フェルミガンマ線宇宙望遠鏡は馴染みのなさそうなものですので、最初に Wikiedia の説明から抜粋しておきます。
フェルミガンマ線宇宙望遠鏡
フェルミガンマ線宇宙望遠鏡 (フェルミ望遠鏡) は、ガンマ線観測用の天文衛星である。ガンマ線検出器として大面積望遠鏡 とガンマ線バーストモニターの2つを搭載する。2008年6月11日に、 NASA によって打ち上げられ、2008年8月から運用が開始された。アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スウェーデンの政府機関、研究組織による共同研究である。
ちなみに、ガンマ線の大放出である「ガンマ線バースト」というのは、地球の過去の大量絶滅を含む、惑星単位での大量絶滅に関係するという説があります。しかし、ガンマ線バーストの発生原因は超新星爆発という説等ありますが、確定的な要因はわかっていません(こちらの記事などをご参照下さい)。
もしかすると、今回の NASA の発見で示されたように、ガンマ線は私たちのいる天の川銀河の中心、つまりマヤ族などがフナブ・クーと呼んでいた場所から生産されて銀河に放射され、恒星システム単位での絶滅と再生をつかさどっているのかもしれません。
▲ NASA が2009年に発表したチャンドラX線観測衛星の観測データから構成した天の川銀河の全景の画像。今回のNASA の発表によると、この中心部にあるブラックホールからガンマ線が噴出していることがわかったようです。ちなみに、銀河の中心から太陽までの距離は約 26,000光年 〜 35,000光年。
なお、今回のオリジナル記事では、記事の後半はほとんどが今年 6月21日に発生した NASAのガンマ線探査衛星スウィフトのテータが、ガンマ線バーストで破壊されたニュースのことの詳細について書いています。これに関しては以前、翻訳して記事にしておりますので、今回はある程度省略します。下の記事にほぼ同じことが書かれています。
ここからが今回の記事です。
Daily Galaxy.com 2010.11.03
NASAのフェルミ望遠鏡が超巨大な、しかし、これまでは見えなかった構造を天の川銀河で発見した
・NASA スピッツァー宇宙望遠鏡が撮影した天の川銀河の中心部。
米国 NASA は、フェルミガンマ線宇宙望遠鏡によってもたらされた新しい発見を発表する運びとなった。
ガンマ線は、光線の中で最も高いエネルギーを示すものだが、最近示された調査結果には、天の川銀河の中央に、非常に巨大だが、今までは認められていなかった「ガンマ線の泡の集まり」 ( gamma-ray bubble ) の発見が記述されている。
一対の巨大なガンマ線の泡のペアが天の川銀河の中心にあるブラックホールから噴出していることが、フェルミガンマ線宇宙望遠鏡による最新の分布図により明らかとなった。
グラスの形に生成れたガンマ線の泡の源は謎だが、フェルミ望遠鏡の新しい分析では、このガンマ線の放射の長さが、端から端まで約 65,000光年に及ぶび、それは銀河系のディスクの上に向かって伸びていることを示した。
ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究チームでは、この「泡」は、1000万年ほど前に起きた超新星爆発によるものか、あるいは、10万年ほど前に、 100個程度の恒星(太陽系で太陽にあたる星)が、天の川銀河のブラックホールに引き寄せれたことによって発生した高速の噴出によるものではないかと考えているという。
今年の夏に、銀河系の外側からやってきた強大なX線のバーストによって NASAのガンマ線探査衛星スウィフトのデータが完全に破壊された事件があった。そのX線は、2010年6月21日に、スウィフトのX線乾燥望遠鏡を直撃するまでに 50億年の間、宇宙を移動してきたものだった。この非常に明るい爆発は、超新星爆発で大きな星がブラックホールへと変化していく際の爆発で発生するガンマ線バーストに由来しているとされている。
「あの 2010年6月のガンマ線バーストは、これまで観測されたX線の波長の中でもっとも明るい光源でした」と言うのは、ペンシルバニア大学のデイビッド・バローズ教授だ。彼は、ガンマ線探査衛星スウィフトでの調査を統括している科学者であり、天文学者でもある。
スウィフトは、ガンマ線バーストに対して対処できるように最適な設計がなされていたが、あれほどの明るいX線バーストまでは考えられていなかったのだ。
「あのX線の強さは想定外で、あれほどのものは前例もなかったのです」と、NASA のスウィフト主任研究員、ニール・ゲールズ氏は言う。この「 GRB 100621A 」と名付けられたバーストは、2005年にスウィフトが観測を開始して以来、もっとも明るいX線の光源であった。
研究者たちはその際のバーストについての研究をすすめている。