2011年02月06日



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目に見える生命が消えたフロリダのハリファックス川



(訳者注) メキシコ湾の原油流出関係の BBS にあったものです。このハリファックス川という川がどんな川がわかりませんので、あるいは異常なことではないのかもしれません。もともと目に見える生物が少ない川だったかもしれないですし、そのあたりはわかりません。

ただ、いずれにしても、とても澄んだ透明の水の川の中に、「動く生物」がまったく見当たらない光景というのは何となくもの悲しい感じがあり、ご紹介しました。

ちなみに、昨年、私がメキシコ湾の原油流出の後でもっとも脅威なのは化学物質の世界への分散そのものよりも、「それを食べて生きる微生物(藻も含む)の大量発生が他の生物を駆逐してしまうこと」というようなことでした。要するに、世界中の海がこのハリファックス川のようになるのがこわいというようなことでした。その頃に書いたものなども記事下にリンクさせていただきます。





I Saw None of the Usual Life There, Only Algae Seems Thriving in the Halifax River Fl
Before Its' News 2011.02.03

藻以外のいかなる生命も見つけることができなかったフロリダのハリファックス川

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昨日(2月2日)、沿岸内水路( Intracoastal Waterway )の水質をチェックするために、ハリファックス川までカメラを携えて出かけてみた。
これらの写真は私がそこで見た光景だ。

(注) 沿岸内水路とは,米国の大西洋岸とメキシコ湾岸に沿っている長い水路。下の地図の赤い線。今回の記事の撮影場所は明記はされていないですが、この沿岸内水路とハリファックス川の交差している「★」のあたりだと思われます。

east-coast-map.png
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私はこの何年もの間、自分の子どもと一緒にこの川で釣りをして楽しんできたので、川の光景が普通ではないことにはすぐに気付いた。

川を見下ろすと、川の水は春の水のように透き通っていた。

4-Dock00711-02-02.jpg


ふだんは、ここの水は濁っているのだ。しかし、非常に透き通っていた。
ここの水深は干潮で、30センチから60センチ程度だ。

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この水域の水質がこのように(透明に)変化したことに気付いたのは、ここ数ヶ月のことだ。

そして、それと同時に藻が増えだした。
それまでは、私はこの川でこんなにたくさんの藻が繁殖したのを見たことがない。


藻はいたるところにあり、成長しているように見える。
今は冬なのに・・・。

藻は 2010年の9月頃から見られるようになっていた。
今では、川の底全面に拡散している藻を誰でも見ることができる。

7-Dock01611-02-02.jpg


悲しいのは、他の生命がまるで見当たらないことだ。

カニもいない、シオマネキもいない、魚もまったくいない・・・。

少なくとも私にはそれらの生命は一切見えなかった。
あなたがたはこれらの写真から何かの生物の痕跡を見いだせるだろうか?

結局、この日は、一匹の魚も見ることはなかった。


数日前、数キロ上流まで出かけてみた。
そこにもたくさんの藻があった。

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最近、フロリダは厳しい寒波に見舞われたが、その後でさえ、藻は活発に繁殖を続けている。ここでも、水の中に生物は見当たらなかったが、先週、小さなカニが死んでいるのを見た。


こちらは、1ヶ月前に撮影した写真。寒波で死んだ藻が灰色となって、川底に沈殿している。

11-sameplace1.jpg


私はこれまで、この川でこれほど藻が繁殖したのを見たことがなかったし、また、この川がこんなに透き通っているのも見たことがない。しかし、原油の分解剤などに鉄のようなミネラルが加えられているのなら、これは説明できるものなのかもしれない。

しかし、いずれにせよ、かつてここにいた様々な小動物たちはすでにここにはいないという事実。それがもっとも懸念されることであり、悲しいことだ。

それにしても、何て透明な水なんだろう・・・。






関連資料:

死の海域:バクテリアに海が支配される時 (地球の記録 2010年05月2日)より抜粋



バクテリアに海が支配される時

(前略)

最近、わりと微生物のことを勉強することが多く、その強靱な生命力には驚嘆することしきりですが、しかし、「強靱すぎる」のです。ここ数ヶ月では、ギリシャの海で、酸素の不要な多細胞生物が発見され、オランダの排水路からは、自分で酸素を合成する微生物も見つけられたりといった、「それ以上の大型生物の生態系の食物連鎖をあまり必要としないように見える」生物たちが大挙見つかっています。

石油を分解するバクテリアがそこに該当するわけではありませんが、それでも、彼ら石油を分解するバクテリアであっても大量に発生した場合、他の生き物がその海域で生きることは難しくなるように思います。

そうなると、「強靱な微生物だけの海」ができます。それが、すなわち、「デッドゾーン=死の海域」となるのではないかと考えます。


バイオ製品を扱うある会社のページにこのような記述がありました。Q&Aコーナーの「Q1.バイオ製品を使用した場合、環境にどんな影響を与えますか?」というところの問いに、こうありました(こちら)。


第一に、まず分解の途中経過において一旦はそのバクテリアは最大数まで増加します。しかし、そのバクテリアの食べ物、つまり分解の対象である原油の減少とともに最大数のバクテリアを維持することが不可能となります。そして、分解とともにバクテリアも減少し、原状に戻る段階ではほとんどいなくなるのです。

第二に、バクテリアの場合、動物のように食べ物を求めて他の場所にまで移動し、そこでも大量に繁殖するという心配はまずありません。
さらに、バクテリアの食べ物に対する嗜好性や、食べ物の有限性を考えると、その永遠なる異常繁殖はありえません。



これは実は逆説的にバクテリアの特性をよく現しています。

つまり、「バクテリアの食べ物、つまり分解の対象である原油の減少とともに最大数のバクテリアを維持することが不可能となります」いう部分は、もし、

・分解の対象である原油が永遠に減少しなかったら?

という懸念に結びつき、また、「バクテリアの場合、動物のように食べ物を求めて他の場所にまで移動し、そこでも大量に繁殖するという心配はまずありません。」という部分は、

・移動しなくても食べ物の範囲が勝手にどんどん広がっていったら?

ということに繋がります。

今回は、今のところはまだバクテリアにとっての「食べ物の減少」の兆しが見えていないわけで、これはかなり怖いことだと思います。デッドゾーンの広がりのスピードと、原油流出の拡大のスピードが比例した場合、世界の海の今後はなかなかスゴイのではないかと。


タグ:原油流出