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2015年02月28日



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もう幾何かの人たちの松果体は退化しちゃっている社会なのかもしれないですが、『ソルフェジオの診療所』もできるかもしれないですし



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Alternative Sound Therapy






 


めまいと528Hz

数日間続いている私のめまいは、自己判断でほぼ間違いなく「前庭神経炎」と呼ばれるものだと思っています。
前庭というのは内耳にある器官です。前庭神経炎 - goo ヘルスケアには、

激しい回転性のめまいが急に起こり、普通それが数日〜1週間程度続きます。めまいには、吐き気や嘔吐、冷や汗を伴いますが、難聴や耳鳴りなどの聴覚の症状を伴わないのが特徴です。

発症から1週間程度は歩行に困難を感じます。めまいは発症から3週間くらいでほぼおさまりますが、時には6カ月くらいたってもふらつきが持続することがあります。

というもので、今6日目くらいですかね。歩くのはある程度は大丈夫なんですけど、吐き気が。

ここ数日は、朝と昼に関しては、まともに食べていなくて、それでフラフラが加速されている部分もあるかもしれません。まあ、いいダイエットになっていますが。

それにしても、吐き気というのはつらいもので、しかし、上記のようにそんなに食べていないので、胃に吐くものはないんですよね。

「やーい、吐きたいけど吐けないだろ、胃よ」

と胃に語りかけたりするのですが、吐き気だけがえんえんと続く。胃そのものには何の問題もないことは、少し以前の検査でわかっていて、しかし、吐き気は以前から継続的にあるのですよ。私の場合。

胃の不調や慢性的な吐き気に悩む人は多いですけれど、原因がよくわからない場合も多いようです。

まあ、そういう中、528Hz の音叉を、効いているのか効いていないのかわからないながらも、購入した当初にいろいろと面白い効果があったこともあり、暇をみては鳴らしていたりします。

ところで、過去記事「ソルフェジオ周波数 528Hz に石灰化した松果体を正常に戻す可能性がある?」の後半で、

ソルフェジオに関しては、お医者さんとか、あるいは医療資格を持つ方で、医学的に調査してみる気になる人が出てくるといいと思います。

感覚的なままでは、どこまでも曖昧に進行していって、広がりを見せないままのオカルトで終わる可能性がありますし。

松果体の石灰化や、ガンの増加が止まらないほうは、感覚の問題ではなく、事実ですので、その事実に「対抗し得る事実」があれば、仮に、現代の社会がジョン・レノンの言葉のような(この社会は狂った人たちによって動かされている)世界であったとしても、何とかやっていけるのではないでしょうかね。

というように「医学的に調査できる専門家の人が出てくるといいな」ということを書いたのですが、実は、少し前にお知り合いから、

「音の治療も取り入れるかもしれない現役のお医者さんが、西洋医学にとらわれない自由診療所を近々開くかもしれない」

と教えていただいたことがあるのです。

まだ開院はしていないと思いますし、そのお医者様自身は、私のお知り合いではないので、お名前とかの具体的なことを書いてはいけないようにも思いますし、音を診療に使うのかどうかもはっきりしませんので(ただし、その方はソルフェジオに大変詳しい方)、今はお名前にはふれられないです。

そのお医者様は、西洋医学の最先端医療の前線にい続けた方なのですで、西洋医学に限界を感じているのだそうです。

もし、そのお医者様が将来的にソルフェジオや音を、診療や、あるいは健康維持でもいいですけど、取り入れた場合は、データなどでもいろいろとハッキリすることも出てくるかもしれません。

そういうようなことが現実となった場合、過去記事の「 5000年前からソルフェジオ周波数を駆使していたかもしれない古代人」でご紹介しましたように、もしかすると、人類が数千年前から精神と肉体の状態のために使用していた「音や周波数」が、その数千年後の現代の医学のデータ上で「その人体への影響」が改めてわかったりする部分も出てくるのかもしれず、それについては楽しみでもあります。

何しろ、人間はプラセボと呼ばれる「偽薬」でも、思い込み次第で、症状が消滅することはかなりあるわけで、ソルフェジオや特定の音の周波数も、医学的な後付けが証明された場合、懐疑的な人に対しても、「心理的な効果込み」で、さらに効果的でありうるものになる可能性もあるかもしれません。

528Hz の音叉を初めて部屋で鳴らした時、その瞬間、うちの奥さん大きなあくびをして眠り込みそうになり、また、夜中に頻繁に悪夢で目覚めていた奥さんが、その日から悪夢を見なくなりました。

私と子どもはそれほど強く何かを実感するわけではないですが、例えば、今みたいに吐き気がある時に、体やツボに当てていると、確かに吐き気が少しずつ消えてきます(吐き気ごときで薬を飲むのはイヤなので)。

これも「プラセボ効果」の一種に過ぎないのかもしれないですが、そのような例は確かにあります。

なので、その診療所が早くできればいいな、と思います。

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あわうみ



近い未来にどんな生活をすればいい?

ただですね。これは私の個人的な憶測に過ぎないですが、「音」は身体と自律神経には確実に作用するという確信が私にはありますが、その反面、「メンタル系の病気には身体ほどには効果がないかもしれない」という感覚もあるのです。

ただ、そう思う理由は医学やオカルトをも含んだ複雑な「単なる私の思い込み」ですし、書くべきことではないとも思いますので、ふれません。

ただ、神経症やパニック障害の方、あるいは「かつてそうだった方」で、長期にわたって症状が改善したことがある方は、その時のことを思い出してほしいと思うのです。良くなったのは、治療によってではないはずです(いかなる治療も含みます)。

それよりも、「環境が変わった」、「あるいは行うことが変わった」など、生きている空間の変化の中で「自然と症状が消失していった」のではないでしょうか。それだけに神経関係の病の治癒には、「万人に対しての方法論がない」と私は思っています。

ちなみに、これはまたグッとオカルトやら、それこそ「スピリチュアル」な話かもしれないですが、「スピリチュアルとは何か」という記事に「例え話」として書いた筋(?)によりますと、私の神経症的な部分は、

・潜在的に持つ恐怖感が認識できないレベルで強すぎる
・この人(私)にはカウンセリングは意味がない
・すでにこの人はあまりにも自分自身と対話しすぎている(つまり、他人のカウンセリングなど今さら無意味)


というようなことで、これはもう、まさにその通りなんですが、どうすればいいかというと、

「土をさわり、田舎で花や野菜を育てて自然の中で生きること」

だそうです。

本当に自分でもそう思いますし、そうしたいとも思います。

そして、他には選択肢がなさそうなことも、自分では何年も思っています。

でも、現実にすぐにこれをするのは難しいことでもあります。

畑のある家など持てるはずもないですし。
子どものこともありますし。

今住んでいるあたりは、10分も歩けば、広大な畑が広がっているので、畑くらいは借りられるかもしれないですけれど。

ベランダで、今まで花や食べられない植物ばかり育てていましたが、狭いスペースだけれど、今年はこのベランダで野菜や果物でも育ててみようかなとは思っています。実用的な意味というより「土にさわらなければならない毎日を作る」ということです。

上のほうにもリンクしました「ソルフェジオ周波数 528Hz に石灰化した松果体を…」という記事に、私は、

私たち人間には自主的に考えることができる脳があります。しかし、仮に、脳が退化し続けたとした場合……いくら立派な計算ができたとしても、感情や想像力や創造力のない脳を持つものは、人間ではなく、それはロボットのようなものです。

この社会が、そんな「ロボット人間」ばかりになったとすれば、それは狂った社会ではあります。

と書いていますが、自分もこのままだと、こんなようになりかねないと思うと、いろいろ自分のほうも変えていかなければならないのだとも思います。

ひとりでキツければ、私には昔からの誇り高きバカ友なども何人かいますし、それらの友人たちも、そろそろいろいろ考えなければならなさそうです。最新のクレアの記事に、最近の私の夢にちょっと異常性が増していることを書いたのですが、それも周囲の関係との何かの意味もあるのかもしれません。

ちょっとお休みのお知らせとか最初に書いておいて、「長いお知らせ」となってしまいました。

明日辺りには体調も少し良くなっていることを期待したいです。



  

2015年02月27日



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▲ 2015年2月9日の PHYS.org No Big Bang? Quantum equation predicts universe has no beginning より。直訳だと「量子式」となりますが、馴染みのない言葉ですので、「量子力学」としています。

今回は上のことをご紹介したいと思いますが、今回はそれだけが本題ではありません。






 


「あまのじゃくフレッド・ホイル」

今週の最初くらいに強いめまいに見舞われた時、「寝込む時間が多くなりそう」とか思いまして、Amazon で何冊か古本を物色して購入したんですね。

その中に、アメリカの理論物理学者ミチオ・カク博士の本が含まれていました。

michio.jpg
・ミチオ・カクさん。日系3世です。Wikipedia

ミチオ・カクさんは、素粒子論ではアメリカで有名な科学者で、何となく言うこと書くことが難解なイメージがあるのですが、Amazon で、ふと、『パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ』というタイトルの本が目に留まりました。

先日の記事で、

多くの人類の松果体が破壊されようとしている現在に考える「多次元宇宙空間を理解する将来のために松果体を守るべき」時代
 2015年02月22日

という「多次元宇宙」などという単語をタイトル<をつけたものを書いたこともあることもありますが、4次元や 5次元を超えて、「 11次元」とあるところに着目いたしまして、しかも、レビューがとても楽しそうな感じでしたので、注文してみました。

すぐに到着したのですが、四百数十ページある大著でしたので、いつもするように、読みはせずに、ザラーッと全体をペラペラ飛ばしていましたら、途中で

「ホイル」

という文字が何ページにもわたって出てくるセクションに当たったのです。

そのあたりで手を止めますと、そこは「第三章 ビッグバン」という章の中のセクションでした。

この章では、

・エドウィン・ハッブル(現代の宇宙論の基礎を築く)
・ジョージ・ガモフ(ビッグバン理論の提唱者)
・フレッド・ホイル(ビッグバン理論の反対者であり、皮肉にも命名者)


の3人が大きく取り上げられています。

特に、ホイル博士が出てくるのは、「ガモフ vs ホイル」の「ビッグバンをめぐる全面戦争」について、非常に面白く書かれていたのでした。

私はフレッド・ホイル博士のことについて、今まで何度も書いてきたことがあるにも関わらず、

「どんな人だったのか」

とか、

「ビッグバン命名騒動の実際の顛末」

などをよく知らなかったのです。

ところが、このミチオ・カクさんの本には、それらのことが非常に丁寧に、しかも「とんでもなく面白く」書かれていたのでした。

これはもう私にとってお宝本です(他のセクションを読まなくとも)。

この本を手にしたのも「めまいのお陰」ということは確かで、ひどいめまいに襲われでもしなければ、素粒子論の科学者の本など買おうとは思わなかったはずですから、めまいは憎いとはいえ、いいタイミングに貢献してくれました。「めまい、ナイス・ジョブ!」とまでは言いませんが。

そしてですね。

私は、その中の「ホイル博士の人となり」を読んで、実に感動したのです。

その感動は、生まれて初めて英国のパンクにふれた時と同じようなタイプのもので、子どもの頃から反骨の中に生きた、後の大科学者ホイル博士の姿を知り、「オレは昔からこの手の人ばっかり好きになるなあ」というように思うのでした。

その、ホイル博士が紹介されている章の一部をご紹介します。
ちなみに、そのセクションの見出しは「あまのじゃくフレッド・ホイル」でした(笑)。


あまのじゃくフレッド・ホイル
ミチオ・カク著『パラレル・ワールド』より

ホイルはいわゆる学会のはぐれ者で、理知的なあまのじゃくとして、ときに喧嘩腰であえて主流の考えに逆らった。ハッブルは、オックスフォードの紳士の流儀をまねて、どこまでも高貴であろうとし、ガモフは、ひょうきん者で、軽口や五行戯詩や茶目っ気で聴衆を惹きつける博識家だった。

これに対し、ホイルの態度はいかついブルドッグに似ており、かつてアイザック・ニュートンがいた伝統あるケンブリッジ大学にはそぐわない存在に見えた。

彼は子どもの頃から反骨精神にあふれていた。三歳で九九の表を覚えてしまっていたので、先生からローマ数字を覚えるように言われたことがあった。「8をわざわざ [ と書くなんて、ばかばかしくてしょうがないじゃないか」とホイルは鼻で笑いながら思い出している。一方で、法律にしたがって学校に行かなければならないと言われたときのことは、こう書いている。

「不幸にも、強大でろくでもない『法律』とかいう獰猛な怪物が支配する世界に生まれついてしまったのだとあきらめた」

権威を見下すホイルの態度は、別の女の先生との諍(いさか)いで揺るぎないものとなる。その先生は授業で、ある花びらの数が五枚だと言った。先生が間違っていることを示そうと、ホイルはその花で花びらが六枚あるものを学校へ持っていった。

すると、生意気さにかちんときた先生は、彼の左の耳を強くひっぱたいたのである(のちにホイルはその耳が聞こえなくなっている)。



学校に行かなければならない年齢が当時の英国で、いくつだったかわからないですが、多分、まだ幼かったと思います。そんな年齢で、

> 不幸にも、強大でろくでもない『法律』とかいう獰猛な怪物が…

というような感覚を覚えるというのはすごい。

生まれについては、

一九一五年、ホイルはイングランド北部の羊毛業の盛んな地域で、織物商の息子として生まれた。

とありますので、労働者階級という言い方でいいのかどうかはわからないですが、いわゆるエリート層とは無縁の出身のようで、それでも、ホイル少年は子ども時代に、両親から望遠鏡を買ってもらったことが科学と宇宙への興味の始まりだったと述べていたようです。

ちなみに、さきほどの文章に出てきた、ハップル、ガモフ、そして、ホイルの三氏について、一応、説明のようなものを添付しておきます。

エドウィン・ハッブル - Wikipedia

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エドウィン・パウエル・ハッブル(1889年 - 1953年)はアメリカ合衆国の天文学者。我々の銀河系の外にも銀河が存在することや、それらの銀河からの光が宇宙膨張に伴って赤方偏移していることを発見した。現代の宇宙論の基礎を築いた人物である。

ジョージ・ガモフ - JAXA 宇宙情報センター

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ジョージ・ガモフ(1904〜1968)は、ロシア生まれのアメリカの物理学者。1948年に発表した共同論文で、ガモフは「火の玉宇宙」というアイデアを発表しました。初期の宇宙が高温・高密度で、膨張につれてしだいに冷えていったというものでした。

この考えは、当時としては非常にユニークなものだったので、他の科学者から、からかいの意味をこめて「ビッグバン(爆発音、ばーん)理論」と呼ばれます。

フレッド・ホイル

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フレッド・ホイル(Sir Fred Hoyle, 1915年 - 2001年)は、イギリスウェスト・ヨークシャー州ブラッドフォード出身の天文学者、SF小説作家。

元素合成の理論の発展に大きな貢献をした。現在の天文学の主流に反する数々の理論を提唱したことでも知られる。研究生活の大半をケンブリッジ大学天文学研究所で過ごし、同研究所所長を長年に渡って務めた。

上の、ジョージ・ガモフについての JAXA の説明の中に、

> 他の科学者から、からかいの意味をこめて「ビッグバン(爆発音、ばーん)理論」と呼ばれます。

とありますが、この「他の科学者」は、フレッド・ホイル博士のことです。また、「からかいの意味をこめて」は間違いで、そのことも、ミチオ・カク博士の著作にその顛末が記されています。


ミチオ・カク著『パラレル・ワールド』より

ホイルは全面戦争もいとわなかった。1949年、英国放送協会(BBC)は、ホイルとガモフの双方をラジオ番組に呼んで、宇宙の起源について議論をさせた。

番組で相手の理論をたたく際に、ホイルは歴史に残る言葉を口にした。

「そうした理論は、宇宙のすべての物質が遠い昔のあるとき、どでかい爆発(「ビッグバン」)」によってできたという仮説に基づくものです」

この名前が定着した。こうしてその理論は、最大の敵によって正式に「ビッグバン」と名づけられたのである(のちにホイルは、けなすつもりはなかったと言っている。「けなそうとしてあの名前をこしらえたはずなんかない。注意を引こうとしたんだよ」)。

(その後しばらく、ビッグバン理論の支持者たちはあえてその名前を変えようとした。平凡でほとんど卑俗とも言える名前の意味や、最大の敵に名づけられた事実が不満だったのだ。

潔癖な人は、とくに事実として間違っていることにいらだった。第一に、ビッグバンはビッグでなく(原子よりずっと小さい特異点から始まったから)、第二に、バンという音もなかったのだ(宇宙空間には空気がないから)。

