2010年08月13日



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無酸素状態の湖の中で発見された「スーパー」バクテリア



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Yahoo.comより、アルゼンチン・ディアマンテ湖の写真。

ここから翻訳です。




Argentine lake may offer clues to life on Mars
ロイター US 2010.08.11

アルゼンチンの湖が火星の生命の存在の手掛かりを提供するかもしれない

地球の生命はどのように始まったのか。そして、他の惑星で生命は生きのびることができるのか。その手がかりが、アルゼンチン北西部の人里離れた場所にある、人間には居心地の悪い湖にあるかもしれないと科学者たちは言う。

研究者たちは、海抜 15,400 フィート( 4,693 メートル)以上の高高度に位置する巨大な火山のクレーターの中央にある、ほぼ無酸素状態の湖の中で、何百万もの「スーパー」バクテリアが育っていることを発見した。

このバクテリアたちの棲んでいる環境は、地球が酸素の大気に包まれ、多くの生き物たちが登場する以前の原始地球の状態と似ている。

その状態は、高濃度のレベルのヒ素とアルカリを含んでおり、それが原始地球から生命の登場することを阻んでいたのだ。


「これは、私たち地球の生命の過去を見る窓でもあり、さらには、科学者たちがアストロバイオロジー(宇宙生命学)と呼んでいる他の惑星の生命の学習のためにも、科学的に大変に興味深いことです」と、今年はじめにディアマンテ湖でこの生命形態を発見したチームの一員であるマリア・ユージニア・ファリアス氏は言った。

もし、ここでバクテリアが生き残ることができるのなら、たとえば火星のような他の惑星でも生命は生き残ることができるという理論が成り立つ。

いわゆる、「極限環境微生物 ( extremophiles ) 」と呼ばれている生物たちは、世界の他の様々な地域で見つかっている。そして、それらには大変な商業的な価値もある。例えば、脂質を分解するバクテリアは洗剤などに使われる。

しかし、ファリアス氏は、これらの「多重極限環境微生物 ( polyextremophiles ) 」と呼ばれるディアマンテ湖のバクテリアは、もっとも過酷な環境でも耐えうる資質を持っている特別な存在だと言う。

「ここでは、過酷な一連の条件がひとつの場所に集っています。その意味で、この場所は世界でも他に類のない場所と言えるのです」と、アルゼンチン・トゥクマン地区の国家科学技術研究会議の微生物学者でもあるファリアス氏は言う。

この湖のヒ素濃度は、飲料として安全であると考えられているレベルより 20,000 倍高く、水温もしばしば氷点下まで下がる。しかし、水中の塩分が高く、海水の5倍の塩分濃度があるので、水は凍らない。

このバクテリアたちの DNA は、このような高高度での強い紫外線と低い酸素濃度を耐え抜くために突然変異する。

ファリアス氏と研究チームは、このバクテリアのメタゲノム解析により、ここのすべてのコロニーの微生物の DNA の配列を調べるためのアルゼンチンの資金提供者を探している。


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参考資料:極限環境微生物とは

極限環境微生物 Wikipedia より「極限環境とは」より抜粋。

極限環境とは

極限環境の条件およびそれらの微生物の一般名、代表種は以下の通りである。

・高温:好熱菌 (〜122℃)
・高pH:好アルカリ菌 (〜pH12.5)
・低pH:好酸菌 (〜pH-0.06)
・高NaCl濃度:好塩菌 - (〜飽和NaCl)
・有機溶媒:溶媒耐性菌
・高圧力:好圧菌 - (〜1100気圧)
・放射線:放射線耐性菌 - (16000Gyのガンマ線照射で37%生残)

など

一般に古細菌は膜構造などから極限環境に有利とされ、現在分離されている古細菌はメタン菌を除いて全種が1つ以上の極限環境に適応している。

特に高温や強酸には強く、種によっては122℃やpH-0.06で生育できる(低温は-2℃、アルカリ側はpH12辺りまで)。

逆に人間が生活するような環境(好気常温の真水又は土壌)で生育できる古細菌は、一部の未記載種を除き発見されていない。真正細菌もその種類の多さ(種の数は古細菌の20倍以上)から多様な極限環境微生物を含んでいる。また、一部の菌類や藻類も高温や強酸、高NaCl濃度に耐えることができ、これも極限環境微生物と言える。



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メタゲノム解析とは

メタゲノム解析とは - コトバンクより。

土壌や河川などの環境中には多種多様な微生物が生存している。どのような微生物がいるのかを調べるには、従来は、まず、人間の手によって環境中から微生物を分離し、培養して、増殖させることが必要であった。しかし、環境中の微生物のほとんどは人為的な培養が難しく、研究は困難であった。

培養という過程を経ずに、環境中の微生物がもつ核酸、遺伝子、DNAのすべてを抽出、収集し、これらの構造(塩基配列)を網羅的に調べれば、個々の核酸や遺伝子がどの微生物由来かはわからないものの、環境中の微生物の集合体(コミュニティー)がもつ遺伝子群が分かる。

このような手法をメタゲノム解析と呼び、その研究分野をメタゲノミクス(metagenomics)と呼ぶ。メタゲノム解析により、その生態系全体で、どのような物質代謝(物質の変化の流れ)が起こっているのかが推測できるし、また、環境中に存在している有用な遺伝子の発見も期待されている。


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