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2014年11月30日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




西洋版コックリさん「ウィジャボード」が英米の若者たちの間で爆発的に流行している背景と「悪魔の増加」の関係



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▲ 2014年11月26日の英国インディペンデントより。



ウィジャボードの爆発的ヒットに隠されるリスク

今回は上の英国インディペンデントの記事をご紹介したいと思います。

内容としては、英語圏で公開された『ウィジャ』というアメリカの低予算ホラー映画が大ヒットして、その影響で、十代を中心として、ウィジャボードをはじめとした心霊関係グッズが爆発的に売れているというものです。インディペンデントはこの状況を否定的に取り上げています。

ウィジャボードは日本語での「コックリさん」と同じようなものです。

アメリカのウィジャボードは19世紀末から「商品」として存在していたようで、上のインディペンデントの記事にある写真のようなものです。「イエス」「ノー」や、アルファベット、数字などが書かれている木の板で、その上に、「プランシェット」と呼ばれるハート型の小さな木を乗せます。

そのプランシェットの上に複数人が手を置き、

「死者の霊に質問をする」

という、あくまで玩具としての「死者とのコミュニケーション・ツール」というようなものです。ウィジャボード - Wikipedia には、

19世紀中盤に始まる心霊主義に起源を持つ。当時は人の死後の霊魂と会話するために振り子や自動筆記などの技術を用いていた。

文字を指し示すプランシェットが動く理由は良く分かっていない。しかしながら腕の筋肉電位と同時にプランシェットの動きを測定すると、プランシェットが動き始める前に筋肉が収縮している。

このため、霊魂がプランシェットを動かすのではなく、術者の無意識な動きによるオートマティスムの一種と考えられている。

という記述があります。

日本のコックリさんも基本的には同じようなものと記憶していますが、私が中学生の時……今から三十数年前くらい前に、「コックリさんブーム」みたいなのがあり、放課後の教室などでやっている生徒たちをよく目にしました。

私はそういう「霊」とかいう言葉が出て来るものと関わるのが好きではないので、したことがありませんでしたが、した人たちに聞くと、

「確かに自分の意志とは関係なく、手が動く」

と言っていました。

しかし、当時の中学生の私でも、「無意識の筋肉の動きだろ」というように思っていましたが、外部から見ていて懸念に思ったことは「なぜ手が自動に動くか」ということではなく、

「これは強烈に自分に暗示をかけてしまう遊びなのでは?」

というようなことでした。

特に、心霊とかを信奉している人などは、その「霊」から与えられた答えを確信的に信じてしまう可能性さえありそうだと思って見ていました。

その後のことですが、十代の頃の私は、ほんの少しだけタロット占いに凝ったことがあります。その時に「暗示」の威力を知ったことがありますが、そのことは関係のない話となりますので、ここではふれません。

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ビジネスとスピリチュアリズム

話が逸れましたが、今、英語圏の若者を中心に、爆発的にウィジャボードを始めとした、心霊グッズが売れている理由は、玩具会社と映画会社の「仕掛け」が成功したことによるものです。

この仕掛けは予想以上の「成功」となったようで、まずは、その『ウィジャ』という映画自体が、下のような大ヒットを記録しました。

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▲ 2014年10月27日のウォールストリート・ジャーナルより。


制作費 500万ドル(約 6億円)と、ハリウッド映画としては、かなりの低予算映画にも関わらず、初登場で全米1位になったばかりではなく、映画の興行収入をまとめている米国のサイトボックス・オフィス・モジョによりますと、11月26日までの全世界の興行収入は以下の通りです。

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アメリカではインディーズレベルの制作費といえる 6億円で作った映画で現在までに約 80億円回収しているというのは、ものすごい還元率で、「ビジネス」としては大成功といえます。

たとえば、上のウォールストリート・ジャーナルの記事の前の週に1位だった、ブラッド・ピッド主演の「フューリー」という映画は、ボックス・オフィス・モジョによると、11月26日までに全世界で 180億円近くの興行収入をあげていますが、こちらの制作費は 6800万ドル、つまり、80億円もかかっています。

そういう意味では、6億円の低予算映画と、80億円の大作は収益率としては『ウィジャ』のほうが優れていたということになるようです。

そして、この映画の公開を後押しをしたアメリカの玩具メーカー「ハズブロ」は今年、心霊関係グッズの売り上げが 300パーセント増加したそう。

全然ないとはいえ、過去記事の、

フランシスコ法王が 300 人からなる悪魔払い師の団体「国際エクソシスト協会」をパチカンの組織として正式に支持することを表明
 2014年11月01日

などで書きました、

「存在しない病気を作り上げて、薬の売り上げを加速させる」

ということも連想したりもいたします。

これは「死者との交流が存在する」とか「しない」とかという意味ではなく、「古い概念となっていたウィジャボードの存在を復活させた」という意味で、それを玩具の売り上げと関係させたという意味で何となく似ているなと。

しかし、ここではビジネスの手法を問題にしているのではなく、この「ウィジャボード」そのものについての問題というか、これが基本的に「死者と交流するツール」として存在し、そういうものが「アメリカなどの若者の間で爆発的に売れている」ということに漠然とした懸念を感じるのです。

たとえば、「死者とのコミュニケーション」というものが存在するかしないかは別として、死者というものは、それは「霊」であり、そこに「悪」がつけば「悪霊」となります

そういうものが実際に存在しようが存在しまいが、そのようなものと積極的に関わることが良いことだとは思えない面があるのです。




リーガンの悪霊との交流はウィジャボードから始まった

インディペンデントの記事を読んで思い出したのが、過去記事の、

ローマ字「 TASUKETE (たすけて)」から偶然導かれた日月神示や神様と悪魔の関係。そして、バチカンに正式に承認された「国際エクソシスト協会」の存在
 2014年07月26日

など、わりとよく引き合いに出させていただく 1973年のアメリカ映画『エクソシスト』と、その原作となった作家ウィリアム・ピーター・ブラッティの小説『エクソシスト』でした。

その中で「最初に超常現象的な出来事が起きる」のが、主人公の少女リーガンが、ウィジャボードをおこなうシーンなのです。

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・映画『エクソシスト』(1973年)

映画ではふれられていませんが、このウィジャボードはリーガンの母親クリス(上の写真の左の女性)がかつて自ら購入したもので、いくらやっても何の動きもなかったために地下の物置に放置していたものを娘のリーガンが見つけ、母親の知らないうちにそれを日々使うようになり、そのうち、

「毎日、他の人には見えない架空の友だちとウィジャボードで会話していた」

ことが描かれています。

つまり、エクソシストでのリーガンの異変は「ウィジャボードから始まった」のでした。
下は、母親クリスとリーガンの小説での会話です。

小説『エクソシスト』より

「ウィージャ盤で遊んでいたの?」
「ええ、そうよ」
「使い方を知ってるの?」
「もちろん、知ってるわ。いま、見せてあげる」
「これは相手が必要なものよ」
「そんなことないわ、ママ。あたし、いつも一人で遊んでいるわ」

その後も会話が続きますが、途中、ウィジャボードのプランシェット(手を乗せる木片)が誰も触っていないのに激しく動き出します。その後に以下のように書かれます。

クリスは漠然とした不安を感じて、眉をくもらせた。この子は父親に深い愛情をいだいていたのに、両親の離婚問題が生じても、これといった反応を見せなかった。

おそらく、彼女の部屋で、一人で泣いていたのであろうが、クリスはそれに不安をおぼえていた。感情を抑圧するあまり、いつかそれが、危険な形態をとってほとばしり出るのではないか。

空想上の遊び友だち。何か不健康なものが感じられる。

小説では、この「空想上の遊び友だち」は悪霊だったということになるようで、次第にリーガンの肉体は悪霊に乗っ取られていきます。

この『エクソシスト』では、当然ですが、実際に、悪魔、あるいは悪霊という存在があるということが前提となっているわけですが、

「悪霊がこの世に存在しなくとも悪霊に取り憑かれる」

という可能性をウィジャボード、あるいはコックリさんなどは持っていると思っています。

特に暗示にかかりやすい人は、たとえば、今回ご紹介するインディペンデントの記事に出てくる下のような少年を生み出す可能性もあるはずです。

2年前、テキサス州の15歳の少年が警察に出頭し、友人の首をナイフで刺して殺したと述べた。理由について、少年は「ウィジャボードに告げられた」と警察に語った。

私が中学生の頃にコックリさんが流行していた頃も、おどろおどろしい「禁忌」や「方法論」が伝えられていまして、それは、コックリさん - Wikipedia にも書かれてありますけれど、「〇〇をすると霊に取り憑かれてしまう」だとか、「〇〇をすると、人格が変わってしまう」だとか、いろいろなことが言われていました。

私は正直、「そんなコワイことをよくやるなあ」と思っていましたが、現在のアメリカを中心としたウィジャボードの大流行を見ますと、時代とは関係なく、ティーンはこういうものが好きなのかもしれません。

そして、上のほうにもリンクしました「フランシスコ法王が 300 人からなる悪魔払い師の団体「国際エクソシスト協会」をパチカンの組織として正式に支持することを表明」という記事では、バチカンとフランシスコ法王が、

「国際エクソシスト協会」という悪魔払い師たちのグループの支持を公式に表明した

ことをご紹介しました。

これは、バチカンが公に「悪魔憑き」という現象を公認したことになります。

上の記事で、私は、悪霊に対して「暗示や強迫観念的な思考のこびりつき」が拡がっていくという可能性について書いています。

そして、私はどうにも「今のバチカンは悪霊(それが存在しようがしまいが)を増やそうとしている」と思えて仕方ないのですが、それはまあ思い込みに過ぎないとしても、最近のバチカンの「悪霊」に対しての政策は奇妙に見えます。

ところで、悪霊が増える、ことをどうすれば確かめられるかというと、それは明快で、

「悪魔憑きが増える」

ことがそれにあたります。

そして、実際に各国の教会が正式におこなうエクソシズムは増えています。

そのあたりは、 In Deep の過去記事カテゴリーのこちらのページの記事などをご覧いただければおわかりかと思います。

あるいは、

「悪魔の所行のような犯罪や行為が増える」

こともそうかもしれません。(これは、もう最近はなんだか世界中でそんな事件ばっかりな気もしますけれど)

それらに対して、バチカンが「それは悪魔のせい」と言い出せば、悪魔が増えていると言えることになるのかもしれません。

そして、バチカンは公に「国際エクソシスト協会」などという団体に権威と立場を与えています。
悪霊の存在をそれほど公に認めたがる理由は何なのか、とは思います。

そういえば、小説『エクソシスト』では、リーガンの母親は、神父に対してこう言います。

神さまは何もおっしゃらない。その代わり、悪魔が宣伝の役をつとめます。悪魔は昔から、神さまのコマーシャルなんですわ。

もしかすると、バチカンはこの「悪魔は神さまのコマーシャル」という線を狙っているのかもしれないですけれど、どことなく危険な香りがします。

そして、同時期に「ビジネス」とはいえ、やはり若い人々に強く暗示をもたらす可能性のあるウィジャボードを流行させるきっかけとなった映画が大ヒット。

これらの流れが偶然でも、偶然ではないにしても、「この世に悪霊を増やす」という意図が世界のいろいろなところにあるという可能性は感じます。

しかし、その一方で、エクソシストには、悪魔払いで殉教したメリン神父の、

「このような悪からでさえ、善が生じてくる。われわれには理解できず、見ることもできない何らかの方法でだ。……おそらく、悪こそ、善を生み出す『るつぼ』であるからだろうな」

という言葉があり、「善のためには悪が必要」だと述べています。

ひふみ神示にも、

第21巻 空の巻 第八帖

悪も元ただせば善であるぞ、その働きの御用が悪であるぞ、御苦労の御役であるから、悪憎むでないぞ、憎むと善でなくなるぞ

とあり、「悪と善が共に同じ根源のもの」として書かれています。

そうなると……未来のことを考えると、今は悪霊がこの世に充ち満ちた方がいいと? そういうことになるのでしょうかね?

いや、まさか。

あまり関係はないですけれど、実は最近、また世界のいろいろなところで、「少年少女の集団的な異常行動」のニュースがよく見られるんですが、そうした出来事が発生した場合、医者よりも宗教家やシャーマンによるヒーリングが重要なように見てとれる学校などの対応が見られます。

下は、11月にフィリピンのセブ島にある学校で、生徒たちが次々と絶叫と痙攣を伴う症状に見舞われ、結局、35人の子どもたちが倒れてしまったことを報じたものです。

下の子は、悪魔を避けるための十字架を額に描いた直後から、その症状が現れたのだそう。

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▲ 2014年11月22日のフィリピン SUN STAR より。

このセブ島の学校が、子どもたちが倒れた時にまず電話をした先は病院ではなく、地区のキリスト教会でした。駆けつけた司祭が「悪魔払いをした」のだそう。その後の報道が見当たらないですので、どうなったのかはわからないです。

下は、ネパールのコタンというところにある学校で 11月中旬から生徒たちが集団ヒステリーのような状態に次々と陥るという状態が続き、12月1日まで学校が閉鎖されていることを報じたものです。

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▲ 2014年11月25日のネパール Himalayan Times より。


ここでも医者と共に「地元のシャーマン」が生徒たちの回復のために働いていると書かれています。


そして現在、アメリカのオンラインでのクリスマスのプレゼント予約の上位にウィジャボードが位置しているそうです。

どうやら、クリスマス以降は、ウィジャボードで「死者とコミュニケーションをとる子どもたち」の数が全米で増加することになりそうです。

長くなりましたが、ここからインディペンデントの記事です。



Ouija boards are the must-have gift this Christmas, fuelled by a schlock horror film
Independent 2014.11.26


低俗なホラー映画に刺激されて、ウィジャボードがクリスマスプレゼントの「マストアイテム」となっている


今年のクリスマスは、人々は、イエスの生誕を祝うよりも「死者との語り」を楽しむことになるのだろうか。

Google が発表したトレンド・データによれば、クリスマスプレゼントの上位人気にウィジャボードが浮上している。

ウィジャボードを販売している会社は、スピリチュアル関係のグッズの売り上げが前年比で 300パーセントの増加を記録した。

それは、ウィジャボードを宣伝するために作られた『ウィジャ』というタイトルのひどい内容の映画の効果であり、その内容は、木材にアルファベットが描かれたボードを使用すると、死人と会話することができるというものだ。

映画『ウィジャ』は、ハロウィーンに間に合うよう 10月にリリースされた。内容は、十代のティーンエイジャーの少女たちがウィジャボードで死者とコミュニケーションをとり、そして恐怖におののくというお決まりの安物映画だ。

映画評論家による映画レビューをまとめたウェブサイト「ロッテン・トマト( Rotten Tomatoes )」では、7パーセントの評価という極めて低い評価だったにも関わらず、映画はまさに「オカルト」的に大ヒットした。

アメリカに本拠を置く玩具メーカー「ハズブロ」は、映画会社ユニバーサルと提携して、この映画の再上映を後押しした。

結果として、ウィジャボードは、オンラインで過去最大の販売数を記録した。その中には「暗闇で光るウィジャボード」も含まれる。

ウィジャボードは 1890年頃には常に販売されているゲームのひとつだった。
心霊的な自動書記についてのデータはそれよりずっと以前から存在する。

12世紀の中国では、心霊によって漢字を書く力を与えられる道具が信じられていた。

19世紀後半、ダーウィンの説(進化論)に刺激を受け、神の存在についての疑念が起きた時も、これが契機となって、心霊主義が流行した。

ウィジャボードが初めて商品として開発されたのは、1891年のことで、モノポリーの初代発売元として後に有名となる玩具会社「パーカー・ブラザーズ」から発売された。開発したのは、アメリカ・バルチモアの弁護士であり発明家だったエリジャー・ボンド( Elijah Bond )だった。