1993年8月には、『スカイ・アンド・テレスコープ』誌がビッグバン理論に新しい名前をつけるコンテストを実施した。コンテストには一万三千通の案が集まったが、審査員はもとの名前より良いものを見つけられなかった。)



当初は、ビッグバン派はこの「ビッグバン」という名称がイヤで、何とかして別の名称にしたかったのですけれど、結局どうやっても他にいい名前がなかったと。

そういう意味では、ホイルさんの命名センスは(皮肉的ではありますけれど)大したものだったのかもしれません。そして、それを採用したガモフ氏のセンスも。

この出来事の後、ホイル氏による BBC の科学番組が英国民の間で大変な評判となり、天文学者を志す若者たちに強烈な影響を与えることとなりました。その功績も大変に大きいとミチオ・カク氏は書いています。

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▲ 1950年代に英国 BBC の科学講座(5回連続)に出演した際のフレッド・ホイル卿。Entendido y Anotado より。


ちなみに、当時、 BBC では「この男(ホイル博士)を番組に出してはいけない」という内部警告が存在していたそうなのですが、プロデューサーがその警告を無視ために番組は実現したのだそうです。

なぜ、ホイル博士が BBC 出演禁止だったのかの理由については書かれていません。

このように、ホイル博士の名前は世に轟いたのですが、その主張(定常宇宙論やパンスペルミア説)は、世の中にはあまり浸透しませんでした。

まあしかし、私は、ホイル博士がノーベル賞から(多分、意図的に)外されたことを残念に思っていたのですが、このホイル博士の気質を読みまして、ホイル博士本人の「権威を蔑む」という身に染みついた気質から見れば、ノーベル賞だの何だのは関係なかったのかもしれません。

過去記事では何度も何度もホイル博士の名前が出ていますが、特に私は、ホイル博士の著作のひとつ『生命はどこからきたか』の中にある、

生命と意識は宇宙の構造に全体として結びついていているもので、別々にはできない。

という最晩年にホイル博士が至った結論が大好きでした。

ホイル博士は、晩年は、この宇宙が巨大な知性の下にある(あるいは宇宙自体が巨大な知性)と考えていたようです。

他にも、反骨的な科学者として、ジョルダーノ・ブルーノとか、アレクサンドル・チジェフスキーなど、いろいろな科学者を取り上げることがありましたが、それぞれが、科学に興味のなかった私に、科学的な様々なことに興味を少しだけ向けさせてくれたことに感謝しています。

上の人たちがすべて出てくる記事としましては、

「真実の太陽の時代」がやってくる(1):私たち人類は何もかも太陽活動に牛耳られている
 2013年07月11日

というものがあります。

というわけで、ミチオ・カクさんの本で、予期せず知り得たフレッド・ホイル博士のことでしたが、今回は最近話題となっています科学記事「量子論はビッグバンを否定する」という内容の記事をご紹介して締めたいと思います。

記事は科学専門メディアの PHYS.org で、その内容は、とにかく難解で、正直、本来なら私の手に負えるものではないのですが、あくまで概要(しかも間違っている部分が多いと思います)の翻訳となりますが、生涯にわたってビッグバン理論の敵対者であり続けたホイル博士と同じページに載せるにはいい記事だと思います。




No Big Bang? Quantum equation predicts universe has no beginning
PHYS.ORG 2015.02.09


ビッグバンはない? 量子式は宇宙に始まりがないことを予測する


アインシュタインの一般相対性理論を補完するための量子補正項を適用した新しいモデルによれば、宇宙は、始まりや終わりがなく、永遠に存在するものである可能性がある。

そして、この新しいモデルは暗黒物質と暗黒エネルギーを説明することもでき、一度に複数の問題を解決できるものになり得るしれない。

現在一般に広く受け入れられている宇宙の年齢は、一般相対性理論によって推定される 138億年だ。現存するすべてのものは、最初に単一の無限に密な点、または特異点を占領したと考えられている。

この点である「ビッグバン」が拡大した後に宇宙が始まったとされる。

ビッグバンの特異点(時空特異点)は、一般相対性理論の計算から直接かつ不可避的に発生しているが、一部の科学者は計算では「その直後に何が起きたか」を説明することはできても、「その前」は説明できないことを問題としている。

「ビッグバンの特異点は、一般相対性理論の中で最も深刻な問題です。なぜなら、物理の法則がこの理論を打破してしまうように見えるのです」とエジプトのベンハー大学の科学者、アーメド・ファラグ・アリ(Ahmed Farag Ali )博士は私たちに語った。

アリ氏と、カナダのレスブリッジ大学のサウリャ・ダス( Saurya Das )氏の2人は学術雑誌『フィジックス・レターズB』( Physics Letters B )に発表した論文の中で、「宇宙には、始まりも終わりもない」という新しいモデルによって、ビッグバンの特異点を解決している。


昔の考えを再度見直す

彼らの研究は、理論物理学者デヴィッド・ボーム( David Bohm )氏によるアイデアに基づく。ボーム氏は、物理学の哲学に対しての貢献の業績で知られる。

ボーム氏は 1950年から量子軌跡と古典的な測地線の置換を探求した。

アリ氏とダス氏は、このボーム氏の軌道に、インドのプレジデンシー大学の物理学者アマル・クマール・ライチャウデュリ( Amal Kumar Raychaudhuri )氏が1950年代に開発した方程式を適用した。


時空特異点はなく暗黒物質もない

彼らの新しいモデルは、ビッグバン特異点を予測しないことに加え、「ビッグクランチ」特異点(ビッグバンと逆の宇宙の崩壊と説明される現象)も予測しない。

 一般相対性理論では、宇宙の運命のひとつとしての可能性として、それがビッグクランチで自身が崩壊するまで縮小し、再び無限に密な点になるとされる。

宇宙論的にいえば、量子補正は、ダークエネルギーを必要とせずに、宇宙定数項および放射線起点として考えることができると彼らは説明する。

これらの起点は、有限のサイズで宇宙を保つために無限の時間を与える。
また、この起点は宇宙の宇宙定数と密度の現在の観測値と密接に同意する予測を行う。





ああもう限界であります(苦笑)。

内容というより、単語自体が難しくて、間違えている部分も多くあると思います。宇宙論にお詳しい方は、PHYS.org の記事そのものをお読みになることをお勧めさせていだきます。

朧気ながらですが、今回のことを簡単に書きますと、次のようになると思います。


現代の量子論と 1950年代の古い理論とを組み合わせた新しい宇宙モデルでは、宇宙の始まりも終わりも導かれず、ビッグバンも宇宙の終わりもないことになり、そして、このモデルで暗黒物質なども説明でき、既存の宇宙論の矛盾が解決する。


とする理論が発表されたということだと思います。

理解するには、その壁があまりにも高いために、私には難しいですが、こういう問題に関しての、物理学や現代宇宙論にお詳しい方々の今後の奮闘をお祈りしています。

そして、「永遠の宇宙」という概念を科学が導き出すのも、そんなに遠い未来ではないかもしれないと思ったりもします。これこそがフレッド・ホイル博士が生涯をかけて研究し続けていたものであるはずです。



  

2015年02月26日



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▲ 2015年2月23日のシベリアン・タイムズより。写真のクレーターは昨年発見されたものです。今年新しく出現したクレーターには、まだ調査員は近づいていません。






 


高いか低いかはそれぞれながら、カオスな世界の気温

今日は、昨年何度か記事にした「シベリアのシンクホール(クレーター)」の話題の続編というか、最近になり、またシベリア地方に「数十」のシンクホールが出現しているらしきことが衛生写真や、空中からの撮影で確かめられていまして、そのことについてご紹介したいと思います。

私は体がどうも本調子ではないのですが(今日はめまいより吐き気がひどい)、安静に、とはいわれましても、人間、そんなに安静にしていられるわけでもなく、何かしていたほうが気が紛れます。

ところで、先日、北海道の母親から電話があった際に最近の天気を聞きましたところ、

母親 「それがすごく暖かいのよ。ちょっと異常なほど」
わたし「そうなの?」
母親 「道路の雪が溶けてるくらいで、こんなの2月では見ないわね」


とのことで、「へえ」と思って、ニュースを見てみますと、下のような報道などもあり、北海道は各地で暖かい冬となっているようです。


2月の網走 48年ぶり10℃超える
読売新聞 2015.023.24

23日の道内は、南から暖かい空気が入り込んだ影響で、気温が今年初めて10度を超え、3月下旬から4月下旬並みの陽気になった。網走市ではこの日の道内で最も高い10・2度を記録し、2月としては48年ぶりに10度を超えたほか、江別市や中標津町など計5か所で2月の観測史上最高を更新した。

札幌管区気象台によると、各地の最高気温は、173ある観測地点のうち、平年のデータがある169地点すべてで例年を上回った。



北海道の気温を聞いて、「へえ」と思ったのは、最近のアメリカ東部の異常な寒波のことが頭にあったためでもあります。北海道あたりも寒いのかなと思っていましたら、そうではないようです。

そのアメリカ東部は相変わらず寒波が続いているようでして、その景観も終末的というのか、アナと雪の女王的というのか、大変な光景が各地に出現しています。

凍ったナイアガラの滝

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▲ 2015年2月20日の AP 通信 より。


噴き上がった形のまま凍ったレッチワース州立公園(ニューヨーク州)の湧き水

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▲ 2015年2月25日の THP より。


アメリカ東部では、平年より 15℃から 25℃も低い気温が続いているようで、シカゴは2月の気温が 1875年に観測された低温の記録を 140年ぶりに更新するかもしれないことなどが報じられています。

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▲ 2015年2月24日の NBC ニュースより。


他の国や地域でも、雪と寒波の被害は、アフガニスタン(報道)、スペイン(報道)、カナダ(報道)、中国北部(報道)、サウジアラビア(報道)、フランス(報道)などで報じられていて、先週は、イスラエルやトルコ、ギリシャなども大雪の被害を受けています。

イスラエルのエルサレムや中東諸国、そしてギリシャのアテネでも珍しい大雪
 2015年02月23日

このように寒波と大雪に見舞われている国や地域があるいっぽうで、たとえば、北海道が数十年ぶりの暖かい冬を迎えているということは、他にもそのように「異常に暖かい地域」も数多くあるのだと思いますが、寒いにしても暖かいにしても極端な感じです。




まるでシベリアの地盤が崩壊していくように陥没し続ける大地

さて、昨年何度か取り上げることのあった「シベリアのクレーター」ですが、それを最初に記事にした時も「異常気象とのセット」でした。

その記事は、

気温40度の中に降った爆撃のような雹。そして、「世界の終わり」という地名がつくシベリアに突然開いた巨大な穴 : 「ウラジーミルの栄光の国」を襲い続ける異常な気象と現象
 2014年07月16日

でしたが、これは、2013年2月に隕石での被害を受けたロシアのチェリャビンスクという場所で、

真夏なのに、しかもこの土地では珍しい40℃という猛暑の中で突然、巨大な雹(ひょう)が降り始めた。

という現象をご紹介した記事の中で、シベリアのシンクホールをご紹介したものでした。

その時の雹の動画を再度、載せておきます。
最初は人々の楽しそうな声が響きますが、30秒頃から人々の笑い声が消えていきます。

ロシア・ウラル地方で7月のビーチを突如襲った雹の嵐




この出来事とセットで、シベリアの、地元では「世界の終わり」という地名で呼ばれている場所に開いた巨大なシンクホールの記事を小さく載せました。

なぜ「小さく」かというと、その後に続々とシベリアにシンクホールが開くとは思っていなかったことがあります。

しかし、その後、2つ目、3つ目のシンクホールが確認された際に、

シベリアでさらに次々と見つかるクレーターと「現在北極がシベリアに向かって猛スピードで移動している」という状態から浮かびあがる「ポールシフト」の概念
 2014年07月29日

という記事を書きました。

シベリアの3つのクレーターの位置関係
map-crater2.gif


その際には、

現在(過去100年)、地球の磁極がシベリアと逆の方向に移動している。

ということと絡めまして、それと関係あるか、実際のところわかりようがないのですが、「シベリアのシンクホールと急速に進行している可能性が高いポールシフトとの関連」のことを記しました。

pole-shift-before3.gif


そして、現地に調査団が到着して調べた写真を見ますと、特に最初のクレーターなどは、一見すると自然現象とは思えないほど「クレーターの壁が滑らか」であることに驚いたりもしました。

最初に発見されたクレーターを上から撮影した写真
hole1-top3.jpg
whatdoesitmean


また、調査隊の撮影した写真では、クレーターの外側の形状もわかり、これが「普通のシンクホール(単に地面が沈下するもの)ではない可能性」を見出すこともできます。クレーターの周囲が盛り上がっているために、単に陥没したということではないかもしれない、というような予測もできる不思議なクレーターの入口の形状となっています。

また、写っている人物との比較でも、クレーターの巨大さがわかります。
赤い丸で囲んだのが人物です。

inside_yamal_crater.jpg
Siberian Times

そして、その後、ついには、

ロシア国防省が報告したという「シベリアの穴と地球の磁場反転の関係」。そして「未知の大気物質」の存在
 2014年08月11日

という記事では、その報告書の真偽は不明ながら、「ロシア国防省は、これらの穴に未知の大気が存在すると判断」したとして、


今回のロシア国防省の報告書は、最近のシベリアの穴から排出された「謎の」大気物質が、「大惨事が発生する何らかの早期の警告の状態である」ことを否定することはできないと結論づけている。


というような大ごとにまで拡大してしていきました。

記事では、ロシアはこの事象を「特に重要な潜在的なロシア国家と国民の脅威として分類」し、「このような事象が次々と起きることは国家の脅威」だとしていました。


そして、今、その「脅威」が起き始めているかもしれません


また、次々とシベリアにクレーターが出現し始めているのです。

2015年2月23日のシベリアン・タイムズには、衛星写真で撮影されたクレーターや、「ガスの噴出する湖」の様子が収められています。

新しく発見されたクレーターの一部(黒い穴すべて)

crater-2015-01.jpg


ヤマル湖では湖底からのガスの噴出が空中撮影で確認される

yamal-lake-2015.jpg


このガスの噴出は、衛星画像などにより、ロシア北部の各地で確認されていて、この地下からのガスの噴出とクレーターが何らかの関係を持つのではないかとはされていますが、記事では、研究チームのメンバーのロシア人科学者、ヴァシリー・ボゴヤヴレンスキー( Vasily Bogoyavlensky )教授の、

「今の時点では、この新しいクレーターで何が起きているのかは誰にもわかりません」

という言葉を紹介していて、新しい調査を進めることが必要だとしていますが、ただ、安易に近づいて良い状態なのかどうかの判断も難しい部分があるようです。

そんなわけで、原因は今のところはわからないながらも、ロシア北部での地質的な異変は続いている、あるいは拡大している可能性もあります。

今、地球は磁場も変化している(弱くなっている)ことが確認されていまして、そのあたりは、

地球の磁場が弱くなっていることを欧州宇宙機関の地磁気観測衛星(SWARM)が確認
 2014年06月30日

という記事に書きましたが、このふたつの大きな「地球の磁場」に関係する出来事、つまり、

・磁極の移動
・地磁気が弱くなっている


が地球の地質に影響を与えるものかどうかわからないですが、しかし、過去には、

ドイツの科学研究法人が「急速なポールシフトと気候変動と超巨大火山の噴火が同時に発生していた」ことを証明
 2012年10月18日

で記しましたように、41,000年前の地球では、

・地球の磁場の急速な逆転
・急激な気候変動
・超巨大火山の噴火


が同時に起きていたことが、ドイツ地球科学研究センター の研究で確認されていまして、それが「いつでも必ずしも連動する」ようなたぐいのものなのかどうかはわからないにしても、「磁極の変化と気候変動と地質変動が同時に起きた」という地球の過去の歴史を見れば、磁極と磁場に変化が起きている今、たとえば、地震や火山の噴火を含めての、地球規模での地質イベントの連動となる可能性もないとは言い切れません。

そういう意味でも、この「磁極の移動の現場に近い」ロシアの地質異変の進行は気にしていていいものなのかもしれません。



  

2015年02月25日



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▲ 過去記事「ソルフェジオ周波数 528Hz に石灰化した松果体を正常に戻す可能性がある?…」より、1968年のジョン・レノンのテレビ・インタビューでの「この社会は、狂った目的を実現するために、狂った人間たちによって動かされている」と語っている場面より。






 


前回の記事「閑話休題 スピリチュアルとは何か」で書きました「めまい」なんですけど、過去のことなどと照らし合わせて、それと発症前後の状況などと合わせますと、推定の域を越えて、前庭神経炎というものか、それに類するものであると思われます。

