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2014年11月07日



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太陽黒点が人間社会にばらまいた「暴力の種子」の数々は今後どこに向かうのか



ベルギー・ブリュッセルの10万人の暴動の現場 / 10月6日

bb-02.jpg
Daily Mail






 



また地球側に大きな黒点群がやって来る

先月 10月 28日頃まで地球方面に向いていた歴史的な巨大群 2192 については、

歴史的な巨大黒点群 2192 の示した「行動」は「太陽はまだ地球を守ってくれている」ということなのか、それとも「太陽の異常性の増大を示唆しているだけ」なのか
 2014年11月03日

という記事に書きましたように、結果として、6回のXクラスのフレアと 26回のMクラスのフレアを地球方面に向けて発生させました。そして、上の記事に書きましたように、これだけの数のXフレアとMフレアが頻発していたにも関わらず、

「1度もCME(コロナ質量放出)を発生させなかった」

ということにおいて、かなり希な太陽フレアが連続していたことを書きました。

通常でしたら、Mクラス以上のフレアは、その多くがCME、つまり「磁気の雲」を壮絶なスピードと量で宇宙空間に放出するのです。それらが地球を直撃した場合、通信や人工衛星などを含めて様々な影響が出る場合があります。

ところが、通常なら巨大フレアと共に発生するCMEが今回はなかった。
それも 30回も連続でなかったのです。

それだけの回数のMクラス以上のフレアの発生があるにも関わらず「CMEが0回」というのは、太陽観測史上でもとても珍しいことなのではないかと思います。

どうして、そのようなことが起きたかというと、 NOAA (アメリカ海洋大気庁)の言葉を借りれば、

「その理由は誰にもわからない」( No one knows why )

というほかないようです。

しかし、それらの黒点群も「地球に面していない時」には、黒点群は活発にフレアと同時にCMEを放っていることが、たとえば、今、地球に面してきている黒点群 2205 の活動でもわかります。

黒点群 2205 は、昨日、黒点番号がつけられたもので、それまでは、下のような表現で紹介されていました。

something-come.gif

▲ 2014年11月3日の Spaceweather より。


地球方面から見て太陽の裏側で盛んにフレアを起こしている「何か」がやってくるという記事でしたが、 11月 6日になって、それが比較的大きな黒点群であることが確認されました。

下の赤い丸で囲んだものが、その黒点群 2205 です。

ar-2205.gif
Spaceweather


そして、この黒点群は、地球の方向に面して回り込んで来るのとほぼ同時のタイミングで、(まるで祝砲のように)下のようにMクラスの太陽フレアと巨大CMEを発生させたのでした。

2205-cme-flare.gif
SOHO


上の中のモヤッとした雲のようなものがCMEです。

しかし、これもまた「地球にはダイレクトに向いていない場所」でのCMEでしたので、このCMEの影響を地球が受けることはないはずです。

ただ、地球は大丈夫ですが、上の図でもおわかりかと思いますが、スペースウェザーによりますと、「金星はCMEに覆われた模様」とのことで、現在の金星は磁気嵐で大変なことになっているかと思われます。

そして、やはり、スペースウェザーによりますと、この黒点群 2205 は「ガンマ・ベータ・デルタ構造( beta-gamma-delta )の磁場」というものを持つ黒点だそうです。

先日まで地球を向いていた巨大黒点群 2192 も同じくガンマ・ベータ・デルタ構造を持つ黒点群でした。ガンマ・ベータ・デルタの意味は私は理解していないですが、この構造の磁場を持つ黒点は大きなフレアを発生させやすいとされています。

実際、先日までの黒点群 2192 も 30回を越えるMクラス以上の太陽フレアを発生させていたわけで、今、地球の方面に回り込んできた黒点群 2205 も、さらに成長した場合、2192 と同じように、比較的大きなフレアを発生させる可能性がありそうです。

今回の黒点群 2205 は小さく見えますが、先日の巨大黒点群 2192 も、地球に面して回ってきた 10月 20日頃は「地球程度の大きさ」だったのです。

e2-a5.gif

▲ 2014年10月20日の記事「超巨大黒点群が地球に向いてくる」より。


それがたった2日後の 10月 22日には「木星を超えるような大きさ」にまで成長したのですから、「黒点群があっという間に巨大化する」という光景をも私たちは目撃したことになります。

そんなわけで、前回の黒点群は数多くの巨大フレアを地球方面に放出しながら、CMEは1度も伴わないという「離れ業」をなしとげたことにより、地球は磁気の影響をほとんど受けなかったのですが、

「今回の黒点はどうなのかなあ」

ということに興味があります。

くどいようですが、前回の黒点群のように「まったくCMEを伴わない巨大フレアが数十回も続く」というのは奇妙なことなのです。その奇妙なことが今回も続くのか、あるいは違うのか。

巨大フレアのCMEの直撃をまともに受けた場合、規模によっては何らかの影響はあるものです。

その影響は、磁気による電波や通信などの障害といった直接的なもの以外にも多岐にわたっていますが、たとえば、「人間の興奮」も太陽活動に連動しています。




世界的な「荒れた状況」は回避できるのか

人間の興奮も太陽活動に連動している、などと書くと、はじめて読まれる方は何のことだかおわかりにならないかもしれないですが、このことは、過去記事の、

太陽と暴動。そして、太陽と戦争
 2014年03月04日

など、 In Deep ではわりと以前より多く取り上げるテーマのひとつで、ロシアのアレクサンドル・チジェフスキー博士(1897 - 1964)の言葉をお借りしますと、

「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」

という研究結果が多くあるのです。

嶋中雄二さんの著作『太陽活動と景気』から抜粋します。

『太陽活動と景気』 第6章より

チジェフスキーによれば、太陽の影響力は、個体から集団、群生に至る生物系のすべての組織レベルに及んでいるとされた。

そして彼は、動物の血液、リンパ液、原形質等のコロイド電気変化が、太陽活動の変化やバクテリアの成長と平行関係にあることを突きとめた。

こうして、チジェフスキーは、地球上のあらゆる生物の発達は、太陽宇宙因子の直接的影響下に進んだものであり、人類もその例外ではないと考えた。彼は、戦争や革命など人間の不穏状態に関する徴候、あるいは「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」とした。

