2011年05月14日



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宇宙線が雲を生成に関係していることを証明しようとするデンマークでの実験



また唐突ですが、非常に気になるニュースを見つけたので、翻訳しました。
デンマークの国立宇宙センターで、「宇宙線が雲の生成に影響していることを証明した」という実験報告があったというニュースです。

最近、このブログでも天候のことなどを書いていますが、宇宙線と天候の関係というのは古くから言われていたわりには、その実験はなかなか行われていませんでした。欧州原子核研究機構(CERN)の CLOUD 実験というものが、ややそれに該当するもののようです。

実際、今でも「雲がなぜできるか」はよくわかっておらず、だからこそ、世界的な研究対象となっています。

In Deep の最近の関係記事としては、

地球の天候と人類との関係について考えてみたりしています (In Deep 2011年04月29日)
太陽活動と宇宙線。そして、地球の天気(地球の記録 2011年03月25日)

などです。
地球の天候の解明というのは、私のこの1年間ほどの間で最もよく調べて、そして最もよくわからなかったジャンルのひとつでした。

専門用語がいくつか出ていますので、先に注釈しておきます。

霧箱 → 蒸気の凝結作用を用いて荷電粒子の飛跡を検出するための装置。1897年にチャールズ・ウィルソンが発明した。
欧州原子核研究機構 → CERN。スイスのジュネーヴ郊外でフランスと国境地帯にある、世界最大規模の素粒子物理学の研究所。
CLOUD 実験 → CERNで行われている宇宙線と、エアロゾルや雲粒、雲氷の関係がどのようにつながっているかを解き明かす実験。



非常に簡単にここでの論旨を書くと、「太陽活動が強い時には太陽の磁場により、地球に到達する宇宙線の量が少なくなり、それによって地球全体の雲の量が減り、地球の気温は上がる。太陽活動が弱い時にはその逆の作用で地球は低温となる」ということのようです。

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Evidence That Cosmic Rays Seed Clouds
Sott.net 2011.05.13

宇宙線が雲を生成している証拠が発見される

clouds.jpg


宇宙線が水の雫を形成するために大気中でどのように刺激を与えていたかということについて、デンマークと英国の物理学者たちが霧箱へ粒子線を発射する実験によりひとつの示唆を示した。

この実験により、太陽が宇宙線の流れに干渉することによって、地球の表面に届く宇宙線の強弱を太陽が変えており、それによって地球の天候が変化していることが証明されたと研究者たちは述べている。

ここ数年来のいわゆる地球温暖化と呼ばれる論議の中では、人工の温室ガスによってもたらされているという論調に傾いていたが、しかし、太陽活動そのものが地球の天候の変化に対する重要な影響があるかもしれないと一部の科学者たちは主張している。

また、彼らは、過去の世紀には、世界的な温度の変化と太陽活動との間に密接な相関関係があったことを指摘している。


しかし、太陽と地球の温度と間に歴史的な相関関係があったにしても、太陽はこの 150年間の間にほんの 何百分の1といった程度の明るさの変化さえあったかどうかと考えられていて、つまり、太陽の直接的な地球への影響は考えられなかった。

そのため、研究者たちは、太陽が地球の天候に間接的に影響していた可能性についての調査を続けていた。

そして、今回、デンマーク国立宇宙研究所の研究員ヘンリク・スヴェンスマルク氏は、太陽活動と宇宙線の流れには関係があることを断定した仮説を発表した。

スヴェンスマルク氏によると、宇宙線は地球の低地に「雲の種」を生成し、その雲は、太陽からの放射線の一部をふたたび宇宙へと反射させる。

そして、地球に到達する宇宙線の数は太陽の磁場の強度に比例する。

この磁場が、より強い時(太陽の黒点が多い時の状態)には、宇宙線の多くは太陽磁場によって、地球への到達を逸らされる。そして、雲の生成が少なくなり、結果として地球の気温は上昇する。

そして、太陽の磁場が弱い時には、地球の気温は低下する。



雲の生成

最近の実験により、このスヴェンスマルク氏の提唱する理論への証拠が示された。

大気中の水蒸気が雫に変わり、また雲として生成されるためには、凝縮した何らかの表面が必要で、これは通常だと、航空機から放出されるものなどを含む、空気中に存在する小さな固体や液体粒子によって得られる。

スヴェンスマルク氏の理論は、宇宙線がこの水蒸気の分子をイオン化するプロセスの作用をさらに促しているとするものだ。

スヴェンスマルク氏たちは、研究室でこのプロセスを再現するための理想的な大気を用意した。それは酸素と窒素、水蒸気 、二酸化硫黄、そして、オゾンを混合したガスで、そのガスを 0.05立方メートルのステンレス鋼の容器に満たした。

そして、どの水の分子が集結するかについて調べるために、硫酸分子を生み出すための紫外線を容器に照射し、そして、デンマークのオーフス大学から提供された580 MeV の電子の光を合わせて照射した。

容器から試験材料を取り除き、そこから直径3ナノメートル(1ナノメートル = 0.000001 ミリ)の大きさ以上のあるガスの小片の数を数えることで、 研究者たちは、その光線が、ガスの小片(雲の生成と同じ意味)が生産される率の増加に重要な影響を持つことを発見したのだ。

デンマーク工科大学の国立宇宙研究所のイェンス・オラフ・ペッケ氏は、宇宙線と雲の生成の関連を証明するためには、実験がさらに大きな容器や時間で行われるべきだと語る。

それにより、雲のコア(核)を生成するのに十分な大きさである約 100ナノメートルまで増大するかどうかが確かめられるという。

欧州原子核研究機構( CERN )の CLOUD 実験で使われている実験室がいいのではないかとペッケ氏は述べている。



雲の科学

雲の生成と構造についてはまだよくわかっていないことが多いが、この宇宙線と雲との関係に関しての仮説には問題もある。

それは、1970年以前は、世界的な気温と、地球の表面に到達した宇宙線の量との関係にはっきりとした相関関係があったが、この 40年間の間にそれが崩れているということだ。

英国の気象専門家のクリス・フォランド氏は、宇宙線が雲の構造に影響を与えているかどうかは明らかではないと言う。大気中の微粒子を雲の核として凝縮する働きを持つものは自然界に他にもたくさんの要因を挙げられるという。

また、仮に宇宙線が雲の生成に影響があるとしても、その場合、むしろより高度の位置にある雲の生成に関与するのではないかという。

一般的に、高度の高い雲は地球の気温を上げ、低空の雲は地球の気温を下げるとされているが、低地の雲のほうが、より宇宙線の影響を受けるという理由が明らかではないと氏は言う。



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