昨日、地震に関しての記事をご紹介して(3月11日の地震の前に観測された日本上空の赤外線と電子量の急激な変化)、そこで「地震の発生のメカニズムについての推測に関しては書くつもりはないです」と書いたのですが、仮に今後、このような電離層や赤外線、あるいは超低周波などと地震が密接に関連しているというようなデータや、あるいは研究が出てきた場合に、いろいろな話と結びついていくようなことがあると思っていますので、私の地震に対しての考え方をこの際、書いておこうと思います。
これは最近思いついたということでもなく、2年くらい前から考えていたことに対して、最近、様々なデータで補強されてきているというような部分があります。
まず、世の中にはいろいろな話や意見があり、人工地震などの存在についてもかなり話題となっているものだと思います。
最初に書いておくと、私自身は人工地震、特に巨大地震を人為的に起こすということの現実性については対しては懐疑的ですが、しかし、この「人工地震か、そうではないか」ということに関しては、地震の発生システムそのものと関係のある話でもないので、ここでは、そういう問題とは別に、「そもそも地震とは何か」ということを、あくまで私の考えですが、書いてみたいと思います。
地球上の統一した物理の法則
まず、いきなり科学とは逸れた話となりそうですが、最初にひとつの言葉をご紹介したいと思います。
錬金術の祖師であるヘルメスの「エメラルド板」にある言葉です。
ニュートン力学を確立し、古典力学や近代物理学の祖となったアイザック・ニュートンもまたエメラルド板を研究していた人物でしたが、下の文章はそのニュートンが 1680年に解釈したものの日本語訳からの抜粋です。
・唯一なるものの奇跡の実現にあたっては、下なるは上なるのごとし、上なるは下なるのごとし。
・そして、万物は一者の適合により一者より来る。
・万物は適合によってこの一者に起因す。「太陽」はその父、「月」はその母、「風」はそれを胎内に宿し、「大地」はその乳母である。
この中の「万物は一者の適合により一者より来る」という言葉は、以前の私は何のことだかわからなかったですが、まあ、今も基本的にはわからないですが、ここ1年くらい、植物や微生物の生態を見ているうちに、そして、有機物と無機物、そして、(ほとんど理解できないといえ)物理の様々などを見ていると、つまり、
・世の中の法則は基本的にひとつ
ということを思うようになりました。小さなものに適応できる物理の法則は大きなものにも適用でき、その理論性、整合性には基本的に例外はないと。
これを最初に書いておきたいと思いました。
つまり、「地震は巨大な物理現象だけれど、基本的な地殻の崩壊のシステムは小さなモノの崩壊と同じ原理のはずだ」という前提条件があるという感じです。
物質の崩壊とは
私は物理をよく知らないので、学術的には書けません。
例えとして書くことしかできないですが、「モノが壊れる」ということに関しては、感覚的には力学的な感じがすると思います。
つまり、何かを壊そうとする時に「力を入れていけばいつかは壊れる」と。
確かにそういうこともあるかもしれないですが、しかし、その崩壊を「爆発的な崩壊の場合」とした時には、爆発的な崩壊には「力を入れていけばいつかは壊れる」という図式は成り立たないというのが、物理的な事実のようです。
たとえば・・・まあ、何でもいいですが・・・古い家のコンクリート塀がボロボロになっていたりといったような、「少しずつ崩壊していっている物体」というようなものは至るところで見ることができると思います。
こういう壊れ方が地震的かというと、そうではないはずで、これらは「穏やかな崩壊」、すなわち、「穏やかなエネルギーの解放」で、あり、自然に力を込めていって壊れる場合には、大体がこのように穏やかに物体は崩壊していくと思われます。
地震というのは、瞬間的に起きる爆発的な破壊によって放たれる巨大なエネルギーの解放であるわけですが、このような「瞬間的に起きる巨大なエネルギーの解放」というものは、実は小さな物理現象でも、「化学(ばけがく=ケミストリー)」的な刺激が加わらないと発生しません。
たとえば、ごく普通程度の力の持ち主が、「石を万力で壊したい」とします。
万力に石を挟んで渾身の力でグリグリと石に力を加えていっても、通常ではなかなか壊れません。あるいは、腕力のある人なら、石の周囲からボロボロと崩れていって、崩壊させることは可能かもしれないですが、その壊れ方は穏やかな崩壊であり、爆発的なエネルギーの解放である地震的ではないといえそうです。
石を「地震でのエネルギーでの解放」のように崩壊するには、「パーン!」と一気に石が崩壊するようなアクションが必要となるはずです。
どうしたら、「石はパーン」と行くのか。
ここで化学(ばけがく)的な反応が登場します。
何でもいいと思いますが、たとえば水。
万力で力を加えていった石に水を一滴垂らすと、石は一気に崩壊します。