下のグラフは、1740年から 1920年までの「太陽活動」と「社会の暴動や騒乱や紛争」の相関関係を表したチジェフスキー博士の研究論文にあるグラフの一部です。

ac-1920.gif
Cycles Research Institute


このグラフは、

黒点が増えると社会暴動や軍事紛争が増える。

という非常に単純な事実を示唆しています。

そして、まあ、何と今のリアルタイムの時代は、暴動、紛争のタネが尽きないものかとも思います。

・イスラム国の勢力や支持団体の拡大
・中間選挙後のアメリカの政治バランスの崩壊
・東アジアの不穏
・荒れ始めている欧州
・わりと泥沼化している香港のデモ


など、他にも、いろいろとあるでしょうけれど、ヨーロッパの「爆発」が冒頭のようにデンマークから始まったのは意外でした。下の写真もブリュッセルの様子です。

bb-01.jpg
Daily Mail


日本では NHK が報道していました。

ベルギー新政権に反発 10万人がデモ
NHK 2014.11.07

ベルギーで、先月発足した新政権が示している財政緊縮策に反対する10万人規模のデモが行われ、一部が暴徒化して警官隊と衝突するなど混乱が拡大しました。

ベルギーでは先月、ミシェル首相による新しい連立政権が発足し、年金の受給年齢の引き上げや公共サービスに関する予算の削減をはじめとした財政緊縮策を打ち出しています。

これに対して、労働組合が、労働者の生活を圧迫するなどとして反発し、6日、首都ブリュッセルの中心部で10万人規模のデモが行われました。

デモの大部分は平穏に行われていましたが、参加者の一部が警官隊に対して発煙筒を投げたり車に火を放ったりして暴徒化し、警官隊が放水車や催涙ガスで応酬するなど混乱が拡大しました。

ベルギーのようにヨーロッパ各国では、信用不安以降の景気回復が遅れるなかで、緊縮策を続けることなどへの国民の反発が強まっています。

とのことで、

> ヨーロッパ各国で、国民の反発が強まっています。

と言われていたり、何となく沈静化していたのかと思っていた香港の民主化デモは、1ヶ月を過ぎた今でも、特に夜間を中心に、いまだにわりと激しく続いていたり。

hong-kong-demo.gif

▲ 2014年11月6日の Epoch Times より。


イスラム国も、世界各国のイスラム過激派がイスラム国支持を表明する中、11月5日の THP に、

オバマ大統領のシリア戦略が破綻 イスラム国とアルカイダ系組織が手を組み北西部を侵攻、事態は複雑化
 THP 2014.11.05

というタイトルの記事があったり、「爆発の予感」をひめた出来事が多い気がします。

もう……すでに「爆発」しているのかもしれないですが、それでも一応、「世界は一触即発」という感じのする今、太陽活動がとても気になります。

そういえば、フランスでは、原子力発電所の上空に「所属不明の謎の小型無人機」の飛来が相次いでいるという何となく不安げなニュースもありました。

フランスの原発上空に謎の無人機、相次いで飛来
ウォールストリート・ジャーナル 2014.11.04

フランスの原子力発電所の上空で謎の小型無人機による違法飛行が相次いでいる。それを受け、同国の安全保障当局が調査を進めている。

ある政府関係者はAP通信に、当局は10月1日以降、6カ所の原発上空で無人機の飛行を約15回確認したと述べた。(略)フランスの総発電量に占める原子力発電の比率は3分の2強と、世界で最も高い。

あくまで感覚的なことですが、何かこう、「どこかの一点に向かって」何かが進行している……という雰囲気を感じたりします。

今年、黒点が多かった期間は、おおむね2月から6月中旬までに集中していました。

その時期には、

・タイの政治的動乱の始まり
・ウクライナ騒乱の始まり
・中国のテロの連続の始まり
・マレーシア機の消失
・台湾で学生による国会の占拠
・韓国のフェリー転覆事故
・ボコ・ハラムによるナイジェリア生徒拉致事件
・ベトナムと中国の南沙諸島を巡る衝突
・タイで軍事クーデター
・イスラム国の台頭


などがありました。

それらの多くは今にいたるまで影響が残るか、あるいは、事態そのものが進行中だったりします。

2014年は前半に多くの「暴力のたね」が蒔き続けられたということになり、それらの発芽はもう始まっているのかもしれないですけど、総決算的な「爆発的成長」がいつやって来るともわからない。

紛争の話ではないですけれど、日本の先行きもいろいろと。

日銀が追加の金融緩和を発表した 10月 31日、米国のサイト「ゼロヘッジ」には下のタイトルの記事が掲載されました。

qe-japan.gif
Zero Hedge


モルヒネはガンなどの末期患者や、戦場なら助かる見込みのあまりない負傷兵に対して、死亡するまでの苦痛を軽減するものです。依存性が強いために通常の治療薬として使うものではなく、「すぐ先の死が決まっている人のために使われる」ものです。

記事の筆者は、日本をこの「末期の患者」に例えて表現しています。

経済には詳しくないので、何がどうなのかの判断材料を持ちませんが、さほど先が長くないと思われる自分のことはともかく、日本の子どもたちや若い人たちは、これからどんな「近い未来」を経験していくことになるのかな、とは思います。





  

2014年11月05日



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Parallel-Worlds-Top.gif

▲ 2014年11月3日の英国インターナショナル・ビジネス・タイムズより。






 



今回は、昨日の記事「私たちの宇宙から「時間」が徐々に消えている?」でも少しふれたのですが、「パラレルワールドは存在する」とオーストラリアの物理学者たちが明言したことが様々なメディアで報じられているので、ご紹介したいと思います。

実際には、パラレルワールドの存在も含めて、この世の中の真実なんてことは結局わかりようがないわけなんですが、真実はともかくとしても「この世のことを他の人々はどのように考えているのだろう」ということについて、興味深い記事がありました。

やや余談となってしまいますが、ご紹介したいと思います。


アメリカ人が信じるもの

それは、米国ワシントンポストの、

Study: Americans are as likely to believe in Bigfoot as in the big bang theory
(研究:アメリカ人たちは、ビッグバンを信じる人たちとビッグフットを信じる人の割合が同じ程度のようだ)

