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2014年12月06日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




北半球の雪で覆われた面積が観測史上最高を記録。なのに、気温と海水表面温度は観測史上で最も高いという異常な矛盾(あるいは矛盾ではなくともイヤな冬の予感)



2014-fall-snow.gif

▲ 2014年12月4日のワシントンポストより。



北半球の降雪面積が観測史上最大に

先日の記事、

元 NASA の気候学者が「地球はすでに今後30年以上続く寒冷期、あるいはミニ氷河期に突入した」と断定
 2014年12月04日

では、地球はすでにミニ氷河期に入っていると述べる気候学者の主張を取り上げました。

その気候学者で、元 NASA のコンサルタントのジョン・L・ケイシー( John L. Casey )氏が著作『ダーク・ウインター』で述べたことはおおむね以下の通りです。

・太陽活動の縮小による地球のミニ氷河期はもう始まっている。
・今後、地球は急速に寒冷化に入る。
・寒冷化は2020年代終わりから2030年代始めをピークとして数十年続くだろう。
・農業不振による食糧不足から社会情勢が不安定になる。
・アメリカは食糧輸出を停止するだろう。


などでした。

食糧輸出に関しては、「アメリカが輸出を停止する」とアメリカに言及しているのは、ケーシーさんご本人がアメリカ人だからだと思われます。世界的にそのような不作状態になれば、食糧輸出大国のカナダやロシアやオーストラリアなども同じような措置をとるでしょう。

ミニ氷河期には飢饉が起きやすいです。
小氷期 - Wikipedia には、

1315年には150万人もの餓死者を記録

とあり、食べられなくなりますと、体力も落ちて病気も流行しやすくなるためなのか、

疾病による死者も増加した。

ともあります。

このような状況となってきますと、自給率の低い、日本を含めた東アジアの国などはかなり厳しい状況となりそうですが、何か手はあるのかというと、数年間ならともかく、「数十年」も続くのであるならば、ちまちまと食糧備蓄をしてみても、個人ではどうにもならない面はありそうです。

さて、そんな「ミニ氷河期」の話題を書きました直後に、米国のワシントンポストの記事で、

今年の秋、北半球の雪で覆われた面積が観測史上最大になった

という報道を見つけました。

これは、ニュージャージー州のラトガース大学の降雪研究所が調査したもので、9月から11月の北半球の、「雪で覆われた面積」をデータ化したものです。

下のグラフで一目瞭然だと思います。

Northern-Hemisphere-snow2.gif

▲ 1967年から2014年までの雪で覆われた面積の推移。 ラトガース大学 全球降雪研究所( Rutgers University Global Snow Lab ) より。以下のデータも同じです。


これまでは 1976年が最も多い雪面積だったのですが、今年の秋はその記録を上回り、3500平方キロメートルを越える雪面積となりました。

下はそれぞれの年の平均との比較ですが、こちらに関しても今年は観測史上最大となっています。

snow-nov-na.gif

▲ 1967年から2014年までの雪で覆われた面積の偏差。




その一方で大気の温度と海水の表面温度も観測史上で最も高いとは、これいかに

このように、今年の秋(9月、10月、11月)は、雪の降った面積が、過去最大クラスに多いということがわかったわけで、それなら「気温もさぞや低かったのだろう」と考えるところですが、ワシントンポストの記事のタイトルにありますが、なんということか、

今年の北半球の秋の気温は観測史上で最も暖かった

のです。

私としては、むしろこちらのほうが信じられないところがありますが、下のように、アメリカ海洋大気庁( NOAA )の平年との気温の比較の図は、今年の秋の北半球は明らかに平年より気温が高いことがわかります。

2014年9月、10月の全世界の気温の偏差
201401-201410.gif

▲ NOAA が発表した2014年9月、10月の全世界の気温の平年との比較。赤が濃いほど、平年より気温が高いことを示します。


ワシントンポストによれば、

通常より少し暖かい気温は、大気中の水分含有量を増加させて、雪の量を増加させる可能性をもっている。

ということですので、「気温が高いために雪が増える」という理屈はわからないでもないのですが、しかし、何となく不思議な感じはいたします。

実は、大気温度だけではなく、「海面温度」もそうなんです。

過去記事、

冬のカオス:凍てつくアメリカ、焼け付くオーストラリア…
 2014年11月21日

で、私は下のように書いています。

現在、アメリカは強い寒波に見舞われていますが、実はアメリカ周辺の「海」では奇妙な現象が起きています。

それは「海水温が異常に高い」のです。

低いのならわかる気もするのですが、「高い」のです。
しかも、一過性のものではなく、最近ずっと高いままなのです。

下はアメリカ海洋大気庁( NOAA )による9月の世界の海水温度の平年との差異ですが、アメリカ西海岸からアラスカにかけての海域と、東海岸沿いの一部の海水温度が平年に比べて異常に高いことがわかります。


sea-temp-high.gif
・NOAA

上の記事ではアメリカについて書いていますが、記事にある全世界の海水温度の平年との差異を見てみますと、「今年の秋は全体として海水表面温度が高かった」ことがわかります。

さらに「来たるべき地球のかたち」の、

海に何が起きているのか:世界の海水の表面温度が観測史上の130年間で最も高くなっているけれど、その理由がわからない
 2014年11月26日

という記事には下の表を載せています。

1880年から2014年までの海水表面温度の推移
sea-temp-2014.gif
・NOAA

2014年は、太平洋も他の多くの海域も 1880年からの観測史上でもっとも海水の表面温度が高かったことがわかります。

しかし、秋が過ぎた 11月の終わりには、アメリカやカナダ、ロシア、ヨーロッパの一部、中国などに、「北極からの爆風(極渦」が、ジェット気流に乗ってやってきました。

これにより、アメリカでは、ニューヨーク州などで非常事態宣言まで発令されるような「異常な寒波」に見舞われたことはご記憶の方も多いと思われます。

emergency-us-cold.jpg

▲ 2014年11月22日のニューヨーク経済新聞より。


つまり、この秋の北半球、あるいはその一部は、

・観測史上で最も気温が高く暖かかった
・観測史上で最も高い海水表面温度だった


のにも関わらず、

・観測史上最も雪の降る面積が広かった

と同時に、

・北極からの寒気で100年以上の記録を更新する寒波

を経験する場所があったり、

・観測史上最大の積雪を記録する地域があった

などのムチャクチャな秋から冬の動きだったのですが、この「急変」という状態から感じることとしまして、先ほどリンクいたしました過去記事「冬のカオス…」に書きました、かつてのミニ氷河期はたった数ヶ月でその気温が定着し、その後、1300年間も続いたという調査などを思い出させてくれます。

mini-iceage-7.gif
New Scientist

つまり、寒冷化は過去の場合には「急速にやってきた」という歴史もあるということですので、寒冷化に入る際にはあっという間にその状態になってしまうという可能性もあると思われます。




どう想像しても「荒れる」イメージしか湧かないこれからの冬

そして、世界各地から寒波と大雪のニュースが毎日飛び込んできています。

何より日本も昨日あたりから、かなり拾い範囲で雪の被害が出始めていて、毎日新聞の「大雪:四国と島根で次々車立ち往生 徳島では50世帯孤立」などを読みますと、改正災害対策基本法というものが初適用されたりしています。

ヨーロッパも、特に中央ヨーロッパはカオスじみた光景が寒気によって作られています。

オーストリア・コッテス 12月3日
kottes-01.jpg


オーストリア北部のヒムブルク 12月3日
austria-himberg-01.jpg


ハンガリーの首都ブダペスト 12月3日
Budapest-icy-01.jpg
DARK ROOM

ロシアも場所によっては大変なことになっているようで、ロシアの声には下のようなニュースがありました。

Khabarovsk-50.jpg

▲ 2014年12月3日のロシアの声より。


この先どんな冬になってくるのか、いよいよわからなくなりますが、海水の表面温度が高いということは、海から蒸発する水分などを考えますと、世界的に大気中の水分量が高くなっているのかもしれず、「大雪」という状況はしばらく続くのかもしれません。

そこに北極からの寒気が重なってくると、

暖かい気温と高い湿度の中に超寒気が突っ込んでくる

という図式になり、これだと、やはり「荒れる」というイメージしか湧かないのですが、どうなりますかね。

そして、元 NASA のケーシー氏は「ミニ氷河期は 30年続く」とか言っていたり、1万3千年前のミニ氷河期なんてのは 1300年間も続いたりしていたりなど、いろいろと「寒い話」は尽きません。

それでは、ここから、ワシントンポストの記事です。



Fall snow cover in Northern Hemisphere was most extensive on record, even with temperatures at high mark
Washington Post 2014.12.04


この秋の北半球は気温は高い状況にも関わらず、雪に覆われた面積が観測史上最高の広さを記録


過去46年の積雪面積の調査から、今年の秋の北半球では、他のすべての年よりも雪で覆われた面積が最も多くなっていることがわかった。

これは非常に驚くべき結果と言わざるを得ない。なぜなら、北半球の気温そのものは、過去の同時期と比べて最も高いレベルで推移しているからだ。

米国ラトガース大学の全球降雪研究所( Rutgers University Global Snow Lab )のデータによれば、この秋の北半球の雪面積は、2200平方マイル(約 3540万キロメートル)以上に拡大しており、これは、1976年に記録された積雪面積を大きく越えている。

