▲ 2015年09月30日のBreaking Israel Newsより。記事後半に翻訳記事を載せました。
やはりよくわからない中国という国
昨日( 9月30日)、中国で連続爆破事件が起きました。
しかし、報道を読んでも、どうも何だかわからないことが多い感じもします。
中国南西部で連続爆発、7人死亡 警察は33歳男を容疑者と特定
ロイター 2015.10.01
中国南西部の広西チワン族自治区柳州で30日、小包爆弾が相次いで爆発し、少なくとも7人が死亡、51人が負傷した。さらに2人が行方不明になっているという。国営メディアが伝えた。
新華社によると、警察は地元の33歳の男を容疑者と特定し捜査を続けている。
報道によると、爆弾は病院やショッピングモール、刑務所、政府施設など13カ所で爆発。当局はテロの可能性はないとしているという。
> 当局はテロの可能性はないとしている
と最初からしていて、しかも、事件直後から中国当局は、その 33歳の男性だとかいう人の「個人の犯罪」(?)だと断定していたようなんですが、「なぜ、そんなにすぐ犯人の見当がつく?」というのはともかくとしても、14カ所ほどを爆破した上に、中国版ツイッターのウェイボーに投稿された写真を見ると、個人の犯罪というにはあまりにも爆発規模が大きいように見えます。
中国広西チワン族自治区の爆発後の様子(ウェイボーより)
ビルが倒壊し、車が吹き飛ばされるようなこの爆発を 14カ所連続で1人で?
それにしても、仮にこの事件が個人的な犯罪だったとしても、このレベルの出来事には「テロ」という言葉を当てはめてもいいとも思いますが、語義というものは難しいですね。
そして、少しだけ驚いたのは、翌日の市場の反応でした。
これがテロであるにしても、そうではないにしても、中国の社会不安を露呈するような出来事のような気はして、たとえば、株式市場が動揺するとか、そのようなことになっているかと思いきや、日本、韓国、香港など、アジア市場は大幅高(中国は祝日のため、10月7日まで市場はお休みです)。
10月1日のアジアの各市場の株価
・w-index.com
何が何だかあれですが、それにしても、中国当局が、この連続爆発事件に神経質になっていることは、中国版ツイッターのウェイボーでにおいて、多くの投稿が削除されていることからもわかります。
今朝もまた同じ地域で連続爆発があったのですが、その様子がウェイボーに投稿された時には見ることができていたものが、少し後には下のように「ご指定のページは存在しません」というページになっていて、投稿そのものが消えていました。
ウェイボーの投稿の削除は、以前の天津の爆発の後に起きた中国各地の爆発の際の投稿でも見られたことで、おそらくは、当局に都合の悪いものは速効で消されるようです。
そんなこともあり、実際に何が起きているのかはよくわからないことが多くなっていまして、1ヶ月以上前の、
・何が起こっているのかわからない : 「江沢民逮捕」報道やら、関東では「原子炉の500メートル先で大火災」。そして、市場はパニック一歩手前
2015年08月24日
などで書いていました、
・各国で相次ぐ爆発事件
・市場のパニック
は継続中であります。
そのような「カオス気味の状態」が継続している中、新約聖書「マタイによる福音書」のフレーズをまたも思い出させてくれる2つの報道を見ました。
今回はそれをご紹介します。
新約聖書「マタイによる福音書」 24章 6-8節
戦争の騒ぎや戦争のうわさを聞くだろうが、慌てないように気をつけなさい。そういうことは起こるに決まっているが、まだ世の終わりではない。
民は民に、国は国に敵対して立ち上がり、方々に飢饉や地震が起こる。
しかし、これらはすべて産みの苦しみの始まりである。
ひとつは、
・テトラッドの4回目の「赤い月」は、33年ぶりの「スーパームーンと皆既月食が重なる日」だった。そして、その直前のイスラム教の「犠牲祭」の日に起きた大巡礼の悲劇
2015年09月25日
という記事で書きました、サウジアラビアの大巡礼での大事故に関してのニュースで、
事故にはイスラエルとサウジアラビアの諜報機関が関与していた
というイスラエルの報道。
もうひとつは、
シリアで空爆を始めたロシア軍が、アメリカ CIA の関連施設を空爆した
というアメリカのウォール・ストリート・ジャーナルの報道です。
