2011年08月21日



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DNA が宇宙で生産されている証拠を発見: NASA が発表



米国 NASA は 2011年8月8日、地球上の生命のあらゆる生命の基本要素であるDNA のビルディング・ブロック(構成する分子)が宇宙で作られたものであることを裏付ける証拠となる遺伝子を発見したと発表。


(訳者注) 涼しくなるといいニュースがたくさん目に入ってきます。今回のものは、タイトルの通り、「DNA が宇宙で作られている証拠を発見した」と NASA が 8月8日に発表した内容のご紹介です。

このあたりの話は、パンスペルミア説をさらに進めるもので、これまで、地球と同じ性質のアミノ酸が宇宙から来たものである可能性については、日本の国立天文台の 2010年の衝撃的な発表により、ほぼ確実視されていました。


また、この1年くらいでもこの「地球の生命は宇宙からやってきた証拠」に関する論文や報道は非常に多く、最近の私のブログの翻訳記事だけでも、

隕石が地球に「生活の種子」をまいたという更なる証拠 (2011.03.01)
米国立研究所が地球の生命が宇宙から来たアミノ酸だという研究発表 (2010.09.15)

などや、他にも、カテゴリー別のこちらのページなどにもたくさんの記事があります。


まあ・・・このパンスペルミア周辺については、当時は熱弁を振るっていた私ですが(苦笑)、今となってしまえば、「宇宙から生命が来た」というのは、要するに当たり前の話であると思っていて、自分の中で日常化してしまい、最近では口にすることもなくなりました。あまり考えることもありません。

今回の NASA の発表は確かに大きな報道ですのでご紹介しますが、これをどのように考えるかは個人個人の問題だとも思います。


私は、DNA もアミノ酸も、あるいは微生物そのものも宇宙のコントロールの中で全宇宙にバラまかれていると思っていますが、そもそも、私たちそのものが DNA の固まりであるわけで、私たちは誰でも死ねば、また「単なる DNA に戻っていく」(DNA には寿命がない)。

つまり、「文字通りの未来永劫」ということになるのですが、この「文字通りの未来永劫」という概念は「終わりがない」ということを意味することでありつつも、しかし、終わりがないということは、同時に、


「実は生命には始まりもないのでは」

というのが私の最近の考え方です。

じゃあ何なんだ、と言われると答えようがないのですが、しかし、「終わりのないものに始まりがある」と考えることは妙だと思いませんか? 永遠のものは最初もないと考えるほうが妥当にも感じるのです。


私はここ1年間くらい、「宇宙は生命だけを生産している」と最近、思っていました。
昔、クレアの、

地球の成り立ち(0):宇宙はすべて生き物からできている
クレアなひととき 2010年05月09日

に書きましたように、「宇宙というものはすべてが生命」だと。

宇宙が生命しか生み出していないのであれば、そのすべては生命かその残骸。たとえば、無機物も有機物の残骸や副産物であり、生命の思い出だと。

しかし、そう思いはじめてからも、自分の生活も考え方も、そういうことをまったく知らなかった2年くらい前と比べて「少しも変わっていない」ことに気づきます。

いつもの生活、いつもの知り合い、いつもの笑いと怒り。

恋愛、病気や苦しみ、あるいは快楽や娯楽や趣味、食べること眠ること。

「宇宙の発祥の真実」が何であろうと、「生活の現実」は存在する。


なので、生命や宇宙の最初がなんであろうと、それはそれとして、私たち人間には自分たちの現実の営みである「人間の生活と文明」を継承していく義務(?)がある。そのほうが大事かも、と最近思ったりするわけでした。


しかしながら、今回の NASA 発表は、科学の発展としては重大なものになるはずです。


なお、参考資料として、本文中に出てくる「核酸塩基」という DNA を構成するモノの名前を書いておきます。核酸塩基 - Wikipediaより。

核酸塩基

核酸塩基は核酸 (DNA, RNA) を構成する塩基成分で、主なものにアデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルがあり、それぞれ A, G, C, T, U と略す。




結局、生命(遺伝して存在する生物)というものは、このアデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルという「たった5つの塩基」そのものとも言えそうです。


それでは、ここから翻訳です。
NASA のホームページにあるニュースリリースをそのまま訳します。




nasa-logo.jpgNASA Researchers: DNA Building Blocks Can Be Made in Space
NASA (アメリカ航空宇宙局) 2011.08.08



NASA の研究チームは DNA の基本的な分子が宇宙で作られている証拠に言及した


人間を含む生命は、その一生を通じて、DNA から遺伝情報の指示を伝えられているが、NASA の研究グループは、その DNA のビルディング・ブロック(構成する分子)が宇宙で作られている可能性となる証拠を見つけたと発表した。


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今回の研究は、隕石と彗星の衝突によって地球上に届く隕石などが地球上の生命の起源を助けたという理論を支持するものとなりうる。