研究をおこなっているニュージャージー州の気候学者、デビッド・ロビンソン( David Robinson )氏は、以下の積雪に関しての統計情報を追加する。

・9月、10月、11月に、北半球の雪面積が記録を更新した。
・北米は観測史上で最も広範囲での積雪があった。
・ユーラシア大陸では観測史上3番目の積雪面積があった。

さらに、11月に絞ると、

・北米は観測史上で最も広範囲での積雪があった。
・ハワイとアラスカを除くアメリカ本土48州で観測史上で最も広範囲での積雪があった。(これは北極からの爆風での豪雪があったことを考えると不思議ではない)
・カナダは観測史上2番目に多い積雪面積だった。

この結果は、アメリカ海洋大気庁( NOAA )の発表した今年 9月と 10月の全世界の平均気温が、観測史上で「最も暖かかった」という結果を考慮すると、まるで、お互いに反している現象のように見えるかもしれない。

また、アラバマ大学ハンツビル校の衛星解析データによると、11月の全世界の気温も観測史上2番目に高かった。

しかし、雪の量は、気温との相関関係を持つものではない。雪が降るには、単に氷点下、あるいは氷点下近くの気温が必要とされるだけだ。

平年より1〜2度高い気温は、多くの場所に降雪を与える可能性がある。

また、通常より少し暖かい気温は、大気中の水分含有量を増加させ、雪の量を増加させる可能性をもっている。

最近のモデリング研究によれば、地球温暖化のシナリオの中では、今世紀末までに雪の量は高緯度地域で 10パーセントほど増えるとされる。

降雪の条件としては、気温よりもむしろジェット気流の循環の要素が重要に関与している。ジェット気流は、中緯度へ北極からの冷たい空気を輸送することができる。この秋には北極からのジェット気流が、ふだんの秋なら降雪がないような地域に降雪をもたらした。

今年の秋の珍しいジェット気流の動きの理由については、科学研究で活発な議論がおこなわれており、現在、

1. アメリカは雪と寒さの進行中の中にいる。しかし、それはなぜか。

2. 地球温暖化がこの狂気的な冬を作り出しているという証拠が出始めている。

という2つを柱として議論が進められている。


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2014年12月05日



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地震が起きたアメリカのセドナは世界7大霊山のひとつだった

先日の記事、

オレゴンの亀裂、ネバダやカリフォルニアの群発地震:アメリカ大陸の西側で今何が起きている?
 2014年12月03日

で、アメリカの西部のあたりで下のようにいろいろなことが起きていることについて書きました。

sedona-earthquake-201411.gif


上の図で、マグニチュード 4.7の地震が起きた場所は「セドナ」という場所です。

記事を書いていた時は、「どこかで聞いたことがあるなあ」くらいに思っていたのですが、その後になって、

「ここって何かの聖地じゃなかったっけ」

と、過去記事を探してみますと、2年以上前の記事ですが、

北京の空に現れた「終末の雲」や富士山のレンズ雲から思う世界の7つの「聖なる山」
 2012年06月20日

の中に「世界の七大聖山」と呼ばれている世界の7つの聖なる山々について記していました。

その7つの山は下のようになっています。

シャスタ山 (米国)

shasta-03.jpg
Mount Shasta Resort

このシャスタ山は、古代からネイティブアメリカンたちによって崇められている山だそうで、スビリチュアルな場所としても有名である他にも、シャスタ情報というページには以下のようなことも書かれています。

シャスタ山には、シャスタ、シャスティーナと呼ばれる山頂が2つ重なっています。その2つの山頂は、聖なる男性性と女性性の統合を示してくれているとも言われています。

というような「男性性と女性性の内なる統合」というような意味も語り継がれてきたようです。


富士山 (日本)

fuji-mountain.jpg
Hello Navi しずおか


マチュ・ピチュ (ペルー)

Peru-machupichu.gif
ペルー観光情報サイト


シナイ山 (エジプト)

Mount-Sinai.jpg
38 Days In Egypt

モーセが神から十戒を授かったとされる場所として信仰の対象となっているのだそう。

旧約聖書 出エジプト記/ 31章 18節

主はシナイ山でモーセと語り終えられたとき、二枚の掟の板、すなわち、神の指で記された石の板をモーセにお授けになった。


チョモランマ / 英名エベレスト (ネパール)

chomolungma-1.jpg
Karangkurung Mountaineering Club


キリマンジャロ (タンザニア)

Kilimanjaro.jpg
・Reddit


そして、先日、マグニチュード4.7の地震が起きたアメリカのセドナ山となります。

セドナ (米国)

sedona-3.jpg
Sedona Bed and Breakfast

このセドナは、シャスタ山と同様に、ネイティブアメリカンの聖地でしたが、1970年代から、突如、ヒッピーたちの「聖地」となっていったようです。セドナ - Wikipedia によりますと以下のようなことで、今のような観光スポットへとなっていったようです。

1970年代にセドナは大きく変化した。ボルテックス(パワースポットの別称)の街として注目されたのがきっかけだった。既存の価値観に反発し、スピリチュアルな世界を信じる人々や、当時多かったヒッピー と呼ばれる人々が、ボルテックスを求めて、大挙してこの地に押し寄せてきたのだった。

このようにして、もともとネイティブアメリカンの聖地だった場所は、「スピリチュアルな街」になり、世界中から、国籍や宗教を超えて、人々を吸い寄せるようになったのである。

近年では、セドナにはボルテックスと呼ばれるパワースポットが10カ所ほどあるとされている。

というようにスピリチュアル的な観光地になっているようで、そのような地で、この場所としては珍しい地震が起きたと。

このセドナでの地震報道を見て、よく考えてみると、昨年以来、

聖地と呼ばれる場所での異変や災害がとても多かった

ことに気づきます。




崩れ続ける聖地の問題から話は飛躍して

今年9月に噴火した御嶽山もまぎれもない聖山です。

過去記事、

御嶽山の噴火やマヤカレンダーが示した「 5000年間」という時代の区切りに「日本神話の根源神」は何を私たちに示そうとしているのだろうかと考える
 2014年10月06日

では、この山に、国之常立神(クニノトコタチノカミ)という神様がいらっしゃるとされていることについて書いています。

そして、この神様こそ、天地開闢(かいびゃく / 日本神話でこの世ができた時)の際に出現した神様であります。

ところで、国之常立神は、純粋な「男性の神様」だそうで、これは中国の古代神話でいえば、盤古(ばんこ、中国語読みでパンク)にあたる神様ですね。

盤古を描いた古代の絵画はいろいろとありますが、私がお気に入りなのが下のです。

pan_ku.jpg
phys.ncku.edu


中国の神話では、この男の神様が「天地を作った後」に、女性の神様nuwa-joka.png (じょか、中国語ではヌーワ)が、土の人形から「人類を創造する」ということを始めるわけですね。

このあたりは、古い記事ですが、クレアなひとときの、

中国の天地創造神話 - 盤古
 2011年05月30日

中国の天地創造神話 - 女媧(Nüwa)
 2011年06月01日

などでふれていますので、ご覧いただければ幸いです。

しかし、この頃は特に疑問視もせず、この中国古代神話を読んでいたのですが、今となっては、「科学的な矛盾」を感じるようになっています。

そのことはおいおい記すとして、これらの中国古代神話は「神様が世界を創造」したり、「人類を創造する」という部分があるのですが、日本神話ではどうなのかといいますと、どうやら、

日本の神様は宇宙も生命も創造していない

ようなのです。

まず、宇宙に関しては、天地開闢 (日本神話) - Wikipedia に、

日本神話の天地開闢といえば、近代以降は『古事記』冒頭の「天地初発之時」(あめつちのはじめのとき)が想起される。ただし、ここには天地がいかに創造されたかの記載はない。

というように「天地がいかに創造されたかの記載はない」とあります。

では、「人類の創造」は?

これはわかりやすい回答例が、Yahoo!知恵袋の「神話では人間の誕生をどう言っているのですか?」という質問に対してのベストアンサーに、

日本神話では、神の子孫が人間、人間の祖先が神、という漠然とした話だけが存在していて明確な人類の起源は見られません。

人によってはイザナギとイザナミを最初の人間と解釈している事もあり、受け取る人によって日本神話はかなり違うので、人間の起源に関しては曖昧な物になっています。

そして、もうひとつの回答は、

『気が付いたら居た!』です。
日本神話は、そこら辺は、かなりいい加減(-_-;)


というものでした。

これは、「気が付いたら人間がいた」という意味だと思いますが、この回答者は、「かなりいい加減」と書かれていますが、このことを知らなかった私は非常に感動したのです。

日本神話は、いい加減どころか、私が思うところの科学的な意味での「この世の真理そのもの」だと思います。

日本神話が、

この宇宙や人間の誕生についてふれてもいない

ということそのものが

「この世の永遠性」を現している

と思うからです。

何だかわかりにくいことを書いている気もしますが、たとえば、過去記事の、

145億年前の星が発見される : その星の由来の人物メトセラの死の直後に地球は創世記の大洪水に包まれた
 2013年08月26日

という記事の最初の小見出しが、

宇宙も生命も「その起源」というものは考えにくい

となっています。

この意味は、物理学の基本(質量保存の法則)からみて、

・宇宙がこの世に生まれ出たことはない(もともとあった)
・生命がはじめてこの世に誕生したという時はない(もともとあった)


という考え以外をもつことができないのです。

このあたりの考えを持たせてくれましたのは、物理化学の創始者の1人であるスヴァンテ・アレニウスの『宇宙の始まり―史的に見たる科学的宇宙観の変遷』の中に何度も出てくる概念や、あるいは、そこに出てくる 19世紀のイギリスの哲学者のハーバート・スペンサーの文章などによる影響があります。




