2011年11月17日



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マヤ語の研究でわかった人間の感情の認識



「むかつく」という感情表現の言語が存在しないマヤ語


(訳者注) なんかちょっとウツ気味で「なんか元気になるのないかなあ」と探していたら、マックス・プランク研究所のニュースに「感情は言語に関係なく人類共通かも」というようなのがありましたので、ご紹介します。

ドイツのマックス・プランク研究所は、心理言語学や進化人類学などで世界トップクラスの研究機関で、 In Deep の記事では、

古代原人は女性のほうが広範囲に移動していた (2011.06.22)
4万年前に異なる系統の人類が共存していた可能性 (2011.03.25)

などがあります。


なお、実は今回の研究そのものの内容はそんなに面白くないです。

それより、この研究では、「マヤ語とドイツ語を比較している」のですが、その理由が、

・マヤ語には、他のほとんどの言語に存在する「むかつく( disgust )」という意味の言語が存在しない



のだそうです。

というか、「怒る」という表現以上の強い言語がない模様。
なので、マヤ語は言語学者たちの研究対象としてよく使われるのだそうです。

マヤ語というのは、マヤ文明のころから使われている言語で、私はマヤ語なんてのは過去の言葉かと思っていたのですが、weblioによりますと、「今もマヤ語を話す人口は約 300万人いる」とのこと。

もっとも、マヤ語に詳しい「カンクン丸福」というブログの、こちらの記事にはこうありました。2009年11月の記事からの抜粋です。

マヤ語しか話さない人口は、近年激減し、800,000人となっています。彼らは、特にお年寄りですが、昔ながらの自給自足の生活をしております。若い人たちは、やはり現代の文明にあこがれ、現金収入を求めてジャングルから出ます。

仕事をしたい人はまずメキシコの公用語であるスペイン語を少しでも話す必要があります。

そのマヤ人の子供たちはほとんどマヤ語を話さない子供が多いです。学校でも、マヤ語を話す子供は低く見られますので、なるべく話さないようにするため、親も強くは勧めないのが現状です。


ということなんだそうです。
マヤ語は基本的には絶滅に向かっているようです。

言語は実際に生活で話す人がいてのものですから、研究対象として残っても意味ないですしね。

maya-fami.jpg

上の写真は現在のマヤ人の家族。
かわいい服ですね。
この服のデザインもマヤの伝統なのかなあ。


ついでにマヤ語でも勉強しようかな

maua-0-10.jpg

▲ マヤの数字。20進法のよう。やっぱり、「4」で一区切り終わっている。


実は上のブログ「カンクン丸福」には、マヤ語の文法が少しだけですが、書かれてあります。

その「マヤ語の文法と母音」を見て、いろいろと思うところがあったのですが、言語と世界とか母音のことは今では個人的な趣味として、コツコツ自分でメモとかしてはいるものの、最近あんまり書いていません。

まあ・・・母音とか誰も喜ばないような地味な話ですからね(苦笑)。

何しろ、「母音での天地創造」は、神様も宇宙人も天使も、大いなる理性とか魂とかも、とにかく何も派手なものが出てこない。確かになんか夢がないのでしばらく書くのをヤメています。

「神様も出てこない言葉だけによる創世記」はあまりにも地味な世界で、人に主張したりするこっちゃないのかなあと最近気づいた次第です。今までクレアなどでも書いたりして申し訳なかったです(つまらない話だったと思います)。

もう少し頭の中で整理してから、どうしようかを考えます。
まあ、どう書いても地味な話に変わりはないのですけど。


それでは、マックスプランク研究所のリリースです。

なお、ここでの研究のポイントは最初、何度読んでもよくわからなかったのですが、こういうことのようです。

「Disgust」というのは(英語やドイツ語などでは)非常に「強い否定語」だということのようで、


・マヤ語には「怒る( anger )」という感情を表す言葉はあっても、「むかつく、うんざりする( disgust )」という感情を表す言葉はないので、その区別が言語上ではない人たちに、区別はつくのだろうか、と。



マヤ人同様に、日本人にも実は anger と disgust の違いはわかりにくいかも。
この違いは簡単な日本語の表現では、

・腹立つ( anger )
・クソ腹立つ( disgust )

くらいの違いかと思いますが、 disgust のニュアンスはさらに強いようです。

では、ここからです。






Understanding emotions without language
マックス・プランク研究所(ドイツ)ニュース 2011.11.01

maya-top.jpg

▲ マヤ人の女性。


言語にとらわれない感情への理解が深まる

私たちが持つ人類の「感情」を理解するためには、私たちの話している言語を理解する必要があるのだろうか? それとも、言語や文化とは関係なく、私たち(人類)の感情に対しての認識というものは共通なのだろうか?


マックス・プランク心理言語学研究所と、マックス・プランク発達人類学研究所が共同で行った新しい研究でその答の一端がわかった。

人は人の感情を理解するために彼らの話す言語を理解する必要はないようだ。

研究成果は、2011年10月17日に、アメリカ心理学会のジャーナル『エモーション(感情)』オンラインで発表された。

この研究では、感情の信号の認識は、言語によって左右されるものではないという証拠を提供する。そして、感情は生物学的な進化のメカニズムの一端を構成するという考え方を支持するものとなった。


研究は、ドイツ語を話す人たちと、マヤ語(ユカテク語マヤ)を話す人たちとの間で比較しておこなわれた。マヤ語を話す人々は、メキシコのユカタン半島に住むマヤ人たちの人たちだ。

今回の研究者のひとり、オリバー・ラ・グエン博士は、人類学者たちの多くが、メキシコに拠点を置く理由として、「マヤ語には、英語でいう『 disgust 』(むかつく)に相応する言葉が存在しないということがある」と言う。

そのマヤ語を話す被験者の人たちに、様々な表情をした人間の顔の写真を見せ、その感情を言葉で表してもらった。

そこで、

・怒る( anger )に相当する表情
・むかつく( disgust )に相当する表情

の、それぞれの写真を見せると、マヤの人たちは、そのふたつに対して区別せずに、同じひとつの言葉で表現した。

しかし一方、(「むかつく」という言語が存在する)ドイツ語を話す対象者は、その

・怒った顔と
・むかつく顔

に対して、それぞれを別の意味の言葉で表現した。

これは、「怒った」と「むかつく」という意味を持つ感情にアクセスすることに関して、マヤ語とドイツ語と2つの言語が異なることを示す。



基本的な人類の感情カテゴリー

次に、2つの言語グループの被験者の人たちに、

・様々な感情を示すペアの写真

を使って、調査が続けられた。

提示される写真の組み合わせを、見る被験者ごとに均一にするため、写真のペアはデジタル的に撮影され、表示されたものが用いられた。そして、被験者たちが数多くのペアの写真を見て、その2枚の絵のどちらを見たかを質問していった。


調査者のディサ・ソーター博士はこう言う。

「『怒る』と『むかつく』というような感情の分類が、その表現言語を持っているのかどうかにかかわらず、人間の基本的な感情認識のメカニズムなのかどうかは、よくわかっていませんでした」。


この疑問に対して、今回の調査は答の一端を出したといえる。

つまり、『怒る』と『むかつく』という感情表現を「ひとつ」の言葉で示しているマヤ人たちは、その違いの言葉を持つドイツ人たちと同じ反応をすることが、実験の結果からわかったのだ。

「感情のシグナルの理解は、言語に基づくものではないということが、この調査結果でわかりました。言語のかわりに、私たち(人類)には感情に対する基本的な人間性のメカニズムが存在しており、この結果として、人類の感情が進化したのではないかと考えます」と、ソーター博士と述べた。






  
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