なる国や地域から「空からの奇妙な音」についての報告が相次いでなされている。

科学者たちによれば、報告された音のうち、実際にそれが奇妙な音だと認定されるようなものはごくわずかだというが、しかし、その中には確かに説明がつかない音が含まれており、そして、それらは、米国、英国、コスタリカ、ロシア、チェコ、オーストラリア等、位置の異なるさまざまな国々から報告されている。

これらは一体何が原因で起きているのか?

地球物理学と地質学を専門としているエルチン・カリロフ博士によると、これらの奇妙な音を分析する中で、これらの音の大部分が「超低周波」であり、不可聴音(人間が聴くことができない低い音)の範囲にあることがわかったという。

カリロフ博士は、「このような非常に強力で巨大な音響の重力波を作り出すためには、極めて大規模なエネルギー・プロセスがなければならない」と述べる。そして、その巨大なエネルギーは、太陽フレアを含む太陽表面で発生する巨大なエネルギーの流れと関係していると博士は言う。

同時に、カリロフ博士は、私たちの地球の内部からの要因についても語る。

「これらの不可解な音の発生源の可能性としての他の要因は、地球のコアにあるかもしれない。地球の磁場を作っている内側と外側の殻の移動のプロセスは 1998年から 2003年の間に5倍に増加している。現在、地球の北の磁極の移動が加速しているが、これは地球の中心のエネルギー・プロセスの増大を示していると思われる」。

地震と地球の重力を記録するための世界的ネットワークであるアトロパテネ・ステーションは、2011年11月に、強力な重力の衝撃を世界で同時に記録した。この理由について、博士は、「2011年の年末に地球のコアで起きた大きなエネルギーの解放は、地球の内部エネルギーが新しい活発な活動段階に入ったか、あるいはエネルギーの移行の開始を示す何らかの信号なのかもしれない」と述べる。




ここまでです。

この「地球が新しい活動期に入った」というフレーズは、最近の地球の「磁場の移動」や、火山活動、そしてシンクホールの多発などの地殻変動などの頻発を考えましても、いい加減な考え方とは言えない面もありそうです。

ところで、「謎の音」に関しては、2004年にすでに「謎の音が拡大している」という主旨の論文が出されていることを知りました。




2004年の「世界に拡がる謎の音」の研究論文から思い出す「良い周波数」と「悪い周波数」

下の文書は、オクラホマ州立大学の地球物理学者デビッド・デミング博士が 2004年に書いた論文の1ページ目です。

the-hum.gif
The Hum: An Anomalous Sound Heard Around the World


上に赤いラインで示しましたが、LORAN (ロラン)、 HAARP、TACAMO などとある文字列は、通信用語、あるいは、アメリカ軍の軍事関係の頭文字です。

それらの文字が並んでいるということは、このデビッド・デミング博士という人は、世界に拡がる謎の音とこれらの関係を書いているという可能性が高そうです。

「可能性が高そうです」と書きましたように、私はまだ中は全部は読んでいないのです……というか、読めないほど長いのです。しかし、これについて説明しているサイトも見つけましたので、今後またご紹介できるかとも思います。

何より「謎の音」が 2004年にすでに科学者でさえ無視できないほど、世界中で報告されていたということを知ったということの方が驚きでした。

ところで、上の中の HAARP (高周波活性オーロラ調査プログラム)については、昔からいろいろと言われていますが、公表されている目的自体はいまだに曖昧な説明となっています。

ですので、その目的についてはどの意見も憶測に近いものがあるのですが、目的はともかくとして、 HAARP のシグナルが「低い周波数である」ということを以前知りました。

今年の4月に書きました、

太陽黒点と事故の関係。そして、太陽と HAARP の関係。あるいは「太陽にとって替わりたい人たちの存在」を感じる最近
 2014年04月22日

という記事では、

・太陽の磁場エネルギーは低周波
・人間が発信している波長も低周波


という、太陽と人間の波長が同じ領域にあることを記していますが、HAARP のシグナルである「5Hz 程度の非常に低い周波数」も同じような領域にあるものです。

ここから、

「HAARP のシグナルは、人間と太陽が共有している周波数に干渉している可能性がある」

ことがわかります。

ただし、これが偶然なのか、意図的なのかまでわかるはずもありません。

他の TACAMO も超長波の関係のようですし、LORAN(ロラン)というのも、地上系の電波航法システムの一つだそうで、すべてが、軍事用の通信システムと関係しているということになりそうです。

そして、デビッド・デミング博士の論文には、どうも、

「それらのシグナルが人間の精神に影響を与えている可能性がある」

ことについて書かれているようです。

要するに、人間が耳では聞こえない低い周波数のシグナルも含めて、轟音や重低音などで、人間を一種の狂気や暴走に走らせるというようなことなのでしょうかね。

きちんと論文を読んでいないですのでわからないですが、もし、そういうことができるのなら、たとえば、誰かが、あるいは、国家や組織が、

「ある国や地域を暴動や混乱が起きやすいように導きたい」

という願望を持ったとした場合、意図的に「起こりやすい状態」に人の精神を導くことができたりする・・・というような研究もどこかではおこなわれていたり、あるいは、実験や実践がなされているという可能性もあるのかもしれません。

そんなことは無理っぽい……と思いつつも、しかし、過去記事の、

ジョン・レノンの曲に DNA を修復するといわれるソルフェジオ周波数 528Hz コード「だけ」で作られていたものがあることに気づいた日……
 2014年08月26日

などで書きましたような「音(あるいは周波数)には人間の肉体と精神に直接影響を与える力がある」とするソルフェジオの理論が本当ならば、

人間にとって良い音(周波数)

の反対となる、

人間にとって悪い音(周波数)

も存在すると思われます。

5000年前の古代人が「良い音」を探求していたのと逆に、現在の世界のどこかに「悪い音」を研究し続けている人(たち)が存在するとしたなら、そして、それに効果が認められるとするなら、なかなか手強い世の中であるかもしれません。

しかし、現在の地球の各地で報告される轟音は、それらとは関係のない「地球内部の営み」であるのかもしれないですし、それは私たちには推測の域以上は何もわからないです。

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