無から有は生まれない

過去記事の、

「宇宙は膨張していない」
 2013年08月16日

にその文章を載せたことがあります。

スペンサー『生物学原理』(1867年)より

spencer-02.jpgおそらく、多くの人々は虚無からある新しい有機物が創造されると信じているであろう。

もしそういうことがあるとすれば、それは物質の創造を仮定することで、これは全く考え難いことである。この仮定は結局、虚無とある実在物との間にある関係が考えられるということを前提するもので、関係を考えようというその二つの部分の一方が欠如しているのである。

エネルギーの創造ということも物質の創造と同様にまた全く考え難いことである。生物が創造されたという信仰は最も暗黒な時代の人類の間に成り立った考えである。

ここで、スペンサーは、

・無から有は生まれない

・無からエネルギーは生まれない

・生物は(どこからも)創造されない


ということを明確に述べています。

アレニウスも、ほぼ同じ考えを持っていたことが、『宇宙の始まり』の中に、

宇宙とそこにある物質が突然に存在を開始したという過程には奇妙な矛盾が含まれている。

と書いているところからもわかります。

つまり、神話や宗教的な意味ではなく、科学的な考えからだけなら、

・何もないところからは何も生まれない

・生物は誕生しない

という結論にしかならないはずなのです。

日本神話はこの2つの条件を満たしていることになります。

それは「天地の創造にも人類の創造にふれていない」ということだけで、このふたつの概念に適合していることになると思うのです。

そういう意味では、日本神話おそるべし。
ちゃんと読んだことないですけど、読んでみようかなあ…。





現実の科学世界は神話より劣化していった

神話の世界はともかくとして、現実の世界では、上のスペンサーの『生物学原理』から 80年後くらいの世界、つまり、1950年前後には、「ビッグバン仮説」という物理学の前提を無視したような、奇妙で、多くの偉大な前任科学者たちの顔に唾を吐きかけるような科学仮説がこの世に定着し始めたのでした。

このビッグバン理論は、アレニウスがそれより何十年も前に記述していた、

「宇宙とそこにある物質が突然に存在を開始したという過程には奇妙な矛盾が含まれている」

という矛盾を解消できないまま、今でも主流仮説として存在しています。

昔の科学者たちは……というより、アレニウスのみならず、きちんとした科学者の中で「宇宙に始まりがある」なんてことを考える人はいませんでした。アインシュタインもです。

下は、ビッグバン - Wikipedia からの抜粋です。

20世紀初頭では天文学者も含めてほとんどの人々は宇宙は定常的なものだと考えていた。「宇宙には始まりがなければならない」などという考えを口にするような天文学者は皆無だった。

ハッブルも、柔軟な考えを持っていると評価されているアインシュタインですらも、「宇宙に始まりがあった」などという考えはまるっきり馬鹿げていていると思っていた。

しかし、20世紀の中盤までに、徐々にこの「宇宙に始まりがある」という「病巣」は科学界の細部にまで浸透していきます。悪性腫瘍の転移のように。

ちなみに、この「ビッグバン」という名称には皮肉が詰まっています。下も Wikipedia からの抜粋です。フレッド・ホイル博士の悲劇と、その心中をお察し下さい。

なお、「宇宙は原始的原子の“爆発”から始まった」という現在のビッグバン仮説に通じるモデルを提唱したのは、ジョルジュ・ルメートルという天文学者です。

フレッド・ホイルは「宇宙に始まりがあった」という考えをとことん嫌い抜いていた。ホイルが1948年に出したモデルは「定常モデル」と呼ばれる。

これは「宇宙は永遠で無限だから偉大なのだ」と考える科学者たちの心をつかんだ。おまけにホイルの説はビッグバン説よりエレガントだった。

ところが……です。

ジョルジュ・ルメートルの理論にビッグバン (Big Bang) という名前を付けたのはホイルで、1949年の BBC のラジオ番組の中で彼がルメートルのモデルを "this 'big bang' idea" とからかうように呼んだのが始まりであるとされている。

つまり、ホイル博士は「宇宙は最初の爆発で誕生した」という不思議な理論を、からかった意味で、

「それじゃまるで、宇宙はバンッ!と大爆発(ビッグ・バン)してできたと言っているようなもんじゃないか」

とラジオ番組で使った「ビッグバン」という言葉が、そのまま科学用語として使われるようになってしまったのでした。つまり、ビッグバン理論というのは、「その理論を最も嫌い続けて生きたひとりの科学者フレッド・ホイル博士が名付けてしまった」ものなのでした。

ちなみに、ホイル博士は、「地球の生命が地球の無機物から偶然生まれた」という説にも徹底して反対し続けました。

hoyle-said-so.jpg
iz quotes

上は、ホイル博士が、「偶然、生命が生まれる確率について語った言葉」です。

最も単純な単細胞生物がランダムな過程で発生する確率は「がらくた置き場の上を竜巻が通過し、その中の物質からボーイング747が組み立てられる」のと同じくらいだ。 --- フレッド・ホイル


ところで・・・なんで、いつのまにビッグバンの話になってるんだ・・・。


完全に今回のテーマの論点がズレてきているのはすでにずいぶん前から気づいていますが、もう止まらない。

まあ何はともあれ、かつての常識的な科学の時代に「宇宙の始まり」なんて概念はなかったんです。

その宇宙に「始まり」を作ったのが、現在の科学という「神話」です。

なので、上のほうに書きました、「日本神話で宇宙はどのように出現したのか」ということに関して、

『古事記』には天地がいかに創造されたかの記載はない。

とあり、そして、「日本神話で人類はどのように出現したのか」に関して、

『気が付いたら居た!』です。
日本神話は、そこら辺は、かなりいい加減(-_-;)

という「気づいたら人間がいた」というのは、いい加減ではなく、日本神話は非常に正確な科学の観点から描かれていることがわかります。

他の神話の中では、ギリシア神話が比較的それに近いですかね。創造神話によりますと、

ギリシア神話では、天地は神によって作られるものというより、むしろ神が天地そのものであり、神々の誕生の系譜がそのまま天地の由来とされる。

となっていまして、日本神話にも近いものがありそうです。

どちらもよくは知らないですが。

それにしても、話の逸脱がものすごいことになってしまいましたが、今回、本当は最初に書こうと思っていたのは、最近、「聖地と呼ばれる場所が災害などで被害を受ける」ことがとても多く感じるということでした。

他にもいろいろなところで、「聖地」と呼ばれるような場所で異変が起きたり、あるいは自然災害に見舞われたりしています。

しかし、それらのことはまたの機会にしまして、今回はあまりにも混沌とした展開になりましたので、ここまでとさせていただきます。

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Cold-Spell-Top.gif

▲ 2014年11月16日の News Max Climatologist: 30-Year Cold Spell Strikes Earth より。



地球はすでにミニ氷河期に入っていると述べる気候学者

これまで地球寒冷化についての記事はかなり書いてきたように思うのですが、今回は、かつて、 NASA のコンサルタントを務めていた気候学者が、

「すでに地球は数十年続く寒冷期に突入している」

ということを記した著作の内容と著者のインタビューがアメリカのメディアで報じられていましたので、ご紹介したいと思います。

下の写真の左側の方がその気候学者のジョン・L・ケイシーさんです。

John-L-Casey.jpg
・News Max

この方は、NASA のスペースシャトルのエンジニアを務めていたこともある方で、現在は、宇宙科学研究所というところの代表だそう。

NASA の科学者が地球の寒冷化について言及したといえば、今から3年前の記事ですが、

あらかじめ予測されていた小氷河期の到来
 2011年11月07日

で、 NASA のマーシャル宇宙飛行センターの太陽物理学者デイビッド・ハザウェイ博士のインタビューを翻訳して載せたことがあります。

もっとも、ハザウェイ博士は、「地球が寒冷化する」と言っていたわけではなく、「今後、太陽活動が大きく低下する可能性がある」ということを言っていたわだけで、決して今後の気象に言及していたわけではないのですが、今回ご紹介するケイシー氏も「太陽活動が著しく低下する」というところまでは同じで、

その結果として、地球は 2030年代をピークとする数十年続く寒冷期に入るだろう

と述べています。

ただ、ケイシー氏は、地球の気温を左右する要因のほとんどを太陽活動が占めている、というようなことを述べているのですが、このあたりは、実際には現代の科学ではわかっていない部分が多いと思われます。

たとえば、

あらかじめ予測されていた小氷河期の到来(5) 地球の天候への太陽の影響
 2011年11月14日

では、NASA のハザウェイ博士は、インタビューの質問に対して以下のように述べています。

[記者からの質問] もし、太陽活動がサイクル25から極小期に入るとすると、気候は氷河期に戻ってしまうのでしょうか?

[返答] その質問に対しては、「太陽が気候にどのくらい影響するものなのか」ということがはっきりとしていなければ答えられないのです。たとえば、太陽が気候に影響する度合いは 10パーセント程度なのか、それとも、 50パーセント以上影響するのか。

それは現在でもまだわかっていないのです。



[記者からの質問] 太陽は太陽系の中で唯一、熱を与えているものなので、地球の気候にも大きな影響を及ぼすのではないのでしょうか?

