2011年07月21日



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少女が「眠れる美女」と呼ばれるようになってから



今日は英国の「眠れる美女」の話です。

昨年も何かの報道で取り上げられていて、この In Deep でもご紹介したような記憶がありつつも見当たりませんので、していなかったのかもしれません。

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基本的には「クライン・レヴィン症候群」という原因のわかっていない病気の少女の話ですが、ご本人の雰囲気なども関係していると思いますが(他にも患者はいるはずなので)、「リアルな眠れる美女」というような話題で、たびたびメディアに話題として登場します。先日は米国の abc ニュースで取り上げられていました。

それをご紹介します。

ちなみに、クライン・レヴィン症候群とは、こちらによりますと、

クラインレビン症候群の初期段階では性格変化が見られます。 そして数日ないし数週間、傾眠状態或いは睡眠状態を引き起こします。 覚醒すると異常な空腹感を覚え、食べ過ぎる傾向にあります。 また覚醒しても健忘を示し、意識も明瞭になっていません。 ナルコレプシーとは異なり、睡眠発作の時間が長くなります。


とのこと。


ところで、ずっと暑かった最近ですが、台風が去った後の今日(7月21日)の東京は実に久しぶりに涼しく、午前11時の気温を見てみたら、20度以下。私はウキウキしていましたが、奥さんも子どもも朝方は「寒い寒い」と言っていました。

何度か気温のことで取り上げているアメリカではさらに劇的な話になっています。
ちょっとだけふれておきます。



米国の熱波は新たなる次元へ: オハイオ州などで 55度越え


7月19日のアメリカでは、「ダコタ、テキサス、オハイオ州などの一部で、華氏 131度を越えた」という記事があり、この華氏 131度は、摂氏だと、約 55度。いやあ、暑い(笑)。

というわけで、その記事のかなり簡潔な要約です。
この記事で興味深かったのは、実は、アメリカの天候災害で毎年、最も死者が多いのは、洪水、竜巻、ハリケーンなど他のすべてを合わせた数よりも、熱波での死者が一番多いのだそうです。米国エポックタイムの記事からです。




Dangerous Heat Wave Moves East
The Epoch Times 2011.07.19

危険な熱波がアメリカ東部へと移動


熱波は、米国での天候関連の災害で最も死者が多い。これは、洪水や稲妻、ハリケーンなどの天候災害をすべて合わせた数よりも毎年多い。

1980年の熱波では 1,250人以上の人が亡くなった。

1995年にはシカゴ地域だけで、700人以上が死亡し、また、ヨーロッパにおいては、 2003年8月に5万人以上の人の命を奪った。

さて、今年も熱波が続いている米国だが、テキサス、オハイオ・バレーなどの一部の地域ではすでに危険なレベルに達している。7月19日には、気温が華氏 131度( 55度)を記録した。

米国中部では、ほとんどの地域で華氏 90度( 32度)を越えているが、その中でも、華氏 100度から110度( 38度から43度)を記録する地域が多くなっている。

この段階では、熱波の危険性をかなり真剣に考慮する必要がある。






となっています。


それでは、ここから「眠れる美女」の話です。

1度眠り始めると、10日から2週間起きることなく眠り続けてしまうイングランドの17歳の女性のお話です。

視床下部の異常によると思われるクライン・レヴィン症候群という原因不明で、治療法もない病気でありながら、私も含めて、メディアで何となく「ドリームな感じ」で報道されるのは、この女の子のルックス、あるいは雰囲気のせいという面はありそうです。また、話している彼女自身から、悲劇性をあまり感じないという面も関係しているのかもしれません。実際はいろいろと大変だと思うのですが。


我々のようなオッサンが長々と眠り続ける病気になっても、「そのまま永遠に寝とけや」と言われるだけのようにも思います。ナルコレプシーだった阿佐田哲也さんのように。


米国 ABC ニュースより。




Rare Syndrome Turns British Woman Into 'Sleeping Beauty'
ABC ニュース 2011.07.14

英国の女性が稀な症候群で「眠れる美女」になるとき

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お話の世界では、「眠れる美女」は、凶悪な魔女によって 100年の眠りをもたらされてしまう。そして、その眠れる美女は、ハンサムな王子のキスによって目覚め、ふたりは永遠に幸せに生きていく。


