2011年11月14日



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あらかじめ予測されていた小氷河期の到来(5) 地球の天候への太陽の影響







この「あらかじめ予測されていた小氷河期の到来」も、今回の投稿でラストになります。

ところで、先日、バチカンの希望の砦は「宇宙人という神」の登場(3) という記事の冒頭で、「パキスタンで広範囲に渡って放射性物質が測定された」という報道にふれたことがありましたが、また「放射能」に関してのニュースがあったので、ご紹介しておきます。
IAEA (国際原子力機関)のプレスリリースです。


世界各地で検出され続けるヨウ素131


これは11月11日に出ていたもので、タイトルは「ヨーロッパで低レベルのヨウ素131が検出」というものでした。

短いニュースですので、ご紹介しておきます。
検出された場所は、チェコを中心した広い範囲とのことです。




iaea.jpgLow Levels of Iodine Detected in Europe
IAEA (国際原子力機関) プレスリリース 2011.11.11


ヨーロッパで検出された微量のヨウ素131

非常に低いレベルのヨウ素131がこの数日間、チェコ共和国の上空で検出されたという情報をチェコ原子力安全委員会から受けた。

IAEA の調査によれば、ヨーロッパの他の地域でも同様の測定がなされている。

しかし、検出されたヨウ素131の濃度は人体に影響のあるものではない。また、このヨウ素131の検出に関しては、日本の福島原発の事故と関係するものではないと IAEA では考えている。現在、このヨーロッパでのヨウ素131の検出の原因を IAEA で調査している。結果がわかり次第、ウェブサイトを通して発表する。





上の記事に出てくる「ヨウ素131」は原発の事故や核爆発などで放出されるもので、そういう例では多量に検出されるそうです。

ちなみに、近代史で、「最も長期間にわたって」大量のヨウ素131を浴び続けたのは1950年代のアメリカの人たちかもしれません。ネバダ核実験場の核実験での10年に渡る約 100回の実験で、毎回のように米国全域にヨウ素131が振りまかれていたはずです。

US_fallout_exposure.jpg

▲ アメリカのネバダ核実験場で 1951年から 1962年に行われた核実験の爆発によって拡散した、ヨウ素131の甲状腺への被曝ラド数。出典は、アメリカ国立癌研究所、「ネバダ核実験のI-131の甲状腺被曝推定」1997年からです。


上の地図の「」のところが、ネバダ核実験場実験場です。

少し前、「わたしの神話はずっと続いている」というようなタイトルの記事で、こんな地図を載せたことがあります。

winds-2011.png

この時に載せたこの偏西風の分布と照らし合わせるとおわかりのように、「実験場そのものより、偏西風の進む方向に向かって影響(被爆状況)が大きくなっている」ことがおわかりかと思います。

ヨウ素131の半減期(物質として崩壊するまで)は8日間程度と短いようなので、上の地図でゼロ地点より西や南(左とか下)はほとんど影響を受けていないのは、ヨウ素131の半減期の短さと関係があるのかもしれません。


個人的には「いったん地球上の大気に入ったものは、半減期まで(物質が崩壊するまで)地球を回り続ける」と思っています。なので、個人的にはこの世の「有害」と言われるものをあまり気にしたことがないですが(『地球上は一蓮托生』の意味で)、放射能のジャンルは何も知らない分野ですので、今回は IAEA の記事をご紹介するにとどめます。


さて、それでは、太陽物理学者デイビッド・ハザウェイ博士の「太陽の今後」についての続きで、今回がラストです。

ちなみに、下の記事に出てくる言葉の中で、

 > 空気そのものが地球の気候を作り出している

という部分には、何だかよくわからないですが、何だか少し感動しました。



Will Solar Cycle 24 Maximum Be Weakest in 100 Years and Go Into Grand Minimum without Sunspots?
Earthfiles 2011.10.31

太陽活動「サイクル24」は過去 100年で最も弱い太陽活動なのか? そして、それは太陽活動の極小期へと布石へとなるのか?



▲ NASA マーシャル宇宙飛行センターの太陽物理学者、デイビッド・ハザウェイ博士。
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サイクル25の始まりを知ることはできるのか?

[記者からの質問] もし、太陽活動がサイクル25から極小期に入るとすると、ヨーロッパの気候は氷河期に戻ってしまうのでしょうか?

そうではないと私たちは考えます。

もちろん、その問題に関しては不確実な点が多いですが、「氷河期」についての質問を私たちはよく受けます。しかし、その質問に対しては、「太陽が気候にどのくらい影響するものなのか」ということがはっきりとしていなければ答えられないのです。

たとえば、太陽が気候に影響する度合いは 10パーセント程度なのか、それとも、 50パーセント以上影響するのか。

それは現在でもまだわかっていないのです。


[記者からの質問] 太陽は太陽系の中で唯一、熱を与えているものなので、地球の気候にも大きな影響を及ぼすのではないのでしょうか

仮にそうだとしても、その割合を誰も知りません。

確かに、太陽は光と熱を地球に与え、よりよい環境を与えてくれています。しかし、地球には温室効果に起因するといわれる温度変化もあります。

温室効果という言い方より何より、地球にこの大気があり、それが熱を閉じ込めていてくれるからこそ、私たちは地球の上で生きていることができるのです。

もし「温室効果」がなければ、私たち人類は地球では生きられません。なので、地球の気候というのは「空気そのものが作り出している部分」もあるのです。

いわゆる地球温暖化と太陽の関係というものも含めて、今後、全力で研究されること思います。

それと、現在わかっていることは、地球が受ける太陽のエネルギーの変化というのは、少なくとも、光度、温度については、1パーセントの10分の1程度しか受けていないということがあります。

このようなこともあり、現在では、地球上に与える影響として他のさまざまな要素を考えることが多くなっています。

たとえば、宇宙線や高層大気の化学的変化などです。

現在では、雲の生成が宇宙線と関係している可能性が出てきており、「雲の存在」は地球の気候に大きく関係します。

太陽からの紫外線などのエネルギーがどれだけ変化しても、雲などの影響のほうが地球の天候に大きな影響を与える可能性があるということです。





(訳者注) このあと、ごく簡単に「氷河期とミランコビッチ・サイクル」というものにふれていますが、割愛しました。

最初にタイトルに「氷河期」とつけてしまったので、そのまま来てしまいましたが、結論としては、ハザウェイ博士の言っていた要旨は次のような感じのようです。


・データから見ると太陽活動が縮小していく可能性はある。

・しかし、それはサイクル24の最大期(2013年中頃)にならないとわからない。

・太陽活動の極小期になっても「氷河期」のような気候になるとは言えない。

・その理由は、地球の天候を左右するのは太陽よりも他の要素が大きいと最近は考えられいているから・

・ミランコビッチ・サイクルから見ると、少なくともいわゆる「氷河期」は来ないだろう。



大げさに書いてきたわりには、「太陽活動の変化だけでは、それほど地球上の天候の大きな影響はないのでは」という話かもしれません。

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