Gulf Oil Spill Likely to Hit U.S. Atlantic Coast This Summer
Environment News 2010.06.03
メキシコ湾の原油流出はこの夏にも米国の大西洋側を襲う

コンピュータ・シミュレーションは、流出の先端部分の海上の原油がメキシコ湾の早い海流のループ・カレントによって運ばれた場合は、数週間のうちにフロリダの大西洋側に到着するであろうことを示している。
原油が海面で厚いフィルム状となり漂うのか、あるいは海洋の上部で海水と混合して水面下を進むのかはわかっていない。
これから大西洋で何が起きるのかについての研究が進められている。
研究チームのメンバーであるドイツ・キール大学の科学者マーティン・ビズベックは、「流出した原油がヨーロッパの海岸線に到着した場合はどうなるかを尋ねられることがあるが、原油が生物学的な崩壊を伴って海中で大量に混合した場合は、汚染は有害な濃度ではなくなると仮定している。」と語る。
バクテリアの分解などの影響から、今後数週間から数ヶ月の正確な原油の流れを予測することは不可能だが、シミュレーションは可能性のあるシナリオを描いている。
4月20日から始まったメキシコ湾の原油流出は、6月3日で45日目となり、米国沿岸警備隊提督のサド・アレン氏によれば、すでに約54万〜125万バレルの原油がメキシコ湾に流出している。
流出した原油の多くは、海流が比較的停滞した海域にあり、これまではルイジアナとアラバマの海岸線の近くで閉じ込められていたが、少量はメキシコ湾の海流ループ・カレントに乗って、ルイジアナやアラバマ、ミシシッピの海岸に到着した。
今回のシミュレーションは、流出した原油がループ・カレントの海流に混ざり、そのままゆっくりと流出面積を広げていく可能性のあることを示す。それは、最高で1日に100マイル(160キロメートル)、あるいは、1ヶ月につき3000マイル(4800キロメートル)の距離を移動していく。