2010年09月01日



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メキシコ湾の周囲で広がる「青いインフルエンザ」ブルーフルー



‘Blue Flu’ cases spreading around Gulf
Dateline Zero 2010.08.17

メキシコ湾周辺で拡大する " ブルーフルー "

gulf-spill-june-12-2010.jpgこれを「 BP フルー」と呼ぶ人もいる。

しかし、皮膚と唇が青くなるといわれる症状から、一般的には「ブルーフルー ( Blue Flu ) 」と呼ばれる。これは現在、テキサスからフロリダまで、メキシコ湾の周辺地域のすべてに広がり、人々を脅威に陥れている。

このブルーフルーは TILT あるいは、毒性起因耐性消失症と呼ばれているもののひとつで、メキシコ湾岸での原油の清掃作業に従事している人々を蝕んでいる病気だ。 TILT の主な症状は、眼と皮膚の痛みを伴う頭痛やめまいなどだ。

TILT は、原油流出と隣接した地域で作業していた人たちに起きたもので、 TILT が原油の清掃と直接関係していることがわかっている。

しかし、今回の「ブルーフルー」と、それらの TILT とはまた別の問題と言える。なぜなら、現在、ブルーフルーの症状を起こしている多くの人々は流出した原油や、あるいは原油の清掃の化学物質に直接触れることがなかった人たちなのだ。

彼らは単にメキシコ湾に近い米国の南部に住んでいるというだけだ。

症状は、リンパ腺、特に首のリンパ腺の腫れ、熱、嘔吐、頭痛、唇の青い変色、そして、手と足の指先の麻痺などで、もっとも警戒を要する症状としては深刻なチアノーゼがある。これは全身が青紫に変色する症状だ。

これらの症状は、メキシコ湾周辺での酸素の減少の徴候として考えることもできなくもないかもしれないが、しかし、これはむしろ、いたる所で散布された原油分解剤コレキシットの影響と考えた方がいいのかもしれない。コレキシットは飛行機で空中からも散布されており、短期間で広い範囲に広がった。

(訳者注/ 本記事では、ここに原油分解剤コレキシットの説明が入りますが、コレキシットについての日本語の説明は、私が以前、今年5月に書いた「科学者たちが原油流出事故を「人類史での最大の破局」と呼ぶ理由」などをご参照下さい。そこにある程度、正確な成分が書かれてあります)

Gulf-spill-cleanup.jpgブルーフルーの原因が何であれ、流出した原油がクリーンアップされなかったという点は重要だ。今や海はすっかり原油で覆われてしまっている。いたるところで散布され、また空中から落とされたコレキシットは、単に原油を海の表面に浮かばせないためだけに撒かれた化学物質だと言えそうだ。そして、これはむしろ危険な結果を招いただけだとも思われる。

残念ながら、政府は人々の安全や健康に興味があるわけではなく、「安全の幻想」を作り出すことに興味があるようだ。そして、政府はその体面を保とうとする行為の中で、むしろ多くの人々を傷つけてしまっている。

そういうこともあり、ブルーフルーについても公には発表されないかもしれない。あるいは、批判を避け、人々の注意を逸らすために、他のインフルエンザ・ウイルスが流行しているという警告を政府が出したとしても、それほど不思議には思わない。

政府は、人々が一刻も早く原油流出騒動を忘れてくれることを願っているはずだ。

ここに、ブルーフルーに関しての記事がある。
以下は記事からの抜粋となる。

インフルエンザのような症状とともに、ひどいチアノーゼの症例が増えている。急速に増加しているこの症状は、唇が青紫と変色し、手足の指先が麻痺する。また、化学物質に誘発されたと思われる肺炎の症例も増えている。漁船に乗る人や、
沿岸地域に近いは所の人々がもっとも影響を受けている。

チアノーゼは、一般に、血液中の酸素濃度が低下した際に発生する。酸素濃度が低下のために、皮膚は青っぽい色となる。指やつま先や唇などににこれらの症状がでやすい。血中の酸素不足は、皮膚が日光に晒されることによって赤くなることもある。しかし、皮膚の下の血は青い。これらのブルーフルーの症状が一時的であるならば、酸素が減少している要因を取りのぞけば、多くは回復する。



もちろん、我々はこのブルーフルーの問題でパニックに陥るべきではない。
そうではなく、今、自分たちで何ができるかを注意深く見続けていくべきだ。


参考記事:
メキシコ湾の原油除去作業員たちを襲っている毒性起因耐性消失症 (TILT) (2010年06月21日)
メキシコ湾沿いのガルフポート市の海岸に大量の死んだ魚が漂着 (2010年07月20日)