まだ外を歩けるような状態じゃなくて、病院なんかも行けるわけではないし、そもそも内耳系のめまいに対しての治療法は存在しませんので(ほとんど効かない薬は存在しますが)行く気もないですが、どちらかというと、ふらふら病院に歩いてく途中で車にはねられてしまうというようなシナリオのほうが現実味がありますので、ちゃんと歩けるまでは家で安静にしているしかなさそうです。




「いい子たち」の心の奥

そんなわけで、今回の記事も時事と外れると思いますけど、最近の流れとやや関係するものとなりそうです。上にもリンクしましたスピリチュアルとは何かという記事で、私は、「精神的な部分では第三者に依存しないことが大事」というようなことを書きまして、「なぜか」ということについてなんですけれど、第三者にべったりと精神的に依存してしまうことは、単にその人にとって「危険」だと思われるからです。

そもそも、その第三者の人物が、あなたにとって有益なことをもたらすのか、あるいはそうではないのかは実際には一見でわかるわけもないですし、この世には「いろいろな」人がいます

この世は、決して「善の方向」だけを向いている人たちだけによってできているわけではないです。

仮に何か「悪い影響」を他者に与えるものだった場合、時にそれは、未来に対して、その影響を受けた人物が非常に悪い方向へと進む可能性もあるからです。

単に社会的な問題だけではなく、たとえば、それこそスピリチュアルな言葉で「例え」としていえば、「霊的」という言葉を用いましても、それは取り返しのつかない低い場所へと引きずり込まれてしまうというようなことも例えとして出してもいいかもしれません。

まあしかし、そのあたりのことは詳しくはないですので、社会的な方向に話を戻します。


ところで・・・一見関係ないことかもしれないと思われるかもしれませんが、最近の、特に若い世代の人たち。

あるいは、その最近の若い人たちの「態度や素行」。

これは全体として見れば、(本質的にはともかく、表面的には)昔よりはるかに「いい子である」と感じることが、少なくとも私にはあります。

この、

「いい子たちの集団」

は、一見すると、穏やかでいい社会のようにも見えますけれど、それは社会全体にとっては、決していいことだけだとはいえない気はするのです。

今から6年ほど前の 2009年9月15日に配信された未来予測プロジェクトのウェブボットには、「影の支配勢力の攻撃の方法」というようなことが書かれているのですが、それはいわゆる、スピリチュアルやニューエイジ思想を源流とした選民意識を流布することによって「他者への差別意識」を植え付けることについて書かれています。

これは、たとえば、エイリアンの存在などのストーリーを元にした「選民思想」を人々に流布して、それに乗ってくる人たちへの洗脳の危険性について書かれてあるものですが、その全体は後で抜粋しますが、その中に下のようなくだりがあります。


自分が特別だと感じたがっている人間がこの情報に触れると、簡単に洗脳されてしまう。そして自分の友人をもそれに引き入れようとする。(略)

育ちがよく、疑うことを知らず、そしてより大きな現実を批判的に吟味する訓練を受けていないものはこの選民思想の餌食となる。そしてウィルスが広まるように、この思想を信じたものは自ら率先してこの思想を広めるようになる。



ここにある、

> 育ちがよく、疑うことを知らず、そしてより大きな現実を批判的に吟味する訓練を受けていないもの

というのは、たとえば、今の世の中に溢れる「一方方向の正義感」を持つ人たちの存在などを思い浮かばせてくれます。犯罪などを含めて、何かメディアが「悪い」という方向に決めたもの、あるいは思想や行動については、

〇〇はすべてダメ

という方向に進みやすい傾向はありそうで、あるいは逆にメディアなどが「良い」と決めた方向は、されを比較的素直に受けいれやすいとか。

しかし、こういうどちらの方向にもストレートな思考というのは裏返すと、「あまり考えてから結論を出していない」とも言える部分はあるのかもしれなくて、そして、その原因はやはり、子どもたちの心の中が、小さな頃から余裕のないギリギリの状態になっているからかもと思います。

いろいろと余裕がない場合、自分で考えるよりも、時代の雰囲気だとかメディアから発信された価値観に従ったほうが楽です。

今の子どもたちの生活には本当に余裕がないように見えます。

毎日、学校に行く上に、その上に塾も宿題もあるという狂気の日々。

「遊び」というものがどれだけ後の人生に有益なものとなっていくのかを知る時間も余裕もない(大人から見れば、どれだけ下らないと思える遊びでも)。

こうなってくると、本当なら、「鬱憤」を晴らす場所がないと、気持ち的に行き詰まっても不思議ではないと思うのですけど、それでも、表面上はいい子だったりする。

この「表面上は」というのがコワイ感じはしますね。

最近に限らないですが、比較的若い人たちによる犯罪の種類が変わってしまったあたりにも、それは現れているのかもしれません。クレアでは懐古日記などをたまに書きますけれど、こちらの音楽記事で私は下のように書いています。


社会が良い社会であれば、(反抗文化が存在しないことは)それは穏やかでとてもいいことなのだと思いますが、今の社会の場合はどうなのかなとも思います。もう、私たちは変革のキッカケを失ってしまったかもしれないわけで、これも民意だとすれば、仕方のないことなのかもしれません。


40年くらい前の若い世代の様相は今とはまるで違ったように思います。もちろん、当時のほうが全体としては「悪い」のですけど、少なくとも私などは幼児期から少年時代まで、

・大人を信じない
・きれいごとを信じない
・自分が優れているなどとは考えない(常に自己否定)


というように思って生きていた部分はあります。

疑いやすくて、自分の良さも他人の良さも認めない……(苦笑)という、最低の若者群像ですが、ただ唯一良かったのは、そういう私たちが、仮に「きみは実は〇〇の遺伝子を引き継いだ優れた人類なんだよ」という「選民思想」を与えられたとしても、

「オレ馬鹿だし、そんなわけないべや(笑)」

と相手にしないで生きていけたという部分はあります。
まあ、本当に馬鹿でしたし、今も馬鹿ですし。

ところで、上の「ないべや」という語尾はかつての北海道弁なんですが、こういうのも今は消えているみたいですね。

昨年だったか、北海道に帰省した際に、ひとりで散歩していましたら、電気関係の工事のようなことをしている若者たちが、昼休みなのでしょうか、道路に腰掛けて、弁当を食べながら会話をしていたのですね。

何となくその会話を聞いていると、この何十年間で若い世代の話言葉が変わったことがわかりました。そこで5人くらいの若者たちは、たとえばですけど、

少年1 「それはさあ、お前の言い方に問題があるのかもよ」
少年2 「そうかもしれないけど、あの子の言い方も結構ひどいんだよ」


というような、とても優しい感じの標準語で語り合っているのを見て、「へえ、方言って完全に駆逐されたんだなあ」と、やや驚いた記憶があります。

これが 40年前の私たちの世代でしたら、下のようになります。

少年1 「おま、それはお前の言い方悪いべ」
少年2 「そーかもしれんが、むこうもなまらひどいべや」


こんな感じだったかもしれません。「なまら」というのは、「とても」ということで、当時北海道の言葉に大変頻繁に登場したものでした。

しかし、若い世代で方言が消えていっているのは、関西などを除けば、比較的、日本全国で共通のようで、どこの出身の人に聞いても「今はあんまりないです」と言います。

えーと、方言はどうでもいいのですが、その前の、今の子どもや若い世代の器質、考え方、あるいは物に対しての「考えるより時代の空気に従う」というような立場に関しては、ここ1ヶ月〜2ヶ月くらいのデータ記事の数々、たとえば、

日本の未来 : 子どもに関しての、そして、高齢者に関しての統計データから受けた衝撃
 2015年01月28日

などとも関係していることだと私は思っています。

そして、それは、

私たちを含む多くの人類の松果体はフッ素による石灰化により、すでに「永遠の機能停止」に陥っているかもしれない
 2015年02月03日

などの問題とも関係しているのかもしれません。

このあたりは詳細は今回は書かないですけど、多くのデータは、現在の子どもや若い世代、あるいは、高齢者の人々も含めて、つまり「脳に変化が起きている」ことを示します。

要するに、またフッ素のことと関係するのですが、少しだけデータを振り返ってみます。




脳を壊しているものは何なのか

アメリカのハーバード大学の研究者たちが、2012年の夏、アメリカ政府機関の学会誌エンビロンメンタル・ヘルス・パースペクティブ( Environmental Health Perspective )に発表した論文の内容の一部が、出雲市の倉塚歯科医院のサイトに掲載されています。

そこには、ハーバード大学の研究者たちの見解として、

「我々の研究は、フッ素が子どもの神経の発達に悪影響を及ぼす可能性を支持する」

ことや、

「フッ素が高い地域の子どもたちは、そうでない地域に住む子どもたちに比べ、かなりIQが低い」

という、「脳の発達との明らかな関係」を発表しています。

そして、同じ年、アメリカ環境保護局( EPA )も、フッ素が「発達神経毒性を示す実質的証拠がある化学物質だ」と発表。

さらに、研究チームの神経毒学者であるフィリス・マレニクス博士( Dr. Phyllis Mulenix )は、フッ素の毒性を依頼された際、当初は、「子どもに使用されているような安全な物質の検査に意味があるわけがない」として検査を拒否したのですが、しかし、指示通りに検査してみると、


安全とされる適量のフッ素を投与しただけで神経細胞から、他の神経毒が引き起こすような多動性障害、記憶障害、知能障害の典型的な画像パターンが観測された


のでした。

その他の多くの研究(国家的研究も含む)によって、

フッ素が脳の機能を阻害する。

ということが、わりと古くから明らかにされています。

1997年にマレニクス博士がフッ素と脳について語ったインタビュー記事
Phyllis-Mulenix.gif
Fluoridealert.org

しかし、それでも、アメリカのフッ素の水道添加率は上昇していて、また、日本でも、水道水には添加されていませんが、学校などの公共施設での子どもたちへのフッ素の強制塗布は拡大しています。

もちろん「強制」と名付けられているわけではないですが、学校などで集団でおこなう場合は、子ども個人で拒否することは事実上あり得ないと思われるので、そういう意味でです。

日本むし歯予防フッ素推進会議による「集団フッ化物洗口の実施状況の推移」などによる統計ですと、1983年にフッ化物で洗口を受けた子ども数が 10数万人程度だったのに対して、2010年には「 78万人」近くの子どもたちがフッ化物で洗口を受けています。

fhomecare.gif
集団フッ化物洗口実態調査よりグラフ化


どのくらいの量で問題が起きるかということについては、さきほどのフィリス・マレニクス博士はかなり微量でも、としていますが、具体的な量としては、以下のようなるようです。

宮城県にある「かくたこども&アレルギークリニック」の角田和彦医師のウェブサイトにあります 2005年7月の「コリンエステラーゼを阻害するフッ素(歯へのフッ素塗布)」によりますと、たとえば、フッ素入りの日常品として最も身近な「歯磨き粉」については、

dental-fl.png

とありまして、「 5グラムの歯磨き粉で、体重 10kgの子どもの中毒量」とあります。

まあ、5グラムというのは結構な量で、ホテルなどの備品にある小さな歯磨き粉で3グラムとかそのくらいですので、一度に歯磨き粉を5グラムも使うことはないでしょうけれど、脳の中でも特に松果体は、フッ素、カルシウムなどを蓄積しやすいですので、飲み込んでしまったものが日々蓄積すれば、5グラムは、わりと「すぐ」かもしれません。

特に、幼児になればなるほど「歯磨き粉を飲み込むこと」が多いですので、せめて小さなお子さんには、それが入っていないものを使うようにしたほうがいいかもしれない可能性はあります。

以前、うちの奥さんにそんなような話をした時、その時はそれほど興味なさそうに聞いていましたが、翌日、洗面所にフッ素の入っていない子ども用歯磨き粉が置いてあったりしました。

うちの奥さん曰く、「確かに子ども用でフッ素入ってないのほとんどなかった。これくらいだった」と買ってきたのが下のものでした。これは他の成分に関して良いのか悪いのかはわからないですが、フッ素に関してはまったく入っていないです。

packs.jpg
Amazon


というわけで、何だかまたも、フッ素の話を書いてしまいましたが、フッ素だけを攻撃したいわけではなく、事実として、

・従順でいい子が増えている

・脳が攻撃されているかもしれない日常


というふたつの要素が今の社会にあるかもしれないと考えますと、それが導く近い未来というものがどんなものかと思ったりした次第です。

というわけで、最初のほうに抜粋しました、2009年のウェブボットのその部分を抜粋いたします。
翻訳は、ヤスの備忘録のヤスさんによるものです。




Change in luanguage precede changes in behavior

ウェブボット「来たるべき未来の形」より抜粋
2009年9月15日配信


影の支配勢力は国民を分断し、相互の不和を拡大する思想の刷り込みを行う。この思想は専門家が注意深く考案したもので、ニューエイジ系の考え方も取り入れており、よくできている。

この思想は、分断して統治するという影の支配勢力の典型的な手法に基づいており、すでにインターネットのさまざまなサイトから発信されている。

まず分離と分断の技法は「われわれは特殊である」という思想の宣揚から始まる。

彼らはその原則を自分たちに適用し、自分たちにこそ統治する権利のある特殊な集団として民衆から自分たちを分離する。この思想は、少なくとも魚座の時代の始まりから存在していたものだ。

そして次に、影の支配勢力の核となる集団を、血統による純粋性を根拠に外の集団から分離する。

彼らは最近このような分離を維持することに難しさを感じているので、分離と分断を外部に対して徹底しながら、影の支配勢力のインナーサークルを拡大しようとしている。

影の支配勢力は最近、裏のネットワークを使い、人類の15%はエイリアンのDNAをもっているとするニューエイジ系の考え方を抑圧しようとした。だが、この考えはエイリアンのDNAをもつ15%の人類は特殊であるという意味で、分離と分断の思想を強化する方向に作用する。

エイリアンのDNAをもつ15%の人類は、マインドコントロールにはひっかからず、またエイリアンとコンタクトできるテレパシーの能力があるので特殊だという。

だが、この特殊性はシオニストの選民思想へと通じるものがある。シオニストの選民思想は、人間と人間とを分断し、相互の闘争を引き起こす。

影の支配勢力は、複雑な神経言語学的プログラミングの方法を駆使して、エイリアンのDNAをもつこの15%の人類を自分たちの仲間に引き入れようと画策する。

彼らはそのとき、この15%の人類はわれわれと同じDNAをもつ選民なので、人間性を裏切るような行為を行っても構わないと彼らにアプローチする。

このとき、他の人間たちを原始的な動物にたとえることもする。

まず、この選民思想はインターネットのトンデモ系情報を流している有名なサイトから広まる。この選民思想を信じた人間は、自分こそこの15%に属する選民であると思い込むようになる。

それはまったく何の根拠もない思い込みにしかすぎないのだが、彼らはそれを信じることで自分たちの集団には属さない人々を下等な人間として見下すようになる。最初は蔑視だけだが、次第にエスカレートし、他の人間に対して残虐な行為を 行うようになる。

これにより、人間相互の分断と敵対関係は強まる。

選民思想がこのような形で悪用されるとのデータはすでに存在していた。

ところで、エイリアンのDNAをもつ15%の人類はマインドコントロールされないことが一つの特徴であるとされる。しかし、この情報を見るものは、自分こそがこの15%であると、いわば覚醒した感覚に襲われてしまうのだ。

影の支配勢力はこのようにして彼らを自分たちの側へと引き入れるが、もちろん影の支配勢力は彼らよりも多くエイリアンのDNAをもつものとして自分たちの優越性を誇示する。このような新しい血統の概念の導入で、古くから行われてきた「分断と統治」の手法がアップデートされるのである。

影の支配勢力はこの選民思想を、ターゲットとなる集団に流布するために特殊なネットワークを使って広める。

自分が特別だと感じたがっている人間がこの情報に触れると、簡単に洗脳されてしまう。そして自分の友人をもそれに引き入れようとする。

実際にエイリアンのDNAをもつ人間が存在するのかどうかはどうでもよいことである。これは影の支配勢力が、民衆を統治するための戦術として生み出した選民思想にしかすぎないのだ。

影の支配勢力は自分たちが民衆を統治する神権をもっていると信じ込んでいるが、この神権の正当性を主張する根拠がエイリアンのDNAに変わっただけなのだ。

これは遺伝子工学の時代に考案された神権の新しい概念である。

育ちがよく、疑うことを知らず、そしてより大きな現実を批判的に吟味する訓練を受けていないものはこの選民思想の餌食となる。そしてウィルスが広まるように、この思想を信じたものは自ら率先してこの思想を広めるようになる。




  