この商品は、2名以上の人たちによって、質問と答えのための文字が書かれたボードの上に置いた手でやりとりすることを楽しむものであった。

ウィジャ( Ouija )という言葉は、フランス語で「はい」を意味する Oui と、ドイツ語で「はい」を意味する Ja から作られた造語だ。

ボンドが作ったこのボードゲームは多少のヒットにまでしかならなかったが、ボンドの会社で働いていたウィリアム・ファルド( William Fuld )が、このゲームをさらに大きなヒットへと結びつけた。ファルドは、このボードを大きく販売し、競合他社を粉砕した。

ファルドは最終的に会社を自分の子どもたちに譲り、そして、1966年に会社はハズブロに売却された。

死んだ人々がこのような方法で生者とコミュニケーションを取ることがありえないことは、科学者たちがこれまでの何十年ものケースで示している。

1850年代に、電磁気の専門家である科学者マイケル・ファラデー( Michael Faraday )は、ウィジャボードと似たような心霊的経験を得ることのできる装置を考案した。

わずかに動く小さなテーブルの上に複数の人々が手を乗せることにより、人々は、自分が霊に取り憑かれた、あるいは、知らないうちに自分が移動したと思うようになるというものだ。

そして、彼は動くカード・システムを作った。これも同じように参加者たちに思わせるためのものだったのだろう。

これらによって、ファラデーや他の科学者たちは、観念運動性効果を同定し、なぜウィジャボードが作動するか、あるいは作動しないか、について説明した。

アメリカの心理学者で、現代の懐疑論者のひとりであるレイ・ハイマン( Ray Hyman )は、1999年に「無意識と筋肉活動の係合は一致している」と説明した。

これは、言葉を換えると、ウィジャボードの質問者は、「イエス」「ノー」、あるいは他の何かの言葉がボードから返ってくることを期待している。その場合、脳は彼らの自覚とは関係なく、適時に手の動きを促す。

同様の実験で、対象物を見ると脳はその方向に手を導くことを強く促すことが示されている。

ボードの上の文字が「心霊」によるものであると見た時、彼らは参加者の自覚とは関係のない無意識の中で手が動くことになる。

それでも、映画『ウィジャ』での非常に奇妙で心地よくないイメージに刺激された若者たちにとっては楽しみとなり得る。特に、友人同士で家に集まり一晩を過ごすティーンエイジャーにとっては大きな楽しみのようだ。

2年前に、テキサス州の15歳の少年が警察に出頭して、友人の首をナイフで刺して殺したと述べた。理由について、少年は「ウィジャボードに告げられた」と警察に語った。

ウィジャボードのプレイに参加していた人々が精神に変調を来たしたり、自殺したという報告も多い。

1994年には、英国の裁判官が、二重殺人の容疑で投獄されていた男についての再審をおこなうことを余儀なくされた。

その理由は、陪審員たちが夜に酒に酔ってウィジャボードを使って評決結果を決めていたことが判明してしまったからだった。その結果が有罪の評決だったのだ。その際には、ウィジャボードの販売が禁止された。

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2014年11月28日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





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▲ 2014年11月28日のイラン国営 Press TV より。11月第4木曜日の「感謝祭」と同じ日におこなわれる「全米哀悼の日」の行進をおこなう人たち。上の写真の旗には、「私たちは消滅していない。私たちは征服されていない。私たちはこれまでと同様に強い」と書かれてあります。



感謝祭は誰が何に感謝しているのか

アメリカのサイトでは、昨日あたりからやたらと「 Thanksgiving Day」という単語が出ていて、これは日本語では「感謝祭」ということになるのでしょうけれど、

「そもそも感謝祭って何だっけ? 何に感謝してるんだ?」

というように、アメリカの感謝祭について何も知らないことに気づきます。

私は「神とかそのあたりに感謝しているというような行事なのかな」というような曖昧なイメージしか持っていませんでした。感謝祭 -Wikipedia には、

感謝祭の起源として一般に信じられているのは、イギリスから現在のマサチューセッツ州のプリマスに宗教的自由を求めて移住して来たピルグリムと呼ばれる入植者の一団が、本国から持ってきた種子などで農耕を始めたところ、現地の土壌に合わず飢饉による餓死者まで出したところ、アメリカ先住民の助けにより危機を脱したので、その感謝を表す目的で1621年に先住民を招いて収穫を祝う宴会を開いたことである。

とあります。

要するに、現地のアメリカ先住民の助けで収穫ができたことを、白人と先住民が共に祝ったことが起源だと。

下の絵画のような 1621年のお祝いが起源だということのようです。

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▲ ジーン・レオン・ジェローム・フェリス( Jean Leon Gerome Ferris )という画家が 1899年に描いた『最初の感謝祭( The First Thanksgiving )』。白人と先住民が仲良く宴会をしています。


しかし、上の Wikipedia の表記の中に、感謝祭の起源として「一般的に信じられているのは」と書かれているということは、歴史的に確定した何らかの出来事を記念する行事ではないということを示している部分もありそうです。

そして、長い感謝祭の Wikipedia ページの下のほうには、以下のような項目があります。

インディアンにとっての感謝祭

一方、インディアン達は「感謝祭」は、この日を境に先祖達の知識や土地がヨーロッパからの移民達に奪われた、「大量虐殺の始まりの日」としている。

ニューイングランドのインディアン部族が結成する「ニューイングランド・アメリカインディアン連合」は、この「感謝祭」にぶつけて同じ日に、「全米哀悼の日」としてデモ抗議を毎年行い、喪服を着て虐殺された先祖達に祈りを捧げている。

とあり、どうやら、アメリカでの一般認識と、アメリカ先住民たちの間では、対極したとらえ方のある記念日でもあるようです。

ちなみに、インディアン部族の同盟であるユナイテッド・アメリカ・インディアン・オブ・ニューイングランド( UAINE ) - Wikipedia を見ますと、

1970年、彼らは、全米を挙げて11月に行われる、ニューイングランドのプリマスに上陸した白人たちの「上陸記念感謝祭」に対する抗議運動である、「全米哀悼の日」を行って注目された。

この抗議デモは今日まで毎年、「上陸記念感謝祭」の日にぶつけて行われている。

とありまして、ここに「上陸記念感謝祭」という言葉が出てきます。

どうやら、白人側から見ても、アメリカ先住民から見ても、この

「イギリス人清教徒がアメリカ大陸に上陸した日」

ということが感謝祭に直接結びつく歴史上の出来事だったように思えます。

そして、その白人側の主張(現在のアメリカの一般的認識)は、

現地のインディアンと神の助けによって、白人が最初の収穫を得た記念日。

であるのに対して、アメリカ先住民から見れば、

インディアンの伝統の地にイギリス人が入り、彼らによるインディアンの虐殺が始まった日。

という追悼の記念日というようになっているようです。

ちなみに、この「感謝祭の起源」となったピルグリム・ファーザーズという清教徒(ピューリタン)の「感謝の後の行動」は、ピルグリム・ファーザーズ - Wikipedia によりますと、以下の通りです。

ピルグリムはまず1630年にマサチューセッツ族の領土に進入。ピルグリムの白人が持ち込んだ天然痘により、天然痘に対して免疫力があまりなかったマサチューセッツ族の大半は病死した。

1636年には1人の白人がピクォート族に殺された事が切っ掛けでピクォート戦争が発生。ピルグリムは容疑者の引き渡しを要求したがピクォート族がそれに応じなかったため、ピクォート族の村を襲い、大量虐殺を行った。


このピクォート戦争 - Wikipedia よりは実質的に「民族浄化」(特定の民族集団を強制的にその地域から排除する方策)だったようで、

> 村は一方的に破壊され、400人から700人のピクォート族が殺された。その多くは女性や子供など非戦闘員だった。

とあり、そして、逃げたピクォート族もほぼすべて捕まり、

> 白人侵略者たちによって殺され、ニューイングランド周辺やバミューダ諸島に奴隷として売り飛ばされた。

という記述が続きます。

ううう……この、いわゆるインディアン戦争のことを書いていたら、気分が悪くなってきた……。これはあれだ……あのトラウマだ……。




9歳頃に見てしまった『ソルジャー・ブルー』に対してのトラウマ

この「インディアン戦争」に関して、強く記憶に残っているのは、小学生の時に『ソルジャーブルー』という 1970年公開のアメリカ映画がテレビで放映されているのを偶然見てしまったことです。

まだ小学3年か4年くらいだったと思うのですが、ラストのほうのシーンで、白人たちの騎兵隊がインディアンの村を襲い、人々を虐殺しまくり、女性は徹底的に陵辱されて殺される。

あの様子は今でも悪夢のように頭に焼き付いています。

Soldier-Blue.jpg
・ソルジャー・プルーのDVDジャケット。 IMDb より。


その頃、私はたまに「夜驚症」というものになっていて、これはメルクマニュアル医学百科の説明をお借りしますと、

夜驚症は眠りについてからあまり時間が経たないうちに、極度の不安から目覚めてしまうことですが、完全に覚醒しているわけではありません。夜驚症が起きるのはノンレム睡眠時で、3〜8歳に最も多く起こります。

小児は悲鳴を上げて怖がり、心拍数が上昇し呼吸も速まります。小児は親がいることに気づいていないようです。激しく転げ回ることもあり、なだめようとしても反応しません。小児がしゃべることもありますが、質問には答えられないでしょう。

というもので、上には「小児は親がいることに気づいていないようです」とありますが、「その空間にいながら、別の世界にいる」感じなのです。別の世界で恐怖によって、もがき苦しんでいる。

基本的にその間の記憶はないとされますので(ただ、私は結構覚えていました)、子どもの「夢遊病 + パニック障害」みたいな病気ですが、ソルジャー・ブルーを見てしまったことは……まあ関係ないでしょうけれど、同じような時期でした。

それにしても、いろんな病気をやってますね、私は。

夜驚症は、メルクマニュアルにもありますように、年齢と共に症状は消えましたけど、長い間あのシーンのトラウマがややこびりついていた部分もありますし、そのせいもあってか、大人になってからもこの映画は見直していないんですよね。今後も見ないと思います。

なので、詳しいストーリーとかはよくわからないのです。

この映画は、Wikipedia の説明では、1864年に起きた「サンドクリークの虐殺」という事実を描いたものだそうで、

米国史の暗部を提示することで、1960年代のベトナム戦争でのソンミ村事件へのアンチテーゼを掲げた映画だとも云われている。また、これ以降ネイティブ・アメリカンを単純な悪役として表現することがなくなった。

という映画だそう。

その虐殺がどんなものだったかというと、サンドクリークの虐殺 - Wikipedia の記述では、

サンドクリークの虐殺は、1864年11月29日にアメリカのコロラド地方で、米軍が無抵抗のシャイアン族とアラパホー族インディアンの村に対しておこなった無差別虐殺。

ということで、映画で小学生だった私が見た光景は、1864年12月8日のデンバーの地元新聞『ロッキー山脈ニュース』の以下の下りのようだったようです。

ロッキー山脈ニュースの記事より

インディアンとの大会戦! 野蛮人どもは追い散らされた! インディアンの死者500人、わが軍の損害は死者9人、負傷者38人!

血も流さぬ第三連隊は、ミズーリ西で、野蛮人を相手にこの上ない大勝利をおさめた。わが軍はこの部族を完全粉砕したから、もう入植者が奴らに悩まされることは無いだろう。

ああダメだ。こんなのコピペしていたら吐き気がして具合悪くなってきた。『ソルジャー・ブルー』の記憶恐るべし。


それにしても、アメリカの祝日は「血と虐殺の祝日」が多いですね。


この「アメリカ先住民の虐殺のスタイル」を確立したのが、コロンブスで、そのことについては、過去記事の、

虐殺の祝日コロンブス・デー:彼らは「理想的な人類像」を破壊し、そしてそれは「4回続く皆既月食」の渦中で起きた
 2014年10月14日

の中に書いたことがあります。

それでも時は過ぎ、数百年後の今、感謝祭はアメリカの大きな祝日となっています。

そして、この感謝祭は別名「ターキー・デー」と言われるように、家族や知人と共に七面鳥を食べるということが習慣になっています。




それから400年後の感謝祭に消費される4千万羽の七面鳥

turkey-pack.jpg
Times Union

この感謝祭の「1日」だけで食べられる七面鳥の数をご存じでしょうか。
下は 2012年の記事ですが、今でもそれほど変わらないと思われます。

【ターキー】感謝祭に4,600万羽が消費!
 激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ 2014.11.22

アメリカ農務省によると、昨年1年間にアメリカ国内で2.48億羽の七面鳥が飼育され、そのうち90%が国内で消費されている。消費量別にみると、イースターのターキー消費量は1,900万羽、クリスマスが2,200万羽、そしてダントツの消費量となるのが11月の第4木曜日の祝日「感謝祭」だ。

感謝祭の1日だけで全米の食卓に上がるターキーは約4,600万羽にもなる。感謝祭に向けて購入されるターキーの平均重量は16ポンド(約7.3キロ)にも及ぶのだ。

感謝祭の日だけで4千6百万羽!

1年の合計だとアメリカだけで2億羽以上の消費! 

日本では七面鳥を食べる習慣がほとんどないので、私も食べたことがあるのかないのかわからないほど馴染みがないですが、習慣とはいえ、1日でのこの消費量はすごい。

肉……。

ちょっと気になって、「アメリカの肉の消費」を調べてみますと、アメリカ人はニワトリもよく食べますね。

下の表はアメリカ農務省のデータを元に作成したもので、1999年のものと古いですが、それほど変化しているわけでもないと思います。

fas-1.gif
チキンQ&A

じゃあ、牛肉。
こちらもアメリカ農務省のデータです。

世界の牛肉消費量(単位は千トン)
beef-01.gif
NOCS

これもダントツの1位ですね。

中国の倍の消費量で、EU 27カ国すべてを上回るというすごさで、日本の 10倍ほどあります。

しかし、人口差(中国約13億、アメリカ約3億、日本約1億2千万)を考えると、日本人は中国人より牛肉を食べているのかも。

世界の豚肉の消費量(単位は千トン)
pork-1.gif
NOCS

豚肉は中国がすごいですね。日本の 20、30倍くらい豚肉を食べてる。
人口差を勘案しても、日本の数倍食べている感じですね。


つーか、なんかこう……国を問わず、何だかみんな肉食べすぎな感じが……。
ちょっと考えちゃう部分もありますね。


何だか話が変な方向にきてしまいましたが、「感謝祭」ということについて、はじめてその「始まりの意味」を知りました。そして、ついでに古いトラウマも刺激されてしまいました。

米軍憎し(何だよ突然)。

ま、それはともかく、今年の感謝祭の日、イランの国営放送プレスTVで「ネイティブ・アメリカンたちにとっての感謝祭の意味」についての記事が掲載されていましたので、ご紹介したいと思います。



Native Americans mourn Thanksgiving holiday
Press TV 2014.11.28


ネイティブアメリカンたちは感謝祭の祝日に哀悼を捧げる


11月27日の感謝祭の祝日の日、マサチューセッツ州のプリマスでは、多くのアメリカ人たちが、17世紀にヨーロッパから入植した白人たちにより虐殺され続けたネイティブ・アメリカンたちに哀しみの意を表した。

このイベントは、「全米哀悼の日」( National Day of Mourning )と呼ばれており、ヨーロッパからの侵略で犠牲となった多くのアメリカ先住民たちへの哀悼の意を示すために、毎年、感謝祭の日におこなわれる。

