2011年07月03日



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今年の夏の気温についてのいくつかの記事や話題



(訳者注) 昨日の記事でもちょっとふれたチリの火山について、アイルランドの気象庁が「それにより気温が下がるかもしれない」ということを発表していて、その翻訳などをご紹介します。


それにしても、6月は暑かったですね。
先日まで東京などでも続いた暑さは何だか何もかもグダグダになるような暑さでした。特に、「太陽が照っている場所」は、さほど気温が上がっていなくとも、しばらくいると、クラクラとしそうなくらいでした。

今年、自分で「最も快適だと思う気温」に関して緻密に観察してみましたところ、大体 14度から 15度が適温という結論が出ました(暑がり)。なので、夏は苦しい・・・。夏生まれなのに・・・。


というわけで、「今からこんなんだと、今年の夏の気温はどうなっちゃうんだろう」とは誰しも思うところのような感じがいたします。

ちなみに、「世界全体が暑かったり寒かったり」というわけではなく、例えば、この6月だけでも世界のニュースを見ると、いろいろでした。

アイルランドではこの40年間で最も寒い6月だった。

Parts Of Ireland Record Coldest June In Almost 40 years
Irish Weather 2011.07.02


オーストラリア北部は、記録に残る中で最も寒い6月だった。

Darwin chills out in coldest June on record
ABCニュース 2011.06.30


・アメリカの中央部などでは6月は記録的な高温。

Record-breaking June temperatures heighten safety issues
My West Texas 2011.07.02


日本は報道のとおり、6月は暑かったようなんですが、気象庁によれば、「これは一時的な現象で、昨夏のような記録的な猛暑につながるものではない」と言っています。まあ、気象庁の言う通りになってほしいですが・・・。


今後、気温はあまり上がらないという個人的なデータ(不確実)

あんまり信憑性はないですが、これまでの気候データから見て、「ひょっとして今後気温はあまり上がらない?」と思われるようなデータが出ていて、これは NOAA (アメリカ海洋大気局)などの天候長期予測などをする際にも参考にされる「北大西洋振動」という大西洋での海面温度の気温差の指数があるのですが、それが「6月の中旬から長くマイナスにふれている」という点です。

この「北大西洋振動」については、

気候を支配するものたち - 北大西洋振動 (NAO) (地球の記録 2010年02月13日)

などをご参考下さい。

上記の記事では、日本大学文理学部の地球システム科学科の山川教授が書かれた「季節~数十年スケールからみた気候システム変動」という論文から見た「気候変動」というものについて触れています。

非常に簡単に書くと、この北大西洋振動の指数というものがマイナスにふれると、過去の例では、


・地中海で雨が多くなる

・ヨーロッパとロシアの西部で平年より寒くなる

・北アフリカやアラビア半島方面で大雨になりやすい

・シベリアと東アジアでは低温

・アメリカの北東部で低温



となりやすいということが言われているようです。

この北大西洋振動の指数は NOAA の気候予測センター( Climate Prediction Center )で、毎週発表されています。

最新のグラフがこれです。
6月からグラフが下のほう(マイナス)にふれていて、この状態が長く続いた場合、その後は上のような地域が、低温や大雨などの天候異常に見舞われることが多いようです。

nao-2011-06.gif

あくまで過去のデータですので、今年がどうなるかはわかりません。


さて、今回ご紹介する記事は、アイリッシュ・ウェザーより、「チリの火山噴火が寒冷化を引き起こす可能性」という記事です。

チリのプジェウエ火山は 6月4日に噴火して、その様子は、先日もご紹介したように、下のような噴火でした。激しい噴火が今も続いているようですが、アイルランドの気象庁は「これが原因で局地的に寒冷化となるかもしれない」と発表しました。実際、6月のアイルランドの気温は、この 40年間で最低だったそうです。