この発見に関して、NASA のゴダード宇宙飛行センターのマイケル・キャラハン博士はこう言う。

「1960年代から、隕石から DNA の構成要素が発見されることはあった。しかし。その DNA が宇宙で作られたものなのか、それとも、地球上に落下した後に地球の生命等により付着したものなのかが判別できなかったのだ」。

博士は、今回の証拠の発見に関してのアメリカ科学アカデミーの紀要(電子版)の筆頭著述者だ。


今回の発見は、小惑星と彗星の内部での化学反応が、重要な生体分子の素材を作っているかもしれないという説を強化するものになる可能性がある。

たとえば以前、 この NASA 直属のゴダード宇宙生物分析研究所( Astrobiology Analytical Laboratory )の科学者チームは、NASA のディスカバリー計画の宇宙探査機「スターダスト」が採取した彗星のサンプルや、他の様々な炭素を多く含む隕石からアミノ酸を発見している。

アミノ酸は、生命にとって重要な要素であるタンパク質のもととなるもので、髪の毛から酵素ままでのすべての生命の構成要素となっている。


今回の作業では、このゴダードの研究チームは、炭素を多く含む隕石 12個を南極大陸から回収した。

チームは、ギ酸の溶液でそれぞれのサンプル抽出し、液体の合成物の混合物を分離する器具であるクロマトグラフに通した。そして、質量分析計で、隕石のサンプルをさらに分析した。

この作業が、その隕石に含まれる合成物の化学構造を決定する手助けとなる。

そして、チームは、核酸塩基と呼ばれているDNAの構成要素の中のアデニンとグアニンをここから発見した。同時に、ヒポキサンチンとキサンチンを発見した。


dna-a-g.jpg



--
(訳者注)ヒポキサンチンとキサンチン

・ヒポキサンチン → 天然に存在するプリン誘導体の一つ。核酸で見られる。
・キサンチン → プリン塩基の一種。ほとんどの体組織に見られる有機化合物。

--


アデニンとグアニンは、 DNA の中で螺旋階段のフォームを作るために他の2つの核酸塩基と繋がっている。この核酸塩基たちは、どのタンパク質を作るべきかを細胞組織に示すコードの一部だ。

ヒポキサンチンとキサンチンは、 DNA 内ではなく、他の生物学的ブロセスで使われる。


また、チームは、この12個の隕石のうちの2つの隕石で、核酸塩基と関連した3つの分子を初めて発見した。これは、地球上の生物の DNA を構成しない分子だ。

それは、科学プリンと、「2,6-ジアミノプリン」、そして、「6,6-ジアミノプリン」だった。

この 2,6-ジアミノプリン と 6,6-ジアミノプリンは、(地球上での)生物学ではほとんど使われない。

これはこれらの核酸塩基関連の分子であり、「核酸塩基の類似体」と呼ばれる。そして、これは。隕石の中の合成物が地球で汚染された(地球上の DNA などが付着した)ものではなく、宇宙のものであるという証拠の重要な部分を提供する。


キャラハン博士はこう言う。

「シアノファージ S-2L (ウイルスの一種)でのひとつの例を除くと、2,6-ジアミノプリン と 6,6-ジアミノプリンは生物学では使われない。これらが隕石から見つかったことが、地これが球の生命の由来ではないことの重要な証となる」。


チームでは、これらの隕石に付着するものが地球由来のものである可能性をさらに排除するために、第二の証拠固めへと進んだ。今回の隕石が見つかった南極大陸から氷8キログラムを採取し、隕石の分析と同じ方法で、南極の氷を分析したのだ。

その結果、南極の氷のサンプルからは、核酸塩基の類似体は発見されなかった。


また、隕石が落下した近辺の南極の土も採取して分析したが、氷と同様、隕石にあった核酸塩基の類似体は土には存在しなかった。


なお、第三の発見としては、この隕石から発見された核酸塩基の類似体は、生物的なのと非生物的なものも、両方が「非生物学的な反応の中で」生産されたものであることもわかった。


「研究室で、シアン化水素とアンモニアと水の非生物的な化学反応で、同じような、核酸塩基と核酸塩基の類似体のセットが発生した。これは、小惑星が母体となり、そのメカニズムを提供しているという考えや、また、これらが地球外の由来ものであるという説を支持することになる」。

と、キャラハン博士は言う。






(訳者注) 訳していて、注目した点は、この名前は何だか難しいですが、 DNA の中のものたちが、


非生物学的な反応の中で生産されたもの



という下りと、そのあとに、この反応と同じような化学反応を NASA の研究室で発生させているということです。

宇宙ではどうやってできているんだろう。
小惑星のひとつひとつの中にラボがあって、小さな人が一生懸命化学反応させているとか(笑)。


そう思わせるくらい不思議な感覚を覚えました。




▲ 童話の「森の小さな靴屋さん」では、夜中に小さな人が靴を作ってくれるんですが、宇宙ではどうですかね。上の写真は、トムとジェリーのいわゆる「真ん中アニメ」とよばれるものの中のひとつ。子どもの頃、このシリーズが大好きでした。



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