という10月 24日の記事でした。

カリフォルニア州にあるチャップマン大学による調査で、全米 2500人の成人男女の「いろいろな超常現象を信じる割合」というものを調査したものでした。

ワシントンポストの記事には、その詳細なグラフが載せられているのですが、そのグラフを日本語にしたものが以下のものです。

us-belief.gif
Washingtonp Post


水色()と紫()の色分けは、

・水色が現代の科学などで「真実」とされていること
・紫は「確認されていないか、あるいは事実ではないとされること」


を表しているとのことです。

つまり、上の図を文字にしますと、アメリカの人々は、おおむね以下のように考えているという傾向があるということになりそうです。

約 70パーセントの人が「ポジティブな思考を通じて物理的な世界に影響を与えることができる」と信じている。

約 63パーセントの人が「かつて、アトランティスのような文明が存在した」ことを信じている。

約 58パーセントの人が「夢が未来を予言できること」を信じている。

約 52パーセントの人が「家や部屋が幽霊に取り憑かれること」を信じている。

約 52パーセントの人は「ワクチンは安全かつ効果的である」と確信している。

約 47パーセントの人が「この世の悪の原因はサタンにある」と信じている。

この次あたりからは、信じているほうが少なくなっていきます。

約 40パーセントの人が「UFOは宇宙船だ」と信じている。( 60パーセントは信じていないということ

約 32パーセントの人が「人為的な活動が地球温暖化の原因」だと確信している。( 68パーセントの人たちはそれを信じていないということ

約 30パーセントの人が「地球の生命は自然選択を通して進化してきた」と確信している。( 70パーセントの人は進化論を信じていないということ

約 26パーセントの人が「地球の年齢は45億年だ」と確信している。( 74パーセントの人はそれを信じていないということ

約 20パーセントの人が「宇宙はビッグバンによって始まった」と確信している。( 80パーセントの人はビッグバンを信じていないということ

約 20パーセントの人は「ビッグフットは実際にいる生物」だとは信じている。( 80パーセントはビッグフットの生物としての存在を信じているということ

約 17パーセントの人は「占い師が未来を予見することができる」と信じている。( 83パーセントは占い師による未来の予見を信じているということ

約 12パーセントの人は「占星術は真実」だと信じている。( 88パーセントは占星術を信じているということ

となっています。

ワシントンポストの記事のタイトルの「アメリカ人たちは、ビッグバンを信じる人たちとビッグフットを信じる人の割合が同じ」の意味は、

・ビッグバンを信じる人が約 20パーセント
・ビッグフットを信じる人も約 20パーセント


ということで、アメリカ人にとっては、昔はいわゆる「雪男」などと言われていた未確認生物のビッグフットも、宇宙物理学の基本とされるビッグバン仮説を信じる人も「どちらも少ない」ということを、多少揶揄してのもののようです。

それにしても、

「夢は未来を予言できると信じる人」が 60パーセント近くいるのに、「占星術を信じる人」は 12パーセントくらいしかいないというあたりは不思議な感じもいたします。

ともかく、多くのアメリカ人がアトランティスのような古代文明を信じている一方で、

・進化論を信じていない
・地球の年齢 45億年を信じていない
・ビッグバンを信じていない


という傾向が顕著にあるようです。

そういえば、上の質問の項目に

神の存在

に関しての質問が含まれていないことに気づきました。

「神の存在」を超常現象といっては怒られるということもあるのでしょうけれど、アメリカ人の「神への信仰度」も知りたい気がします。

先日の記事、

人類は宇宙へは行けないし、異星人たちも地球には来られないことを悟る中、人々から「神の存在が消えていっている」ことも知る
 2014年10月29日

では、イギリスでおこなわれた調査を載せました。

alien-uk-02.gif
The Herald


成人 1,500 人と、子ども 500 人を対象としてイギリスで行われた「信じている超自然的存在」に関する調査の詳細な内訳は成人と子どもでそれぞれ下のような結果となりました。

英国の成人が信じる超自然的な存在トップ5

1位 幽霊( 55 %)
2位 エイリアン( 51 %)
3位 UFO( 42 %)
4位 天使( 27 %)
5位 神( 25 %)

英国の子どもが信じる超自然的な存在トップ5

1位 エイリアン( 64 %)
2位 幽霊( 64 %)
3位 UFO( 50 %)
4位 神( 33 %)
5位 天使( 27 %)

のように「神」の存在が日々薄れていっているようなのですが、そういえば、このイギリスの調査では「天使」は出ていても、「悪魔」はトップ5にはないですね。

アメリカの調査では、45パーセント近くの人が「悪い出来事は悪魔の存在によって引き起こされていることを信じている」となっていて、超常現象では「悪魔」は幽霊に次いで5位にあります。アメリカの結果も英国と同じようにまとめてみますと、

アメリカの成人が信じる超常現象のトップ5

1位 ポジティブな思考が現実を変える( 67 %)
2位 アトランティス( 62 %)
3位 夢は未来を予言する( 57 %)
4位 幽霊( 52 %)
5位 悪魔( 45 %)

このようになります。


というわけで、これらは今回の話とは関係ないながらも、この調査には「パラレルワールド」というものは出てきていませんが、最近、この説が大きく報道で取り上げられています。

それをご紹介したいと思います。

パラレルワールドの簡単な説明としては、パラレルワールド - Wikipedia から抜粋しますと、

パラレルワールドとは、ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指す。並行世界、並行宇宙、並行時空ともいう。

「異世界(異界)」、「魔界」、「四次元世界」などとは違い、パラレルワールドは我々の宇宙と同一の次元を持つ。

とのことで、

パラレルワールドは異次元や4次元の世界とは違う

と記されています。

ところが、昨日の記事「私たちの宇宙から「時間」が徐々に消えている?」では、4次元という概念が語られているわけで、つまり、

・「同一の次元」にある複数の宇宙としてのパラレルワールド

・「異次元」、あるいは4次元にある複数の宇宙としてのパラレルワールド


というふたつのパラレルワールドの概念が噴出してきたようで、何が何やら、よくわからないですが、しかし、アメリカでは、ビッグバンで宇宙が始まったと信じている人は 20パーセントしかいないわけで、宇宙の在り方も人の考え方と同じほどあるような感じさえします。

それでは、ここからインターナショナル・ビジネス・タイムズの記事です。

なお、記事に「エヴェレットの多世界解釈」という言葉が出ますが、これは Wikipedia によれば、

量子力学の観測問題における解釈の一つである。 プリンストン大学の大学院生であったヒュー・エヴェレット3世が1957年に提唱した定式を元に、ブライス・デウィットによって提唱された。

というもので、内容は難解でよくわからないですが、このような、パラレルワールドの先駆け的な理論があるのだそうです。




Parallel Worlds 'Exist and Interact' and Help Explain 'Weird Phenomena' of Universe
IBT 2014.11.03


パラレルワールドは「存在し、相互に作用」する。そして、これは宇宙の「奇妙な現象」を説明するのに役立つ


パラレルユニバース(平行宇宙)は、存在するだけではなく、それらは互いに相互作用を与えていると物理学者のグループは述べている。

オーストラリアのグリフィス大学の研究者たちは、我々が存在する宇宙は「数限りなく存在している無数ともいえる数の宇宙」の中のひとつの宇宙であるに過ぎないと言う。その中には、私たちと似た宇宙もあり、また、非常に違う宇宙もある。

パラレルユニバースの考えは、50年以上にわたって存在している。

たとえば、他のパラレル・ワールドの理論「エヴェレットの多世界解釈( Many-Worlds Interpretation )」は、理論を実現させる可能性のあるあらゆるシナリオが出された。

