2010年02月26日



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琵琶湖の湖底で長さ900メートルに渡って堆積物が吹き上がっていた



湖底堆積物吹き上げ 高島沖などの深層部計1.3キロ

京都新聞 2010年02月26日

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土砂などの吹き上げが確認された琵琶湖の湖底(高島市沖約5キロ地点)=滋賀県琵琶湖環境科学研究センター提供)

 琵琶湖・北湖深層部の2カ所で、土砂など湖底の堆積(たいせき)物が吹き上げられている現象を、滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)が初めて確認し、撮影に成功した。湖底からの堆積物の吹き上げは全国の湖沼では報告例がないという。地殻変動や、地下水やメタンガスの噴出など、複数の原因が考えられるという。

■琵琶湖環境科学研確認 地殻変動影響?

 確認されたのは、高島市沖約5キロ地点と安曇川河口付近の水深100〜90メートル地点で、それぞれ長さ900メートル、400メートルの計約1・3キロにわたっていた。湖底から土砂が吹き上がっており、高さ1メートル超の大きな土煙も確認できたという。

 同センターは昨年12月下旬、撮影機能を備えた自律型潜水ロボット「淡探」を同市沖の琵琶湖底で南北に走らせ、調べていた。

 調査を行った熊谷道夫環境情報統括員によると、原因は▽湖底の地殻変動の影響▽地下水の噴出▽メタンガスの噴出▽強い水流−の可能性があるという。

 このうち地殻変動は、湖底のプレートとともに沈み込んだ土砂が活断層でぶつかり、土砂や土砂に含まれる水が圧迫されて舞い上がったとする。地下水やメタンガスの噴出も想定できるが、この場合は土煙より気泡が出る可能性が高い。強い水の流れが土砂を吹き飛ばした可能性もあるが、範囲が広すぎるという。

 撮影した映像は28日午後5時から大津市のびわ湖大津館で開く調査報告会で紹介される。