[返答] 仮にそうだとしても、その割合を誰も知りません。

現在わかっていることは、地球が受ける太陽のエネルギーの変化というのは、少なくとも、光度、温度については、1パーセントの10分の1程度しか受けていないということがあります。

このようなこともあり、現在では、地球上に与える影響として他のさまざまな要素を考えることが多くなっています。たとえば、宇宙線や高層大気の化学的変化などです。

現在では、雲の生成が宇宙線と関係している可能性が出てきており、「雲の存在」は地球の気候に大きく関係します。

太陽からの紫外線などのエネルギーがどれだけ変化しても、雲などの影響のほうが地球の天候に大きな影響を与える可能性があるということです。

ということで、地球の気候、あるいは気温の大局的な変化がどのような原因によって起きているのかということは今でもほとんどわかっていないようなのです。

・太陽活動
・宇宙線


などの他に、火山活動を挙げる科学者も多いです。

上に「宇宙線」とありますが、宇宙線の量は長期的な雲の量と関係します。
雲が増えれば、気温は低下傾向となります。

宇宙線量の変化と地球の「雲」量の変化の相関関係
cosmic-ray-clouds2.gif


まだあまりにもわかっていないことが多く、今回ご紹介するケーシー氏のように「太陽活動が 90パーセント以上関与している」とするのは、ちょっと極端な意見の気はしますが、それでも、

「過去の太陽活動の極小期には地球は寒冷化していた」

ということは、少なくとも観測統計が存在する時代では事実です。

そして、現在の太陽活動は、最近数十年の中で最も弱いことも確定しています。

cycle-comparison3.gif

▲ 2014年11月11日の記事 太陽活動の過去と現在のデータが示す「新しい極小期」の到来の可能性と、新しい小氷期時代の始まりの可能性 より。


さらに、過去の小氷期、あるいは、太陽活動極小期の前は、

cycle11-13.gif
中世の温暖期と近世の小氷期における 太陽活動と気候変動 より。

という過去があり、そして、現在の太陽活動周期のサイクル24の期間は、13年、あるいはそれ以上となるのではないかということが、現在の活動ぶりを見ていますと確定的な気もします。

ですので、過去のデータ上では次の太陽活動は「非常に弱くなる」という可能性があります。

思えば、昨年9月にご紹介した英国デイリーメールの「地球は今、寒冷化へ」という記事をご紹介して以来、何度も記事にしてきた「地球寒冷化」の可能性。

cooling-2014.gif

▲ 2013年9月7日の Daily Mail より。


今、現実に世界がその方向に動いていることが実感され始めています。

北半球の各地の常軌を逸した寒さと早い大雪の報告は、報道で多く見聞きされると思いますが、今後数十年、これがさらに激しくなるとした場合、確かに私たちは、一種の試練の時代を過ごすことになるのかもしれません。

ちなみに、今回ご紹介する記事には「地球温暖化説のあやまち」についても出てきますが、これに関して、4年前の記事ですが、カリフォルニア大学の名誉教授が、「地球温暖化という欺瞞に我慢できなくなり」アメリカ物理学会を脱退した時に理事にあてた手紙の内容を訳したものを載せています。

地球温暖化と米国物理学会のありかたを非難して学会を脱退した科学者の辞表の全内容
 2010年10月10日

そこにはこのように書かれてあります。

私はアメリカ物理学会から脱退する辞意を君に表名したい。もちろん、大きな原因は地球温暖化詐欺だ。

こいつは文字通り、何兆ものドルを産みだし、数多くの科学者たちを堕落させた。そして、物理学会もその波に飲み込まれてしまった。物理学者としての長い人生の中で、私はこれほど成功した巨大な疑似科学的な詐欺を見たことがない。

地球温暖化説というものが産み出された「メカニズム」の真実は私にはわからないながらも、その理論そのものは、もはや崩壊に直面しているといって構わないと思います。

そんなわけで、翻訳記事はわりと長いですので、あまり余計なことを書かないうちに、ここから、元 NASA のケーシー氏を取り上げたアメリカの報道をご紹介したいと思います。

なお、記事中に出てくる「 1700年代後半から 1800年代始め頃までに記録された寒冷期」というのは、ダルトン極小期といわれる期間で、ダルトン極小期 - Wikipedia によりますと、

1790年から1830年まで続いた、太陽活動が低かった期間である。ダルトン極小期は、地球の気温が平均より低かった時期と一致している。

この期間に気温が平均よりも低かった正確な原因は分かっていない。

という時期でした。

ケーシー氏は、今、地球はすでにこのダルトン極小期のような時代に突入している、と言っていると考えていいと思われます。



Climatologist: 30-Year Cold Spell Strikes Earth
News Max 2014.11.16


気候学者:30年間続く寒冷期が地球を襲う


アメリカ全土で厄介な寒冷前線により、例年にはない早い冬の到来と、厳しい寒さに見舞われている。 それは、USAトゥディ紙が「観測記録上、最も雪が多く悲惨な寒さに見舞われている」と記述するほどのものだ。

そして、現実として、地球の天候パターンが今後数十年にわたって、このような状態に留まると考える気候学者がいる。

その気候学者は、ジョン・L・ケイシー( John L. Casey )氏で、彼はかつてのスペースシャトルのエンジニアであり、また、 NASA のコンサルタントを務めていた人物だ。

ケーシー氏は、『ダーク・ウインター:どのように太陽が30年間続く寒冷期の原因となるか』という挑発的なタイトルの著作を出した。


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この著作は、現在の地球は急激な気候変動の進行の中にあるが、それはアル・ゴア氏や他の環境活動家たちなどが述べることとはまったく反対の方向であると述べる。

ケーシー氏によれば、地球は寒冷化に入る。
しかも、急速に寒冷化に入るという。

科学者たちと政治指導者たちがすぐに行動しない限り、寒く、そして、暗い日々が迫っている。

現在の状況は、1700年代後半から 1800年代始め頃までに記録されたものと同じような低い気温の状態に向かっていることを示しているという。その時代に、太陽は、「太陽活動極小期」と呼ばれる状態が長く続き、そして、太陽活動が驚くほど低下した数十年であった。

このケーシー氏が言うことが正しければ、それは非常に悪いニュースであろう。

氏の著作『ダーク・ウインター』は、その「寒冷期の30年間」は、すでに始まっていると断じている。その上で、非常に低い気温の状態が続くことは、必然的に食糧不足へとつながっていき、結果として暴動や社会混乱が増える可能性を指摘する。

ケーシー氏は、「私たちがしなければならないことは、自然のサイクルを信用することです。太陽活動のサイクルは地球の気候を制御しており、新しい寒冷期が始まったという結論が出ているのです」と言う。

現在、ケーシー氏は、フロリダのオーランドにある宇宙科学研究所( Space and Science Research Corp )の代表を務めている。

彼のこの著作は、地球温暖化の正当性の誤りをも暴く。この 10年間、地球の海は冷却し続けられていることが報告され、そして、2007年からは、大気温度も同様に冷却されている。

「この著作にあるデータはかなり確実性の高いものです。あなたが過去 100年間の気温のグラフを見た場合、2007年から気温は急速に低下していることがおわかりになると思います。この時の急激な低下は、過去 100年で最大のものなのです」

しかし、実際にそのように地球がすでに寒冷化していたとするならば、メディアやエリート科学者たちはどのように「地球温暖化」理論を作り出せたのだろうか?

それに対して、ケーシー氏は、気候変動家たちは、単に自分たちの間違った理論に固執しているにすぎないことを示唆する。その間違った理論とは、地球の気温が大気中の温室効果ガスのレベルに対応するというものだ。

今のところ、ケーシー氏を支持する科学者の数は少なくないにも関わらず、科学者たちの多くは、ケーシー氏の理論を異端として酷評している。

ロシアの天体物理学者ハビブロ・I・アブダッザマトフ( Habibullo I. Abdussamatov )博士は、ケーシー氏よりも以前から地球がミニ氷河期に入ったと主張していた。

アブダッザマトフ博士は、地球の気候を作用するのは太陽活動、すなわち黒点だとしていて、ケーシー氏もこの点に同意している。太陽活動は、これまで 90パーセント以上の精度で地球の気温に対応してきたという。

いずれにしても、ケーシー氏は、地球温暖化の政策をアメリカ国家がとる限り、それは間違った方向に進んでおり、むしろ国を災害の方向へ導く準備をしていることを意味すると言う。

「オバマ政権の8年間は浪費の8年でした」と彼は言う。

地球寒冷化の最悪期は、2020年代の後半から 2030年代の前半になるだろうと、ケーシー氏は予測している。また、食糧が不足した場合、アメリカ政府は自国民の保護のため、農作物の輸出を禁止とするだろうとも述べた。

ケーシー氏がこの理論を見出したのは 2007年だった。

その時、ケーシー氏は、気温の上昇は3年以内に逆転を始め、そして、太陽活動の低下が始まるだろうと予測していた。現在までにその予測はすべて当たっている。

さらには、ケーシー氏は、長期間に渡る気温低下が、地球の地質上での悲惨な結果を招く効果を持つことにも言及する。

地球の大気と海洋気温の低下は、地球の地層に変化を与える始まりとなるという。それは結果として、より多くの火山活動や地震活動につながっていくだろう。

たとえば、氏は、前回の寒冷期には 1821年に、アメリカ国家史上で最悪の被害の地震となったニューマドリッド地震の例を引き合いに出した。

気候の変化はまた、人間の活動に影響を与えるのだという。この寒冷期が革命などの社会的変動の兆候となるかもしれないとも述べる。1789年のフランス革命は、太陽活動の極小期の始めに起きたことを例としてあげた。