2015年02月23日



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さきほど突然、全開のめまいに包まれました。私自身は若い時からめまいとの付き合いは長くて、しかも「いろいろな原因のめまい」を持っているようでして、「7つのめまいを持つ男」と称賛されたこともあります。

しかし、めまいに関しては、最近調子良かったのですよ。

大体2週間くらい前の記事の「ソルフェジオ周波数 528Hz に石灰化した松果体を正常に戻す可能性がある? …」で、528Hz の音叉を注文したことを書きました。買った後も「数日で何が変わるもんか」とか思っていたのですけれど、確実に実感したのは、「めまいが消えた」のですね。わりとすぐ。

これは奥さんも同じで、うちの奥さんも疲れるとめまいが強いのですけれど、「この音叉は何か」ということを説明せずに、夜鳴らしたりしていたんですが、数日後に、

「なんか、最近、めまいが全然なくて」

というようなことを言っていて、それは今も継続しています。

私もそうだったんです。
めまい感が非常になくなっていたのですね。

ところが、今日の午後からのめまいは何となくキツくて・・・しかし、ここ数日、調べたり考えていたことを思い出すと、「体調悪化もあり得るかもなあ」とも思ったりしました。

なんか、そんなわけで、ちゃんとした記事にはならないでしょうけど(そもそも今は横になってノートパソコン打っていますので文字が打てるだけの状態です)、ちょっと無駄話を書いておきます。

ところで、タイトルにある「閑話休題」という言葉ほど、意味を取り違えられやすい日本語はないように思いますが、私もずいぶん年を取るまで、この意味を間違えていまして、「どんなに苦しくても、 じっと辛抱すれば必ず報われる」という意味だと思っていました(そんな間違いする奴ぁいねえよ)。

うんまあ、つまらないことを書いてしまいましたが、閑話休題というのは「余談をやめて、話を本題に戻すとき」に使うのが正しいそうです。

なので、このような余談記事のタイトルに使うのは間違いということになりますが、しかし、内容としては、閑話休題というのもさほど間違っていないような気もします。

というのも、ここ最近考えていたことが、やはり、タイトルにある「スピリチュアルとは何か」ということだったんです。

最近ではむしろ「スピ系」というような言い方のほうが通じやすいのかもしれないですが、考えてみれば、この In Deep というブログは、

「原因のわからないことの原因は何なのだろう」

という興味から始まった部分があります。

この世には、UFO や心霊や UMA やサイキック能力や予言や占いやヒーリングやチャネリングや、あるいは他の様々な未知の現象や能力といわれているものがあって、そして、神様や宗教の世界もあれば、さらには、これはこの数年で知ったことですが、陰謀論や魔術や影の支配者の話などもあります。

これら「わからないものの正体は何なのだろう」と。

私は今でも全然いろいろなことを知りませんけれど、In Deep を始めた5年前くらいには、今よりさらに何にも知らない状態で、それだけに、「何かがわかればいいな」というような期待がたくさんありました。

この「未知」という部分に何か神秘的なものが介入してくるようなことがわかればいいなと。

しかし、自分でも特にこの2年ほどの記事の流れを読みますと、スピリチュアル的なものに対して距離を置き始めていることがわかります。

今の科学や今の見識だけでも理解できることを理解したい、という思いが昔よりも強いのです。

しかし、それは漠然とした考えのままでした、


ところが。


最近、その私の考えの方向性を決定付ける出来事、あるいは体験がありました。

この体験、あるいはこの体験と触れた衝撃はかなり大きく…うーん、しかし、その体験がどんなものかを書くことは難しく……。

ここはあくまで例え話として書きます。例えば、異次元というものがあって、そこに何らかの存在があったとして、その話にふれるというようなことがあったとして、そういう気の違ったようなことを例えとして、その存在が、

「今の地球にあるスピリチュアリズム(とそのビジネス)はすべてが正しくない」

と言ったというようなことがあったとします。

そして、さらに、「大事なことは現実の自然科学を進めることであり、人は天体物理学を学ばなければならない」というような言葉の存在が仮にあったとします。

さて、このパラドックスは、もう書いている流れの中に如実に表れているわけで、

現象自体がスビリチュアルといわれていることと似ている。

しかし、その現象はそのスビリチュアルを否定する。

ということなんですね。

くどいようですが、これは例えで、私がそのような体験をしたとか、そういうことではないです。

今までも書いていますが、私にはスピリチュアルと関係した能力は一切ないですし、そんな体験もしません。

ですので、例えとして書いていますが、上のようなパラドックスを受けた時に、どちらから考えてみればいいのか

あるいは、

どこまでをスビリチュアルと考えればいいのか

ということもあります。

528Hz の音叉は?
シュタイナーは?
あるいは以前の部屋に出ていた座敷童は?(そんなもん出てたのかよ)

あと、「悪魔の問題」というのもあります。

私は「悪魔」という存在を体感・・・とは違うな、ある程度は理解するのですけれど、悪魔そのものも「存在としてはスピリチュアルなもの」であるとは思うのです。

悪魔はいない? まさか!

・・・というようなことを考えたり、調べているうちに、キツいめまいに襲われてしまったのですね。

自分的には「7つのめまい」のうちの「首のあたりの原因系」だと思うんですが、ああ、そういや、昔から幽霊なんてのは首とか肩とかに乗っているものでして、こう凝るのも幽霊の……とこれもスピリチュアル。

しかしですね。

これらの問題に対しては、自分なりにある程度の結論はあるのです。

それは、

「精神的部分では第三者に頼らない」

ということです。

いかなる他者にも依存しないこと。

どんなに苦しい場合でも、あるいは、苦しい時であればあるほど、「何か助けてくれそうなものに頼らない」というスタンスというか。

私は二十代からメンタル的にムチャクチャきつい時代を過ごしていて、その頃は何かにすがりそうになりましたけれど、結局は、グチャグチャな前衛芸術とか気の狂った音楽で(なんにも改善はしなかったですが)その大波を乗り切って(死ななかったということです)きました。

以前のジョン・レノンのソルフェジオの記事で、ビートルズの「トゥモロー・ネバー・ノウズ」の歌詞を書きましたけれど、その中に、

内側の意味がわかるようになる
それは存在する

というのがありますが、この「自分の内側」に常にチューニングを合わせることが大事だと思います。

自分をヒーリングできるのは自分だけのはずです。

なぜなら、自分と完全に適合する波動を持つのは自分だけだからです。

そして、自分が自分に対しての精神的責任を負うならば、たとえ、それが失敗しても、他の人に責任を押しつけなくて済むのだから、理想的なことだと思います。

救いは他に求める必要があるのでなく、それぞれの心の中に自分の神様がいると考えればいいのではないかなと思うのでした。



  

2015年02月22日



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昨日、夜歩いていましたら、月と火星と金星の位置関係が感動的なものであることに気づきました。

私はスマホではなく古めの携帯を使っていますので、夜の空を写せるわけもなく、撮影しませんでしたが、ネットには、撮影されていた方々がその光景をアップされていました。

moon-mars-venus.jpg
Twitter

私の見たものは、もっと月がオレンジ色で、やや薄曇りのせいだったのか、月などの輪郭がぼやけていまして、かなり幻想的な空模様でした。

ちなみに、今、私はいわゆる喉の風邪というか、そういうものを引いていまして、体は苦しくないのですけれど、喉が苦しい。ここ数年、「不明熱」はたまに出したりしていましたが、風邪はほとんど引かない生活でしたので、久しぶりですが、そのおかげでちょっとしたことに気づきました。






 


朝起きた時に偶然感じた「額の光の圧迫」

そんなわけで、夜に何度か喉の痛さで目が覚めたりしたんですね。

朝6時頃だったか、「もういいや、起きよう」とした時、「熱はないよな」と、目を閉じたまま額に手を当てました。

「お?」

と思いました。

窓からは結構強めの陽射しが入っていたのですが、目を閉じたまま「おでこの部分を手で隠す」と、目を閉じている状態での全体の明るさがさらに暗くなることに気づきました。

メキシコの魚みたいに、おでこでも光を感じているのかなあ」

と面白いので、それを何度か繰り返したり、あるいは閉じたまぶたの上に手を置いたりといろいろとしていましたが、わりと明確に、額の部分にも何らかの「光の圧力の変化はある」と感じました。

これは皆さんも実際にやってみられるとよろしいのではないかと思います。別に光を感じても感じなくても、どちらでもいいといえる程度の変化ですけれど、多分、気のせいを除外できる程度には多少は感じるのではないかと思います。

しかし、この気づいた「光の圧迫」がどんな作用かはわからないにしても、この部分には松果体があります。

最近、この「松果体の現状」を思いますと、やや暗い気分になります。

そして、最近の記事だとか、あるいは、この地球のいろいろな一連の出来事を考えていますと、いわゆる陰謀論で語られる「人口削減計画」なんてものは、もう行う必要などないではないかという思いに至っています。

人口など削減しなくても、松果体が機能しなくなった人間を増やせば、それで「考える人間」は劇的に減少して、それだけで同じことになるだろうからです。




松果体の破壊に関しての現実の状況

このことは、過去記事の、

ソルフェジオ周波数 528Hz に石灰化した松果体を正常に戻す可能性がある? あるいはそこから導かれる「隠されたマルコによる福音書」の記述にも励まされ
 2015年02月07日

の冒頭に載せましたジョン・レノンの言葉

「この社会は、狂った目的を実現するために、狂った人間たちによって動かされている」
(Our society is run by insane people for insane objectives)


とも関係しているかもしれません。

john-lennon-1968b.jpg
YouTube

ジョン・レノンが言おうとしていた「狂った目的」が何だったのかは、具体的には言っていないのでわかりませんが、たとえば、

「人々の『脳』を破壊すること」

なども、十分に「狂ったような目的」といえるもののように思います。

脳の中でも、血流が多く物質が蓄積しやすいために破壊しやすい器官であり、なおかつ重要な器官と考えられる「松果体」をターゲットにする……というような。

そして、デカルトやシュタイナーなど、多くの人びとが言うように、「松果体は真実を見ることができる」というのがある程度は事実だとすれば、松果体を破壊された人間は、すでに真実へ目を向けることはできなくなるわけでして、それは「ロボット人間」というようなものと同義になるように思います。

そして、多分ですが、松果体が機能しなくなると、メラトニンという物質の分泌が減りますので、「精神の均衡を失う」人々も多くなるように思います。それに関しては、日本を含めた世界中の犯罪の傾向の異常性が増しているか、増していないか、などを見ても何となく感じるところはあります。

ちなみに、メラトニンは「 DNA の保護の役割」もあることが記載されていて、メラトニンが減少するということは DNA そのものが脆くなるということを意味するのかもしれません。

しかし、今回は、推測を別として、「現代社会で、いかに松果体が破壊されているか」ということを再確認したいと思います。

多分、今の世の中は、「松果体を個人個人で防衛する」ということがかなり重要なこととなってくるように思います。

松果体の破壊(特に石灰化)の原因がフッ素であるのか、あるいは過剰な薬剤投与であるのか、あるいは、砂糖や人工甘味料などであるのか、あるいは他の理由であるのか、現時点ではわかりませんが、松果体が「化学物質などの蓄積と共に石灰化していく」ことはわかっています。

そして、石灰化した松果体には「フッ素の蓄積」が見られることもわかっています。
そのフッ素は世界の多くの国で水道水に添加されています。

水道水にフッ素が添加されている国
fl-map1b.gif

▲ 2015年02月03日の記事「私たちを含む多くの人類の松果体はフッ素による石灰化により、すでに「永遠の機能停止」に陥っているかもしれない」より。


また、アメリカでは、多くの人々の松果体が石灰化しているという医学的データが発表されています。それに関しては、上の記事で翻訳したものですが、松果体に関しての英語版の Wikipedia に「石灰化」という項目があり、そこには以下のように記されています。


Pineal gland - Calcification

松果体の石灰化

松果体の石灰化は(特に高齢者で)多くの場合、頭蓋のX線で発見される。松果体の石灰化は成人では典型的なものだが、2歳児などの年齢の低い児童たちで観察されることもある。

石灰化の比率は、国により大きく異なるが、アメリカでは、過去 17年間で約 40%の人々に石灰化が発生したと推測される。

松果体の石灰化により、松果体の内分泌物が生殖腺の発達を阻害する作用を持つと思われる。なぜなら、小児で松果体に深刻なダメージを受けた場合、その結果として、性器官や骨格の発育が加速する。

最近のいくつかの研究では、アルツハイマー病や他の認知症において、松果体の石灰化の程度が非常に高いことを示した。松果体の石灰化はまた、アルツハイマー病の病因に寄与し得る、結晶化阻害剤の非存在とも関連していることを示す。

松果体中のカルシウム、リン、フッ化物の堆積物は、脳の年齢と比して、より多くなることを示し、加齢と相関している。



とあります。

この「過去 17年で、アメリカで約 40%の人々の松果体が石灰化したと推測される」というのは、科学誌ニューロラジオロジー( Neuroradiology / 神経放射線学 )の 1982年の論文にあります。

Neuroradiology.gif
Age-Related Incidence of Pineal Calcification Detected by Computed Tomography

1982年というと、今から 33年前ですから、アメリカ人の松果体の石灰化はその時点でかなり進んでいたと思われます。

松果体の石灰化とフッ素にどの程度の関係があるかはともかくとして、アメリカで水道水へのフッ素添加が加速したのは、上の研究の「後」の時期ですから、仮に関係があるとすれば、アメリカ、あるいは水道水にフッ素を添加している多くの国での松果体の石灰化はさらに進んでいる可能性があります。

アメリカのフッ素添加水道水を使う人の数の1992年から2008年までの推移
fluoride-03.gif
Tuberose


また、上の Wikipedia の文章の中に、

> アルツハイマー病や他の認知症において、松果体の石灰化の程度が非常に高いことを示した。

とありますが、これは、2008年の科学誌ニューロバイオロジー・オブ・エイジング( Neurobiology of Aging / 老化の神経生物学)に発表された論文「アルツハイマー病における松果体石灰化:コンピュータ断層撮影を用いた生体内研究」にあるものです。

Pineal-calcification-Alzheimer.gif
Pineal calcification in Alzheimer's disease: An in vivo study using computed tomography

上のページに研究の概要が載せられていますので、記します。


アルツハイマー病における松果体石灰化:コンピュータ断層撮影を用いた生体内( in vivo )研究

メラトニンは、抗酸化、神経保護、また、概日リズム(体内時計)を安定させる作用を持つなどの多様な特性を有することが仮定されており、老化プロセス、及びアルツハイマー病に関与​​すると考えられている。

私たちの今回の研究は、279人の記憶障害で病院を訪れた外来患者(アルツハイマー病 155人、認知症 25人、軽度認知症 33人、うつ病 66人)の松果体石灰化の程度を決定するためにコンピュータ断層撮影を使用した。

そして、同様に石灰化していない松果体の組織の大きさと、個人内のメラトニンの不足の指標を調査した。

その結果、アルツハイマー患者においては、石灰化していない松果体組織の大きさは認知症の他のタイプの患者よりも有意に小さかった(石灰化している部分が大きいという意味)。また、アルツハイマー患者における松果体の石灰化率は、他の認知症やうつ病よりも高かった。

数値としては、アルツハイマー病が 76.2%(が松果体が石灰化)、他の認知症( 63.7%)、うつ病( 60.5%)となり、これらの知見は、アルツハイマー患者におけるメラトニンの異なる側面を反映していると考えられる可能性がある。



というようなことで、わかりやすくはないかもしれないですが、アルツハイマー病とメラトニンの分泌量の問題が示され、また、アルツハイマー病の患者では、松果体が石灰化している割合が高いことが示されたということのようです。

ただ、他の認知症にしても、松果体の石灰化率は 50%を超えていまして、(アメリカの)認知症の患者は全体として松果体の石灰化が関係しているのかもしれません。

そして、特にアメリカのアルツハイマーのこの数十年の増加ぶり。

世界のアルツハイマー病などの神経疾患での死者数の推移
alz-2009c.gif
アルツハイマー病

さすがに、アメリカのこの「 50年で 5倍に増えた」ということには、かなり直接的な原因がそこにあると考えた方が妥当な気がします。自然な増え方とは思えません。

話が少し逸れるかもしれないですが、松果体の重要性ということに関して「松果体と霊性」というような概念について少し書いておきたいと思います。




松果体と実体二元論と霊性

実体二元論の概念図
Substantial-Dualism.gif
Wikipedia

この図は、「実体二元論」というものの概念図で、何だか難しそうな響きですが Wikipedia の説明では以下のようになります。


実体二元論

この世界にはモノとココロという本質的に異なる独立した二つの実体がある、とする考え方。ここで言う実体とは他の何にも依らずそれだけで独立して存在しうるものの事を言い、つまりは脳が無くとも心はある、とする考え方を表す。



