2011年05月18日



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フランスでの記録的な干ばつにより原発の大規模停止と大停電発生の可能性



(訳者注) 日本でも地震と津波によっての原発の問題を抱え続けていますが、原子力発電所というのは他にもいろいろな原因で機能停止をすることを初めて知りました。フランスで「干ばつでの極端な冷却水不足」によって、原発の大規模停止が発生する可能性がフランスのメディアで報道され始めています。

これは先日の記事「完全な崖っぷちに立たされた世界の食糧供給」という記事ともリンクする話だと思いますが、実は今、穀物の輸出国であるフランスと欧州の多くの地域で、非常に厳しい干ばつが続いており、その中でもフランスでは極端な水不足のために、原子力発電所の操業が不可能になりつつあるのだそう。

原発というのは冷却のための水がないとダメらしいのですが、フランスの川の水量は多くが取水制限以下となっており、現時点で、フランスにある 58程度の原子炉のうち、 22の原子炉で冷却水を得られなくなっているとのこと。そして、このまま干ばつが続けば、川沿いにある 44の原子炉を停止せざるを得ないらしいです。

問題は、このような大規模に原発が停止された場合、フランス全土で「未曾有の大停電」(ブラックアウト)が発生する可能性が指摘されているようです。

なんだか、3月以来、世界中で発電に関しての問題が発生し続けていますね。
これで大規模フレアとか CME が発生すると、さらに大変そうです。


翻訳したのはフランスの新聞ル・モンドのサイト記事です。





La sécheresse menace le bon fonctionnement des centrales nucléaires
Le Monde (仏) 2011.05.16

干ばつが原子力発電所の操業に脅威を与えている

nuclear-france.jpg


フランスで農家を苦しめている干ばつが影響を与える範囲は農業だけの問題ではなくなってきた。
原子力発電所の機能と操業に関係しているのだ。

現在のフランスでは、干ばつによって 26の州で取水制限がおこなわているが、これが長引いた場合、いくつかの原子力発電所が機能停止せざるをえないと見られている。

フランスでは、 58の原子炉のうち、44カ所が川沿いにあり、川の水を使用している。


現在、フランスの原発が機能停止の脅威に立たされていると考えられる問題点は以下の三つだ。

まず、原子力発電所の操業は、川の水の量に関しての基準を満たさねばならない。
操業のためには川の水の流れが規定以上あることが必要だが、現在続いている干ばつにより、川の水の量が規定を下回りつつある。

原発は停止しても冷却を続けなければならないが、そのための冷却水を欠く恐れがあるのだ。

現在、 22の原子炉ですでに冷却水の不足の可能性が指摘されている。


二点目としては、冷却装置からの廃水の温度が一定の限度を超えるときには、出力を落とすか、停止するかしなければならない規定がある。現在、フランスの 20の原子炉がこの基準を満たせない恐れが出ている。


三点目に、廃水放射性物質が十分に希釈されるために、河川の水の流量が一定量に満たない場合は、水の流量が回復するまで廃水を貯水池にためておかねばならない。しかし、長引く干ばつで貯水池が満杯になれば、原子炉を数週間の間、停止しなければならない。


環境保護活動をしているステファン・ロム氏によれば、上記のような冷却水に関する規定を越えて操業を続けた場合、メルトダウン(炉心溶融)のような深刻なトラブルまで起こり得るという。

原子炉安全の責任者たちは安全な方法での電気供給への努力は怠らないと述べているが、上記のそれぞれの問題に該当する発電所と原子炉が複数にのぼっており、専門家たちは原発停止による電気供給の停止を懸念する。


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