2010年12月02日



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日本から肥料が消える日: 中国政府がリン酸の輸出に 110パーセントの新関税を実施



実質的な禁輸にも近い今回の措置でリン酸を 100パーセント輸入に頼っている日本の農業と野菜の存在そのものが危機的な方向に。

(訳者注) 数年前から怖れている人たちがたくさんいましたが、ついに「日本から肥料が消える日」が近づいているようです。問題の根の深さではレアメタルの輸出禁止などの比ではないと思われます。

肥料は「窒素、リン酸、カリウム」を三大成分としてできていて、代替は現状では難しいはずです。その中のリン酸は、日本はすべて輸入に頼っていて、中国からが約3分の1となっています。他は、モロッコ、ヨルダン、南アフリカなど。

そのリンの価格の変遷。

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リン酸は 2008年にも中国が関税を大幅に引き上げていて、今回、さらに関税を引き上げたことになります。このような場合、日本に何か打つ手はあるのですかね。

農作というのは「超根幹」の問題ですし。


とはいえ、中国の食糧事情も厳しいようで、農業情報研究所の記事によりますと、中国は、10月からの1ヶ月で国家備蓄穀物と調理油2550万トン(中国の戦略備蓄の4分の1)を放出したそうで、食料の枯渇はどこの国にも近づいているようです。

食料ってのは代替が効かないですから。





China hikes fertilizer tariff to stem exports
新華社 2010.12.01

中国財政部が、火曜日( 11月30日)に出した声明によると、中国は、農作開始のシーズンとなる来たるべき春の間、中国の国内に対しての十分な肥料供給を確実にするために、12月にから 肥料輸出成分のいくつかに110パーセントの関税を課すことを決定した。

新しい輸出関税は、 35パーセントの増加となる一度的な関税と 75パーセントの増加の特別関税を含む。

今回の新しい関税によって影響を受ける肥料成分は、尿素、リン酸アンモニウム 、そして、リン酸水素二アンモニウムとなる。また、その混合物も含まれる。

財政部は、今回の関税引き上げによる肥料輸出の抑制は、春の間の国内の肥料供給を確実にして、国内の農産品と食料品の価格上昇を調整するためだと述べた。

12月以前にも中国政府は肥料に対しての緩慢な季節関税を実施していた。それらの規則の下では、価格が 1トン 2,300元( 29,000円)未満なら、輸出側は 7パーセントの関税が課せられ、価格が 2,300元を越えると 100パーセントの関税が課せられることになっていた。

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参考資料:

日経ビジネスオンライン 2008年06月10日より抜粋。

USGS(米国地質調査所)によるとリン鉱石の生産量は2007年世界合計1.47億トンであった。そのうち中国が3500万トンで23.8%を占め、米国が2970万トン20%、モロッコが2800万トンで19%、ロシアが1100万トンで7.5%、4カ国で70%強である。

米国は2007年に、この40年間で初めて3000万トンを下回り中国に抜かれた。主産地であるフロリダの資源枯渇によるものだ。米国はリン鉱石を戦略物資として以前から輸出禁止でリン酸肥料として中国、インドに輸出しているだけだ。

USGSによる2003〜2011年までの鉱物資源調査プログラムでは、重点鉱物資源8品目のうち6品目がメタルで2品目がリンとカリである。

問題は、日本のリン鉱石、リン酸肥料輸入先の中国である。世界の埋蔵量180億トンのうち66億トン(約37%)を保有する。その中国が本年5月にリン鉱石のみならず肥料にも100〜135%の輸出関税をかけてきた。実質的な輸出禁止の様相である。自国の人口増加と中産階級化した多くの人々の“贅沢な”食生活を満足させるためにもリン鉱石資源の保護を打ち出したわけである。レアメタル、レアアースの囲い込みだけではないのだ。



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