このような理論はかなり古くからあったようですが、17世紀の哲学者デカルトの二元論の研究で有名になったようです。

しかし、同時に Wikipedia には下のような記載もあります。

> 実体二元論は歴史的・通俗的には非常にポピュラーな考えではあるが、現代の専門家たちの間でこの理論を支持するものはほとんどいない。

とあり、自然科学が発達し、Wikipedia の表現ですと、「力学が発展し機械論的な見解が普及していくなかで」これらの考えはほとんど支持されなくなったことが書かれています。

なぜかというと、

デカルトは「松果体において、物質と精神が相互作用する」としたのである。しかし仮にこうした相互作用があるとするならば、脳において力学の説明していないことが起きている、としなければならなくなる。

とあります。

> 脳において力学の説明していないことが起きている

というような、「力学で説明できないこと」は現代科学では認められないと。

さて、この現代の力学の根底となっていることは、「自然界の4つの力」というものだと思われます。その4つの力(素粒子の間に相互にはたらく基本的な相互作用)は、キッズサイエンティストからお借りしますと、下の4つです。

force-4.gif
キッズサイエンティスト やさしい物理教室

キッズサイエンティストには、説明として、素粒子が研究が進む中で、

物質が、少数のクォーク、レプトンからできていること、そして、それを支配しているのがたった4種類の力であることが分かりました。しかもこれらの力は全て力の粒子を交換することによって働くことが分かったのです。

とあります。

しかし、ここからはまあ、オカルトだと受け取っていだいて結構なのですが、最近おもしろいことを(ソースを書けないところから)知りました。




多次元宇宙を認識するために

こういうようなことを誰から聞いたことなのかなどを含めて、ちょっと書いていいものなのかどうかわからないですので、あくまで「出所不明の不安定な情報」というように思っていただいて構わないのですが、

宇宙には上の4つに加えて、他に3つの力が存在する

ということが「あり得る」らしいのです。

それがどんな力かという具体的な部分はともかくとして、これを書きたかった理由もまた結果的には、「松果体」とも関係することです。

たとえば、これから先の時代に、仮に力学の根本が多少変わっていった場合、今の科学ではどうしても理解できなかったことで、理解されることが出てくるかもしれない。

たとえば、今回のことでいえば、先ほど書きました「松果体の力学」も説明できるのかもしれないですし、あるいは、前回の記事、

アメリカ大統領選にツールとして登場予定の「UFO情報開示」。そして、約50年間成果の出ないSETI(地球外知的生命体探査)は方針を巡り紛糾中
 2015年02月20日

などを始め、最近の私は「宇宙からきた UFO やエイリアン」といったものに懐疑的なんですが、しかし、この「懐疑」は、

この宇宙が単一の次元であるという考え方に基づいた場合

の話であるわけで、

この宇宙が「多次元宇宙(あるいはパラレル・ユニヴァース)」であるとした場合

は、その「宇宙からきた UFO やエイリアン」の「宇宙」の部分を「他の宇宙(他の次元の宇宙)」と変えて考えるだけで非常に容易に納得もできることで、私がひっかかっている「光速の限界と惑星間の距離の問題」なども、さほど問題ではなくなるはずです。

地球の人類を含めて、多くの生命体は、様々な厳しい放射線や宇宙線が飛び交っている宇宙空間を長く移動することには向いていません。

これは物理的な問題で、「無理なものは無理」だと思われます。

しかし、次元が違うという考えなら、この物理の法則は適用しなくても済むと思われます。

いわゆる「瞬間移動」(たとえば量子テレポーテーションなど)という概念にしても、一次元だけの宇宙で考えますと、そこには「光の速さを超えられないという壁」がありまして、何光年などの遠い宇宙とのコミュニケーションには何の役にも立ちません(「何の」は言い過ぎですが)。

なので、「一次元だけで宇宙を考えているうちは、 UFO もエイリアンも無理」としか言いようがないような気がするのです。一次元宇宙の考えだけで遠い惑星からやって来る UFO を考えることには不可能性しか見いだせないのです。

しかし、多次元(別の宇宙)、あるいは平行した宇宙という存在があるとするならば、それで初めて多くのことが解決というか、理解できる範囲になるものではないかと思っています。

そして、その生命体が「多次元間の移動やコンタクトが可能」であるならば、地球の人類ではない知的生命体とのコンタクトはさほど奇妙なことではないと思います。

そして、これは単なる推測ですけれど、このような「多次元間の移動やコンタクト」は「進んだテクノロジー」によってもたらされるのではなく、「進化した空間認識」のほうにポイントがあるように思います。つまり、「生命として進化した空間認識」のことです。

多次元宇宙を認識できるような高い空間認識と「智恵」を持つことができるのなら、その智恵の範囲のテクノロジーで十分に多次元宇宙の旅はなし得るのではないかと思えます。

そして、将来の「地球の人類」にも、そういうような生命になれる可能性はあるのだと思っています。たとえば、「あと3つあるかもしれない『自然界の力』」を発見することなども含めてです。

「別次元を認識できる能力」



「別次元を認識できない能力」

とがあった場合、現在の地球の人類は、私も含めて、ほぼ全員が後者だと思います。
異次元を認識はできない。

しかし、それを認識できる「相手」が他次元の宇宙に存在するならば、そして、向こうが退化しないのであれば、地球の人間が「進化」した時には、コンタクトなのかどうかわかりませんが、接触やコミュニケーションは不可能ではないと思います。

そのようになった時に、私たちは「別の世界を見る」ことになるのかもしれないですが、しかし、そのような進化の際には、多分、松果体は非常に重要な器官となってくるのだと思います

なので、これからの時代、いろいろと大変ではあるでしょうけれど、何はともあれ、

自分と周囲の身近な人たちの松果体を守る。

ということは、今後の社会ではとても大事なことのような気がします。

世界中の人の松果体は個人には守り切れません。
なので、とりあえずは自分とその周辺で十分だと思います。

私などの年寄りはともかくとしても、若い人ならば、多少の生活上の注意で、松果体がそのままの状態で保てる可能性はあります。

もっとも、

胎内で200種類以上の汚染物質に包まれながら成長して生まれてくる赤ちゃんたちのサバイバル…
 2015年02月01日

という記事で書きましたけれど、通常の生活でも「お腹の赤ちゃん自身がすでに汚染に晒されている」ということもありそうですし、これから子どもを産むような方々は、今の社会ではかなり敏感に生活する必要があるのかもしれないです。


・・・何か記事がすごく長くなっている気がする。


本当はさらに「松果体と霊性」などのことについて調べたりしていたのですが、これはまたご紹介する機会があれば、ご紹介したいと思います。

これらについては、検索されるとした場合、「松果体 霊性」というキーワードで検索するより、むしろ、「松果体 量子論」で検索した方が、「松果体と霊性」というキーワードに近い検索結果が出てくると思います。

人間が「考える人間」であるためには、松果体は最も大事な器官であると思われ、それはたとえば、デカルトの「我思う、ゆえに我あり」という言葉の意味が Wikipedia にありますように、

自分を含めた世界の全てが虚偽だとしても、まさにそのように疑っている意識作用が確実であるならば、そのように意識しているところの我だけはその存在を疑い得ない。「自分は本当は存在しないのではないか?」と疑っている自分自身の存在は否定できない。

という意味ならば、「思うところをやめた人間は『存在する人間』ではない」ということもいえるのかもしれないわけで、現代社会での松果体の石灰化の著しい増加は、人類存亡の上でも重要な懸念となってしまっているのかもしれません。

そして、松果体の機能を失った人類の群から真実が見出される可能性は多分低く、多次元宇宙や、真実の科学や人類の覚醒といったこととも疎遠となる世界が出現してしまうかもしれません。



  

2015年02月20日



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▲ 2015年2月16日の Boing Boing より。フランク・ドレイク氏は、世界で最初に「地球外知的生命体探査」をおこなった天文物理学者。






 


アメリカ議会のUFO ロビーイスト

今回は冒頭の記事をご紹介したいと思いますが、最近は UFO 関係の報道、しかも、メジャー媒体でのものが何となく多いですね。

先日は、オバマ大統領の元顧問がツイッターに、

2014年の私の最大の失敗:またもや UFO に関するファイルを開示できなかったこと。

と書き込んだことが多くのアメリカメディアで報道されていました。

Podesta-UFO.gif

▲ 2015年2月16日のアメリカ Fox ニュースより。


下が実際のジョン・ポデスタ元顧問の投稿です。

podesta-tweet.jpg
THP


このポデスタという方は、大統領の元側近ということで、政府の中枢にいた方なのですが、かなり以前から UFO や地球外生命体に関心を持っているとされていて、なおかつ、「そのこと(自分は UFO に関心があること)を有権者にいつも大きくアピールしてきた」という人であるようです。

アメリカ議会にはいろいろな「ロビー活動」があるようなのですが、たとえば、先日の記事の、

メロンパンとステビアから知ったアメリカの「シュガー・ロビー」による過去50年間の砂糖消費拡大プロジェクトの現実
 2015年02月18日

には、砂糖消費の拡大を目的とした「シュガー・ロビー」というものの存在があったわけで、それによって、アメリカの砂糖消費は急激に拡大していったのですが、

「 UFO ロビー」

というのもあるようなのですよ。

2月17日のアメリカ HUFF POST の記事には以下のような下りがあります。


UFO ロビーは、最初、ヒラリー・クリントンによってその希望がつながれた。それは、2008年に彼女が大統領候補に立候補した時に、ポデスタ氏との強力関係を築いたためだ。

これから 2016年のアメリカ大統領選挙運動が本格的に開始する時に、そして、ポデスタ氏が選挙運動を行う際には、事実として、このことは重要な役割を果たす。

つまり、UFO支持者と UFO懐疑論者が共に「真実はそこにある」のかどうかを見ることになるからだ。



ここにある「真実はそこにある」というはの、アメリカのテレビ番組『Xファイル』のキャッチフレーズです。

今度の選挙で、このポデスタ氏がどのように大統領選挙と関わるのかはわからないですが、仮に関わった際には、「UFO というツール」をも使うと見られています。

具体的にはよくわからないですが、今回のツィートの内容から例えれば、

「〇〇が当選した暁には UFO ファイルを開示します」

だとか、そのような感じになるかどうかはわからないですが、FOX ニュースによれば、ポデスタ氏は、2002年からアメリカ議会で UFO 記録の開示の必要性を議論しています。

またその頃から、アメリカの市民グループとの話し合いを持っていることから「 13年間」も、このことに関わっていますので、UFO 支持者からの信頼はかなり厚いものと思われます。

まあ、いろいろとあれですが、こういうことを思う時、過去記事の、

ミスター・スノーデンが示唆する米英政府機関の「 UFO での大衆マインドコントロール作戦」
 2014年03月19日

などの記事を思い出します。

しかし、今回ご紹介する記事はそのようなこととは関係ないもので、長い歴史を持つ「 SETI 」と呼ばれる地球外知的生命体探査に関わる話です。




地球外知的生命体探査の現況

冒頭のフランク・ドレイクという人は、地球外知的生命体探査を世界で初めておこなった天文物理学者ですが、Wikipedia の説明をお借りしますと、


フランク・ドレイク(1930年5月28日 - )はアメリカ合衆国の天文学者・天体物理学者。世界で最初の SETIを実施し、また地球外文明の数を推定するドレイクの方程式の提唱者として知られている。

ハーバード大学院時代の1960年、グリーンバンクのアメリカ国立電波天文台(NRAO)にて、世界初の SETIであるオズマ計画を実施した。

1961年、ウェストバージニア州グリーンバンクのアメリカ国立電波天文台(NRAO)で、最初の SETI(地球外知的生命体探索)に関する会議を開催した。



という方です。

その SETI の説明は以下のようなものです。


地球外知的生命体探査

地球外知的生命体探査(Search for Extra-Terrestrial Intelligence)とは、地球外知的生命体による宇宙文明を発見するプロジェクトの総称。頭文字を取って「SETI(セティ、セチ)」と称される。現在世界では多くのSETIプロジェクトが進行している。


とあるように、特定の組織による単独のブロジェクトではなく、世界各地で様々におこなわれているものの総称です。日本でも、過去から現在まで数多くの SETI 観測が行われています。


さて、そして、この地球外知的生命体探査の約 50年間の歴史での成果は?


・・・といいますと、

「ほぼゼロ」

なんです。

「ほぼ」というのは、一応つけたような感じで、不審な信号は希にキャッチされることはありますが、ほぼ自然の発生源によるものとされていて、少なくとも SETI の科学者たちが、知的生命体のシグナルだと認めたものはひとつもないと思われます。

50年間はそれほど短期間とも言えないです。

そのようなこともあり、成果の上がらない SETI 観測が続くためか、最近の SETI の国際会議では、電波をスキャンするだけではなく、地球から積極的に宇宙空間に電波を送るべきだ、という意見と、それはしないほうがいい、という意見が衝突しているようです。

まあしかし。

50年間、何のシグナルも発見できなかったといことは、それが存在するかしないかは別として、この先続けて成果が出るかどうかは疑問ではあります。

このあたりについては、あまり強い主張はできないのですが、何となく、昨年の記事、

人類は宇宙へは行けないし、異星人たちも地球には来られないことを悟る中、人々から「神の存在が消えていっている」ことも知る
 2014年10月29日

を思い出します。

バンスペルミア説を信じている私は、全宇宙の生物の特徴はおおむねのところは似ていると思っています。その中で、人間を含む大型生物や多細胞生物の身体的特性から考えると、「宇宙空間は生体に合っているとは言い難い」と感じます。

そういう意味では、計画が進んでいる火星有人飛行も含めて、長期間の宇宙旅行は難しい面があるかなあと。

あるいは、それがものすごく進化した生命体、たとえば「すでに物質としての肉体を持たない」ような生命体であれば・・・それならそれで、わざわざ肉体を持つ存在として他の惑星に「乗り物にのって」向かう必要はなさそうにも思えまして・・・。

このあたりはなかなか難しい問題にも思えまして、あまり入り込んで考えないようにはしています。

いずれにしましても、UFO 関係の話に関しましては、イギリスの政府通信機関 GCHQ や、アメリカの諜報機関が絡んでいる問題以外は、私には知識がありませんので、あまりいろいろと余談を書かずに上の記事をご紹介します。

今回の記事は、莫大な予算をかけて、地球から宇宙へ電波メッセージを送るべきかどうかということの議論に関しての記事で、他のメディアでも大きく報道されていますが、この記事は、SETI の象徴であるフランク・ドレイク氏がタイトルとなっていましたので、ご紹介しようと思いました。

ここからです。




Frank Drake thinks it’s silly to send messages to ET
Boing Boing 2015.02.16


フランク・ドレイク氏は地球外生命体にメッセージを送信するのは愚かなことだと考えている


宇宙にどのくらいの地球外生命体が分布しているのかを推定する、伝説的なドレイクの方程式を考案したドレイク氏は、我々はより多くを聞くべきだと示唆する。

エイリアンとのコンタクトを行うこと --- それは多くのSF物語のテーマとなり、様々な想像の成果をもたらしてきた。

そして、もし私たちが知的地球外生物と接触した場合に何が起きるのかを知るものは誰もいないにも関わらず、科学者たちは私たちが進むべき方向について、様々な意見の対立の渦中にいる。

地球外知的生命体探査 SETI は、もう何十年も地球外生命からの信号を探査し続けているが、はっきりとした結果は何も検出できていない。もちろん、これまで興味深い信号は存在したが、それらに知性の指標となるような具体的なものは何もなかった。

SETI の科学者たちの議論は激しくなっており、数年前からは議論が荒れることが多くなってきた。

たとえば、受動的に空の信号をスキャンし続けるよりも、むしろ私たちのほうから積極的に宇宙空間へメッセージを送ることを始めるべきではないのか、という意見がある。

今週、サンノゼの米国科学振興協会の年次総会での記者会見の席上、ダグラス・ヴァコッホ( Douglas Vakoch )氏は、活発に電波を送信することを開始すると声明を出し、このような直接的な方法は、人類の「成長」の一部となり得るだろうと述べた。

さらに、ヴァコッホ氏は、これが私たち人類にエイリアンとの「コンタクト」に近づく試みとなり得るとすれば、それは感嘆すべきことだとも語った。

ヴァコッホ氏と同じ立場の科学者であるセス・ショスタク( Seth Shostak )氏は、太陽系を越えて、知的生命体を積極的に探査するためのリソースは、私たちにとっての義務であると雄弁に語った。