しかし、グリフィス大学の研究者たちの新たな理論の「相互多世界( Many Interacting Worlds )」 は、すべてのパラレルワールドがお互いに相互作用しているとする。そして、それらのパラレルワールドの存在をテストすることが可能なのだだと言う。

最近発表された論文では、科学者たちは、パラレルユニバースはそれぞれが独自に進化し、近くの他の宇宙との反発力によって、お互いに影響を与えると述べられている。

科学者たちは彼らの理論が量子力学を説明するのに役立つと考えている。

グリフィス大学の量子ダイナミクス・センターのハワード・ワイズマン( Howard Wiseman )博士は、「量子力学におけるパラレルユニバースの考えは 1957年以来続いています」と述べる。

量子論は、どのように宇宙が微視的なスケールの働きを持つかを説明するのに必要とされている。しかし、原因と結果の法則を満たさないと、原因と結果の法則に従わない奇妙な現象を示し、それを理解することは極めて難しい。

理論物理学者のリチャード・ファインマン( Richard Feynman )はかつて、こう言った: 「誰も量子力学を理解できないと言えると私は考えます」 。

ワイズマン博士たちが唱えるパラレルワールドは、「無数の宇宙が存在する」ことを示唆すると共に、私の宇宙と似た宇宙とそうではない宇宙があることをも示している。

それらの宇宙はすべて「現実」( real )であり、時間を通して存在する。そして、すべの量子現象は、近くの宇宙の普遍的な反発力よりもたらされる。

共同研究者のマイケル・ホール( Michael Hall )博士は「ただひとつの宇宙の存在の場合は、ニュートン力学に帰着しますが、莫大な数の宇宙の存在は、量子力学を再生させるものなのです。その合間に、ニュートンの理論でもなく量子論でもない、新しい何かの予測があります」と語った。





(訳者注) この「膨大な数の宇宙」という概念は、量子論が出るより 2600年位前に言われていたことでもあります。

おっしゃっていたのは、お釈迦様ですね。

何度か抜粋したことがありますが、過去記事「「宇宙は人間そのもの」という結論を夢想するとき」という記事に載せましたフレッド・ホイル博士の『生命はどこからきたか』 の記述を掲載しておきます。

『生命はどこからきたか』 より
フレッド・ホイル 1995年

紀元前六世紀に、ブッダの世界観はすでにコペルニクス革命以後に入っていた。彼は宇宙が、各々がわれわれの惑星系と似た数十億の ”小さな宇宙” から成り立っていると記している。ブッダの対話形式になっている古い仏教の教典のなかに無限の宇宙について述べられている。

「無数の太陽、無数の月、・・・、無数のジャムブディパス、無数のアパラゴヤナス、無数のウッタラクラス、無数のブッダビデバス」

ジャムブディパスとは当時の北インドの人々が知る限りの人の住んでいる地域を表す単語である。この対話から、ブッダが生命と意識が宇宙の構造に全体として結びついていて別々にできないものと捉えていたことは充分に明らかである。

とあり、ブッダは、今回のオーストラリアの大学の科学者たちと同様に、

「この宇宙は、われわれの惑星系と似た数十億の小さな宇宙から成り立っている」と述べていた

ようです。

このようなブッダあたりの話が現代科学の結末とシンクロしてきた……というあたりにも、何となく概念的に「この世の最終段階」という想いを持ちます。

もちろん、これは悪い方の意味での「最終段階」ではないです。



  

2014年11月04日



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▲ 2014年11月3日の Daily Galaxy より。






 


「時間の絶対性の崩壊」が招くかもしれない現代宇宙モデルの終わりの時

宇宙関係の大御所サイトのデイリーギャラクシーで上のような「宇宙から時間が消えているという新しい学説」を紹介している興味深い記事を見ました。

ちょっと読んでみましたら……長い長い。

その上に、異常なほどの専門用語の飛び交う大変難解な記事だったのですが、今回はその中から自分である程度わかる部分を翻訳しました。

それにしても「どうしてこんなに長い記事となったのか」と考えますと、過去のデイリーギャラクシーの記事の例では、「現代宇宙論やビックバン仮説の崩壊につながりかねない理論については長い記事になる」という傾向があります。

たとえば、今年2月の記事、

「暗黒物質は存在しないかもしれない」 : 王立天文学会の総会で発表された科学界にとっては衝撃的な新学説
 2014年02月13日

では「暗黒物質の存在の否定」に関してのデイリーギャラクシーの記事をご紹介したのですが、この時もあまりにも長い記事の上に極めて難解であり、その時には記事の翻訳そのものを諦めました。

この暗黒物質という仮想上の物質にについては、後の方でも少し書きます。

しかし、今回は暗黒物質の否定よりも、さらに過激といえば過激な、

時間の絶対性の否定

ということがテーマとなっていて、これはもう、物理学の基本中の基本に「時間の流れは不変」という大前提がありまして、この「時間」というものの絶対性が崩れますと、つまり、時間が変幻自在なものであった場合、すべての物理法則は「崩壊」します。

もちろん、宇宙論もです。ビッグバン仮説から「宇宙の膨張と終焉」、あるいは「星や銀河の成り立ち」の理論に至るまで宇宙論「すべて」崩壊しかねないほどのインパクトを持っていると思われます。

ちなみに、この「絶対的時間」を確立したのは、近代物理学の祖であるニュートンでした。

principles.jpg

▲ ニュートンが絶対的時間なども含めたニュートン力学体系を記した著作『自然哲学の数学的諸原理』(1687年)の英語版の扉。


なお、ニュートンは敬虔なクリスチャンでもあったのですが、「イエスの教えと絶対的時間の関係」について、アイザック・ニュートン -Wikipedia の「キリスト教徒として」というセクションに以下のような記述があります。

絶対的時間や絶対的空間などを確立したニュートンではあるが、彼自身はそれらがキリスト教の教義と矛盾するとは考えておらず、『自然哲学の数学的諸原理』にて宇宙の体系を生み出した至知至能の「唯一者」に触れ、それは万物の主だと述べている。

というようなことなんですが、今回のデイリー・ギャラクシーの記事には、2011年にスロベニア科学研究センターというところの科学者たちが、ニュートンの「絶対的時間」は「間違っている」とした研究発表をおこなったことなどにもふれられています。

しかし、「時間が絶対的ではない」となった場合はどうなるのかというと、時空を4次元的にとらえるしかないわけで、どうやら現在の最先端物理学は「4次元の世界」への理論へと少しずつ変化しているようです。

そういえば、アメリカの科学系メディア PHYS.ORG の10月 30日の記事にも下のようなものがありました。

para-universes.gif
PHYS.ORG


パラレルワールドとは「複数の宇宙が存在する」というようなことなのでしょうけれど、どうやら最先端物理学の世界ではそれらの存在を認めることと、それらの「様々な宇宙」の相互の作用を研究するという機運が高まってきているようです。

