2010年08月06日
Russia to ban grain exports because of drought, fire devastation to crop
ワシントンポスト 2010年08月05日
ロシアが干ばつと火災の作物の荒廃により小麦の輸出を禁止
ロシア政府は、激しい干ばつと火災のために国の作物の5分の1を失い、国の非常備蓄制度に従い、穀物輸出を禁止すると8月5日に発表した。
世界でもっとも小麦輸出量の多い国のひとつであるロシアの輸入禁止措置発表を受けて、シカゴ商品取引所では正午までに小麦価格は8.3パーセント上昇し、過去2年間の最高値を更新した。
モスクワでの閣僚会議での発表によれば、プーチン首相は、「ロシア国内の小麦価格の上昇を阻止する必要がある」と語った。輸出禁止措置を2011年まで延長するかどうかは、今年の収穫が終わってから決めると述べた。
穀物価格は世界の他の地域での異常気象の影響も受けている。
カナダでは大雨で作物の多くを失い、カナダ政府は小麦生産が35パーセント低下することを予測した。世界でもっとも人口の多い中国では、この10年間でもっともひどい洪水に見舞われ、コメの生産が5パーセントから7パーセント減少すると予測している。中国は世界に供給されるコメのおよそ3分の1を生産しており、シカゴ商品取引所では7月1日以来、コメ価格は15パーセント上昇した。
米国は小麦農家にとって明るい展望の見える唯一の国と言える。米国農務省は、約10億ブッシェルの小麦の余剰を予測している。そして、他の国の小麦不足は米国の小麦産業により大きな利幅を与えることを意味する。
ロシアでは、130年前に記録がとられて以来、もっとも暑い夏に苦しんでおり、ロシア西部では、現在、森林や穀倉地帯の19万6000ヘクタールの広範囲を燃やし続ける激しい火災に瀕している。
ロシア穀物協会は、小麦輸出が今年1500万トン減少すると予想している。AP通信によると、2009年度の輸出量の2140万トンから、 1200万トンになることを予測した。他のアナリストはさらに少ない見積もりを出している。
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参考データ:7月から上昇し続けている小麦価格
フジ・フューチャーより、8月4日までのシカゴ商品取引所の小麦価格チャート。
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