今回の「現代の眠れる美女」の話の主人公は、イングランドのワージングに住むルイザ・ボールという 17歳の女性だ。

童話ではお姫様は毒入りの破片を飲まされてしまうが、魔女の悪行もないままに、彼女には2年前から状態の変化が現れた。

最初は、インフルエンザのような症状で、風邪のような症状と熱が出た。


「それから、私は眠り始めるようになってしまいました」

と、ルイザは言う。


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▲ 記者のインタビューに答える両親(両端)とルイザさん。


彼女は1度眠り始めると、10日から 14日は起きない。
両親は入浴と食事のために彼女を起こす。


「娘は、起きた時にはビスケット一箱をすべて食べてしまうんです。ポテトチップスを5〜6袋開けてしまうこともあります」と言うのは、父親リックさんだ。

「冬眠する前の動物のように、起きている時に一気に食べ物を体内に詰め込むみたいな感じです。」


母親は眠り続ける娘のために、起きている間に摂る栄養について栄養士と相談して、流動食を含む栄養を補給している。それでも、ルイザの体重は、眠っている間に 10ポンド( 4.5キロ)ほど落ちてしまうこともある。


また、それよりも深刻なのは、彼女の性格に変化が現れて、とくに性格が攻撃的になることだった。

母親のロティは言う。

「とても怖いのよ。いままでのルイザとはまるで別人のようになってしまうの」。


ルイザは大学に行こうとしていたが、その前に眠る日々となってしまった。現在も、眠り続けることで、何週間も学校を休んでおり、大好きだったダンスのクラスでも遅れをとってしまった。


ルイザは言う。

「私は学校の卒業試験も受けられなかったんです。そして、家族とのホリディも、自分の誕生日も、パーティも何もかも眠って過ぎてしまったの」。


両親は様々な医者に会ったが、医者たちは両親以上にルイザの症状に困惑した。
類似した症例などないのである。

どんな眠りに関係した病気であっても、「2週間も眠り続けるような症状は見たことも聞いたこともない」という。


父親のリックさんはこう言う。

「精神的な問題が考えられるとか、お宅ではドラッグや過度な酒を使用していないかなどの質問も出て、私たち家族は落ち込んだこともありました」。


やがて、ロンドンの医療関係者からこのように言われたのだ。

「いいニュースと悪いニュースがあります。いいニュースは、お嬢さんの症状が何であるのか大体わかりました。悪いニュースは・・・これには治療法がないのです」。


それは「クラインレビン(クライン - レヴィン)症候群」というもので、原因はまだ完全にはわかってはいないが、視床下部の一部に異状が出ることによっての自己免疫不全なのではないかという研究者が多い症例だった。

長い睡眠と、そして、攻撃的な性格が顕著に表れる症状で、男性の場合には過剰な性欲に悩まされることもある。

クラインレビン症候群での感情の問題(攻撃性)に関しては、リチウムがよく効くが、現在の治療法では、睡眠を防止する方法はない。


「どのくらい眠ったのだか自分ではわからないので、今日が何の日でどんな日なのか、いつも混乱するの」とルイザは言う。


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▲左の笑顔のグレーのシャツの女性がルイザさん。右の黒い服の人は取材している記者。



記者は彼女にこう質問した。

記者 「何日も眠った後に起きる時にはどんな感じがする?」

ルイザ「蘇った感じ」


最近、ルイザの眠りの頻度は以前よりも少なくなっている。
この5カ月間は、大きな睡眠は1度だけだった。

専門家によると、クラインレビン症候群は10年〜12年後にまた再発することが多いという。

ルイザの話は昨年以来、メディアで大きく取り上げられたせいか、最近では、クラインレビン症候群のことを「眠れる美女症候群」と呼ぶこともあるという。


童話では、王子様にキスをされて目覚めたお姫様だったが、現在のルイザは「まだ王子様はいないの」と照れて笑う。

母親は、「ハンサムな王子様を待っているんですけど」と言った。