たとえば、何の宗教でもいいですが、唯一神などの存在している宗教を信奉している人に、
「神は無駄なものもたくさんお造りになりましたか?」
と訊けば、多分、「万能の神がそんなことをなさるはずがない」と答える人が多いのではないでしょうか。
では、そういう神を信じている人々の目にうつる、この世にある様々な無駄に見えるようなものや自分にとって不快なものや、あるいはイヤなものというのは一体何なのかと思うこともあるかと思います。
では、たとえば、「それらのイヤなものに関しては、神がお造りになったものではない」とします。
すると、万能な神なのに、「世界の一部しか造っていない」ということになる。神の創造が不完全なものということになる。
それではいろいろと良くないので、やはり「神は万能だ」という前提に立つとしましょう。しかし、今度は、
「この世にその神の計画以外のものは存在するのか」
という問題が出てくるように思います。
すなわち、
「それは偶然できたものだから」というものの存在は許されるのか。そういうものが地球や宇宙に存在することは果たして許されるのか。たとえば、地球の生き物は「偶然地球で発生した」というようなことが言われてきましたが、そういうことは許されることなのか。生き物や人間はすべて「神や宇宙の管轄外」ということなのだろうか・・・という疑問が出てきてしまいそうな感じがします。
さてどうしたらいいのだろう?
・・・という疑問は歴史的にずっとあったのではないでしょうかね。
特に、科学が進んできた中では常にある軋轢というか問題だったのでは。
でまあ、それらの疑問に対して、もっとも穏やかに解決する答えというのはあるわけで、それは、
「この世に無駄なものは一切ない」
とすることと、そして、
「この世に偶然は一切ない」
とすることではないかと思います。
これだと、どんな宗教を信奉している人にとっても、どんな神を信じている人にとっても、まあまあ、そこそこOKな答えなのではないでしょうか。
ということを前提として、今回の記事を書きます。
つまり、「宇宙の発生も人類の誕生もすべて偶然ではなく、また、この世には無駄なものはない」ということが前提ということです。
この前提が崩れれば、今日書くことにも意味がないです。つまり、「宇宙は無駄なものをこの世にたくさん作り、また、宇宙が感知しない偶然の発生物がこの世にはたくさんある」という場合は今回の話は適用できないということです。
それはそれで「あり」な気もしますが、今回は「宇宙は万能」ということで話を進めてみたいと思います。
基本的に前回2回の記事の続きです。
・宇宙塵自身が生命であることに言及した 100年前のノーベル賞学者の実験
(2011年05月07日)
・地球の鳥や魚から考える「統一した方法であるかもしれない地球や宇宙全域の生成」
(2011年05月07日)
長くなりそうですが、簡単に書くと、「宇宙の計画とは何だったのか」ということに関してです。
宇宙の奇跡
昨日、一昨日とアップした記事の中で転載したフレッド・ホイル博士の文章と、物理学者アレニウスの 100年前の発表などを読み直していて、つくづく感じたことがあって、それは「今までの私たちの考え方というのが、それ自体が反対方向から見ていたものだった」ということです。
たとえば、私はちょっと前までこう考えていました。
「宇宙空間のように酸素もなく、しかもマイナス何百度の超低温の中を生き延びられるバクテリアってすごい」
と。
しかし、彼らの著作や文献を読めば読むほど本質はそうではないことがわかります。
たとえば、現在の科学の中には、「精子や細胞の保存方法」というものが確立しています。こちらは、精子の保存方法ですが、こちらのページにこうあります。
> 精子バンクでは、液体窒素(マイナス200度くらい)を使って瞬間的に冷凍します。瞬間冷凍することで組織を壊すことなく、冷凍保存ができるのです。
おわかりかと思いますが、生体が生体として長く生きるためには、あるいは保存されるためには、冷凍でもいいのではなく、「マイナス何百度で冷凍しないといけない」という現実があります。
