2010年12月05日



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キューブリックの亡霊: 2001年宇宙の旅とアポロ11号の月面着陸



米国の BBS で紹介されていたもので、いわゆる「アポロ計画陰謀論」の先駆けとなった、2002年にフランスで放映されたテレビ番組「 Opération Lune 」の英語版です。これは、アポロ計画陰謀論 - Wikipedia によりますと、


その内容は、アメリカ合衆国国防長官ドナルド・ラムズフェルドを始めとするアメリカ高官が、アポロ計画を捏造するために「2001年宇宙の旅」を監督したスタンリー・キューブリックに月面の映像作成を依頼したと告白するというものであったが、この番組はアメリカの高官の発言の合間に役者の演じる架空の人物の発言を挟むことで、高官が実際には言っていないことを言っているかのように錯覚させる「フェイク・ドキュメンタリー」と呼ばれるフィクション作品である。



とあります。

もっとも、私はアポロ計画陰謀論というものに興味がなく、(この番組の時点ですでに亡き後の)スタンリー・キューブリックが描かれているということに感銘したので、グーグルビデオにある解説と共にご紹介しようと思いました。

若い頃、リバイバル上映で見た、スタンリー・キューブリック監督の映画「時計仕掛けのオレンジ」には人生観を変えられ、また、同監督の「博士の異常な愛情」を見た時には「これが映画の面白さなのか」と初めて知った感があります。

今回のドキュメンタリー番組「ダークサイド・オブ・ムーン」で取り上げられている映画「2001年宇宙の旅」は、1965年に撮影が開始されて、1968年に公開されました。アポロ11号の月面着陸はその翌年の 1969年。

人類がはじめて月に降り立つ前の少なくとも2年から3年以上前に、キューブリックは、見事な「月面から見た地球の様子」の光景を(誰も見たことがない時点で)作り出すことに映画「2001年宇宙の旅」において成功しています。

そのシーンはこれです。

lander-moon-earth.jpg

これは、2001年宇宙の旅 - Wikipedia によりますと、


2001年宇宙の旅の初公開の年の暮れ、1968年12月、アポロ8号が史上初めて月の裏側を廻って帰還したが、その時撮影された月面入れ込みの地球の写真が本作のそれにそっくりで、改めて本作の特撮のクオリティが示された。また、そのアポロ8号の船長の名がフランク・ボーマンで、本作の登場人物のふたり、フランク・プールとデヴィッド・ボーマンを合成したような名前であることが、偶然とはいえ話題になった。



という評価を受けました。
ちなみに、下は 2001年宇宙の旅に出てくる宇宙服。1966年前後のものです。

space1.jpg


何にしても、1999年に謎の死を遂げたキューブリックが、再びこんな形で目の前にあらわれるというのは、まさに私にとっての亡霊そのものであります。

映画「博士の異常な愛情」では、ソ連が開発した地球すべてに死の灰を降らせる核兵器「終末の日マシン」によって、ピーター・セラーズの振りまくお笑いと共に地球の人類は滅びてしまいますが、今でもキューブリックのその試みは続いているのかも。

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Dark Side of The Moon
YouTube

ダークサイド・オブ・ザ・ムーン

dark1.jpg


ダークサイド・オブ・ザ・ムーンは、ウィリアム・カーレル監督によって撮影されたフランスのドキュメンタリーだ。当初は、「 Opération Lune 」のタイトルで、 2002年に放映された。

この番組の基本的なスタンスは、アポロ11号が月面に着陸した際のにテレビで流された映像は作り物であり、それは、 CIA 所有のスタジオで、映画監督スタンリー・キューブリックの手助けを受けて撮影されたというものだ。

この番組には何人かの驚くべきゲストが登場する。

特に、ドナルド・ラムズフェルド(訳者注 / 月面着陸の1969年は下院議員。番組が放映された2002年当時は米ブッシュ政権の国防長官)、ヘンリー・キッシンジャー博士(訳者注 / 月面着陸の1969年は国家安全保障問題担当大統領補佐官。番組が放映された2002年当時は米ブッシュ政権で政権外の外交アドバイザー)、アレクサンダー・ヘイグ(訳者注 / 月面着陸の1969年は米国陸軍参謀次長)、バズ・オルドリン(訳者注 / アポロ11号の乗組員)、そして、スタンリー・キューブリック監督の未亡人であるクリスチアーネ・キューブリックなどの意表を突くゲストが登場する。

ドキュメンタリーでは、月面着陸の際に NASA がハリウッドと密接に動いていたことの暴露から始まる。

そして、ストーリーは、キューブリックが月面着陸の作り物によって米国の立場を助けたということだけではなく、結局は、キューブリックは、真実を隠すために CIA によって殺されたと、カーレル監督は仮定して話を進めている。

番組の中でのラムズフェルドとキッシンジャーの直接の証言が、その内容に信用を与えている。







(訳者注) ふと思い出したのですが、これらのアポロ陰謀説というものが出るよりずっと以前の1978年頃に公開されたアメリカ映画「カプリコン・1」という作品は、題材が火星ですが、ほぼ同じようなことが描かれています。アメリカの砂漠にあるスタジオで「火星に着陸したことを再現する」という話です。乗組員は殺されます(ひとり生還)。

私は中学2年くらいの時に、劇場にこの映画をひとりで見に行きました。

Wikipedia にはこうあります。


当初はアメリカ航空宇宙局 (NASA) が協力的だったが、試写で内容を知ってから協力を拒否した事で有名な作品。ただしNASAは製作協力を拒否したが、劇中に登場する火星着陸宇宙船「カプリコン1号」の映像として、アポロ宇宙船を搭載した、発射台上のサターン5ロケットなどの記録映像が使用されている。



でもまあ、そういうのを抜きとして、娯楽映画として大変面白い映画です。
ビデオになってからも何度も見ています。


c-1.jpg

▲ 映画 カプリコン1(1977年)より。政府から家族を人質にとられ、「演技をしないと家族を殺す」と脅されることにより、スタジオで絶望的な気分で火星着陸を演じる乗組員たち。その様子は月面着陸と同様、全米で中継される。そして、スタジオ内で撮影される「人類初の火星着陸」。天井とスタジオの周囲を囲む照明と効果装置。重力制御を演出するために細いワイヤーが使われ、また、リアルタイムでの画像処理を施しテレビ中継に繋ぐ。このシーンは、フランス語吹き替えしかなかったですが、 YouTube にあります。


ちなみに、乗組員の絶望といえば、地球帰還後にうつ病を患った、アポロ11号乗組員バズ・オルドリンを思い出します。Web上には、

 > オルドリンは「月面に降り立った二人目の人類」という名誉を「自身の敗北」と感じる。

とあります。
何に対しての敗北だったのかを考えたりします。


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