チリ地震の津波、最大28m…ビル10階相当
読売新聞 2010年04月10日
南米チリで2月に起きた巨大地震による津波は最大で高さ28メートルだったことを、東北大の今村文彦教授(津波工学)らが現地調査で確認し、10日に同大で開かれたシンポジウムで発表した。
ビルの10階に相当する高さで、国内でも東海、東南海地震などが連動して起きた場合は同規模の津波が起きる恐れがあるという。
今村教授らは3月31日〜4月4日、約500キロにわたる震源断層に近いチリ中部沿岸の6都市22地点を訪れ、建物などに残る津波の跡を調べた。震源から約20キロのコンスティトゥシオンでは、海岸線から数十メートル離れたがけの草木が海抜28メートル付近までなぎ倒され、波が駆け上がったことが確認された。近くの川で、高さ6メートルの津波が数キロ逆流していたことも判明した。
今村教授は「1933年の昭和三陸津波でも、岩手県内で30メートル規模の津波被害が確認された。国内の日頃の防災訓練では、防波堤を越えるほどの大津波発生を想定すべきだ」としている。