2010年03月02日



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カエルの生態を変化させる除草剤アトラジン



世界中で激減するカエル、原因は除草剤「アトラジン」か 米研究

AFP 2010年03月02日

[追記] 除草剤・アトラジンがオスガエルを「機能的には完全なメス」に変えた 米国の新研究
農業情報研究所 2010年03月02日


(*)除草剤だけがカエルの減少の原因かどうかはともかく、この部分には驚きました。

 > さらに驚くべきは、アトラジンの中で生育させたカエルの残り10%がメス化してオスと交尾し、産卵したという事実だった。そして、こうした卵から生まれた幼生はすべてオスだった。

 世界で最も広く使用されている除草剤の1つ、アトラジンが、カエルの化学的去勢を起こし、これが世界的な両生類の個体数減少の原因となっている可能性があるとする論文が、1日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)のウェブサイトに掲載された。 

 米カリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)の研究チームは、アトラジンが検出された土地の年間アトラジン濃度と同等のアトラジンの中で生育させるオスのカエル40匹と、アトラジンの中で生育させないオスのカエル40匹で、成熟期の生殖能力を比較した。

 その結果、アトラジンの中で生育させたカエルの90%で、テストステロン濃度が低く、生殖腺が小さく、喉頭部が雌性化され、繁殖行動が抑制され、精子の生産量が減り、受精率も低下することがわかった。

 さらに驚くべきは、アトラジンの中で生育させたカエルの残り10%がメス化してオスと交尾し、産卵したという事実だった。そして、こうした卵から生まれた幼生はすべてオスだった。

 これまでの研究では、アトラジンがゼブラフィッシュとヒョウガエルを雌性化し、オスのサケとカイマントカゲで精子の生産量を著しく減少させるとした結果が報告されている。

■進まぬ使用規制、収量増もその一因

 アトラジンは除草剤として、農業、特にトウモロコシ、ソルガム、サトウキビの生産において世界中で広く使用されている。欧州連合(EU)はアトラジンの使用を禁止しているが、アトラジンが収量増に大きく貢献することもあり、EUの決定に従っている国はごくわずかという指摘もある。

 米環境保護局(US Environmental Protection Agency、EPA)は4年前、両生類の成育に対するアトラジンの影響に関するデータが不十分として、使用禁止化学物質としての指定を見送っている。

■雨となって1000キロ離れた場所へも

 米国だけで、年間約3600万キログラムのアトラジンが農業で使用されており、約23万キログラムのアトラジンが雨粒に含有されて地上に降りそそいでいるという。

 論文は、「アトラジンは、それが使用された場所から1000キロ以上離れた場所へも雨のかたちで運搬され、その結果、原始の生態系が残る手つかずの場所にも汚染が広がっていく可能性がある」と指摘している。



除草剤・アトラジンがオスガエルを「機能的には完全なメス」に変えた 米国の新研究
農業情報研究所 2010年03月02日

 トウモロコシなどの栽培に広く使われ、日本の水域でも検出される除草剤・アトラジンはカエルの性を完全に変えてしまう可能性がある。これは、カリフォルニア大学バークレー校のTyrone Hayes教授率いる新たな研究による驚くべき発見である。

 全米科学アカデミープロシーディング誌オンライン版として3月1日に発表されたこの研究によると、アトラジンに暴露されたオスの染色体をもつアフリカツメガエルの一部が、遺伝子以外はメスと変わらず、オスとつがい、孵化する卵まで産むことができるほどにほぼ完全にメスに変わってしまったということだ。アトラジンには以前かtら環境ホルモンの疑い(多くは女性化を促す)がかけられてきたが、これほど劇的な効果が報告されたのははじめてだ。 

 40匹のオスのアフリカツメガエルを対象とするこの研究は、これらがまだオタマジャクシのときに、アトラジン汚染レベルが2.5ppb(米国環境保護庁の飲料水基準内)の水に入れた。この水の中で成長したカエルのおよそ10%が「機能的にメス」 になった。交尾後に産んだ卵は孵化し、子はすべてオスだった。両親ともにオスの遺伝子を与えたからだ。残り90%は多少なりともオスの特徴をもっていたが、テストステロン(男性ホルモンの一種)が少なかった。メスの注意を引くことでも、アトラジン処理をされなかったオスに負けた。

 研究者は、カエルの皮膚からアトラジンが吸収され、オスではあかないはずの遺伝子のふたをあけた。これがテストステロンをエストロゲンに転換させる酵素を生み出し、カエルの体に間違った化学的信号をあふれさせた可能性があるという。
タグ:大量絶滅