2011年05月06日



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最も驚くべき存在である有機物



最近、天候のことを書いたりしていたのですが、しかし、やはり地球の天候のことを考える上で、私は原点に立ち戻らなければならないと感じています。

その原点とはパンスペルミア説です。

原点といっても、知ったのはたかだが昨年のことですが、私がフレッド・ホイル博士のパンスペルミア説のことを知り、そして、そのことに絡めて、クレアなひとときに書き殴っていた頃です。

フレッド・ホイル博士は後年、「宇宙そのものが生物(微生物)自らの手で生成され、膨張させ続けている」という考えにまで至り、もともと高名な学者であったこともあり最後まで英国科学界の最高峰の地位にいられましたが、通常の学者が口にすれば、狂人として扱われた可能性もある話です。

しかし、最近、私が考えている「地球を含めたすべての宇宙のすべての天候は、宇宙の人類個々の感情を反映しているかもしれない」という考えを論理的に考え直すには、フレッド・ホイル博士の考えていたことや、そして昨年私が書いたクレアの文章に立ち戻ってみようと(何せ、自分の書いたものは次の日にはほとんど忘れているので)。


昨日だったか、うちの奥さんが部屋で何か本を読んでいました。

奥さんは私と違って読書が好きですが、京極夏彦とか・・・あと名前はよく知らないですが、ミステリー?か何かわからないですが、そういう作家の人のばかりを読みます。私はいわゆるミステリーを生涯で一冊も読んだことがないので、あまり知らないですが、流行作家というジャンルかもしれません。

ところがふと見ると、昨日、奥さんは本棚に入れてあった私のフレッド・ホイル著「生命はどこから来たか」を読んでいたのでした。
私は「そんなの頭がおかしくなるからヤメなよ。わかりやすい内容でもないし」と言ったのですが、ずいぶんと読んでいるようでした。


私自身、しばらくこれらのことを忘れていたのですが、少なくとも、私の昨年度・・・あるいは人生で知り得た中で最も強烈な学問と価値観がパンスペルミア説であり、そして、そのライン上に浮かび上がる「宇宙は生命自身が作り出して、日々膨張している」という概念です。

これはほぼ間違いないと感じていて、宇宙はすべて微生物自身が(目に見える)宇宙を作り続けていて、宇宙の拡大から恒星システム(私たちでいえば太陽系)、そして、銀河に至るまで、微生物が「自力」で作り出していると思っています。


ただ、このことについては、他人にもそう思ってほしいとは今はもう思っていないですので、パンスペルミア説自体についてはこれ以上はふれないですが、今回は、私たちが日常暮らしている中にありふれている中で最も驚異的なことというのは何か? ということについてのひとつをご紹介してみたいと思います。

それは、

・私たちは有機物に囲まれている

という一点です。

これがどうして驚くべきことかというと、

・有機物は無機物からは生成されないので、有機物は「元々あった」と考える以外にないから

なのです。

このことについて、ちょうど上にフレッド・ホイル博士の著作のことについて書いたので、そこから抜粋します。





生命はどこから来たか
著者/フレッド・ホイル(共著 チャンドラ・ウィクラマシンゲ)
翻訳/大島泰郎(東京工業大学名誉教授)


「第四章 至るところにある有機物」 より抜粋

 有機物は銀河系の至るところに存在している。実際、銀河系の星間物質のほとんどは水素ガス、ヘリウムガスか、細菌と大きさのよく似た固体の有機物である。微生物中の水は、地球上の通常の環境では体積の七十パーセントを占めているが、非常に乾燥して圧力が低い条件下では蒸発してしまい、細菌はへこんだ形になる。そして、くわしい天文学的な観測からは、銀河系に広く分布する星間物質は実際へこんだ形をしているということがわかっている。それらの重量の総量は莫大である。各々の小さな星間物質も、数が膨大なため合計では地球の一兆倍以上の重量になるのだ。

 例えば、一酸化炭素、窒素のような無機物から非生物学的に有機物を生成することが無理であることを考えると、星間にある大量の有機物は生物学的に作られたのに違いないのは明白である。