議論の主題は、私たちの惑星の電波の漏洩についてだった。この電波の漏洩は他の高度な文明に対して、私たちの存在について高度な警告になっている怖れがある。それならば、どうして本格的に会話を始めない理由があろか、というものだ。

これに対して、人気SF作家であり、物理学者でもあるデイヴィッド・ブリン( David Brin )氏は、そこにどんなものがいるのか見当もつかない上に、そして、彼らの動機が何であるのかを知る者もいないと反論する。

確かに、宇宙で信号を探しているものからすれば、私たちは見えていないわけではない。しかし、私たちはトラブルを見に行きたいのではない、と。

ブリン氏は、知的地球外生命体にメッセージを送ることについての議論は、人類すべてが考慮すべきことだと強調した。

ブリン氏は利他主義が浸透していることを疑問に思っている。生物の行動戦略とは、自分自身のために考えるのではなく、他者に対して素晴らしいことをおこなうことで、それは実際に自然の中に存在すると述べる。

将来のシナリオとして、私たちが地球外生命体との取り引きをおこなう必要がある場合、情報こそが私たちの最も貴重な資産となるだろうとブリン氏は言う。そのためには、情報は守られ、評価されるべきだという。

METI (積極的に電波を送る試み)プログラム起動の着手に対するさらなる議論は、そこにあるリスクの実際的な考慮を伴っている。そこには、宇宙生物(細菌やウイルスなど)での汚染の問題を含む、地球の保護も含まれている。

私たち人類は微生物の世界に住んでいる。

その状況を人類が描写できるようになって、まだわずかであり、まして、人類は微生物の世界をほとんど理解していない。

エイリアンは、宇宙のあらゆるタイプの微生物を運ぶ可能性が高い。その中には、私たち人類がまったく初めて遭遇するものもあるかもしれないし、あるいは、人類の免疫では防御できない壊滅的なタイプも存在するかもしれないのだ。

そして、これは私たちの地球の微生物が、他の惑星の生命体に対して及ぼす影響についても同じだ。

これらのすべての議論は、完全に経済的な考慮に照らしてなされている。

現在の技術を駆使して、数少ない近くの惑星へ繰り返し連続した信号を送信するための費用が計算されている。しかし、その費用は、新規の建設や新しい技術が必要になるにつれて拡大することは言うまでもない。

ドレイクの方程式で知られるフランク・ドレイク氏は会議の中で、高度な生命体フォームにコンタクトすることについての多くの潜在的な利点はあるとしても、「今、メッセージを送信することは愚かなことだ」と述べる。

まず、私たちが今そのようなプロジェクトを始めても、少なくとも 50〜 100年間は、このプロジェクトの恩恵を受けることはできないことがある。なので、その時点でリソースの浪費となり得る。

私たちの時間、費用、そしてエネルギーをよりよい探査に向けるとするなら、「メッセージを送信することは効率的ではない」という。

ドレイク氏は、私たちの探査と活用は太陽系内に絞るべきだという。

なぜなら、知的生命体は星間を移動することはないだろうからとドレイク氏は言う。
その理由は、星間の移動のコストが法外であるからだ。

たとえば、近隣の惑星に光速の 10分の1の速度で 100年の宇宙飛行をするとした場合、アメリカ合衆国のすべての支出の 200年分と同等のコストが必要となる。そこには、着陸した後のコストは含まれていない。

最も進化した文明の中には、自らの太陽系を越えて移動しているものもあるかもしれないとしても。




  

2015年02月19日



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▲ 2015年2月16日のインターナショナル・ビジネス・タイムズより。






 


最近、冒頭のようなことがロシアのコンピューターセキュリティー会社から公表されましたが、「 1200億円の現金盗難事件」は、多分、特定のグループの犯罪としては、史上最も大きな金額の盗難事件だと思いますが、この凄いのは、その金額より「ターゲット」なんです。

これまで、ハッカーなどが銀行のお金を狙うのは「個人の口座から」だったわけです。

これは、何らかの方法で個人のネットバンキングなどに侵入して、何らかの方法で暗証番号やパスワードを入手して、不正に振込や送金を行うというようなことで、これは現在でも非常に多くおこなわれているはずです。

ところが、今回の犯罪者集団は、

「銀行そのものを相手にしている」

のです。

方法は後ほど書きますが、簡単に書きますと、「銀行員のパソコンを遠隔操作して、そこから ATM の送金手段を入手して、不正口座に送金する」という方法です。

おこなったのは、ロシア、ウクライナ、欧州の一部、中国、などの出身者から構成されていると見られている「カルバナク」( Carbanak )と呼ばれる集団による犯罪ですが、こう簡単に銀行システムからこれだけの大金を盗み出せるという現実がありますと、冒頭にありますように、「金融システム全体をシャットダウンさせる」ということも不可能ではないことなのかもしれないと思い、今回はそのことをご紹介したいと思います。

ところで、その前に、「銀行」というキーワードで、ひとつ最近の時事を書いておきたいと思います。




唐突にNHKが特集した預金封鎖

私はあまりテレビのニュースを見ないですので知らなかったのですが、数日前の NHK のニュースで、「預金封鎖」について特集されていたそうです。

現在は、NHK のウェブサイトにも載せられています。
その冒頭は以下のようなものです。


“預金封鎖”の真実
NHK WEB特集 2015.02.18

終戦後間もない昭和21年2月16日、時の日本政府は預金の引き出しを厳しく制限する「預金封鎖」を突然発表しました。

日本経済を襲った猛烈なインフレを抑えるためだと国民に説明された「預金封鎖」。しかし、その政策決定過程を検証していくと、現代の日本にも通じる深刻な財政問題が底流にあったことが見えてきました。



というように、1946年に行われた「預金封鎖」について、何だか唐突な感じもする特集報道がおこなわれていたようです。

なお、当時突然発表された預金封鎖は、国民に対して、「インフレ抑制のため」と説明されていましたが、NHK の報道では、以下のようにも説明されていました。


財務省に情報公開請求を行い、当時、非公開とされた閣僚や官僚の証言記録を入手しました。すると、インフレ対策とは別に、もう1つのねらいがあったことが見えてきました。

それが如実に記されていたのが、渋沢大臣の証言記録です。


この中で渋沢大臣は大蔵官僚だった福田赳夫氏から

『通貨の封鎖は、大臣のお考えでは、インフレーションが急激に進みつつあるということで、ずっと早くから考えていられたのでございますか』

と問われたのに対し、

『いやそうではない。財産税徴収の必要から来たんだ。まったく財産税を課税する必要からだった』

と答え、預金封鎖に込めたもう1つのねらいを吐露していました。



ということで、国の本当の目的は、預金封鎖以上に「財産税徴収」だったことがわかります。

しかし、69年前のことはともかくとしても、この報道で示されていた、

69年前の日本の債務状況



現在の日本の債務状況

とを比較したグラフを見ると、「すでに限界を超えている」ことがわかったのでした。

昭和19年の日本の債務残高が GDP に対して 204%だったのに対して、現在は、232%

要するに、現在の日本の借金状況は、戦後の預金封鎖に至った債務状況の時よりも悪くなっていることがわかります。数年前にすでに、69年前の状況と並んでいたようです。

そして、これが今後、時間が経てば改善するのかどうかと考えますと、毎年 100兆円程度の借金を積み重ねている中では、この比率はさらに上昇すると考えるのが妥当だとも思えまして、なるほど、これは厳しい

そして、NHK の報道は以下のように締められていました。


「預金封鎖」と「財産税」は、今では考えがたい措置で、経済大国となった現代の日本と当時とを安易に重ね合わせるわけにはいきません。 しかし、日本の財政が今、先進国で最悪の水準まで悪化していることを考えると、歴史上の出来事だと片づけてはならない問題だともいえます。


ちなみに、昭和21年に公布された預金封鎖令は正式には『金融緊急措置令等』というもので、それは以下のようなものでした。


金融緊急措置令等(昭和21年2月16日)

・現在流通している紙幣の通用は三月二日限りとする。

・新紙幣と旧紙幣の交換期間は二月二五日から三月七日までとし、交換限度は一人につき一〇〇円。それ以上の旧紙幣は預金として封鎖。

・封鎖預金からの現金引き出しは、一ヶ月につき世帯主三〇〇円、家族一人につき一〇〇円とする。給料の支払いは一人につき五〇〇円まで、それ以上は預金として強制的に預け入れ。

・臨時財産調査令により、三月三日午前零時現在で財産調査を行い、財産税算定の基礎とする。


 本吉正雄著『元日銀マンが教える預金封鎖』より


というものでした。

当時の詳細な貨幣価値はわからないですが、1ヶ月の預金引き下ろし限度額が世帯主で 300円ということは、その 300円というあたりが(多分かろうじて)生きていくことはできたというくらいの貨幣価値だったと思われます。

ちなみに、上の資料を抜粋しました『元日銀マンが教える預金封鎖』によりますと、大事だったのは上のうちの最後の「財産税」の徴収だったようで、つまり、預金封鎖そのものより、その間に徹底的な財産の没収を行って、国の借金に充てるということが目的だったようです。

『日本銀行職場百年史』に、この時の大藏大臣だった澁澤敬三氏の言葉が収められていますが、下みたいなことも言っていたようです。

「戦争中はみんな真面目な気持ちで一億玉砕だと言っておったではないか。まだそういう気分が残っている頃です。だからもう一度みんな死んだと思って、相続税をいっぺん納めることにしたって悪くないじゃないか。そうすれば、あとがすっきりする」

何度も何度も「死んだと思って生きる」のも大変ですが、それにしても、なぜ今こんな感じのことを、公共放送的な意味合いを持つ NHK が特集を組んだのか、ということは気になるといえば気になりますが、まあ、いずれにしても、現在の日本の債務状態から見ますと、そういうようなことがいつ起きても「不思議ではない」ということは言えるのかもしれません。

どうも、いろいろと金融システムそのものが危うく感じる最近ですが、冒頭の記事についてご紹介したいと思います。




史上最高金額のハッカー犯罪はどのようにしておこなわれたか

これは、全体としては以下のような出来事です。


ロシアの銀行もハッカーの標的 被害総額は1200億円か
ウォール・ストリート・ジャーナル 2015.02.16

ロシアのコンピューターセキュリティー会社カスペルスキー研究所はこのほど、ロシアのコンピューター犯罪組織が2013年終盤以降ロシアや東欧、さらに米国の銀行から多額の資金を窃取したとの報告書を公表した。被害にあったのは、大部分がロシアの銀行のもようで、被害総額は10億ドル(約1190億円)に上るという。

被害を受けた銀行の数や名前は明らかになっていないが、関係者によれば、米金融サービス会社の幹部数人が報告書について説明を受けたという。米政府当局者も、同報告書については知っているとしながらも、一部当局者は米銀に被害が出たかどうかには懐疑的だと述べた。



さきほども書きましたけれど、これの今までのサイバー犯罪と異なる点は、「銀行そのものをターゲットにしている」という点です。

この犯罪者グループであるカルバナクは、個人の銀行口座に侵入したり、そんなことはせずに、あっさりと 1200億円に上ると見られる金額を銀行から引き出しました(その意味では、個人は誰も被害に遭っていないというのも事実です)。

ターゲットになった国は、カペルスキー研究所が突き止めた分で約 30カ国で、それらの国の約 100の銀行がターゲットとなりました。

carbanak-target-map.jpg
Kaspersky


ロシアが最も被害が大きかったようですが、アメリカやヨーロッパ諸国も被害に遭っていて、アジアでも中国、台湾、インド、香港、パキスタンなどが地図で示されています。

日本がターゲットにならなかったのは、推定ですが、「日本語の特異性」のためだと思われます。

彼らのやり方は、最初に、

「銀行員へ偽りのメール(悪質なプログラム添付のメール)を送信する」

ことから始まり(さらにはそのメールを銀行員が不振がらずに読む必要があります)、その後は、

「銀行員のパソコン操作の内容を遠隔操作などで読み取る」

という作業の繰り返しのようですので、ターゲットの言葉(文字)と文法を、ほぼ完全に表現できないとならないという特徴があります。

その方法は、ニューヨーク・タイムズの記事に記されていますが、おおまかに言いますと、次のようなものだったようです。


カルバナクの攻撃方法

・ターゲットの銀行の銀行員に、同僚からのメッセージを偽ったメールを送信する。
   ↓
・その銀行員がメール読もうと開いた場合、悪質なプログラム(マルウェア)が、銀行員のパソコンにダウンロードされる。
   ↓
・これを起点として、ハッカー集団は銀行のネットワーク内に侵入。
   ↓
・銀行員のパソコンから、送金システムや ATM 処理を行う担当者を探しだす。
   ↓
・ATM の処理担当者が判明した後、ハッカーはその担当者のパソコンに侵入し、遠隔操作できるソフトを不正にインストール。
   ↓
・ATM 担当者がパソコンでどのような操作をしたか、あるいは、どんな文字列を打ち込んだかが、すべてハッカー集団に筒抜け状態に。
   ↓
・送金の手順をハッカー集団が把握。
   ↓
・アメリカや中国の銀行に偽の口座を用意し、その口座へターゲットの銀行から送金。
   ↓
・待機していた人物が、ATM からお金を下ろす。


carbanak-way.gif
NY Times


という手段が書かれてありました。

文字にしてみると、ハイテクと、日本の特殊詐欺がダブッたような方法ですが、この方法で、2013年の暮れからの1年間で 1200億円を盗んでいるのですから、何とも壮絶な犯罪だといえます。

しかし、問題は、この犯罪そのものというより、今回ご紹介するインターナショナル・ビジネス・タイムズにありますように、

「こんなに簡単に銀行のシステムに侵入できてしまうという現実」

のほうです。

今回のことでは、どの銀行がどの程度の被害を受けたのか具体的な発表も、あるいは被害届けさえも、どの銀行からもありませんが、理由は簡単なことで、IROIRO の記事の説明がわかりやすいですので抜粋しますと、

その原因は、多くの銀行がハッキングされても、自ら進んで情報公開をしておらず、被害を受けたことすら報告したがらないからだ。

ということです。

たとえば、「私の銀行はハッカーに数十億円盗まれてしまいました」と発表してしまうと、その銀行の信用は非常にダメージを受けると思われます(方法次第では、その銀行を破綻させるようなこともできていたわけですから)。なので、被害を受けても発表しないと思われます。

しかし、そのことはともかくとして、現実として、「銀行のもろさ」というものを今回の件で目の当たりにした感があります。

そして、インターナショナル・ビジネス・タイムズの記事は、このような規模と、これまでにない攻撃方法は、

このようなことがお金目的だけではなく、金融システム全体を麻痺させることに使われる可能性は否定できない

としています。

今は銀行のお金も株式市場もすべて、コンピュータの上で数字だけが動いている「仮想の市場」ですが、それが麻痺する可能性についてふれられています。そして、すでにその兆しとなるような出来事も、今のところ事前に食い止められていますが、いろいろと起きているようです。

ご紹介したいと思います。




Hackers Steal $1 Billion In Biggest Bank Heist In History: Could They Take Down The Whole System Next Time?
IB Times 2015.02.16


ハッカー集団が 1200億円という史上最大の銀行強盗を行っていたことが判明。次に彼らは銀行システム全体をシャットダウンさせる?


国際ハッカー集団が世界中の銀行から 10億ドル(約 1,200億円)の金額を盗み出していたことが今週明らかになったが、この出来事は金融セクターにおけるサイバー犯罪の構造的なリスクについての懸念を新たにした。

ロシアのセキュリティ会社、カペルスキー研究所が発表した報告書によれば、このサイバー犯罪は、現代の歴史の中で最大の盗難事件となる。

世界 30カ国の 100以上の銀行が影響を受けたと見られている。

証券監督者国際機構( IOSCO )のエコノミストのロヒニ・テンデュルカー( Rohini Tendulkar )氏は、この攻撃について、「方法の洗練性と規模の巨大さでは前例のないものでした」と述べた。

今回のことは、金融システムは、全体としてサイバー攻撃に脆弱であることを示しているのだろうか?