感謝祭の背後には血塗られた歴史がある。

この「全米哀悼の日」は、1970年にアメリカ先住民族ワンパノアグ族のワムスッタ・フランク・ジェームズ( Wamsutta Frank James )氏が始めたもので、感謝祭の背後にある恐ろしいストーリーだけではなく、現在の米国のネイティブ・アメリカンが直面している問題にも言及する。

現在、感謝祭が白人によるネイティブ・アメリカンに対しての征服と虐殺の祝日であることを認識し始めているアメリカ人たちが増えている。

公式的には、感謝祭は 1621年にプリムスに入植した白人たちの最初の収穫を祝った宴の日にちなんで行われているとされており、毎年、11月の第4木曜日をその国家的な祝日としている。

アメリカ・インディアン・オブ・ニューイングランド連合の前代表マートウィン・マンロー( Mahtowin Munro )氏は、以下のように述べる。

「これまで感謝祭が始まったエピソードは、アメリカで入植者たちとインディアンたちが仲良く宴会を開き、その後もいい友人として生活していった、というような神話が教えられ続けていました。しかし、それは真実ではありません。私たちは、現実には何があったのかを話して、それを伝えていくことが重要だと思っています」

スミソニアン国立博物館の歴史文化の専門家であるデニス・ツォティ( Dennis Zotigh )氏は、「子どもたちと私たちが共有している幸せな歴史認識の半分、あるいはそれ以上の真実を提示します」と言う。

ツォティ氏に「あなたは感謝祭のお祝いをしますか?」と質問すると、

「いえ、私は祝いません」

と答えた。

アメリカ保健福祉省の少数民族事務局によると、アメリカインディアンとアラスカ先住民の 28パーセントが貧困と直面している。また、アメリカインディアン政策研究国民会議( National Congress of American Indians Policy Research )によると 18歳未満のネイティブ・アメリカンの 32パーセントが貧困に苦しんでいる。

「全米哀悼の日」を始めたワムスッタ氏の息子のムーナヌム・ジェイムス( Moonanum James )氏はこう語る。

「私たちがこの日を全米哀悼の日と呼ぶ理由は、巡礼者たちとコロンブスがこの地に上陸した日が、私たちのそれまでの生活がすべて終わった日だからです。土地も何もかも彼らに盗まれた」

ファーガソンで十代の黒人青年を射殺した白人警官に対して大陪審が不起訴処分とした後にミズーリ州のアフリカ系アメリカ人がデモや暴動を繰り返しているが、この日のデモ参加者は彼らアフリカ系アメリカ人との連帯を表明した。

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2014年11月27日



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ロサンゼルス 11月25日

us-riot.jpg

▲ ファーガソンでの白人警官への不起訴処分決定後に起きたロサンゼルスでの抗議デモに参加する白人女性。米国 MDJ Online より。



早くも学年閉鎖の小学校

連休明けから、子どもが風邪「のようなもの」(微熱と高熱を行ったり来たり)で学校を休んでいて、その看病などもあり、昨日は更新できませんでした。

今日も整合性のある内容の記事にならなさそうで、すみません。

ところで、うちの子どもの小学校は、誰かが休んだ際には同じクラスの近所の子が連絡帳を休んだ子に届けるというシステムがあります。うちの1番近所の子は女の子で、本当はポストに連絡帳を入れるだけでいいのですが、いつも玄関まで持って来てくれます。

そこでお礼を言ったり、世間話などをするのですが、話している時、その子が、

「そういえば、オカくんの登校班に5年生います?」

と言ってきました。

わたし 「5年生はいないかな。でも、どうして?」
女の子 「明日から5年生、インフルエンザで学年閉鎖なんですよ」
わたし 「もうインフルエンザで、学級……え? 学年?」
女の子 「そうなんですよ」
わたし 「早え……。もうそんなに流行してんの」


そんなわけで、私の住む地域では、11月にしてインフルエンザで学年閉鎖というようなことになっていたりするのでした。

「それにしても早いな」

と思い、ニュース検索をしてみますと、なるほど、下のような感じで、いろいろな地域で、いつもより1カ月くらい早くインフルエンザの流行が始まっているようです。

flu-2014-11.gif
・Google ニュース検索「インフルエンザ 流行」より。


いつ頃から増えたのかを見ますと、下のようになっています。

flu-number.png
MLインフルエンザ流行前線情報データベース


グラフは 11月15日くらいから病院に行く人が徐々に増え始めて、この数日のうちに急激に患者数が増えたことを示しています。

インフルエンザに関しては、流行が早く始まったからといっても、流行の終わりが早くなるというわけでもないでしょうし、厄介な冬になりそうですね。

こうなってくると……メカブですかね。

私はもともと好きでよく食べるのですが、特に冬になるとメカブが食べたくて仕方なくなるのです。

メカブに含まれているフコイダンには抗インフルエンザ・ウイルス作用があることが実験レベルで確認されている……というようなことを知って、「なるほど冬に食べたくなるのはそういうこともあるのかなあ」などと思っています。

タカラBIO、ガゴメ昆布フコイダンの抗インフルエンザ作用を動物実験で確認
ロイター 2010.9.21

富山大学大学院の林利光教授との共同研究によって、ガゴメ昆布フコイダンがインフルエンザウイルスの感染を抑制するほか、インフルエンザウイルスに対する抗体の産生を促進する作用を動物実験で確認したと発表した。

タカラBIOのニュースリリースには詳細な実験内容が記されています。

記事にあるガゴメコンブというのは、北海道から東北で採れるコンブの種類です。メカブはコンブじゃなく、ワカメですけど、フコイダンを含むことについては、海藻類は多分同じようなもので、メカブ - Wikipedia には、

メカブは健康食品として摂取されることもあるが、必ずしも十分な医学的根拠を得るには至っていない。

とありますが、他の効果はともかく、インフルエンザウイルスに対する抗体の体内での生産を促進する作用はあるようです。

考えてみると、私はワクチン打たない人ですが、何十年も、あるいは、もしかすると1度もインフルエンザにかかったことないかもしれません。体そのものは弱いくせに、インフルエンザには強い(とか言って慢心していると、大体かかっちゃうんですね)。




最近の PM2.5とか放射能とか太陽黒点とか

それにしても、インフルエンザはこのような感じで、早い流行が始まりそうなのですけれど、最近のいろいろな環境はどうなっているのだろうと、最近見ていなかったいくつかのリアルタイムのデータを見てみました。

まずは多くの人が忘れているかもしれない PM 2.5。

2014年11月27日午後12時の大気汚染PM2.5濃度

pm2-5-1127.gif
pm25.jp

これは日本に関してはクリーンですね。
ほとんどの地域が「非常に少ない」レベルです。

それにしても、中国本土の汚染濃度はスゴイ……。

以前より高濃度の範囲が広くなっている気がします。
暖房需要が増えるこれからが汚染の本番だと考えますと、なかなか中国の環境前途も厳しいですね。

下みたいな結果も、大気汚染との因果関係はわからないにしても、「全然関係ないということはないのだろうなあ」とは、さすがに思います。

china-cancer-no1.gif
・日本経済新聞「がん発症、中国が突出 肺がんは世界の36%」(2014.02.13)より。

それにしても、アフリカとオセアニアの肺がん患者の少なさもこれはこれですごいものですね。

PM2.5の次というと、放射能レベルなんてのは今どうなっているのか。

今年の3月に、

東京の放射能レベルが震災前よりも数値の低い「世界で最も低いレベル」に
 来たるべき地球のかたち 2014年03月17日

という記事で、主要都市の放射能レベルの比較で「東京が最も低くなった」ことを記したことがありました。最も高かったのは韓国の首都ソウルでした。

現在はどうなっているのか。

これについては、日本政府が 2011年の震災後、海外の旅行者向けに開設した英語サイト Japan Travel Updates after the 3.11 Earthquake (3.11震災後の日本旅行)というサイトに随時数値が示されています。

2014年11月25日現在の世界10都市の放射能数値

radiation-11-25.gif

放射能数値の「高い順」から並べますと、

ソウル    0.117 マイクロシーベルト
ロンドン   0.108 マイクロシーベルト
シンガポール 0.100 マイクロシーベルト
ニューヨーク 0.094 マイクロシーベルト
ベルリン   0.082-0.115 マイクロシーベルト
香港     0.080-0.150 マイクロシーベルト
北京     0.074 マイクロシーベルト
パリ     0.059 マイクロシーベルト
台北     0.051 マイクロシーベルト
東京     0.035 マイクロシーベルト


となり、3月同様、東京は相変わらず、この 10都市の中では最も放射能数値が低いです。

ソウルがトップを保持しているのも同じで、ソウルは東京より3倍放射能数値が高いことになります。

それにしても、全体として3月より放射能数値が上がっているんですね。

ソウルが 0.107 → 0.117 へとアップ
ロンドンが 0.088 → 0.108 へとアップ
シンガポール 0.040 → 0.100 へと大幅アップ


などが目立ちます。

ただし、これらの放射能数値の要因は、自然要因のものと考えるのが普通のことのようで、ブルームバーグの 3月10日の「東京の放射線レベル、原発事故前の水準に−ロンドンより低く」という記事に、アメリカのオレゴン州立大学原子力工学科の教授の言葉が紹介されています。

放射線は自然環境の中でも一定量が測定される。綿密な検査を行えば東京でも福島に起因する放射能が検知されることもあるかもしれないが、太陽粒子や石や土壌など、どこにでもある発生源からの数値をかろうじて上回る程度だという。

東京以外の都市で高い放射線レベルが検知されるのは自然の発生源によるものだろうと述べた。

とのことで、要するに、放射線は様々な自然の媒体から発生しているので、その差でしかないと教授は言っています。

環境や病気に影響を及ぼすといえば……太陽黒点も。

現在の太陽黒点はといいますと、

sun-spot-1127.gif
NICT

というように 170個となっていまして、これは非常に多いです。

これがまあ、アメリカのファーガソンで起きている暴動とか、中東やアフリカの紛争なんかをさらに激しくする種とならなければいいですけれど。




抗議デモに見た「アメリカ人」と「アメリカ国家」

ferguson-fire.jpg

▲ 11月24日のファーガソン。焼き打ちされた家。 DW より。


ファーガソンというのはミズーリ州にあるようなんですが、ミズーリ州の知事は「戦争するつもり」みたいな方策をとりはじめています。

ファーガソンへの州兵、3倍以上の2200人に ミズーリ州知事
AFP 2014.11.26

米ミズーリ州のジェイ・ニクソン知事は25日、黒人青年を射殺した白人警官が不起訴となったことを受けて暴動が起きた同州ファーガソンとその周辺に配置する州兵の数を、これまでの700人の3倍以上に当たる2200人に増員したと発表した。

ところで、このファーガソンの暴動について、リアルタイムでインターネット上にアップされる写真を見ていて気づくことがあります。特に、現場となったファーガソン以外での抗議デモについてです。

それは何かというと、まず、この暴動は上の AFP にありますように、

> 黒人青年を射殺した白人警官が不起訴となったことを受けて暴動が起きた

ということが始まりで、「黒人 vs 白人」というような構図が浮かぶ感じがしても不思議ではないのですが、たしかにファーガソンでは暴動に参加している人たちの多くが黒人に見えますが、ファーガソン以外に広がっている抗議デモのほうは、写真を見る限り、すでに白人と黒人の対立の構図ではないことがわかります。

ニューヨーク 11月24日

Ferguson-01.jpg
Mainichi Daily


ロサンゼルス 11月24日

Ferguson-02.jpg
Scpr.org

ニューヨークのデモなんて白人の方が多く見えるくらいで、これは、「警察 vs 若者」をも越えて、

「国家 vs 若者」(中年もOK)

という図式となっているようにも見えます。

それを象徴するのが、ファーガソンなどで「星条旗がアメリカ人によって燃やされている」という写真の数々です。下は11月24日にツイッターに投稿されたもので、他にも数多くの「自国の国旗を燃やす」写真があります。

us-flag.jpg
Twitter




ソーシャル・ネットワークの意味

そして、今回の件は、現代社会の情報伝達にいかにインターネット、中でもツイッターなどの SNS がリアルタイムでの情報伝達に関わっているかを実感させることがありました。

アメリカのソフトウエア開発者が、「ファーガソン( Ferguson )」という単語を含むツイートを視覚化し、その数と範囲の増減を時系列で見ることができるアプリを公開したのですが、それで見る「11月24日」でそれがわかります。

下がそのアプリによるマップで、裁判がおこなわれた 11月24日午後 6時から11時までの「ファーガソン」という単語を含んだツイートの推移です。

時間は1番下に示されています。

不起訴という決定が出たのは午後 8時頃で、その頃から 9時くらいまでの爆発的なツイートの増大ぶりをご覧下さい。




この後、全米の各都市で抗議デモなどが始まります。

そのデモは、上のほうの写真にありますように「黒人暴動」という範疇を越えた、アメリカ国家に反抗する人々が人種は関係なく集まりだしたという感じのようです。

今後、デモが沈静化していくかどうかはわからないですが、今のアメリカは不満を持つ人たちが多いですので、爆発のキッカケは何でもいいという部分も多少あるのかもしれません。

昨年の、

アメリカの政府機関の閉鎖解除後に知り得たフードスタンプやイルカの大量死のデータ
 2013年10月20日

という記事にも書きましたけれど、アメリカは昨年の時点で、政府支給のフードスタンプを含めて、食糧支援を受けている人の数は1億人を越えています。

foodstamp-4700.gif

▲ アメリカ農務省の栄養補助プログラムに関しての監査報告書より。


この数は、アメリカのフルタイムの労働者の数を上回っていたりします。

2013年7月8日の米国 CNS ニュースは「1億100万人が連邦政府から食糧援助を得ており、フルタイムの民間部門の労働者数を上回った」というタイトルの記事で、

アメリカ農務省の報告によると、連邦政府からの補助食糧援助(フードスタンプ)を受けたアメリカ人の数は米国の人口の約3分の1にあたる 1億 100万人に上昇している。農務省は昨年1年間で食糧援助に 1140億ドル(約 11兆円)の財政支出をおこなっている。

連邦政府からの補助食糧援助で生活している米国人の数は、民間企業で働いている労働者人口を上回っている。労働統計局の発表によると、2012年の時点でのフルタイム労働者人口は 9,718万人だった。

とあります。

もし、これでアメリカ政府に何らかの問題が起きて、食糧援助の 11兆円が支出できないような事態になれば、「1億人の怒れるアメリカ人たち」が出現するわけで、なかなかアメリカの前途も難しいものがあります。

日本もいろいろと前途は大変そうですが。


ここまで脈絡なく、近況だのアメリカのことだの書き連ねてしまいましたが、先日の記事、

ブルガリア政府が国家機密を解除し公開された「ババ・バンガの2015年の予言」の内容
 2014年11月24日

にあるブルガリアの予言者、ババ・バンガの 2015年に関しての予言の言葉の、

2015年、アメリカの大統領が退任する。彼はその後は政治と一切関わらないが、すべての特権と保護を奪われ、裁判にかけられる可能性がある。

とか、

バンガは、2015年に世界は深刻な経済危機に陥るだろうとしている。

などのようなフレーズを思い浮かべます。

もちろん、2015年が実際にそんな年になっていくのかどうかはわかりません。

しかし、最近の世界のいろいろなことを見ていると、方向性の善し悪しとか結果はわからないですが、世界全体の人々が、表面的なこと以上に「ひとりひとりの内面での変化を経験している途中なのかもしれない」と思ったりいたします。

ただし、必ずしも人が良いほうに目覚めるのではなく、

「悪い方向に覚醒する」

ということもないではないかもしれないですので、そのあたりは個々の良心というのか、人間らしさというのか、そういうことを忘れずにいたいな、というようには思います(何が起きても)。

