(訳者注) いろいろと不穏な記事を記した直後の原発事故ということもあり、不穏な感じもしましたので、少し調べてみると、今回、原発事故を起こしたインディアン・ポイント(下の写真)という原発は、過去(2006年)にも事故を起こしていました。
・原子力発電所インディアン・ポイント。AFP 通信の2006年01月24日の報道より。
記事の下にその報道記事と、あと、加圧水型原子炉格納容器サンプ故障という興味深い記事もみつけたので、資料を抜粋しておきます。
ちなみに、今回の事故は規模も小さいですし、違う思いますが、以前、「世界のインフラの終末を加速させる」というような物騒なタイトルをつけて翻訳記事として書いた、Stuxnet (スタクスネット)を本格的に稼働させると、こういうことを同時に何十もの原子力発電所で起こすことができるはずです。
Transformer explodes at nuclear plant north of NYC, leading to reactor shutdown; no injuries
AP 通信 2011.11.08
ニューヨーク州北部で原子力発電所の変圧器が爆発し、原子炉は閉鎖。怪我人の報告はなし
ニューヨーク州の北にある原子力発電所が 11月7日の日曜日の午後に爆発し、原子炉のひとつが緊急閉鎖される事態となった。
この原発は、ニューヨーク州ブキャナンにある「インディアン・ポイント」という名称の原子力発電所で、工場の当局者によると、怪我人は出ていないという。
この原子力発電所は、エンタージー社( Entergy Corp )が所有しているプラントで、エンタージー社のスポークスマンのジム・スティーツ氏によると、放射能漏れは一切起きなかったという。
スポークスマンによれば、爆発のあった変圧器は屋外にあり、原子炉の近くではなかったという。また、第一報では、火災が発生しているという報道だったが、スポークスマンは、火事は一切起きていないと述べた。
この場所には、「インディアン・ポイント」「インディアン・ポイント2」など複数の原発が稼働しているが、午後6時30分の爆発によって、インディアン・ポイント2が緊急閉鎖された。インディアン・ポイント3は通常稼働している。
エンタージー社は、今回、1時間の間に、所有するプラントで2度の緊急閉鎖を行った。
アメリカ合衆国北東部にあるバーモント州のヴァーノン市にある「ヴァーモント・ヤンキー原子力発電所」( The Vermont Yankee nuclear plant ) が、インディアン・ポイント2の爆発に続いて、11月7日の午後7時に閉鎖された。
これは、作業員が放射能を帯びた水がパイプから漏れているのを発見したためだ。
アメリカ合衆国原子力規制委員会は今回の件について、2つの事故が続いたことは、「完全に偶然によるものだ」と述べた。
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関連資料:
ニューヨーク州の原子力発電所 - 米国 (AFP 通信 2006年01月24日)より。
ニューヨーク州ブキャナンにある原子力発電所インディアン・ポイントには、ウェスチングハウス社の加圧水型炉が3基あり、2基は稼働中だが残り1基は停止状態。3号基はニューヨーク電力公社が所有し、操業している。
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加圧水型原子炉格納容器サンプ故障より。
政府の報告書によると、国内の原子力発電所でこれからの3年間に深刻な事故が起こる確率は3分の1である。これは明らかであり、そして、いま現在の危険性については公衆を防護する権限が与えられている連邦機関によって実質上無視されたままである。その代わりに、その機関は原子力産業の財務上の成果を向上させるためにその関心を集中している。その危険性というのは加圧水型原子炉の原子力発電所におけるある事故の際に、その格納容器サンプが故障するということである。そのいいかげんな機関というのは原子力規制委員会である。時間は原子力規制委員会が、公衆の健康と安全に対するこのはなはだしい脅威を除去する責任を負う間、その産業のビジネスを脇にやるようにせっついている。
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