「現在の地球に生きている人の中には、そのような深刻で長期間の寒さを経験したことのある人はいません。アメリカ人はさらに少ないのです。事態は深刻です」




(訳者注) この中に「しかも、急速に寒冷化に入る」という部分がありましたが、これは、

冬のカオス:凍てつくアメリカ、焼け付くオーストラリア、いまだに消滅し続けるヒトデ。そして「過去の小氷河期はたった数ヶ月の間に突入していた」という事実
 2014年11月21日

で、2009年のニューサイエンティストの記事をご紹介したことがあります。

mini-iceage-5.gif
New Scientist

1万2800年前に1300年も続いた小氷河期はたった数ヶ月のあいだに起き、定着した」ということなどからも、長期寒冷期やミニ氷河期には「あっという間に入る」というもののようです。

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2014年12月03日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





連続して次々と起き続ける地質的異変

今、アメリカの西北部あたりで、いろいろなことが起きています。

たとえば、11月27日に、オレゴン州のアルカライ湖( Alkali Lake )という湖の周囲の干潟に「一晩のうちに」巨大な亀裂ができたことが報じられました。

Alkali-Lake-cracks.gif
来たるべき地球のかたち


このことを含めて、非常に大ざっぱですが、最近のアメリカでは下の地域あたりの各所で、地質的なさまざまな出来事が起きています。

us-oregon-map.gif


亀裂を近くから撮影すると下のような状態です。

cracks-001.jpg
Earthfiles


この、「突如として長さ数十キロメートル」の亀裂が発生したアルカイラ湖から数キロ先のオレゴン州南部では 11月中旬に突如として群発地震が始まり、それから次第に激化していっているようです。

oregon-swarm.gif

▲ 2014年11月17日の米国 KOIN6 より。


また、やはりアルカイラ湖に近いカリフォルニア州のセダービルというところでも、11月21日頃から群発地震が続いているようです。

さらに、オレゴン州と隣接するネバダ州のシェルドン国立野生動物保護区という地域では、7月に始まった群発地震が、11月に入り激化しています。

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▲ 2014年11月7日の CBS ニュースより。


このネバダ州の地震は、 CNN によりますと、

米地質調査所(USGS)もこれらの群発地震を定期的に観測している。小さな振動は数千回に達しているという。

今年9月にはカリフォルニア州南東部で約2日の間、約500回の小規模地震を記録。最大ではマグニチュード3.8を観測した。

ネバダ州の群発地震では10月30日以降、活動が強まっており、マグニチュード4以上の揺れは3回あった。今月4日にはマグニチュード4.6を記録した。

というように、次第に勢いを増しています。アメリカ地質調査所は、この兆候は必ずしも大地震の発生の前触れを意味してはいないとしながらも、事前の備えを講じることを勧告しています。

このネバダ州の群発地震は、ネバダ州地震学研究所のデータを見ますと、下の位置で起きていて、現在も続いているようです。

nevada-001.gif


下は地図を拡大したもので、その回数の激しさがよくわかります。

nevada-002.gif
Nevada Seismological Laboratory


そんなような不安定な地質イベントが続く中、日本時間の 12月2日、アリゾナ州のセドナという町で、マグニチュード4.7の地震が発生しました。

sedona-earthquake.gif

▲ 2014年12月1日 U.S. News より。


マグニチュード4.7程度の地震は、日本では日常的に起きる何ということのない規模の地震ですが、アリゾナ州では珍しく、米国のメディアでは大きく取り上げています。

ここまで挙げたものの位置関係を示しますと、それぞれ大体ですが、下の位置となります。

us-earthquake-201411.gif


さて。

これらが何を意味していて、これから何が起きるのか……というようなことは何もわかることではないことは過去からの体験ではっきりとしていますが、それにしても、アメリカはここ2年ほど、本当にいろいろなことが起きています。




2012年頃から、あまりにもいろいろなことが起きているアメリカ

上のほうに、オレゴン州で「一夜にして巨大な亀裂ができた」ことをについてふれていますが、今年の8月に、メキシコでも「一夜にして数キロメートルにわたる亀裂が出現した」という出来事が起きたことを、

地球を動かしているものは何か : 一夜にして出現したメキシコの断層…
 2014年08月25日

という記事でご紹介しました。

下のような巨大な亀裂です。

mexico-f2.jpg
Expreso

そして、この出来事があった 2014年 8月15日前後から、アメリカの西海岸に沿って、様々な地質的イベントが発生しました。断層やプレートから見ると、それぞれが比較的つながりのある場所です。

us-event-20140815.gif


それより少し前の、

「リュウグウノツカイ」と「サンアンドレアス断層」と「カリフォルニア沖でのメタンの噴出」が一本のライン上につながった時に一体何が起きるのだろう
 2014年04月11日

という記事では、2013年から今年 4月までの「アメリカ周辺の海の異変」について書いたことがありました。

us-sea-map33.gif

上の図にある中で、ヒトデの大量死に関しては、最近の記事「冬のカオス…」で、2013年から現在にかけて、いまもなおヒトデの大量死が続いていることにふれていますが、とにかく、あらゆる方面で、

「アメリカはいろいろと何だか変」

な感じが続いているのです。

また、地球の磁場がどんどん弱くなっているのですが、中でも「アメリカ周辺の磁場の急速な弱まり方は異常」だということが、欧州宇宙機関( ESA )の地球磁場観測でわかったことを、

急速に消えていく地球の磁場…
 2014年07月15日

という記事などで書いています。

下のように、南北アメリカ大陸の周囲が濃い青になっていますが、これはこの地域の磁場が「急速に弱くなっている」ことを示します。

magnetic-2014-jun55.gif


さらに、「異常な音や振動」も、最近は規模が大きくなっています。

2014年 11月30日の英国デイリーメールの、

Mystery of the loud boom that shook homes over upstate New York AND the UK at exactly the same time despite being 3,000 miles apart
4800キロメートルも離れているにもかかわらず、全く同時にニューヨーク州北部とイギリスで家庭を揺さぶった震動と轟音の謎)

という記事。

これはそのうち詳しくご紹介するかもしれないですが、下のように遠く離れたアメリカとイギリスで同時に「大きな音と震動」を多くの人が感じた、というものです。

uk-us-boom.gif


これも今のところは何が起きたのかまったく見当がつかないようなのですが、その音(震動)を聞いた人の数があまりにも多く、

「何かはわからないけれど、実際に何か起きていた」

ということは確かなようです。

様々な観測や現象から見て、アメリカはこの2年ほどで様々な異常が集中してきているような「感じ」がしなくはないでしょうか。

もちろん、これらの現象やデータは何の異常でもなく、何の前触れでもないかもしれません。
しかし、何かの未来の現象を予兆しているものかもしれない。

それは実際に未来になってみないと、何もわかるものではないことは確かです。

それでも最近は……何というのか、地球の歪みが次第に表面に見えるようになってきているような気もしています。

もちろん異変が起きているのはアメリカだけではないですが、特にアメリカには、次第に環境的な緊張が高まっている気がします。

今回は起きていることを羅列するだけというような感じとなってしまいましたが、最近のアメリカでは、イエローストーンに絡めたものなど、いろいろな記事が出ていますので、ご紹介できる時にはしたいと思っています。

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2014年12月02日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





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▲ 『仁義なき戦い』(1973年)で、菅原文太さんが復員兵で最初に登場するシーン。広島抗争の中心人物の一人である美能幸三という実在の人物を演じました。話も実際にあったことです。



今年 50回以上は見た文太さんが残した偉大な娯楽作品

昨年までそんなことはなかったのですが、なぜか今年のはじめから『仁義なき戦い』シリーズ(深作欣二監督・菅原文太主演の初期5部作のみ)が見たくて仕方なくなり、 DVD やビデオを立ち続けに購入して、夜にお酒を飲みながら何度も何度も見ていました。

若い時もレンタルビデオで見ていたことはありますが、こんなに何度も繰り返して見たのは、今年がはじめてのことだったと思います。

それだけに、今年は菅原文太さんに対しての思い入れはわりと強かった中で、昨日亡くなったニュースを知りました。その夜はテレビニュースも見たんですが、 20日ほど前に亡くなった高倉健さんより明らかに扱いが小さく、「そんなもんなのかなあ」と思いました。

ところで、ニュースなどでは『仁義なき戦い』や『トラック野郎』ばかり取り上げられていましたが、実は文太さんは日本映画史上で歴史に残る名作に出演しています。

それは、1979年の長谷川和彦監督による『太陽を盗んだ男』という映画です。

このストーリーは、

「東海村からプルトニウムを盗んで原爆を作り、日本政府を脅す」

という当時でもギリギリのストーリーの映画で、教師役を当時人気絶頂だった沢田研二が演じ、犯人を追う警部を菅原文太が務めた映画でした。ダブル主演といっていいと思います。

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▲ 『太陽を盗んだ男』より。沢田研二は中学の教師役。


この映画はですねえ……。

見たのが若かった時だったということもあるのでしょうけれど、感想としては、 Amazon の『太陽を盗んだ男』 DVD ページにあるレビューの下のコメントの人と同じような感じだったと思います。

シャレにならないくらい秀逸な無軌道性

友人に薦められて観た。

あまり期待しないで観たが、観終えた時、脳がヒリヒリして、1000本に1本の秀作と出会ってしまった時の、あの放心状態を久々に味わうことができた。

職務に全く無気力な中学教師の学校での世捨てぶりと、プルトニウムを手に入れ、自室で原爆を造る段階の恐ろしい集中の度合いとの対比が、たまらなく面白い。

湧き上がる衝動で原爆を完成させ、政府に要求を突きつけるまでの完璧なシナリオを実現できたにも関わらず、自分の要求自体が曖昧で、逆に「何をしたいのか分からない」という自分への問いを投げかけられる主人公。