それはそれとして、インフルエンザだとか、あるいはいろいろな病気にお気をつけ下さい。病気の時代は、もしかするとこれからが本番かもしれません。その理由は今度書かせていただきます。

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2014年11月25日



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Object-2014E-top.gif
Satflare



ロシアの目的不明の衛星「物体 2014-28E 」のその後


少し前の、

2014年の終わりまでに開くはずだったマヤ神官の言う「時間の窓」は開かず、ロシア・ウラルの空では人びとが「天空の門」と呼ぶオレンジの光が炸裂する
 2014年11月19日

という記事の後ろのほうで、ロシアから打ち上げられた「かもしれない」目的不明の衛星「物体 2014-28E (Object 2014-28E)」について少しふれました。

この物体は、最初のうちは下のガーディアンの報道のタイトルのような捉えられ方でした。

28e-guardian.gif
Guradian

すなわち、

・宇宙ゴミなどの破片の可能性
・そもそもロシアのものかどうかわからない


などとなっていて、いろいろと不明だったのですが、その後、ロシアから打ち上げられたこと、それが自ら動力を持つ衛星であることなどが確認され、その軌道も特定されました。

現在では、サテフレア( Satflare )という、人工衛星の軌道を追跡できるサイトでの下のリンクから、この「物体 2014-28E」の軌道を確認できます。

Satflare - COSMOS 2499

冒頭に貼りましたように、北米の西海岸沖の太平洋上空から、ロシア西部などの上空を周回しているようです。

ロシア周辺のほうでの正確な軌道は下のようになります。

object-2.gif


その一方で、中国も昨年7月以来、「目的不明の人口衛星」を次々と宇宙空間に打ち上げています。




昨年から続く中国の「目的不明」の衛星の打ち上げ

つい数日前にも、中国の宇宙開発部署「中国航天科技集団公司」が「快舟二号」という、公称の目的は自然災害観測のための地球観測衛星を打ち上げています。

謎に包まれた中国の快舟ロケット、2号機が打ち上げに成功
Sorae 2014.11.23

kuaizhou-2.jpg中国航天科技集団公司は11月21日、地球観測衛星「快舟二号」を搭載した快舟ロケットの打ち上げに成功した。快舟ロケットは昨年9月25日に初めて打ち上げられ、今回が2機目となるが、その姿や性能は謎に包まれている。

衛星「快舟二号」は、災害観測を目的としているということ以外は、姿かたちや性能などは明らかにされていない。

中国はこの2機だけではなく、昨年の7月にも衛星を打ち上げています。

その頃の米国サイト Space.com は「中国の衛星の謎の行動が専門家たちに抱かせる推測」というタイトルの非常に長い記事をリリースしました。

ch-space.gif

▲ 2013年9月9日の Space.com より。


この記事には、たとえば、下の図のような現在(図は2011年時点)のアメリカと中国の測位観測システム衛星の位置状況についての図が示されています。

us-china-satellite-navigation-1.gif


この図のキャプションには、

中国の新しい衛星攻撃兵器(ASAT)のテストは、地球の中軌道に到達する能力を披露した。一部のアナリストは、これはアメリカの全地球測位システムの航行衛星の配置に対してのリスクを持つと強調するだろう。しかし、中国の測位システムも同じリスクを持つことになる。

と記されています。

このあたりのことについては、衛星攻撃兵器 - Wikipedia に、

2013年現在は、中国としても国際的非難を避けるためにあからさまな衛星攻撃兵器の実験はできず、2010年頃から、弾道弾迎撃ミサイルの実験を行っているが、衛星攻撃兵器の実験も兼ねていると考えられている。

とあり、常に「衛星攻撃」という概念を持ちながら、様々な機器の開発を進めているという面はあるようです。

ちなみに、上の写真の左上にある文字を見ますと、アメリカの方には

US GPS

とあり GPS 衛星だとわかるのですが、中国のほうは

Chinese Beidou

とあります。

「 Beidou ナビゲーション・システムって何だ?」

と思って調べてみますと、Beidou は漢字では「北斗」を意味するようです。それで探してみましたら、北斗 (衛星測位システム) - Wikipedia という項目がありました。

北斗衛星導航系統は中華人民共和国が独自に開発を行なっている衛星測位システムである。2012年12月27日にアジア太平洋地域での運用を開始している。中国はアメリカ合衆国のGPSに依存しない、独自システムの構築にこだわってきた。

第二世代のシステムはコンパスまたは北斗-2として知られ、完成時には35機の衛星で構成される全地球測位システムになる予定。


中国は方位測定システムでも、アメリカから離れた独自のものを構築していることを知りました。

私は衛星測位システムはアメリカの GPS に全世界が頼っているものだと思っていたのですけれど、グローバル・ポジショニング・システム - Wikipedia によりますと、独自の衛星測位システムを開発している国はそれなりにあって、

・ロシア(GLONASS / 2011年から稼働)
・インド(インド地域航法衛星システム/一部稼働)
・日本(準天頂衛星システム / 未完成)


などがその試みをおこなっているようです。

他に欧州連動は「ガリレオ計画」という衛星測位システムを開発しているようですが、予算などで厳しい状態のようです。

確かに、戦争をする場合、今の時代ですと、衛星からの位置の正確な把握は大事でしょうしね。

それが、現時点では、基本的に多くがアメリカの GPS に頼っているわけですから、やはり独自のシステムがほしいという考え方はわかります。

さらに、仮に大国間などの大きな戦争になった場合、

「相手の衛星を破壊する」

ということはかなり重要なミッションにもなってくるのかもしれません。

asat1.jpg
Examiner


そのあたりのことなんかもあって、いろいろと騒がしくなっているのかもしれないですね。

しかし、そういう衛星の破壊とかが宇宙空間で広がりますと、少し前の記事にも載せましたけれど、今でさえ1万2000個もの宇宙ゴミが地球の周りを飛び回っているわけで、これ以上増えると、なんだか良くない感じもしないでもないですが。

Space-debris-Objects-in-o-007.jpg


それはともかくとして、上に書きましたようなことがあるのかどうかはわからないですが、ロシアの謎の物体に関しても、中国の目的不明の衛星にしても、「衛星攻撃兵器」のたぐいなのではないかとする見方が西欧では多く述べられています。

どうにも、私たち一般人にはわからないことがたくさん裏では起きているのかもしれないですけれど、とりあえずは、謎のロシアの物体2014-28Eについてのガーディアンの記事をご紹介します。

記事は比較的軽い感じで書かれていて、兵器の可能性もあるにしても、それほど深刻なものではないのではないだろうかというような推測が書かれています。



What is Object 2014-28E – a Russian military satellite or a piece of unidentified debris?
Guardian 2014.11.18


物体2014-28Eとは何か。それはロシアの軍事衛星? あるいは正体不明の破片?


名称:物体 2014-28E( Object 2014-28E )

年代:不明

外観:不明

目的:不明

申し訳ないが、この「物体 2014-28E」についてはほとんど何もわからないのだ。そして、それを特定することは難しい。

わかっていることといえば、軍事通信衛星を展開する使命の一環として、6ヶ月前にロシアから軌道上に打ち上げられたものだということだ。

最初は破片の一部であると考えられていたが、その後、物体2014-28Eは、軌道を周回しだし、他のロシア宇宙艇を訪問し、そして、ついには先週にはロシアの宇宙艇一機と結合した。

最終的に、この物体はが核戦争への策略の一部になるのだろうか。……いや、実際には今回の出来事に悪人が関わっていると考えることは、誇大妄想である可能性が高い。

しかし、そうでない場合、この物体はたしかに戦争用かもしれないと考えることのできるいくつかの推測がある。

その場合は、これはロシアの対衛星兵器に関するもので、そして、これは今までにないまったく新しい何かなのかもしれない。

まったく新しい何かとは?

たとえば、電気系統をすべて無効にする(映画『007 ゴールデンアイ』に出る)ゴールデンアイ・パルス装置とか? それとも、支配者民族が地球の人口構成の再編を行うための準備として、神経ガスを地球にばらまく装置?

しかし、そのどちらの可能性も低い。

多分、これは兵器のたぐいではなく、宇宙ゴミを収集する目的や、あるいは、衛星の修理や補給の目的などを持っているのではないかと思われる。

しかし、ロシアがこの衛星の打ち上げを公表しなかったことは奇妙には感じる。

アメリカと中国はすでに双方が衛星を攻撃するテクノロジーを持っている。さらに、中国は昨年7月に、やや不審に感じる物体を打ち上げた。

なるほど、そういう部分から見れば、あるいは、これらはすべて、宇宙空間での大規模な戦争への準備としての機器の可能性もあるということだろうか。


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vanga-top-2.gif

▲ 2014年11月22日のロシアのメディア Zagopod より。



これまでブルガリア国家最高機密として公開されていなかったババ・バンガの予言の一部が公開へ

このババ・バンガ( Baba Vanga / 1911年-1996年)という方は、ブルガリアで、というより、現代で最も有名な予言者のひとりだといえる人で、バンガに関しては様々な予言の言葉とされるものが残されています。

そして、その言葉の多くは公開されて残っているものだと私は思っていたのです。
ところが、先日、上のニュースを見たのでした。

この記事の中には、

晩年のバンガの予言はブルガリア安全保障当局が記録し、それらの予言は「国家最高機密」扱いとされた。

とあり、バンガの多くの予言は「非公開」だったということになります。

つまり、これまで世で流布していたバンガの予言の言葉は、口頭を記録したものなどを中心として、予言の一部でしかなかったわけで、かつ、正確な記録ではなかった可能性があります。正確な予言の言葉は、ブルガリアの国家保安当局が詳細に記録して保存していたということになるようなのです。

とりあえず、上の記事の内容をご紹介します。

ブルガリア政府が、2015年のバンガ予測を機密解除し公開へ
Zagopod 2014.11.22

ブルガリアのメディアは予期せぬセンセーションに見舞われた。ブルガリア政府が、同国の著名な予言者であるババ・バンガの予言の機密指定を解除し、公表すると発表したのだ。

バンガは生前、数千にのぼる予言をなした。

晩年のバンガはブルガリア国家安全保障委員会に積極的に協力し、その後のバンガの予言は、安全保障当局が記録し、それらの予言はすべて「国家最高機密」として分類された。

先日おこなわれたブルガリアの選挙で勝利した GERB 党のボイコ・ボリソフ党首は、新政権が、バンガの予言を一部公開すると発表した。

まずは、国家安全保障委員会の保管庫に保存されている中の 2015年の予言が公開された。

それによると、2015年、アメリカの大統領が退任する(これについては、バンガは非常に混乱して、また比喩的に語ったという)。彼はその後は政治と一切関わらないが、すべての特権と保護を奪われ、裁判にかけられる可能性がある。

皮肉なことに、ロシアでも大統領が退任するという。
「ロシアは斬首される」とバンガは述べる。

しかし、それは悲劇的なものではなく、ロシア社会が混乱に陥ることもない。むしろ、ロシアはより発展し、それは現在の大統領が築き上げたものであり、その統治は継続する。

ロシアのループルは、2014年からその影響力が強まり、次第にドルより信頼のある通貨となる。ブルガリアもロシアとの関係を強化するだろう。

ウイルスの蔓延が収まらない。ワクチンが作り出され、「最悪期は脱した」とする騒がしい声明が出されるだろうが、逆にウイルスはそこから突然変異による新しいウイルスの形態を獲得し、ウイルスが勝利する。

シベリアとオーストラリア以外の全世界がウイルスで汚染される。

というのが、ブルガリア政府が公開したバンガの「 2015年の世界の予測」です。

ブルガリア政府は「一部を公開する」と表現しているので、すべてではないかもしれません。

内容をまとめると、2015年は、

・アメリカ大統領が退任して、その大統領は厳しい立場となる可能性がある。

・ロシアの大統領も退任するが、ロシア社会は、むしろ発展する。また、ロシア・ルーブルがドルの影響力を上回る通貨となっていく。

・ウイルスによる病気が世界規模で蔓延する。


というようなことで、まあ、大体、現時点でそんな感じになってきているとは思いますので、これがブルガリア政府の捏造したようなものでなければ、何となく、世界がこのようになっていくということに違和感はあまりありません。

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なお、「ウイルスの蔓延」に関しては、現在エボラが西アフリカで蔓延していますので、それを想定してしまいがちですが、強毒性の鳥インフルエンザが日本をはじめとする世界各地で見つかっていることや、あるいは、マダガスカルで、腺ペストにより 40名以上が死亡しているとか、エボラ以外にもいろいろと「芽のようなもの」はあります。

plague-madagascal.gif

▲ 2014年11月21日の英国 BBC Madagascar plague outbreak kills 40, says WHO より。


それにしても、ブルガリア政府はなぜ今になってこのようなものを発表したのかな、とは思います。

予言の内容は、ウイルスを別にして、あからさまに「ロシアの栄光」的なものであるわけで、そのあたりにブルガリア政府の意図が含まれているのかもしれません。

ちなみに、今回の出来事はブルガリアでのニュースであるにも関わらず、ブルガリアよりもロシアで大きく報道されています。個人サイトや娯楽メディアではなく、メジャーな一般報道メディアでも多く報じられています。

これは多分、先日の、

ウクライナのドネツクで高高度核爆発攻撃(EMP)がおこなわれたのでは? と噂された報道を見て思う「ロシア」という肖像
 2014年11月22日

という記事の中に書いた、

現代ロシア人は「世界1のオカルト大好き人種」

という部分とも関係しているかもしれません。

もともと、ロシアのメディアにはオカルト関係の記事がわりと多いですが、「オカルト好きなロシア人」の性質を考えると、購読者を増やすためにはオカルト関連記事を多くしていくのが得策だということもありそうです。

何しろ、今回のニュースが出る前でさえ、「ババ・バンガ」をロシア語で検索すると、いくつもの報道やコラムがヒットします。

その中で「 2015年のババ・バンガの予測」を取り上げていたものがありました。
ブルガリア政府の発表より以前のものです。

prediction-2015.gif

▲ 2014年11月9日のロシア Alta Press より。


これはブルガリア政府がバンガの機密文書を公開する前の記事ですので、一般的に世の中で伝えられているものだと思われますが、以下のようなことが書かれていました。

ババ・バンガの2015年の予言

ババ・バンガの予言は、起きる年月に関して正確ではないが、しかし、その後に実際に起きた事件や出来事と、バンガの予言は驚くべき類似を示している。

バンガによれば、2015年は、世界的なカタストロフを巻き起こす出来事がある。しかし、それは地球のすべての人類文明を脅かすものではないという。

現在、バンガの予言に対して懐疑的な立場を持つ人は多いが、その一方で、バンガの予言の正確性の証拠をさらに多く見つけ出している人々もいる。

バンガは現在の世界の2つの終焉について語る。

ひとつは、最後の氷河期以前の区切りだ。

もうひとつの時代の終焉は、2015年の中盤にやってくるという。
それがどのような悲劇なのかは謎のままだが、多くの犠牲者が出る。

また、バンガは、2015年に世界は深刻な経済危機に陥るだろうとしている。これは2つの大国間の緊張の原因となる。世界的な利害関係での紛争と、人が作り出した戦争に起因される大きな地球の変化がある。