ロシアとアメリカが出会ったシリア
「2015年9月」30日より、ロシア軍が、シリアで空爆を開始しました。
ロシア、シリア空爆開始…「対テロ」で政権支援
読売新聞 20105.10.01
ロシア軍は30日、シリアでイスラム過激派組織「イスラム国」と戦うアサド政権を支援するため、空爆を開始した。
プーチン大統領は同日、アサド政権からの要請を受けてシリアへの軍事介入を決断し、上院が全会一致で承認した。
シリアでは、米国が昨年9月以降、「イスラム国」への空爆を行っている。ロシアによる軍事介入で、米露が偶発的に衝突する危険も排除できない。
というように、
> 米露が偶発的に衝突する危険も排除できない。
というようなことが囁かれていたりする中、今朝のウォール・ストリート・ジャーナルに下のような記事が掲載されていました。
▲ 2015年09月30日のウォール・ストリート・ジャーナルより。
「シリアのロシア軍空爆機が、アメリカの CIA が資金提供や武器供給を行い援助しているシリア政府への反乱軍に攻撃を加えたとアメリカ当局は公式に述べた」というものでですが、これは「有料記事」でして、会員ではない人は、タイトルと見出しだけしか読めませんので、私も会員ではないですので、それだけしかわかりませんが、タイトルに続く見出しは、
ロシア軍によって空爆された場所のひとつは、アメリカ CIA と同盟国から資金と武器の提供と、訓練を受けている反政府シリア勢力だった。
ということで、もし、これが本当ならば、
> 米露が偶発的に衝突する危険
という懸念が初日から当たった・・・というより、これが「偶発」ではないというほうが懸念と言えそうですが。
このことに関しては、こういう報道タイトルを見たというだけですので、それ以上は何もわからないですが、「シリア発のいろいろ」というようなこともあるのかもしれません。
シリアという国は、古代より長い動乱の歴史を持つ国で、その度に世界地図が書き換えられるような大きな出来事と共に今に至っています。
そして、サウジアラビアの大巡礼ハッジでの先日の大きな事故についても、「あれは偶発的な事故ではない」という方面からの報道が出ています。
サウジアラビアの大量転倒死は事故「意図されて起きた」という主張
さきほどリンクしました記事でもふれました、サウジアラビアの大巡礼の事故は、その時点でも死者 717名という大変なものでしたが、その後の報道の数を見てみますと、
・死者 769人
・負傷 934人
とい、本当に壮絶な事故となってしまったようです。
この事故は、巡礼の中での「悪魔に石を投げる儀式」というものの中で起きたもので、後述しますが、もともと、この悪魔に石を投げる儀式では歴史的に事故が起こりやすいという背景があったようなのですが、ここに来て、この事故は、
事故ではなく、イスラエルの諜報当局により計画され実行されたものだ
というようなイランの通信社の主張を紹介しているイスラエルの報道を目にしました。
ちなみに、このサウジアラビアの事故では、イラン人が最も多く犠牲となっていて、時事通信の報道によりますと、イラン人の死者は 464人とされています。
そんなイランから出てきた「イスラエルが行った」というこの報道の真偽の判断のしようがないものではありますので、その報道内容を翻訳して載せておきたいと思います。
ここからです。
Iranian News Agency Accuses Israel of Causing Hajj Stampede
Breaking Israel News 2015.09.30
イランの通信社は、大巡礼の転倒死はイスラエルが引き起こしたと非難
イランの報道機関タスニーム( Tasneem )は、 9月24日にサウジアラビアのミナで、殺到する人々が将棋倒しとなり、769人が死亡、1184人が負傷した転倒事故に関して「新しいシナリオ」を報道した。
この事故がイスラエルとサウジアラビアの諜報機関による「仕業」であったとするものだ。その目的は、イラン革命防衛隊のメンバーや、外交官や上級職員を含むイラン当局者を狙ったものだという。
このイランの報道機関は、これらの話は欧州連合( EU )の職員から伝わった情報を引用していると述べ、「サウジアラビアで起きた恐ろしい出来事ついて、ブリュッセルにいるヨーロッパの外交官たちが噂にしていた」と記した。