すなわち、「バクテリアが宇宙空間を生きた状態で他の場所に移動するためには、長い時間がかかるために、バクテリアは冷凍された状態でないといけない。つまり、そもそも宇宙空間が寒くなければ生命が全宇宙に行き渡ることはできないという大前提がある」ということなんです。
宇宙空間がもし、地球のような気温だったら、バクテリアは長い期間保存されて移動することはできないです。生体というのは気温が高いと、つまり適温だとわりと早く寿命を迎えてしまいます。たとえば、細胞そのものの寿命は大変短いですが、これが「冷凍される」ことで、細胞は何百年も、あるいは、「ほぼ永遠に生き続ける」と思われます。
これに関しては、次のこの2点が考えられます。
・宇宙空間で生体(遺伝子、バクテリアなど)を死なせないために宇宙空間は超低温である必要があった。
・そして、生命の最小単位は超低温の中でこそ長い期間生きられるように作られた
と。
これはつまり「生命と宇宙空間の関係性というものの間に、極めて科学的で合理的な相関関係がある」ということで、もっと言えば、
「そもそも、生命と宇宙はそういうものだ」と言えそうです。
要するに、寒い中を生き延びることのできるバクテリアのほうがすごいのではなく、「それを取り囲む環境も含めて、何もかもすごい」ということです。
最初から生命を宇宙全域に拡散するためにバクテリアが存在し、そして、その目的(という言葉でいいのかどうかは不明)の通りに実際に宇宙の全域に、多分、生命は行き渡っている。
「宇宙の全域に生命は行き渡っている」というのは昨日書いた宇宙塵などもそうです。
そして、今も日々、宇宙塵が宇宙を作り続けていると思われます。
どう書いても宗教くさい方向性の話なんですが、そう考えるしかないのです。
確かにこれは奇跡の世界という言い方が合っているようには思います。
何もかも奇跡な感じで。
宇宙と生命の関係も、あるいは存在そのもの(最初どうしてできてたのか、など)も。
そして、その奇跡がどうして起きているのかというと、
「それはわからない」。
神だとか宇宙の知性とか、宇宙の計画とか、いろいろな言葉で語られてきましたが、「それはわからない」というのが最も適した表現だと思います。そして、多分、「宇宙から独立した存在」である私たち人類にはそれは永遠にわからないことだと思います。
少なくとも、直感や感覚ではわからない。
それだけに、私たち人類には上のような「客観的な観測と判断からわかることだけでも把握しよう」とする姿勢が大事なのかもしれません。
最近、私は「私たちの太陽と太陽系の意味」ということについて思っていることがあります。これは簡単に書くと、「太陽と太陽系が誕生した理由は、地球の誕生とそこに人類が誕生するためだけ」のものだったかもしれないという概念です。
太陽と太陽系
今はそれほど詳しく書くスペースや時間がないのですが、次に書く、次に書くと言っていて、結局書かないのが私にはよくあることですので、簡単に書いておきたいと思います。
これは一応、自分たちの太陽系を例にした話ではあるんですが、銀河系内で次々と見つかっている「他の太陽系」や、あるいは、他の銀河に広がっているすべての太陽系に言えることです。
過去記事でも紹介したことがありましたが、
などで見る、「他の太陽系とそこにある地球タイプの星」は、それらは形やシステムなどが地球とその太陽系と似ていて、また、他に数多くある太陽系もどれも同じようなものだと考えられています。「太陽系の兄弟姉妹同士」といっても全く差し支えないと思います。
どうして、違う宇宙に同じような太陽系や太陽や地球みたいな惑星ができるのかということに関しては、前回書いたように、「それを作っているものと、それをコントロールしているものがほぼ同じもの」だからだと思われます。すなわち、宇宙塵とか、あるいはバクテリアとか、とにかく有機物の面々が作っている。
そして、それらは多分、すべて宇宙の(意志の)コントロール下にある。
宇宙の全域で似たような面子が似たような宇宙を作っていって、似たような銀河、似たような太陽系、似たような地球が無数に作られていく。
そして、その目的は、結局は、
・人類の誕生と拡散
だったのではと思うようになりました。
どうしてかというと、「宇宙を認識する役割を持つのが人類」だからです。
