2011年09月13日



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欧州天文台が新たに 16個の「地球型惑星」を発見



(訳者注) 先日、クレアの「晩夏の日記(1)」という日記で、

太陽系から数十光年という、宇宙規模から見ると比較的近い場所に、地球と同じような環境が想定される星がいくつも見つかっていて、今後、観測技術の向上によって、この数はさらに増えると思われます。


と書いたのですが、ヨーロッパ14カ国が共同で運営するする天文観測施設「欧州南天天文台」 (ESO) から、「地球と同じような環境が想定される星が新たにいくつも見つかりました」という発表がありました。

何だかタイムリーでしたので、翻訳しておきます。

発見されたのはどれも地球と同じタイプ(太陽系での太陽との位置などがほぼ同じ)の惑星ですので、行けば、そこは地球と同じようなところだと思います。

ただ、クレアにも書きましたが、一生そこには地球の誰も行けませんし、そちらの誰もこちらに来られないと思います。理由はそのクレアの記事に書きましたが、光速移動の可能性を越えられる物理の法則を考えることは難しいからです。


しかし宇宙に行かなくとも、現在の地球の宇宙観測技術は素晴らしく、 NASA (米国)も ESO (欧州)も、国立天文台(日本)にしても、宇宙の観測技術と解析手法は本当に日々進歩していて、気象観測衛星等以外では、もう人類が宇宙に行く必要などなくなっているほどだと個人的には感じます。素晴らしいことだと思います。

そして、また、地球からだけの観測の時代に戻っていくのもいいのかなと。
マヤ文明の時代のような。


ここから翻訳です。





16 Super Earths Among 50 New Exoplanets Discovered By HARPS
欧州南天天文台 (ESO)
NANO PATENTS AND INNOVATIONS など
2011.09.12



太陽系外惑星観測装置 HARPS によって発見された 16個の新しい地球型惑星


下の写真は、帆座( Vela )の南で、私たちの太陽系の太陽にあたる恒星の軌道上を回っている惑星「 HD85512 」を示している。

1-vela.jpg


2-vela-1.jpg


この惑星は、欧州南天天文台 ( ESO ) のラ・シーヤ天文台にある惑星観測装置 HARPS (ハープス)によって発見された 16個のスーパーアースのうちで最大のものだ。

この惑星の予想図はこのようなものとなる。


1-s-earth.jpg



この惑星のサイズは地球のおよさ 3.6倍あり、そして、惑星系の位置としては地球と同じように、生命環境に適した位置にある(注: 太陽系での「太陽と地球の位置関係と似ている」という意味)。
液体の水があり、もしかすると、生命が住んでいる可能性も考えられるという。

ラ・シーヤ天文台にある惑星観測装置 HARPS の分光写真は、惑星観測において、世界で最も成功した惑星撮影装置のひとつだ。

今回、HARPS のチームは、16個の地球型惑星を含む、太陽系外惑星を回る 50個以上の惑星を発見することに成功した。これは一度に発見された惑星の数としては、これまでで最高の数だ。

「 HARPS の発見は、私たちの予想をはるかに上回っていた。私たちの太陽系と非常によく似た恒星系と、そして惑星の数々。そして、地球タイプのスーパーアースの数々がこれだけ発見されることを私たちは予測していなかった」と、研究チームは発表した。

今回の観測結果は、新しい惑星の発見のペースが飛躍的に上がっていることを示している。

今回新しく発見された太陽系外惑星 HD 85512 b が、生命が住むのに適した太陽系の位置にあることを天文学者たちは示している。そして、惑星の大気が十分な雲を持つならば、液体の水と海が存在するかもしれないと語る。


下の図は生命が住むのに適したゾーンを青で示したものだ。
ボルドー大学のフランク・セルシス博士によって作成された。


2-eso1134f.jpg


(訳者注) オリジナル記事に掲載されていたこの図は小さくてわかりづらいですが、図の中の青い太いラインで示された中に入る惑星は「生命が住みことができる環境であることが予想される」ということで、図の上の青いのが地球。下の緑のものなどが、今回見つかった惑星などに該当するということのようです。つまり、地球と同じような環境であることが予想されると。



もともと、太陽系外で太陽と似た惑星を探すために投入された HARPS は、この8年間で 150以上の新しい惑星を発見している。既知の太陽系外惑星の3分の2ほどが HARPS によって発見されている。

そして、多くの「生命存在の可能性のある」地球と似た環境であるかもしれないスーパーアースを発見した。

3-eso1134b.jpg



下の写真は、今回見つかった地球型の惑星 HD 85512 の写真をクローズアップしたものだ。

4-eso1134e.jpg


HARPS チームの責任者は、「惑星 HD 85512b を探知できたことは、太陽系外の太陽と似た恒星の周囲には、生命が住むのに適した地帯を持つ惑星、つまり、地球型の惑星スーパーアースをさらに発見できる可能性を示唆する」と語った。






(訳者注) 記事の中に天文学者の話として、「惑星の大気が十分な雲を持つならば、液体の水と海が存在するかもしれない」というものがあるのですが、これは、補足させていただけば、「大気さえあれば雲はできる」と思われます。

理由は、先月、ご紹介した欧州原子核研究機構 CERN の発表の「雲を作っている要素の多くが宇宙線」だと判明したことによります。

(過去記事)「宇宙線が雲を作るメカニズム」の一部を欧州原子核研究機構 CERN が解明
2011.08.26

つまり、大気さえ持つ惑星であれば、宇宙線は宇宙のどこにでも存在しているはずなので、必然的に「雲はできる」ということです。

「雲ができる」ということは「雨が降る」ということで、つまり、「水がある」。


この法則があてはまる惑星なら、そこにパンスペルミア説や、アミノ酸の宇宙発祥説(参考記事 「DNA が宇宙で生産されている証拠を発見: NASA が発表」)などを考えると、あとは気温が生命の環境に適していれば、非常に多くの惑星で地球と同じような生命体系が存在できると考えられるように思われます。


それにしても、予想以上に「地球と同じ星が周辺にウジャウジャと存在している」ということがものすごい速いペースで判明していて、確かに私たちが思っている以上に、「太陽系の周囲も太陽系と地球だらけ」ということなのかもしれません。

今回の ESO の発表を読む限り、そんな感じのようです。