それによれば、この「事故」は、悪魔への投石の儀式中に、イスラエルのモサド(諜報機関)によって、組織的に準備され、実行されたものだという。
タスニームによると、これらのヨーロッパの外交官たちは、悪魔への投石儀式の際に、人々に殺到を開始させるための可能性について、モサドとサウジアラビアの諜報共同作業の予備的なレポートを見たという。
レポートには、その後、イラン革命防衛隊当局者や、イラン最高指導者アリー・ハーメネイー師事務所の当局者やスタッフたちの誘拐についても記されていたとタスニームは述べる。
また、イラン革命防衛隊の戦略研究室長アリ・アスガール・フラジ博士( Dr. Ali Asghar Fulladgr )や、イラン巡礼団事務所の職員などが行方不明となっているという。
ヨーロッパの外交官たちが見たという、その「予備」レポートの存在確認の信頼性についての外交筋の指摘をイラン当局は認めた。
しかし、イラン当局は、それは可能性のひとつであることを強調、それが、ヨーロッパの諜報機関や、あるいは、ロシアの諜報機関の可能性についても真剣に模索しているという。
ここまでです。
主張はともかくとしても、具体的に、そんなことが計画的に行えるのかどうか。
この「悪魔への投石」は、悪魔に見たてた「ジャラマート」と呼ばれる石柱に対して行うそうなのですが、その場所で意図的に人々を殺到させることで事故を誘発させるということが記事には書かれてあるようですが、そんなことが具体的にどのようにできるのか・・・。
まあ・・・このことは真偽を含めて、よくわからないですが、同じイスラエル・ブレーキング・ニュースの少し前の記事では、イスラム教徒にとっての「悪魔への投石の意味」と、これまでこの悪魔への儀式時に惨事が起き続けていたことが書かれていました。
これも、それまで知らなかった「悪魔への投石」の意味などを知ることにもなりましたので、資料としてご紹介しておきたいと思います。
ここからです。
メッカでの悪魔への投石の儀式で700人以上が圧死
Breaking Israel News
9月24日、サウジアラビアのメッカで、殺到した人々が将棋倒しになり、少なくとも 717人が死亡し、850人以上が負傷した事故があった。
この日は、イスラム教の犠牲祭の祝日であり、200万人以上の巡礼者がつめかけている中、悪魔を象徴している石柱にイスラム教徒たちが石を投げるという「悪魔への投石」の儀式の中で発生した。
メッカへの巡礼ハッジは、イスラム教徒に重要なもので、その中でも「悪魔への投石」の儀式は、すべてのイスラム教徒が行うことのひとつだ。
イスラム教によると、アブラハムは、彼の息子イシュマエルを犠牲に捧げるように神から促された。イシュマエルを説得するために悪魔が3度登場し、そのたびに、アブラハムは悪魔を追いかけ、悪魔に7つの石を投げたとされる。
イスラム教徒たちは、この時の悪魔を表現しているジャラマート( jamarat )と呼ばれる石柱に石を投げる。
しかし、メッカへの巡礼者たちは、その巡礼の際に、過去何度も悲劇に見舞われている。
9月11日のアメリカ同時多発テロのモニュメントの日にも、ビン・ラディン一族の会社が所有するクレーンが強風により倒壊し、107人の巡礼者が死亡した。
1990年には、トンネルが崩壊して、1426人が死亡した。
しかし、今回事故のあった「悪魔への投石」の儀式は、際だって事故の多い儀式とされている。
たとえば、最近の例でも、悪魔への投石の際には、
1994年 270人が死亡
1998年 118人が死亡
2001年 35人が死亡
2003年 14人が死亡
2004年 251人が死亡
2006年 346人が死亡
というように、惨事が続いている。
悪魔の投石で 346人が死亡した 2006年の事故の後、石柱を交換し、巡礼者の数に対応できるように改築したが、今回の事故は起きてしまった。
このメッカへの大巡礼では、その他にも、火災、暴動、ホテルの崩壊、伝染病の大流行など起きている。
サウジアラビア当局は、特定の期間に膨大な数の巡礼者たちが殺到する問題に直面しており、2011年に始まった 2000億円規模の聖地の拡張プロジェクトが完了するまでは、ビザの発行を制限している。
ここまでです。
何だかニュースの羅列のようになってしまいましたが、9月を過ぎても、なお、社会の不安定さは増し続けているような感じは若干します。