(訳者注) 中国でこの時期に干ばつが発生するのはそれほど珍しくないのですが、最近の報道を見ていると、規模も範囲も「まったく強烈な干ばつ」が中国の広大な地域で進行しているようです。
今日はそれに関する記事のご紹介です。
▲ 干上がった中国最大の淡水湖ポーヤン湖。
干ばつがひどいのはアメリカなども同じで、先日書きました「完全な崖っぷちに立たされた世界の食糧供給」という記事でもふれましたが、米国でもかなりの広範囲で深刻な干ばつが進行しています。
これら「農地の廃墟化」というのがどこまで世界の人々、そして、私たち日本人の生活に影響を与えるのかは今はわかりませんが、干ばつが世界的な広さで進行していることは事実のようです。
米国のエポックタイムからの記事を翻訳しました。
ところで、その前にふたつ書いておきたいことがあって、ひとつは日本に近づいている台風が海外でかなり大きく報道されていることに少しふれておきます。あとは、このブログで公開していたメールアドレスが迷惑メールなどが増えすぎたことを含めて、いろいろと使えなくなってしまいまして、その変更のお知らせです。
以前のメールアドレスはすでに現在使用していません。
変更した際には記します。
それにしても、最近に限ったことではないですが、「スパムの増殖スピード」は最近また加速している感じもあって、私がもっとも古くから使っている Yahoo! メールがあるのですが、そちらなどは数年前にはすでにまともに使用できない状態でしたが、そこに連絡をくれる人もいることはいて毎日見るのですが、その今の状態。
これは今日。
「迷惑メール ( 1311 ) 」とかになってますけど、「溜まってるんだなあ」と思われるかもしれないですけど、これ、一昨日くらいに迷惑メールを全部削除したばかりなんですよ。2日で 1000通越え。すごい勢いでしょう(笑)。
受信箱のほうは一気に消せないので溜まっているだけなんですが、迷惑メールはそちらにもたくさん来るので、実際にはこのメルアドは今ではまったく使い物になっていません。そして、このブログで使っていたメルアドも最近次第にこの運命に・・・。
メールアドレスを長く公開していると、ほとんどいつかはこうなっちゃうんですけどね。
なので、少しスパムの少ない方法などを考えてメルアド変更いたします。
それと、台風についてです。
スーパー台風ソングダー(台風2号)
英語報道では「スーパー台風」という文字が踊っており、昨日(5月27日)には、 NASA ゴダード宇宙飛行センターから発信されている「ハリケーンと台風に関しての情報ページ」で、この台風に関しての衛星での状況と予想に関して「超巨大な台風に発達する」ことに関しての警報情報を発表しており、フィリピン、台湾、そして、日本への台風警報を掲示しています。
・Songda Becomes a Super Typhoon (NASA 2011.05.26)
この台風は日本では台風2号と呼ばれていますが、国際名は Songda ソングダーと呼ばれています。
通常だと、台風は日本に上陸する頃には急速に勢力を落とすのが通常とはいえ、現在の勢力もとんでもないものですので、世界の天候の荒れ状況を見ている限り、(これからのすべての台風に言えそうですが)あまり楽観できない部分もあるのかもしれません。
ご留意下さい。
ちなみに、先日、記事にもさせていただいた米国の竜巻は、下のようなことになっています。行方不明者 1500人となっています。昨日5月26日のロイター報道からの抜粋です。
22日夜にミズーリ州ジョプリンを襲った大規模な竜巻の死者は、25日までに125人に達した。(中略)
ジョプリンを襲った竜巻では、負傷者は少なくとも823人に上り、行方不明者は約1500人とみられている。この竜巻は、規模を示す「改良藤田(EF)スケール」で最も高い5を記録。風速は時速320キロ以上に達した。
この規模の竜巻は米国では珍しいとされているが、今年に入り少なくとも4つ確認されている。
天候は明らかに以前とは違う様相を見せています。
それはどこの国でもある程度同じような気がいたします。
ここから翻訳記事です。
China’s Drought of the Century
The Epoch Times 2011.05.26
中国で進行する世紀の大干ばつ
▲ 湖北省の武漢市はこの 60年間で最悪の干ばつで苦しめられている。
中国の中央と東部地域で進行している干ばつは、この 50年から 100年のスパンで見ても最悪のものとなっており、特に三峡ダムの近くの下流地域は大変な干ばつで苦しめられている。
揚子江の水流は極端に減っており、中国最大の淡水湖もほぼ干あがりつつある。
この地域の人々の飲料水、生活用水は極端に不足し、米作を含めた農地も無効となりつつある。川を行き来する貨物船は運航できずに止まっている。また、この干ばつは農民を苦しめているだけではなく、中国の生態系にも大きな影響を与えている。野生動物の種の絶滅も懸念されている。
絶滅の危機に瀕するスナメリ
揚子江にある Tian-e -Zhou Oxbow 自然保護区は、中国の湖北省の長江流域湿地にあり、ここは絶滅の危機に瀕しているスナメリの聖地だ。
5月21日の地元紙の報道によれば、この地を襲っている 50年間で最悪の干ばつが、4月から始まるスナメリの繁殖に大きな影響を与えており、スナメリの絶滅さえ危惧されているという。
揚子江の水位はさらに低下し続け手おり、水中の哺乳類たちの健康に関しての深刻な懸念がある。
▲ 自然保護区の監視員が 5月20日に保護したスナメリ。目から涙を流しているように見える。
枯渇していく中国最大の淡水湖
中国最大の淡水湖であるポーヤン湖の水位は、 100年で最悪の干ばつの影響を大きく受けた。現在のポーヤン湖の水位は昨年の水位のわずか 10分の1しかない。湖の一部は完全に干上がった。
この干ばつにより、ポーヤン湖では多くの水生植物、魚類、カラスガイが消えたと言うのは、28年間、ポーヤン湖で自然保護にあたってきたワン・カオロンさんだ。現在は渡り鳥も消えつつあるという。
この地域の米作も危機的な状況となっており、ほとんどの貯水池や湖が干上がっていると、ポーヤン郡の郡政府職員は当紙に語る。
「揚子江が干上がり、ポーヤン湖の水位も極端に下がっている。この先、雨が降らなければ、コメの収穫はまったく見込めないだろう。江西省は中国の主要な穀物生産地域のひとつだが、今年はほとんど見込めないだろう」。
職員はそう言った。
また、同じくコメの一大産地である湖南省では、28の郡が「猛烈な」干ばつに見舞われており、12の郡が「激しい」干ばつのもとにあると報告されている。最も激しい干ばつに見舞われた湖南省の新華郡では、稲作地の 90パーセントで植え付けが行えなかった。
今回の揚子江に影響を及ぼしている干ばつはこの半世紀の間で初めて見られるものだと揚子江の管理事務所からの当局者は言う。
干ばつは揚子江の船舶での輸送の問題などでビジネスにも影響を与えている。山東省では水位の低下のため、1,300本以上の貨物船が運河で足止めされている。北京を杭州を結び水路ではボートしか通れず、1,500トン以上の重さの船は通行できていないと、5月24日の地元紙は報じている。
この5カ月におよぶ干ばつで、30万人以上の人々の飲料水が不足しており、また、10万頭の家畜の飲料水も不足していると湖北省の農務部は報告した。
中国政府は、5月19日に「三峡ダム建築計画」を発表したが、ダムが揚子江の中下流に否定的な影響を及ぼしたことを認めた。そして、5月20日には、下流の干ばつ状況に対応するため、ダムの放水量を1秒につき、10,000立方メートルまで増加させることを決定した。