4次元の世界とか、パラレルワールドなどの響きは、かつては映画やコミックだけの幻想の世界だったような概念ですが、現実の科学がそちらに向かって進んでいっているという時代になったようです。

実際、今回のデイリーギャラクシーの記事は「時空連続体」( space-time continuum )という少なくとも私は聞いたことのない言葉から始まります。

これは、時空連続体 - Wikipedia によりますと、

時空連続体とは、時空を4次元多様体としてとらえることを指す。連続体という考え方は古典的であるので、時空の量子論を論じる際には多様体という幾何学的物体を量子化して考えなければならない。

とのことですが…………この説明では、何だかさっぱりわかりません。

そうしましたら、 Yahoo! 知恵袋に「時空連続体ってなんですか?過去・現在・未来はすでに存在しているって事ですか?」という質問があり、そのベストアンサーは下のようなものでした。

通常私たちが存在する世界(空間)は3次元とされています。

しかし、この「縦」「横」「高さ」の概念だけでは状態の変化を説明する事ができないため、4番目の次元である「時間」と3次元空間をひとまとめにしたものが時空連続体です。

つまりは「時間と3次元空間をミックスさせたもの」ということでいいのですかね。

そして、デイリーギャラクシーの記事には、「暗黒物質」のことも出てきます。
というより、「暗黒物質の存在の否定」が主要なテーマとなっているのです。




暗黒物質の存在は風前の灯火

この「暗黒エネルギー」とか「暗黒物質」というものが何かといいますと、ダークエネルギー(暗黒エネルギー) - Wikipedia の説明では、

宇宙論および天文学において、宇宙全体に浸透し、宇宙の拡張を加速していると考えられる仮説上のエネルギーである。

2013年までに発表された観測結果からは、宇宙の質量とエネルギーに占める割合は、原子等の通常の物質が4.9%、ダークマターが26.8%、ダークエネルギーが68.3%と算定されている。

というものです。

なお、 Wikipedia の「暗黒物質」の説明は以下のようなものです。

暗黒物質とは、宇宙にある星間物質のうち電磁相互作用をせずかつ色電荷を持たない、光学的には観測できないとされる仮説上の物質である。そもそも本当に存在するのか、もし存在するとしたらどのような正体なのか、何で出来ているか、未だに確認されておらず、不明のままである。

ちなみに、私は、

「暗黒物質や暗黒エネルギーというものの存在への疑念」

をずっと持っていまして、記事もよく書いていました。

上のほうにもリンクしました「暗黒物質は存在しないかもしれない…」 という記事に載せました現在の物理学での考えでの宇宙の分布図は以下のようになっています。

dark-energy-03.gif

この図が示す意味は、

現代の宇宙論では「この世の中で、人間が存在を認識できる物質は4パーセントしかない」

ということになります。

つまり、この宇宙……というか「この世」は「人間に見えもしない、存在を確認することもできない物質に 96パーセントも占められている、というのが現代物理学の考え方なんですね。

なぜ、そんな訳のわからない理論を打ち立てなければならななかったかというと、

「こうしないと現代の宇宙論モデルの計算のつじつまが合わなくなる」

からです。

こういうもの(暗黒物質など)で計算上の矛盾を補足しておかないと、宇宙の急速な膨張だとかビッグバン仮説さえも崩壊してしまい「現代宇宙論が窮地に陥る」からだというのが最も妥当な説明だと私は思っています。

しかし、だからといって、「この世の 96パーセントが認識できないモノで作られている」なんてのは、やはり納得できるものではないような気がするのです。

上の表では、「通常の物質」、つまり人間が認識できる物質はこの世界にたった 4パーセントしかないということになっているのですが、私の頭の中の宇宙論は下のようになっています。

my-uchu-01.gif


人間はこの世に存在するすべての物質を認識できると私は確信していますし、何より、「この世は計算で作られている訳じゃない」と思うのです。

まあしかし、実際、そんなに強く主張せずとも、この暗黒物質や暗黒エネルギーといったものの存在は、「否定に向かって一直線」の傾向を見せています。

2012年 4月の、

「そこに暗黒物質は存在しなかった」:従来の宇宙論を否定する観測結果を欧州南天天文台が発表
 2012年04月20日

という記事では、宇宙の観測結果が現代宇宙論に反する観測結果を出したことを取り上げていて、この頃から多くの科学者たちの間に、

「暗黒物質とか暗黒エネルギーって本当はないんじゃね?」

という雰囲気が漂って、現在に至っています。

そんなように、いろいろと急激に変化していくかもしれない物理学や宇宙論なわけですが、ここからデイリーギャラクシーの記事をご紹介します。




"Time is Slowly Disappearing from Our Universe" (Or, is It Timeless?)
Daily Galaxy 2014.11.03


「時間がゆっくりと我々の宇宙から消えている」(それとも、それは永遠?)


もし、時空連続体の数式から「時間の部分」が尽きた場合はどうなるのだろうか。

おそらく時間はゆっくりと消滅し続けており、そして、いつか、時間は完全に消え去ることを現在の科学的証拠は示している……という長年、科学者たちを悩ませて続けているラディカルな理論がある。

かつて、科学者たちは、宇宙が加速度的に拡大していることを示すために、宇宙の遠い場所にある爆発した星(超新星)からの光を測定した。 科学者たちは、これらの超新星が宇宙の年齢のように、より速く広がっていくと仮定した。

また、物理学者たちは、反重力のような力が離れた銀河を駆動させていなければならないと仮定し、この正体不明の力を「暗黒エネルギー」と呼ぶようになった。

そんな中、宇宙の急速な膨張や暗黒エネルギーの存在を確認する方向ではなく、「時間そのものが何十億年の中でその存在がなくなる」という考え方が提唱されたのだ。

この理論は 2009年にスペイン・サラマンカ大学のホセ・セノブィラ( José Senovilla )教授により提唱された。時間が消えると、すべてのものは完全に停止するまで粉砕する。

この「時間そのものの終焉」という推論は暗黒エネルギーの代替えの説明ともなりうる。神秘的な反重力の力の宇宙現象であるとの示唆をされている、この暗黒エネルギーについては、多くの科学者たち頭を悩ませてきた。

しかし、今日に至っても、実際に暗黒エネルギーが何であるかを知る者はいないのが現実で、あるいは存在するとしたら、それはどこから来たのかも誰も知らない。

セノブィラ教授と彼の同僚たちは、それに対して驚くべき代案を提示した。教授らは、暗黒エネルギーというようなものは一切存在しないとし、時間がゆっくりとしたペースで遅くなっているという理論を提唱したのだ。

