2010年02月17日



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全米に拡大を始めたカビによるコウモリの大量死



コウモリを死に追いやるカビ、米で流行
ナショナルジオグラフィック 2010年02月17日


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アメリカ、テネシー州で最近実施された調査によると、アメリカ東部のコウモリに致死的な真菌感染が広がり、大量死しているという。

冬眠中のコウモリが発症する「白い鼻症候群(White-nose syndrome)」は、低温下で繁殖する真菌(カビ)と関連があり、翼、耳、鼻口部が白い粉末状のカビだらけになる。

これまで、この病気の感染地域はアメリカ北東部の大西洋沿岸地域、バーモント州からバージニア州にかけての範囲にある洞窟のみだった。

だが、2010年2月16日、テネシー州野生生物資源局が、同州サリバン郡のウォーリーズ洞窟で、発症した2匹のアメリカトウブアブラコウモリが見つかったと発表した。

ニューヨーク州環境保全局のコウモリ専門家アラン・ヒックス氏はテネシー州の調査には関与していないが、「実際にバージニア州からテネシー州へ拡大したとなるとショックだ」と述べる。

また、白い鼻症候群がテネシー州全体に広がれば、コウモリの複数の個体群が打撃を受け、2つの絶滅危惧種が死に絶える恐れもあるという。

「東部の洞窟には大規模な冬眠コロニーが少ないが、テネシー州には1つの洞窟に10万匹以上のコウモリが生息しているケースもある。致死率95%として考えると、膨大な数のコウモリがいなくなることになる」。

白い鼻症候群は2007年に初めて確認されたが、その全容は解明されていない。

真菌感染から死に至るプロセスが不明なだけでなく、そもそも真菌が感染動物の主な死因なのかどうかもはっきりしていない。

白い鼻症候群は人間には直接的な危険はないが、コウモリの大量死は非常に困ったことになる。

テネシー州野生生物資源局の狩猟対象外・絶滅危惧種担当コーディネーターのリチャード・カーク氏は、「ほとんどのコウモリの種は主に昆虫を大量に捕食するため、害虫防除という点で公共サービスに多大な貢献をしていると言える。仮に50万匹のコウモリが消滅すれば、災難はわれわれに降りかかってくる。コウモリがいなくなれば)数百から数千トンもの昆虫が近所の町や農場、そして森林を飛び回る。そのことを想像して欲しい」と声明で述べている。