2011年09月21日



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[地球の内なる太陽] Vol.4 - アメリカ化学会の数百名の科学者たちが挑む「地球内部の謎」



地球の中に秘密の「生命地帯」が存在するのだろうか?

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カテゴリー[地球の内なる太陽]の他の記事

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Vol.1 - [地球の内なる太陽] の意味
Vol.2 - 地球からのニュートリノと地球内部からの膨大な熱の源は何か
Vol.3 - ヘルメスのエメラルド板

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(訳者注) 米国に基盤を置く「アメリカ化学会」は、世界最大の科学系学術団体で、グリグリの科学の最前線情報を提供する権威筋であるわけなんですが、そのアメリカ化学会での先日の会合(第242回ミーティング)での話題は、
 
 > 1864年のSF小説「地底旅行」について

だったのだそう。

その「地底旅行」という小説はフランスのジュール・ヴェルヌという人が書いたもので、内容は一言でいうと、

地球の中心にある空洞へ旅行する話

で、 Wikipedia にはストーリーとしてこのように書かれてあります。

3人は数十日をかけて南東へ 1400km 、下へ 140km 進んで大空洞に到達する。「オーロラのような電気現象」で照らされたこの大洞窟には、海があり、キノコの森が繁茂し、地上では絶滅したはずの古生物たちが闊歩していた。

mash-01.jpg

▲ 小説のイラスト。登場人物たちが地球の中心で見た巨大キノコの森。




ちなみに、「地底旅行」はアメリカでの英語版では「A Journey to the Center of the Earth」(地球中心への旅)です。


もちろん、化学界がこのようなことを話題にしたことには正当な理由があり、それは、現在、化学会が取り組んでいる大きなプロジェクトである DCO プロジェクトという地球の深層部の調査があり、そのプロジェクトの目的は、


・ダイヤモンドの生成についての調査
・石油の由来の解答を得ること
・新たな極限環境での地球生物を見つけること



などがあるのだそう。

ちなみに、石油の由来というのは、こちら によると、


1. 生物由来説(有機成因論)
2. 無機成因論
3. 石油分解菌説



などの説があり、資本主義とか西側諸国の多くの国では、「1」の生物由来説が主流ですが、ロシアなどでは「2」が主流で、さらに、「3」の石油分解菌説は日本で生まれた説で、もし、「2」か「3」なら、将来、石油が枯渇するということはないことになるのだそう。ただ、「1」の生物由来説でも、「生命が地球の奥深くのどこにでもいる」ということになると、石油はどこにでもあるということにもなるわけですが。

今回のアメリカ化学会での考え方は、「1」の生物由来説を採りつつも、「地球の内部にはまだ知られていない他の生物の生息地帯が存在するのではないか」という疑問に繋がったもののようです。それが冒頭の「地底旅行」と繋がったようです。

そういえば、以前、

生物は地球のいたるところに存在する: 地中3.6キロから発見された「悪魔の虫」
 2011.09.03

devil-worm.jpg

という記事をご紹介したことがあります。

下3キロという場所から大型生物(0.5ミリの線虫。上の写真)が発見されたというニュースでした。
思っている以上に地球にはどんな場所にでも「生命」が存在するようです。


それでは、ここから今回の本記事です。




Mysteries About Carbon, Possible Oil Formation And More Deep Inside Earth
NANO PATENTS AND INNOVATIONS 2011.08.28

炭素と石油が作られることについての謎。そして、地球の内部の奥深くのミステリー


center-of-earth.jpg

▲ 小説「地底旅行」の表紙。


地球の地下160キロで生まれたジャガイモ大のダイヤモンドはどのように速い速度で上へと上がっていくのか。

地球の内部にはまだ知られていない「秘密の生命地帯」が存在するのだろうか?

地球表面近くに存在する動植物の残骸から作られた石油だけではなく、それよりもっと深い、誰も想像もしていないような地底に天然の石油や天然ガスが存在しているという可能性はあるのだろうか。

二酸化炭素が純粋な鉱物に変化する可能性はあるのだろうか。


これらは、古いSF小説で取り上げられたテーマでありつつも、それぞれが、現代の科学界で考えられることがあるミステリーだ。

米国に基盤を置くアメリカ化学会が先日開催した第242回の全体会合でのプレゼンテーションでの話題のひとつが、1864年の小説「地底旅行」だった。

アメリカ化学会では、何百人もの科学者たちがひとつの国際的プロジェクトに一体となって取り組んでいるが、そのプロジェクトは、ディープ・カーボン・オブザーバトリー(DCO/ 深層炭素観測プロジェクト)という名称で、主に、二酸化炭素中の炭素をこれまで以上に調査している。

プロジェクトの代表であるラッセル・ヘムリー博士は、この基礎研究には将来への実用化に関しての様々な含みがあると語る。

地球内部の非常に高い圧力を研究所で再現する装置を用いて、二酸化炭素を研究所において、重合二酸化炭素と呼ばれる堅い物質に変換する方法を発見した。

これは、たとえば既存のダイヤモンドよりも高品質のスーパーダイヤモンドを研究所で作ることが可能となるものだ。これらはカッティング装置や、あるいは宇宙探査などのためのアプリケーションで広く用いることができる。


DCO プロジェクトは、地球の地下深くで起きている現象の観察を研究室で行うことで、地球内部でのダイヤモンドの生成を含めた大きな「地球の中心の謎と神秘」に迫ろうとしている。


科学者は言う。

「本当は「地底旅行」のように地下 160キロを旅行することができれば一番いいのだが、現在の科学では、地下深くで何が起きているかを直接観察することはできないのだ」。


DCO プロジェクトが探査するもうひとつは「エネルギー」だ。

地球内部での石油ができるプロセスの由来については、まだ明確な答えが出ていないジャンルのひとつだ。そのために、地球内部深くの炭素の性質を調査することは、その手がかりを提供することになるかもしれない。

研究者のヘムリ博士は「非生物的なプロセスがエネルギーの生成に関与しているのかもしれない」と語る。


DCO プロジェクトは、さらに地球での「他の生命の形態」の探査も行う。
すでに、プロジェクトでは地球の内部の深さ 1.6キロメートルで微生物を発見し、それを特定している。

科学者たちはさらに地球の深い地域に生命がいる可能性を示唆している。

バクテリアを含む多くの地球の生命は、地球の地下の数千気圧の中では生きられないと考えられてきた。しかし、現在見つかったバクテリアが、最高で 20,000気圧の中を生き残ることができることがヘムリ博士の調査で判明している。

この事実は、我々の想像を超えた極限環境で生きる生物が存在するかもしれないという理論を支持するものだとヘムリ博士は言う。

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