あるいは、「過冷却」という状態。
冷凍庫に入れて零度以下ではあるけれど、まだ凍っていない水。
それに「ちょっとした刺激」を与えただけで瞬時に凍る現象です。
下の動画では氷を入れていますが、これは何でもいいのです。米粒を一粒入れただけで水は一瞬で凍ります。
「過冷却」で YouTube で探すとたくさん出てくると思います。
これら化学的反応による現象は、徐々に起きる現象というものとは違う劇的な反応を見せます。
「爆発的なモノの変化や崩壊」というものは、ほとんどがこのような「何らかの化学的な反応を伴うもの」だと考えられていて、つまり、だとすると、世の中の法則は基本的にひとつだという前提に立つと、地震も同じように「化学(ばけがく)的な反応現象」である可能性が高いと考えられます。
また、「化学的な反応を伴わない地震」というものも存在していて、それはいわゆるスロースリップ等と呼ばれる地震です。これは断層等が爆発的なエネルギーの解放を伴わずに移動する現象で、この地震は揺れません。
非常に大きな断層のズレでもまったく揺れません。
それは、そこに「瞬間的で爆発的なエネルギーの解放が伴わない」からです。
要するに、地質的なこととは別に、
・爆発的な反応現象である地震には化学的な刺激が必要
だということだと思います。
地震に至るまでの地質的な要因は存在しながらも、最終的に地震発生のトリガーを引くのはその「化学的刺激」ということになるはずです。
人工地震の可否
結局、この「化学的な刺激」というものが何かということなんでしょうが、それに対してのいろいろな意見はいろいろとあるのだと思います。人工地震という人もいるでしょうし、そうではないという人もいると思います。
ちなみに、私自身は全部ではなくとも、「多くの」地震に関しては、宇宙線が化学的な刺激となっていると考えています。
その理由は、たとえば、海底の地中深くが震源となるような地震というのはよく起きます。先日の東北の巨大地震もそうでしたし、日本には他にも海底に多くの震源域を持ちます。そして一方で、「海底ではない震源」もあります。
そして、震源の深さというのは、10キロ以内のごく浅いものから、深いものになると、500キロ以上の深い場所で発生する地震もあります。
それらの場所すべて(海、大地、浅いところ、深いところ)に対して化学的刺激を与えられる可能性のある物質というのは(現在の科学で考えられる範疇では)宇宙線しか存在しないからです。地球を通り抜けて進行するほどの透過力と、そして非常に高いエネルギーを合わせ持つ物質は宇宙線以外には今のところは考えられないように思います。
HAARP 等による地震という説もとても根強いと思います。そして、これはそれによる地震を否定するという意味ではないですが、 HAARP 、あるいは今、地球上に多くある電離層へ刺激を与えるシステムの多くが、「超低周波」のたぐいを発信させているというところに、「トリガー」としては難しい面を感じます。
一般論ですが、同じ種類の低周波が大地も海も越えて進むということは無理で、たとえば、水で止まるもの、大地で止まるもの、といろいろですが、すべてを伝導していくことは難しいものです。
なので、空中へ放射した超低周波が地上にリフレクトして戻ってきても、そこが海の場合、海底まで届かせるということは現在の地球の技術では大変に難しい(ほぼ不可能)ように感じます。
もちろん、「それを越えた科学を持っている」ということになるとわからないですが、私自身は現在の地球の公表されている科学しか知らないですので、その点だけから見ると、上のような考え方にはなります。
ただ、昨日の記事に載せました「地震前の電離層での電子数の変化」が、実際に観測されていますので、仮にこの「電離層での電子数」というものが地震発生と関係するのなら、何かの関わりを考えることもできるのかもしれません。
▲昨日の記事に載せた2011年3月08日の電離層の電子数の分布図。赤いほど電子数が多い。
ちなみに、過去に人工的な地震の刺激を発生させることに成功した化学的物質としては、
・水
・核爆弾
などがあります。
大雑把な書き方でしたが、地震発生のメカニズムの研究というのは、つまり「トリガーの研究」という方向に現在は移行してきています。上でいうところの「化学的反応を起こしているものは何なのか」ということです。
現在のところ地球上のすべてを透過する物質は宇宙線だけで、また宇宙線というのは、とてつもない高エネルギーの物質であり、最近いくつか記事にしましたが、地球の天候を牛耳っている可能性も指摘され始めていて、これが原因だとすることにはそれほど違和感は感じないというのが現状です。
ちなみに、私自身は地震予知というものの是非はわからないですが(現在の方向にしても、衛星などの設備のある国でないと予測できないから)、前回の記事や、 DEMETER 衛星観測の観測結果などから見ても、実は現在、「地震の真実」に近い位置まで人類は来たと感じています。