2011年08月10日



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3月11日の地震は宇宙空間に近い高層大気にも影響を及ぼしていた



以前、震災の2ヶ月ほど後の5月に、「マグニチュード9の地震があった前日までに日本上空の赤外線量と電離層の電子量が増大したことがデータ上で確かめられた」ということが、フランス宇宙研究センター(CNES)の観測衛星で確かめられたことが記事になっていることを翻訳紹介したことがあります。

3月11日の地震の前に観測された日本上空の赤外線と電子量の急激な変化
(2011年05月20日)


その続きともいえる報道かもしれません。

それは、「3月11日の地震の影響が、ほぼ宇宙空間にも近い超高層大気圏でも観測されていた」という記事です。

超高層大気」とは、国立極地研究所によりますと、「中間圏と熱圏の領域」とのこと。ただし、規定はわりと曖昧ですので、「非常に高い大気圏」ということでいいかと思います。

図では、このような感じになると思います。

upper-1000.png


大体ですが、上空 80キロメートルから 1,000キロメートルくらいの高層にあたる場所で、上のほうはほとんど宇宙空間です。


この「地震が高層大気に影響を与えていた」ということがどういう可能性を示唆しているかということについては、もう私は書かないほうがいいかと思いますので書きません。以前、In Deep に私個人の地震についての考え方を書いた記事をリンクしておくにとどめます。わかりにくい記事ですが、「宇宙線と地震の関係」について書いています。


コラム・地震のトリガーについて (2011年05月21日)


近代物理学の祖であるアイザック・ニュートンがヘルメスの「エメラルド板」の解釈の中で至ったひとつの考え方である「小さなものに適応できる物理の法則は大きなものにも適用できる」ということなども参考になっています。

地球上(宇宙)のすべての「物質の崩壊」という現象には統一した物理的な規則があって、地震もその例から外れないはずだという考え方です。

まあ、地震に関してはいろいろな研究をされている方がいて、それぞれの方の理論があると思いますので、それぞれの方の考え方でよろしいのだと今では思っています。

なので、地震や自然災害に発生理論に関しての私自身の考えは今後も書くことはないと思います。
(予測に役立つわけでもないですし)


いずれにしても、「地球内部が主原因で地震が起きる」という考えでも、「宇宙線などの外部的な化学的刺激によって起きる」という考え方のどちらから見ても、「熱圏より上の高層大気で地震との関係が見られた」ということは大きな発見だと思いますので、記事をご紹介することにしました。

なお、今回の記事は科学系ブログで簡単に紹介されているもので短いのですが、学術的な日本語の説明としては、東京学芸大学教育学部物理学科の鴨川 仁助教授の書かれた「地震に関連する地圏 −大気圏−電離圏結合」というページが参考になるかと思います。

ここに、

大地震や津波が大気重力波等を通して電離圏まで影響を与えることはよく知られています。
一方、地震時・後のみならず地震前においても電離圏擾乱が見られるという指摘が80年代ぐらいからされており議論が盛んです。

現在は、メカニズムが仮説の段階であること、統計的解析が不十分な場合も多いため現象の存否 については決着がついていません。



とあります。
つまり、もともと、「地震の前に」電離層に変化が観測されているということは以前から議論されていたことのようです。


ところで、昨日、米国 ABC ニュースで「日本政府が東京から逃避する計画の準備を進めている」という英語の記事がありました。最近、日本語のニュースを読んでいないので、報道されていることなのかもしれないですが、「へえ、そうなんだ」と思いましたので、短い記事ですし、本記事の後でご紹介しておきます。

それでは、地震と超高層大気圏の記事は、米国のアメイジング・プラネットより。






Massive Japan Quake Even Rattled Upper Atmosphere
Amazing Planet 2011.08.08

日本の巨大地震は超高層大気をも攪乱した

p-1.jpg


今年、日本の東北地方を襲った巨大な地震は、大地を揺るがしただけではなく、地球の大気のもっとも高い層である超高層大気圏と呼ばれる層にまで影響を及ぼしたことが最近の調査でわかった。

