前回の記事、「ニビルは地球には近づけない」に、「現在まで発見されていない巨大な天体が地球近辺に存在すると考えることは難しいのでは」というようなことを書いたのですが、そう考えたことのひとつに、
・天体観測技術の設備と解析手法の急速な進歩
があります。
最近、そのことを実感したニュースがありました。
数日前に、米国ハーバード大学の科学者が、 NASA のケプラー望遠鏡の画像を解析している中で、これまで見つかっていなかった惑星を発見したというものです。記事では「見えざる惑星」と記されています。
ケプラー望遠鏡は、太陽系外惑星の観測のために NASA が打ち上げたもので、宇宙にあり、これまでに輝かしい成果を上げています。Wikipediaには、
ケプラーが未確認の惑星候補を既に1000個以上発見していることが報告された。うち288個が地球サイズの候補で、生命居住可能領域を公転する地球サイズの候補も5個発見されている。
とあり、今後もさらに「他の地球」を発見し続けることと思いますが、今回は、このケプラーによりこれまで知られていなかった惑星を発見したというニュースです。
大きさは地球のサイズの2倍くらいで、距離は地球から 650光年の場所にあるようです。
「見えない」という意味は、つまり、今まで見つからなかったという意味で、文中でも、1846年の「海王星の発見」を引き合いに出しています。不思議なのは、その太陽系の軌道上の動きとは違うような動きを見せているようです。
なので、その太陽系内に「他の軌道システム」が存在しているということなのか、あるいは、昨日も書きました、「さらに大きな軌道グループ」というのが存在している可能性もあるようにも感じます。
宇宙空間で惑星が単独で浮いているという可能性は(その場所で惑星が生成されたという事実からも)ないと思われ、浮遊しているように見える惑星も何らかの「見えざる引力」の影響下にあると思われます。
私たちの太陽系でも、すでに土星の巨大な引力圏が判明していて、また、私たちの地球自体もかなりの範囲の引力影響圏を持っており、「入れ子の軌道」というようなことになっているのかもしれませんが、いずれにしても、太陽系周辺でさらに他の巨大惑星が見つかる可能性もあるということも考えられるようです。
発表は、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのプレスリリースで行われました。ちなみに、発見してリポートしたのは、サラ・バラードさんというハーバード大学の女性科学者です。
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World in Transit Hides ‘Invisible’ Planet in Its Solar System
Interbational Busioness Times 2011.09.09
移動中の宇宙空間がその太陽系の中に「見えざる」惑星を隠していた
▲ ハーバード・スミソニアン天体物理学センターが発表した「ケプラー 19」の予想イラスト。
これまで誰も見ることなかった「見えざる」惑星を、 NASA のケプラー探査機がキャッチしたことを確認した。天文学者や天文マニアの間では、その太陽系の中に見えない惑星が隠されているということが初めてわかったことが話題となっている。
今回発見された「ケプラー 19c」について、今のところは天文学者たちも何もわかっていない。わかっているのは「存在している」ということだけだ。
ケプラー 19c は地球から 650光年の場所で見つけられた。
科学者たちはこの「ケプラー 19c」には別の他の惑星があり、そのもうひとつの惑星の影響を受けており、 ケプラー19cはその引力の影響下にあると考えている。
私たちの太陽系のすべての惑星は、その大部分が太陽系の軌道上を回っている。
しかし、今回見つかったケプラー19cはそういう動きを示していない。
その太陽系の軌道とは異なる軌道を描いているようだ。
研究者のひとりである科学者のディビッド・シャーホセノー博士は、
「これは謎だ。しかし、私たちはこれを謎のままで終わらせるつもりはない」
と語った。
今回のレポートは、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのサラ・バラードによってなされた。
バラードはこのように言う。
「これはまるで、誰かにドアベルを鳴らされてイタズラをされているみたいな気分にさせてくれる事象です。つまり、ドアの外に誰かいることはわかっているのだけれど、それが誰かを見ることができないのです」。
今回発見されたケプラー19cは、その軌道を9日と7時間かけて周回している。大きさは地球のサイズの倍くらいに見える。「ミニ海王星」と呼べる程度のサイズのカテゴリーになるものと思われ、直径は 18,000マイル(2万8000キロメートル)となる。
(訳者注) 地球のサイズは大体 12000キロメートルくらいなので、その倍くらいです。
海王星が発見されたのは、当時の天文学者たちが天王星を観測していた時のことだった。その軌道が、予測されていた天王星の軌道と一致しないことで、海王星の存在がわかった。
(訳者注) 文中に「海王星の発見」のことが出ていて、今回の発見も何とく同じようなニュアンスでの発見ということになるようです。
そのことについて知らなかったので、Wikipedia の、海王星の発見についての記述を抜粋しておきます。
海王星の観測と探査
天王星の発見後、その摂動から、未知の惑星が存在すると考えられるようになった。フランスではルヴェリエが予想軌道を算出し、それを受けたガレが1846年9月23日に発見した。
(中略)
海王星の公転周期は約165年であり、2011年7月12日に最初に発見された時点の位置に戻った。
とありました。
今年2011年ってのは、「海王星が最初に発見された位置に戻った」という年でもあったんですね。