サイバーリスクに関してのコンサルタント会社代表のヴィクラム・バート( Vikram Bhat )氏は、「金融犯罪であることに焦点をあてるのも良いでしょうが、時間と共に、私たちはシステミックな挑戦からの混乱を注視する必要があります」と語っている。

金融機関のサイバーセキュリティは、相変わらず、顧客の個人の情報と口座を保護することにのみ動いている。

しかし、今回の例でわかるように、銀行への攻撃は、より洗練されてきている上に、攻撃者のタイプも独立した個人の犯罪者から、「デジタル・マフィア」へと、あるいは、国家ぐるみでの攻撃もある時代となっている。

このようなこともあり、金融システムへのリスクは指数関数的に増大している。

バート氏は、セキュリティの脆弱性からのシステム災害だけを懸念しているのではない。2013年、証券監督者国際機構と国際取引所連合は、世界の金融取引所の 89パーセントにハッキングに対しての「システミック・リスク」が存在することを発見したことについて報告書を出した。

銀行システムは相互に接続しているインフラだが、テンデュルカー氏によれば、「人はしはしば、彼らが誰と接続しているかに気づいていない」と述べる。

複数の銀行への攻撃は、金融システム全体に小さくても波及する。

過去1年間、ウォール・ストリートでは、何度もサイバー攻撃によって身震いをさせられている。JPモルガンは、8000万にも及ぶ顧客口座に侵入されていたことを昨年の秋に発表した。

そして、それは2ヶ月間も見過ごされたままだったのだ。

今年1月、 FBI は、複数のロシア人を刑事告発した。
伝えられるところでは、クレムリンで働いていたその人物は、「市場を不安定化するために使用するメカニズム」としての高周波の自動取引ユニットについて議論していたとされる。

2013年には、ブリート・バーララ( Preet Bharara )連邦検察官は、東欧のハッキング・グループを摘発した。彼らはニュージャージー州の隠れ家から、ナスダックのシステムに侵入しようとしていた。

バーララ検察官は、以下のように述べた。

「サイバー犯罪者たちは、銀行の個人口座に侵入しようと試みるだけではなく、金融システムそのものをターゲットにしようとしているのです」

テンデュルカー氏は、サイバー攻撃が、たとえば、ニューヨーク証券取引所などから銀行間の通信ネットワークに接続されている上位金融システムインフラの基盤そのものを脅かすことを懸念している。

敵対する国家や不正なハッキング・グループなどが、サイバー攻撃によって仮想市場を麻痺させることができる可能性があるのだ。

今回、カペルスキー研究所が発見した 1200億円の盗難をおこなったハッカー集団の目当ては現金だけのように見え、それ以上のことを行う意志はないようだ。

しかし、今回の攻撃の規模と洗練された方法は、金融システム全体がサイバー攻撃から防御することができるのかどうかということに対しての疑念を抱かせる。




  

2015年02月18日



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sugar-lobby-top.gif

▲ 2014年6月27日のニューズウィークより。






 


メロンパンをめぐる2015年食品添加物の旅

今日、うちの子どもがメロンパンを食べていたんですね。

ぱくぱくと美味しそうに食べていたので、「それ美味しいの?」と聞くと、

「いやまあ、普通に」

という味気ない返事でしたが、そのメロンパンの袋を手に取り、何となく裏を見てみました。

ふと、成分表を見ていきますと、

小麦粉、砂糖、卵、マーガリン、水あめ…

と最初は普通の始まりですが、その内容は次第に複雑化していきます。

…デキストリン、トレハロース、乳化剤、着色料(紅麹、クチナシ、アナトー)、ソルビトール、香料、酸味料、増粘剤(キサンタン)、甘味料(ステビア)、酸化防止剤(ビタミンE)、メタリン酸Na

うーむ、頼もしいカタカナの援軍たち…」とは思いましたが、「アナトー」だとか「メタリン酸Na」など、初めて聞くような成分も多く、「我々は毎日、何が入っているんだかわからないものを食べてはいるなあ」と改めて思いました。

しかも、着色料だけで3種類も使われていて、並々ならぬ「着色への思い」なども伝わる労作のメロンパンだとは思いました。製作者の努力も感じます。

とはいえ、労作は労作であることに敬意を表しつつ、「どうもやっぱりいろいろ添加し過ぎでは」とも正直思います。

マリリン・モンローの代表作のひとつである 1955年の『七年目の浮気』という映画で、奥さんから禁酒禁煙を言いつけられている主演の男性(トム・イーウェル)が、ソーダみたいなものを飲んでいる時に、その成分表を読み上げた後に、

これならスコッチのほうが体にいいのでは。よくわからんね

と言う場面がありますが、私もメロンパンの成分表を見て、「これなら芋焼酎のほうが…」と思ってしまいました(これは比較がおかしい)。

seven-years.jpg
・七年目の浮気


私が袋を見ていると、子どもが私に尋ねました。

子ども 「何見てるの?」
わたし 「パンに何が入ってんのかなと思って」
子ども 「今はね、どんな食べ物にもいろいろと入っちゃってるのは仕方ないんだよ」


と、何だか大人っぽい物言いをしまして、そのまま納得しそうになりましたが、それはともかく、メロンパンを見て、せっかく、こんなにいろいろと知らないカタカナの単語と出会ったのだから、調べてみようと思いました。どんなものでも出会いがあれば、関わるほうがいいということもあります。

引用は様々ですが、すべてリンクしています。

まず、デキストリン。

デキストリン

デキストリンは、デンプンまたはグリコーゲンの加水分解で得られる低分子量の炭水化物の総称である。

粉状化粧品の固形化や、エキスの顆粒化、粘度の調整、皮膚への吸着剤として用いられている。健康食品やスナック菓子類にも利用されている。

要するに炭水化物で、これは普通によく使われているもののようです。

次は、トレハロース。
これは名前はよく聞きますが、添加物としての役割は知りません。

トレハロース

高い保水力があり、食品や化粧品に使われる。

保水力を持つということは、たとえば、今回はメロンパンですから、柔らかい食感などを保つためなのかもしれません。特に問題のあるものではなさそうです。

そして、製作者の意地と執念を感じる感動の3種類の着色料、紅麹、クチナシ、アナトー

このあたりから、やや懸念のある情報にふれていくことになります。

まず、紅麹(べにこうじ)。

これは、紅麹カビというもので、中国では昔から使われてきたもののようです。

紅麹について

中国では数百年以上も前から白米や高粱(こうりゃん)に紅麹菌と呼ばれる赤いかびを生やした「紅麹」を紅酒と呼ばれる酒類の原料として利用してきた。

紅麹は獣肉などを紅色に着色する「着色剤」、日持ちをよくする「保存剤」としても用いられ、更に消化を助け、血行を改善する「漢方薬」として中国の古い文献に記載されている。

ということで、特別問題はなさそうなんですが、ただ、この紅麹は、サプリメントなどとしても使われているようで、これに関してはヨーロッパのいくつかの国では注意喚起、あるいは「違法」となっているようです。

下は内閣府の食品安全委員会の報告です。

スイス連邦食品安全獣医局(BLV)、紅麹を成分に含む食品の売買は違法と注意喚起
内閣府 食品安全委員会 2014.03.14

スイス連邦食品安全獣医局(BLV)は3月12日、紅麹を成分に含む食品の売買は違法であると注意喚起した。

スイス連邦医薬品庁とスイス連邦食品安全獣医局は紅麹を有効成分とする製品はスイスでは医薬品としても食品としても未認可であり、これらの製品を売買してはならないと指導した。

紅麹を有効成分とする製剤の売買はスイスでは違法行為に当たる。


これはまあ「量」の問題だと思います。
サプリメントだと大量摂取になりそうで、食品にちょこっと入っている程度は問題ないと思いますけれど、スイスでは、全面的に禁止されているようです。

そして、クチナシ。

これは語感は優しいですが、天然着色料危険度表という添加物の危険度(もちろん独自判断でしょうけれど)を5段階にわけているサイトによりますと、クチナシの危険度は「2〜3」となっていました。

kuchinashi.gif


上の表では、クチナシの下に、初めて知った「アナトー」があります。

アナトー - Wikipedia

アナトー は、ベニノキの種子から抽出される色素。

油脂、溶剤、水またはアルカリ水溶液により抽出され、黄色〜赤色の食品用(食品添加物)または化粧品用(口紅など)色素として用いられる。

とのこと。

アナトーは下のような実から採られるもののようです。

annatto.jpg
Annatto as Medicine and as a Culinary Colouring Agent

この色だと、やっぱり着色は赤系なんでしょうね。

それにしても、赤い食品ではないメロンパンに、紅麹とベニノキ(アナトー)の2種類の赤系色素を使っているあたりは、こだわりというべきか何というべきか。

続くソルビトールは、甘味料としてよく使われるもので、かなりの食品に添加されていると思われます。過剰摂取ならともかく、普通の量でしたら特に問題のあるものではないと思いますが、ただ、このメロンパンの成分を見て思うのは「甘くする作用があると考えられる」ものだけで、

・砂糖
・水あめ
・ソルビトール
・ステビア


と、重複して入れられているというのは、やはり、製作者のこだわりなのか何なのか。

次のキサンタンは、増粘剤で、非常に多くの食品で表記を見ます。

とろみのあるものには非常に多く使われていると思われ、特に問題はないのですが、たとえば、キムチだとかの漬け物類には、この増粘剤で「粘度を増している」ものが多く、それは実は不自然なとろみとなっている場合が多く、私はシャキッとしたほうが好きなので、増粘剤の入っていないものを探したりいます。

次に「ステビア」なんですが、これを調べている時に、今回のタイトルと関係している事実に行き着きました。




南米で神聖視されていたステビアとシュガー・ロビーの関係

ステビアは甘味料として知られていますが、原料は、南米のステビアという植物です。

ステビア
Stevia-rebaudiana-total.jpg
Wikipedia

その歴史を見ますと、ステビア - Wikipedia には、


ブラジル及びパラグアイの先住民グアラニー族が単に甘味料として用いるだけでなく、医療用として、心臓病、高血圧、胸焼け、尿酸値を低くするなどの目的で使用してきた。グアラニー族にとっては、ステビアは神聖な植物であり、崇拝の対象であった。

ハーブとして、糖尿病や高血圧の治療や健胃剤、二日酔い、精神的疲労に対する強壮剤として利用されている。



ということで、南米のグアラニー族(今でもその末裔が数多く南米に住んでいます)の人々は、ステビアを神聖なものとして使用していたようです。

何か、やっと「わりと良さげなもの」が、このメロンパンの添加物から出てきた感があります。

現在は純粋なグアラニー族はほとんどいないそうで、ほとんどがメスティーソと呼ばれる白人との混血としての末裔だそうですが、その血を引き継ぐグアラニー族の子どもたちはとてもカッコイイです。

グアラニー族の子どもたち
chicos-guaranies.jpg
La Gran Epoca


ところで、このグアラニー族が神聖視をしていたという「ステビア」なんですが、 これは、日本だから使えるものだということも知ります。

Wikipedia には以下の項目があります。


ステビアの抽出物が食品添加物として認可されている国としては、2008年12月までは、日本、ロシア、台湾、マレーシア、ブラジル、韓国などであり、アメリカ、EU諸国、シンガポール、香港などでは既存の甘味料業界のロビー活動 (Sugar Lobby) により認められていなかった。

ステビア抽出物を甘味料として使用した日本のインスタント食品や清涼飲料水、スナック菓子などが、それらの国で販売禁止になったり、撤去されたことがある。



とあり、どうやら、

「アメリカ、EU諸国などではステビアの食品添加は認められていない」

ということで、しかし、禁止された理由は安全性の問題ではなく、

> 甘味料業界のロビー活動 (Sugar Lobby) により

とあります。
そのために使用が阻止されているということのようです。

ここに Sugar Lobby (シュガー・ロビー)という言葉が出てきます。

「何だ? それは」

と思いましたが、ロビーというのは、ロビー活動を意味して、ロビー活動とは、ロビー活動 - Wikipedia にあります表現をお借りすれば、

特定の主張を有する個人または団体が政府の政策に影響を及ぼすことを目的として行う私的な政治活動

ということで、このステビアに対してのシュガー・ロビーとは「砂糖以外の甘味料の使用を阻止するためのロビー活動」ということになりそうです。

そんなことで、何となく調べていたところで見つけた記事が、冒頭のニューズウィークの昨年6月の記事で、そこにはアメリカの砂糖業界が、過去に、砂糖に反対的な科学的意見を封殺し、あるいは、 WHO が砂糖の摂取を制限するべき発表をおこなった際に、「アメリカの WHO への資金援助を断ち切る」と脅しをかけた記録などが書かれています。

結果として WHO が屈したことも。

そして、この「砂糖業界」の活発な活動のお陰で、下のグラフのように、アメリカの砂糖消費量は、過去30年で大きく増加したのであります。

sugar-consumption1.gif
Newsweek

ただ、上のグラフを見ると「アメリカ人はもともとが砂糖を取り過ぎ」だということも言えそうで、「もともと多いのが、さらに多くなった」というのが現況のようです。

現在のアメリカ人の砂糖摂取量は、砂糖の摂取を特に「害」と見なしているアメリカ心臓協会の砂糖摂取の推奨量である「1日6グラム」の4倍から5倍の砂糖を摂取していることになるようです(推奨量は、男性と女性、大人と子どもで差があります)。

ちなみに、上のグラフとわりと似ているグラフに「アメリカのガンでの死亡者数」というのもあります。OECD(経済協力開発機構)によるアメリカ人の死因の推移です。

oecd-us-cancer.gif
アメリカの死因の推移

過去 50年で、心臓疾患による死者が半分ほどに減っているのに対して、ガンは2倍に増えています。

ただ、「死亡率」に関しては、アメリカでは、ガンでも心疾患でも大きく減っています。

usa-cancer-2010.gif


これは、アメリカの医療がとった政策変更(代替医療を積極的に取り入れる)と関係していそうですが、今回はここにはふれません。

ただ、上の「ガンの死亡率」のグラフと、「一人あたりの砂糖消費量」のグラフの推移に一致が見られるのはおもしろいと思いました。

そして、アメリカといえば、他の国と比べて、アルツハイマーの異常な多さが知られます。

アルツハイマー病などでの神経性疾患での死亡者数の国際比較(1960年-2009年)
alz-2009c.gif
アルツハイマー病


いずれにしましても、アメリカでは「砂糖の業界団体」の力が非常に強いということは、過去記事の、

米国カリフォルニア大学のチームが過去の膨大な科学論文の研究の結果、「砂糖は毒である」という結論をまとめる
 2015年02月12日

でご紹介しました、砂糖の有害性などを公式に発表したカリフォルニア大学の研究チームが率いる「シュガーサイエンス」などはどうなりますでしょうかね。

ただ、今回ご紹介しますニューズウィークの記事では、「アメリカ人の砂糖の過剰摂取の時代は終わるだろう」としていて、それは「かつてのタバコのようになっていくかもしれない」としています。

ここから、そのニューズウィークの記事をご紹介いたします。




Report: The Sugar Lobby Threatens Organizations, Buries Science on Health Effects
Newsweek 2014.06.27

シュガー・ロビーたちが組織を脅し、健康影響への科学調査を葬り去っている

過剰な砂糖の摂取が、心臓病や肥満や糖尿病などを含む様々な疾病につながる可能性があることを私たちの多くは知っている。

それなのに、いまでも砂糖はアメリカで最も一般的な食品添加物であり、ほぼすべての加工食品に砂糖が添加されている。なぜ、アメリカの食糧政策は砂糖に対しての管理を追加しないのであろうか?