教授の主張は、私たちは「宇宙の膨張の加速」に関しての考え方に騙されていたわけで、実際には時間そのものが遅くなっているというものだ。

日常の日々のレベルでは、その変化を私たちが知覚することはない。しかし、数十億年にわたる宇宙の進路を追跡しての宇宙規模の測定から、このことは明らかになるだろう。

この変化は、人間の視点からでは無限に近くゆっくりとした変化だろうが、宇宙論での視点の観点からは、数十億前に地球を照らした太陽からの古代の光の研究によって、それを簡単に測定することができる可能性がある。

セノブィラ教授は、「私たちは、宇宙の膨張そのもののが幻想だとは言ってはいません。私たちが言っていることは、膨張が加速しているということが幻想だという可能性についてです」と言う。

現在、天文学者たちは、いわゆる「赤方偏移」(観測対象からの光のスペクトルが、可視光で言うと赤に近い方にずれる現象)の技術を用いることで、宇宙の膨張速度を識別することができる。

しかし、これらの測定の精度は「宇宙の時間が絶対的であること」に依存している。もし、セノブィラ教授たちの新しい理論のように、時間が減速していっているとした場合、私たちの独立した時間は新しい空間次元に入っていくことになる。

2011年には、スロベニア科学研究センターの科学者たちは、ニュートンが提唱した「絶対的時間」は間違っているとの理論を発表した。

このスロベニアの科学者たちは、時間は4次元の時空にあるという考え方に基づいている。これまでの時間というものに対しての視点を置き換えることにより、物理の世界は、事物により正確に対応させることができると彼らは主張する。





このあたりまでとしておきます。

オリジナルは、本当にとてつもなく長い記事なのですが、その長い記事の1番最後の文章は、

What is time?

すなわち、「時間とは何なのか?」という文章で締めくくられていました。

ちなみに、科学的な事柄とは関係ないですが、未来予測プロジェクトのウェブボットの代表のクリフ・ハイが、2008年のエッセイで、「変容する時間」について記していたことを思い出しました。

こちらは上の記事のように「時間が遅くなる」のではなく、「時間が加速する」ことを書いています。

今回の記事とは関係ないながら、一部抜粋して記事を締めたいと思います。

ALTA レポート 909 パート5
ウェブボット 2008年12月7日

E=MC2、これはアインシュタインの周知の公式だが、時間という概念はこの公式にあるほど客観的な存在ではないと私は考える。時間というものは人間の感じ方によって、加速したり減速したりスピードが変化するものなのだと思う。

どのような状況でも変化することのない尺度としての客観的な時間のような概念というものは見いだしにくい。

時間の速度はあくまで人間の主観的な実感が決定している。そうした意味で、多くの人間の時間感覚は根本的に変化するとのデータが強く出ている。時間感覚が一気に加速するのである。

われわれのデータでは、時間が加速している実感は、まず個人のレベルで起こることを示している。多くの普通の人達が、説明のつかない奇妙な出来事や気分を体験するというのだ。

もちろん、こうした変化は誰でも体験するというわけではない。
こうした体験を一切しない人々もいる。

しかし、時間の新しい実感をもつ人間の数は一気に増えてゆく。それら個々人の体験や意識変化は、人類全体の集合意識に次第に浸透する。そして最終的には人間の意識を根本から変えてゆく。

このようにクリフ・ハイは書いていましたが、どうなることなのでしょうね。

今の私の個人的な感覚でいえば、時間は加速しているように感じます。



  

2014年11月01日



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▲ 2014年10月31日のライブサイエンスより。






 



「悪魔憑きの存在」がフランシスコ法王公認の現象に「昇格」

最近、何か記事を書くと、翌日などにそれと関係した「新たなニュース」が流れることが多いです。

それらはたいてい「特に嬉しいニュースではない」ことも多く、楽しいシンクロとも言えないですが、まあ何でもシンクロする時は次から次へとしていくのが最近の世界全体の流れですので、そういう時にはシンクロしたニュースについて素直に書いたほうがいいと思っております。

そんなわけで、今回はタイトル通りのフランシスコ法王に関しての記事ですが、つい最近、

「神の敵の登場」:神による天地創造を否定し、ビッグバンと進化論を演説で肯定したフランシスコ法王
 2014年10月30日

というフランシスコ法王関係の記事を書いたばかりでした。

そうしましたら、その直後の昨日の米国の科学系メディアの大御所「ライブサイエンス」が、冒頭のような記事を掲載したのでした。

どうして、科学に特化したメディアのライブサイエンスが取り上げたのかはよくわからないですが、内容は、フランシスコ法王が「国際エクソシスト協会」という悪魔払い師たちのグループの支持を公式に表明したというものです。

この「国際エクソシスト協会」という団体は、今年7月の、

ローマ字「 TASUKETE (たすけて)」から偶然導かれた日月神示や神様と悪魔の関係。そして、バチカンに正式に承認された「国際エクソシスト協会」の存在
 2014年07月26日

という記事にも出てきます。

この記事では、ローマ法王庁の組織のひとつである「聖職者省」という部署が、その国際エクソシスト協会という団体を承認たという報道をご紹介しました。その今年7月のカナダ CBC の報道から抜粋します。

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cbc news

バチカンは正式にエクソシストの協会を認めた
CBC News 2014.07.03

エクソシスト(悪魔払い師)たちは今、自分たちで自由に活動できる法的権限を持った。バチカンが、30カ国の 250人からなる悪魔払いをおこなう司祭たちの協会「国際エクソシスト協会」を承認したのだ。

最新のバチカンの新聞によると、バチカンの組織のひとつ「聖職者省」は、このエクソシストたちの組織を承認する法令を出し、教会法の下にこの組織を認めることを報告した。

現在のフランシスコ法王は前任者ベネディクト16世よりも悪魔についてよく話す。そして、昨年は「4人の悪魔に取り憑かれている」とされた男の頭の上に手を載せ、悪魔払いをしたことが認められている。

というものでしたが、しかし、今回は「ローマ法王の公式承認」です。つまり、国際エクソシスト協会はバチカンの支部としての完全な承認と支持を取り付けたことになります。

ちなみに、上にはこの国際エクソシスト協会が「 250人からなる」とありますが、今回のライブサイエンスの記事には「 300人以上」とありますので、この数ヶ月間で協会所属の悪魔払い師が増えたということになるようです。

今回は冒頭のライブサイエンスの記事を翻訳しましたが、かなり長い記事ですので、余談は少なめにしようと思いますけれど、この、「悪魔払いを公式に認める」ということは、かなり危険性のあることだと思うのですよね。