主人公には「思想も目的」も無い。「衝動」だけがある。

それは「この街はとっくに死んでいる」と自ら見切りをつけた「神」からの、孤独で息苦しい「罰」でもある。

このレビューの最後のほうの、

> 主人公には「思想も目的」も無い。「衝動」だけがある。

この「衝動だけがある」というのが、当時の時期の社会全体の雰囲気だったように思います。

その上にある、「何をしたいのか分からない」という自分への問いを投げかけられるというのも、私を含めた当時の若者の多くが経験していたことのように思います。

この『太陽を盗んだ男』の中に、教師役のジュリーがラジオ局に電話して、

「原爆を持ってるけど、これで何をしたいかが分からない」

と DJ に問いかける言葉がこの映画のすべてを象徴していました。

「何も欲しくないし、要求もないけれど、衝動だけある」

何しろ映画では、原爆が完成したものの、主人公の教師は「政府に何を要求すればいいのかまでは考えていなかった」のです(笑)。

それで結局、ジュリーが日本政府に「原爆を爆発させない条件」として要求したのは、

・1番目の要求 「プロ野球のナイターを試合の最後まで中継すること」
・2番目の要求 「ローリング・ストーンズ日本公演」
・3番目の要求 「現金5億円を渋谷のビルの上からばら撒く」


でした。

当時、プロ野球中継は9時ちょうどで終わっていたので、それを「試合終了まで放映しろ」と。政府は要求を飲んで、巨人対大洋戦は試合終了までテレビ放映されたのでした(笑)。

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▲ 『太陽を盗んだ男』より。現実の世界で、ローリング・ストーンズが日本に初来日したのは、映画の 11年後の 1990年です。


下の動画は予告編です。

「太陽を盗んだ男」予告編




どうでもいいことですが、この 1979年という時期は第 21太陽活動周期(サイクル21)の活動最大期でもありました。それだけに、この頃(1978年〜1980年頃)の音楽の世界ではパンクが台頭し、映画の世界でも数々の無軌道な作品が世界中で登場した本当に刺激的な時代でした。

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▲ In Deep 過去記事「 5月17日に地球の周囲で何が起きていたのか?」より。


もはや、この『太陽を盗んだ男』のような映画が作られることはないと思います。

この映画は、かなりの数の俳優や表現家たちに相当な刺激を与えた作品でもありました。太陽を盗んだ男 - Wikipedia の中に「後世への影響」というセクションがあり、そこに、この映画が好き、あるいはこの映画に影響を受けた俳優や有名人たちの名前が列挙されていますが、一般の人々でもこの映画に影響を受けた人は大変に多かったと思います。

この映画の主役に沢田研二を選んだのは、菅原文太さんその人でした。

ちなみに、この『太陽を盗んだ男』は、キネマ旬報が 2009年に選出した「オールタイムベスト映画遺産 200 日本映画篇」において7位に選出されていますが、上位 10作品のうち 1960年代以降の映画は3作品しかなく、その中の2本が菅原文太さん主演です。

オールタイムベスト映画遺産 200 日本映画篇 上位10作品

第1位 東京物語 (1953年)
第2位 七人の侍 (1954年)
第3位 浮雲 (1955年)
第4位 幕末太陽傳 (1957年)
第5位 仁義なき戦い (1973年)
第6位 二十四の瞳 (1954年)
第7位 羅生門 (1950年)
第7位 丹下左膳餘話 百萬兩の壷 (1935年)
第7位 太陽を盗んだ男 (1979年)
第7位 家族ゲーム (1983年)


1960年代以降の映画は、仁義なき戦いと、太陽を盗んだ男、家族ゲームだけで、そのうちの、仁義なき戦いと太陽を盗んだ男に文太さんが絡んでいるというだけでも、この菅原文太という人物が、現代の日本映画に大変な影響を与えた人、あるいは与える宿命にあった人であることがおわかりかと思います。

それにしても、この「映画遺産 200 日本映画編」の上位は古い映画が多いですね。

第1位の小津安二郎『東京物語』に特に異議はないですけれど、この映画でさえも、昭和 28年ということは、私の生まれる10年前の映画。・・・ということは、『東京物語』を公開時に映画館で見ていた人の現在の年齢は、80代以上くらいですかね。

しかしそれだけに、このランキングに『仁義なき戦い』と『太陽を盗んだ男』という現代作品2本が入っているというのは、それだけ映画が社会や心理に与えた影響の大きさを感じます。

ちなみに、『太陽を盗んだ男』はヒットしませんでした

後から少しずつ評価が高まった映画だと思います。

この「後から少しずつ評価が高まる」というのは、1999年のアメリカ映画『ファイト・クラブ』なんかと似たようなもんですかね。

映画『ファイト・クラブ』は、日々の生きがいを見失っていた男が、「殴り合いをすること」で、初めて生きる実感を感じていき、そのような人々が次々と彼のもとに集まり、最終的にその組織は、

「アメリカ金融街ビルをすべて爆破し、この世から消滅させる」

という計画の実行にまで至るストーリーで、太陽を盗んだ男の「生きる目的を見失った青年教師が原爆で日本政府を脅すことにより生きている実感を取り戻す」というあたりとやや似ている感じもなくもないです。

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いつのまにか消えていた「自由」という概念

上の方に「太陽を盗んだ男のような映画はもう作られることはないと思います」と書きましたけれど、これは、うまくは説明できないんですけれど、規模だとかストーリーとかのことではないんです。

私たちの今の社会(あるいは世界の多くの社会)は、「表現の自由」というような言葉を平気で使って、何となく、そういうものが存在しているように感じている場合もあるかもしれないですが、実際には、そんなものは今はないです。

こうなった理由は、明文化されている表現規制のせいではなく、

「人々から他人に対する寛容性が消えていったため」

だと私は思っています。

あるいは、「自分と違う価値観は認めない」という人が増えたことも関係あるのかもしれません。

インターネット上などでも、有名人あるいは普通の人に対して、少しでも社会的感覚から逸脱したようなことを書いたりすると、いっせいに袋だたきに遭うのが普通の光景となっています。

専門用語で「炎上」とか「フルボッコ」というやつですね(専門用語なのかよ)。

表現の世界でも今ではそれは同じだと思います。

自分が正しいと思う社会的通念から外れたものに対して、「自分は好きではなくても、そういう考えも生き方もあるだろうね」というのではなく、それを叩いて叩いて、そして消滅させる

こういう風潮が当たり前のようになっています。

じゃあ昔は自由があったのかと言われますと、何とも言えないですが、自分自身の十代から三十代くらいまでの社会の「空気」を思い出しますと、あくまでも個人的な見解としてですが、「当時はあった」といえます。

そういえば、先日、日本経済新聞のコラム記事に、小島慶子さんという方の文章がありました。
小島さんという方がどんな方かは私は知りませんが、そのコラムは、

「勉強しないとああなるわよ」は最低だ
 日本経済新聞 2014.12.01

というタイトルの記事で、3ページにわたるわりと長いものですので、全文は上のリンクからお読みいただくとして、その中に、

> どうしてこうなったのだろう。なぜこんなに不寛容で偏狭な意見が大きな顔でまかり通る世の中なのだろう。

という下りがあります。

この小島さんという方の文章の内容全体について賛同するというわけではないにしても、このフレーズには非常に「そうだよなあ」というように思います。

ちなみに、その文章の中に、

以前、こんな母親がいた。転勤先のニューヨークの街角で清掃をする黒人を指差して、小学生の子どもにこう言ったそうだ。「見なさい、勉強しないとああなっちゃうのよ」(略)

人が嫌がる仕事をするしか生きる方法のない人がいるのはなぜなのかと考えようとしないのだろうか。彼と自分の違いが何であるかではなく、なぜそんな違いが生まれるのかを問い、その理不尽な現実に対して、自分にできることがあるのだろうか? と問うたことはあるのだろうか。

という下りがあります。

ちなみに、「見なさい、勉強しないとああなっちゃうのよ」というのは、アメリカ在住の日本人の言葉です。

この「他人と自分」というものについて、「それはまったく関係のないもの」として考える人が多いのは事実だろうと思います。

理想的な考え方のひとつとされる場合もある、「人間全体をひとつのものとして考える」という状況とは「まったく反対の考え方が普通」の世の中で、そりゃまあ、夢のようなパラダイスな社会が実現するわけもないわけで。

ちなみに、上の小島さんという方の言葉は、部分的に、ルドルフ・シュタイナーの著作『いかにして高次の世界を認識するか』の中に神秘学の訓練として出てくる「例え」とも、やや似ています。

「神秘学の訓練のための条件」という章に、神秘学の学徒になるための7つの条件が記されています。その中の第2の条件は、

「自分自身を生命全体の1部分と感じること」

というものです。
抜粋します。

シュタイナー著『いかにして高次の世界を認識するか』

神秘学の訓練のための条件より

たとえば、このような考え方をすることによって、私たちは、いままでとはまったく異なった方法で犯罪者に目を向けることができるようになります。私たちは、自分自身の判断を差し控えて、次のように考えます。

「私も、この人と同じような1人の人間に過ぎない。もしかすると、ただ環境が与えてくれた教育のおかげで、私はこの人のような運命に陥らないですんだのかもしれない」。

私たちは「この人から奪われたものが、私には与えられた。私がよいものをもっているのは、それはこの人から奪われたおかげである」と考えます。すると、私たちは、「私は全人類の1部分である。私は、生じるすべての事柄に関して、全人類とともに責任を負っている」という考えに近づきます。