 科学者の中には逆の方を主張する人もいるが、これは極端な独断である。もしも、無機物からほんのわずかな、痕跡量以下の有機物を生成できたとしても、それは実験室で注意深く設定された条件、特に触媒に気を遣った条件での話であり、宇宙空間のような制御の利かない条件下では触媒がすぐ壊れて大量の生成物は得られないであろう。例えば、ありふれた物質で至るところに存在する硫黄ガスからできる腐食性の硫黄によって触媒は直ちに壊される。

 非生物的に有機物が生成することを打ち消すもうひとつの大きな理由は、人間の造った化学工業的な方法に基づく生成過程では、いわゆる直線的な増加しかできないということである。化学会社が生成物を二倍にするには工場を増設して設備を二倍にする、というふうに会社が拡大するにはどんどん資金をつぎ込まなければならない。地球に相当する量を形成するには、たとえ長年操作することが許されていても想像を絶するスペースがいる。一方、生物的なシステムは増加の様子がこれとは決定的に違う。このシステムでは、直線的ではなく、指数関数的に増加する。つまり、一が二に、ニが四に、四が八に・・・と増えていくのである。生物学的な増加は爆発的であり、自発的に材料を取り込むことでさらに極端になる。




抜粋はここまでにしますが、この「指数関数的に増加する」に関しては、先日の「地球の天候と人類との関係について考えてみたりしています」という記事に書いたこちらの説明で十分かと思います。

抜粋します。

生命のスピード

生き物の偉大さ: 「生」と「生きていないもの」の違い (2010年05月11日)より。

これは「一匹の細菌とその子孫に適当な栄養が与えられた場合を考えた場合の増え方」という資料です。一般的な細菌が好ましい環境下で複製に要する一般的な時間である「2〜3時間で一度分裂(複製)」というところから計算するとこうなります。実際には、宇宙空間は、地球で一般的な細菌に好ましい環境ではないですので、これは適用できないですが、「生命のスゴさ」という例としてわかりやすいかと思います。


細菌の増加のシミュレーション

細胞複製1日目・・・最初の細菌は2〜3時間ごとに一匹から二匹へ、二匹から四匹へと増えていく、この最初の1日で約1,000匹の集団を形成する。この数の集団の大きさではまだ人間の肉眼で見えない。

細胞複製2日目・・・細菌の数は100万匹になり、集団の大きさは、針の頭の直径の約10倍程度と、肉眼でも見える大きさになる。

細胞複製4日目・・・細菌の数は1兆匹になり、重さは約1グラムになる。その数は毎日1000倍ずつ増える。

細胞複製5日目・・・重さが約1キログラムになる。

細胞複製6日目・・・重さ1トン。

細胞複製7日目・・・細菌の集団の重さが1000トンに達する。これは山の重量にも匹敵する重さ。

細胞複製11日目・・・細菌の集団の重さがエベレストと同じ重さに達する。

細胞複製13日目・・・細菌の集団の重さが地球の重量を越える。

細胞複製19日目・・・細菌の集団の重さが天の川銀河の重量と並ぶ。

細胞複製22日目・・・細菌の集団の重さが、私たちが「地球から肉眼で見えるすべての宇宙」の重さと匹敵するまでになる。





これはあくまでも資料として載せたものですが、私たちの地球、あるいは宇宙に「有機物が存在している」という事実こそが、私たちの宇宙の最大の「神秘」であり、それ以上は踏み込めない領域でもあります。

しかし、「宇宙そのものが生命」であることは曖昧な話ではなく、ほぼ事実であることがこれまでの観測結果でわかっています。


今回の記事の上のほうにも書きましたが、そのこと自体は「私がそう思っていればいい」だけで、この宇宙観を人に伝えたいということが目的ではありません。

天候から自然災害まであらゆる地球の現象は宇宙すべてと繋がっているという事実に近づいている中で、「では、私たち人類はその宇宙をどのように考えれば、この地球の天候や自然現象と対峙できるのか」ということを考えたいだけなのかもしれないです。


このことが私には全然わからないのですよ。

雨が降れば、「チッ」と思い、地震がくれば、「ひゃあ」と言っている日常ですが、果たしてこれでいいのか、そうではないのか。

「これでいい」と思う気持ちもありながらも、そうではないかもしれない。
それを考えたいのです。