それはいろいろな意味でなんですが、まずは「意志の強くない敬虔なクリスチャンの中に、自分が悪魔憑きだという暗示に陥るケース」は確実に増えると思います。

実際、「悪魔憑き」とされる人の多くは単なる精神的問題だけの状態なのに、「それは悪魔の問題」というように、自分や、あるいは家族から追い込まれていくケースが多いみたいなんです。

1973年の映画のエクソシストでは徹底的に省略されていますが、長編小説『エクソシスト』では、その約半分ほどが「精神的疾患と悪魔憑き現象」の科学的解明と関係する記述でしめられています。

本当に信心深い上に、バチカンを信奉している人なら、法王が「悪魔憑き」という概念を「事実化」して、また、「悪魔憑きの状態を定義している団体」を支部団体とした場合、それに思い当たる人の中で(特に過剰な罪悪感を持つ人ほど陥りやすいのですが)、

暗示



強迫観念的な思考のこびりつき

が拡がっていくという可能性はあると思います。

人によっては、その「自分が悪魔に取り憑かれている」という強迫観念が自分の正常な精神を取り込んでいき、いわゆる悪魔憑きと同じような行動や言動が出たりするという例はよくあります。

日本のかつての(あるいは今でもあるのかもしれませんが)キツネ憑きとか、ああいうのと同じ原理で、精神的に追い込み、正常な理性と判断を奪えば、意志の強くない人であれば人はどんな行動にでも陥ります。

洗脳と同じ原理です。

そういう場合、特定のものに対しての強迫観念を発現させない最良の方法は、

「その存在自体がどうでもいいか、存在しないものとする」

ということです。

実際に悪魔という存在があろうがなかろうが、「悪魔なんてのは映画の中の話だから」としておけば、それが1番だと思うのです。

ところが、

「ローマ法王が悪魔払いを公認した」

ということは、同時に、

「悪魔憑きの存在を公認した」

ことになり、私から見れば、これは一種の「バチカンによる悪魔の啓蒙活動」にさえ見えるのです。陰謀論的な考えは好きではないですので、「営業的」というほうに考えたいですが。




アイスランドの記録から見えるもの

人間は「しかけられた啓蒙」には弱いもので、たとえば、過去記事の、

エボラを世界に拡大させるかもしれない神の伝道者や軍人たち。そして、ふと思い出す「世界を支配する医薬品ビジネス」
 2014年10月01日

では、製薬会社やバイオベンチャーが「病気の啓蒙とメディア戦略」によって「本来はなかった病気を作り出す」ことを実践し、上の記事の場合は具体的には、

「日本でうつ病患者を増やす商業的戦略」

を行い見事に成功したことをほんの少しだけ書きました。
もっと多くを知ると、その方法論には脱帽せざるを得ない「非情なビジネス理論」がそこにあります。

そのひとつが下のグラフで、「うつ病に効果があるとして新発売された SSRI という種類の抗うつ剤が発売」された年から、日本ではうつ病患者が急増する、というギャグのようなグラフが示されます。

ssri-05.gif
抗うつ剤とうつ病患者


それまで精神科やメンタルクリニックに足を向けなかったような人々に対して、

「あなたはうつ病かもしれません。放っておくと大変なことになりますよ?」

と繰り返しキャンペーンすることによって、それまでの医療でなら「うつ病」とは認定されない人まで「うつ病」とされるようになっていき、そのために上のようなグラフとなってしまったわけです。投薬など受けなくてもいい人たちが大量に投薬を受けることとなり、そして次には、人によってですが、「投薬生活から抜けだしにくくなる」というオマケもつく場合もあります。

二倍二倍……の世界です(そんなフレーズ誰もわかんねーよ)。


ところで、この製薬会社の「抗うつ剤キャンペーン」の最初の「実験国」となったのはアイスランドでした。

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このグラフは先ほどリンクしました過去記事に載せたものですが、抗うつ剤の SSRI が 1988年にアイスランドで発売されて以降のアイスランドの「抗うつ剤の処方数の増加」を示したものです。

人口 30 万人程のため正確な統計データを把握しやすい上に、人々の医療への関心も高いアイスランドは新しい薬剤のデータ取りに最適だそうで、製薬関係企業の「薬剤実験国」として選ばれることが多いようです。

抗うつ剤 SSRI に関しても、アイスランドが世界に先駆けて、 1988年に情報提供国として選ばれたのでした。

企業精神科医の冨高辰一郎さんの著作『なぜうつ病の人が増えたのか』から、1988年以降どうなったかの記述を抜粋します。

アイスランドには 1988年に SSRI が導入された。小国であり、医療への関心も高い国であることから、うつ病の啓発活動は急速に社会に浸透した。その結果、1989年には人口 1,000人につき 14.9人に抗うつ薬が処方されていたが、2000年には 72.7人と、抗うつ薬の処方量がわずか 11年で5倍に急増した。

私の知っている限り、抗うつ薬の普及の速さと広がりにおいて、アイスランドは世界1である。国民の 14人に 1 人が抗うつ薬を処方されていることになる。これは同国のうつ病罹患率を超えている。

ということになったまま現在に至っているようです。

国民の 14人に 1 人とありますが、実際には子どもを除くと、アイスランドの抗うつ剤の服用率はさらに高くなると思われます。

この、アイランドでの「うつ病患者増加プロジェクト」が成功した後に、製薬会社やバイオベンチャーは、西欧諸国、そして、日本へとうつ病患者増加のための啓蒙キャンペーンを世界に広げていくことになります。

ちなみに、日本の抗うつ薬処方の率は 2003年のデータで 80人に1人程度ですので、アイスランドは「日本の5倍以上の率で人々が抗うつ薬を服用している」という、やや異常な国となってしまったことは事実です。

話がそれているように見えますが、このようなことを書いたのも、この「抗うつ剤とうつ病の関係」と同じようなことが「悪魔払いと悪魔憑きの関係」にも当てはまりはしないかと思ったりするのです。

要するに、

病気を作り出す

ことと、

悪魔憑きを作り出す

という図式が同じに感じるという意味だとしても構わないです。

人々の心の中に、特に敬虔なクリスチャンの心の中に「無意識のうち」に悪魔の存在が巣食い始める。

これは、もはや悪魔が本当に存在しているのかどうかとは関係ないことです。

このフランシスコ法王を巡る現在の流れとしては、先日の記事「神の敵の登場…」で、

神の万能性を否定

した直後に、

悪魔払いを公式に支持

となっていて、これは、人々の意識を「神よりも、むしろ悪魔へ傾けたい」というようなことを感じないでもないです。

まあ、考えすぎなんでしょうけれど、タイミング的には、それだけでもないような感じもします。



悪は善を生み出す

ふと思い出すことが、過去記事で抜粋した小説『エクソシスト』で、悪魔払いをおこなっているメリン神父が、

「悪魔が人間にとり憑く目的はどこにあるのでしょう」

と質問された時の答えです。

小説『エクソシスト』より

それは誰にも判らないことだ。…しかし、私はこうみている。つまり、悪霊の目的は、とり憑く犠牲者にあるのではなく、われわれ…われわれ観察者が狙いなんだと。そしてまた、こうも考えられる。やつの狙いは、われわれを絶望させ、われわれのヒューマニティを打破することにある。

