2011年11月18日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




スーパー火山の噴火はいつなのか?



yellowstone-2011-2012.jpg

ナショナルジオグラフィックに掲載されたイエローストーンが噴火した時の地球内部の想像図。
--

(訳者注) 先日の「「地球外生命の存在の証拠はない」: ホワイトハウス掲載文の全訳」という記事で、ご紹介するとしていた記事です。そこでは、「2012年にイエローストーンは噴火しない」というものだとしましたが、読んでみると、イエローストーン個別のことではなく、「世界のスーパー火山すべて」というようなことのようです。

記事の冒頭にイエローストーンの写真が掲載されていたので、イエローストーンの記事と思い込んでいました。

それはともかく、この NASA の記事も、エイリアンの記事同様、「何のために発表しているのか」わからないものです。


今回の翻訳記事を一言で要約するとこうなります。


「地球でかつてスーパー火山が数多く噴火したが、現在の科学ではその時期を予測することはできない」


と。

なので、記事の要旨が「何も予測できないのだから、2012年の噴火の可能性も予測できない」というような感じさえして、何となく自信なさげな記事なのですが、スーパー火山の噴火を予測できないのは誰でもわかっていることで、それなら、どうしてこんな記事をわざわざ、 NASA のニュースリリースとして出す必要があるのかなとは思います。

なんとなく、最近、NASA は不思議な感じのニュースが増えているような気がします。
あんまり不思議になってくると、「本当は噴火すんじゃないのか?」とかいろいろ勘ぐられそう。



いくつかの超巨大火山

なお、参考までに、「世界の7つの超巨大火山」というものがあって、それは以下のようになるようです(地球の記録より)。


1.イタリア・セージア渓谷 (最後の大噴火:約2億8000万年前)
2.米国イエローストーン (最後の大噴火:64万年前)
3.薩摩硫黄島 (最後の大噴火:約7300年前)
4.インドネシア・トバ火山 (最後の大噴火:約7万4000年前)
5.ニュージーランド北島のカルデラ群 (最後の大噴火:西暦150年頃)
6.シャツキー海台 (最後の大噴火:不明)
7.オントンジャワ海台 (最後の大噴火:1億2000万年前)



となります。
新しい発見によってかわるでしょうけれど。

上の7つの中には日本の薩摩硫黄島が入っています。
日本に大きな影響のある火山としては、他に、

・富士山
・白頭山


があります。


なお、私個人としては、先週書きました「「鎖国」と「富士山大噴火」を生み出した前回マウンダー極小期」という記事で書きましたように、


・噴火は地球内部から地上へ向けて物質が大放出され、「地下から表に出なければならない何か」を噴出する大きなイベント



だと考えていて、地球の自然と生命のサイクルのために意味があるものなのだろうと考えています。

toba.jpg

▲ 7万5千年前のトバ火山の噴火の想像図。このトバ火山の噴火は、気候の変化などにより、その後の人類の進化に大きな影響を与えたのではないかとする学説があります(トバ・カタストロフ理論といわれています)。「人類の進化」というキーワードさえ出てくる噴火。


また、本当にマウンダー極小期のような太陽活動の縮小期が来るなら「長期にわたる宇宙線の地球への到達の低下」があるはずで、噴火(のトリガーに宇宙線が関与しているのなら)は今後数十年間、頻発するという可能性はあるようにも思います。







Supervolcanoes: Not a Threat For 2012
NASA 2011.11.15

スーパー火山噴火の2012の脅威は存在しない

yellow-now-2011.jpg

▲ 現在のイエローストーン。


地球の45億年の歴史では多くの巨大な噴火が繰り返して起きていたことを地質的記録は示す。それらは、近年のピナツボ火山の噴火やセントヘレンズ火山などの噴火よりはるかに巨大な噴火だった。


そんな中、最近、「 2012年にスーパー火山の大きな噴火が迫っている」という主張などが見られることがあるが、そのようなスーパー火山の噴火が差し迫っているという徴候や証拠は現在はない。


この「スーパー火山」、あるいは「超巨大噴火」という言葉の定義は現在でも正確ではないが、しかし、世界の科学者たちの間では、1回の噴火で 1000立方キロ以上の岩石と火山灰を噴出する火山を超巨大火山と呼ぶのが慣例となっている。

地球の過去のそれらスーパー火山の噴火の規模を完全に理解することは難しいが、しかし、地球の表面や地質には現在でも、過去のスーパー火山の痕跡が数多く残されている。

有史以前、インドネシア、ニュージーランド、アメリカ大陸、そして、チリ等で起きた巨大噴火では、直径 100キロを吹き飛ばされたと同じ程度のクレーターが見られ、特に、今から7万年ほど前に起きたスマトラ島のトバ火山の噴火は、1980年のセントヘレンズ火山の噴火のおよそ3000倍の威力の噴火で、2,800立方キロメートルのマグマを放出したと推察されている。

このすさまじさは、たとえば、有史上で最も大きな噴火のひとつとして数えられる 1883年に起きたインドネシアのクラカタウ火山の噴火でのマグマの量は、およそ 12立法キロメートルであった(トバ火山の噴火の数百分の1)。


現在の火山学者たちは、スーパー火山に対して多くの「答えの存在しない質問」に対しての答えを求め続ける。

たとえば、スーパー火山の噴火を誘発するもの(トリガー)は何なのか?
そして、どうしてマグマがそのように大規模に形成されるまで噴火しないのか?
どうしたら、私たちは次のスーパー火山の噴火について予測できるのか?

それらはなお模索されていて、回答の出ていない世界だ。

しかし、それでも、すべての火山の専門家が以下の点については同意している。
それは「スーパー火山の噴火はいつかは起きるものではあっても、非常に希なことであり、私たちの有史の中起きる確率は無視できるほど小さなものだ」というものだ。


最も最近のスーパー火山の噴火は、約 26,000年前にニュージーランドで起きた。
トバ火山の大噴火はそれよりさらに5万年前の出来事だ。


地質学者たちは、現在、地球上で残るスーパー火山の数を計測し続けていて、スーパー火山として残っているもの数は約 50だと特定した。

この「50」という数は多いと思われるかもしれないが、しかし、調査によると、すべてのスーパー火山を含めて、その超巨大噴火の発生は、「約 100万年のあいだに 1.4個のスーパー火山が噴火した」という程度になる。もっとも、これは、100万年ごとにスーパー火山が噴火するといった話ではなく、すべてを合計しての計算の上の数値だ。


地球の歴史上では、何百万年もスーパー火山の噴火がない時期もあったし、また、短い期間に次々とスーパー火山が噴火する時代もあった。


そして、地質的記録では、「スーバー火山の噴火は集中した時期に起きる」ことが示唆されている。とはいえ、これらの記録が未来のスーパー火山の噴火の予測に役立つというわけでもない。


スーパー火山の噴火が特定の年代で起きるのか。
あるいは、周期的なサイクルで噴火するのかどうかといったことを正確に予測する方法が今の科学には存在しない。

しかし、それでも、2012年にスーパー火山が噴火するといった明確な証拠はない。






  
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。