このことが地球規模での破壊につながり、世界地図は書き換えられるだろう。

バンガが晩年語ったところによると、世界は巨大な変容に包み込まれるという。ヨーロッパの半分、南米、そして、東南アジアの多くが海水に覆われる。

2015年の後半には、北米大陸の南部、カナダ、そして、ロシアから膨大な数の人々による他の地への移住が始まるだろうという。

結果として、地球の人口は、アメリカ合衆国とロシア中央部に集中する。

という内容のものでした。

この記事はタイトルの「バベル・グロバとノストラダムス、そして、バンガの 2015年の予言」でもわかる通り、ババ・バンガの他に、ノストラダムスの 2015年の予言と、バベル・グロバという人による 2015年の予言が書かれています。

しかし、ノストラダムスに関しては、

「ノストラダムスの 2015年に関しての予言?」

と、そんな概念が存在するのかどうか疑問がありますので、ノストラダムスに関しては今回はスルーしまして、もうひとり名前が挙げられている、パベル・グロバ( Pavel Globa )という人の 2015年の予言も、ついでといっては失礼ですが、記しておたきいと思います。

このパベル・グロバという人は、ノストラダムスとババ・バンガと並べて書かれてあることからもわかるように、ロシアでは有名な占星術師のようです。

Pavel-Globa.jpg
・パベル・グロバ。 Foxcrawl より。

有名な人だから当たるというものでもないでしょうが、このパベル・グロバというロシア人占星術師の予言をご紹介しておきます。

パベル・グロバの2015年の予言

世界のさまざまな国が、世界的な経済危機による失業者の増大、あるいは、ドルの切り下げなどに面している中で、ロシアは良い位置に立つことができる。ロシアの経済政策では、貿易とエネルギーがさらに構築される。

アメリカの世界への影響力が落ちていく中、ロシアは中国と共に世界への影響力を増すだろう。

しかし、ロシアの政治情勢は、当局とロシア国民の間に摩擦を生じさせる可能性があり、国民たちは革命的な感情を持ち、平穏ではない。テロの危険性も増す。

世界中で地震、火山噴火、洪水、津波が頻発する。
シベリアで深刻な火災が発生する可能性がある。
事故も増える。

しかし、良いニュースもある。
科学者が最終的な癌の治療法を発明する可能性がある。

最終的にはロシアが世界的な危機から世界を牽引し、新たな世界のリーダーになるだろう。

こちらも結局は、「ロシアの栄光」を語っていることになり、結局は現在はこういう「ロシア万歳」を唱える方向性というのがスピリチュアルの世界にまで行き渡っているということも言えるのかもしれません。





ウラジーミルの栄光

ババ・バンガの言葉とロシアの関係といえぱ、今年3月の、

「ウラジミールの栄光」や「ロシアのアラスカ編入」のキーワードから連想するババ・バンガの言葉や、お釈迦様の予言、そして、マザーシプトンの隠された予言
 2014年03月23日

など何度か載せたことがあります以下の言葉を思い出します。

「すべてのものが、氷が溶けるように消え去るが、ウラジーミルの栄光、ロシアの栄光は残る唯一のものである。ロシアは生き残るだけではなく、世界を支配する」(1979年)

putin-05.jpg
Google

いずれにしても、バンガさんをはじめとして、「 2015年は大きな節目となる」と述べる予言者は多いようです。

そして、揃って言うのが「ロシアの時代になる」と。

そのあたりはどうなのだか政治的な予測はできないですが、今年に関しては、政治や経済はともかく、「自然現象の話題では、ロシアの時代だった」ということは言えます。

ロシアでも、特にシベリア地方では、いろいろなことがありました。

ウラル地方チェリャビンスクで夏に降った極めて大きなひょう

ural-hail-top2.gif
・過去記事「気温40度の中に降った雹…」より。


この「チェリャビンスク」という場所は、2013年に隕石による被害で有名になった場所です。

また、このチェリャビンスクのあるウラル地方では、先日、「夜空に巨大なオレンジ色の光が目撃される」という出来事が起きたことも、先日の、

2014年の終わりまでに開くはずだったマヤ神官の言う「時間の窓」は開かず、ロシア・ウラルの空では人びとが「天空の門」と呼ぶオレンジの光が炸裂する
 2014年11月19日

という記事でご紹介しました。

あとは、今年の夏にシベリア各地に開いたクレーター(シンクホール)ですね。

シベリアに開いた3つのクレーター

siberia-crater-03.gif
・過去記事「ロシア国防省が報告したというシベリアの穴と地球の磁場反転の関係…」より。



またもロシアに開いた新しい巨大なシンクホール

これはまた別でご紹介できると思いますが、ロシアのソリカムスクという町に巨大なシンクホールが開いたことがつい数日前に報じられていました。

russia-sinkhole-001.jpg


russia-sinkhole-002.jpg

▲ 2014年11月20日のロシア Meduza より。

住宅と比較すると、この穴の巨大さがよくわかるかと思います。
そして、これもシベリアのクレーター同様に「まん丸に近い形状」となっています。

さわがしくなる時は、その国や場所の政治も経済も、そして自然現象も連動しながら、いろいろとその規模も大きくなっていくというものなのかもしれません。

深刻な経済危機が近いかもしれない、とか、地政学的リスクがわりとリアルに身近でありそうなことは今では誰でも何となく感じているような気もします。そして、自然災害も、増えることはあっても、減っていくような気があまりしない、というのも多くの人びとがわりと共有している感情ではないでしょうか。

そういう意味では、何が予言されようとされまいと、そこにはもはや意外感も恐怖感もなく、そして、私たちの無意識の総意が次の時代を形作るというような意味では、何が起きても案外素直に受け入れられることもできる可能性もあるのかもしれないです。

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2014年11月22日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





昨日、救急車で搬送されるということをしでかしてしまいました。生まれてはじめて脳のMRIなどをとりまして、結果、まったく異常なしということでしたが、何だか曖昧な体調が続きます。

ま、しかし、もう元気です。そして、そんな翌日としては全然さわやかな話題ではないのですが、下の動画をご覧いただければと思います。長さを 15秒程度に編集していますので、よろしければ最初にご覧下さい。最初に報道したのは「 RT 」というメディアですが、これについては後ほど付け加えます。




この動画にある「 RT 」のロゴは、ロシアの英字メディア「ロシア・トゥディ」と同じですので、ロシア・トゥディの報道かと思っていたのですが、よくリンクを辿ってみると、動画報道のラプティTV のものだとわかりました。オリジナルの動画はこちらです。

rt-logo.jpg
・ラプティTV のロゴ。

ロシア・トゥディとほぼ同じロゴを使っているあたりに、どうも釈然としない部分もありますが、そのあたりも考えつつ、それでもやはり気になる映像ではあります。

なお、高高度核爆発(EMP) 攻撃とは、Wikipedia の説明をお借りすれば、

高高度核爆発高層大気圏における核爆発。強力な電磁パルス(EMP)を攻撃手段として利用するものである。爆発高度によって分類されるものであり、核兵器の種類や爆発規模などは問わない。

というもので、 In Deep の過去記事でも何度か取り上げたことがありました。

EMP 攻撃シミュレーションだったとすると完全な成功を収めたように見える北朝鮮のミサイル実験
 2012年04月17日

EMP カタストロフ: 米国の保守を代表するヘリテージ財団のメンバーが電磁パルスの脅威を報告
 2013年02月12日

などがあります。

過去記事はとりあえずとして、冒頭の映像が報道通り、ウクライナのドネツクだとすると、この地は現在もともとが混沌としている場所であり、実際の現状を知ることは難しいとは思いますが、この短い映像だけで、少しわかることを記しておきたいと思います。



ウクライナのどこかで起きているかもしれないこと

このドネツクあたりの地域の状況については、もはや正確な情報は他国には、ほとんどわからないですが、ウクライナ軍と、ロシアに援助されている(と西側では言われる)兵士たちの間で、激しい戦闘が続けられているようです。

日本語版のロシアの声にも1日の間に何度もドネツクという地名が出ます。
下は11月19日の報道です。

ウクライナ軍、一日で20回ドネツクを砲撃
VOR 2014.11.19

ウクライナ軍は、ドンバスへの圧力を強めている。一日で20回、停戦合意違反があった。

ドネツクの北東部が狙われた。2人が死亡。市の浄化装置のケーブルが損傷し、多くの地区で水の供給が滞った。

なぜこのニュースを抜粋したかというと、戦闘が続いているとはいっても、それは大規模兵器によるものではなく、地上戦で、しかも、攻撃の基本は「砲撃」のようです。

砲撃のたぐいで上の動画にある下のような巨大な閃光が発生する可能性はないでしょう。

ukraine-flash.jpg


これがいわゆる照明弾のたぐいでもないことは、爆発時間の短さからわかるように思います。

さて、このドネツクの閃光は何だったのか。

この動画ニュースが配信されて、すぐに出始めた噂が、

「 EMP が使われたのでは」

というものでした。

しかし、いくら何でも、局地戦に EMP を使うのはやり過ぎな話で(無関係な場所までの被害が大きすぎる)、現実的ではないとは思うのですが、ただ、動画を見ていて、次のことが気になりました。

発光の始まりと同時に「ほぼすべての外灯や電気が消えている」

ということです。

be-01.jpg


af-01.jpg


すべての電気インフラが広範囲で一瞬にして一斉に消えるというのは、EMP 攻撃の特徴です。

ただ、上の写真の「ほぼ」というのが問題ともなるところで、 EMP なら、

「すべて」

となるのが普通だと思いますので、たとえ少しであっても光や明かりが残っているというのは何だか違う気がします。残っている光が電気を使わないものならともかく、電気系統はすべてクラッシュするはずだからです。

さらに最も大きな問題は、

撮影されている

ということ自体です。

どういうことかというと、カメラやバッテリーの種類にもよるのかもしれないですけれど、ほとんどのカメラはバッテリーで駆動しているはずですので、「カメラも瞬時に作動しなくなる」はずです。

その意味では「撮影されている」という時点で、やはり EMP ではないとは思うのですけれど、では、一体何の光かという、それはわからないです。

こんな激しい光を発するものの正体の想像がつきません。

まあ、そして、今回 EMP なんていう言葉に反応したのも、これがウクライナでの出来事だとされているからということもあるかもしれません。

ちょうど、先日の記事、

2014年の終わりまでに開くはずだったマヤ神官の言う「時間の窓」は開かず、ロシア・ウラルの空では人びとが「天空の門」と呼ぶオレンジの光が炸裂する
 2014年11月19日

で、2013年に中国でおこなわれた無人月面探査機「嫦娥3号」のプロモーションの際、その背後にある絵画の、地図でいえば、ウクライナのあたりに「キノコ雲が上っている」ようにも見える図が提示されていたことを書いたばかりです。

nkd-7.gif


この「キノコ雲」が「核」を連想させ、そのイメージに反応したのかもしません。

EMP は、人を直接殺傷する兵器ではないですが、高高度核攻撃という名前の通り「核」は「核」です。そして、 高高度ではない通常の核爆発でも、範囲は狭くても、同じように周囲の広範囲での電気系統がシャットダウンするはずです。

あるいは、上にリンクしました記事の内容も「ロシアの謎のオレンジの光」に関してのもので、今回の青い閃光との「光のつながり」ということもイメージしたのかもしれません。

russia-orange-light.jpg
YouTube


このロシアの閃光、見直しましても、やはり隕石による火球としては「光の規模」が大きすぎるかなという気もします。

いったい何だったんですかね。

何だかこう、ロシアの周辺は不思議なことが多いです。

まあしかし、なんてったって、実は現代ロシア人は「世界1のオカルト大好き人種」といえるようでして、そういう人たちが数多くいる場所なら、不思議なことも起きやすいのかもしれないです。下は先月の Vox というメディアの記事です。

Modern bizzare Russia's obsession with psychics and the occult

▲ 2014年11月15日の Vox より。


Vox の記事によりますと、ロシアのオカルト産業を示す経済的数値として、現在のロシアのスピリチュアル産業の総額は「最大で 20億ドル(約 2,300億円)」と推定されているそう。

さらに、現代医療よりも、「魔術で病気が治る」と信じている人の数がほぼ半数という、かなりのオカルト民族だそうです。

軍事と政治とオカルトがミックスして世界を戸惑わせ続ける国、ロシアですが、そういえば、上にリンクしました記事「2014年の終わりまでに…」で、

地球上空の宇宙に、兵器の可能性もある「目的も軌道も不明の衛星」が飛んでいて、それがロシアのものであるかもしれない。

という11月18日の英国インディペンデントの報道をご紹介しています。

russia-satelite-02.gif
Independent

これら欧米の報道に「ロシアの声」はすぐに反応していました。
まず、11月19日には、下のような報道。

不思議な「ロシア物体」宇宙に見つかる
VOR 2014.11.19

西側の宇宙当局が宇宙空間に浮かぶ不思議な「ロシア物体」を注視している。ファイナンシャル・タイムズが伝えた。

同紙によれば、ここ数週間、ロシアや西側のアマチュア天文学者が、不思議な振る舞いをする Object 2014-28E に夢中になっている。おそらく、5月に打ち上げられた通信衛星「ロドニク」にともなう宇宙ごみと思われる。また、この物体は、ロシアが再び「人工衛星破壊機」と呼ばれるプログラムを再開したのでは、との危惧を呼び起こしている。

物体の目的は不明。もしかしたら平和目的の衛星かも知れない。たとえば、宇宙ごみを回収するロボットであるとか。また一説には、衛星修理衛星である、とも。ただし、ロシアはこの物体の発射を発表してはいないという。ロシア国防省はコメントを拒否した。

さらに、ロシアの声は、11月21日に「ロシア人専門家、「不思議なロシア物体」の出現について語る」という記事で、

宇宙空間にロシアの「人工衛星破壊機」のようなものが出現したとする西側マスコミの報道は政治的な動機によるもので、事実無根。

ということで、どうもこの話も混沌としてきているようです。

いずれにしましても、このロシアという国は、自然現象でも国家の活動でも、あるいはスピリチュアルでも、これからもいろいろなことを見せてくれそうです。いいことも悪夢のようなことも。

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2014年11月21日



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異常な寒波。そして異常な熱波

昨日の早朝ドアを開けると、今期はじめて吐く息が白くなっていました。

子どもに「息が白くなってる」というと、自分でも息をして「本当だ」と確かめていました。
まあしかし、息が白いとはしゃいでいる場合ではない場所も多くあります。

日本の関東はこの程度の寒さで済んでいますが、アメリカは「全 50州(ハワイを含む)で氷点下を記録した上に、ニューヨーク州では大雪で非常事態宣言」となっていたりします。

ny-snow-chaos.jpg
読売新聞


この雪の壮絶さは、11月20日の CNN の「記録的な大雪で7人死亡、さらに積雪の見通し 米NY州」というタイトルの記事の中にある、

1年分以上の雪がこの1週間で降り積もる可能性もある。

という表現でも想像がつく部分があります。
普通なら、ワンシーズンで降るすべての雪が1週間で降り積もる。

気温もすさまじいものです。

11月18日の全米の気温

2014-1117.gif
来たるべき地球のかたち


この時期にハワイも含めた全米 50州が氷点下になったことは、少なくとも近年ではなかったのではないでしょうか。

その一方で、夏に入りつつあるオーストラリアでは、「時期としては異例の猛暑」に見舞われていて、シドニーやその周辺で連日 40度近くの気温が続いている中、ニューサウスウェールズ州のカシノという町では、

44度の猛暑に見舞われた後に、5000匹のコウモリが次々と死んで木から落ち、町全体がコウモリの死臭で包まれた。

という、自然災害ではありつつも、むしろオカルトを感じさせるような出来事も起きています。

5000-bats-dead.gif
Mirror

上の出来事は熱波の中で突然、5000匹以上のコウモリが木から「死んで」落ちてきたという記事に書きました。

オーストラリアはここ数年も異常に熱い夏が続いていたとはいえ、「コウモリが暑さが原因で大量死を起こし、それが木から落ちてくる」なんてことは、これまでなかったわけで、すでに「自然の動物が生きることのできる環境を越えてきた」と言えるのかもしれません。