昨年、何度かふれたことがありますが、世界中でこのような大規模噴火が相次げば、気候に何らかの影響はあっても不思議ではないと個人的にも思います。

日本では、火山というと、富士山の話題が出ることが多いですが、世界的に見れば、富士山の噴火の世界への影響は限定的だと思われ、やはり、アジアにおいては朝鮮半島の白頭山と、超親分級であるインドネシアのトバ火山、ヨーロッパにおいては、アイスランドのカトラ火山、そして、アメリカではイエローストーン火山などの面々が控えていて、これらの噴火は地球の様相を一変させるものだと個人的には思います。

地球には、上のうちのいくつかを含む7つの「スーパー火山」が存在しており、それらの噴火周期は大変に長いですが、いつかはまた噴火しても不思議ではないものです。


7つの超巨大火山は以下の通り。
詳しくは、7つの超巨大火山(地球の記録 2010年01月06日)にあります。


1.イタリアのセージア渓谷

場所:イタリア・アルプス
最後の大噴火:約2億8000万年前
噴火の規模 :セントヘレンズ山の大噴火のおよそ1000倍



2.米国イエローストーン

場所:米国
最後の大噴火:64万年前
噴火の規模 :セントヘレンズ山の大噴火のおよそ1000倍



3.薩摩硫黄島

場所:日本・鹿児島県
最後の大噴火:約7300年前
噴火の規模 :雲仙普賢岳の1回の火砕流噴の数十万倍



4.インドネシア・トバ火山

場所:インドネシア・スマトラ島
最後の大噴火:約7万4000年前
噴火の規模 :セントヘレンズ山の大噴火のおよそ3000倍



5.ニュージーランド北島のカルデラ群

場所:ニュージーランド・北島
最後の大噴火:西暦150年頃



6.シャツキー海台

場所:日本の太平洋側
最後の大噴火:不明



7.オントンジャワ海台

場所:ソロモン諸島
最後の大噴火:1億2000万年前という予測
噴火の規模 :不明



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それでは、ここから翻訳です。




Chilean Volcano Eruption Could Lead To Climate Cooling
Irish Weather (アイルランド) 2011.06.29

チリの火山噴火が寒冷化を引き起こす可能性

irish.jpg

▲ チリのプジェウエ火山が噴火した後の 2011年6月12日、チリから離れたアルゼンチンのナウェル・ウアピ湖の湖岸に積もった火山灰を見つめる女性。


6月4日の噴火以来、激しい噴火が続いていたチリのプジェウエ火山は、噴火後3週間目に始めて小康状態となった。この噴火により噴煙が世界中を巡っており、空の便をはじめとする交通に混乱を与えている。

チリの鉱物省庁と地質学者たちによると、最も激しい噴火と地震はとりあえず収まったものと見られるという。しかし、航空便への影響は、場合によっては今後、数ヶ月程度は影響を与える可能性もあると専門家は述べる。

現在、深刻な影響が残る問題としては、各地に堆積している火山灰と、地滑りの脅威だ。


衛星は 2011年6月27日に以下の赤外線写真を撮影し、地上に送信してきた。
火山からの熱の放射や、噴煙の様子がとられられている。

この赤外線写真では、熱い地帯は明るく写り、冷えている地帯は暗く映っている。
もっとも明るく白く映っている部分は溶岩流の部分だ。


irish-2.png


なお、噴煙中にある二酸化硫黄と水が結合した場合、次の2カ月程度で、気候に若干の寒冷化の影響を与える可能性があるという。述べたのは、米国オークランドに拠点を置く気候変動科学者のジム・サリンジャー博士だ。


「これは端的にいうと、地球の半球に日光を遮る薄いカーテンを引いたような状態になるということだ。火山灰の流れの下では、気温が若干下がると思われる」。


サリンジャー博士は、2009年の世界気象機関で、農業のための気象学( Agricultural Meteorolo )の理事長に選出された人物だ。彼は、今後、寒冷化の影響が大きく出てくる可能性を指摘する。

何万トンにも上る硫黄の噴出は、2カ月間のあいだ、約 0.2度程度の気温の低下に結びつく可能性があるという。

チリは、インドネシアについで火山の多い国で、2,000もの火山があり、現在も 500以上の火山が潜在的に活動中だと見られている。


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