巨大な砂糖業界

憂慮する科学者同盟( Union of Concerned Scientists )における「科学と民主主義センター( Center for Science and Democracy )」からの新しい報告書によれば、アメリカ砂糖業界とトウモロコシ精製業者協会(高果糖コーンシロップのメーカーのための協会)のような甘味料を販売する企業を代表する業界団体の数々は、砂糖が添加された製品が健康に悪い影響を与えると考えている砂糖に反対的な科学のために数百万ドル(数億円)を注いだ。

たとえば、南カリフォルニア大学が 2013年の研究の中で、ソーダのラベルに開示されている糖度から、炭酸飲料に含まれる実際の高果糖コーンシロップの量が「大きく変化している」ことを発見した際、トウモロコシ精製業者協会は、その調査に反対の結果となる独自研究のために費用を使った。

トウモロコシ精製業者協会のコンサルタントは、研究の結果、もし、何らかの理由で南カリフォルニア大学の研究結果と一致してしまった場合は、その研究データを破棄してもよいと報告書に書いている。

別のケースとしては、アメリカ砂糖協会の会長が世界保健機関(WHO)の局長に送った 2003年の手紙の内容が、科学民主主義センターの報告書に引用されている。

その時、 WHO は、砂糖が「食事の栄養価を脅かしている」として、砂糖の摂取を 10パーセント制限することを推奨するリポートを発表していた。

アメリカ砂糖協会の会長の手紙は、アメリカ議会へ働きかける行動を示唆していた。その働きかけとは、WHO へのアメリカの資金提供を拒否するというものだ。

アメリカ砂糖協会と他の貿易グループは、保健社会福祉長官のトミー・トンプソン( Tommy Thompson )氏にも手紙を書いた。それは、この問題に関しての「個人的な介入」を求めるものだった。

脅迫とロビー活動が働いていることは明らかだった。結果として、翌年の WHO の食事と健康に関しての世界的戦略では、砂糖についての言及は消えていた。

2012年にマザー・ジョーンズによって公開された砂糖のPRに関しての広範囲調査によると、これらの砂糖ロビーイストたちによる科学を軽視する努力は非常に有効だった。砂糖の身体への危険性について一致した科学的意見は存在しなくなった。

砂糖業界のキャンペーンの時期は、アメリカ人の、甘味料を含む砂糖の大幅な消費の増大の時期とおおむね一致している。ここには、テーブルシュガー(スクロース)、高果糖コーンシロップ(HFCS)を含んでいる。

そして、この砂糖の消費の増加と伴って、今度はアメリカ人の慢性疾患が急増した。 1970年以降、アメリカ人の肥満率は2倍を上回る数で推移しており、糖尿病の発生率は3倍になった。

イギリス食品基準庁の独立した専門委員会である「栄養に関する科学諮問委員会」( Scientific Advisory Committee on Nutrition )は、肥満と2型糖尿病を避けるために、砂糖の摂取量を推奨されている量の半分に制限すべき報告書案を発行した。

報告書は、砂糖の添加を 10パーセントから 5パーセントに減らすことを促しているが、アメリカ疾病管理予防センター( CDC )によると、2005年から 2010年の間の平均的なアメリカ人の食事には、およそ 13パーセントの砂糖が添加されていた。

おそらく、今後の数十年の間に、アメリカ人は砂糖の過剰摂取を日常としていたライフスタイルを振り返るだろう。それは、タバコが辿った道と同じかもしれない。

誰もが何も気にせずにタバコを吸っていた時には、背後で巨大なタバコ産業が動き続けていたのだ。



  

2015年02月16日



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▲ 2015年2月15日のザ・ガーディアン Spy agencies fund climate research in hunt for weather weapon, scientist fears より。






 


年々荒れてくる自然環境を見ながら

現在の日本は比較的安定した気候の場所もある一方で、日本海側とか北海道の多くの地域などでは猛吹雪で大変なことになっていたりします。こちらについては、報道などでも目にする機会がありますけれど、海外でも、特にアメリカとかヨーロッパあたりでは「雪のカオス」の頂点に至っているような光景の地域も多く見られます。

動物好きな方にはちょっと心苦しいものかもしれないですが、スペインのカスティーリャ・レオン州という州では 70年ぶりの豪雪によって、動物たちが次々と雪に埋もれたり、あるいは凍死により死亡し続けているという事態になっています。

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▲ 2015年2月14日のスペイン MARCA より。


現在、雪の下にどのくらいの動物が倒れているのかわからないそうですが、推定では、ウマやシカなどの大型の動物だけで、数千頭ほどが積もった雪の下で死亡しているのでないかとのことです。

この状況の中でも耐えて生きている動物たちもいるようですが、写真を見てみますと、これ以上はどうにもならない極限の状態のようにも見えます。

ほとんど全身が雪に埋もれそうになりながら移動する馬
horse-spain-01.jpg
MARCA


アメリカも北東部などを中心に激しい雪が降いているようですが、そのレベルも次第に「観測史上最大」に近づいています。

下はボストンの降雪量の記録ですが、今シーズンの降雪量はもう少しで観測史上最大に迫る勢いです。

boston-snow-records.gif
Zero Hedge

観測史上最大の降雪記録まで、あと 40センチほどで、しかも、今後も寒波は続く見込みのようですので、この冬のボストンと、その周辺地域は観測史上最大の降雪記録となる可能性が出ています。


これらのことにふれましたのは、あまりにも当たり前のことで恐縮なのですが、「極端に荒れた天候は人間生活に大きなダメージを与える」ということを前提として書きたかった次第です。

そんな中で、冒頭の「アメリカの諜報機関が気象研究に資金提供をしていることと気象兵器の関係」についての記事を見ましたので、ご紹介しようと思いました。

私個人は、地球の環境を根本的に支配できるのは「地球と宇宙(太陽や宇宙線なども含めて)だけ」と思っている人で、ある程度の気候操作(もともと雨の降りやすいところにもっと雨を降らせるなど)はわりと簡単にできると思いますが、「兵器」レベルとなりますと、どうなんだろうと思う部分はあります。

もちろん、様々な自然災害に対しての「気象(環境)兵器説」は根強いものがあり、それなりの根拠はあるものなのかもしれないですが、HAARP を含めて、私の頭では今まで理解できたものがないだけの話かもしれません。

ちなみに、仮に「気象兵器」や「環境兵器」といったものが使われたとする場合、その特徴は、今回ご紹介するガーディアンの報道の中に出てくる CIA のコンサルタントだと名乗る人物が、

「仮に、我々(アメリカ)が他国の気候をコントロールすることを望んだ場合、他国に気づかれる可能性はあるでしょうか」

と科学者に質問をしていたりしていまして、つまり、通常の兵器と比べて、「誰がおこなったかが非常にわかりにくい側面がある」のが気象兵器の特徴かもしれません。そういう意味では、サイバー戦などとも似て、「開発できるものなら開発したい」と考えることは理解できます。




1978年に国際条約で禁止

気象や環境を武器に用いた話としましては、昨年の記事、

1975年のジュネーブ軍縮会議で米ソが発表した「人工洪水攻撃、人工地震攻撃、極地の氷の融解攻撃、オゾン層破壊攻撃の禁止」の新聞記事を見て…
 2014年02月19日

の中で、1975年8月23日のジュネーブ軍縮会議の内容を報道したオーストラリアの新聞をご紹介したことがあります。

1975年8月23日のキャンベラ・タイムズ紙より
weather-weapon-1975.gif
The Canberra Times Saturday 23 August 1975

このオーストラリアの新聞の記事は大まかには下のようなものでした。


米国とソ連 気象戦争を禁止する計画

アメリカ合衆国とソビエト連邦は、8月23日の 30カ国によるジュネーブ軍縮会議において、戦争の武器としての人工津波や人工地震などのような違法な手段による脅威に関しての条約案を発表した。

今回の条約で禁止される人工津波や地震以外の技術としては、氷冠を融解させることや川の方向を変えることによって沿岸諸国に洪水を発生させることが含まれる。さらに、意図的に致死量の紫外線を人々に曝露させるために上層大気中のオゾン層を破壊する技術が含まれている。



というものでしたが、このジュネーブ会議では、そのような技術を 1975年当時に米ソ共に持っていたのかどうかはともかくとして、研究開発を含めて、

・人工津波と人工地震
・氷冠を融解させて沿岸諸国を水没させる
・上層大気中のオゾン層を破壊して、人々に致死量の紫外線を曝露


などが禁止されたということになっています。

今回調べて知ったのですが、この 1975年の時点では、環境を用いる兵器全部が禁止されたわけではなく、そのような兵器が全面的に禁止となるのは、1978年に発効した国際条約によってだったようです。

その条約は、日本語にすると、ものすごい長い条約名ですが、「環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約」で、下のようなものです。


環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約 - Wikipedia

1976年12月10日、第31会期国際連合総会決議31/72号で採択され、1978年10月5日に発効した環境保全と軍縮に関する条約。通称、「環境改変兵器禁止条約」ともいう。

「現在あるいは将来開発される技術により自然界の諸現象を故意に変更し(例えば地震や津波を人工的に起したり台風やハリケーンの方向を変える)、これを軍事的敵対的に利用すること」の禁止を目的とする環境保全と軍縮に関する条約。

具体的には「津波、地震、台風の進路変更等を人工的に引き起こして軍事的に利用すること」を禁止する内容となっており、条約を遵守する締約国のとるべき措置や、違反の際の苦情申し立ての手続きを規定する。

ただし、罰則規定はない。また、有効期間は無期限と規定されている。



ということで、この 1978年以来、国際条約の上では、環境を用いた兵器は禁止され、また、その期限は「無期限」となっています。ただし、「罰則はない条約」でもあります。

この条約にあるような、

> 地震や津波を人工的に起したり台風やハリケーンの方向を変える

ということについて、たとえば今回の記事のあるように、仮に現在のアメリカのいくつかの諜報機関と政府機関(記事では、CIA に加えて、 NASA 、 NOAA など)が、気象のコントロールを研究しているのだとすれば、その歴史は数十年に及ぶわけで、そして「研究は今なお途上」ということも言えそうで、1960年代からアメリカが続けている気象コントロール・プロジェクトも、それほど大きく進展はしていない可能性もありそうです。

そもそも、気候や気象に関しては、(少なくとも公表されている科学の世界では)たとえば、雲はどうして作られるのかといった根本的なことについてもまだあまりわかっていない部分が多いです。

(参考記事:銀河からの宇宙線が直接地球の天候を変化させている : デンマーク工科大学での実験で確定しつつある宇宙線と雲の関係


そういう中で、根本原理がわからないまま、気象を操作するといっても、表面的なもの以上に進むのは難しいような気はします。とはいっても、簡単な気象操作なら過去のアメリカでも成功していた気象コントロール・プロジェクトはあります。




ポパイ作戦とストームフューリー計画

アメリカの過去の気象コントロール・プロジェクトで有名なものは、ベトナム戦争で敵軍の土地に雨を降らせ続ける(敵陣地の雨期を長引かせる)ための「ポパイ作戦」と、1960年代初頭からハリケーンの威力を弱めることを目的としておこなわれた「ストームフューリー計画」があります。

ストームフューリー計画はアメリカ合衆国政府の公式のプロジェクトで、ポパイ作戦は米軍の極秘行動でした。


それぞれ、記載されているページから抜粋しておきます。


ポパイ作戦 - Wikipedia

ポパイ作戦(Operation Popeye)は、アメリカ合衆国がベトナム戦争期の1967年5月20日から1972年7月5日にかけて東南アジアで行った、極秘の気象操作計画。

合衆国政府の戦況を有利に進めるため、人工降雨により、ホーチミン・ルート地域のみならず、タイからカンボジア、ラオスの雨季を長引かせるものであった。ヨウ化銀とヨウ化鉛とで雲を発生させ、対象地域において平均30日間から45日間雨季を長引かせた。



ポパイ作戦を実施中の米軍(正確な場所日時は不明)
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▲ 攻撃対象の地域で洪水が発生しているのがわかります。 Dr Prem より。



ストームフューリー・プロジェクト( Project Stormfury - Wikipedia 翻訳)

ストームフューリー・プロジェクトは、ハリケーンを人為的にコントロールしようという実験。ハリケーン上空に向けて航空機を飛ばし、ヨウ化銀を大気中に散布することによって熱帯低気圧を弱体化させようとする試みであった。

ヨウ化銀を種に見立てて散布することから「種まき」とも呼ばれ、1962年から1983年までアメリカ合衆国政府の公式プロジェクトとして行われた。

後にこの「種まき」が無駄であることが判明し、1971年に最後のハリケーン操作が行われた後は実験は行われず、1983年にプロジェクトは公式に終了した。



ベトナム戦争でのポパイ作戦のほうは、ある程度の成功を収めたようですが、この「極秘作戦」のポパイ作戦が 1972年7月のニューヨーク・タイムズ紙でスクープされた後、アメリカの議員たちから、気象兵器の禁止が呼びかけられ、1975年の部分的環境兵器の禁止から 1978年の環境兵器の完全禁止という流れとなったようです。

そして、ここから今回の記事です。

アメリカの CIA を含む政府機関が「気象兵器の開発のために」かどうかはわからなくとも、「気象研究に資金を供出している」ということは事実です。しかも、日本円で数千万円などの単位での資金を提供し続けているということは、政府機関の真意はわからなくとも、何らかの手段として、気候を利用したいという意志はあるのだとは思います。

果たして、人間は「地球の気候と環境の支配者」になれるものなのかどうか。




Spy agencies fund climate research in hunt for weather weapon, scientist fears
the guardian 2015.02.15


諜報機関が気象兵器獲得のために気候研究に資金を提供していると懸念する科学者


米国の気象専門家アラン・ロボック( Alan Robock )氏は、気候研究の資金が諜報機関によって供出されている中で、気候の変化を自在にコントロールできる技術を持つ者が出現するかもしれないと懸念を高めている。

今、米国の上級科学者たちは、アメリカの数々の諜報機関が気候研究に対して資金を提供していることについて懸念を表明し始めている。その懸念は、アラン氏と同じ、それらの新しいテクノロジーが、気候兵器として使用される可能性があることについてだ。

米国ラトガーズ大学の気候科学者であるアラン・ロボック氏は、世界の気候を変化させる方法を探るというラジカルな取り組みに対して、秘密主義のアメリカ政府の各機関はその内容についてオープンにすべきだと呼びかけている。

これまで、気候変動に関する政府間パネル( IPCC )の報告書作成に貢献してきたロボック氏は、巨大な火山噴火の中で成層圏のエアロゾルがどのように地球を寒冷化に導くかということをコンピュータ・モデルを用いて研究している。

しかし、彼は、そのように気候を変える技術を支配できるかもしれない者の存在についての懸念を持っていることを米国科学振興協会に語った

先週、全米科学アカデミーは、気候変動への取り組みへの異なるアプローチからの2つの報告書を公表した。ひとつは、大気から二酸化炭素を除去するための手段に焦点を当て、もうひとつは、雲を変化させる方法と、地球表面が今よりもさらに宇宙空間に対して太陽光線を反射させるための方法についてだ。

報告書は、小規模な研究ブロジェクトが必要とされていたこと、そして、非常に激しい気候変動の抑制のために炭素排出量を削減することは有効だが、その技術は準備の段階には程遠いことなどを結論付けている。

この報告書の研究には 60万ドル(約 7,000万円)がかかっているが、その一部の資金は、いくつかのアメリカの諜報機関からのものだった。

しかし、研究に関わったロボック氏によれば、 アメリカ中央情報局( CIA )からも、他の諜報機関からも、気象研究に関心を持つ理由や資金を提出する理由についての明確な説明がないという。

ロボック氏は述べる。

「 CIA はこの全米アカデミーの研究報告に対しての主要な資金提供者でした。それだけに、私は本当に心配なのです。誰かが気候を支配しようと試みている」

CIA 以外の資金提供者には、アメリカ航空宇宙局( NASA )、米国エネルギー省、アメリカ海洋大気庁( NOAA )などが含まれていた。

CIA は、2009年に「気候変動と国家安全保障センター( Center on Climate Change and National Security )」を設立したが、これは差し迫ったテロの懸念への対策の邪魔になるとして、一部の共和党員から激しい糾弾を浴びた。

センターは 2012年に閉鎖された。

しかし、それでも、専用の部署からではなくとも、気候変動がもたらす人道的結果とアメリカ経済への影響への監視を続けるだろうと諜報機関は語っている。

ロボック氏は3年前に、「 CIA のコンサルタント」だという二人の男性から電話を受けた後に、諜報機関の気候変動科学への関与を疑うようになったという。

彼らは以下のようにロボック氏に話してきた。

「我々は CIA で働いています。あなたにお伺いしたいことがあります。仮に、他国が気候をコントロールしていた場合、それを検出することは可能でしょうか。あるいは、仮に、我々(アメリカ)が他国の気候をコントロールすることを望んだ場合、他国に気づかれる可能性があるでしょうか?」

ロボック氏は以下のように答えた。

「もし、成層圏に気候を変化させるのに十分な大きさの雲を作り出すのであれば、それは人工衛星と地上からの計測器で検出可能です」

なお、気象を用いた兵器は、1978年の「環境改変技術敵対的使用禁止条約( ENMOD )」で禁止されている。

この電話について、どのような感じを持ったかロボック氏に聞くと「怖かった」という。

「私は CIA がおこなっていた他の多くのことも知りましたが、それらはルール(条約)に従っていないものでした。私の税金は何というところに使われているのか、と思いましたよ」

当紙はこの件について CIA にもコメントを求めたが、現時点では回答は得られていない。

環境改変技術敵対的使用禁止条約が発効する前、アメリカは気象改変に手を出していた。 1960年代、プロジェクト・ストーム・フューリー( Project Storm Fury )の研究者たちは、雷雨の破壊力を減少させることに期待をかけ、様々な粒子を雷雨にばらまいた。

同様のプロセスは、ベトナム戦争においても採用された。

北ベトナム軍の主要な供給ルートであるホーチミン・ルートの上に雲を作り、雨を降らせ続けることによって、北ベトナム兵士たちの歩く道を泥まみれにし続けた。

ロボック氏は、「気象を変化させる研究は、オープンになされるべきだと思います。国際的にそうであるべきです。そうでなければ、これらの技術が敵対的な目的のために使われることになってしまう」と述べた。