異常性が増しているアメリカ周辺の海域

そういえば、最近、ナショナルジオグラフィックで、

数百万のヒトデが溶ける、北米西海岸
 ナショナルジオグラフィック ニュース 2014.11.18

という報道がありまして、「まだ続いているんだなあ」と知りました。

これに関しては、ちょうど昨年の今頃から何度か In Deep の記事で取り上げたことがありました。下の記事などがそうです。

「星が消えて海が壊れる」:アメリカ周辺のヒトデの大量死の状態は「分解して溶けて消えていく」という未知の奇妙なものだった
 2013年12月05日

米国オレゴン州のヒトデは「絶滅の方向」へ
 2014年06月06日

oregon-seastar-2.gif

▲ 2014年6月4日の米国オレゴン州立大学ニュースリリース Sea star disease epidemic surges in Oregon, local extinctions expected より。


この現象が判明しだしてから、すでに1年以上経っているわけで、ヒトデの崩壊現象の原因がわかってきたからこそのナショナルジオグラフィックのニュースなのだろうと思って読みましたら、下のようなことでした。

大量死の原因はパルボウイルス科のウイルスであるという。

というところまではわかったようですが、

広く存在しているウイルスが、突如として数百万の生物を死に至らしめるのはなぜか。原因はまだ解明されていない。

ということで、結局よくわかっていないようです。

上のほうに貼りました米国オレゴン州立大学の報告では、

推定では現在、地域的に最高で 60パーセントのヒトデが消耗性疾患で死んだと考えられるが、じきに 100パーセントが死に絶える海域が出るだろうと予測されている。

とあり、それが今年の6月の報告ですので、アメリカ西海岸のいくつかの地点で、すでにヒトデは絶滅している可能性があります。

ちなみに、これは「単に死ぬ」のではなく、「溶けていってしまう」のです。

まず手足や胴体がバラバラになり、それがすべて溶けていき、最終的には下のような粘体となって海底に付着していきます。

seastar-death-5.gif


その過程は上にリンクしました記事「星が消えて…」の中に写真で示してあります。

ところで、その原因というわけでも何でもないのですが、現在、アメリカはこれだけ強い寒波に見舞われていますが、実はアメリカ周辺の「海」では奇妙な現象が起きています。

それは「海水温が異常に高い」のです。

低いのならわかる気もするのですが、「高い」のです。
しかも、一過性のものではなく、最近ずっと高いままなのです。

下はアメリカ海洋大気庁( NOAA )による9月の世界の海水温度の平年との差異ですが、アメリカ西海岸からアラスカにかけての海域と、東海岸沿いの一部の海水温度が平年に比べて異常に高いことがわかります。

sea-temp-201409.gif
・NOAA


さらに下の気温の比較を見ると、今年の異常さがよりわかります。これは1年前のアメリカ西海岸沿いの太平洋の海水温度と、今年の同じ日の海水温度を比較したものです。

warm-water.gif
San Jose Mercury News


華氏表示ですが、場所によっては昨年より 10度以上も海水温度が高い場所があります。

たった1年間でここまで急速に海水温度が変化すると、環境に対応できない生物が出てきても不思議ではないと思いますので、ヒトデの件も含めて、いろいろと関係している面もあるのかもしれません。

しかし、その一方で、このアメリカ周辺の急速な海水温度の変化が「新しい生物」のすみかを作ってきているという事実もあります。

odd-species.gif

▲ 2014年11月2日の米国 San Jose Mercury News より。


上の生物は「ガラスウキヅノガイ」( Hyalocylis striata )というもので、クリオネだとか、そっち系の生き物だと思うのですが、本来はメキシコなど熱帯から亜熱帯に住むもので、今年9月に、はじめてカリフォルニアで採取されたことが確認されたのだそう。

他にも、熱帯の海域にしか生息しない海洋生物が、大型、小型を問わず、アメリカ周辺の海域に住みついていることが上の記事で報じられています。

どうやら現在、「アメリカ西海岸は海水温では熱帯地方になっている」ようなのです。

そんな中で、アメリカの大地の方は記録的な寒波というアンバランスはなかなかすごい要素が含まれているのではないかと感じたりもいたします。

なお、海域の海水温が高いカリフォルニアですが、大地でも絶望的なレベルの干ばつが続いています。

そんなカリフォルニアですが、先に記しましたように、今回の寒波は「アメリカの全州に氷点下の気温をもたらし、全土の 50パーセントが雪に見舞われた」わけで、カリフォルニアも例外ではありませんでした。

つまり、カリフォルニアでも雪と寒波を経験したようなのです。

そして、報道では下のように「干ばつで草木も枯れきった大地に雪が積もる」という、やや終末的な光景の写真が掲載されていました。

snow-drought.jpg
Farm Future


そして、この雪は干ばつに関して良い方向に働くのでは? と思ったのですが、農業に関しての専門サイトの昨日の記事は、「ほとんど好転していない」ということでした。

drought-few-changes.gif

▲ 2014年11月20日の米国農業系ニュースサイト Farm Future より。


干ばつで農業がやられている上に雪まで降り、今度は冷害が加わるという、カリフォルニアの農家の方々は踏んだり蹴ったりの状況のようです。

こんなように、何だかとても荒れている感じが明確になっている地球の気候なんですが、最近、氷河期についての少し昔の論文の存在を知りました。




1万2800年前に1300年も続いた小氷河期は徐々にではなく「たった数ヶ月」のあいだに起きた

その論文は、2009年11月の科学誌ニューサイエンティストの下の記事です。

mini-iceage-12800.gif
New Scientist


ところが、上の記事はすでに「アーカイブ」となっていて、全文を読めるのは有料会員だけとなっていまして、私は読めないのでした。

しかし、この論文の内容についてふれた米国サイト Ice Age Now の記事に概要が出ていますので、ご紹介します。

ちなみに、ニューサイエンティストの上の見出しは「ミニ氷河期」となっていて、この言葉は一般的には中世の小氷期を指しますが、この調査でのミニ氷河期は、下のグラフにある 12800年前に始まり、約 1300年間続いた「氷河期の中のミニ氷河期」です。

ice-age-temp1.gif
良い時代と悪い時代


この期間はヤンガードリアス、あるいは新ドリアス期と呼ばれているそうで、 氷河期時代の最終氷期の頃に約 1300年間も続いた気候寒冷期と分類されています。

ニューサイエンティストの記事の概要としては以下のようなものです。

これまで、氷河期は 20年以内の期間の中で始まり定着していくと主張する学説があったが、今回の研究を主導した地質学教授ウィリアム・パターソン( William Patterson )教授の調査結果は、実際は小氷河期はそれよりもはるかに早く定着していたことがわかった。

約 1万 2800年前、北半球は、ヤンガードリアス、あるいは「大凍結( Big Freeze )と呼ばれるミニ氷河期に見舞われた。これは、メキシコ湾流の低迷によって引き起こされたと考えられており、約 1300年間続いた。

パターソン教授は、アイルランド西部の湖から、わずか5ミリの厚さずつ泥の層を収集し、それを分析した。それぞれの層は土砂堆積の3カ月間ごとの時間を示すために、非常に短い時間の区切りでの気温変化を測定することができる。

その結果、教授は、気温がわずか数ヶ月間で下がり、湖の植物や動物たちが急速な勢いで死滅していったことを発見した。

今回のパターソン教授の発見は、気候変動に関して、地球の気候は信じられないほど急速に変化するという理論を補強することになった。

世界の気温は大体 1,000年くらいのサイクルで大きな上下を繰り返してきたようなんですが、上のグラフを見ている限り、「徐々に下がっていって、また徐々に回復していく」というように見えます

しかし、この研究は、そもそも

上のグラフのような気温変化のゆったりとした曲線は間違いかもしれない

という可能性をも示すものです。

1300年間も続いた寒冷期が「数ヶ月でその気温にまで落ちて、そのまま 1300年間続いた」ということになるわけで、本当に一瞬にして地球の気候が変わってしまった歴史がここにもあることを知らされます。

それにしても、過去がそういうことがあったのなら、

これから小氷河期に入る場合も「たった数ヶ月」で突入する可能性がある

ということにもなりそうです。

今のアメリカを見ていると、そろそろそんな感じもしてきますが、灼熱のオーストラリアを見ていると、小氷河期なんてまだまだ、とも思えますし、一体どうなっていくのでしょうか。

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2014年11月20日



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▲ 2014年11月19日のロイターより。



休眠までのフィラエの戦い

個人的にはとても嬉しいニュースですが、昨日、ロイターで上の報道を見ました。

現在は太陽電池のバッテリー切れにより、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の上で休眠状態の着陸機フィラエですが、休眠までの 50時間ほどのあいだに大きな仕事を成し遂げ、その後に眠りについたようなのです。

今回は、上のロイターの記事をご紹介したいと思います。

この記事で私が読んでいて嬉しかったのは、彗星探査機ロゼッタのミッションについて、

今回のミッションの大きな目的のひとつが、炭素系化合物を発見すること

だと明記されていたことと、

どのように生命が進化したかという謎を解明するためのものでもあった。

と記されていたことでした。

これまでロゼッタに関して多くの報道記事を読みましたが、着陸に成功したとか、休眠についたとか、そういう事実関係に関しての報道は多くても、「このミッションの最大の目的」に触れているものをあまり目にしませんでした。

しかし、今回の記事で、今回の探査の目的が、「彗星が生命を運搬しているかもしれないという説に対しての検証でもあった」という可能性を含んでいることを理解しました。

ロゼッタが打ち上げられたのは 10年前の 2004年。

2001年に亡くなったパンスペルミア説の主要な提唱者のひとりだったフレッド・ホイル博士の没後3年目にして、多分はホイル博士が生きていれば望んだであろう探査を欧州宇宙機関( ESA )は今から10年も前に淡々とおこなってくれていたのでした。

日本の JAXA や欧州の ESA は、アメリカの NASA に比べれば規模も予算も格段に小さいですが、かつてはともかく、最近での宇宙ミッションの「意義」は、 NASA のおこなっていることの数倍大きいと私は思います。

esa-jaxa-nasa-01.gif
内閣府


上のように、ESA の予算は NASA の3分の1以下、日本の JAXA に至っては、NASA の 10分の 1程度の予算です。

それでも、ESA は今回のように、着陸など失敗した部分も大きかったにも関わらず、

「彗星から地球の生命の構成要素を検出する」

という、地球の生命の起源の根本に迫る可能性のあるミッションを今から 10年前から計画して、部分的に成功させています。また、この「生命の起源を探る」分野では、やはり十分とはいえない予算ながらも、日本の国立天文台が、2010年に、

「地球上の生命の素材となるアミノ酸が宇宙から飛来したとする説を裏付ける有力な証拠を発見」

という、やはり地球の生命の起源に関しての画期的な発見をしています。

このことについては、過去記事、

「生命発祥の要因は宇宙からの彗星によるもの」という学説が確定しつつある中でも「幻想の自由」の苦悩からは逃げられない
 2013年09月18日

の後ろのほうに、当時の新聞記事を記していますが、その読売新聞の記事の冒頭は、

生命の起源、宇宙から飛来か…国立天文台など
読売新聞 2010.04.06

国立天文台などの国際研究チームは、地球上の生命の素材となるアミノ酸が宇宙から飛来したとする説を裏付ける有力な証拠を発見したと発表した。

というものでした。

日本やヨーロッパの宇宙ミッションに携わる人々は「派手な喧伝やポーズのための宇宙計画」ではなく、本気で地球の生命の起源を解き明かそうとしている様子が見て取れるのです。

しかるに、それらと比べてはるかに膨大な予算を使うことのできる NASA が何がしかの人類科学の発展に貢献したことがあったかどうかときたら!

……まあ、こんなことで興奮している場合ではないのですので、ロイターの記事をご紹介します。

今回のフィラエの探査は、彗星の表面しか調査できていない可能性があり、内部を調査できない限り、いろいろと不完全なことは否めませんが、しかし、フィラエが今後再起動する可能性も残っています。いつか、フィラエが、あるいは似た何かのミッションが、彗星の「生命」の報告をもたらしてくれることを期待しています。

ホイル博士に報告と合掌まで。

Sir-Fred-Hoyle.jpg
Scientific American


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Comet team detects organic molecules, basis of life on Earth
Reuter 2014.11.19


彗星チームが地球上の生命の基盤となる有機分子を検出


ヨーロッパの彗星着陸機フィラエは、自身バッテリーが切れるまでの駆動時間に、彗星から炭素元素を含む有機分子を嗅ぎ取ったとドイツの科学者たちは述べた。

この炭素元素を含む有機分子は地球の生命の基盤となっているものだ。

科学者たちは、そこにタンパク質を構成する複雑な化合物が含まれていたかどうかについては明らかにしていない。今回のミッションの大きな目的のひとつが、炭素系化合物を発見することだ。

そして、それらの発見を通して、究極的には、地球の生命は彗星たちによってもたらされたことを突き止めることにある。

フィラエは、探査機ロゼッタに搭載されて、10年の歳月をかけて地球から 67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星への着陸に成功した。このミッションは、どのように惑星が形成され、あるいは、どのように生命が進化したかという謎を解明するためのものでもあった。

11月15日、フィラエは自身のバッテリーが尽きるまでの 57時間のあいだ、データを送信し続けた。その後、バッテリー切れによりミッションは終了した。

彗星は太陽系の形成の時代にまで遡るタイムカプセルのように古代の有機分子を保ってきた。

フィラエに搭載されている COSAC ガス分析器は、大気を「嗅ぐ」ことができ、そして、彗星に着陸後のフィラエは最初に有機分子を検出したと、ドイツ航空宇宙センター( DLR )は述べる。

フィラエは着陸後、彗星の表面に穴を掘り、有機分子を獲得したが、しかし、フィラエがその試料を COSAC に送ることができたかどうかは明らかになっていない。

また、着陸船には MUPUS という熱と密度を測定する検査機器が搭載されており、これによると、彗星の表面は以前から考えられたように軟らかいものではないことがわかった。

熱センサーは彗星の表面から 40センチの深さにまで打ち込まれて計測されることになっていたが、ハンマーの設定を最強にしていたのにもかかわらず、これは実現しなかった。

ドイツ航空宇宙センターでは、表面から 10センチから20センチ下に厚い塵の層が存在していると起算し、その層が氷のように硬い物質だったと考えられる。

ドイツ航空宇宙センターで MUPUS 分析チームを率いるティルマン・スポーン( Tilman Spohn )氏は、「これは驚きです。私たちは彗星の地面が、このように硬いものだとは考えてもいませんでした」と言う。

スポーン氏は、彗星が太陽に近づくにつれて、ふたたびフィラエの太陽電池が充填されていった場合、再度、 MUPUS による熱と密度の分析を再開させられることを願っていると述べた。




(訳者注)ここまでです。

昨日の記事で、

「最近は何かこう気持ちがすっきりと晴れる時が少ない」

というようなことを書きましたが、やや鬱っぽい感じも漂う中で多少涙もろくなっているのか、今回のロイターの記事を書きながら、フレッド・ホイル博士の著作の内容を思い出していると、何だか泣けてきて、「泣きながら翻訳する」(苦笑)という珍しい経験となりました。

それはともかく、今回のフィラエは「彗星の形質」についても従来の考え方を覆す発見をしています。

たとえば、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の表面は、

彗星の表面と少なくともその数十センチ下は非常に硬い物質

であることを示唆しました。

これまでは、彗星表面は軟らかく、それが太陽などの熱でボロボロと剥がれていくのが「彗星の尾」というような感じの考え方だったのですが、それが覆され、彗星は「強固な外壁を持つ」ことがわかりました。