この研究結果は、巨大な地震と津波に関しての新しい早期警戒システムの開発につながることが期待されている。

3月11日に、日本の東北の沖合で発生したマグニチュード9の地震は、壊滅的な津波誘発し、世界で初めてともいえる複合型の巨大災害の様相を世界に示すことになり、また、この地震以来、世界中で微弱な群発地震が多発している。

過去の地震の研究により、地震によって発生する地表の動作はすでにあきらかになっていたが、今回の研究では、地震が発生する波動(うねり)は大気での波動も誘発させることが判明した。

そして、これらの大気での波動は、大気の最も高い層のひとつである電離層さえ刺激していたことがわかったのだ。

東北の地震の後、科学者たちは、日本と台湾に設置されている約 1,000の汎地球測位システム( GPS )レシーバーを使って調査を続け、それにより、その波は地上 350キロメートルという高層圏に帯電している粒子にも波と変化を及ぼしていたことがわかった。

調査では、地震のおよそ7分後に、電離層でディスク状(円形)に電子密度が変化していることを発見した。この変化している電子密度の同心の波動は、時速 720〜時速 800キロメートルの速度で電離層を流れた。

全般的な数値として、これらは 2004年にスマトラ沖で発生したマグニチュード 9.3の地震の時より約三倍大きかった。

電離層で最初に円形に現れた変化の状態は、津波との関連もあると考える科学者もいる。
台湾の国立中央大学の大気学者であるジャン・ヤン・リウ教授は、こう語る。

「GPS によって見られるこの宇宙空間での徴候は、津波の早期警戒システムに新しい情報を提供できるかもしれない」。


なお、この高層大気圏での徴候については、以前から指摘されている重要な疑問が存在する。

それは、たとえば、今回の研究には参加していないが、アメリカのデューク大学で大気物理学を研究しているガオペン・ルー教授のこの言葉にある。

「これらの変化が、地震が発生する前にも前兆として電離層で観測されることはないのだろうか?」。


つまり、地震の前に電離層での変化をつかむことができるのなら、


「私たちは地震の発生を予測できるかもしれない」(ルー教授)


という可能性につながる。

リウ教授たちのこの研究結果は、6月28日に、オンラインの地球物理学リサーチ(Journal of Geophysical Research)で詳述された。





ここまでです。


それと、関係はない記事ですが、昨日のアメリカ ABCニュースの記事を。

「日本の首都が大阪に移転する計画が進行している」という報道です。

ここから。




Japan government prepares plan to flee Tokyo
ABC ニュース 2011.08.09

日本政府は東京を捨てて逃避する準備を進めている

ishimaki-0311.jpg

▲ 3月11日の地震の後、放心状態で立ち尽くす女性。宮城県石巻市。


今年 3月11日に、日本の東北地方を襲ったような巨大な震災に備えて、日本政府は現在の首都である東京以外に機能する首都のバックアップ体制を進める可能性を考慮している。

日本の国土交通省の新しいパネルによると、東京の主要な機能のいくつかを他の大きな街、たとえば、大阪などへ移動させる計画を考えている。

日本列島は、4つの大きなプレートが交差する場所に位置しており、世界中で起きる強い地震の5分の1は日本で起きる。

最近、地震学者たちは東京は地震に対して特に弱いと警告していた。

3月に起きたマグニチュード9のような地震が東京を襲った場合、国の政治および経済の基盤が破壊しかねないということで、遷都が検討されているようだ。





ここまでです。


東京は、私にとっては今でも十分住みやすい街です。
北海道から帰ってきてしみじみとそう思います。

でも、人混みが嫌いなので、多すぎる人を見るのは多少つらい部分もありました。なので、できれば一生東京に住みたいと思っている私としては首都が他へ移るのは大歓迎ですが・・・でも、本当に実現するんでしょうかね。

そういえば・・・大阪が首都になったら、共通語は大阪弁になるのかな。
活気が出そう。

昨年来、大阪ショックが続きます。