そして、

「このような悪からでさえ、善が生じてくる。なんらかの方法でだ。われわれには理解できず、見ることもできない何らかの方法でだ。……おそらく、悪こそ、善を生み出す『るつぼ』であるからだろうな」

と言います。

melin23.jpg
映画『エクソシスト』のメリン神父


メリン神父は、

悪霊の目的は、とり憑く犠牲者にあるのではない

それを見ているものを絶望させ、人間性を破壊することが目的

というようなことを言い、さらに、

善は、悪から生じる

ということさえ言っています。

なので、本来はキリスト教においてでさえ「悪は必要なものだったはず」だと私は考えています。

このあたりは、日月神示にも何カ所か出てきます。

第21巻 空の巻 第八帖

悪も元ただせば善であるぞ、その働きの御用が悪であるぞ、御苦労の御役であるから、悪憎むでないぞ、憎むと善でなくなるぞ

というように「悪を憎んではいけない」と書かれてある箇所があり、さらには、

第21巻 空の巻 第十帖

此の方 悪が可愛いのぢゃ、御苦労ぢゃったぞ、もう悪の世は済みたぞ、悪の御用 結構であったぞ。早う善に返りて心安く善の御用聞きくれよ。

と、「悪という存在への愛着とねぎらい」さえ語られています。これを言っている(のが誰か私はよくわからないですが)方は、「悪は可愛い。ご苦労であった」と、悪という存在の必要性を神か何かの言葉として記述しているわけです。

このあたりから考えますと、悪を憎み、悪を「根絶」することは、同時にこの世から「善を根絶する」ことでもあるという、何とも逆説的ながら、最近ではその理屈もわからないではないというような気もしています。

そういう意味では、「悪魔の大根絶作戦」を宣言したバチカン、およびローマ法王は、同時に、それが「善という存在の駆逐を意味する」ということを、知らずか知ってはわからないですが、そのような宣言だったと言えそうです。

何だか、長い余談を書いてしまいましたけれど、ここからライブサイエンスの記事の翻訳です。




Casting Out Demons: Pope Francis Declares Support for Exorcisms
Livescience 2014.10.31


悪魔たちの追放:フランシスコ法王はエクソシズム(悪魔払い)を支持することを宣言


フランシスコ法王が、今週バチカンで会うエクソシスト(悪魔払い師)のグループに対しての承認を表明した。

悪霊の魂に取り憑かれた人間から悪霊を追い出すエクソシズムは、映画やテレビの中で描かれる暗黒的な慣習と思われる方もいるだろうが、カトリック教会やいくつかの宗教では、エクソシズムは長い間認識されてきた。

今週、300人以上の国際エクソシスト協会( International Association of Exorcists / 略称 IAE )のメンバーが会議を催す。今回の会議では、こんにちの人々にあるオカルトとサタニズム(悪魔主義)の衝撃について焦点をあて議論が交わされる。

カトリック・サン紙が報じた。

IAEは、1990年、ガブリエル・アモルス( Gabriele Amorth )によって、ローマ司教区のエクソシストたちのために設立され、今年6月、バチカンによって正式に承認された悪魔払い師たちの団体だ。

フランシスコ法王は、IAE の会長のフランチェスコ・バモンテ( Francesco Bamonte )神父に「エクソシストでの聖職を追求する司祭たちによって、悪魔たちの働きによって苦しむ人々へカトリック協会の愛と受容を示していただきたい」とメッセージを書いた。

この国際エクソシスト協会に対してのローマ法王庁の承認について、バモンテ神父は「これは協会の喜びというだけではなく、すべてのカトリック教会の喜びです」と述べた。

この「悪魔が人間に取り憑く」という概念は、キリスト教を含む多くの宗教で信じられている。

エクソシズム、すなわち悪魔を払うという行為の歴史はイエス・キリストの時代にまで遡る。聖書によれば、イエスは「悪魔を追放」している。

現代のエクソシズムは、「通常と非常に違う状態の人間に対しておこなわれる聖職行為」であり、おこなわれることは非常に希だが、その数は増え続けていると米国サウスカロライナ州ロザリオ教区の司祭ドワイト・ロンゲネッカー( Dwight Longenecker )神父は言う。

ロンゲネッカー神父は、「悪魔払いは霊の領域における脳手術といえるようなものです」と言う。

実際の悪魔払いは決してハリウッドの作品、たとえば映画『エクソシスト』のような劇的でドラマチックなものではないが、それらの映画は、過去に実際にあった悪魔払いを描写していることもあると神父は言う。

科学的には証明されていないが、神父によると、人が悪魔に取り憑かれた際の徴候として、聖水や十字架など教会に関係するものに対しての極度の嫌悪感から始まることが多いという。

さらに、通常ではない超常的な知識、未知の声や言語、あるいは、空中浮遊や他の様々な超常現象を伴うと説明する。

神父は「私たちは常に、まず最初に、それらの現象が通常に対して範囲で説明できる原因を考えます。例えば、その人が、精神的疾患や何らかの中毒などの問題を持っていないかどうかなどです。現代のエクソシストたちは、通常は、心理学と精神的事象の両方を習得し、それに加えて、特別な訓練が必要とされます」とも述べた。

悪魔たちの根絶( eradicating demons )の実践は、カトリック教会に限ったことではなく、キリスト教では長い歴史を持つ。

「悪魔払いは実際に教会の中心的なミッションであった上に、悪魔払いの歴史は、イエス・キリストご自身の経験にまで遡るのです」と、サウスカロライナ州の聖ジョン・チャールストン・バプテスト教会で宗教史を書くダン・ロード( Dan Lord )氏は語る。

ロード氏は、国際エクソシスト協会が前進したことを喜んでいるが、教会がこのグループの努力を認識したのはこれが初めてではないと言う。

「彼らは、聖ヨハネ・パウロ2世と教皇ベネディクト16世の大きな支持を得ていたので、国際エクソシスト協会の公式な承認は、その一連のプロセスの中での最終的な段階なのです」とロード氏は述べた。

今日いまなお、エクソシストたちはしばしば「過小評価」され、あるいは、他の神父や司祭たちから抑圧を受けているとし、そのようなエクソシズムを過小評価する神父や司祭たちは他の一般の人々と同様に、社会の中での物質的、合理的な時流に乗ってしまっているとロード氏は言う。



  
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