そして、内部からガスを常に噴出していることをロゼッタが観測しています。

この2点だけでも、

彗星が撒き散らしているものは外側のものではなく、内部から噴出しているもの

であることがわかります。

それがわかっただけでもロゼッタとフィラエの成し遂げたことは大きなことだと思います。

今回、フィラエが検出したのは、単なる炭素元素を含む有機分子ですが、フレッド・ホイル博士は基本的には、有機分子だけではなく、

・バクテリア
・ウイルス


が共に彗星によって共に宇宙にばらまかれているとしていました。

そして、大事なことは、ウイルスが「地球の生命の進化に関わっている」と強く主張していた点です。

フレッド・ホイル博士の著作『生命(DNA)は宇宙を流れる』から抜粋します。



『生命(DNA) は宇宙を流れる』 第4章「進化のメカニズム」より

動物、植物からバクテリアまで、およそ生きた細胞でウイルス感染から免れることのできるものはない。

さらに、同じ種に属する個体どうしでさえ、そんな遺伝子の組み換えが起きるのは、かなりショッキングな事態であるのに、ウイルスの中には、トリからサル、サルからヒトなど、異なった動物種への感染を繰り返すものがある。

このような感染のパターンを持つウイルスは、種の障壁を超えて遺伝子を運んでしまう。われわれが、地球の生命を進化させたのはウイルスなのだと考えるのは、ウイルスのこんな性質に着目するからだ。

生物が進化するには、遺伝子が変化する必要がある。

もともときわめて安定している遺伝子が、コピー・ミスによる突然変異を起こしたおかげで優れた形質を獲得すると考えるのは、かなり無理がある。

けれども、ウイルスなら、宿主がそれまでもっていなかったまったく新しい遺伝子を導入することができ、生物の基本的な構造を一新させることもできるのだ。ウイルス感染による遺伝子の移動は、まさに理想的な進化の原動力となりうるのだ。

ウイルスの本質は、もっぱら他の生物に感染して、これを病気にさせたり、死に至らしめることにあるように考えられている。

けれどもそれは、ウイルスが病気の原因となる微生物の一種として発見され、研究されてきたことに由来する偏見である。

ウイルス感染の影響は、細胞破壊だけではない。細胞を壊すかわりに、細胞の代謝や機能を変えたりする場合もあるのだ。

実際、大腸菌に感染するバクテリオファージというウイルスは、感染してそのまま増殖サイクルに入り、菌を殺してしまう場合もあるが、増殖を止めて DNA を大腸菌の染色体に組み込んでしまい、以後、大腸菌の遺伝子と共に、何世代にもわたって安定的に存在し続ける場合(溶原化)もある。

溶原化したファージの中には、大腸菌の形質を変えてしまうものもある。




ここまでです。

私たちはウイルスは単に病気を起こすだけの存在として見がちですが、それは「病気を起こす対象」として研究が進んだためであり、その他の役割について分かりだしたのは、最近のことです。

上のホイル博士の文章にもあるように、希に、ウイルスやバクテリオファージは、対象の生物に入り込んだ後に「 DNA を大腸菌の染色体に組み込んでしまう」というようなことをおこない、その生物の遺伝子を書き換えてしまうこともあるようなのです。

そのようなことを前提として、地球の生命の進化は、

「環境への適応によるものではなく」

「生物の遺伝子そのものがウイルスによって書き換えられる」


ということだとホイル博士らの研究では結論付けられています。

このような種の変化の場合、その生命は、まさに「突然変異的」に遺伝子が変化するのだと思われますが、多分、過去の人類もそのような突然の遺伝子変化を経験して現在に至っているのだと考えますと、これから先にもそれは起きるはずです。

人類の進化が起きるとしても、環境適応の進化ではあまりにもゆっくりとしすぎて、進化する前に地球環境崩壊や、あるいは小氷河期の突入などで、人類文明が終焉してしまう可能性さえあります。

しかし、遺伝子レベルでの「突然」の、そして根本的な人類の変化(進化)が起きるのならば、人間はこの後の厳しいかもしれない未来をも生き抜いていけるのかもしれません。

いずれにしても、今回のフィラエの「休眠前の戦い」に敬意を表し、フィラエがふたたび眠りから目覚めて稼働を始めることを祈っています。

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2014年11月19日



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▲ 2014年11月18日のロシア E1 より。



暗示的な世界に生きている

最近起きる事件の数々が何となく心を落ち込ませるようなものが多いせいだとか、あるいは、自分自身のプライベートのいろいろなんかの理由もあるのかもしれないですけれど、ここ最近は何かこう気持ちがすっきりと晴れる時が少ないです。

うつというほどのものではないですが、視界にも精神にも薄モヤがかかっている感じがします。

こういう気分の上下というものは、自分では環境とか状況に左右されていると思いがちですけれど、過去を振り返ると、それはあまり関係ない場合も多くて、状況より、むしろ「時間的な周期」の中で精神状態の上下があることを思い出します。サイクルですね。

そして、以前、これがわりと多くの人たちが同じような周期で「精神的な上がり下がり」のサイクルを持っているのだなあ、ということをある経験で知ったこともあり、似たようなグループ(?)では「心境や精神は共有されている」と感じることがあります。

読んでくださっている皆様などは最近は精神的にどのような感じですかね?

今年 2013年が始まる時には、「その先の時代がいい方向に行くか、悪い方向に行くかは、今年の方向で決まりそう」などと考えていましたけれど、良くなっている……ようには、どうにも見えない感じもしまして。

昨年の終わり頃に書いた記事、

あと一年くらいの今の世界(1):急速に拡大する新島や、中国の月面探査機のプロモーションで核攻撃を受けているヨーロッパだとか
 2013年12月26日

では、中南米のマヤ族 440部族の長老たちから構成される「マヤ長老評議会」の最高神官ドン・アレハンドロさんが 2008年に語った言葉を引用した以下の文章を載せています。

マヤカレンダーのメッセージとは、ホピ族およびマヤ長老評議会が確定した終末期の開始時期(2007年10月26日)から7年間(2015年まで)に時間の窓が開き、この期間に(再び)物理的なポールシフトが起こるということだ。

2007年 10月から 7年間というと、今はもうその時期を過ぎてしまっているのですよね。

物理的なポールシフトの方はともかく、マヤの最高神官が言っていた、

「時間の窓」

というものに興味がありました。

神官の言う通りならば、今はその「時間の窓」というものが開いているということにもなります。

しかし、そういうようなことが実感できる世界かというと……。うーん。


ところで、上にリンクしましたあと一年くらいの今の世界の中で、中国の無人月面探査機「嫦娥3号」のプロモーションの際に、嫦娥3号の模型の後ろのパネルに描かれている地球の絵の中に「キノコ雲」が上がっている場所があったのです。

nkd-3.gif


これは、黒海などの位置から考えると、ウクライナとロシアの国境あたりなんですよ。

ウクライナの 2014年の状況は、今でも決着のつかないマレーシア機の撃墜事故なども含めて、大変に凄惨なことになっていきましたが、昨年の12月の時点では、ウクライナの問題がその後あれだけ大きくなっていくとは想像もしていませんでした。

しかし結局、振り返ってみれば、この中国の当局が描いた暗示的な地球のイラストは、確かに次の年を示唆していたことを知ります。

しかも、これを最初に報道したのがロシアのロシア・トゥディでした。中国とロシアとウクライナ、という今の地政学的あれこれを代表するような国たちの「未来」を一気に予見していたような出来事だったのかもしれません。当時の記事には下のように書かれてあります。

何のためにこんな奇妙な暗示的な図柄を書き加えているのだかは不明で、それを描いた中国の関係者に対しても、また、それを見つけたロシア人にも、どちらにもやや苦笑した次第でした。

苦笑だけで終わることではなかったようです。

しかも、考えてみれば、これは「中国の国家としてのプロモーション」ですので、地球の絵を描くならば、中国を中心としたデザインで描くのが妥当だと思うのですが、インド洋とアラビア海が中心となっていて、アラビア半島や中東地域がよく目立つ描き方となっています。

やっぱり何だか暗示的ではあります。

あるいは、ここに描かれている地域すべて(東アジアから北アフリカまで)を中国にしたいとか?

この調子では、昨年の記事、

とても驚いた「中国の猫の王様」の事実。そして、そこから見える「私たちの毎日はとても馬鹿にされているのかもしれない」と思わせる今の世界
 2013年12月06日

に書きました、現在の中国の 100人民元に暗示的に描かれている下のような、「猫みたいな姿をした王様に皆がひざまづく」というような状況も現実化してしまったりするのですかね。

china-cat-100.gif


ああ、そういえぱ、上の記事にもウクライナが出てきています……。

ウクライナの通貨単位は「フリヴニャ」というものですが、500フリヴニャ紙幣に、いわゆる「ホルスの目」っぽいものが描かれているのです。

ukrane-bill-03.gif


この「目のマーク」は、アメリカの1ドル紙幣などにもあり、フリーメーソンとの関係を言われることもありますが、古代エジプト文明のシンボルのひとつと考えるのが一般的な気もします。

ちなみに、私はよく理解していないですが、ホルスの目は、「無限級数1/2 + 1/4 + 1/8 + 1/16 + ⋯」というものを現しているということを示唆する図が、ホルスの目 - Wikipedia にはあります。

Oudjat.png
・ホルスの目と無限級数の関係


また、この「ホルスの目」は、人間の松果体を表しているという説もあります。

eye-pine-01.gif


上の過去記事では、フランスの作家ジョルジュ・バタイユの『松果体の眼』という小説の下の文章を抜粋しています。

太陽から火山を経て肛門へ受け渡されたエネルギーは、異様な眼(松果体のこと)を作り出すことで再び太陽へ回帰しようとする。

バタイユは、「太陽と地球のエネルギーの循環は火山によっておこなわれ、そして、その循環しているエネルギーが人間に入ったあと、再びエネルギーを太陽に循環させる」として、それをおこなうのが松果体の役割だと記しているようです。

・太陽
・火山


はどちらもよく出てくるテーマですけれど、仮に、様々な場所で暗示的に使われている「目」の図柄にそのような意味があるのだとしたら、確かに世界は暗示的な示唆に満ちているのかもしれません。

余談となってしまいましたが、今回は「ロシアに関してのふたつのこと」をご紹介します。




ロシアの夜空の光

冒頭のロシアの「光」の記事は動画ニュースにもなっていまして、下のような現象が 11月14日にウラル地方にあるスベルドロフスク地域の広範囲で目撃されたというものです。




感じとしては隕石かもしれないですが、もしそうだとすると、非常に大きな火球だったということも言えそうですが、しかし、今回これをご紹介した理由は、これが隕石による火球かどうかということではないのです。海外のインターネットサイトで、上の動画を見た人のコメントの中に、

「天空の光の門が開いたようだ」

という表現があったことが気に入りまして、その際に、上のほうに書きました、マヤ族の「時間の窓」ということをふと思い出したのでした。

冒頭の記事をご紹介します。

なお、「爆発音」などの音は報告されていないようですので、爆発のたぐいではないようです。

「このすべては何なのか?」 スベルドロフスクの夜空を爆発のように照らした光の現象

11月14日午後5時40分頃、スベルドロフスク地域に住む多くの人々が夜空に出現した爆発的な光を目撃した。何人かの住人たちはソーシャルネットワーク上に撮影した動画をアップロードした。

光はスベルドロフスクの地域の一部を輝きで消し去るほどの明るいもので、数秒間輝いた後に消滅した。光は複数の町で目撃され、他の動画をアップロードしたユーザーは「赤い雲」と題して、「これは一体なんなんだい?」とコメントをつけた。

現在、この現象が何であったかを調査するための専門家の派遣が要求されている。

というものです。

明るさが尋常ではないとはいえ、「やはり火球かなあ」と思う部分は強く、その理由は、この頃、あるいは最近まで、「ものすごく地球上空を交差する火球が多い」ということがあります。

下は 11月 11日のものですが、この火球の軌道のラインだけで派手さがおわかりかと思いますが、この1日だけで地球上空で 66個もの火球が観測されています。

fireball-1111.gif

▲ 2014年11月11日のスペースウェザーより。


これは流星群か何かの影響かとも思ったのですが、火球の内訳は、

・おうし座流星群による火球 10個
・エリダヌス座ο流星群による火球 2個
・他の流星群による火球  1個


となっていて、他の 53個はすべて流星群とは関係ない独立した火球でした。

要するに、「宇宙のいろんなところからやって来た別々の 50個以上の火球が地球上空を交差した」ということになります。

その後も、この日ほど多くはないですが、観測される火球は多いまま推移していますので、ロシアの光は、地球の大気圏内に飛び込んだ火球であった可能性もあるかもしれません。

それにしても、光が大きいですので、隕石などだった場合、爆発地点よっては、2013年のチェリャビンスク州の隕石のような被害となった可能性もあります。

まあしかし、あの光の正体はともかくとして、あの光り方の始めのほうが「いかにも光の扉が開く」的な光り方だったのが印象的ではありました。数秒で消えてしまったわけですけれど。

ロシアに関しての話題を短くもうひとつ。

地球上空の宇宙空間に「兵器の可能性もある目的も軌道も不明の衛星」が飛んでいて、それがロシアのものであるかもしれないことを英国のインディペンデントが報じていました。

russia-satelite-1.gif

▲ 2014年11月18日のインディペンデントより。


記事は、アマチュア衛星観測家が最近発見した「軌道、目的、共に不明」の衛星についての内容です。この物体には「物体2014-28E」 ( Object 2014-28E )という名称がつけられ、観測家たちが行方を追跡しています。

ただ、「ロシアの所属」というのは推測のようで、「所属も不明」というのが実際のところだと思われます。このロシアの兵器という概念に関しては、シンクタンクなどが「ロシアによる他国衛星へのサイバー攻撃や、通信混乱を行う目的を持つ宇宙衛星かもしれない」というような分析を出したところからのものであるようです。

考えれば、今や国際宇宙ステーションへの補給などに関しても、ロシアがおこなっているわけで、地上だけではなく、「地球上空の宇宙のコントロール権」に関しても、さらにロシアが強く握っていくことになるのかもしれません。

何だかこう、なかなか、みずがめ座の時代的な様相は見えてきませんね。

私も心情的にもう少しすっきりとしたいところではあります。

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2014年11月18日



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▲ 2014年11月17日の英国 BBC Egyptian woman dies of H5N1 virus より。



1918年のパンデミックと似た傾向が見られる気のする最近のインフルエンザ

昨年と今年は、病気の報道を数多くご紹介した年でした。多くが「ウイルス」によるものであったことが特徴で、アフリカの過去最大のエボラの流行、東南アジアのかつてない規模のデング熱の流行、そして、昨シーズンのアメリカなどを中心にした記録的な数のインフルエンザ患者と死者数が報じられたりもしていました。

この「病気の時代」と言えるような状態については今後も継続していくと、私自身は思っているのですが、気づけば時期も 11月ということで、またインフルエンザの流行する時期がやってきました。