ここに、

> 「生じるすべての事柄に関して、全人類とともに責任を負っている」という考え

とありますが、同時に、シュタイナーは「他人、あるいは他人の思考や行動に対して、その善悪の判断をしない」ことを教えています。

これは先日の記事、

西洋版コックリさん「ウィジャボード」が英米の若者たちの間で爆発的に流行している背景と「悪魔の増加」の関係
 2014年11月30日

などでも書いた、「悪も善も根源は同じなのだから、悪を憎んではいけない」というようなこととも似ている気がします。

まあ、私自身が「善悪の判断の価値観がずいぶんと他の人と違う」部分はあって、それだけに、自分で、たとえば事件などに対して「善悪の判断」はしません。というか、できません。

法律を破った犯罪に対しても、「法律と、個人の善悪」は比例しないのですから、「捕まったから悪い人間」というようにはどうも考えることが難しいのです。

それはともかく、先の小島さんの文章は、全体としては「寛容性のない人を糾弾する姿勢」が、わりと見られまして、この「糾弾」というようなことに関しては、シュタイナーが「してはいけないこと」としていることですので、小島さんという方の今回の文章は、ひとつの内容の中に「シュタイナーの記述と沿った内容」と「真逆の内容」がひとつになっているという点では興味深いです。

その「真逆の内容」は、先のシュタイナーの文章の続きとなっていて、以下のようになります。

『いかにして高次の世界を認識するか』より(先ほどの続きの部分)

ここで述べられているような考え方に関して、人類全体に普遍的な要求をつきつけても、何の成果も得られません。人間はどうあるべきか、ということについて判断を下すのは容易ですが、神秘学の学徒は、このような表面的な部分においてではなく、もっと深い部分において活動しなくてはならないのです。

ですから、ここで神秘学の学徒に求められている事柄を、何らかのうわべだけの政治的な要求と結びつけるならば(このような態度は神秘学徒とは無関係です)、私たちは間違ったことをしていることになります。

要するに、他人や人類全体に対して、

「あなたたちはこのようにするべきだ」

というような要求や意見といったものは高次の世界の意識を獲得するためには「してはいけないこと」のようです。

何だかもう話の展開がぐちゃぐちゃになってきましたが、現在のような「人々の寛容性の薄れた社会」では、あらゆる表現において、本当の意味での自由は生まれにくいということを書こうとしているうちに文脈が破綻してしまったとお考え下されば幸いです。

仮に今、『太陽を盗んだ男』がリメイクされたとしても、ハリウッド映画や韓国アクション映画のごとき大層な映像作品としては作ることができても、

「見た後に脳がクラクラするような虚脱感を伴う快感」

を与える映画なんて、もう絶対に作られることはないような気がします。

あるいは、さきほどの「オールタイムベスト映画遺産 200 日本映画篇」の上位 10位の年代だけを見ますと、

第1位 1953年 昭和28年
第2位 1954年 昭和29年
第3位 1955年 昭和30年
第4位 1957年 昭和32年
第5位 1973年 昭和48年(仁義なき戦い)
第6位 1954年 昭和29年
第7位 1950年 昭和25年
第7位 1935年 昭和10年
第7位 1979年 昭和54年(太陽を盗んだ男)
第7位 1983年 昭和58年



というようなことになっていて、興行収入とかそういうものとは関係なく、日本の映画はずいぶんと前から死んでしまっていたものなのかもしれないですけれど。

ちなみに、『太陽を盗んだ男』と同時上映されたのは、 2009年に亡くなった山田辰夫さんが主演の『狂い咲きサンダーロード』でした。

なんかこう……思い出を美化しているというのも含まれているかもしれないですが、いい時代に十代を過ごせたと思います。ちょっと遅れて生まれていたら、こういうようなすべての「自由」を知らずに過ごしていたかもしれません。

そんな意味では、今の世の中は自分にとって娯楽になるものが少なくて厳しいものがありますけれど、これは天からの「もう娯楽は不要」というメッセージなのかもしれません。


ところで、『太陽を盗んだ男』のラスト・・・。
菅原文太さん演じた山下警部は、中学教師が作った原爆から東京を救えたのでしょうか?

書くとネタバレなので書きませんが、「ドーン」(書いてるだろ)。

それにしても、高倉健さんと菅原文太さんがほぼ同時期に亡くなるなんて、日本の終わりの徴(しるし)のような感じもしますね。

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2014年12月01日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





earth-shield-top2.gif

▲ 2014年11月26日のコロラド大学 ニュースリリースより。




地球を保護する奇跡的なメカニズムのおかげで私たちは生きている

地球という惑星は「太陽系の他の惑星には見られないようなメカニズムで生命が保護されている」ということについては、これまでも書いたことがあるかもしれません。

宇宙からはいろいろなものが降り注いでいるわけですけれど、中にはダイレクトに地表に降り注ぐと、生命に害のあるものも多いとされています。

母なる太陽にしても、太陽風プラズマという、科学的な説明では「電子と陽子が分離してイオン化したプラズマ粒子のガス」という温度 100万度のそういうようなものを常に地球に向けて吹きつけているとされています。

こういう環境の宇宙空間では、地球に何らかの「バリア」がなければ、地球の生命は維持されないのですが、「地球の磁場」が私たちを保護する役割を果たしています。

イメージとしては下のように地球は、磁場によって防護されています。

Magnetosphere_rendition2.gif
Geomagnetic storm

これらは、地球に磁場があるからこその防護であるわけで、もし地球から磁場が消えた時には、この最大の宇宙からの防御システムが消滅するわけです。

その場合、どのようなことになるのかは実は誰にもわからないのですが、それでも、何らかの影響や被害は出るものだと考えるのが一般的です。

とはいっても、地球滅亡だの人類の終わりだの、そういうような概念での何かとの関連は「ない」と私は考えています。なぜなら、かつての地球では「磁場は何度か消滅していた」という可能性があり、それでも、地球の生命は哺乳類を含めて生存し続けているからです。



過去の地球で何度も起きていたかもしれない磁場の消失

磁場が消滅していたかもしれないと考える理由は、過去の地球は何度か「磁極の逆転」を起こしていたことが現在ではわかっていることと関係しています。

下は、気象庁地磁気観測所にある表を見やすくしたもので、黒い場所と白い場所は、それぞれN極とS極を現しています。その位置が時代によって色が違うということは、過去 358万年のあいだに、何度もN極とS極が入れ替わっているとことを示します。

mag-rev-3.gif


過去の地球では比較的短い間に何度も磁場の逆転が起きていたことがわかります。

この気象庁のサイトには、

78万年前N極とS極は逆転しており、また少なくとも過去360万年の間に11回は逆転したと考えられています。

とあります。

過去 358万年でこれだけ起きているのなら、この範囲を何千万年とか何億年とかに広げれば、「地球は日常的に磁極を逆転させてきた」と言っても差し支えないかと思われます。

ちなみに、上の鮮新世とか新第三紀とかは、聞き慣れない単語ですが、地質時代の名称だそう。


この磁場の逆転と、地球の磁場の関係については、一般的に、

磁極が反転する時には一時的に地球の磁場がゼロになる

とされています。

この「されています」というのは、それは磁極の逆転が起きてみないと、そうなるのかどうかは誰にもわからないからです。

しかし、ともかく、仮にその説が正しく、「磁極の反転の際に、地球の磁場がゼロになる」のだとすれば、過去の磁極の反転の時代に地球に生きていた過去の生物たちは何らかの影響を受けていたはすです。

しかし、この地球上の記録では、6550万年くらい前に、恐竜などをはじめてとして、地球の生物の70パーセント程度が絶滅した K-T境界と呼ばれる時代の大量絶滅以降、地球の生物の大量絶滅は確認されていないという事実があります。

なので、仮に地球の磁極が逆転して(その時期はわりと近いと私は思っています)、その時に地球の磁場が消滅して、「地球の防御が消滅」という事態になっても、絶滅イベントが起きることではないはずです。

では何が起きる可能性があるのか。

それは、生命の消滅のほうではなく、「文明の消滅」の可能性です。




磁場の消失で起き得る電気文明の終焉

過去記事の、

急速に消えていく地球の磁場 : 地球の「磁場の反転」は今すぐにでも起きる可能性を示唆する ESA の科学者の言葉
 2014年07月15日

の中で翻訳してご紹介したアメリカの科学サイト「ライブサイエンス」の Earth's Magnetic Field Is Weakening 10 Times Faster Now(地球の磁場は現在 10倍の速度で弱まっていっている)という記事では、欧州宇宙機関( ESA )の地球磁場観測ミッションのスウォーム( SWARM )により、地球の磁場が、それまで考えられていたよりはるかに速いペースで減少していることがわかったということが記されていると共に、その記事には、

地球の磁場が弱められたからといって、それが地球に大量絶滅などのような終末的な現象をもたらすという証拠はない。過去の磁場の反転時に大量絶滅は起きてはいないし、地球上が放射線で壊滅的な影響を受けた形跡も見当たらない。

ただ、それでも、研究者たちは、電力網と通信システムが危険にさらされる可能性は高いと考えている。

とあります。

宇宙空間は、「地球の電気通信システムに壊滅的なダメージを与える電子やら宇宙放射線やらが無数に行き交っている」わけで、地球も常にそれにさらされ続けているわけです。

人口衛星などの宇宙の機器にはそれに対応している防御システムがある(それでも、ときにダメージを受けます)ので、宇宙空間でも稼働しているのでしょうが、地球上の電気通信インフラで「宇宙対策」などしているものなどないはずです。