「誕生」というのはそこで生まれるということではなく、生活が定着して、文化や文明などが生まれるということですが、「誕生」という響きがいいですので、あえて使います。
太陽ができて、その周囲に太陽系システムがあり、地球がその中にできて、そこに人類が生活をし始める。
宇宙の全域におびただしい数の太陽と太陽系と地球を作り、そしてそこに住む人類と、その文明を増殖させる。
その文明と、そして人類そのものは必ず宇宙を認識する。
人類が宇宙全域に広がれば広がるほど、宇宙に対しての認識は強固になり、宇宙という存在が盤石なものとなっていく。
自分たち宇宙の存在が消える可能性が極めて少なくなる。
まあ・・・勝手といえば勝手な目的ですが(笑)パンスペルミア説などから、そして、微生物の生き方や植物の生体など、この1年間くらいで知ってきたあらゆる方向はそこに向かいます。
つまり、「何もかも宇宙に人類を誕生させて、それを宇宙全域に広めるという目的に向かっている」と。
このことのためだけに宇宙のシステムはあると。
そして、これに失敗すると宇宙は消滅する。
そのための様々な設定はたくさんあったと思います。
まず大前提として、
・人類以外のすべての生命が宇宙の意志のコントロール下にあることを確認
・宇宙塵が惑星と銀河を生成していく
という大イベントの後、まあいろいろとあるとは思いますが、代表的な設定として、
・宇宙空間をマイナス270度に設定
・生命の最小単位である遺伝子が冷凍でもっとも長く保存されるように設定
・彗星が周期的に銀河内を周回するように設定
・何億年かに一度、太陽系が分子雲(あとで説明します)に接近するように設定。これにより一定期間、地球に雨あられと彗星が降り注ぐ
・一連のイベント後の物理的(気候的)条件が人類誕生に見合うまでの期間を約 40億年から 50億年に見積もる
そして、あとは「Go !」ということだったんじゃないでしょうか。
「うまくいくかどうかは知らん」と。
しかし、現実にどこにもここにも銀河はできていて、多分もどこにもここにも、「地球と同じタイプの人類」がおびただしい宇宙に広がっている(と思われる)。
「うまくいってんじゃん」と言いたい感じはします。
分子雲は、うまく説明できないですが(基本的に理解していないので)、Wikipedia のこの説明でその重要性がおわかりかと思います。
> 星形成は分子雲でのみ起こると信じられている。これは低い温度と高い密度の結果、分子雲を崩壊させる重力が内部からの圧力を上回ることで起きる。
この分子雲というのが星を作るようです。彗星の生成などにしてもそうなんですが、この分子雲の存在というのは、太陽系の惑星や地球の生命の進化に関与しているのではないかと思っています。
そして、私たちは兄弟とは会えない
これも、「宇宙には偶然がない」ということが大前提ですが、多分、私たちは自分の星以外の「私たちと同じタイプの人類」とは会えないような距離関係で、太陽系と太陽系の位置は作られている、と感じます。
これに関しては私が「感じる」というだけのことですが、実際に、地球からもっとも近い「地球タイプの惑星」といわれる グリース581C などは地球から 20光年あり、天文学的には近くても実際には行けません。物理的な様々を考えると、地球の人類が「20光年」先の場所に物理的に行けることになる日は来ないと私は考えています。
多分、様々な太陽系の太陽からの距離等を考えてみると、「ひとつの太陽系には人類が住む惑星はひとつ」なのだと思います。(ここでいうのは「生命」ではなく「人類」です。なので、太陽系の他の惑星にも様々な生命がいることはいるでしょうが、「私たちと同じの」がいる惑星は、ひとつの太陽系にひとつだと思います)
なので、今、私たちが住んでいる地球と太陽系を見ることで、「すべての宇宙がわかる」というのが、この宇宙が人類に与えた「見識」だと考えます。
または住んでいる地域を見る。
ここだとアジアの日本の東京の西荻窪という街。
あるいはその中の私の部屋の中の机の上。
それをちゃんと見るだけで、そして自分と周囲の人をちゃんと見るだけで宇宙のことはすべてわかるというのが、この宇宙の意志なのではないかと漠然と思ったのでした。