そして、人間のインフルエンザの流行と時期を合わせるように世界各地で鳥インフルエンザが発見されたり、あるいは鳥インフルエンザによるヒトの死者が発生しています。

東京でも江東区で鳥インフルエンザの鳥の死骸が発見されています(報道)。

それらのことと関係あるというわけではないのですが、

「昨年からのインフルエンザの傾向として気になっていること」

があります。

それは、冒頭の BBC の記事にも示されていますので、まずはこの記事をご紹介したいと思います。



Egyptian woman dies of H5N1 virus
BBC 2014.11.17

鳥インフルエンザ:エジプト人女性が H5N1 ウイルスによって死亡

エジプト人女性が、鳥インフルエンザウイルス H5N1 型に感染した鳥と接触した後に死亡した。女性は 19歳で、エジプト南部の町アシュートの病院で死亡した。

当局の発表によると、今年になってからエジプト国内での鳥インフルエンザの感染者数は7人となり、死亡例は今回が2例目となる。これ以前に、英国、ドイツ、オランダで、エジプトのウイルスとは異なる種の鳥インフルエンザが確認されている。

エジプト保健省は、他の2人が鳥インフルエンザに感染していると発表した。そのうちの1人は3歳の子どもだが、現在順調に回復しているという。もう1人は 30歳の女性。エジプトでの H5N1 での最初の死亡例は今年6月に起きた。

鳥インフルエンザ H5N1 型は、1993年に香港で初めてヒトへの感染が確認されて以来、世界中に広がっている。世界保健機関(WHO)によると、2003年以降、全世界で H5N1 のヒトでの発症例は 667 件にのぼる。

現在までの H5N1 のヒト感染での死亡率は約 60パーセントに達する。




というものです。

上に出てきたエジプト、英国、ドイツ、オランダの他に、韓国、日本などで、鳥インフルエンザに感染した鳥が見つかっていて、世界で「同時多発的」に発生した感じがあります。

しかし、これらの鳥インフルエンザについてはともかく、上の BBC の記事の中で、先ほど書きました「昨年からのインフルエンザの傾向として気になっていること」とは何かというと、症例が1件だけでどうのこうの言うのもあれなんですが、「死亡したのが 19歳の女性」だということです。

今年2月の、

病気の時代 : 太陽活動での地磁気の乱れが誘発するもの。そして「新種」の病気の出現に震え上がるアメリカ国民
 2014年02月27日

という記事の中で、アメリカでの昨シーズンのインフルエンザ流行シーズンの特徴として、

「若い世代のほうが患者数も死亡者数も多かった」

という特徴があったことを書きました。
下はその時の CNN の報道です。

今年の米国のインフルエンザは「若い世代」を直撃
CNN 2014.02.24

米疾病対策センター(CDC)がこのほどまとめた統計で、今シーズンのインフルエンザは前年に比べて65歳未満の患者が大幅に増えていることが分かった。

それによると、今シーズンにインフルエンザ関連の症状で入院した患者は、18〜64歳の層が61%を占め、前年の約35%を大幅に上回った。

65歳未満の死者も例年以上に多く、死者の半数強は25〜64歳だった。昨年の死者に占めるこの世代の割合は25%未満だった。

通常なら、インフルエンザは、

高齢者や赤ちゃんが重症化することが多い

のですが、昨シーズンのアメリカのインフルエンザは、

通常だと死亡者の少ない 25〜 64歳での死者が非常に多かった

というものだったのです。

そして、この特徴は、史上最大の鳥インフルエンザのパンデミックである 1918年のスペインかぜの際の特徴とも似ているということが気になったのでした。




死亡者の99パーセントが65歳以下だったスペインかぜ(第二波の流行時)

下は、2006年の日経BPの記事からの抜粋です。

多くの若者を殺した「パンデミック」の真実
日経BP 2006.03.20

インフルエンザウイルスは毎年、慢性疾患や免疫力の低下している患者、小児やお年寄りを中心に数多くの命を奪っている。だが、1918年の「スペイン風邪」のインフルエンザウイルスでは、20歳〜40歳代の若者たちが最も多く亡くなっていたことに大きな特徴があった。

とあります。

東京都健康安全研究センターにある資料「日本におけるスペインかぜの精密分析」という資料にある「日本でのスペインかぜの死亡者年齢のピーク」を見ても、そのことがよくわかります。

死亡者年齢の分布

男子
1917-19年 21-23歳の年齢域で死亡者数のピーク

女子
1917-19年 24-26歳の年齢域で死亡者数のピーク

体力的に最も充実している時、つまり普通に考えれば「最も病気に対しての抵抗力を持っている」といえる二十代が中心として亡くなっていく。

お年寄りや赤ちゃんたちは生きのびる。

特に流行第二波(1918年の秋)では「高齢者はまったくといっていいほど死亡しなかった」のです。国立感染症研究所のページに下のような記述があります。

国立感染症情報センター インフルエンザ・パンデミックに関するQ&Aより

1918年の晩秋から始まった第二波は10倍の致死率となり、しかも15〜35歳の健康な若年者層においてもっとも多くの死がみられ、死亡例の99%が65歳以下の若い年齢層に発生したという、過去にも、またそれ以降にも例のみられない現象が確認されています。

この、

> 死亡例の99%が65歳以下

というのは、現在の通常のインフルエンザと比較しましても、死者の年齢の分布が極めて異質であることを示しています。

さきほど抜粋しました昨年の CNN の報道の中にある、

> 死者の半数強は25〜64歳だった。

という記述からスペインかぜのことを思い出したのは、ここに理由があります。

アメリカのインフルエンザは通常のインフルエンザですが、「何かが少し変化してきている」ように感じたのです。

いずれにしても、スペインかぜとはそのような「若者を中心に殺す」インフルエンザだったのですね。
そして、そのスペインかぜは、上記の日経BP の記述によりますと、

この間、たった6カ月間の間に地球上の人類すべてに当たる20億人が「スペイン風邪」を患ったという。ところが、翌1919年の春頃から、いつの間にか消え去った。何が「スペイン風邪」を引き起こしたのか、まったくわからないままに……。

というように、パンデミックは「自然と」収まっていきました。なお、「20億人がスペイン風邪を患った」とありますが、現在では、感染者は世界で5億人から6億人だったとされています。

> 何が「スペイン風邪」を引き起こしたのか

という部分に関しては、小さな声で「彗星……」と呼応したくなりますが、今回はパンスペルミア説のことを書きたいわけではないので、そこには触れません。




何が日本のパンデミックでの致死率を大幅に低下させた?

全世界で5億人から6億人が感染したとされるスペインかぜですが、日本での流行の全期間(1918年8月から 1921年7月)の間の感染者数は 2380万 4673人で、当時の日本人口約 5,000万人のほぼ半数が鳥インフルエンザに感染したことになります。

そのうち、死者は 38万 8,727人

非常に多くの方々が亡くなった……とはいえ、ふと気づくのは、この約 2380万人の患者に対して、死亡者が約 39万人というのは、感染者の致死率が 1.6 パーセント程度という計算になることに初めて気づきました。

というのも、たとえば、スペインかぜ - Wikipedia には、全世界の死者に関して、

感染者6億人、死者4,000〜5,000万人。

という記述があります。

スペインかぜの世界的な正確な統計は存在しないですので、上の数字そのものは確かに曖昧でしょうが、それでも、大ざっぱに考えても、上の「 6億人の感染者に対して、4000万人くらいの死者」ということは、感染者の 7パーセントから 8パーセントは死亡していたという計算になります。

国立感染症研究所のページでは、患者数約 5億人としていて、死亡者数に関しては、 WHO の推計で 4,000万人、その後の科学者たちの研究で約 5,000万人となっていますが、どちらの推計にしても、この 「5億人の患者に対して5,000万人の死者」というのは、

致死率 10パーセント前後にも達する

というようなことも意味しそうで、日本の 1パーセント台の致死率とは、ずいぶんとかけ離れていることがわかります。

この「日本人の致死率の低さ」は今まで気づいていなかったことですけど、しかし、なぜ……?。

たとえば、現在の普通のインフルエンザの死者数は、大まかなところでは、日本も他の主要国と同程度だと思われます。

現在のインフルエンザでの死亡者数は、直接的な死因としてだけでなく、間接的にインフルエンザの流行によって生じた死亡を推計する「超過死亡概念」という定義に基づいて出されることが多く、こちらの方が実態と近くなりますが、これで日本のインフルエンザでの年間の死亡者を見てみますと以下のようになります。

ちょっと古いものですが、厚生労働省の人口動態統計のグラフを数値化したものです。

2000年 13,845人
2001年   913人
2002年  1,078人
2003年 11,215人
2004年  2,400人
2005年 15,100人


2001年のように非常に死亡者が少ない年もありますが、多い時には「日本では、1年間で普通のインフルエンザが原因で1万人程度の方が亡くなっている」ということが言えます。

ちなみに、全世界のインフルエンザによる死者は、厚生労働省のサイトによりますと、25万人〜50万人という非常に大ざっぱな数が記載されています。変動はあっても、毎年、世界で通常のインフルエンザだけで数十万人が亡くなっているということのようです。

こう見ると、インフルエンザの死亡者というのはかなりのものであることがわかります。




当時の日本人の生活スタイルのどこかに何かのポイントが潜んでいるような気が

それにしても、スペインかぜの日本人の致死率の低さは、どうしてなんでしょうかね。

まあ……これは関係ないことですが、世界で海藻を「常食」しているのは、日本人と韓国人くらいでしょうが、海藻、特にわかめや昆布に含まれる「フコイダン」というのがあって、これがインフルエンザ・ウイルスに対しての抗体の生産を上昇させることが知られています。

下のは「ふえるわかめちゃん」などで知られる理研の2010年のニュースリリース「メカブのねばり成分「フコイダン」のインフルエンザ感染予防作用をヒト試験で実証」から抜粋したものです。

理研ビタミン株式会社は、共同研究で、わかめのメカブから抽出したフコイダンが、ヒトにおいてインフルエンザウイルスに対する抗体の産生を上昇させる働きがあることを確認しました。(略)メカブフコイダンを摂食した人々では対照食を摂取した人々と比較し、全ての インフルエンザウイルス株に対して、抗体の産生が上昇していました。

とあり、フコイダンにはインフルエンザへの抗体を体内に作る働きがあるようですが、「抗体が増える」というのは、インフルエンザの予防とは結びつく可能性はあっても、致死率と関係するものとは思えませんので、致死率の低さとは関係ないでしょうね。

ちなみに、海藻といえば、海藻の中でも海苔に関して、海苔を消化できる酵素を腸内に持っているのは日本人だけで、日本人以外の外国人は海苔を胃腸で消化することができない、ということも思い出します。

nori1.jpg


「どうして日本人だけが海苔を消化できるのか」ということについては、2010年に、フランスの研究所の調査によって、「日本人だけが腸内に持つ微生物の遺伝子」のためだと明らかになっています。

日本人がノリを消化できる理由を発見、仏研究
AFP 2010.04.08

nori-01.jpg

▲ ノリを分解する酵素を持つ海洋性バクテリア。これと同じ働きを持つ遺伝子を持つ微生物が、日本人の腸内だけに存在しています。

日本人の腸が海草に含まれる多糖類を分解できるのは、分解酵素を作る遺伝子を腸内に住む細菌が海洋性の微生物から取り込んでいるためだとする論文が、英科学誌ネイチャーに発表された。

フランスの海洋生物学と海洋学の研究・教育機関「ロスコフ生物学研究所」の研究チームは、ゾベリア・ガラクタニボランという海洋性バクテリアが、アマノリ属の海草に含まれる多糖類を分解する酵素を持っていることを発見した。公開されているDNAのデータベースを調べたところ、ヒトの腸内に住むバクテロイデス・プレビウスという微生物が、同じ酵素を作る遺伝子を持っていることが分かった。

このバクテリアはこれまで、日本人の排泄物からしか見つかっていない。

ということは、世界の中では、韓国の人たちも頻繁に海苔を食べますけれど、韓国人は海苔を消化できて食べているわけではないということになるみたいですね。

いずれにしても、こういうような、

・海藻(ワカメとかコンブ)をかなり頻繁に食べる民族
・世界で唯一、海苔を消化できる遺伝子を体内に持つ民族


などという「海との関係性において他の国とは違う食習慣や遺伝子を持っている日本人」ですが、こういうことと何らかの関係あるのかどうか。

食べ物(日常的な食生活)はかなり関係しているような気はしますが……。

インフルエンザの療養と食べ物の関係といえば、かなり前の記事ですが、

1918年の「死のインフルエンザ」へのケロッグ博士の対処法
 2011年11月22日

では、スペインかぜの際、ジョン・ハーヴェイ・ケロッグ博士が米国ミシガン州に開いていた富裕層向けのバトルクリーク療養所という非医療機関でおこなった治療のことを書いています。

ケロッグ博士は「医薬品をいっさい使わない治療」によって、この療養所でスペインかぜの死者をひとりも出さなかったことが記録されています。細かい内容は上の記事を読まれていただくと幸いですが、その中に、

ケロッグ博士は、インフルエンザを発病している間に、砂糖、加工食品、ジャンクフードを食べることを避けるように警告している。

としています。

甘いものが悪いのではなく、果物やジュース(果樹だけのもの)以外の「砂糖を使った加工品」はとらない方がいいと記されています。



インフルエンザのシーズンに際して

ところで、今年も大流行するかもしれない通常のインフルエンザですが、日本では病院に行くことが優先されますが、欧米では「安静にしている」ことが最大の治療法だというの常識のようです。

日本で乱れ撃ち気味に処方される抗インフルエンザ薬タミフルは、薬効の基本は「発熱期間を1日短縮する」だけのものの上に、罹患後 48時間後内に服用しないと意味がありません(長く熱が引かないので病院に駆けつけた時にはもう遅いことが多いと思われます)。

大久保医院という病院のサイトでは、「日本で大量のタミフルが処方されているのは、日本の医療環境の特異性と断言せざるを得ません」として、下のように説明しています。

欧米では、「インフルエンザには安静」が常識で、タミフルのような「抗インフルエンザ薬」は、感染症などの合併症の危険性が大きくなる免疫系が弱っている人達、高齢者や慢性の病気などの要因を持つ人達以外には、ほとんど使われていません。

タミフルを服用しなくても、健康な個体では、自己免疫防御力を最大限応用すれば、1峰性または2峰性の発熱で1週間以内にインフルエンザは自然治癒します。

ちなみに、タミフルの製造元のスイス・ロシュ社の数値に基づけば、

過去5年間に日本で約2400万人がタミフルの処方を受け、この処方量は世界の75%を占め、このうち子供は約1200万人で、使用量は米国の約13倍に上ったとのことです。

とのこと。

> この(日本の)処方量は世界の75%を占め

を見ると、インフルエンザでも、抗うつ剤同様、日本は世界の製薬会社の「いいお客さん」とならされてしまっているようです。

このあたりは、過去記事の、

エボラを世界に拡大させるかもしれない神の伝道者や軍人たち。そして、ふと思い出す「世界を支配する医薬品ビジネス」
 2014年10月18日

の最後のほうで、抗うつ剤を例にとって、製薬会社が販売拡大をおこなう具体的な方法を書きました。

しかし実際には、かなり多くの病気に対して、人間は自然の治癒力を持っています。

なので、本来の「医療の方向」というのは、そのような「隠された人間の自己治癒力を高めること」にあると私は思うのですが、現代の医療はなかなかそちらの方向には進んではくれません。

もちろん、そのような試みをされているお医者さんもたくさんいらっしゃると思いますが、製薬会社の存在という「高い壁」を越えるのはなかなか難しいことなのかもしれません。

結局、病気になれば、病院に行き薬をもらうというだけの医療が続いています。

もちろん、適切に投薬しなければならない病気も多くあることは確かですが、過度な薬への依存や、「薬がお守りになっている」状況は、本来の人間の治癒力を落とすだけのような気がします。

まあ、これは自戒の意味もありますが。

それにしても、日本人……少なくとも、1918年当時の日本人の生活スタイルの中に存在していたかもしれない「インフルエンザの致死率を低下させた要素」とは何だったのか。

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