もし、磁場の保護がなくなり、「地球が丸裸の状態になってしまった場合」には、現在の電気系統に頼る文明システムは一時的かもしれないですが、大きなダメージを受けるか、あるいは存続不可能になる可能性もあるように思います。

そして、上にリンクした記事でも示しましたが、現在、磁場が加速度的に弱くなっています。

下の図は、2014年 6月までの半年間の地球の磁場の強度の変化です。
青色が濃いところになるほど「磁場が弱くなっている」ことを示します。

magnetic-2014-jun3.gif
・Livescience

北米大陸の周辺の磁場の弱体化が著しいです。

また、欧州宇宙機関の観測によって、

現在、従来考えられていたより 10倍の速度で地球の磁場の弱体化が進行している

ことも確認されています。

これは、 2000年頃から磁場の弱くなる速度が加速しているという理解でいいと思われます。

下のグラフはいい加減に作ったもので、正確なものでも何でもないですが、イメージとしてはこのように、最近は以前より 10倍の速度で磁場が弱くなっているのです。

simulation-mag-2.gif


磁場が弱くなることによって、地球の電気や通信のインフラがダメージを受けるかもしれないことは、以前から指摘されていて、今年2月の、

地球の磁気圏が崩壊を始めた : 英国の科学者たちが地球の大規模な磁場の衰退と、それに伴う磁気圏の崩壊と気候の大きな変動を警告
 2014年02月05日

という記事では、下の英国デイリーメールの記事をご紹介しました。

magnetsphere-collapse.gif

▲ 2014年1月27日の英国 Daily Mail より。


上の記事で、英国リバプール大学の科学者リチャード・ホルム( Richard Holme )教授は、以下のように述べています。

「深刻な事態です。あなたの生活から数ヶ月間、電力が消え去る事態を想像してみるとよいかと思います。今の生活はどんな些細なことでも、電力なしでは成りっていないことに気づかれると思います」

そして、この現在、磁場が弱くなっていることに対して、欧州宇宙機関の科学者ルーン・フロバーガーゲン( Rune Floberghagen )博士は、ライブサイエンスのインタビューで、

「これは地球の磁場が反転する前段階かもしれない」

と述べています。

このまま地球の磁場が加速度的に弱くなり、それが「ゼロ」に近づいた時、あるいは、「磁極が逆転した時」、地球の防護はどうなるのだろうということは多くの人が考えることです。

しかし、すべては起きてみないとわからないことで、磁極が反転して、地球の磁場が何ヶ月かゼロになっても、何も変わらないかもしれないし、あるいは、「ひとつの文明が終焉に向かう」ということもあるかもしれないですし、それは多分、世界のどの科学者も明快な答えは持っていないと思われます。




そして新たに発見された地球のシールド

そんな中で、「地球に新たな防御シールドがあることが発見された」という記事が今回ご紹介するものです。

発見された「シールド」をイメージ化したのが下のイラストです。

shields.jpg


これがなぜ存在していて、どんな性質のものなのかの詳細はわかっていないですが、「キラー電子」と呼ばれる電子の防御壁になっていることについてはわかったのです。

キラー電子というのは俗称で、人工衛星や宇宙飛行士の健康などにもダメージを与えるとされている電子で、それがこの「バリア」で、すべて弾かれていることがわかったというものです。

つまり、「地球を電子から守ってくれている防御シールド」が存在したということが新たにわかったということのようです。

なお、このコロラド大学の記事のタイトルにある「スター・トレックのシールド」というのは、アメリカで 1966年から放映されていたテレビドラマ「スター・トレック」に出て来る宇宙船 U.S.S.エンタープライズ号に搭載されている「デフレクター・シールド」というバリアのことを言っているのだと思います。

enterprize-01.jpg
Trek Annoyances

これが必要な理由は、戦闘用というより、デフレクター盤 - Wikipedia にある、

宇宙空間には、デブリと呼ばれるいわば『ごみ』が無数に漂っていて、数kmの小惑星サイズから水素原子ほどの超微小なものまで様々ある。

惑星連邦の宇宙艦のように、光速を越えるスピード(=ワープ)で移動する物体にとっては、水素原子のような微小なものでも自らを破壊する脅威となる。その危険性から艦を守るための装置がデフレクター盤である。

という説明のほうが妥当だと思われます。

ちなみに、私が見たことのあるスター・トレックは 1960年代のものだけですが、小学生の高学年か中学1年くらいの時に、『宇宙大作戦』というタイトルで再放送されていたものをよく見ました。

ドラマの時代設定は西暦 2264年頃で、地球からはすべての差別が消えている時代の宇宙開拓を描いた「理想の未来」を描いたドラマでした。

オープニングの、

「宇宙、それは人類に残された最後の開拓地である。そこには人類の想像を絶する新しい文明、新しい生命が待ち受けているに違いない」

というナレーションで始まるこの番組をワクワクして見ていました。

この宇宙大作戦を見て以来、アメリカのドラマに興味が湧きまして、中学時代は結構アメリカのドラマを見ていました。

特に 1974年から放映された『事件記者コルチャック』は、新聞記者のドラマなのに、取材する事件が、亡霊、狼男、ゾンビ、吸血鬼、地底怪物、宇宙からやってきた謎の生物と、オカルトやスビリチュアリズムなどを題材にしながらも、それをお笑いペースで進めていくという離れ業をやってのけた傑作ドラマでした。

五芒星と悪魔の関係とか、ブードゥー教とゾンビの関係なんてのは、事件記者コルチャックで初めて知りました。

今もたまに見たいなあと思うんですが、 DVD はどうやら、ややプレミア状態で価格が下がらないのですよ。
Amazon ではいまだに中古ですら7万円以上。

Kolchak-dvd.gif
Amazon

いくら思い出の作品だとしても、購入するには躊躇する価格です。

そんなわけで、何だかとんでもない話の逸脱をしてしまいましたが、コロラド大学のニュースリリースをご紹介します。

このニュースは、科学者たちには不可解なことのようですが、もしかすると、地球の周囲には、まだ発見されていない「保護してくれている何か」が存在している可能性もあるのかもしれません。



Star Trek-like invisible shield found thousands of miles above Earth
コロラド大学 ニュースリリース 2014.11.26


地球の数千キロ上空にスター・トレックに出てくるような見えないシールドが発見される


米国コロラド大学ボールダー校が率いる研究チームは、地球上空約 7200マイル(約 1万1000キロメートル)に見えないシールドが存在していることを発見した。

これは、いわゆる「キラー電子( killer electrons )」と言われる電子を遮る役割を持っていることがわかった。キラー電子は、地球の周囲を光速に近い速度でまわっており、宇宙飛行士や人工衛星などにダメージを与えることが知られている。このキラー電子への「バリア」がヴァン・アレン放射線帯で発見されたのだ。

ボルダー大気宇宙物理学研究所( LASP )のダニエル・ベーカー( Daniel Baker )名誉教授によれば、このバリアは、地球上空に2つのドーナツ状のリングの形で存在し、高エネルギー電子と陽子で満ちているという。

ヴァン・アレン放射線帯は、地球の磁場により適所に保持され、定期的に膨張し、太陽からのエネルギーの遮断に応じて縮小する。

ヴァン・アレン放射線帯は宇宙時代の最初の重要な発見で、米国アイオワ大学のジェームズ・ヴァン・アレン( James Van Allen )教授によって、1958年に検出された。


Van-Allen-5.jpg


今回の研究を率いたベーカー名誉教授は、そのヴァン・アレン教授のもとで博士号を取得している。

2013年、ベーカー氏は、2012年に「第3層目のヴァン・アレン帯」を発見した NASA の研究チームとの調査で、ヴァン・アレン帯の内側と外側のベルトの間に、過渡的な「ストレージ・リング」( storage ring )があり、宇宙天気の強弱によって、これが出現することがあるとした。

ヴァン・アレン帯に関しての最新の謎のひとつが、地球上空の約 1万1000キロメートル付近の、外側のベルトの内側にある淵に「非常に鋭いエッジ(境界)」が存在していることだった。

これは、超高速の電子を遮断しているように見え、そして、地球の大気の方向に向かって深く移動する。

研究を率いたベイカー氏は以下のように言う。

「それは、宇宙の中でガラスの壁に電子がぶつかっていくような状態なのです。まるで、スタートレックの中でエイリアンの攻撃からエンタープライズ号を守るために使用したフォース・シールド(ディフレクター・シールド)のような透明なバリアといえるものです」

「私たちは、電子を遮断する見えないシールドを見つけたのです。これは極めて不可解な現象だといえます」

この研究の論文は 11月27日号に出版された科学誌ネイチャーに掲載された。

チームは当初、非常に帯電した電子(毎秒 16万キロメートルの速さで地球の周囲を回っている)は、ゆっくり宇宙空間から地球の上層大気まで落ちるように到達して、空気の分子によって破壊されると想定していた。

しかし、ヴァン・アレン帯の宇宙観測船から見えた光景は、電子は消える前に不可解なバリアにより止まるというものだった。


共同研究者で、マサチューセッツ工科大学ヘイスタック天文台の所長であるジョン・フォスター( John Foster )氏は、

「これは私たちが新しい装置と共に、新しい目で現象を見ているようなものです。これは私たちに”そこに固くて早い境界が存在する”ことを語ってくれています」

と述べる。

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